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【連載】JTA News & Topics  第138回

2020/03/23

JTA  News & Topics 」  第138回 

今回は、2019年6月11日に実施した「「世界で活躍するグローバルトランスレーターになるには」セミナー」 (主催:バベルユニバーシティ/後援:一般社団法人日本翻訳協会)受講者の横須賀珠世さんよりセミナーレポートを投稿してくださいましたので掲載いたします。

情報提供:一般社団法人 日本翻訳協会 (Japan Translation Association 略してJTA) 

http://www.jta-net.or.jp/ 

 


      「世界で活躍するグローバルトランスレーターになるには」セミナー
             ―AI&機械翻訳の時代に生き残るための戦術―





         
●レポーター :横須賀 珠世
アメリカ、ミシガン州在住。日系自動車サプライヤーでオフィス・アドミの仕事をする傍ら、バベル翻訳専門職大学院USAで法律翻訳を学んでいる。

6月11日に開催された「世界で活躍するグローバルトランスレーターになるには―AI&機械翻訳の時代に生き残るための戦術」のセミナーに参加しました。近年、機械翻訳の進歩が世間を騒がせている中、翻訳者の存在価値はどうなってしまうのだろうと日々考えることがあり、本セミナーに参加の申し込みをしました。今回のセミナーでは、まだまだ機械翻訳には頼れないこと、一方で翻訳者には翻訳技術以外に必要な技術(CATツール等)を身につけなければならないこと、そしてブラック企業との距離の置き方、日本以外の国にある翻訳会社との付き合い方等について勉強しました。

約2時間のセミナーは、講師の体験談を交えながら次の目次に沿って進められました。
1.何のために翻訳をするのか
2.翻訳業界を俯瞰する
3.グローバル翻訳市場
4.機械翻訳とCAT
5.翻訳会社は「ブラック(企業)」が多い
6.翻訳者として生き残るには
7.その他

 「翻訳業界を附款する」では、大手翻訳会社と中小の翻訳会社の違いや、仕事を受注する上でのそれぞれのメリット、デメリットについてお話頂きました。その中で、中小になればなるほど、二次受け三次受けとなり、その分受注単価が低くなるということ、また、登録する翻訳会社の特徴を掴み、その会社の得意分野が自分の得意分野と合致しているかなどを確認する(自分の専門分野を扱っていない翻訳会社に登録しても、案件はほとんど回ってこない)等の説明がありました。

 「グローバル翻訳市場」では、国(国力や経済力)によって受注単価が変わる点、また、グローバル翻訳市場に参入するには、英語でのコミュニケーションスキル(メールでの英語でのやり取り)に加えCATツールが必須条件であることが分かりました。(日本では値引きの道具としてしか認識されていないCATツールがグローバル市場では、使えて当たり前のスキルであり、逆に使えない翻訳者は雇わないというのが現状だそうです)また、グローバル市場で求められるスキルの中で、「法律翻訳の知識」というものがありました。これは、多数の案件で、利用規約やプライバシーポリシーなどが含まれているものが多く、法律翻訳の基礎知識を求められるというものでした。

 「翻訳会社は、ブラック企業が多い」では、良い翻訳会社の選び方、翻訳会社についての調査方法などを紹介下さいました。翻訳ブローカー等は翻訳原稿を未チェックのまま納品することがある、きちんとした翻訳会社では、登録された翻訳者が校正・チェックをし、品質にこだわりを持っている実力のある会社が多い等の点が挙げられました。一方で、クラウドソーシング・ポータルなど素人の集まりには絶対に関わらないこと、との注意もありました。その理由として、安い単価で、かつ求められることは高く、また競争が激しいので結局こき使われてモチベーションが下がり、人として疲弊してしまうからだそうです。また、ブラック企業との付き合い方について、「翻訳は、料金を回収するまでが翻訳の仕事と捉えよ、ブラック企業は改善しない」という説明がありました。どんなに良い案件をくれ、プロジェクトマネジャーもしっかりしている会社でも、料金をきちんと支払ってくれないのでは、やはりブラック企業だと言えるということ、こういう企業とは早めに関係を断った方がよいとのことでした。

 昨今の「機械翻訳」の進化に伴い、翻訳者の未来はどうなっていくかという点を多くの方に気にしているのではないかと思います。この点につき先生は、「機械翻訳は、(原文の)内容を理解しているわけではない」「(機械翻訳について)世間の評判に惑わされない」「(機械に)訳文のメリハリを求めるのは、不可能」との見解を示していらっしゃいました。例えば、翻訳機には旅行で使われる1000-1500文を機械に登録してあるだけ、また、長い原文1文を2文に分けて訳したり、2文を1文にまとめて訳したりする技術は機械には不可能で、まだまだ人間の翻訳者が必要であることを勉強しました。また、業界の変化に合わせて、翻訳者も進化しなければならないこと(CATツールやソフトウェアの活用など)私達自身も変化しなければならないことに気づかされました。

 最後に、「翻訳者として生き残るには」、資格/学位をとる、機械翻訳に負けない訳文を作る、自然な日本語を書けるようにする、調べものを徹底する、一時訳で修正が不要なレベルの訳文を作る、とまとめられました。

機械翻訳に負けない翻訳者であり続けるには、人間でなければ出来ない技術を私達自身が努力して獲得していく必要があり、また、良好な関係を保てる翻訳会社との出会いが大切なのだと痛感しました。
以上


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●●セミナーのご案内●●

*バベル吉祥寺キャンパス及びZOOM(オンライン)で受講できます。                           
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特許のような専門性が高い分野の翻訳の需要は、一向に減少していません。特許制度の知識、専門用語、特異な訳し方の知識が必要となり、単に英語ができれば訳せるという分野ではありません。それだけに、特許翻訳に対して敷居の高さを感じている人は多いですが、これさえ乗り越えてしまえば、高い専門知識をもった翻訳者となることができます。
 この講座では、その敷居の高さを取り除き、特許の世界にすんなりと入っていけるための知識を要約してお伝えします。
 同時に、特許翻訳は英語であることには変わりなく、英文法、可算、不可算名詞、定冠詞、不定冠詞などのルールは一般英語と同じです。高校の英文法から特許翻訳に必要な部分を抜き出して紹介します。
 さらに明細書の3つの実例を英訳していきます。
 理系、文系をとわず、フリーランスとして活動したい方には、このような専門性の高い特許翻訳セミナーはお勧めです。是非ご受講ください。

<セミナー目次>
1 特許翻訳に必要な一般英語のルール
(1) 可算名詞、不可算名詞
(2) 定冠詞、不定冠詞
(3) 関係代名詞、関係副詞
2 特許翻訳に必要な特許の知識
(1) 特許制度エッセンス
(2) 明細書、クレームの記載方法
(3) 国際出願エッセンス
3 特許英訳の実例
(1) 電子メール応答システム
(2) 書籍のしおり
(3) 座椅子

●講師:奥田 百子(おくだ ももこ)
  ・外資系銀行を経て特許事務所にて勤務
 ・現在、奥田国際特許事務所にて、また翻訳者、執筆者、弁理士として活躍し、
  米国バベル翻訳大学院では第3科目「特許・技術・医薬翻訳専攻」にて
  「特許翻訳レベルⅠ(英日)」をプロフェッサーとして担当
 ・ 「現代日本執筆者大辞典・第5期」(日アソシエイツ)に掲載されている
 ・ 元 弁理士試験委員
 ・英検一級取得

 <著書>
 「ゼロからできるアメリカ特許取得の実務と英語」(秀和システム)
 「国際特許出願マニュアル2版」(中央経済社)
 「特許翻訳テクニック2版」(中央経済社)
 「もう知らないではすまされない著作権」(中央経済社)
 「なるほど図解特許法のしくみ(2版)」(中央経済社)
 「なるほど図解著作権法のしくみ(2版)」(中央経済社)
 「なるほど図解商標法のしくみ(3版)」(中央経済社)
 「米国特許法改正のポイント」(中央経済社)
 「ネイティブに笑われない英文ビジネスメール」(中央経済社)
 「こんなにおもしろい弁理士の仕事(3版)」(中央経済社)
 「誰でも弁理士になれる本(4版)」(中央経済社)
 「なるほど図解特許法のしくみ第3版」(中央経済社)
 「自宅でできる翻訳の仕事」(ペーパーバック+電子書籍、インプレスR&D)
 「知的財産関係条約基本解説」(法学書院、2017年1月)
 「現代日本執筆者大事典・第5期」(日外アソシエーツ)所載
 「はじめての特許出願ガイド」(中央経済社発行)2019年3月

・実施日:  2020年4月17日(金)15時~17時(日本時間) 
・申込締切 :2020年4月14日(火)(日本時間)

◆セミナーの詳細・お申込みはこちらまで↓

http://www.jta-net.or.jp/seminar_200417_patent.html
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      ☆  『STICK MAN』で楽しむ絵本翻訳セミナー   ☆
 
       ー原文に忠実に訳すことと、原作の持ち味を生かすこと。ー

『STICK MAN』は、日本語版が「こえだのとうさん」のタイトルとして素敵な翻訳で出版されています。 日本語版を知っている方も、ゼロから自分なりの訳に挑戦してみませんか? 絵本の翻訳に絶対の正解はありません。きっと参加してくださる方の数だけ、個性ある訳が生まれると思います。原作の英文はとてもリズミカル。日本語訳もリズミカルにいきたいですが、どこまで原作に忠実に? 意訳はどこまで許される? 皆さんとともに考えていきたいと思っています。

【セミナー目次】
・参加者から提出された訳を読みながら、解説
・講師の訳を紹介
・日本語版の訳も紹介しながら、それぞれの良さを味わいましょう
・参加者が特に悩んだり苦しんだりした部分について、聞かせてください
・原文に忠実に訳すことと、原作の持ち味を生かすこと


*このセミナーでは、ご参加者様にあらかじめ課題問題を解いていただき、
 各人が提出した課題の回答を題材に解説を致します。
*時間の都合でお送りいただいたご参加者様の回答を題材にできない
 場合がありますのでご了承ください。また、課題の添削はございません。
*課題のご提出は任意でございます。

*課題提出締切:4月20日(月) 午後3時まで(日本時間)
 お早目にお申込み下さい!

●講師:小林 晶子(こばやし あきこ)
 ・大学で国文学を専攻。
 ・小学校の読み聞かせ活動に参加して絵本の面白さに目覚める。
 ・3年間のカナダ滞在時に英語の絵本に触れる。
 ・バベル・ユニバーシティーなどで絵本翻訳を学ぶ。
 ・第18回いたばし国際絵本翻訳大賞英語部門大賞受賞『こおりのなみだ』
 ・翻訳『どこかな あるかな さがしてね くまくんの クリスマス』
 『「危険なジェーン」とよばれても』(いずれも岩崎書店)

・実施日:  2020年4月24日(金) 14時~15時30分(日本時間) 
・申込締切 :2020年4月21日(火) (日本時間)

◆セミナーの詳細・お申込みはこちらまで↓

http://www.jta-net.or.jp/seminar_20200424.html
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●●翻訳試験のご案内●●

*試験は全てインターネット受験ですからご自宅での受験となります。


1.「出版翻訳能力検定試験」
実施日:2020年4月18日(土)10:00~13:00(日本時間)
締切り:2020年4月14日(火)(日本時間)
1) 第26回 ヤングアダルト・児童書翻訳能力検定試験   
2) 第25回 エンターテインメント小説翻訳能力検定試験  
詳細・お申込は、当協会ホームページから 
http://www.jta-net.or.jp/about_publication_exam.html

 2.ビジネス翻訳能力検定試験
実施日:2020年4月18日(土)10:00~12:00(日本時間)
締切り:2020年4月14日(火)(日本時間)
1) 第35回 医学・薬学翻訳能力検定試験(英日・日英)
2) 第35回 特許翻訳能力検定試験(英日・日英)
詳細・お申込は、当協会ホームページから 
http://www.jta-net.or.jp/about_business_exam-2.html

3.第21回 翻訳プロジェクト・マネージャー資格上級試験
実施日:2020年4月18日(土)10:00~11:30(日本時間)
締切り:2020年4月14日(火)(日本時間)
試験の詳細・お申込みはこちらまで↓
http://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam_tpm_2.html

4.第19回 Plain Written English 能力検定試験
実施日:2020年4月18日(土)10:00~12:00(日本時間)
締切り:2020年4月14日(火)(日本時間)
詳細・お申込みはこちらまで↓
http://www.jta-net.or.jp/about_plain_written_english_exam.html

5.第23回 フランス語翻訳能力検定試験 フィクション分野
実施日:2020年4月18日(土)10:00~13:00(日本時間)
締切り:2020年4月14日(火)(日本時間)
詳細・お申込は、当協会ホームページから 
http://www.jta-net.or.jp/about_french_translation_exam.html

6.第23回 ドイツ語翻訳能力検定試験 フィクション分野
実施日:2020年4月18日(土)10:00~13:00(日本時間)
締切り:2020年4月14日(火)(日本時間)
詳細・お申込は、当協会ホームページから 
http://www.jta-net.or.jp/about_german_translation_exam.html

 
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情報提供 : 一般社団法人 日本翻訳協会 (Japan Translation Association 略してJTA)
 
●一般社団法人 日本翻訳協会●
http://www.jta-net.or.jp/ 
・設立:1986年10月
・Mission:「翻訳に対する社会の認識を高めること及び翻訳に関する技術及び知識を増進することによって翻訳の水準を高めること並びに翻訳者を支援してその自立を促進することを通じて、世界の文化交流及び産業経済の発展に寄与することを目的とする。」
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