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『ゾンビの黙示録―その二〇年後』の翻訳者、長谷川 寛さん

2015/02/25

2月25日号に登場の新人翻訳家は ―  長谷川 寛 (はせがわ ひろし)さん。

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毎月多くの翻訳書が出版され、新人翻訳家も多数誕生しています、これまでの出版経験を持つプロ翻訳家ばかりでなく、多様なチャンスを積極的に活用すること で、自己表現できる機会がひろがってきていることを感じます。編集部では、これらの新人翻訳家にスポットをあて、どんな方がデビューしているのかをご紹介し、インタビューによって翻訳出版の動機や、その背景も探っていきます。

連載121回目の2月25日号では、『ゾンビの黙示録―その二〇年後』の翻訳者、長谷川寛さんをご紹介します。
 
 

編集部:
それでは長谷川さん、どうぞよろしくお願い致します。はじめに、プロフィールと最近の活動についてお聞かせください。
 
 

長谷川:
 今は全くのフリーの年金生活者です。バベルさんの翻訳講座に参加させていただくようになってからは、毎日課題の翻訳に取り組んでいます。英語との関わりは古く、以前特許抄録や国際特許事務所で特許明細書の翻訳など経験しました。そのときは、英語ばかりでなくドイツ語やフランス語の翻訳もしました。
 
 

編集部:
 長谷川さんは現在もバベルのワークショップにご参加中でいらっしゃいますね。ありがとうございます。文学がお好きと伺っていましたので、特許翻訳のお仕事、しかもドイツ語やフランス語の翻訳にも携わっていらしたとは少々意外な感じです。
 
 

長谷川:
 フランス語と言えば、以前NHKの語学番組を聴いてフランス語に取りつかれ、その後 飯田橋の日仏学院に2,3年通いました。父がロシア文学者だったということもあり、小さいころから外国語に親しむ環境でした。翻訳協会の講座にも参加したことがあります。そこで長崎玄弥さんや松本侑子さんのお話を拝聴しました。
 
 

編集部:
 ロシアでは、帝政時代の上流階級の名残で、フランス語を学ぶ方が多いと本で読んだことがあります。長谷川さんが英語以外にもフランス語やドイツ語にご興味がおありだった背景には、文学者だったお父様の影響がおありだったのでしょうね。特に“幼いころの環境”というものは、その方の、後の人生を大きく左右するほどのものと言っても過言ではありませんから。
 
このように、身近に外国語を感じながら生活を送られてきた長谷川さんが、翻訳を学び、翻訳家を目指そうと思ったきっかけはどんなことでしょうか。
 
 

長谷川:
翻訳家になりたいという気持ちはありましたが、その道は開かれませんでした。それでもいつかは本の翻訳をしたいと思っていたのでしょう。バベルさんのウェブを見て応募してしまったのですから。合格するとは思っていませんでしたが。動機と言えるか分かりませんが、以前からよく早川ミステリーを読んでいましたので、自分も何か翻訳したいと思っていました。
 
 

編集部:
長年、胸の中で温めていた「翻訳をやりたい」という想いが、長谷川さんに弊社の共訳募集サイトの門をたたかせたのかもしれませんね。どなたでも年齢に関係なく、好きなことに一生懸命取り組んでいれば、いつかはその努力に見合う出来事が起こるのかもしれません。 
 
さて、『ゾンビの黙示録―その二〇年後』も、長谷川さんのお好きなミステリーですが、本書を出版されたのは、どのような理由や思いがあったのでしょうか。
 
 

長谷川:
『ゾンビの黙示録』という書名に惹かれました。ゾンビと言うのは以前、ジェーン・オースティンの“Pride and Prejudice”にゾンビをミックスした変な本を偶然見つけて読んだことがあって、ゾンビに親しみを持っていたのでしょう。ゾンビが出現すると場面が急に活気づくのです。今度の『ゾンビの黙示録』も期待どおりでした。
 
 

編集部:
ジェーン・オースティンは大好きな作家ですが、“Pride and Prejudice”にゾンビバージョンがあるとは知りませんでした! 今度その本の詳細を教えてください~。読んでみたいです~!        
その本の内容を伺いたいのはやまやまですが、こちらのゾンビに話を移しますね~(笑)。では『ゾンビの黙示録』の内容を紹介していただき、翻訳された感想、楽しかったこと、苦労したことをお聞かせください。
 
 

長谷川:
 この本はハリーと言う女の子がゾンビと戦いながら身の安全を求めて逃亡を続ける話ですが、ただの恐怖小説ではなく家族の愛や友人たちとの友情が描かれています。「愛する人はかならずいなくなる」といった宿命を背負ったハリーに読者は感情移入することでしょう。また、逃げてばかりいないで困難に立ち向かえという作者のメッセージが込められています。
 
 

編集部:
 ゾンビというと、おどろおどろしい恐怖の場面ばかり想像しがちですが、人間であるが故に直面する「人との関わり合い」や「心の葛藤」「成長」などが、盛り込まれているようなので、ある種のヒューマンドラマのような印象を受けます。
 
 

長谷川:
 翻訳はとても難航しました。でも諫早先生に一字一句チェックしていただき、一次訳文はいつも真っ赤に赤ペンが入りました。時制の扱い、助動詞のニュアンス、語句の意味の取り違いなど英語に関することから、日本語としての訳文の不自然さや不明瞭さなど数々ありました。正直自分が訳したというより諫早先生がお訳しになったと言ったほうがいいのです。先生には本当に感謝しております。
 
 

編集部:
 個人で訳していると自分の訳文を客観視できず、妄想したり、突っ走ってしまったり、ということがありますよね! そういった意味で、メンバーや監訳者の先生に細かく指摘していただけるのは共訳の良さだと思います。バベルのワークショップの目的は「翻訳を勉強しながら、最終的に翻訳書を出版できる」ことなので、赤ペンがたくさん入っていても、それを次に繋げていって、翻訳を楽しんでいただきたいと思います~。
 
このように、様々なご苦労を経て、出来上がった本を手に取った時のお気持ちはいかがでしたか。
 

長谷川:
全部終わったときは、これで本になると思うとうれしかったです。できたという喜びもありましたが、終わってしまった寂しさもありましたね。
 
 

編集部:
長い期間一つの作品に向き合っていると、愛着が湧いてくるのでしょうね。完成できてうれしい反面、残念ながら作品との別れがやってくる、というような……。特に、思い入れが強かったり苦労なさったりした作品などは、翻訳者の皆さんは同じように感じるのかもしれません。この寂しさにめげず(苦笑)、現在取り組まれている作品もゴールを目指して頑張ってください~! 
 
 
それでは最後の質問となりますが、これからの抱負や翻訳してみたい作品のことなどをお聞かせください。
 
 

長谷川:
 これからも翻訳できたらいいと思います。一九五〇年、六〇年代が好きですから、このあたりの本を訳したいですね。チャンドラーは新訳が出ましたが、ハメットは未だですので訳したいです。
 
 

編集部:
好きな翻訳を楽しんでいらっしゃる長谷川さん。ご興味のある作品の翻訳をいつまでも続けていただきたいと思います。将来は、ご自身が出版した翻訳本に囲まれて過ごすほど、訳書が出せるといいですね! 翻訳は体力勝負ですから、まずは長谷川さんが健康であるよう、お身体お大事にしてください。これからも長谷川さんのご活躍を期待いたしております。
 
本日はどうもありがとうございました。
 

 

 
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著 者   リー・イメリック

訳 者   内田寿美 内海紅児 長谷川寛

監訳者  諫早佳子

 

本書は、ゾンビの出現で人類が絶滅しかけている時代が舞台。主人公は27歳の人間の女性、ハリエット(ハリー)。20年前、7歳の時、ハリーは目の前でゾンビに「感染」した両親を亡くしてしまいます。その後わずかな生存者とともに行動し、やがて恋をして出産。しかし生まれた赤ちゃんは・・・そのような絶望的な状況、恐怖をハリーはどのように克服していくのでしょうか?

原作者のリー・イメリックは若いイギリス人です。スティーブン・キングやディーン・クーンツのようなベテランではありませんが、彼らの流れをくむ「ページ・ターナー」(ページをめくる手が止まらない!)であることは間違いありません。

 

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