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絵本翻訳第二作!  『おやすみヨガ』の翻訳者・伊東小百合さんインタビュー!!

2017/11/24

絵本翻訳第二作!
 『おやすみヨガ』の翻訳者・伊東小百合さんインタビュー!! 
 

         


 このコーナーでは、これまでたくさんの翻訳者にスポットを当て、
インタビューによって翻訳出版の動機や、その背景も探ってきました。


 連載187回目(11月24日号)では、
先日発売となった『おやすみヨガ』を翻訳した伊東小百合さんにインタビューを行いました。

絵本翻訳の第二作目となった本作。どんな思いで翻訳に臨まれたのでしょうか?
翻訳を通して深まる家族の絆、大きく広がるご縁とそのご縁への感謝など、
伊東さんが翻訳者としての活動から、人間的に成長し、ますます充実した人生を送られていることがよく分かります。


伊東さんのインタビューをお読みいただき、皆さんのより豊かな翻訳活動の参考にしていただけたらと思います!


編集部
本日は伊東小百合さんにお話を伺います。
伊東さんは過去に絵本の『こえだのとうさん』(バベルプレス)を翻訳出版され、インタビューにお答えいただきました。バベルでもイベントを開催していただき、大変お世話になっています。
伊東さん、今回もよろしくお願いいたします。

伊東小百合さん(以下、伊東さん):
はい。よろしくお願いします。

編集部
『おやすみヨガ』(バベルプレス)が発売となりましたね!
今回、2冊目の翻訳絵本として『おやすみヨガ』を選んだ理由は何ですか?


伊東さん:
2016年の8月、アメリカからカナダに引っ越してきたのですが、引っ越して間もなく、カナダの壮大な大平原の中で行われたヨガフェスティバルに参加したんです。数日間にわたり開催されたフェスティバルで、一日中、色々なスタイルのヨガやヨガニードラ、クリスタルボウル、呼吸法や瞑想法を体験しました。

編集部
素晴らしい体験ですね!

伊東さん:
そのプログラムの一環でキッズヨガがあり、面白そうだからやってみようと、二人の息子と参加しました。この時がキッズヨガとの最初の出会いでした。
ヨガマットを地面に敷いて、大空を見上げながら寝そべる解放感。肌で風を感じながら、ヨガで体を心地よくストレッチして、深呼吸を繰り返すことで自然と気持ちが落ち着いていくことを子ども達と一緒に体感したんです。

ペアになってヨガをしたときは、目を瞑り、相手の心臓に手を置き、相手の鼓動や息遣いを感じました。相手の体に置いた自分の手から、温かなそして確かな命、その重みも感じました。このときの神聖な気持ちは今でも忘れることができません。ペアヨガでは、自分の体を相手に預けたり、反対に相手を支えたりします。相手をいたわり、信頼しなれければ出来ないポーズもあります。ヨガをすることで、人々は支え合って生きていくことや思いやりの気持ちも養われるんですね。口で説明するより、体で感覚として分かっていくことが出来るのがヨガなのだと思います。


編集部
ヨガにはそんな要素があるんですね。知りませんでした。


伊東さん:
前置きが長くなってしまったのですが、新天地のカナダでとても内容の濃いヨガフェスティバルに参加したこと、そして偶然にも息子たちが通い始めた小・中学校で、ヨガの授業が始まったことで、キッズヨガへの興味が芽生えてきていたんです。たまに行くお気に入りの本屋さんにも、子供向けヨガ専門コーナーを発見し、たくさんの絵本やヨガのアルファベットカード、DVDなどに触れる機会がありました。その中でも、心がザワザワしたとき、読むと気持ちがスーッと楽になるお守りのような絵本があって。その絵本はどちらかというと、幼児向けというより、小学校高学年以上の女の子向けの絵本ですが、今でも翻訳したいと思っている絵本です。でも、ずっと上手いタイトルが思いつかなくて…いいタイトルが浮かんだら是非挑戦したいです!


編集部
そうですか!熱い気持ちがあるんですね~~。きっと実現させてくださいね!!

そこから『おやすみヨガ』の翻訳につながっていくんですね。


伊東さん:
カナダに来てから、キッズヨガの興味がどんどん大きくなり、いつかヨガの絵本を翻訳したいと思っていたんです。そんな矢先に、偶然にもバベルプレスで、『おやすみヨガ』とその続編Good Morning Yogaのオーディションを知ったんです。『おやすみヨガ』は、色遣いがキレイでとてもキュートなイラスト、美しい詩のようなお話に合わせて、眠りにつくためのヨガポーズの流れが描かれ、この絵本なら忙しい夜の時間にもピッタリだなと思いました。

翻訳出版したいと思った大きな決め手は、絵本の締めくくりに、寝たまま出来る簡単瞑想法がついていたことです。小さな絵本に、ギュッとイイものが詰まっている本当に素敵な絵本だと思ったんです。大人向けに、ヨガニードラが流行っていますが、小さい子向けのものは見たことがありませんでした。それに、日本では、ヨガ絵本自体があまりないですよね。『おやすみヨガ』を含め、良質なヨガ絵本を出来るだけ紹介していきたいと思っていたので、ちょうどいいタイミングでした。


編集部
子どもがヨガに触れるのにとてもいい絵本ですよね。簡単にこの本についてご説明いただけますか?

伊東さん:
キッズヨガプログラムはアメリカで開発された教育プログラムなのですが、その中心的な役割を担った一人が、『おやすみヨガ』の著者、マリアム・ゲイツさんです。マリアムさんは、20年以上の教育者として経験を活かし、インストラクター養成のため、キッズパワーヨガ・プログラムを考案した方です。教育者として、また、ヨガインストラクターとしての知識を結集させたのがこの絵本だと思います。アメリカでは、アマゾンでも常に上位にランクインし大人気の絵本です。

絵本で紹介されているヨガのポーズは、全て自然から着想を得たポーズなので、お子さまたちも、簡単にイメージを膨らますことができる構成になっています。大空に向かってあげた両手を吐く息とともに下げる動作で「おひさま」が沈んでいく様子を体で表現することに始まり、「くも」を集めて頭の上で放つ動作で、日中あった嫌なことを吹き飛ばします。
お月さまやお星さまが夜空を照らし、日中活動していた森の生き物たちがゆっくりと休んでいく姿に合わせて、立つポーズから座るポーズに移り、胸を閉じるポーズで眠りにつきやすいポーズへと変化し、最後は「こども」のポーズで石のように丸くなって、リラックスします。


編集部
自然とリラックスして眠りにつけるよう作られているんですね。私もなんだか眠くなってきました(笑)
これは読んでいる方にも効果がありますね。


伊東さん:
全ての11のポーズは、ゆっくりと深い呼吸をするように促しているので、読み聞かせをするお母さま方からも、早速読み聞かせをしているママさんが癒されたとの声を頂いております。ヨガが好きな方でその良さは分かっているけれど、お子さんにどのように教えたらよいか分からない方、お子さんと一味違ったリラックスタイムを過ごしたい方におススメしたいです。

『おやすみヨガ』で、頭と心と体を休める時間を作って頂き、一日の頑張りを親子で褒め合って、安眠して頂ければ幸いです。


編集部
本当にそうですね。ヨガをされている方はもちろん、ヨガ初心者の方にも、気軽に始めていただけるのでお勧めできますね。

今回の翻訳についてもお聞きしたいのですが、翻訳作業はいかがでしたか?


伊東さん:
前回の『こえだのとうさん』では、主人とバイリンガル読み聞かせをすることで、訳抜けを発見することが出来ました。今回は、前回の反省を生かし、主人に英語を読んでもらい、日本語訳を私が読む作業を何度かしました。英語を誰かに読んでもらうことで、意味をしっかりと確認しながら、自分の訳文と対比できる間が生まれるんです。一人で英語・日本語で読むだけでは、その間がないので、間違いに気が付きにくくなってしまうんです。今回、もう一つやってみたことは、私の日本語訳で、子どもに実際に体を動かしてもらい、言葉に合わせて体が動くかも試しました。なぜか、寝たまんまヨガの部分は、自分のイメージだけで訳していたのですが、実際に子どもに寝転んでもらい、聞いてもらったときに、ずっとしっくり来なかった訳文をパッと改訳することができたんです。


編集部
すごい!まさに家族みんなで作り上げた訳文なんですね~~
家族の絆を感じるエピソードをありがとうございます!

逆に大変だったことはありますか?


伊東さん:
原書は簡単な英語なのですが、合計6ページにわたり文章が終わらないという箇所があり、その部分の訳をどうするべきか迷いました。今でも、良かったのかなと思ったりします。翻訳は、終わりなき作業と言われますが、出版した後になっても「あちらの方が良かったかな」と思ったりするのが、翻訳の苦労は尽きない面だと思います。


編集部
うーん、本当に翻訳は奥が深いです。。。

そうして完成した『おやすみヨガ』。この作品と共に、今後どのような活動をされる予定ですか?


伊東さん:
まず、今月11月の後半に、神保町ブックカフェと吉祥寺バベルオフィスで『おやすみヨガ』イベントをさせて頂きます。英語と日本語のバイリンガルで読み聞かせをしながら、参加者の皆さんに実際にヨガをやってリラックスして頂ければと思っています。それから、普段あまり意識することのない「呼吸」に意識をして頂き、異なる呼吸法をすることで、ご自身の体と心がどんな風に変化するのかを感じて頂ければと思っています。

カナダ在住のため、こうしたイベントは一年に一度ぐらいになってしまうのですが、私自身は、キッズヨガの輪が広まることを強く願っているので、実際のカナダの公立小・中学校で行われている授業の様子などもあわせて、『おやすみヨガ』のFBで発信していこうと思っています。キッズヨガの話になると、お伝えしたいことが多過ぎて。



編集部
本当に想いが強いんですね。
特に今伝えるとしたら、どんなことがありますか?

伊東さん:
日本では先生の言うことを聞かない問題児が増えているそうですが、私の息子が通ったアメリカや今通っているカナダの学校では、そのような生徒を見かけることはありません。子ども達は先生を敬い、先生は生徒が少し騒いだとしても大声で叱りつけるのではなく、生徒たちに自分のすべきことを冷静に問うことで、規律正しさが守れています。
是非、日本の先生方も機会があれば、海外の小・中・高校で、キッズヨガの側面からだけでなく、先生方や子ども達の様子を見て頂きたいと思います。

日本のメディアの方にも、キッズヨガが授業の一環として組み込まれている学校を取材に来て頂いて、子どもたちが学校でヨガをすること、自分の呼吸だけに意識を置いて、5分から10分間マットの上で目を瞑り体を休めること、この重要性と素晴らしさを知って頂きたいと思います。本当のゆとりは、勉強時間を削ることではなく、頭と心と体が完全にリラックスする時間を持つことで生まれるのではないでしょうか?


編集部
それこそ日本の子ども達を取り巻く環境として、多くの人の関心や議論が必要ですね。


伊東さん:
はい。海外の公立学校で導入されているキッズヨガにご興味のあるメディアの方は、学校取材のコーディネートさせて頂くので、是非、ご連絡頂きたいと思います。
今後は、キッズヨガ普及のために少しでもたくさんの「生」の情報をお届けしていくことが、私の活動の中心になってくると思います。

翻訳した『こえだのとうさん』も『おやすみヨガ』も、FBページを立ち上げて、絵本にまつわる色々なことを発信しています。継続的に情報発信を続けていくことで、絵本をより深く知っていただくこともできますし、一冊の絵本に対する愛着も湧いてきて、絵本会で活用できる色々なアイディアも生まれます。
最初は闇雲に発信していたことが、時間をかけることで形になってきたりするという思いに至りました。


編集部
お話を聞いていると目標がすごく明確で、力強さを感じます。活動を通じて成長なさっていることが伝わってきます。

伊東さんが絵本の翻訳に携わったことで得られたものとして、ひとつ挙げるとしたら何でしょう?


伊東さん:
人との繋がりが生まれること。人との関係性が密になることです。一つの道に情熱をかけた方との出会いは、素晴らしいものです。
著者の方、イラストレーターの方に始まり、出版後は絵本を応援して下さる方やその道に精通した方との交流も生まれます。

翻訳をしていなかったら、絶対に出会うことのなかった素敵な方々ばかりです。絵本翻訳により、自分の生活と人生が輝きと彩りに満ちたものになっているといっても過言ではありません。情熱を持った方々の出会いが、私にたくさんのパワーと感動を与えてくれます。『おやすみヨガ』の場合、たくさんのヨガの先生と交流させて頂くことになりましたが、キッズヨガの先生だけあって皆さん、素晴らしい人格者の方々です。

もちろん、絵本を翻訳することで家族との繋がりがより密になりました。家族のメンバーそれぞれの得意分野を生かして、絵本をPRするために、色々な仕事を手伝ってもらっています。絵の得意な長男にはPOPを描いてもらったり、手先の器用な主人には絵本会の工作で使うクリスマスのオーナメント作りの基礎作りをしてもらったりと、家族の支えなしには全て成り立ちません。ですから、家族には特別感謝しています。


編集部
人とのご縁に感謝していらっしゃるのが、本当に素晴らしいと思います。
だからこそ、多くの助けを得られて、活動が展開していくんですね!


伊東さん:
一年後、『おやすみヨガ』のFBがどのようになっていくのか楽しみです。これからも、皆さまの生活が少しでも豊かに健やかになるように、私にしか出来ない発信をしていきたいと思います。


編集部
本当に楽しみですね!
ぜひバベルとしても協力させてください!

今後ともよろしくお願い致します。
本日はありがとうございました!


伊東さん:
ありがとうございました。





☆☆☆
 『おやすみヨガ』
作 マリアム・ゲイツ
絵 サラ・ジェーン・ヒンダー
翻訳 いとう さゆり

 Kid Power Yoga™(キッド・パワー・ヨガ)の運営で有名なマリアム・ゲイツ女史による初のヨガ絵本です。 ヨガを通して子どもの心身を健やかに保てるように、指導する姿勢は高い評価を確立しています。

 子供のおやすみ前の過ごし方を保護者や保育士などに提案する画期的な絵本です。 眠りにつく前の一コマを遊び感覚で実践することにより、眠りの世界に誘います。

  美しい詩のような言葉と共に一ポーズが見開きでイラストが描かれていて、 イラストの子供の横に呼吸の流れに沿ってポーズの仕方が簡単な言葉で書かれています。
一日が終わり夜のとばりが落ちていく自然界の様子を色鮮やかで明瞭なイラストと詩のような言葉と共にヨガのポーズの流れも相まって表現されています。

 ゆったりと体や心の緊張をときほぐしていくように構成されていて、その方法はただ緩ませるポーズ」ばかりではなく、 集中力を高めるもの、または他の方法も組み合わせることで質の高い眠り、つまり心身が共に良い状態につながっていきます。
全11のヨガ・ポーズの流れが見開きでまとめられているページもあります。

*頭が空っぽになる「ねたまんまヨガ」付。




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