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【連載】JTA News & Topics  第155回

2021/02/22

JTA  News & Topics 」  第155回 

今回は、2020年10月16日に実施した「海外の翻訳事情と顧客に近い翻訳者の道(米国シリコンバレー)」セミナー(主催:バベルユニバーシティ、共催:バベルアラムナイの会、後援:一般社団法人 日本翻訳協会)受講者の吉田ひろみさんよりセミナーレポートを投稿してくださいましたので掲載いたします。

情報提供:一般社団法人 日本翻訳協会 (Japan Translation Association 略してJTA) 

http://www.jta-net.or.jp/ 


「海外の翻訳事情と顧客に近い翻訳者の道(米国シリコンバレー)」セミナー 

      機械翻訳が通じない世界がある



 

●レポーター :吉田 ひろみ
ハワイ州在住。米国企業フルタイム勤務の傍ら、子育てと学業との両立に日々奔走中。
今後、ハワイの自然保護等のボランティア活動にも参加貢献していきたいと思っております。

 この度、「海外の翻訳事情と顧客に近い翻訳者の道、機械翻訳が通じない世界がある」セミナーへ参加させていただきました。小早裕子講師は日本企業等でのご勤務経験の後、バベル翻訳専門職大学院にて学ばれ、現在、マルチ翻訳者としてシリコンバレーにてご活躍中で、お話を伺わせて頂きました。ご自身で翻訳会社を立ち上げられてからも、お仕事の幅を広げる為、常に新たな事を学ぶ姿勢を持ち続け、新規顧客開拓に奮闘されていらっしゃるお姿は素晴らしいと思いました。また、フリーランス翻訳者として働く場合、会社員(社内翻訳者等)とは異なり、新規顧客開拓に皆様も、ご苦労なされていらっしゃるご様子が伝わってきました。
 翻訳者が厳しい状況に直面している理由として様々な要因が挙げられました。日本語の翻訳を請け負う翻訳会社が増加していること、機械翻訳(MT)の出現、Google翻訳がMTの開発を加速、国内外でさまざまなMTエンジンの開発、多様なオンライン翻訳ツールで翻訳のセグメント化していること、日本の翻訳会社からアジアの翻訳会社への業務依頼移行、MTエディットは誰でもできる?ことから翻訳の質の低下、悪い翻訳が続出し、翻訳単価の低下につながっている状況等。また、MTの進化で翻訳の仕事はなくなるのかという懸念、翻訳者はMTが浸食しない領域にシフトしなければならない、というお話を伺った際は前回のセミナーで、海外在住の翻訳者の方が、MTへの脅威から日本でお仕事をする決意をされ、ご帰国されたという体験談を思い出しました。
 今回のセミナーの中で、マルチ翻訳者としてご活躍中の小早講師のお考えと、特化型(専門性)を重視という堀田副学長のやりとりがとても印象的でした。ご自身でも翻訳会社を経営しておられるという堀田副学長は、特化型を重視するという理由として、専門的な得意分野を持つ翻訳者でない場合、その人のバックグラウンドが掴みづらく、仕事の依頼が難しいこと等をあげられました。日本企業(自動車関連)でのご勤務経験から豊富な業界知識をお持ちだった小早講師は、その経験を活かし、バベルで第3専攻(特許・技術・医薬翻訳)を学ばれ、その後、堀田副学長へご相談され、第4専攻(法律翻訳専攻)へ方向転換なされたという経緯を伺いました。私自身も、バベル翻訳専門職大学院入学の際、興味深く感じている専攻が複数あったことと現在も、興味を持ち続けていることから、誰もが皆、学びの過程で思うことや心境の変化等あるものなのだと親近感が湧きました。
 「翻訳者はMTが侵食しない領域にシフトしなければいけない」「MTに浸食されない分野とは?」「MTが学習できない内容、 MTが学習できる材料が まだ存在しない領域や 直訳では済まない内容は何か?」ということを想定したときも、多岐にわたる分野や内容が提示されました。例えば領域であれば、社外秘情報、経営、独自技術など、新しい領域・考え方、自動運転、COVID-19、都市計画、インクルージョン、LGBTQなどが考えられます。また、行間を読む、意図を汲み取る、文化・知識の違いをすり合わせる必要があり、単純翻訳を抜け出し、クライアントの真のニーズを把握することも大事だと考えられます。更にはマルチスキルになる、特化型(専門分野、エキスパート、高い翻訳技術、スキルアップと共に安定的収入に繋がる)、マルチ型(翻訳の基礎をつける、専門分野を増やす、マルチスキルで広い領域をカバー)、MT(機械翻訳)の脅威の中で、翻訳者は特化したスキルから、マルチスキルへの遷移も必要ではないか等を語られました。
 又、米国テクノロジー企業の製品の日本語翻訳依頼を受けた際、大量のエラーリポートを受けられたとき、大変ショックで驚かれたとのことでしたが、その対応に相手方への質問と詳細な説明、確認作業をしっかり行われた結果、小早講師に対しては、今後エラーリポート発行は一切無用、免除となったことでした。(米国らしさを感じました)。誰のために翻訳するのか、クライアントの目的を達成するために翻訳するのだということに気づかされた、とお話しをされていました。「誰のために仕事をするのか?」という思いは、きっと誰にも共通する部分があると思います。貴重な体験談を伺う機会を頂き、大変参考になりました。ありがとうございました。

以上

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●●セミナーのご案内●●

*ZOOM(オンライン)で受講できます。                           
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                            ●ZOOM オンラインセミナー●        
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   ☆「翻訳を通じて広い世界の無限の可能性に挑戦」セミナー☆
 
            ― 自分が最も輝ける世界への飛躍を! ―  

翻訳学習を通じて英語を学び、自身の輸入会社を設立しました。
経営の専門知識も経験もない私が、国際コンテストで銀賞を受賞することができたのも、
バベルでの翻訳学習を通じて世界へ飛躍したからです。語学や異文化を理解するという
ことは世界に挑戦することができます!広い世界には無限の可能性が広がっています。
私の経験から、自身が最も輝ける世界への飛躍するためのヒントをお話しできたら幸いです。

◆セミナー目次:
1)自己紹介
2)起業までの道のり(木内講師のプレゼン)
3)インタビュー
4)質疑応答

●講師:裕美 アコット(ヒロミ アコット)
 ・学習院女子大学 国際文化交流学部卒業 
 ・弁護士目指し上智大学ロースクール入学、司法試験の勉強に取り組む
  も、挫折。弁護士の夢は断念。
 ・バベル翻訳専門職大学院(USA) (Babel University Professional School of   
  Translation )法律翻訳専攻に入学。主に契約書翻訳、訴訟文書翻訳、
  国際取引法、アメリカ法等を学ぶ。
  修士作品として、アメリカ契約法書籍の翻訳にも取り組む。
 ・カナダ・バンクーバーの語学学校で英語を学び、現地法律機関に
  インターンとして勤務。国際ビジネス感覚を養う。
 ・日本国内の法律事務所、国際法律事務所、外資系企業法務部での就業を
  経て2019年2月1日、トルコ貿易専門SEHIRO Trading 合同会社設立。

●インタビュアー:渡邉 由佳(ワタナベ ユカ)
 ・株式会社NOARISA 代表取締役
 ・バベルユニバーシティ講師
 ・青山学院女子短期大学卒業、慶應義塾大学経済学部卒業。
  Hawaii Pacific University Graduate School卒業 M.B.A
  三井信託銀行に勤務後、転職を経て、メリルリンチ日本証券
  (現:バンク・オブ・アメリカ)に勤務 
  40代後半からのハワイでの留学生活がきっかけで、
  ハワイ島産のアロマオイルの独自ブランド”MaLina”を立ち上げ、
  日本で会社設立。

・実施日:  2021年3月5日(金)15時~16時30分(日本時間)
・申込締切 :2021年3月2日(火)(日本時間)

◆セミナーの詳細・お申込みはこちらまで↓
http://www.jta-net.or.jp/seminar_20210305.html
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  ☆『クマのプーさん』で楽しく翻訳を学ぶセミナー 第2回☆
 
 ― 石井桃子、阿川佐和子、森絵都訳を比較してわかること ―  

『クマのプーさん』の翻訳では石井桃子訳が有名ですが、原作の著作権が切れ、2010年代に新しい翻訳が複数出版されました。石井桃子(1940, 1985)、阿川佐和子(2014)、森絵都訳(2017)の三つの翻訳を比較すると、翻訳するうえでの留意点が浮かび上がってきます。


<目次>
1. 石井桃子の翻訳の改訂
2. 作家としての阿川佐和子と森絵都
3. タイトルと固有名詞の訳
4. 会話文の訳
5. 詩の訳
6. 言葉遊びの訳
7. 傍点・ルビ・擬態語の活用
8. 3つの訳を比較してわかること

●講師:夏目 康子(ナツメ ヤスコ)
・大妻女子大学短期大学部英文科准教授
・青山学院大学、早稲田大学て゛も教鞭をとる
・英米文学、 英米児童文学、絵本を研究

<著書>
『マザーグースと絵本の世界』(岩崎美術社)
『不思議の国のマザーグース』(柏書房)
『英語で遊ぼう!マザーグースたのしさ再発見1~3』他

<翻訳>
『子どもはどのように絵本を読むのか』ヴィクター・ワトソン他編著(共訳、柏書房)
『クリスマス百科事典』ジェリー・ボウラー著(共訳、柊風舎)
『アイルランドの風の花嫁』津川=マーダン江利子著(共訳、金星堂)他

・実施日:     2021年3月12日(金)15時~16時30分(日本時間)
・申込締切 :2021年3月9日(火)(日本時間)

◆セミナーの詳細・お申込みはこちらまで↓
http://www.jta-net.or.jp/seminar_20210312.html
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   ☆「英字新聞を徹底的に読み解く!(8)」セミナー  ☆
 
     ◆英字新聞を読む
     ― Can Tokyo Olympics be held without a live audience? ―◆ 

Nikkei Asiaからの出題です。セミナーの開催される4月ごろには、多分この記事の答えは
でているかもしれませんね。東京2020大会はいかにして開催されるのでしょうか?

新聞記事らしく、である調で、リズムのある文章で訳してください。

*このセミナーでは、ご参加者様にあらかじめ課題問題を解いていただき、各人が提出した課題の回答を題材に解説を致します。
*時間の都合でお送りいただいたご参加者様の回答を題材にできない場合がありますのでご了承ください。また、課題の添削はございません。

*課題提出締切:2021年3月29日(月) 午後3時まで(日本時間)
 お早目にお申込み下さい!

●講師:江國 真美(エクニ マミ)
 ・大阪大学文学部大学院卒業。
 ・バベル通信科を経てバベル通信講座、スクーリング講師
  その後、フリーランスとして独立。出版翻訳、Forbes誌翻訳、
  CNN登録翻訳者などを経て、現在は経済雑誌翻訳、
  ジャーナリズム翻訳を中心に活動をする一方で、
  翻訳学校講師として「自然な翻訳表現」を追求

・実施日:     2021年4月2日(金) 15時~17時(日本時間) 
・申込締切 :2021年3月29日(月)(日本時間)

◆セミナーの詳細・お申込みはこちらまで↓
http://www.jta-net.or.jp/seminar_20210402_8.html
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●●翻訳試験のご案内●●

*試験は全てインターネット受験ですからご自宅での受験となります。

 



実施日:2021年3月6日(土)(日本時間)
締 切:2021年3月2日  (火)(日本時間)


1.第50回 JTA公認翻訳専門職資格試験
詳細・お申込は、当協会ホームページから 
http://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam.html


実施日:2021年3月13日(土)(日本時間)
締 切:2021年3月9日(火)(日本時間)

2.「出版翻訳能力検定試験」
1) 第28回 一般教養書(ビジネス関連)翻訳能力検定試験   
2) 第28回 一般教養書(サイエンス関連)翻訳能力検定試験 
詳細・お申込は、当協会ホームページから 
http://www.jta-net.or.jp/about_publication_exam.html

3.ビジネス翻訳能力検定試験
1) 第42回 IR・金融翻訳能力検定試験(英日・日英)
2) 第46回 リーガル翻訳能力検定試験(英日・日英)
詳細・お申込は、当協会ホームページから 
http://www.jta-net.or.jp/about_business_exam-2.html


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情報提供 : 一般社団法人 日本翻訳協会 (Japan Translation Association 略してJTA)
 
●一般社団法人 日本翻訳協会●
http://www.jta-net.or.jp/ 
・設立:1986年10月
・Mission:「翻訳に対する社会の認識を高めること及び翻訳に関する技術及び知識を増進することによって翻訳の水準を高めること並びに翻訳者を支援してその自立を促進することを通じて、世界の文化交流及び産業経済の発展に寄与することを目的とする。」
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