大きくする 標準 小さくする

翻訳者としてのOFFの過ごし方 - 心と身体の癒し方 - コルホネン 由江

2013/12/10

翻訳者としてのOFFの過ごし方 - 心と身体の癒し方

コルホネン 由江 :バベル大学院在学、文芸翻訳専攻。

 
 最近、よく耳にする「癒す」という言葉がとても気になっています。これは、癒されなければならないほど疲れている人がたくさんいるということなのでしょうか。誰かに、あるいは何かに癒されなければ元に戻れない身体や精神状態に陥る前に、手を打つのが得策というものですが、「癒す」という言葉があまりにも頻繁に使われるようになってきたことに懸念を抱いているのは私だけでしょうか。

 心の栄養補給や充電が大切であることは今も昔も生きているものにとって必要不可欠であることは明白なことです。只、がむしゃらに働いて、心と身体の栄養補給を怠っていると心身ともに疲れ果て、しまいには病気になってもしかたがないことです。

 実は私自身、ストレスに大変弱いのです。若い頃は、「めげる」「挫折する」「失敗する」などということは日常茶飯事的にありました。ですが、失敗を繰り返しながら、様々なことを学び、歳とともに強く逞しくなってきたように感じます。長いこと外国に住んでおり、現在住んでいるスイスもかれこれ15年になります。様々な国の人々が暮らし、皆違って当たり前という生活は私の性に合っているのでしょう。何よりも自然体でいられるのが嬉しいです。のんびり気質も、自分の意見を述べたいときには遠慮なく述べるという性格も外国向きと言えます。

 強く逞しくなってきたとは言え、ストレスは溜めないに越したことはありません。私は週2~3回朝主人と息子を送り出した後、ノルディックウォーキングに出かけます。1回は近所の友人と他の日は音楽を聴きながら一人で、5キロほど我が家の裏手の山を歩きます。友人と歩いているときは、子供のこと、夫のこと、学校のこと、教育のこと、世間話と全く話が尽きません。一人のときは音楽を聴きながら、いろいろなことを考え歩きます。迷ったり、頭が混乱しているとき、解決策がひらめくことがあります。

   草花や木々に四季を感じたり、鹿や山羊、リスなどをみかけ嬉しくなることもあります。一度、飛来したばかりの小さな渡り鳥の大群に遭遇したことがあります。コツコツいう音に振り返ると、キツツキがくちばしで木に穴を開けていたこともありました。嵐の翌日には大木が何本も倒れていたり、道を塞いでいることもあります。森で行き合う人たちとすれ違う際、挨拶を交わすことも楽しみの一つです。知らず知らずに、森の中でたくさんのエネルギーを貰っているのだと思います。

   早朝ウォーキングの後、コーヒーを飲みながら複数の新聞や雑誌に目を通している時間もホッと一息付ける憩いの一時です。水泳やエアロビクスも楽しい息抜きになります。友人たちとお茶を飲んだり、サークルの会合に行ったり、買い物に行ったり、ときにはドレスアップをし、レストランに食事に出かけるのも楽しいです。近くにある温泉プールにゆったり浸かったり、定期的にマッサージを受けるのも身体の健康を保つための大切な時間だと思っています。お昼には昼食をとりに息子が学校から帰ってくるので、そのための支度をするのも好きなことの一つです。私にとってストレスではありません。
 
 私にはフィンランド人の夫と、14才の息子がいます。国際色豊かな家庭です。家の中はすでに日本、フィンランド、スイスの3つの文化が錯綜しています。食事も家具も言葉もそして友人知人も国際的です。

 双方の両親が高齢のため、年に一度はフィンランドと日本を往復しますが、それは、それぞれの国の文化の良さに触れることにもなります。息子の夏休みの2~3週間はフィンランドで過ごします。森や湖、親戚や友人たちからたくさんのパワーを貰ってきます。春休みに帰国する日本でも、家族や親戚、友人の顔を見てホッとし、美味しい日本食に舌鼓を打ち、文化を満喫し再び我が家に戻ってきます。

 うちの家族共通の趣味は、旅行、音楽鑑賞、映画鑑賞、それと、日本のドラマを観たりすることです。家族で過ごす時間を持つこと自体、意義があると思いますが、様々な知識や情報の収集源、心の栄養の吸収源としてとても大切な時間だと思っています。趣味で満足感が得られると、心も身体もリフレッシュして、仕事に勉学に再び励むことができるのです。

 私の人生には勉学、特に語学の勉強が常に伴っています。苦労でもありますが、それがあるからこそ、張りがでて、生きがいが生まれ、向上心が満足していると言えます。有閑マダムのようなゆったりとした生活も仕事が入るとその優先順位がガラリと変わり、仕事中心の生活になります。私は、細々とではありますが長いこと多方面に渡る産業翻訳の仕事をさせてもらっていますが、「親も子も幸せになれる子育てのヒント100」という本を共訳出版させて頂いて以来、バベルさんの仲間に入れていただいています。現在、バベル翻訳大学院で勉強中です。



(プロフィール)
コルホネン  由江
バベル翻訳大学院在学中。文芸翻訳専攻。秘書歴8年。文学部北欧文学専攻。
ヘルシンキ大学言語学群で学ぶ。スイス在住15年。

 

編集部宛メールフォーム

お名前:必須

メールアドレス:必須

メールアドレス(確認用):必須
(確認の為、同じものをもう一度入力してください)

記事タイトル:必須


メッセージ:必須

ファイル添付:

削除