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5月発売の新刊! 『摩訶不思議探偵社』の翻訳者・屋敷直子さん!

2017/03/25

5月発売の新刊! 『摩訶不思議探偵社』の翻訳者・屋敷直子さん!


 このコーナーでは、これまでたくさんの翻訳者にスポットを当て、 
インタビューによって翻訳出版の動機や、その背景も探ってきました。

 連載171回目(3月25日号)は、
5月21日に発売される『摩訶不思議探偵社』の翻訳者・屋敷直子さんをご紹介します!

幼いころから物語や創作に触れて、アメリカで子育てをした経験から文化の違いを感じた屋敷さん。
屋敷さんの翻訳にかける想いとは?

Q:
屋敷さん、本日はよろしくお願いいたします。
『摩訶不思議探偵社』の発売が5月21日に迫ってきましたね。
今日は作品について、そして屋敷さんと翻訳の関係などお話いただけたらと思います。
 
どうぞよろしくお願いします。
 

A:
よろしくお願いします。
 
Q:
それでは、まずはじめに簡単なプロフィールをお聞かせください。
 
A:
同志社女子大学英文科を卒業し、しばらく地元のテレビ局で勤務したあと、結婚してアメリカで7年ほど過ごしました。
 
そこで子育てをしながら、子どもの通っている幼稚園(ナーサリースクール)で週に何回かボランティアとして、たくさんのアメリカ人の子どもたちとランチを食べたり絵本を読んだりして、とても楽しい時間をすごしました。また、そこで過ごすことで、先生と子供たちとのかかわり方など、日本の幼稚園とはなんと違うんだろう、とカルチャーショックをうけました。
 

Q:
日本とアメリカでそんなに大きく異なっていたんですか。どんな違いがあったんですか?
 
A:
日本の幼稚園では、先生が絵本を読んでいる時は、たぶんみんなイスにすわってきちんとお話を聞かなければならないと思うんですが、アメリカの幼稚園では、子どもたちは、とてもリラックスして自由です。先生をとりかこみ、床に腹ばいになってひじをつきながら一生懸命お話を聞いている子どももいれば、お話の途中でも先生に「○○なの?」なんてどんどん口をはさむし、本当に自由です(笑)。
 
Q:
自由ですね(笑)。
 
A:
叱り方もまったく違います。先生が静かな声で「○○ちゃん、3分間イスにすわって考えなさい」と言うと、子供は部屋のすみに置いてあるイスに行って、泣きながらもちゃんとすわっているんです(笑)。「○○ちゃん、ダメでしょう!」なんて声高に怒る先生はいません。
 
また、先生は子どもたちの、どんな拙い絵や作品に対しても、またどんな小さなおこないに対しても「○○ちゃん、な~んてすばらしいんでしょう!」とほめまくります(笑)
 
園庭も自然の中にいる感じです。木々がたくさんあり、広々としていていました。ペアレントデイには、木々の間をヒモでつなげ、そこに子どもたちのカラフルで大きな絵がひとつひとつ洗濯ばさみで架けられて、とても素敵でした。
 
 
Q:
子どもをまるごと受け入れてあげる感じですね。自然が身近にあるというのも素晴らしいと思います。
 
アメリカでの子育てが、文化の違いを感じる経験となったんですね。
 
 
A:
はい。そして帰国後は、ずっと英語に関わった仕事に携わってきました。現在は、企業で翻訳の仕事をしています。
 
Q:
英語や翻訳に興味を持ったのはアメリカに行ったのがきっかけですか?
 
A:
たぶん土台になっているのは、幼いころから小学校まで、たくさんの絵本や世界文学全集などを読んだことで、日本にはない、世界中の様々なカルチャーを感覚として感じとったことのような気がします。
 
また、小学校1年生の時に、キノコのおうちに住む小人のお話を作ったら、父が喜んでコピーして本にしてくれた思い出や、最近では、創作した絵本の2作品がコンクールに入賞したことなどもふくめ、物語の創作活動にも少し興味があるのかもしれません。
 
それから、アメリカの幼い子供たちとのふれあった経験も、とても影響を受けているように思います。そんなことが重なって、いつか絵本や児童文学を翻訳したいなあという気持ちが芽生えていたのだと思います。
 
 
Q:
子どものころの思い出が今につながっているなんて素敵ですね。きっと、今回の翻訳出版をお父様も喜んでくれるのではないでしょうか。
 
『摩訶不思議探偵社』の翻訳はご希望を叶えるものだったんですね。今回この本を選んだのはなぜですか?
 

A:
小学校の時、特に好きだった3冊が『メアリーポピンズ』と、それからリンドグレーンの『長靴下のピッピ』と『カッレ君の冒険』です。
あまりにも好きで、百回以上読んでいるかもしれません(笑)。
 
子ども心に、メアリーポピンズやピッピのように魔法が使えたらどんなにすてきだろうかと思いました。また、カッレ君のように、探偵になりきってメモをとり、推理していく展開に、何度読んでもワクワクしました。
 
 
Q:
まさにピッタリの内容ですね!
 
A:
ほんとうに、「魔法』」と「探偵」という要素は、子どもの心を強烈に引きつける何かがあると思います。
 
この『摩訶不思議探偵社』は、まさに私が子どもの時に大好きだった(笑)「魔法」と「探偵」のふたつが交差する物語です。ですから、ぜひ翻訳させていただきたいと思いました。
 
 
Q:
それは並々ならぬ想いを持って翻訳されたことと想像します。
 
A:
子どものころ、わたしが「魔法」と「探偵」に心躍らせたように、この本を手にとってくれた子供たちも、『摩訶不思議探偵社』の、ファンタジーな魔法の世界の冒険を、ワクワクドキドキしながら楽しんでもらえたら、翻訳者としてとても幸せです。
 
Q:
どんな内容か、簡単に紹介していただけますか?
 
A:
この物語の主人公のオットーは、どこにでもいそうな、ふつうの小学生です。そんなオットーのおかあさんが、とつぜん魔界に連れさられてしまいます。その謎をめぐって、この物語がくりひろげられていきます。
 
探しあてた地図をたよりに、オットーとマクシミリアン探偵は、魔界への入り口へとたどりつきます。いっぽう、クラスメートのジュリエットと飼いネコのコーニーもまきこまれ、いっしょに魔界に入りこんでしまいます。すると、そこは、奇妙な体をした、魔力をもつエレメンタルたちの住む世界でした。
 
しだいに、この事件の黒幕は、魔界で最もおそれられているクロームというエレメンタルであることがわかってきます。
 
オットー、魔法が使えるマクシミリアン探偵、それに、ちょっと気が強くて正義感のあるジュリエットの三人と、人間のことばが話せる一匹のネコが、力を合わせ、どんな時もけっしてあきらめることなく、知恵と勇気をふりしぼって、オットーのおかあさんの行方を探し出します。
そして、とうとう最後に、この事件にかくされていた、大きな謎がわかるんです。
 
 
Q:
壮大な物語が展開されますね!
 
 
A:
著者のブライアン・キーニーさんからいただいたメールによると、この本が生まれたきっかけは、うたた寝をしていた時に、自分の飼いネコのコーニーに人間のことばで「ブライアン!」と名前を呼ばれて目が覚めたことから、発想を得たそうです。
 
Q:
身近な出来事から発想が広がっていくんですね。とても興味深いです。
 
著者とも直接やり取りをして理解が深まっているのではないかと思うのですが、屋敷さんはこの本のテーマは何だと思いますか?
 
 
A:
ひとことで言えば、「勇気」ではないかと思います。この本の主人公は、どこにでもいそうな目立たない男の子です。もちろん、苦手なこともたくさんあります。でも、お母さんを救うために、ふつうだったら出せないような勇気をだして、無我夢中で自分の限界をこえて進んでいきます。この物語の最後で、オットーは一回り大きく成長した少年になっているのがわかります。
 
Q:
お母さんを救うために振り絞る勇気が、オットーを成長させていくんですね。
家族の愛情も感じられるストーリーですね。
 
翻訳をされた感想はいかがですか?大変なことはありましたか?
 
A:
こんなとき、この登場人物は、どんなふうに、どんな言葉づかいをするんだろうかということ・・・つまり、最初に、そのキャラクターのイメージを、自分なりに100パーセントつかむのに時間がかかりました。
 
また、原文の状況やセリフを、自分なりにピタリと感じる日本語にするのにとても苦労しました。
 
でも、そんなふうに、苦しみながらも言葉を紡ぎ出そうとすることが、翻訳者にとっては喜びではないかと思います。一冊の本の完成をめざして翻訳という作業をしていること自体が、とてもうれしい経験でした。
 
 
Q:
苦労もひっくるめて、翻訳を楽しまれたんですね!
 
屋敷さんが翻訳を通じて伝えたいことや成し遂げたいことはありますか?
 
 
A:
先人が優れた翻訳をしてくれたおかげで、幼いころワクワクしながら、また怖くてドキドキしながら、夢中で外国の本を読むことができたように、私も、著者のイメージする世界に読者がすっぽり入りこんでしまえるような日本語に訳したいと思います。
 
Q:
最後にこれからの抱負や翻訳してみたい作品のことなどを聞かせくだい。
 
A:
世界中にかくれている魅力的な絵本や児童書を訳したいと思います。
 
最後になりましたが、出版に関わってくださった全ての方々に、心よりお礼申し上げたいと思います。
特に、怪我で入院したときや、なかなか翻訳作業が進まずにいたとき、いつも温かく励まし、また的確なアドバイスをしてくださったパリジェン聖絵様、バベルの藪下様はじめ社員の皆様には心よりお礼申し上げたいと思います。
 
ありがとうございました。
 
 
Q:
ありがとうございました。
ますますのご活躍を祈っております!!



『摩訶不思議探偵社』 
著者 ブライアン・キーニー
翻訳 屋敷直子


これといったとりえもない、平凡な12歳の少年オットー・スピノザは、不可解な死を遂げた父親が営んでいた古本屋の2階で母親といっしょに暮らしています。

父の跡をつぎ、古本屋の主になった母親は極度の心配性で、自分にもしものことがあったらひとりぼっちになってしまうオットーが気がかりでしかたがありません。

夏休みの初日、オットーが頼まれたおつかいから戻ってくると、突然母親がいなくなっていました。

家中を捜しまわるオットー。
母親の寝室に入ると、鏡に不安そうな顔をした母親の姿を見つけますが、すぐに消えてなくなってしまいました。

何の手がかりもつかめないままでいると、オットーは偶然にも「摩訶不思議探偵社」の広告を見つけ、相談することにします。

探偵社をたずねると、そこには「摩訶不思議探偵」を名のる、マキシミリアン・ホークスムーアという風変わりな男がいました。
母親がいなくなったと話すオットーに、マキシミリアンは、こことはまったく別の世界に連れ去られてしまった、と答えます。

摩訶不思議な探偵マキシミリアンことマックスとオットー、それにクラスメイトのジュリエットと飼い猫コーネリアスが加わって、オットーの母親捜しの、不思議で危険な旅が、始まります。

3人と1匹を待ち受けているものは? 

果たして、オットーは母親を見つけだせるのでしょうか?


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