「ストーン・クロニクル」シリーズ第2作 『エクスカリバーの石を探して』発売! 翻訳者・佐藤裕子さんインタビュー
2017/08/07
このコーナーでは、これまでたくさんの翻訳者にスポットを当て、
インタビューによって翻訳出版の動機や、その背景も探ってきました。
連載180回目(8月7日号)では、先日発売開始となったPOD作品の新刊『エクスカリバーの石を探して』の翻訳者・佐藤裕子さんをご紹介します!
翻訳の道を選んだ原点や、これからの目標を伺いました。
ぜひお読みください!
編集部:
佐藤さん、この度は『エクスカリバーの石を探して』の翻訳出版おめでとうございます!
簡単にこれまでのご活動やご職業をお聞かせ願えますか?
佐藤さん:
高校卒業後、語学専門学校で英語を学びました。その後、アメリカへの語学留学、アイルランドの小・中・高校で日本文化紹介、ロシアで日本語講師をしましたが、帰国後資格を取り介護福祉士として働いています。
もう一度、英語をやろうと思ったのは、結婚、出産で仕事を辞めていた時、英検に挑戦し英語の楽しさを実感し直したからです。それから、バベルの共訳ワークショップに参加させて頂きました。
現在は介護職と英語・英会話教室をやっています。
編集部:
語学に関わっていらしたんですね。日本文化や日本語を教えてこられたというのも興味深いです。
翻訳家を志したきっかけはありますか?
佐藤さん:
子供の頃、外国の小説をよく読みました。その中でも、「赤毛のアン」が好きでした。そのとき、村岡花子さんの名前を覚え、「英語の本を訳する仕事」というものに興味を持ちました。
編集部:
村岡花子さんの影響力はすごいですね。
今回翻訳された『エクスカリバーの石を探して』のどんなところに惹かれたのですか?
佐藤さん:
子供向けという点に強く惹かれました。絵本の共訳ワークショップに参加をさせていただいた後、子供に向けたもの、子供が主人公の話に興味がでました。
課題文を読んで、さらにやりたいと思いました。
編集部:
そうなんですね!
翻訳されている間は、どんな思いで翻訳されましたか?
佐藤さん:
この本の、ワクワクドキドキする感じを伝えられるように翻訳しました。
編集部:
その、ワクワクドキドキのストーリーを少し紹介していただけますか?
佐藤さん:
子供3人の冒険小説です。個性豊かな大人たちも巻き込み、子どもたちが難題に立ち向かう内容で、「アーサー王物語」が鍵になります。大人も楽しめる小説です。
編集部:
単に子供向けというわけではないんですね。
佐藤さんは、本書のテーマは何だと思いますか?
佐藤さん:
「可能性」だと思います。実生活では、ごく普通の子どもたちが難題に立ち向かい、大人以上の活躍をします。人として限りない「可能性」を感じました。
編集部:
「可能性」とは素敵なテーマですね。
翻訳をされてみた感想はいかがでしたか?楽しかったこと、苦労したことなどをお聞かせください。
佐藤さん:
登場人物がとても個性的で、訳していて楽しかったです。それぞれの個性が表れるような言葉遣いは、気をつけました。
編集部:
本を読めば個性的なキャラクターに出会えるということですね!
実際に本を手に取った時のお気持ちはいかがでしたか?
佐藤さん:
立派な本になっていて、夢のようでした。翻訳ワークショップに参加出来たことが、大変誇らしく感じました。
編集部:
そんな風に喜んでいただけて嬉しいです!
それでは最後に、これからの抱負や翻訳してみたい作品のことなどをお聞かせください。
佐藤さん:
かつての語学留学先が、アフリカ系アメリカ人の多い地域でした。アフリカ系アメリカ人の姿が正確に伝わっていないように感じる事があります。彼らの文学をいつか翻訳できたならと思っています。
編集部:
そうでしたか!アフリカ系アメリカ人の方にとって大切な作品となりますね。
佐藤さん:
あと、料理の本を翻訳してみたいです。料理は、国や地域の歴史が深くかかわっているので大変興味深いと感じていますし、単に食いしん坊だからでもあります。
編集部:
自分の「好き」を大切にできるっていいですね。作って食べて、訳して、と(笑)
ぜひ次なる挑戦を期待しています~~
『エクスカリバーの石を探して』
著者 フィオナ・イングラム
翻訳 市川幸子、植月祐貨、 金丸江美子、佐藤裕子
監訳 前川悠貴

シリーズ第1作『聖なるスカラベの秘密』の主人公、アダムといとこのジャスティンの冒険はまだまだ続く。
失われた古代の7つのパワーストーンの、2つ目の手がかりを追い求める2人。最近になってある考古学者が発掘した、アーサー王の剣「エクスカリバー」の柄に埋め込まれている石がどうやら、パワーストーンであるらしい。
スコットランドの古城を探索する2人の後を追い、前作でも2人を苦しめたハーリド博士が現れる。しかも、誰も知らない脅威が2人にも迫っていた。
パワーストーン発見に必要だといわれる惑星直列の瞬間まで、時間が押し迫る! ジャスティンとアダムは2つ目のパワーストーンを無事に見つけることができるのか?
ジャスティンとアダムは、ほかにも秘宝を探し当てる。
≪いにしえの巻物≫や、7つのパワーストーンの重大なカギを握る不思議な文書を手に入れ、冒険を続けるうち、2人はエジプトでの体験とは比べものにならないくらいのいろいろな発見をし、そしてさまざまな危険にもさらされる。
そして、イサベルおばさんがなぜか一緒に連れて行くようにと送り出したキムという謎の少女は、彼らが困ったときには必ず名案を考えつき、彼らに悔しい思いをさせるのだった。
アーサー王の物語のファンのために今回は、アーサー王とはどんな人だったのか、当時戦争はどのようにして戦われたのか、等々の詳細な情報を巻末に付属した。
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