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『フリーレンジ・キッズ 自由に羽ばたける子どもを育てよう ~のびのび育児のすすめ~』の翻訳者、宮内 真由美(みやうち まゆみ)さん

2013/03/10

3月10日号に登場の新人翻訳家は ― 宮内 真由美(みやうち まゆみ)さん。


毎月多くの翻訳書が出版され、新人翻訳家も多数誕生しています、これまでの出版経験を持つプロ翻訳家ばかりでなく、多様なチャンスを積極的に活用すること で、自己表現できる機会がひろがってきていることを感じます。編集部では、これらの新人翻訳家にスポットをあて、どんな方がデビューしているのかをご紹介 し、インタビューによって翻訳出版の動機や、その背景も探っていきます。


連載74回目の3月10日号では、

『フリーレンジ・キッズ 自由に羽ばたける子どもを育てよう ~のびのび育児のすすめ~』の翻訳者、宮内 真由美(みやうち まゆみ)さんをご紹介します。


  書籍名:『フリーレンジ・キッズ 自由に羽ばたける子どもを育てよう ~のびのび育児のすすめ~』著:レノア・スクナージ
出版: バベルプレス

 

編集

はじめにプロフィールと最近の活動についてお聞かせください。
 
宮内
18年前に渡米し、現在は15歳と11歳の娘の母です。20代のころ単身でニューヨークに渡り、4年ほど旅行関係の仕事をしていたこともあるので、在米は通算22年以上になりました。
子供を出産してからは、時折、日本語を教えたり、日系企業でパートをしたりしたこともありますが、育児に専念してきました。車社会ということもあり、実のところ娘たちはフリーレンジキッズではないので、私は送迎などに結構今でも忙しくしています(笑)。
また、以前、短期間ですがバベルさんのサイトに、子供の絵本やYAを紹介(原書)する記事を書かせていただいたことがあります。
子供たちがおもしろいという本などが中心でした。特にその頃から、翻訳してみたいなと思いながら、洋書を読むようになり、そんな本が実は本棚に山積みです。
最近は、また機会に恵まれることを祈って勉強中といったところです。

 
編集
絵本やYAの原書の紹介記事を書くことで、自分が翻訳したいという感情が生まれ、そこで、原書を読み、翻訳したい本が山積みになっている、ということですね。宮内さん専用の図書館は翻訳して読者に読んでもらいたい本でいっぱいというところでしょうか。すごいですね。ワクワクしてきました!!
では、宮内さん、翻訳を学び、翻訳家を目指そうと思ったきっかけはどんなことですか。


宮内
日本で働いていた頃、バベルの通信講座(本科と英米文学講座)を受講しました。その頃はインターネットもコンピュータも普及しておらず、辞書で調べてボールペンで書いてポストに入れ、赤ペンで添削をした原稿が郵送されてくる時代です。
今では考えられませんね。なぜその講座をとっていたのか自分でもよく覚えてないのですが、翻訳本が出せる機会に恵まれるなど思ってもなかったと思います。
それから10年以上も経って育児に余裕が出たころから、バベルのサイトを時折のぞいていて本書(『フリーレンジキッズ』)に出会いました。
そして、この本を訳したい、と強く思ったのを覚えています。今、思えば、通信講座を取っていた頃は訳文を機械的に訳すことしかできず、文の深い内容を吟味したり翻訳の勉強を楽しむところまではできてなかったように思いますが、今回共訳をさせていただき、翻訳の楽しさを味わえた気がしています。
監訳の先生や共訳の皆さんのお陰ですね。英語を話したり読んだりはしていても、翻訳するとなると、当然ですがまったく別の脳を使うことを実感し、自分にとって新しい挑戦でした。

 
編集
そうでしたか。やはり、学習中の翻訳に対する心構えと、実際の出版のための心構えでは、随分違ってくるんですね。本書との出会いが、翻訳することで、英語を使うことと別の脳まで活性化したとはすごいです。〈笑い〉
では、もっと詳しく、『フリーレンジキッズ』を出版されたきっかけなど教えてください。

 
宮内
私は「フリーレンジペアレンツ」からは程遠い親かもしれません。
アメリカでしか育児経験がない私は、日本で子供たちが一人で電車に乗ったり、自転車に乗って出かけたりしているのを見聞きして、信じられないという気持ちでいましたし、帰国時も、近所の子供たちが自分たちだけでプールに出かけるので、娘も自転車で一緒に行こうとしたところ、むりやり全員を車に乗せ、私が連れて行ったこともあります。もちろん嫌がられましたけど。
 
でも、私が住んでいる地域では、私が特別に過保護というわけではありません。自国に帰ると同じように狂った母親のように言われるわ、と言うヨーロッパ系の友人もいます。
本書にあるおかしいくらい過保護なエピソードは私の周りでは皮肉にもよくあることです。
11歳の子を図書館にしばらく置いて行っただけで通報され警察沙汰になって、署名集めをした知人もいますし、私自身、子供たちが裏庭で遊ぶ時も目が離せません。鹿やウサギしかいないような裏庭なのですが。
そんな時、上の娘がティーンエイジャーになろうとする頃、「私には自由がない」とか「私のこと信じてないの!」という言葉を口にするようになります。
その度に「誘拐されたらどうするの?どんな人がいるか分からないでしょう」と言いくるめ、ジョギングもパパと一緒に行って。アイスクリーム屋もスケート場も誰かの親が一緒じゃなきゃだめ。と、本書に書かれているような会話が日々、我が家でくり返されていました。
連日の恐ろしいニュースや周りの目が気になって、子供の成長具合や自分たちがいる環境をしっかり見極める基準が分からなくなっていたようです。
自立しようとする成長の芽をばっさり切り取っていたような気がします。そんな折、バベルのサイトにこの本の紹介があり、早速図書館で借りて一気に読みました。
マンハッタンで9才の子をひとりで電車に乗せ、帰宅させたエピソードは有名で、「どうして?信じられない!」と友人と話したことも覚えていました。(レノアさん、ごめんなさい)でも、読み終えてすっきりしました。
自分と同じ行動パターンの母親達のエピソードに苦笑いしながらも、反省したと同時に少し肩の荷がおりた気がしました。
危ないからと言って、むやみに何でも禁止することの怖さも考えされられました。今となって、本書は翻訳できただけでなく、育児の面でも感謝の一冊です
実は先日、偶然にも著者のレノアさんが私の住んでいる地域の学校で親たちを対象に講演会を開かれたので、行ってきました
地域的に子供の成績にはうるさいヘリコプターペアレンツ的な人がたくさんいたはずですが、本書のエピソードを中心に楽しくお話され、赤ちゃん膝あてなどの過度な安全グッズを手に話が盛り上がり、会場は終始、笑いの渦でした。
終了後、ご挨拶に伺うと、随分驚かれたご様子でしたが、大変喜んでくださいました。日本も今やフリーレンジでの育児はむずかしいので、レノアさんの本を少しでも多くの人に伝えられるようお役に立ちたい、とお伝えしてきました。まだ賛否両論かもしれませんが、レノアさんはこのような講演だけでなく、テレビやウェブでも積極的に活動されています。
 

編集
自立しようとしているお嬢さんと、その自立を理解しようとする母の愛情という強い想いが『フリーレンジキッズ』を引き寄せたのかもしれませんね。しかも、それが翻訳出版というかたちで表現できたことは、とてもすばらしいことだと思います。感動しました。ありがとうございます。(笑)
それではここで、本の内容や、翻訳にあたっての感想をお聞かせください。

 
宮内
マンハッタンで子供ひとりを帰宅させたエピソードだけ一人歩きしてしまうと、嫌悪感を丸出しにする友人も実は大勢いました。
著者が伝えたいのは、そういうことじゃない!と懇々と説明しました。その反面、こんなこともありました。娘の習い事の待ち時間に、(長時間の習い事自体、フリーレンジとは言えませんが)本書を片手に作業をしていると、見知らぬお母さん達が後ろのテーブルで、「あのマンハッタンに子供を置いてきた人、誰だっけ?
あの人の本読みたいのよね。あ、でも題名忘れた…」と話しているんです。エッと思い、「ひょっとしてこれ?」と、本書を見せると、彼女は四人の子供の母親で、こんなに付きっ切りで見張っていなくてはいけないことに少し疲れてるのよ、と話してくれました。
レノアさんの活動は実を結んでいると実感しました。この本には、周りの目や情報だけに振り回されないで、自分の目でその環境に適した安全を確認し、子供の自立をしっかり支えてあげるためのアドバイスが満載です
本書にあるステップを踏みながら、子供の成長を見守る角度を少し変えてみると、親も子供も心に余裕と自信が持てるようになる一冊だと思います
原文については、アメリカ人ならではの言い回しや、古い慣わしから来る表現、今時の育児用語(?)もあり苦労した箇所もありましたが、共訳の皆さんや先生とのやり取りで学ぶことも多く本当に楽しかったです

 
編集
子供の成長を見守る角度を少し変えると、親も子も心にゆとりがもてる。自信がもてる。考え方ひとつで、子育てを豊かに過ごすことができるという事ですね。育児をしている人たちには『フリーレンジキッズ』は必読書ですね。
ちなみに本書(日本版)を見られた時のお気持ちはいかがでしたか。
 

宮内
サイトで表紙を見た時は、やはり嬉しかったですね。訳本をまだ手にしてないのですが、本になったものを読んでみると、またいろいろと思うこともでてくるのでしょうか? 楽しみでもありますが、自分の担当箇所を読むには勇気が必要かもしれません。(笑)
 
編集
翻訳したいという感情が生み出した『フリーレンジキッズ』のお話。著者のレノアさんとの出会いなど、すばらしいお話をありがとうございました。これからの抱負や翻訳してみたい作品のことなどをお聞かせください。
 
宮内
自伝やエッセー、また、思春期をテーマにしたフィクション、ノンフィクションに興味があり、またいつか好きな本を翻訳できる機会があればよいのですが、それまではいろいろな分野を勉強していこうと思います。しばらくは翻訳したいと思う本を貯め込んでいくことになりそうです。

編集
宮内さんの翻訳したい本を貯めている図書館のひとつひとつの本が、出版されていくイメージができてきました。夢の実現はまだまだ続きますね。
今後も、翻訳者としてのますますのご活躍を期待いたしております。
本日はありがとうございました。
 

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