【翻訳者インタビュー・石川ミカさん】『玄天 第1巻 白虎』原作者カイリー・チャンさんとの対面、ついに実現!
2019/05/22
連載223回目の5月22日号では、『玄天 第1巻 白虎』の翻訳者、石川ミカさんが原作者カイリー・チャンさんとの対面が実現したのでご紹介します。石川さんの記事をお楽しみ下さい。

2019年4月13日、日本を調査旅行中の『玄天 第1巻 白虎』原作者カイリー・チャンさん(オフィシャルサイト:http://kyliechan.com/dark-heavens/)と、京都でお会いすることができました。
カイリーさんの調査旅行について知り、早速連絡をとったところ、快く応じてくださったのです。
『玄天 第1巻 白虎』の原作“White Tiger”を初めて手にしたのが2006年。その後9冊にわたる『玄天』シリーズを読み終え、中国の四神をめぐって繰り広げられるこの壮大な物語を紡ぎだしてくれたカイリーさんに、いつかぜひお礼を言いたいと願い続けてきたこの13年。ついに、その願いを果たすことができました。
カイリーさんはオーストラリア人。とても気さくで陽気な方で、日本の文化を心から愛しており(伝統文化だけでなく、アニメや漫画も。特に幼い頃テレビで見た『鉄腕アトム』や、最近では『ユーリ!!! on ICE』が大好きだそうです)、すでに日本に関する多くの本を読破し、新たな作品執筆に向けて調査を進めています。
『玄天』シリーズに続く“Dragon Empire(龍の帝国)”シリーズでは、日本の弥生時代を題材に書きたいとのことで、今回の旅でも、京都大学総合博物館を訪れて弥生土器を実際に見るなど、積極的に情報収集をしています。
(作品と関係があるかどうかはわかりませんが)日本の温泉も初体験! 日本でのさまざまな体験については、自身のinstagram(https://www.instagram.com/Kylie_Chan_Author/)で紹介しており、美しい写真と、海外の作家ならではの視点に立ったコメントには、日本人である私たちも心を動かされます。
『玄天』シリーズでは、主人公ジョン・チェンの娘シモーネの日本での大学生活を描いたスピンオフが今後発表されるとのことで、東京大学(!)在学中のシモーネが、京都にも来るのか、日本でどんな学生生活を送っているのか、興味と期待は尽きません。
『玄天』シリーズについては、アメリカの会社が映画化の権利を得たとのニュースが3年前に入ってきましたが、まだ具体化はしていないとのこと。それよりも先に、オーストラリア国内でテレビドラマ化が実現するかもしれない、と話してくれました。ただし、年代設定を最近に変えて、なので、時代の変化が急速に進む昨今、調整が難しい面もあるようです。
主要登場人物について、「誰かを想定して書いたのですか」と尋ねたところ、「いいえ、そんなことはないわ」と答えつつも、次から次へと俳優の写真を検索して見せてくれて、「やっぱり、ちょっと考えていたわねと前言撤回。それにしても、アメリカの映画会社が、主人公ジョン・チェン(中国人)の役をキアヌ・リーブスに、と当初考えていたようだという打ち明け話には、私も思わず絶句。もちろん、カイリーさんもそれを聞いたとき、「なぜ中国人の役をキアヌが?」と、とても驚いたそうです。
「四神のうち、東の神、青龍は日本の神なので、日本人俳優に演じてほしい。昔見たテレビ番組で剣道(殺陣?)をしていた、背の高い男の人がぴったりなのだけれど」と語るカイリーさん。でも肝心の名前が出てこず、いったい誰なのか、いまだに不明です。私は佐藤健を推しましたが…。
今後の新シリーズでは、日本が重要になり、日本人もたくさん登場するので、「日本人らしい名前を考えなければならないわ。だから日本の赤ちゃんの名前の本を買ったのよ」と言うカイリーさんに、「何かあったらいつでもお手伝いします」と、協力を約束しました。
日本に長期滞在して、日本語を学んだり、さらに調査を進めたりしたいと熱く語るカイリーさん。いつかまた、ここ日本で会えると信じています。
中国や日本にゆかりのある作品を西洋人作家が書くとき、相手の文化への敬意をもって書く人は実は少ない、とカイリーさんは嘆いていました。そんな中、ともすれば日本人よりも詳しい知識と、東洋の文化への深い愛情をもって執筆しているカイリーさんを、これからも心から応援していきたいと思います。
こんなカイリーさんが書いたのは、いったいどんな作品だろう? と興味を持ってくださった皆さん、ぜひ 玄天 第1巻 白虎』を読んでみてください。
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今回、『玄天 第1巻 白虎』のサイン本を3名様にプレゼントさせていただきます。ご希望の方は、メールにて、件名に「白虎プレゼント」、本文に、お名前、メールアドレス、応募するきっかけをご記入の上、press@babel.co.jp 宛に送信してください。※当選の発表は、当選者への個別連絡のみとなります。
応募〆切:2019/5/29 抽選結果発表日:2019/5/30
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2019年4月13日、日本を調査旅行中の『玄天 第1巻 白虎』原作者カイリー・チャンさん(オフィシャルサイト:http://kyliechan.com/dark-heavens/)と、京都でお会いすることができました。
カイリーさんの調査旅行について知り、早速連絡をとったところ、快く応じてくださったのです。
『玄天 第1巻 白虎』の原作“White Tiger”を初めて手にしたのが2006年。その後9冊にわたる『玄天』シリーズを読み終え、中国の四神をめぐって繰り広げられるこの壮大な物語を紡ぎだしてくれたカイリーさんに、いつかぜひお礼を言いたいと願い続けてきたこの13年。ついに、その願いを果たすことができました。
カイリーさんはオーストラリア人。とても気さくで陽気な方で、日本の文化を心から愛しており(伝統文化だけでなく、アニメや漫画も。特に幼い頃テレビで見た『鉄腕アトム』や、最近では『ユーリ!!! on ICE』が大好きだそうです)、すでに日本に関する多くの本を読破し、新たな作品執筆に向けて調査を進めています。
『玄天』シリーズに続く“Dragon Empire(龍の帝国)”シリーズでは、日本の弥生時代を題材に書きたいとのことで、今回の旅でも、京都大学総合博物館を訪れて弥生土器を実際に見るなど、積極的に情報収集をしています。
(作品と関係があるかどうかはわかりませんが)日本の温泉も初体験! 日本でのさまざまな体験については、自身のinstagram(https://www.instagram.com/Kylie_Chan_Author/)で紹介しており、美しい写真と、海外の作家ならではの視点に立ったコメントには、日本人である私たちも心を動かされます。
『玄天』シリーズでは、主人公ジョン・チェンの娘シモーネの日本での大学生活を描いたスピンオフが今後発表されるとのことで、東京大学(!)在学中のシモーネが、京都にも来るのか、日本でどんな学生生活を送っているのか、興味と期待は尽きません。
『玄天』シリーズについては、アメリカの会社が映画化の権利を得たとのニュースが3年前に入ってきましたが、まだ具体化はしていないとのこと。それよりも先に、オーストラリア国内でテレビドラマ化が実現するかもしれない、と話してくれました。ただし、年代設定を最近に変えて、なので、時代の変化が急速に進む昨今、調整が難しい面もあるようです。
主要登場人物について、「誰かを想定して書いたのですか」と尋ねたところ、「いいえ、そんなことはないわ」と答えつつも、次から次へと俳優の写真を検索して見せてくれて、「やっぱり、ちょっと考えていたわねと前言撤回。それにしても、アメリカの映画会社が、主人公ジョン・チェン(中国人)の役をキアヌ・リーブスに、と当初考えていたようだという打ち明け話には、私も思わず絶句。もちろん、カイリーさんもそれを聞いたとき、「なぜ中国人の役をキアヌが?」と、とても驚いたそうです。
「四神のうち、東の神、青龍は日本の神なので、日本人俳優に演じてほしい。昔見たテレビ番組で剣道(殺陣?)をしていた、背の高い男の人がぴったりなのだけれど」と語るカイリーさん。でも肝心の名前が出てこず、いったい誰なのか、いまだに不明です。私は佐藤健を推しましたが…。
今後の新シリーズでは、日本が重要になり、日本人もたくさん登場するので、「日本人らしい名前を考えなければならないわ。だから日本の赤ちゃんの名前の本を買ったのよ」と言うカイリーさんに、「何かあったらいつでもお手伝いします」と、協力を約束しました。
日本に長期滞在して、日本語を学んだり、さらに調査を進めたりしたいと熱く語るカイリーさん。いつかまた、ここ日本で会えると信じています。
中国や日本にゆかりのある作品を西洋人作家が書くとき、相手の文化への敬意をもって書く人は実は少ない、とカイリーさんは嘆いていました。そんな中、ともすれば日本人よりも詳しい知識と、東洋の文化への深い愛情をもって執筆しているカイリーさんを、これからも心から応援していきたいと思います。
こんなカイリーさんが書いたのは、いったいどんな作品だろう? と興味を持ってくださった皆さん、ぜひ 玄天 第1巻 白虎』を読んでみてください。
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今回、『玄天 第1巻 白虎』のサイン本を3名様にプレゼントさせていただきます。ご希望の方は、メールにて、件名に「白虎プレゼント」、本文に、お名前、メールアドレス、応募するきっかけをご記入の上、press@babel.co.jp 宛に送信してください。※当選の発表は、当選者への個別連絡のみとなります。
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