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本日(6月7日)発売! 『摩訶不思議探偵社』の翻訳者・屋敷直子さんが 著者ブライアン・キーニーさんにインタビュー!

2017/06/07

本日(6月7日)発売!
『摩訶不思議探偵社』の翻訳者・屋敷直子さんが
著者ブライアン・キーニーさんにインタビュー!

 










 このコーナーでは、これまでたくさんの翻訳者にスポットを当て、 
インタビューによって翻訳出版の動機や、その背景も探ってきました。

 連載175回目(6月7日号)では、
ついに発売を迎えた『摩訶不思議探偵社』の翻訳者・屋敷直子さんが行った、
著者
のブライアン・キーニーさんとのインタビューを掲載します!

屋敷さんの翻訳者としての活動の幅も広がっていますね。

著者のブライアンさんはどんなどきにインスピレーションを受けてこの物語を生み出したのでしょうか?
物語にこめた想いは?そして日本への関心も。

二人の対談をたっぷりとお楽しみください!

 

 Q1(屋敷直子):

こんにちはブライアンさん。
ブライアンさんに先日メールで教えていただいた、ブライアンさんの飼いネコのコーニーと「摩訶不思議探偵社」のとっても素敵なエピソードが大好きなんです。ぜひ、ここのコーナーでもご紹介いただけますか?

 

A1(ブライアン・キーニー):

『この本を書いたのは、ぼくが机でうたた寝をしていたことがきっかけだったんだよ。とつぜん、だれかがぼくの名前を呼んでいるのが聞こえたんだ。その声がコーニーだって、ぼくにははっきりとわかった。ぼくが顔を上げると、コーニーが床の上に立ったまま、ぼくの返事を待っているみたいに、じっとぼくを見つめている。ほくはあわてて奥さんのところに行った。


「たった今、コーニーがぼくに話しかけてきたんだよ!」ところが、ぼくの奥さんは、かたっぽうのまゆ毛をグイッと上げてこう言ったんだ。

「あなた、このごろお仕事のしすぎなんじゃない?」ってね。


その夢を見てから2週間ぐらいたったころ、ぼくは探偵と魔法が両方出てくる物語を書こうって思ったんだ。すぐにぼくは、物語の中心はコーニーじゃなきゃいけない、と思った。しかもそのネコはおしゃべりができるんだ。』



Q2
(屋敷直子):

わくわくする魔法の世界、とてもチャーミングな登場人物たち、恐ろしいエレメンタル、ゾクゾクするほどこわい場面・・・。これが映画になったらどんなに面白い映画になるだろう! 「摩訶不思議探偵社」を翻訳しながら、いつもそんなことを頭のなかで想像していました。


A2
(ブライアン・キーニー):

そうですね。「摩訶不思議探偵社」が映画になったら素晴らしいでしょうね。ぼくが作り出した世界がスクリーンに映し出されて、それをたくさんの人々が楽しむことができるなんで最高です。映画を見て魔法の世界に入りこむ、それはぼくが現実からちょっと逃避したいときのお気に入りの方法でもありますね。



Q3(屋敷直子):

奇妙キテレツなエレメンタルたちがたくさん住んでいる世界にどっぷりはまり込んでしまい、とっても楽しかったです。まるで私もその世界にいる感じがして。


A3(ブライアン・キーニー):

作家をしていて思うのは、作家として読者の想像力をふくらませたいということです。ぼくが机に向かって書いているときに閃いたインスピレーションやアイデアを読者が同じように感じ取ってくれて、ぼくが作り出した世界が読者の前にも広がっている。そんなふうに書けたらいいなあと思っているんです。直子さんもそう感じてくれたことがうれしいし、ぼくの本を読んでくださった方にも、想像力を通して新しい世界を発見して欲しいと思っています。



Q4(屋敷直子):

「ほんとうに、ぼく、ひとりぼっち……なんだ」そんなオットーの気持ちを訳しながら、そのセリフを、私もオットーと全く同じ気持ちで訳していました。私も両親をここ数年であいついで亡くしていたからです。でも、つぎのマクシミリアン探偵がオットーにかけた言葉に、私も心がほっと温かくなったんです。「もうひとりぼっちじゃないよ。いっしょにお母さんをさがしだそう。もう心配しなくていい」


この物語の登場人物の心情に寄り添えたことは、翻訳を進めるうえで、とても役に立ったような気
がします。


A4(ブライアン・キーニー):

実はぼくもなんです。これは、母が亡くなって間もないころ書き上げた物語です。ある意味、亡き母に捧げるために書き上げたと言ってもいいかもしれません。ぼくの母はアイルランドの片田舎の、非常に貧しい家庭で育ちました。そのため、母はずっと自分のことを無学で無価値な人間だと思いこんでいました。しかし、ぼくに物語を作り出すことを教えてくれたのは母です。母は、いつも物語のようにぼくに語りかけてくれたんです。― そんなこと、母はちっとも気がついていなかったでしょうけどね。


物語の持つ大きな力のひとつは、「あなたはひとりぼっちじゃないんだよ」というメッセージを読
者に伝えられることだと思います。

 

Q5(屋敷直子):

ネコのコーネリアスが窮地に陥った時、第三の意識の世界「シュテリング」に入りますね。これは私が思っていることですけれども、シュテリングは日本の「禅」の瞑想の概念に似ているような気がしたんですが。
 

A5(ブライアン・キーニー):

瞑想は、長い間ぼくの生活の一部になっています。特に禅の考え方がぼくの生活に与えた影響は計り知れないほどです。ぼくは本を書いていてなかなか発想が思いつかないときに瞑想をするんですよ。



Q6(屋敷直子):

イギリスにも日本にも、綿々と続いてきた文化的な歴史があります。そのため、二つの国には何か通じ合うものがあるような気がするんです。ブライアンさんはなにか日本についてご興味のあるものがありますか?


A6(ブライアン・キーニー):

日本のことならなんでも興味がありますが、日本の文化についてほとんど何も知らないんです。でもいつか日本に行って、日本を舞台にした物語を書けたらいいなと思います。


 

Q7(屋敷直子):

マクシミリアン探偵は典型的なイギリス紳士のように感じていたのですが、どなたかモデルになった人物はいらっしゃるのですか?
 

A7(ブライアン・キーニー):

マクシミリアンには、いかにもイギリス紳士らしいところがたくさんあります。でも、ぼくのルーツであるアイルランド人らしい性格も持たせました。両親の同郷(アイルランド)の友人のひとりがモデルになっているんです。ぼくが子どものころ、その人はしょっちゅうぼくの家に遊びに来ていましたが、カリスマ性があって、気力にあふれていて、少し謎めいたところがある人だったんですよ。

 

Q8(屋敷直子):

「摩訶不思議探偵社」の翻訳を進めながら、所々でクスッと笑ってしまうことがよくありました。そんな大好きな場面がたくさんあります。ブライアンさんは人を面白がらせるユーモアのセンスがおありですね。


A8(ブライアン・キーニー):

ぼくは人を笑わせることが大好きなんです。人を笑わせると自分も愉快になりますからね。そんなふうに読者を思わず笑わせることが出来たら、作家冥利につきますね。



Q9(屋敷直子):

ところで、ブライアンさんはヤングアダルト、つまりティーン向けの小説をたくさん書かれていると伺いましたが、そのことについて教えていただけますか? どんなテーマを心に留めて書かれているのですか?

 

A9(ブライアン・キーニー):

十代というのは、自分自身を見つめ直し、自分というものを新たに発見する年代です。ぼくが若者のために書いた本はすべて、若者が本当の自分というものに直面する勇気を持ってほしいという願いを込めて書いています。ぼくのヤングアダルトの三部作のThe Promises of Dr. Sigmundusシリーズはそんな思いで書いた本です。夢を持つことが罪と罰せられる世界の中で生きている主人公の少年は、どうしても夢を持つことをあきらめきれない、そんな物語です。



Q10(屋敷直子):

作家というものは長時間、机に向かって書き物をしているイメージがあって、ブライアンさんもそんな風に過ごしていらっしゃるのかなと思っているのですが、空いた時間はどのようなことをして楽しまれているのですか?(ブライアンさんの愛猫のコーニーと遊んでいる時間以外でお願いします)


A10(ブライアン・キーニー):

時間があると孫たちと一緒に過ごしていますね。みんなまだ幼くて、上は7歳から下は3歳なのですが、まわりの世界に興味津々で夢中になっている彼らの様子を見ていると、ぼくもとても触発されます。孫たちのために考えたお話が、やがて世の中の読者のために書き下ろす新たな物語となることもよくあります。
 

孫たちと遊んでいない時間や本の執筆をしていない時は、庭で過ごすのが好きですね。


 

Q11(屋敷直子):

イギリスについては、たった五日間、それもロンドン市内の観光しか経験のない私ですが、ブライアンさんの住んでいらっしゃる町や、その近郊はどのような所か教えていただけますか?

A11(ブライアン・キーニー):

ぼくはロンドンに住んでいて、ここで育ちました。みなさんもご存じのように、イギリスの首都であり、大都市です。ロンドンの中心地には、目を見張るような近代的な高層ビルが建ち並び、それとともに、ビッグベンやロンドン塔などの古い建物も残っています。多くのバスや人々が行き交い、活気であふれています。でも、ぼくが住んでいるのは、ロンドンの中心地から列車で10分ほど郊外にある、もっと静かで落ち着いた町です。家の近くにとても素敵な公園があるんですが、大きな美しい木々がたくさんあって、そこで犬を散歩させている人たちをよく見かけます。昔はよく子供をその公園に連れて行ったものですが、今は孫を連れて公園まで散歩をします。その公園は高台にあるので、目の前には遠くの方までロンドン市内が一望でき、それがまるでおとぎ話の中の町のように見えるんですよ。


Q12(屋敷直子):

私は日本海に面した小さな地方都市に住んでいますが、3000メートル級の立山連峰が海の向こうに見えるパノラマのような景観はとても素晴らしいんです。

もし日本にいらっしゃる機会があれば、ぜひ私の住んでいる所まで足をのばしていただければと思います。

A12(ブライアン・キーニー):

それは素晴らしいですね。とても美しくて感動的な景色だと思います。もし幸運にも日本を訪れることがあれば、ぼくの旅行日程に必ずその場所を入れたいと思います。


Q13(屋敷直子):

貴重なお時間を取っていただき、また、たくさんの質問に丁寧にお答えいただいて、本当にありがとうございました。ブライアンさんのお考えをお聞きする機会が持てたこと、そしてこのサイトに来てくださった人たちにそれを知っていただけることを、本当に嬉しく思っています。


最後になりますが、「摩訶不思議探偵社」をブライアンさん自身からご紹介いただけますか。また、日本の若い読者にメッセージなどあればよろしくお願いいたします。

A13(ブライアン・キーニー):

『もし困難に直面したら、もし君を取り巻く世界がガラリと変わってしまったら、だれに相談したらいいのか知っているかい?もちろん、そんな時は魔法探偵だ。

 

この、魔法と不思議の物語では、オットーがお母さんを救い出すため、時間の流れに逆行して進んでいく。「摩訶不思議探偵社」所長のマクシミリアン・ホークスムーアに助けてもらいながら、友だちのジュリエット、ネコのコーネリアスとともに、オットーの冒険が始まっていく―何が起こるか予測がつかない、奇妙で、危険な冒険の旅だ。はたしてオットーのお母さんは、本当に「やつら」にさらわれたのだろうか?ーあの見知らぬ世界の不思議な生き物、エレメンタルに……。もしそれが事実なら、はたしてお母さんをエレメンタルから取り戻すことができるのだろうか?』
 

日本の読者のみなさんへ

みなさん、オットー、ジュリエット、マクシミリアン探偵、そしてネコのコーニーと一緒に冒険の旅に出かけてみませんか。もしかすると、とても危険な旅かもしれないけれど、ワクワクすることがたくさんあふれている、そんな冒険の旅に。この物語を読み進めながら、みなさんが空想して作りあげた新しい世界に飛びこんでみてください。もしかすると、大人になったみなさんの中から、魔法の不思議な冒険の物語を書いてくれる人が出てくるかもしれません。

どうぞ冒険の旅を楽しんでください。

(翻訳:屋敷直子)


インタビューを読んでもワクワク感が伝わってきますね。
奇妙奇天烈な冒険物語の根底には、あなたはひとりじゃない、というブライアンさんからのメッセージがしっかりと根を張っていることが伺えます。
だからころ深みのあるストーリーで人を惹きつけるのですね!

翻訳者の屋敷直子さんご自信の翻訳者インタビューも、併せてお読み下さい。


屋敷 直子 (やしき なおこ)さんインタビュー



『摩訶不思議探偵社』
著者 ブライアン・キーニー
翻訳 屋敷直子

 これといったとりえもない、平凡な12歳の少年オットー・スピノザは、不可解な死を遂げた父親が営んでいた古本屋の2階で母親といっしょに暮らしています。

父の跡をつぎ、古本屋の主になった母親は極度の心配性で、自分にもしものことがあったらひとりぼっちになってしまうオットーが気がかりでしかたがありません。

夏休みの初日、オットーが頼まれたおつかいから戻ってくると、突然母親がいなくなっていました。

家中を捜しまわるオットー。
母親の寝室に入ると、鏡に不安そうな顔をした母親の姿を見つけますが、すぐに消えてなくなってしまいました。

何の手がかりもつかめないままでいると、オットーは偶然にも「摩訶不思議探偵社」の広告を見つけ、相談することにします。

探偵社をたずねると、そこには「摩訶不思議探偵」を名のる、マキシミリアン・ホークスムーアという風変わりな男がいました。
母親がいなくなったと話すオットーに、マキシミリアンは、こことはまったく別の世界に連れ去られてしまった、と答えます。

摩訶不思議な探偵マキシミリアンことマックスとオットー、それにクラスメイトのジュリエットと飼い猫コーネリアスが加わって、オットーの母親捜しの、不思議で危険な旅が、始まります。

3人と1匹を待ち受けているものは? 

果たして、オットーは母親を見つけだせるのでしょうか?



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