【翻訳者インタビュー・中川順さん】こどものための世界冒険シリーズ-World Adventures tor Kids
2018/07/23
連載203回目の7月23日号では、こどものための世界冒険シリーズ-World Adventures tor Kidsの翻訳者、
中川順さんの翻訳者インタビューをご紹介いたします。お楽しみ下さい。

編集:
はじめにプロフィールと最近の活動についてお聞かせください。
中川:
もともとは教員でしたが、約30年前に家族でオーストラリアに移住して、種々雑多な仕事をやってきました。今は日本の実家で雑草と戦っていますが、年末にはブリスベンに帰ります。
編集:
いまの時期は特に暑い日が続いているので雑草との戦いは大変ですね。しっかりと水分をとって熱射病には気をつけてください。ブリスベンは年中温暖と聞くので住みやすいと聞いています。一度は遊びに行きたいですね。
早速ですが、中川さんが翻訳を学び、翻訳家を目指そうと思ったきっかけなどありましたら、お聞かせください。
中川:
ブリスベンにいらした際は、いろいろと地元情報を教えますね。私は日本人ということでブリスベンで翻訳の仕事をさせていただいておりますが、その中で翻訳というのは正解のない、終わりのない仕事だと悟って、一度は翻訳をやめたのですが、数年前に失業して暇になったので、バベルの翻訳大学院に入って、また翻訳の世界に関わるようになりました。
編集:
なるほどですね。ちなみに『こどものための世界冒険シリーズ』を出版されたのは、はどんな理由や思いがあったのでしょうか。
中川:
私は絵本が大好きで、子どもたちと一緒に長い間楽しんできました。この本のアシスタントの仕事に応募したのは、絵本なら字数が少なくて翻訳するのは楽ではないかという安易な気持ちではじめたのですが……。実際に翻訳を始めると翻訳の深さ、面白さをさらに実感できました。
編集:
絵本の内容の紹介と、翻訳された感想、楽しかったこと、苦労したことをお聞かせくださいますか。
中川:
この絵本は、さんしょううおのアレクサンダー、ぞうのエリー、しまうまのゾーイと、動物が主人公ですが、悲しかったりうれしかったり喧嘩したり、主人公たちの感じる思いは人間の子どもたちと同じです。子どもたちはこれを読んで共感し、問題に直面したとき、何かのヒントになるかもしれません。
翻訳作業では、子どもが読むということで、それにふさわしい語句の選択や、年齢に合わせた漢字の使用などにも注意する必要がありました。読者層の想定を明確にすることにより訳文が変化いくところは、翻訳の面白さなのかもしれません。
また、この絵本は写真がきれいで、お話を読みながら、アマゾンやタイ、アフリカのザンビアにいるような気持ちになれました。楽しかったです。(読者の皆さんも是非、トリップしてくださいね)
編集:
翻訳をされていると、色々な訳文が浮かんでくると思います。
その一方で絵本は、文章が短い分、使いたい言葉や文があっても、どこかで区切りを着けなければいけない難しさがありますね。出来上がった本を手にしたときのお気持ちはいかがでしたか。
中川:
一生懸命、みんなで磨いた文章ですが、今、読んだら、きっと、あら、というところがあるでしょうから、本文を見るのは勇気が必要です。長い間、翻訳と関わってきましたが、自分の名前が表紙に出たのは初めてです。ありがとうございました。
編集:
最後にこれからの抱負や翻訳してみたい作品のことなどをお聞かせくだい。
中川:
60代半ばになり、あと20年あるのか30年あるのかというところです。元気に楽しく何かをしながら毎日を送りたいです。翻訳にまたチャレンジしたい気もありますが、おもしろい本ならそのまま読むだけのほうがいいです(笑)。
編集:
中川さん、おもしろい本をそのまま読むだけでなく、是非、翻訳にもチャレンジしてくださいね。(笑)今後、作家のM.G.エドワーズさんと訳者の皆さんでの対談インタビューも検討していますので、是非、楽しみにしていてください。本日はありがとうございました。
中川:
エドワーズさんは息子さんとの写真がありましたが、お子さんと生活を楽しむ典型的な英語圏のお父さんという雰囲気です。お目にかかれる機会があると楽しいでしょうね。ありがとうございました。
【こどものための世界冒険シリーズ-World Adventures tor Kids】
こどものための世界冒険シリーズ World Adventurers for Kids
M.G.エドワーズ(M G Edwards) (著)、高橋 みどり、田口 茂子、中川 順 (翻訳)、クラーク 真理 (監訳)
バベルプレス
言語: 日本語
ISBN-10: 4894495481
ISBN-13: 978-4894495487
中川順さんの翻訳者インタビューをご紹介いたします。お楽しみ下さい。

編集:
はじめにプロフィールと最近の活動についてお聞かせください。
中川:
もともとは教員でしたが、約30年前に家族でオーストラリアに移住して、種々雑多な仕事をやってきました。今は日本の実家で雑草と戦っていますが、年末にはブリスベンに帰ります。
編集:
いまの時期は特に暑い日が続いているので雑草との戦いは大変ですね。しっかりと水分をとって熱射病には気をつけてください。ブリスベンは年中温暖と聞くので住みやすいと聞いています。一度は遊びに行きたいですね。
早速ですが、中川さんが翻訳を学び、翻訳家を目指そうと思ったきっかけなどありましたら、お聞かせください。
中川:
ブリスベンにいらした際は、いろいろと地元情報を教えますね。私は日本人ということでブリスベンで翻訳の仕事をさせていただいておりますが、その中で翻訳というのは正解のない、終わりのない仕事だと悟って、一度は翻訳をやめたのですが、数年前に失業して暇になったので、バベルの翻訳大学院に入って、また翻訳の世界に関わるようになりました。
編集:
なるほどですね。ちなみに『こどものための世界冒険シリーズ』を出版されたのは、はどんな理由や思いがあったのでしょうか。
中川:
私は絵本が大好きで、子どもたちと一緒に長い間楽しんできました。この本のアシスタントの仕事に応募したのは、絵本なら字数が少なくて翻訳するのは楽ではないかという安易な気持ちではじめたのですが……。実際に翻訳を始めると翻訳の深さ、面白さをさらに実感できました。
編集:
絵本の内容の紹介と、翻訳された感想、楽しかったこと、苦労したことをお聞かせくださいますか。
中川:
この絵本は、さんしょううおのアレクサンダー、ぞうのエリー、しまうまのゾーイと、動物が主人公ですが、悲しかったりうれしかったり喧嘩したり、主人公たちの感じる思いは人間の子どもたちと同じです。子どもたちはこれを読んで共感し、問題に直面したとき、何かのヒントになるかもしれません。
翻訳作業では、子どもが読むということで、それにふさわしい語句の選択や、年齢に合わせた漢字の使用などにも注意する必要がありました。読者層の想定を明確にすることにより訳文が変化いくところは、翻訳の面白さなのかもしれません。
また、この絵本は写真がきれいで、お話を読みながら、アマゾンやタイ、アフリカのザンビアにいるような気持ちになれました。楽しかったです。(読者の皆さんも是非、トリップしてくださいね)
編集:
翻訳をされていると、色々な訳文が浮かんでくると思います。
その一方で絵本は、文章が短い分、使いたい言葉や文があっても、どこかで区切りを着けなければいけない難しさがありますね。出来上がった本を手にしたときのお気持ちはいかがでしたか。
中川:
一生懸命、みんなで磨いた文章ですが、今、読んだら、きっと、あら、というところがあるでしょうから、本文を見るのは勇気が必要です。長い間、翻訳と関わってきましたが、自分の名前が表紙に出たのは初めてです。ありがとうございました。
編集:
最後にこれからの抱負や翻訳してみたい作品のことなどをお聞かせくだい。
中川:
60代半ばになり、あと20年あるのか30年あるのかというところです。元気に楽しく何かをしながら毎日を送りたいです。翻訳にまたチャレンジしたい気もありますが、おもしろい本ならそのまま読むだけのほうがいいです(笑)。
編集:
中川さん、おもしろい本をそのまま読むだけでなく、是非、翻訳にもチャレンジしてくださいね。(笑)今後、作家のM.G.エドワーズさんと訳者の皆さんでの対談インタビューも検討していますので、是非、楽しみにしていてください。本日はありがとうございました。
中川:
エドワーズさんは息子さんとの写真がありましたが、お子さんと生活を楽しむ典型的な英語圏のお父さんという雰囲気です。お目にかかれる機会があると楽しいでしょうね。ありがとうございました。
【こどものための世界冒険シリーズ-World Adventures tor Kids】
こどものための世界冒険シリーズ World Adventurers for Kids
M.G.エドワーズ(M G Edwards) (著)、高橋 みどり、田口 茂子、中川 順 (翻訳)、クラーク 真理 (監訳)
バベルプレス
言語: 日本語
ISBN-10: 4894495481
ISBN-13: 978-4894495487
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