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キャリアコンサルで気づいたこと - 関口 佳子
2013/10/10
年齢のことは、あまりいうべきではないかもしれませんが、私はこの秋の誕生日で55歳になります。私たちの父親の世代なら、ちょうど定年を迎える年齢です。だからでしょうか、このキャリアコンサルの設問に回答してみるまで、あまりこれからのキャリアのことを考えてみることはありませんでした。とにかく、いつか引退する時が来るまで今までの続きの仕事を無難に続けていこうという考え方であったと思います。
実のところ、普段の生活では日々舞い込んでくる短納期の仕事などに追われることもあり、このような長期的なビジョンに思いをめぐらせることはなかなかできません。メールを目にして回答をはじめたときも、なんとなく途中でめんどうになって中断してしまうのではないかな、などと思っていました。ところが、「自分が輝いていたのはどういうときか」という設問から入ったのがよかったのでしょうか、気が付いてみると、キャリアコンサルに回答するのが楽しくて仕方ないという気持ちになっていたのでした。
こうして回答をすすめていくうちに、自分でも日頃気づかなかった、ある1つのことがはっきりとしてきました。それは、私が仕事の上でまだ何か新しいことにチャレンジしたがっているようだ、ということでした。もちろん、フリーランス翻訳者という今の仕事は自分にとって非常に大切なものであり、非常に満足しています。しかし、設問に答えていくうちに、10年ほど前に会社勤めを辞めたときの心境などを思い出し、この新しい仕事にチャレンジしていたときの楽しさが記憶の中によみがえってきました。回答の中にも、ずいぶん「チャレンジ」という言葉を使うようになっていきます。
そして自分なりに思ったことは、たとえばこれからの5年、10年という長期的な人生計画を考えたとき、「引退まで無難に」というような消極的な姿勢はやめよう、ということでした。やはり、私が生き生きと仕事を続けていくためには、何か新しい計画を立て続けることが必要なようです。ただ、新しいことにチャレンジといっても、さすがにこれから音大に入りなおして音楽家への道を進むというようなわけにはいかないだろうな、とは思いました。
仕事の話からは脱線になりますが、音楽は私の人生のもう1つの重要なテーマになっています。30代のころにはMIDI音源を使った演奏に没頭し、とある地方自治体の教育委員会の人から、私の作った演奏データをコンピュータ音楽のサンプルとして学校の授業に使いたいという打診をいただいたこともあります。数年前には一念発起してフルートとジャズ理論を習い始め、簡単なアドリブ演奏ならば人前で披露できるようにもなりました。
しかし、そういったことはあくまでも人生を豊かにするための趣味として、アマチュアだからこそ続けていけるのであって、音楽のプロとして食べていくのは大変なことなのだ、ということくらいは私にも理解できます。
さて、それでは何が自分にとって新しいチャレンジなのだろうかと考えてみると、可能性は意外にたくさんありそうです。たとえば、請け負う翻訳の分野を広げて新しい分野にチャレンジすることもできるでしょう。あるいはIT翻訳者という立場からマニュアルライティングやテクニカルコミュニケーションの分野にかかわってみる、などということも面白いかもしれません。せっかくジャズ理論などを学んだので、翻訳という仕事の範囲内で音楽の分野に挑戦してみるのもいいかもしれません。長時間座ってコンピュータの画面を見ながらキーボードをタイプし続けるのが体力的にきつくなってきたら、後進を育てるようなビジネスを考えてもいいかもしれません。
「自分って、意外といろいろな可能性を持っているじゃない」
これが、回答を終えたときの感想でした。そして、なんだかとてもスッキリしました。
時間はある程度かかってしまいましたが、こうして将来のことをじっくり考えて人生の棚卸をしたことはよい経験でした。私の長期ビジョンは、もう「引退まで無難に過ごす」ではなくなりました。年齢がいくつになっても、将来の夢が広がっていくのはうれしいものです。
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