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『オンリー・ワン』の翻訳者、長尾 知真子さん

2010/10/10

新人翻訳家デビュー
10月10日号に登場の新人翻訳家は―長尾 知真子(ながお ちまこ)さん。

 
 

 毎月多くの翻訳書が出版され、新人翻訳家も多数誕生しています、これまでの出版経験を持つプロ翻訳家ばかりでなく、多様なチャンスを積極的に活用することで、自己表現できる機会がひろがってきていることを感じます。編集部では、これらの新人翻訳家にスポットをあて、どんな方がデビューしているのかをご紹介し、インタビューによって翻訳出版の動機や、その背景も探っていきます。

連載16回目の10月10日号では、『オンリーワン~韓国が産んだ天才ポッペラ歌手、イム・ヒョンジュの夢と挑戦のストーリー~』の翻訳者、長尾知真子さんをご紹介します。
 

 
翻訳作品紹介

書籍名:『オンリーワン~韓国が産んだ天才ポッペラ歌手、イム・ヒョンジュの夢と挑戦のストーリー~』
著 者: イム・ヒョンジュ、キム・ミノ
出 版:バベルプレス
 

編集:
本日インタビューをいたします長尾さんが翻訳出版された『オンリーワン』は、韓国の有名な歌手“イム・ヒョンジュ”と彼のお母さんが書いた韓国語の自伝です。
長尾さん、本日はよろしくお願いします。はじめにプロフィールと最近の活動について聞かせていただけますか。
 
長尾:
大学を卒業してからはずっと教職についていましたが、どうしても韓国語の勉強を本格的にしたくて、30過ぎてから東京外国語大学に入学しました。若い人と勉強したのはとてもいい思い出ですね。外大を卒業してからはまた教職に戻って、今は埼玉県の中学、高校で社会科や韓国語を教えています。忙しいけれど、楽しいですよ。
 
編集:
すごいですね、30過ぎてから東京外国語大学に入られたなんて。それでは翻訳はどのように勉強されたのですか。また翻訳家になりたいと思ったきっかけはどんなことですか。
 
長尾:
実を言うと翻訳を正式に勉強したことはないです。韓国語の実力を何かに使いたくて、翻訳事務所で何年かアルバイトしました。そこで依頼された仕事は韓国の浄水器の性能についての文章とか、子どもが書いた手紙とか、実に色々な分野にわたっていまして、それが勉強になりましたね。翻訳は様々な知識がなければだめだ、と痛感しました。でも勉強するのは好きですし、言葉について、日本語も韓国語も、すごくこだわるほうでしたので自分に向いた仕事だと思いました。
 
編集:
この本との出会いと、訳したいと思われたのはどんな理由や思いがあったのでしょうか。
イム・ヒョンジュは日本では知る人ぞ知るという存在ですね。ポッペラ歌手(オペラをポップスのように歌う)という言葉になじみがなかったのですが、長尾さんが本のあとがきに書かれていたように、愛・地球博の開幕式、NHKの紅白でユーミンと共演したり、コンサートで平原綾香と「ジュピター」をデュエットしたり、皇太子の招きを受けホテルオークラで歌ったり、映画『パッチギ』のサントラに参加したりと、日本との関係も随分あるのですね。
 
長尾:
そうなんです。知り合いからイム・ヒョンジュの事を聞いて、とにかくイム・ヒョンジュの歌声に引かれて、すぐにCDを全部揃えました(笑)。それからどんな人物なのか知りたくて調べたところ、自叙伝を出していることを知ってすぐに取寄せて一気に読みました。イム・ヒョンジュその人もユニークな人ですが、何よりもお母さんが韓国の母らしくない独特な教育観の持ち主なので、それが面白かったですね。
 
日本のイム・ヒョンジュのファンの人たちに読ませてあげたい、こう思ったのが一つありますけど、自分も3人の子の母親ですし、天才はこうして育つという子育て論が日本でも興味を持たれるのではないか、と思ったのが翻訳した二つ目の理由ですね。
 
編集:
自伝を出したときは20歳だったんですね。書かれている内容はすごくしっかりしているし、数々の輝かしい経歴があり、驚きました。その後若干25歳で5年間のコンサート収益をつぎ込み、芸術、語学、音楽の幼児英才教育の非営利団体を設立していますね。
私たち編集スタッフも、イム・ヒョンジュのファンになってしまいました。
 
そしてこのような天才を世に送ったお母さんのキム・ミノも素晴らしいですね。本の巻末にキム・ミノ名言集を入れましたから、日本のお母さん方に是非参考にしてもらいたいですね。
イム・ヒョンジュのファンクラブの方の反応はいかがですか。
 
長尾:
みなさんとても感謝してくださっています。原書を買って読めないのに写真だけ見て楽しんでいる方もいらっしゃったので・・・。訳した甲斐がありました。あとイム・ヒョンジュを私に教えてくれた同僚の先生にはずっと内緒にしていたのですが、本書が完成して「やっとできましたよ」ってプレゼントしたらすごくビックリして、そして喜んでくれました。その反応がうれしかったですね。
 
編集:
それは良かったですね。バベルプレスにも、83歳のイム・ヒョンジュの大ファンという方が本の予約をされ、この本が出版されるのを大変喜んでお電話までいただきました。
さて、出版に話を戻して、翻訳された感想、苦労したことや楽しかったことなどを聞かせてください。
 
長尾:
ざっと訳すのは3週間でできました。大変だったのはイム・ヒョンジュが若いのに色んな文学作品や音楽、映画に触れていて、それが本書の中でも多く引用されているので、それを調べるのが面白いながらも大変でしたね。あとは日本語を練り直すのが難しかったです。校正の段階でずいぶん助けていただきましたが、分かりやすい日本語、正しい日本語にすることがこんなに大変だとは思いませんでした。
 
編集:
まさに翻訳の醍醐味を体験されたのですね。
最後にこれからの抱負や翻訳してみたい作品のことなどをお聞かせください。
 
長尾:
今はとにかく学校の仕事が忙しいのですが、韓国から話題の本を取寄せては電車の中で読んでいます。最近読んだもので面白かったのは「朝鮮王朝を揺るがした16人の王妃たち」という本です。私は韓国ドラマの時代劇をよく見ていて、特に朝鮮王朝をテーマにしたものが好きなのですが、その時代のものを詳しく書いた本が日本にはあまりないのです。時代劇が好きな人は多いと思うので、何かいい本があったら訳したいですね。そのためには歴史をよく知っていないとだめなので、ちょっと勉強しようかと思っています。
 
編集
バベルプレスでは英語作品の翻訳出版が多いのですが、これからは、多くの言語からの翻訳出版をしていく計画です。何か日本に紹介したい良い作品があったらご紹介ください。
イム・ヒョンジュは今、日本での活動を休止しているそうですが、12月に来日するらしいといううわさもあり、期待したいですね。日本のファンだけでなく、多くの方が彼の歌声を聞いて、癒されることでしょう。
長尾さんのこれからのご活躍をお祈りいたします。本日はありがとうございました。
 

  
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《 イム・ヒョンジュ の名言リスト -抜粋 》
 
★ ある日、真剣に願っていた夢が私に近づいてきた
     私はその幸運のチャンスを決して逃さなかった。
★ さあ、これからは、世の中の オンリー・ワン になる夢を見よう。
★ 悲しみを喜びに、涙を笑いに、不幸せを幸せに変える音楽の錬金術師になりたい
 

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