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『英国流 ビスケット図鑑』 『茶の本』 の翻訳者、小栗 千津子 (おぐり ちづこ)さん

2011/12/25

12月25日号に登場の新人翻訳家は ―  小栗 千津子  (おぐり ちづこ)さん。


毎 月多くの翻訳書が出版され、新人翻訳家も多数誕生しています、これまでの出版経験を持つプロ翻訳家ばかりでなく、多様なチャンスを積極的に活用すること で、自己表現できる機会がひろがってきていることを感じます。編集部では、これらの新人翻訳家にスポットをあて、どんな方がデビューしているのかをご紹介 し、インタビューによって翻訳出版の動機や、その背景も探っていきます。


連載45回目の12月25日号では、 
英国流 ビスケット図鑑』 『茶の本』の翻訳者
小栗 千津子  (おぐり ちづこ)さんをご紹介します。



小栗 千津子さん  書籍名:  英国流 ビスケット図鑑
      著:      スチュアート・ペイン
  出 版:   バベルプレス
 書籍名:  茶の本
      著:      岡倉 天心
  出 版:   バベルプレス
 
 

編集: 
   今回のインタビューは『英国流 ビスケット図鑑』、『茶の本』の翻訳者小栗千津子さんにお話をお聞きします。今回のインタビューは主に、『英国流 ビスケット図鑑』の翻訳についてお伺いいたします。  
   それでは、小栗さんよろしくお願いいたします。  
   はじめにプロフィールと最近の活動についてお聞かせください。  

小栗:  
   英語は中学生のころから好きな科目で、漠然と外国へのあこがれのようなものを抱いていたと思います。でも大学での専攻は建築で、英語とは何の関係もありませんでした。  
   本格的に英語を学んだのは、結婚する1年ほど前からで、結婚後ロンドンへ転居してから飛躍的に英語と接する機会が増えました。というか、生活そのものになりましたね。帰国後、バベルの通信教育講座をいくつか受講したり、オーディションに参加したりして、共訳の機会を何度かいただいて今に至ります。  
   最近は3冊目の共訳ワークショップに参加中です。  

編集:  
   結婚されてロンドンへ転居されたことが英語とかかわる大きなきっかけだったのですね。まさに第2の人生のスタートでしたね!  
   今回のインタビューは『英国流 ビスケット図鑑』ですが、そのあとに『茶の本』の共訳に参加されて、今は育児に関する素敵な作品に取り掛かっていらっしゃいますね。  
   そもそも翻訳を学び、翻訳家を目指そうと思ったきっかけはどんなことだったのですか。  

小栗:  
   もともと英語は好きでしたし、読書や書くことも好きでした。  
   そういった気持ちが合わさって、翻訳を学んでみようかな、と通信講座を受けることにしました。文芸翻訳、というよりは、技術的な文書の翻訳ができたらいいな、と思っていました。  
   普段から、読むものは小説よりもノンフィクションやドキュメンタリー系が多かったですから。  

編集:  
   それでは『英国流 ビスケット図鑑』の翻訳に参加しようと思われたきっかけはどんなことでしたか。  

小栗:  
   イギリスに住んでいる間には、いろいろな苦労もありましたけど、そういうことも帰国後はいい思い出になり、イギリスはとても好きな国になりました。  
   それに、お茶はイギリスに住む前から好きだったので、この本にはとても興味がわいて、オーディションに挑戦したんです。  
   原書を読みながら、住んでいた当時のことをいろいろ思い出して、懐かしい気持ちで楽しく読みましたし、ブラックジョークも満載で、これをどう訳すの?と、不安になったりもしましたね。    

   実際に食べたことのあるビスケットより、食べたことのないビスケットの方が多くて、「もっといろいろ食べてみればよかったな―」とも思いました。  
   文を読んでもどうしても想像できないようなものは、ロンドンに住む友人に実物の写真をメールで送ってもらって、助けてもらいました。  

編集: 
   イギリスでの生活が翻訳家デビューにつながり、最高ですね(笑)。本の評判も良く、ロングセラーで売れていますよ。  
   小栗さんから本の内容を紹介していただいたほうがいいですね。お願いします。  

小栗:  
   イギリスと聞いて思い浮かぶのは優雅なアフタヌーンティーだと思いますが、この本に登場するのはもっとカジュアルなお茶とビスケットをめぐる日常です。  
   お気に入りのマグカップ、好みの紅茶にビスケット、好きな場所に座って楽しむ。観光旅行ではわかりにくい、イギリスで暮らす人々の生活が見えると思います。  
   ページの半分以上はビスケットの紹介で、種類の多さに驚かれると思います。素朴なスイーツや日本のポッキーも紹介されているんですよ。  
   ビスケットやお茶の中に、著者らしいうんちくがこれでもか、と織り込まれています。    

   数学・物理・化学の原理や定理、相対性理論、ヨーロッパの歴史・地理・文化、文学といったお堅いものから、音楽、映画やTVドラマ、鉄道や高速バス、不動産事情や税制、夏休みの過ごし方にまで及んでいて、とてもおもしろいです。  

編集:  
   ありがとうございます。本当に盛りだくさんですね。翻訳も苦労されたのでは。  翻訳された感想、楽しかったこと、苦労したことをお聞かせください。  

小栗:  
   翻訳で楽しかったことは、調べ物で様々なことがわかったことと、ハーディング先生や共訳者の方たちとの交流でした。知っているようでよく知らなかったことや、新しい学びや発見も数多く、また異なるバックグラウンドを持った皆さんと知り合えたことはとてもよかったと思います。    

   苦労したと言えば、やはり表記や文体の統一ですね。6人それぞれの個性があり、また気をつけながら作ったはずの原稿でも、表記が揃っていなかったり。  
   掲示板で何度も何度もやりとりをしながら、先生のご指導のもと、何とか終えさせていただきました。  
   でも苦労はそのままいい勉強でもあり、翻訳そのものだけでなくいろいろなことを学ぶことができ、とても貴重な経験をさせていただきました。  
   先生と共訳の皆さんをはじめ、関わってくださった皆さんに感謝でいっぱいです。  

編集:  
   一冊の本をチームで完成させることは、大変でもありますが、楽しいことや学べることも人数分ありますね。  
   出来上がった本を手にしたときのお気持ちはいかがでしたか。  

小栗:  
   とても素敵でおいしそうな表紙で、「か~わい~い!」が第一声だったと思います。  
   小学生の娘も「うわ~おいしそ~!」というリアクションでした。  
   本が一冊出来上がるって、大変なことなんだなあ、そのわりに本って安いなあ、と思いましたよ。本当にたくさんの人が関わっているのになあって。  
   家族や友だち、お世話になった方々に渡したり送ったりして、読んでもらいました。  

編集:  
   表紙のビスケット美味しそうでしたね。いろいろな雑誌にも取り上げられました。おっしゃるとおり本の制作にかかわると、本って安い!と叫びたくなりますね(笑)。  
   完成したときの喜びがご褒美ですね。  
   最後にこれからの抱負や翻訳してみたい作品のことなどをお聞かせくだい。  

小栗:  
   今3冊目のワークショップが進行中ですが、2冊めからかなり時間が空いて、またその間に勉強らしい勉強をしていなかったので、頭のリハビリ中です。  
   英語の読みの正確さをもっと上げたいですし、日本語として読みやすい文章をめざして、もっと日本語の本も普段から読まなければ、と思っているところです。  
   あとはこれ以上老眼が進まないことを祈るのみですね・・・(笑)。  

編集:  
   翻訳はとても奥が深いですから、実際に1冊の本を訳すことは、すごく力がつきますよね。
   3冊目の完成が楽しみですね。  
   本日はありがとうございました。  
   12月もあと残りわずかですね。良い年をお迎えください。来年もますますのご活躍を心よりお祈りしています。


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英国流 ビスケット図鑑 ~おともに紅茶を~
 

英国といえばティータイム!
英国でのお茶とビスケットはカップルといっていいほど仲が良い。
本書に登場するのもお茶とビスケットですが、そのアプローチの仕方が今までのものとは一味もふた味も違っておもしろい!
また、
ここまでビスケットの詳細を書いた本は他にありません。日本初です!!

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『茶の本』


欧米人も驚嘆した格調高い英文で書かれた岡倉天心の「The Book of Tea」を新訳で皆さんにお届けします。
日本の思想、文明、歴史などを、茶道を通して天心が世界へ発信しています。
すでに多数の翻訳が出版されていますが、この新訳では天心の文章の奥に広がる世界を、
分かりやすく解説する「注」を多めにつけて、読みやすくなっています。
ますます混沌とした時代に入っている今、改めて皆さんに読んでいただきたい作品です。


バベルプレスからこの良書をぜひ日本で広めたいと思います!
eガイア書店でご注文を承ります。


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