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【翻訳者インタビュー・石井ふみさん】『ぼくはサンタ』

2019/01/22

連載215回目の1月22日号では、絵本『ぼくはサンタ』の翻訳者の石井ふみさんの活動をご紹介します!

このコーナーでは、これまでたくさんの翻訳家にスポットをあて、どんな方がバベルの翻訳ワークショップからデビューしているのかをご紹介し、インタビューによって翻訳出版の動機や、その背景も探ってきました。また、原作の作者やイラストレーターからもメッセージも紹介してきました。今号では絵本『ぼくはサンタ』の翻訳者の石井ふみさんのさまざまな活動をお伺いしました。是非、読者の皆さまも一緒に追体験をしていただければと思います。お楽しみください。

 

編集:
はじめにプロフィールと最近の活動(翻訳やイベント)についてお聞かせください。

石井さん:
 2016年の秋にバベル翻訳専門職大学院に入学しました。幸運なことに奨学金をいただきワーキング生として翻訳実績をつむことができました。現在は修了作品に選んだバイリンガリズム専門書の翻訳を始めたところです。さらに、昨年ご縁あって『フランシーンの奇跡』共訳翻訳ワークショップへ大学院生として参加しています。共訳者の仲間はどなたも素晴らしい方ばかりで、監訳のパリジェン先生からも多くを学んでいます。

 今は開講したばかりの「バイリンガル絵本読み聴かせの会」の講師として活動しています。子育て経験が活かせて嬉しい限りです。ご家庭でお子さんに英語絵本の読み聴かせをなさりたい方々をしっかりとサポートさせて頂きます。ご参加くださっている親子の姿に、私自身も幼いころの母と楽しんだ『白雪姫』”Snow White”を思い出し、ほのぼのとしてしまいます。

 
バベルプレスの翻訳絵本は品質が高く、内容も素晴らしいのが魅力です。先日は、すみれ保育園より小さいお友達が来てくれて熱心なまなざしで絵本に見入ってくれていました。英語の歌で遊んだり、踊ったりと笑顔いっぱい可愛らしくて幸せでした。他にも昨年末には一般社団法人日本翻訳協会主催の絵本翻訳セミナーの講師をする機会を頂き、将来有望な翻訳者の卵たちと出会え、逆に私のほうが勉強になりました。

編集:
早速ですが、石井さんが翻訳を学び、翻訳家を目指そうと思ったきっかけなどありましたら、お聞かせください。

石井さん:
 
わが家には、現在中学2年生と小学4年生の二人の息子たちがいて、バイリンガルに育てようと読み聴かせた英語絵本が大量にあるのですが。まさかバベルCo-pub絵本翻訳出版オーディションを受け合格するとは思ってもいませんでした。絵本『ぼくはサンタ』(ジョン・エイジー作“Little Santa”)の共訳ワークショップ参加するために初めて吉祥寺オフィスを訪れた日が懐かしいです。

 実は大昔、なんと1996年の話ですがバベル翻訳通信講座を受けていました。そのころ私はシンガポールをベースに客室乗務員をしていて、空いた時間を無駄に過ごすよりも翻訳してみようと軽い気持ちで受講しました。その後、日本の企業に転職し社内翻訳として2001年まで勤務していましたが、通信教育で学んだことが役に立ちました。2001年、フリーランス通訳者に転向したのですが、家の事情で外に出られなくなったため翻訳会社のコーディネーターやチェッカーをしていました。

 第一子を出産後に絵本を使った幼児向けの英語教室を開講し一年半ほど続けました。その後、映像翻訳の通信講座を修了してブログ翻訳の仕事をしながら『ぼくはサンタ』を翻訳出版しました。ブログ翻訳には実名がでませんが、Co-pubには翻訳者として名前が出ます。これには誰よりも母が喜んでくれましたので親孝行ができたと思います。当時はまだ5歳だった次男がこの絵本を気に入り、煙突を作ってサンタさんの滑り台ごっこなんかもしました。


編集: 
2014年のクリスマスに絵本の『ぼくはサンタ』を翻訳出版して、今年の4月頃には『フランシーン奇跡』が2作目ですね。発売が楽しみですが、どのような作品なのか少し教えていただけますか。


石井さん:
 引き寄せの法則(The Law of Attraction)はご存知ですか?『フランシーン奇跡』は、この法則が学べるストーリー仕立ての本です。幸せになり成功を収めるには願が叶うと信じ続けて実際にそうなったらどうするかまで具体的にイメージすると実現する。簡単に言うとそういう話なのですが。詳しくは本書が発売になったら手にとってぜひ読んでみてください。私はセリフの部分を多く担当させてもらっています。キャラクターの性格や表情までイメージして訳してみました。


編集:
ちなみに、お子さん、お母さん、園児向けでバイリンガル読み聴かせの活動を継続的に行っていますが、バイリンガル読み聴かせでどのようなことを参加者に伝えたいですか。

石井さん:
 
絵本読み聴かせによるバイリンガル育児は、最近思うのですがスズキメソッドの母国語のようにピアノを習うレッスンに少し似ています。優れた演奏を身につけるには、まずは優れた演奏を聴いて脳の発達段階を考慮しながら幼いうちから微妙な音の揺れを聴く力つけるといいます(古谷晋一「ピアニストの脳を科学する」2012年/春秋社を参照)。初めはたどたどしかった演奏も、年齢を重ねて繰り返し練習すると上手に弾けるようになります。

 バベルで講師をお願いしている藤澤慶已先生という音声学の専門家から教わった発音矯正(FSMTメソッド)を学べば、大人からでもきれいな英語で読み聴かせができるようになります。何よりも、簡単で自然な英語が美しい物語の中で味わえるのが絵本の魅力です。絵本は感性を磨き、言語の背景にある文化を学ぶのにも最適というわけです。これからは英語と日本語の文法の違いなども分かりやすくて自然な形で丁寧にご説明していきます。大勢のご参加をお待ちしています!


編集:
最後にこれからの抱負や、さらに翻訳してみたい作品のことなどをお聞かせください。


石井さん:
 バベル翻訳専門職大学院(USA)でMST(Master of Science in Translation)取得後のことをぼちぼち考え始めています。将来を見据えると日本語のモノリンガルだけとは考えられませんので、今、私達ができることはバイリンガルに育つ現実を理解し始めることでしょうか。特に今では考えられないような時代に子どもたちは大人になるわけですから、先人たちのお知恵だけもまた進歩する科学研究の翻訳書や、グローバルバーズアイビュー(渥美郁子先生のお言葉をお借りしますが)を持つ人材育成のためにも語学力を養うことにわずかでも貢献していければ嬉しいです。

編集:
これからも石井さんのご活躍を期待しております。本日はありがとうございました。


石井さん:
有難うございます!
TPT読者の皆様にもお会いできる機会があることを楽しみにしています。

【記事で紹介された作品】

  

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