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5年後の未来履歴書 - 匿名希望
2013/10/25
5年後――遠いようで、近い未来だ。今回、キャリアサクセス実現シートのStep4に参加して、5年間というスパンについて深く考えることになった。この期間で、私は何ができるだろう?私はどんな風に成長できるだろう?
5年後の「自分の売り」を考えるにあたって、どのくらいの夢が描けるかのヒントになるかと思い、直近の自分の5年間を振り返ってみた。今から5年前。私は、前職であるレコード会社で海外の市場を開拓しようと躍起になっていた。海外の相手方との複雑な取引を必死でまとめる中、自分のスキルという手持ちのカードが心もとなく感じられていた。それまでに勤めた会社はいずれも規模の小さなところだったために、まとまった企業研修を受けたことがなく、ひたすら経験を積み重ねていたので、何か知識を詰め込める機会が欲しいと思っていたのもこの頃である。
仕事の傍ら、色々インターネット等で調べ始めていた。そこで出会ったのがバベルである。バベルは、学生時代に通信教育で翻訳の基本を学んだ機関だったから、親しみがあった。そのバベルが法律文書の翻訳を体系的に学べるマスターコースを展開していたのだ。その時は「英語の契約書でも問題なくさばける英語力が身に着けばよい」認識だった。
いざ受講を開始すると、バベルは、翻訳の“技術”を徹底的にたたき込む訓練のコースであった。大学生の時は、おそらく私が未熟だったからだろう、何かを身につけるとか、技術を習得するという自覚は一切なく卒業していたので、バベル開始時の正直な気持ちは、「本当にやり遂げられるだろうか」だった。ただ、仕事を通して認識した「自分が習得したい知識・技術」だったので前向きであったし、費用のこともあったから切実だった。
受講後、まずテキスト全体を通読することが課題としてあったので、せっかくやるなら一番コンパクトで基本的なテキストを丸暗記しようと決心した。毎日30分から1時間かけて、少しずつ、何回も繰り返し日本語と対応する英語とを行き来して、1年ほどかけて1冊暗記してみた。テキストを暗記している間は、演習課題がなかなか進まず焦ることもあったが、これが基礎工事だと割り切った。ただ暗記を通じてテキストの内容が自分の中に浸透するにつれて、実際の演習課題の風景も変わってきた。その時は「遠回りではないか」と思う過程も、自分が必要だと確信しているのなら、必ず糧になる。その後、同じような動機で「ビジネス法務検定」と「知的財産管理技能検定」を取得した。そして、新たな夢となった企業法務に転職したのもこの5年の間である。
こうしてみると、この5年は自分のキャリア設計の大きな転換点であったと思う。この5年は手探りだったので、結果として5年後の自分のイメージ(「企業法務に勤めたい!」)が後からついてきたが、振り返ると、漠然と「こういう方向に進みたい」というイメージに対して、足りないものを補う道のりだったように思う。それに対して次の5年間は、今回のキャリアサクセスの診断を良い機会に、もっと戦略的に取り組めるのではないかとも思った。
実際にStep4に挑戦すると、今の時点で「5年後の自分」については、あまりイメージが固まっていないことに気づかされた。これからも今の自分に足りないものを補うべく経験を積み、努力していくしかないだろうなと思っているだけだったのだ。ただ、Step4で1年毎の自分のキャリアイメージをひねり出していると、漠然とした希望だったかもしれないが「翻訳家としても少しずつでいいからキャリアを作っていきたい」と思っている自分に気がついた。
今一度原点に立ち戻ると、自分は常に英語が好きだった。英語であれば、どんな努力でも苦にならなかった。確かに、英語のプロフェッショナルである翻訳を突き詰めるのは、自分にとって自然なキャリアビジョンだったのだ。
今回のStep4で、「5年後の自分の売り」として、「企業のグローバル展開に関わる経験が豊富で、常にマネジメントの良き相談役となり、企業の発展をリードしていけるような法務パーソン」というイメージとともに、5年後のキャリア歴として「法務パーソンとして経験を重ねつつ、法律系翻訳者としても活躍する!」という自分ではあまり意識していなかったが、しっくりくるイメージが見えた。相変わらず大それた夢だなあ…と思ったが、「キャリアビジョンはできるかぎり大きく、vividに描き、そのうえで、そのビジョンと今との乖離を埋めていく」のである。であれば、夢は大きい方がいいに決まっている。
5年後――遠くて近い未来であるが、たとえば、毎日1ページ何かを継続すれば、1825ページの実績を作れる年数でもある。多少途中で休憩し、立ち止まっても、何か目標に据えれば、大きな飛躍が目指せる。あまり頑張りすぎず、でも目標イメージを見つめて、日々過ごしたいと思った。
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