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- 「5年後の未来履歴書作成」 - 杉村 昭紀
「5年後の未来履歴書作成」 - 杉村 昭紀
2013/10/25
この機会に、自分の60歳定年までの会社人生とその後の生活のすべてを振り返ってみることができました。そして我ながら自分のこれまでの生き方が、ほぼ満足すべきものであったような気がして、そのことに何となく安らぎを感じております.生きやすい時代であったのだと思います。それに比べて、今の若者たちを取り巻く環境は、はるかに厳しいものなのだろうと思うのです。
敗戦直後は何もない時代でした。衣食住の向上に向けての希望だけはあったように思います。アメリカ映画に出てくる50-60年代のアメリカの物質生活にあこがれて、それをどこかで目標にして生きていたような気がします。そして、そこには貧しくとも、一家団らんがあり、近所付き合いも密で、生活を充実させてくれました。
会社に入ると入社教育があり社員を大切に育ててくれた。飲み会、社内旅行、パーティー等が職場のコミュニケーションを助けて、家族的な団結を育んだ。そして企業は右上がりに成長していった時代であり、戦後20年で日本はGDPで世界第2位の経済大国になっていった。社員は会社の資産であった。努力すれば自分の希望が叶えられる時代でもあった。
おそらく、それを支えていたのは、伝統ある優れた知恵や技術、仕事への熱意、工夫であったと思う。
1981年、成田から、ニューデリー、カラチ、クエイトを経由し、ジェッダに到着。ジェッダで当時一番大きなホテルを住処に、支店開設に向けて動き出した。第一の仕事は運転免許証の書き換え登録で交通局へ行ったとき、正門の前に、血を流したけが人が担架に乗せられたまま放置されていた。交通事故の場合,先ず交通警察の手続きが済むまでは、けが人を病院へ運ぶことはないとのことだった。正にカルチャー・ショックであった。文化の違い、宗教警察、イスラム教、戒律の一番厳しい国といった言葉が頭の中を駆け巡った瞬間であった。
ガソリン・スタンドで、コリア(韓国人)?と訊かれたので、ヤパニ(日本人)だと答えると。「ヤパニ。クエイス・ナンバーワン」日本人はいい、一番だと言ってくれた。自分たちがここへ来る前に、日本企業戦士が現地で評価されるような活動をしていてくれたのだと思い胸が熱くなった。アフリカから帰国する国連難民高等弁務官事務所で働く若い女性の話も心に残っている。
1983年の中東、アフリカは平和で、ケニヤのナイロビも今とは違って、家族連れで2週間のサファリ・ツアーを楽しむことができた。まだ東西冷戦中で世界は安定し、現在のようなイスラム国家の内紛や国際テロなどない平和な世界であった。
ジョージア州アトランタでのSITAの連中とアトランタ・ブレーブスの野球を観戦したことや、バンコックやロンドンでのIATAの国際会議でのWorkshopでも日本についての印象は大変良く戦後日本の平和主義の意味を知った。
翻って、現在の若者は、通勤電車の中で、また歩きながらスマホを片手に、SNS(Line, Facebook等)やゲームに没頭し異様に感じます。面と向かって言葉を交わすコミュニケーションが苦手な若者が増えているようです。その原因に一つは、複雑で厳しい社会環境や、厳しい現実からの逃避ではないでしょうか?
それは、今の時代1990年バブル経済がはじけて以来、経済のグローバル化が進む中で、日本経済のデフレ・スパイラルが進行し、安い人件費の海外に生産工場を移し、国内が空洞化して、他国の追従を許さないような最先端技術を十分に持たないなかで、社員はコストの一部と考えるようになり、即戦力社員を優先採用し、単なる部品の一つと見做し、その生活を犠牲にして利益の獲得をしているようです。
廃墟となった戦後の日本を世界第2位のGDP大国に成長させたものとは全くちがう新しい産業経済のParadigmを今、構築すべき時期に来ているようです。地理的に島国である日本はガラパゴス化する傾向にあります。またそれが独特の日本文化を生んだとも言えるのですが。グローバル化が進む中での新しいパラダイムをこれからの若者たちが、グローバルな視点に立って生み出して行くしか、日本の再生はあり得ないと思います。
海外で日本国の印象を訊けば、素晴らしく独特に存在する日本文化、作法、大切なかけがえのない自然の美しさを挙げます。どれもこれまでの時代の人々が育んできたものです。日本の若者はこうした日本文化の伝統を引き継いで、内向きにならずに世界を生活の土俵として、文化や人種の違いを乗り越えてグローバルなコミュニケーションを図り、新時代に勝ち抜ける日本の産業経済の新しいパラダイムを構築してほしいと思います。
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