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 『IT Competenceを鍛えて、翻訳のグローバルマーケットへ』

2014/12/10

特集:2015年は IT Competenceを鍛えて、
    翻訳のグローバルマーケットへ!! 第1回


  『IT Competenceを鍛えて、翻訳のグローバルマーケットへ』

小室誠一 : バベル翻訳大学院(USA) IT COMPETENCE科目 専任インストラクター


急速に発展したインターネットを基盤とする情報社会では、すでに時間的・地理的制約のない、グローバル化が顕著となっています。

必要な文書はどんどんデジタル化され、インターネットを通じて瞬時に届けられます。しかも、最近では地域化が重要視されており、迅速に多言語に翻訳されて配信されるようになってきています。
翻訳ポータルも着実にサービスを充実させてきており、世界中から優秀な翻訳者をリクルートすることも夢ではなくなっています。
このような時代では、否応なしに世界基準の翻訳生産システムを意識せざるを得ません。

(株)バベルでは、翻訳のためのICT技術に早くから着目し(機械翻訳システムを導入したのは1990年)、その教育機関であるBUPST(BABEL UNIVERSITY Professional School of Translation)でも「eトランステクノロジー」と命名して翻訳生産の効率化を研究してきました。
翻訳の国際規格、ISO 17100 の発効を間近に控え、いよいよ日本でも翻訳のグローバル化を真剣に受け止める時期が来たのではないかと思います。

WEB TPT では2015年を、翻訳のグローバルマーケットへの出発点ととらえ、4回にわたり特集を組みました。

<翻訳のためのICT=eトランステクノロジーの要点>

●過剰な情報のなかから必要なものを探し出すための「検索技術」
大量の文書データから有用な情報を抽出するには、高度な検索技術と検索結果を要領よくまとめるスキルが必要になります。
・情報呈示の形式(HTML、XML、各種DTPなど)の理解
デジタルデータは必要に応じて様々な形式で表示されます。WebではHTMLやXML、PDFや電子ブックで提供される場合でも、MS WordやInDesignなどを使用して作成されます。ウェブデザイナーや書籍編集者にならなくても、翻訳者として基本的な知識を身につけておくのが望ましいでしょう。

●多言語の文書管理システム
翻訳も含めて多言語の文書管理には専用の翻訳支援ツールを利用するのが普通です。これに関しては、「ローカライズ」と呼ばれている翻訳の世界で、多くのノウハウが蓄積されています。eトランステクノロジーでも、長年そのノウハウをベンチマークしてきました。以前はローカライズと言えば、IT系のマニュアルやカタログなどが中心でしたが、企業がインターネット利用に重点を置くようになってから、取り扱うジャンルも多様になってきており、技術系以外の翻訳者の参入がもっとも期待されています。

●オンラインコミュニケーション
現在ほどオンラインのコミュニケーション手段が発達すると、TPOに応じてどのツールを使うか迷ってしまうほどです。eメール、掲示板、SNS、インスタントメッセンジャー、ビデオチャットなど、これらをうまく利用することがグローバルマーケットへの足掛かりとなるでしょう。


さて、若い世代の翻訳者の中には、こんなことは常識じゃないかという人もいるかも知れません。確かに、デジタルネイティブの世代には常識に思えても、日本の翻訳業界はまだまだガラパゴス状態です。
とりあえず、2020年の東京オリンピックまでには急速に翻訳のグローバル化が進むのではないかと言われています。
みなさんも、IT Competenceを鍛えて、翻訳のグローバルマーケットへの準備を始めましょう。

 

小室誠一  バベル翻訳大学院(USA) IT COMPETENCE科目 専任インストラクター