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“本気OFF”で情熱を取り戻す! - 前川 悠貴

2013/12/10

“本気OFF”で情熱を取り戻す!

前川 悠貴:MST(翻訳修士)、学習塾講師

 
 休むのは勇気のいることです。翻訳にかかわらずどのような仕事でも、1時間に一度、1週間に一日、本気でリフレッシュすれば集中力が高まるのは分かっていても、ついつい先のスケジュールが気になって“本気OFF”ができません。しかもいざ休んだら休んだで、
 「体力を回復しなければ」「OFFを充実させなければ」という、異様な脅迫観念に捉われて、「休んだのに疲れがとれていない」という最悪の結果を招くこともあります。
 
 そんなとき私は、以前何かのラジオで聞いた行動分析学者の言葉を思い出します。

――「本気で集中すれば、一日8時間かけている仕事は2時間で終わる」――
 たいていの人間は、実際に行動している物事に本気で集中している時間が短く、先々の予定に思考を奪われて時間を無駄にしているというのです。つまり、本来の集中力に欠けているわけですね。この言葉を言い換えてみると、「本来の集中力を持ってすれば、同じ時間で4倍の仕事ができる」。なんとも希望が湧きます。この集中力を生み出すためには、やはり“本気OFF力”が必要です。
 
 OFFの過ごし方

1.映画を見る――洋画を選ぶとついつい翻訳のことを考え言葉に敏感になってしまうので、邦画を観ることが多いです。もしくは、英語以外の言語の洋画を選びます。映画館やレンタルショップに行く余裕がないときは、手元にある「ヒッチコックシリーズ」を観て震撼します。 

2.とにかく喋る――電話でも、直接会ってでも、どうにか友人と予定を合わせて、世間話をすること。孤独と哲学的思考から離れる手っ取り早い方法です。ファッションやイベントごとなど、友人が夢中になっているリフレッシュ法に触れ、妄想します。 
 
3.長い散歩に出る――自然の中を歩くとまっさらな気持ちになります。渓谷に行く、ハイキングコースを歩く、滝を見に行く…どんな形でもいいので長い散歩をして深呼吸します。体と心をリセットする一番の方法です。 

4.写生に行く――絵が好きなので、デッサンをします。白紙に無言で線を引いていると心が落ち着きます。時間があるときは絵の具を使います。透明水彩やガッシュと呼ばれる絵の具を気分によって使い分けます。 
 
5.部屋の模様替え――片付けブームに乗って片付けマニアになったので、毎週末には整理整頓、掃除をして、部屋に飾ってある絵を変えます。画集のカラーコピーや、自分の描いた絵を飾るだけで、気分が変わります。 

 仕事を続けるためのOFF。これは情熱を忘れないためのアクションでもあります。思い切ってOFFしてみると、やっぱり翻訳がしたいな、文章が書きたいな、と思う。立ち止まってもいいけど、諦めたら何も残らない。お金もあまりないし、同世代の友人たちのように華やかな休日も知らないし、将来のことだって心配で、もう諦めて普通に仕事しようかなと思ったことは千回くらいあります(本当に)。
 
 でも、なぜ諦められないかというと、翻訳や文章を書く行為そのものが自分自身の指針である、と知っているからです。どんなに休んでも必ずパソコンの前に戻ってきます。OFFは情熱を取り戻すための大切な儀式です。



(プロフィール)
前川悠貴(まえかわ ゆうき):成城大学文芸学部英文学科卒業。MST(翻訳修士)バベル翻訳大学院修了。研究分野は宗教文学、移民文学。趣味は絵画と西洋美術史。芸術系大学進学を目指し高校時代はデッサンに明け暮れたが、大学で英米文学に心酔。宗教や民族の壁を越えた作品に魅了され探究を続けている。現在、ワークショップ監訳スタッフ、学習塾講師。共訳書に『親より稼ぐ25の方法』(合同会社Dresh 2013年 kindle版)がある。

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