大きくする 標準 小さくする

『はくぶつかんの おしろの おんなのこ』の翻訳者・黒田慎介さん!

2016/12/10

今回特集するのは、、、
幻想的なイラストが印象的な絵本
『はくぶつかんの おしろの おんなのこ』の翻訳者・黒田慎介さん!

 
 このコーナーでは、これまでたくさんの翻訳者にスポットを当て、
どんな方がバベルの翻訳プロジェクトからデビューしているのかをご紹介し、
インタビューによって翻訳出版の動機や、その背景も探ってきました。


 連載164回目(12月10日号)で特集するのは、
バベルプレスの新作絵本『はくぶつかんの おしろの おんなのこ』の
翻訳者・黒田慎介(くろだ しんすけ)さん


美しく幻想的な絵とストーリーで、不思議な雰囲気が漂う本作ですが、
そこにはとても深いテーマが秘められているようです。

黒田さんの翻訳にかける想いや、
息子さんへの愛情が感じられるインタビューを是非お楽しみください!



編集部
本日は『はくぶつかんの おしろの おんなのこ』の翻訳をなさった黒田慎介さんにお話をうかがっていきます。
とても幻想的な雰囲気の絵本で、この作品を選ばれた黒田さんからどんなお話が聞けるのか楽しみです。
黒田さん、よろしくお願いいたします。
 
黒田慎介さん(以下、黒田さん)
よろしくお願いします。
 
編集部
まず始めに、現在のお仕事やプロフィールについて簡単にお教えいただけますか?
 
黒田さん
13年会社勤めをしていたのですが、1年ほど前に起業して、いまは翻訳や通訳、Webサイトの多言語化、人材サービス等を手掛ける会社を経営しています。
 
編集部
ご自身で翻訳に関係するお仕事を起こされたのですね!
翻訳者としてのお仕事とはまた違ったものかと思いますが、翻訳をすることに興味を持たれたきっかけなどはありますか?
 
黒田さん
学生の頃から語学が好きだったのと、会社員時代にフランスに駐在したのが今考えるとそもそものきっかけだったと思います。もちろん、経営している会社の主な事業が翻訳ということもあります。
事業としてはWebサイトや契約書、論文、マニュアルなどを取り扱ういわゆる産業翻訳で、絵本の翻訳はこれまで経験がなかったのですが個人的にはずっと興味を持っていました。
 
編集部
そうなんですね。
数ある絵本の中でも、この作品を選んだのはどうしてですか?
 
黒田さん
イラストというより、むしろ美術館に展示されている絵画のような独特で幻想的な絵の雰囲気に一目惚れしたのが一番の理由です。
また、読んでみると、ストーリーもシンプルながら少し不思議なところもあって、あ、これいいかも、と思いました。
 
編集部
まさに運命の出逢いですね!一目惚れから、内容を読んでまた少しずつ惹かれていく。なんだか素敵なお話です。
 
そんな出逢いから始まった本作の翻訳・出版に込めた思いをお聞かせ願えますか?
 
 
黒田さん
日々の仕事では企業の方から医療・法律・特許・IT・機械等、技術的・専門的な内容のご依頼を頂いて、ご依頼内容ごとに最適な翻訳者・校閲者をコーディネートする、ということをしているのですが、
自分自身でも一人の翻訳者として深く翻訳にどっぷり浸かる経験をしたかったのと、ふだん大人向けのビジネスのことばかり考えているので、ライフワーク的に何か子どもたちのためになることを始めたかったのが、今回絵本の翻訳をすることを決めた理由です。
 
それから、ちょうど4歳になる絵本好きの息子への、自己満足ではありますが、今の私なりのプレゼントです。
 

編集部
父から息子へのプレゼントなんですね。息子さんにも、きっと想いが届いていると思います。
ずっと一緒に、この絵本を大切にしていただきたいです!
 
どんな内容なのか、ますます気になってきました!
 
 
黒田さん
幻想的な雰囲気を持った、不思議な物語です。
博物館に展示されている、ガラス球に入った小さなお城。
その中に、ひとりの女の子が住んでいる――
しかも、見学に来たこどもたちがガラスの中を覗き込むと、その女の子が見えます。
女の子は、お城の中できれいなものに囲まれながら、でも、
ひとりぼっちで暮らしています。
 
孤独を癒すため、女の子は夢の中で出会った子どもの絵を自分の部屋に飾ります。
友だちのしるしとして。
そして、この絵本の読者も、女の子の友だちになれるのです。
 
 
編集部
本当に独特の世界観ですね。ちょっと切ないようですが、美しい物語だと思いました。
 
どんなテーマで書かれているとお感じですか?
 
 
黒田さん
博物館に展示されたお城の中という不思議な世界と、現実世界との「繋がり」ということではないかと思います。中の世界と行き来したりはできないけれど、でも、繋がっている。
読み終えた後にそんな感覚になっていただけると嬉しいなと思って翻訳しました。
 
 
編集部
とても深淵なテーマがあるお話になっていますね。
翻訳の際には大変な部分もあったのではないでしょうか?
 
 
黒田さん
原文の意図を損なうことなく、日本語として自然で読みやすい文章にするというバランスをとるのに非常に神経を使いました。正確な翻訳に寄ってしまうと、いわゆる直訳で日本語として読んで楽しくない文章になってしまうのですが、かと言ってあまりに意訳がすぎると、そもそも原作者が伝えたいことからかけ離れてしまうのでは?というはざまでとても悩みました。
大変ではあったのですが、これも絵本の翻訳の醍醐味だなと思いました。
 
あとは、言葉の翻訳ではないのですが、表紙のタイトルのフォントやレイアウトをいろいろ検討して修正・調整したのが面白かったです。参考にするために書店や図書館をあちこちめぐって普段は行かない児童書のコーナーを巡ったのもいい思い出です。
 
 
編集部
そうして想いが込められていくのでしょうね。お話を伺うだけでも、いい作品なのだと思えます。
 
今回は絵本の翻訳ということで、気をつけた点や工夫した点などありますか?
 
 
黒田さん
すべて平仮名ですので、同音異義語があるような単語はできるだけ使わないようにしたのと、あとは声に出して読んだときの読みやすさとリズム感でしょうか。
あとは、4歳になる息子にも読めるように私の名前の表記を「くろだ しんすけ」とひらがなにしたことですね(笑)
 
 
編集部
息子さん向けでしたか(笑)
伝えたい相手がはっきりしているのも大事かもしれませんね。
息子さんも喜んでくれることでしょうね~~
 
さて、そうして様々な想いやご苦労、そして楽しみを経て『はくぶつかんの おしろの おんなのこ』の翻訳を終えられたわけですが、これから翻訳を通じて伝えたいことはなんですか?
 
 
黒田さん
少し大げさな言い方になりますが、翻訳によって成し遂げたいことは「日本と世界を繋ぐ」ということだと考えています。言語の障壁によって世界のことが日本でわからなかったり、逆に日本のことを世界の方が知らなかったりする部分を解消したいと思っています。
 
編集部
なるほど!ここでも「繋ぐ」がテーマになるのですね。
世界の中の日本の価値を高めてほしいですし、日本の中に世界を取り入れていくことでより良い国になっていったら素晴らしいです!
 
最後にこれからの抱負や翻訳してみたい作品のことなどをお聞かせくだい。
 
 
黒田さん
今回翻訳した『はくぶつかんの おしろの おんなのこ』のイラストを手掛けるニコレッタ・チェッコリの絵本は、残念ながらまだ日本語で読めるものがほとんどないので、チャンスがあれば他の作品も翻訳したいですね。
あとは、フランス語圏の絵本というよりマンガに近い「バンド・デシネ」の翻訳にもいつか挑戦したいと思っています。
 
 
編集部
ぜひ今後も世界と日本を繋ぐ活動を続けつつ、ご家族を大切になさって充実した日々をお送りください。
本日はどうもありがとうごじました!
 
黒田さん
ありがとうございました。


 


 
『はくぶつかんの おしろの おんなのこ』  
作 : ケイト・バーンハイマー
絵 : ニコレッタ・チェッコリ 
翻訳 : くろだ しんすけ             

 

 

























本書のご購入は
こちらから!!




バベルeGaiaショップでは『こえだのとうさん』や『いっしょなら』、
イギリスの人気絵本作家エマ・ドッドの動物絵本シリーズなど、
絵本作品もご購入いただけます~♪ 
ご購入はこちらから


編集部宛メールフォーム

お名前:必須

メールアドレス:必須

メールアドレス(確認用):必須
(確認の為、同じものをもう一度入力してください)

記事タイトル:必須


メッセージ:必須

ファイル添付:

削除