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世界最古のベストセラー、フレッシュな装丁・字面でミレニアム世代にアピール
2019/04/22
世界最古のベストセラー、
フレッシュな装丁・字面でミレニアム世代にアピール
情報提供 : Books and Rights Marketplace
2019.03.30 世界最古のベストセラー、フレッシュな装丁・字面でミレニアム世代にアピール
聖書といえば、黒くて厚い表紙、そして中には文字がぎっしりつまった荘重な本を思い浮かべるかもしれません。しかし、ミレニアム世代の若者達は、過去数千年もの間世界中で読み継がれてきた世界最古のベストセラーも見た目が魅力的でないという理由で敬遠してしまうようです。そんな「聖域」に果敢に挑み、この聖典の魅力アップに努めた人たちがいます。ロサンゼルスのスタートアップ企業Alabaster Co.を立ち上げたBrian Chung と Bryan Ye-Chungの二人です。彼らに言わせれば、聖書は確かに神聖な書物ですが、同時に「コンテンツが豊かで充実した、ライフスタイル・ブランド」だというのです。
創設者Brian Chungがこのプロジェクトに挑戦したのは、南カリフォルニア大学在籍中に聖書を読もうとした事がきっかけでした。しかし、すぐ問題にぶちあたりました。字が小さくて重苦しく、行間はつまっていて、イラストが全くありません。「読む気にならなかったんです。気後れしてしまいました」と。こんなにいい本が驚くほど見栄えが悪いーーそれが当時コミュニケーション学を学び、アーティストの感性を持っていた彼の正直な感想でした。
20年後、Brianは自分が読むのを挫折した経験をビジネスチャンスに活かそうと一念発起しました。視覚的にアピールするものを重視する「ミレニアム世代がなじめるように」聖書を変身させようと考えたのです。そのために、まず表紙をシックなライフスタイル・デザイン雑誌のようなイメージにしました。イギリスのCereal(シリアル)、オレゴン発Kinfolk(キンフォーク)といった都会的な雑誌のような雰囲気を目指しました。さらに本の余白をたっぷり取って、テキストはおしゃれなsans serifのフォントで印刷しました。また、シンプルな字面とは対照的にインスタグラムにアップされているような静物写真を大きく載せました。
実は聖書は様々な時代に多くの変遷をへて今日に至っています。手書きによってヘブライ語で羊皮紙に写本されたト-ラ-の巻物や、ギリシャ語への翻訳、さらにグーテンベルグがラテン語の聖書を初めて印刷し、その後英国王ジェームズ一世王の命により1611年発行された英語欽定訳等、数多くの訳本が存在します。この欽定訳の簡潔な表現、荘厳な韻律、美しい語句は、近代英語の散文に大きな影響を与えたということです。昨今は、ブログ文学、オーディブル等のオーディオブックと様々な媒体で文学が花開いています。この視覚に訴える魅力的な聖書が今後ミレニアム世代にどのように広まり、影響を及ぼすのか注目したいところです。
https://www.latimes.com/business/la-fi-bible-alabaster-millennials-20190319-story.html
https://bit.ly/2KN9iQz
https://www.greatsite.com/timeline-english-bible-history/
2019.03.30 World’s Oldest Bestseller Reimagined to Attract Millennials

The Bible reminds us of a serious-looking book under solid-black, intimidating cover, each line corralled inside densely packed, numbered columns devoid of imaginary. Millennials tend to avoid the world’s oldest bestseller that was passed down for over the past 2,000 years, just for the unattractive appearances. Some young people are trying to change it. Brian Chung and Bryan Ye-Chung, co-founders of a Los Angeles startup Alabaster, thought that the Bible may be a holy book, but it’s also a “content-rich lifestyle brand.”
Brian Chung recalls the time he made an honest attempt to read the Bible while he was a student at the University of Southern California. He soon came to a problem: small texts with no illustrations cramped into toilet-paper thin pages. “I didn’t want to read it,” says Brian. For an artistic college student studying communications, design, and advertising, the “good book” looked surprisingly bad.
A decade later, he has turned his early aversion to the Bible into a growing business. He and his co-founder are attempting to make it “millennial-friendly.” To do that, his Los Angeles start-up, Alabaster Co., places the full text of a biblical book, including two from the Old Testament, inside publications that resemble chic, indie lifestyle and design magazines — like those you might find on your most fashionable friend’s coffee table. Alabaster uses the New Living Translation of the Bible. Negative space is plentiful, and the text is a stylish sans serif font, dwarfed by the kind of moody, still-life images that proliferate on Instagram.
The Bible has gone through many different transformations, from the hand-copied Torah on sheepskin scrolls to Greek translations, then the first printed Bible in Latin by Gutenberg, and the King James edition published in 1611, to name a few. The English translation of King James, with its beautiful expressions and rhymes, clearly influenced the prose in modern English. Nowadays literature flourishes in new and creative media such as blog and Audible. Alabaster’s reimagined Bible that appeal to the readers’ eyes could catch on to the millennials to influence their generation.
https://www.latimes.com/business/la-fi-bible-alabaster-millennials-20190319-story.html
https://bit.ly/2KN9iQz
https://www.greatsite.com/timeline-english-bible-history/
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