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『みどりのふくのサンタさん』 『エナ~火をあやつる少女の物語』の翻訳者、柴田 真木子 (しばた まきこ)さん

2012/11/25

11月25日号に登場の新人翻訳家は ―  柴田 真木子 (しばた まきこ)さん。


毎月多くの翻訳書が出版され、新人翻訳家も多数誕生しています、これまでの出版経験を持つプロ翻訳家ばかりでなく、多様なチャンスを積極的に活用すること で、自己表現できる機会がひろがってきていることを感じます。編集部では、これらの新人翻訳家にスポットをあて、どんな方がデビューしているのかをご紹介 し、インタビューによって翻訳出版の動機や、その背景も探っていきます。


連載67回目の11月25日号では、 
みどりのふくのサンタさん』 『エナ~火をあやつる少女の物語』の翻訳者、柴田 真木子 (しばた まきこ)さんをご紹介します。


柴田 真木子さん 書籍名: みどりのふくのサンタさん
著者: ヴィクトリア・ペルラ
出版: バベルプレス
書籍名: エナ~火をあやつる少女の物語
著者: シャノン・ヘイル
出版: バベルプレス
 

編集:
 はじめにプロフィールと最近の活動についてお聞かせください。

柴田:
 大学では英語を専攻し、卒業後は8年間損害保険会社に勤めていました。いつか本格的に翻訳の勉強がしたいと思い、在職中からバベルの翻訳セミナーなどに時々参加していたのですが、当時は仕事が大変忙しかったので、思い切って退職して、バベルの翻訳フィクション講座に通うことにしました。インタースクールの英語本科や絵本翻訳講座にも通いましたが、学校の受講費用がかさみ始めたので勉強を一時中断し、メーカーなどで貿易事務の仕事をするようになりました。
 
 しばらく翻訳から遠ざかってしまいましたが、このままではいけないと思っていた時に見つけた『エナ-火をあやつる少女の物語』のオーディションをきっかけに共訳に参加し、昨年出版して頂くことができました。共訳のワークショップは大変勉強になりました。
 
 その後は、仕事を続けながら日本映像翻訳アカデミーに1年間通い、字幕翻訳の勉強をしました。字幕翻訳は字数制限が厳しいので、限られた字数の中で翻訳するという技術に興味を持ったんです。その時に学んだことも、今回の絵本の翻訳にとても役立ちました。
 
編集:
 忙しいお仕事の傍ら、翻訳業の夢を抱き続けていらした柴田さんの意志の強さと行動力はスゴイですね!
 翻訳を学び、翻訳家を目指そうと思ったきっかけはどんなことですか。
 
柴田:
 子どもの頃から本を読むのが大好きで、平日は学校の図書室、休日は近くの図書館へ通ってばかりいました。絵本や児童書から始まり、伝記や小説まで色々なジャンルの本を読みましたが、やがて自然と海外作品を読むようになり、いつの間にか翻訳の仕事がしたいと思うようになっていました。
 
 特に児童文学やファンタジーに興味があったのですが、一番翻訳したいのは絵本だと思っていたのは高校生の時です。なぜ絵本が一番の目標だったのかは、自分でもよく覚えていません。その頃は絵本を買い集める趣味があったので、そのせいかもしれません。
 
編集:
 そうですかぁ。翻訳者の多くの方たちにも共通することですが、柴田さんは「英語」と「読書」という、ご自分が好きなことをずっと大切にされてきたのですね。
 
 絵本を翻訳したい!という夢も見事に実現されましたが、『みどりのふくのサンタさん』を出版されたのは、はどんな理由や思いがあったのでしょうか。
 
柴田:
 きっかけはオーディションでした。それまでにも絵本のオーディションの案内は時々目にしていましたが、今回はサンタさんのお話ということで、特に興味がわきました。イラストもとてもかわいらしく、優しい色合いも気に入ったので、是非翻訳してみたいと思いました。
 
 何よりもまず、インスピレーションが大きかったような気がします。サンタさんのお話でありながら、テーマが地球温暖化という点については、意外性があって斬新だと感じました。私自身も環境問題には関心があったので、テーマに違和感はありませんでした。実は私もゴミの分別には、うるさいほうなんです(笑)。
 
編集:
 インスピレーション。これもほとんどの翻訳者の方たちがおっしゃることなんです(笑)。
確かにこの作品は、サンタさんと環境問題という意外なテーマのマッチングが面白いですよね。しかも、印刷に関しては、環境に良い植物油インクを、本文には100%再生紙を使用していて、表紙とカバーも再利用きるようニス加工が施されています。
 
 それでは、ここで本の内容をご紹介いただけますでしょうか。また、翻訳された感想、楽しかったこと、苦労したことをお聞かせください。
 
柴田:
 地球温暖化で北極の氷が溶けると、サンタさんやクリスマスはどうなってしまうのか? サンタさんやクリスマスを守るためには、どうしたらいいのか? この絵本は、子どもたちにそういったことについて考えてもらうために書かれました。
 
 地球温暖化が進むと、困るのは北極グマだけではないんですよね。冬が無くなったら、四季折々の美しい風景や大切な行事までもが失われるということに、私も改めて気づかされた思いがします。
 
 この絵本の対象年齢は4~8歳なんですが、テーマが「地球温暖化」のため原文に出てくる単語も難しく、どこまで読み砕けばいいのかという判断が難しかったです。
 
 例えば幼稚園児に「氷河」という単語は難しいかもしれないと思いましたが、「氷の河」の方が混乱しますから、あえて「氷河」のまま訳しました。この絵本をきっかけに、「氷河って何だろう?」と興味を持ってもらえたら嬉しいです。
 
 あと、絵本特有の韻の訳し方には苦労しましたが、どうしようかと考えているのが悩みながらも楽しかったです。やりがいがある箇所でした。  
 全体的にリズム感のある文章にしようと、原稿を前に、何度も何度も声に出して読み上げていたことも懐かしいです。
 
編集:
 そうですね。特に日本は四季のはっきりした風土ですから、それぞれの赴きある風景はずっと大切にしたいですね。
 
 絵本は、子どもたちが対象ということもありますが、文章が短いからこそ、言葉のセレクトはとても大変だと思います。原書の韻の独特なニュアンスを日本語で伝えることもご苦労があったかと想像します。何度も音読されたという言葉のリズムは、確かに作品に反映されていて、ページをめくる手が進みますよね!
 
 出来上がった本を手にしたときのお気持ちはいかがでしたか。
 
柴田:
 月並みですが、やっぱり感激しました。原書は飽きるほど見ていたので、文章だけが日本語になった同じ絵本が目の前にあることに、不思議な気持ちもしましたね。
 
 早速手に取りましたが、再生紙を利用して作られた絵本なので、最初は扱いには気を遣いました。でも通常の絵本と比べて作りが弱いといったようなことは無いように感じています。
 
 その点は、出版前からバベルプレスの担当者の方が気にかけて下さったので、こうしてリサイクル可能な環境に優しい絵本を無事出版することができたのだと思います。バベルプレスの皆さんには感謝の気持ちで一杯です。
 
編集:
 柴田さんに喜んでいただけて、こちらも嬉しいです。
 内容といい、本のつくりといい、大切なメッセージを発信できる作品になりましたね!
 クリスマスまであと1ヶ月ですね。環境への関心もここ数年高まっていると思います。そういう意味ではとてもタイムリーな出版となりました。
 
 最後にこれからの抱負や翻訳してみたい作品のことなどをお聞かせくだい。
 
柴田:
 これから先のことは未定ですが、絵本や児童書をまた翻訳できたらと思います。そのために、機会があれば児童心理学などの勉強もしてみたいですね。
 
編集:
 絵本翻訳の夢を叶えられましたが、今後も、翻訳者としてのますますのご活躍を期待いたしております。
 本日はありがとうございました。
 

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『みどりのふくのサンタさん』

 

今や大きな問題となっている、「地球温暖化」。

クリスマスが迫った11月。
サンタさんのおもちゃ工場に大問題が発生します。


「どうしたらいいだろう」と考えて
サンタさんがとった行動とは…

子ども達だけではなく、お父さん、お母さんとお子さんが一緒になって地球環境のためにできることを一緒に考えてみませんか?


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『エナ~火をあやつる少女の物語』


前作『グース・ガール がちょう番の娘の物語』の主人公アニィ(王女・イシィ)の親友エナが主人公です。  

前作同様に巧みなストーリー展開でページを繰る手が止まらなくなるファンタジー。

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