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東アジア・ニュースレター ― 海外メディアからみた東アジアと日本 ― 第136回

2022/04/22

東アジア・ニュースレター
――海外メディアからみた東アジアと日本――
第136回








前田 高昭 : 金融 翻訳 ジャーナリスト
バベル翻訳大学院プロフェッサー 

 

 中国にとってウクライナ戦争は一石二鳥、三鳥の意味を持っているとメディアが論じる。ウクライナが台湾有事のロールモデルとなり、米欧日の反応を観察できること、ウクライナ戦争によって米国とその同盟国を含む西側諸国潜在的脅威のロシアがともに疲弊すること、ロシアが弱体化すればその資源、とりわけエネルギーの供給源としての活用が可能となること、そしてロシアが中国の従順な衛星国となる可能性があるなど中国が手に入れられる漁夫の利は甚大である。従属国となったロシアは第2の北朝鮮のような存在となる可能性がある。
 メディアは、台湾関係でウクライナ危機から教訓を学ぶべきだと主張する。米国と台湾がウクライナ軍の善戦ぶりから学べる軍事、経済上の教訓をいくつか列挙し、同時に中国指導者は西側の迅速、徹底した経済制裁や軍事的支援を目の当たりにして警戒感を高めているだろうと指摘する。台湾に対して兵役義務の延長や予備兵の強化、米国に対して軍の再配置を求め、中国のグレーゾーン活動への対応や対中経済制裁の具体策についても考えておくべきだとし、持続的な外交努力の重要性を挙げて、真の成功は戦争を防げるかどうかで測られると強調する。

 韓国で新大統領が選出された。メディアはまず政治への信頼回復が重要だと主張する。外交安保上の課題として、ウクライナ危機によって地政学上の問題が緊急性を帯び、米欧日との関係強化が欠かせなくなり、経済面での中国依存の軽減東南アジアや南アジアとの緊密な関係構築も必要になると指摘する。国内問題として労働市場改革の継続、個人攻撃党派的扇動の停止を訴える。

 3月4日に北朝鮮が打ち上げたミサイルは、北朝鮮の主張する大陸間弾道ミサイル(ICBM)、「火星17号」ではないのではないかとの疑問が提起されている。メディアは、実際はそれ以前の火星15号の改良版だったとの専門家の見方を伝える。ただし3月4日のミサイルは、火星15号が達成した高度を1000マイル以上も上回っていると指摘、北朝鮮のミサイル技術が大きな進歩を遂げていると警戒感を示す。

 東南アジアタイでは、ウクライナ危機に伴う原油価格の急騰を受けてインフレ率が急上昇している。そうしたなか、中央銀行はパンデミックに揺れる景気対策として政策金利の翌日物レポ金利を15回連続で過去最低の0.5%で据え置いた。経済成長率の見通しは今年も来年も引き下げられており、やむを得ない判断と思われる。

 インドの輸入全体占める石油製品の割合は4分の1を超えており、原油価格の高騰は経済に大きな打撃を与えている。他方、安価なロシア産の原油輸入は地理的事情もあり全体の1%程度に止まっており、今後急増させたいと考えているが、決済方法の問題があい路となっている。ロシアのラブロフ外相が3月末に訪印し、この問題を含めインド、ロシア間の貿易拡大に向けて協議が始まり、決済方法としては、SWIFTに代わるロシアのSPFSの利用などが検討されている。今後の印ロ経済関係の動きについて目が離せなくなった。

 主要紙社説・論説欄では、前号に続き、今回はウクライナ戦争世界の経済、金融に及ぼす影響についての報道や論調を観察した。

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北東アジア


中 国

☆ ウクライナ戦争と中国の世界観―ロシアが第2の北朝鮮となる可能性

 3月18日付エコノミスト誌は「The alternative world order (もうひとつの世界秩序)」と題する社説で、ウクライナの戦争は、中国が世界をどう見ているか、そして中国がどれだけ脅威となるかを決定すると述べ、次のように論じる。

 ウクライナ戦争から勝者が生まれるかどうかを知るのは、あまりにも早い。しかし、地球の反対側では、世界の新興超大国の中国がその選択肢を吟味している。中国はウクライナ戦争直前に宣言した「限界知らず」のロシアとの友好関係を基に、独裁の枢軸を築き上げるという意見もある。また米国は中国に恥をかかせてロシアと決別させ、プーチン大統領を孤立させられると反論する者もいる。我々の報告によれば、どちらのシナリオもあり得ない。ロシアとの関係深化は、中国の慎重な私利私欲によって導かれるだろう。中国はウクライナ戦争を利用して必然的とみなす米国の衰退を早めようとしているからだ。その焦点は常に欧米のリベラルな世界秩序に代わるものを確立するという自らの夢にある。
 中国の習近平国家主席もプーチン大統領も、世界を少数の大国が支配する勢力圏に切り分けたいと考えている。中国は東アジアを支配し、ロシアはヨーロッパの安全保障に拒否権を持ち、米国は自国に引き戻されることになる。この代替秩序には、普遍的価値や人権は含まれない。習氏とプーチン氏は、欧米が中露の政権転覆を正当化するためのトリックだと考えている。このような考え方は、人種差別的で不安定な自由主義体制の遺物となり、各国が全体のパワーバランスの中で自分の立場をわきまえたヒエラルキーに取って代わられるだろうと考えているようである。
 それ故に習近平はロシアの侵攻によって、欧米の無力さを見せつけたいのだろう。ロシアの金融システムとハイテク産業への制裁が失敗すれば、中国はそのような兵器を恐れることはなくなる。プーチン氏がウクライナでの誤算で権力を失えば、中国に衝撃を与えかねない。習近平もプーチンと手を組んだのは誤算だったと思われ、共産党党首として3期目を目指す習氏は、間違いなく困惑するだろう。とはいえ、中国の支援には限界がある。ロシア市場は小さい。中国の銀行や企業は制裁に背くことでより価値の高いビジネスを他で失うリスクを避けたい。
 弱体化したロシアは中国にとって好都合であり、中国に従順になるしかない。プーチン氏は習氏にロシア北部の港へのアクセスを提供し、中央アジアなどで拡大する中国の関心に対応し、安価な石油やガス、先端核兵器の設計を含む機密軍事技術などを供給する可能性が高くなるであろう。さらに習近平は、中国が優位に立つためにはプーチン氏が圧勝する必要はない、生き残ればいいと考えているようだ。中国当局は戦争が長引き、西側選挙民の代償が増えるにつれて、ロシアに対する西側の結束に亀裂が走るだろうと自信満々に外国の外交官に語っている。中国はすでに米欧を引き離そうとしている。米国は自国の国力を高める一方で、欧州諸国には高いエネルギー価格や大規模な軍隊、300万人を超えるウクライナ難民の受け入れなどの負担を強いていると主張しているのだ。
 ロシア・ウクライナ戦争に対する中国の取り組みは、21世紀の大勝負は中国と米国の間で行われるという習近平氏の信念から生まれている。そして習氏は、その戦いに中国が勝利する運命にあると示唆したいのだ。中国にとって砲撃されたウクライナの街で起きていることは、この争いの小競り合いである。西側諸国がプーチン大統領への対処に成功しても、それによって中国の世界に対する見方が定まり、その後に西側諸国が迫られる習主席への対処策を決定するのに役立つだけなのである。

 最初の課題はNATOがこうした中国が描く未来像に挑戦するために結束することである。数週間が数カ月になると、それは難しくなるかもしれない。ウクライナでの戦闘がどちらかが明らかに勝つということのない、厳しい市街戦のパターンに落ち着くことを想像してほしい。和平交渉は停戦に至るが決裂する可能性もある。冬が近づき、エネルギー価格が高止まりしているとする。戦争初期のウクライナの例は、欧州全体の支持を呼び起こし、政府を鼓舞した。政治家は自ら覚悟を決めなければならない時が来るかもしれない。
こうした意志の力は、改革につながる。民主主義を守ってきた西側諸国は、それを強化する必要がある。ドイツはロシアと取引するのではなく、ロシアと対峙することで対処することを決定した。EUはイタリアやハンガリーなどのロシアに同調的な諸国を取り込む必要がある。英国が主導する北欧10カ国による統合遠征軍は、ロシアの侵略に最初に対応する部隊に進化しつつある。アジアでは、米国は同盟国と協力して防衛力を強化し、中国が関与するような不測の事態に備える計画を策定すべきだ。西側の連携行動はロシアに衝撃を与えたが、台湾に侵攻する中国にとっては驚くに値しないはずだからだ。
 また、西側諸国は中国とロシアの大きな違いを利用する必要がある。30年前、両国の経済規模は同じだったが、今や中国はロシアの10倍にもなっている。習近平氏には不満があるかもしれないが、中国は現在の秩序の下で繁栄している。しかしロシアはそれを損なっているだけである。習近平が自分の利益になるようにルールを改定したがっているのは明らかだが、プーチン大統領とは異なっている。プーチン氏は、破壊的な威嚇と武力以外にロシアの影響力を行使する方法がないのである。プーチン政権下のロシアは国際社会から疎外されている国家である。しかし中国は米欧と経済的な結びつきがあるため、安定の利害関係者である。
 50年前にリチャード・ニクソンが有名な北京訪問をする数年前に書いたように米国とその同盟国は、中国を「国際社会の外に追いやり、そこで幻想を育ませ、憎しみを大切にし、隣国を脅かさせる」のではなく、台頭する超大国に対して異なる見方を示すべきである。その目的は、西側と中国が可能な限り合意し、そうでない場合は相違を認めることで繁栄できることを習氏に説得することである。そのためには、関与が役に立つ部分と国家安全保障を脅かす部分を見極める必要がある。中国は、ウクライナ戦争の迅速な終結を支援することでこの道を歩み始められるのではないか。しかし、ロシアが化学兵器や核兵器を使用しない限りその可能性は低い。中国はロシアを自由主義的世界秩序を解体するためのパートナーとしてみている。外交的な嘆願では、中国の目算には影響しないだろう。プーチン氏にその罪を償わせるという西側の決意が肝要だ。

 以上を総括すると、確かにウクライナ戦争は欧米に代わる自らの秩序を確立するという野望を持つ習体制下の中国にとって格好な機会となっている。欧米の無力さを見せつけられ、西側選挙民の代償が増えるにつれて西側の結束に亀裂が走り、プーチンがウクライナでの誤算で権力を失いロシアが弱体化すれば、中国に従順になり好都合なのだ。こうした中国の野望に挑戦するためにNATOの結束が必要で、民主主義を守ってきた西側諸国の政治家はその強化に向けて決意を新たにすべきだろう。また米国もアジアにおいて同盟国と協力して防衛力の強化と中国が関与するような不測の事態に備えるべきだ。中国はロシアと違って米欧との経済的な結びつきが強い利害関係者であり、西側と中国が可能な限り合意し、そうでない場合は相違を認めることで繁栄できることを習氏に対して説得すべきだとの提言も有意義だ。そして大前提は、プーチン氏にその罪を償わせることであるのは間違いない。

 こうした観点の延長線にある論議を3月18日付ウォ-ルストリート・ジャーナルが社説「China’s Great-Power Play (日本版記事:【社説】中国の大国政治に伴う代償)」で展開しているので、その要約を以下に紹介する。
 ロシアがウクライナに侵攻する直前の2月上旬、中国の習近平国家主席はウラジーミル・プーチン露大統領と手を組むという、極めて大胆な戦略的行動に出た。(注:2月4日、プーチン大統領は北京冬季五輪に合わせて中国を訪問し習主席と会談し、両首脳は会談後に多くの問題で合意したことを示す共同声明を発表し、ロシアと中国の「友情に限界はなく、協力する上で『禁じられた』分野はない」と宣言したと報じられている)習氏は会談で、プーチンとの友情に「限界はない」と表明し、その約束を守っている。現在、中国が世界から浴びている軽蔑の視線は当然の報いである。ウクライナ情勢に関する中国のプロパガンダには明らかに親ロシア・反米のトーンが貫かれており、武器を供与する可能性もある。プーチン氏が中国への輸出を望むエネルギーなどの資源をすべて買い取る構えで、その代金を人民元で支払うことができれば、元の国際化という観点から思いがけないメリットとなる。何よりもウクライナ戦争は中国にとって民主主義、自由経済、米国のリーダーシップと敵対するグループの世界的リーダーであることを示す新たな機会になる。中国はどう転んでも自国がウクライナで「勝てる」と計算している可能性がある。侵攻が失敗してもウクライナの分裂によって西側諸国と米国のアジアの同盟国の士気は低下する可能性がある。ロシアは西側の制裁が続く限り中国にとって信頼できる天然資源の供給国になる。
 しかし、大国政治の性質上、中国が代償を払わないことはあり得ない。プーチン氏による侵攻から間もなく、日本は米国との核共有の議論を再燃させ、韓国はより親米的な大統領を選出し、伝統的に中立的だった一部のアジア諸国は西側の対ロシア制裁に加わることで中国にシグナルを送った。長年中国にとって欧州で最も友好的な国の一つだったドイツは、中国との経済関係の見直しを行っている。習氏のプーチン氏との連携は、米国内の対中姿勢も硬化させるだろう。中国がロシアを一種の従属国家として受け入れる計画だとしても、ロシアほどの規模の貧しくて統治の行き届いていない経済の責任を負う準備が本当にできているのだろうか。習氏の大国政治が自身が渇望している国内の政治的安定を明確に後押しすることもないだろう。シンクタンクの著名な学者、胡偉氏による異例の文章が公開されたのだ。同氏は、習氏のロシア政策は他の諸国を反中国で結束させる動きを加速させ、逆効果になる可能性があると警告した。中国はすでにロシアを支援しており、西欧諸国を裏切っている。プーチン氏による侵略を黙認することは、中国が西側との貿易・外交関係よりも略奪する独裁者の欲望を優先することを示している。中国は賭ける馬を間違えた。そして香港を巡る問題と同様、信頼できない国であることを再び示した。西側諸国は、中国共産党から台湾と自由世界の利益を守る上で相応の対応をすべきである。

 以上のように社説は、ウクライナ戦争勃発直前にロシアと手を組む戦略に出た習主席は、賭け馬を間違えたと酷評する。ウクライナ戦争は中国にとって米国のリーダーシップと敵対するグループの世界的リーダーであることを示す新たな機会になり、侵攻が失敗しても米欧とアジアの同盟国の士気低下の可能性やロシアが中国にとって信頼できる天然資源の供給国になるなどメリットがあるかもしれないが、中国が代償を払わないことはあり得ないとして日韓独、シンガポールなどの反中的動きを伝え、さらにロシアを一種の従属国家として受け入れるとしてもその経済の責任を負う準備ができているのかと疑問を提起、習氏の大国政治は国内政治の安定も後押ししないだろうと指摘する。

 上記のようなメディアの論調を踏まえ、少し視野を広げて考察すると、ウクライナ戦争は中国の国際社会における地政学上の立ち位置を極めて明確にし、準同盟ともいえるロシアを必要とする中国の立場を浮き彫りにしたと言えよう。中国としては米国や民主主義国家との関係の緊張が高まるなか、自国の背後に位置し核兵器を保有する強大なロシアを西側の民主主義陣営に追いやる事態は絶対に避けなければならない。ロシアが厳しい制裁によって経済的に弱体化しながら、なお強権国家として存続し、かつそうしたロシアとの緊密な関係維持が中国にとって地政学上の死活問題となる。そうした観点から、ウクライナ戦争は中国にとって一石二鳥、三鳥の意味を持っている。ウクライナが台湾有事のロールモデルとなり、米欧日の反応を観察できること、ウクライナ戦争によって米国とその同盟国を含む西側諸国と潜在的脅威のロシアがともに疲弊すること、ロシアの資源、とりわけエネルギーの供給源としての活用が可能となることなど、中国が手に入れられる漁夫の利は甚大である。
 従って、メディアが問題提起する2月の共同宣言は習主席の不注意な大失策という見方は、完全な誤解と言えよう。むしろ、中国はウクライナ戦争を触発する方向に向かって意図的に動いたと考えられる。ウクライナ戦争は、台湾侵攻の可能性を持つ中国にとって、来るべき西側との代理戦争となる側面が大きいからである。その代理戦争への中国のコミットメントを求めて北京五輪見物に乗り込んできたプーチン氏を、習氏は手ぐすね引いて待ち構えていたのである。失策を犯したのは習氏に踊らされて、誤算に満ちた代理戦争へとのめりこんだプーチン氏といえよう。
 そうしたロシアは、習氏の中国にとって朝鮮半島における北朝鮮と類似した衛星国として位置づけられるだろう。朝鮮半島において北朝鮮は、地政学的に民主国家の韓国と中国との間の緩衝地帯として機能し、核とミサイルを開発して米国の直接的脅威となる実力を蓄えた中国にとって貴重な独裁体制の同盟国である。米欧との対立で最前線に立つロシアは、中国にとってそうした第2の北朝鮮とも言うべき準同盟国となる。それ故に中国は西側の制裁を掻い潜って、陰に陽にロシアへの支援を続け、プーチン体制の維持を図るだろう。中国は制裁を掻い潜る術を北朝鮮との関係において十分会得しているはずである。そして中国はロシアの体面に配慮しながら、その経済・軍事力を背景にして反西側体制の盟主としての地位を固めていくことになろう。それだけに、エコノミスト誌が提言するような米国を盟主とする西側諸国の対中関与政策の必要性は、いっそう高まると言えよう。


台 湾

☆ 台湾防衛の教訓となるウクライナ戦争

 3月22日付ブルームバーグは社説「Don’t Let Taiwan Become the Next Ukraine (台湾を第2のウクライナにするな)」で、中国がロシアのウクライナ侵攻に触発されて独自に台湾奪取を試みるかもしれないと米国のアナリストらは懸念していると報じ、少なくとも、米国はウクライナ危機からそうした可能性に備えるための重要な教訓を得るべきだと主張し、次のように論じる。

 理屈上は、プーチンがウクライナで苦闘していることで中国の指導者たちは台湾侵攻に躊躇を感じているはずである。ロシア軍は、台湾への水陸両用攻撃を指揮する中国の指揮官が直面するよりも楽な地形であるにもかかわらず、一連の戦術的失敗をおかしている。また欧米諸国はロシアに厳しい経済的コストを驚くべきスピードで課している。NATO諸国がウクライナに提供した限られた兵器でさえ、致命的であることが証明された。しかも台湾では、中国は戦闘訓練を受け、技術的にも進歩した米軍と直接対峙しなければならないかもしれない。
 一方、習近平のもとで中国の武力による威嚇は大いに盛り上がっている。仮にロシア支援のツケが回ってきたり、習近平の対応に内部から疑問の声が上がってきたりしても、台湾に焦点を当て支持を高めることは容易と考えられる。とはいえ米国が台湾関与を公然とコミットすることは、依然として賢明ではない。米国が数十年にわたる対台湾政策の特徴である「戦略的曖昧さ」を放棄すれば、中国をいたずらに刺激し、台湾の指導者が過度のリスクを冒すことを助長しかねない。しかしウクライナ危機は、別の面での対策も喚起している。例えば、ウクライナ軍はロシアによる2014年のクリミア占領後、訓練を強化することで多大な恩恵を受けている。米国は台湾軍の訓練を拡大し、ウクライナ兵に配備し効果を挙げている肩撃ちの対戦車・防空兵器の納入を加速させるべきだ。台湾のサイバー防衛を強化し、台湾のネットワークに直接脅威が及ばないようにすることも必要である。また中国の侵攻を防ぐために必要な対艦ミサイルや機雷、無人偵察機などをもっと提供すべきだ。
 台湾指導者もシンガポールやイスラエルなどのように兵役義務を4カ月から1年以上に増やすことについて真剣に議論を始める必要がある。また台湾の弱点である予備兵の強化も急がなければならない。ウクライナ人のように台湾人も自国の自由のために戦う覚悟を示せば、外部からの援助を受けられる可能性が高くなる。そのような援助をすることに備えて米国は今すぐ軍を再配置するべきだ。米軍は、日本列島南部や太平洋の他の地域に小規模の機動部隊を分散させることを発表している。これは、部隊を戦闘に近づけると同時に、中国のミサイルの標的を小さくするためである。米軍はこれらの地域に部隊と装備を配置し、将来の米軍活用の道を確保する必要がある。また紛争が起きれば必ず主要な標的となるグアム島の既存基地のミサイル防衛を強化すべきだ。

 さらに米国とその同盟国は、この時期に中国による本格的な台湾侵略以外の行動に対してどのように対応するかを考えるべきである。中国は台湾の港の外で「偶然」機雷を流出させたり、台湾が核兵器製造のための部品を輸入しているという口実で海軍の検疫を行ったりするなど、いわゆるグレーゾーンの行動によって貿易に依存する台湾経済を窒息させることが可能である。台湾の友好国は、このような挑発行為に対処する計画を立ておく必要がある。同様に、米国とその同盟国は中国に対する効果的な制裁キャンペーンがどのようなものであるかについて、静かにブレインストーミングを行うべきである。中国の経済規模はロシアの10倍もあり、多様で広範に世界と深く結びついている。中国に貿易を依存している国が多い中で、共に制裁を科す相手を見つけるのには困難が伴う。中国に大きな痛みを与えるような手段を特定し、その反動に対する防御を強化し、徐々に多くの国々を巻き込めるような拡大戦略の検討が必要である。

 最後に、台湾海峡の平和を維持するためには、軍事力と同様に中国との安定した関係が重要であることを忘れてはならない。安定した関係を維持するためには、習近平・バイデン会談のようなトップレベルの接触を含む強力なコミュニケーション、持続的な外交、そして危機管理ツールへの投資の拡大が必要である。真の成功は米国が台湾をめぐる戦争に勝てるかどうかではなく、戦争を防げるかどうかで測られることになるだろう。

 以上のように社説は、米国はウクライナ危機から重要な教訓を学ぶべきだと主張し、米国と台湾がウクライナ軍の善戦ぶりから学べる軍事、経済上の教訓をいくつか列挙し、同時に中国指導者は西側の迅速かつ徹底した経済制裁や軍事的支援を目の当たりにして警戒感を高めているだろうと指摘する。特に台湾に対して兵役義務の延長や予備兵の強化を訴え、米国に対して軍の再配置を求めていること、さらに中国のグレーゾーン活動への対応や対中経済制裁の具体策について考えておく必要性を指摘し、最後に持続的な外交努力の重要性を挙げて、真の成功は台湾戦争での勝利ではなく、戦争の防止で測られると強調しているのが注目される。


韓 国

☆ 新大統領の初仕事は政治の信頼回復

 3月12日付エコノミスト誌は、「From prosecutor to president (検事から大統領へ)」と題する社説で、大統領選では尹錫烈(ユン・ソクヨル)が僅差で勝利し、泥仕合を止める時が来たと述べ、韓国の新リーダーは、市民の政治への信頼を回復しなければならないと次のように論じる。

 スキャンダルにまみれた朴槿恵元大統領の失脚に貢献した元検事である尹氏は、昨年政界入りしたばかりだ。反腐敗と現実的な外交政策を掲げて立候補した。しかし文在寅大統領の後を継ぐ尹氏は、5年前に前任者を迎えたときと同じような一連の難題に直面している。国内では、住宅価格の高騰や若者にとっての機会喪失と政治への幻滅が続いている。海外では、中国と米国の間での微妙な綱渡りと隣国の日本とのとげとげしい関係に直面している。
ロシアのウクライナ侵攻に伴い小国が自国の安全保障について再考を迫られ、地政学が新たな緊急性を帯びてきた。韓国は米欧日と共にロシアを非難し、制裁を課している。尹氏はソウルのアナリストたちとともに欧米との緊密な連携の重要性を強調し、中国や北朝鮮との核交渉には厳しい態度で臨むと述べている。しかし韓国は輸出の4分の1が中国向けである。西側諸国との提携を強化することで中国政府を刺激すると中国の強制に屈服しやすくなる。そのため、尹氏は中国への依存度を減らすべく、東南アジアや南アジアと緊密な関係を築く必要がある。また、かつてその植民地とされた日本との協力関係も模索しなければならない。
 国内では、文大統領の任期中に2倍近くまで上昇した住宅価格が冷え込む兆しをみせている。中央銀行が利上げを開始し、住宅ローン規制の強化など文氏の政策の一部が功を奏している可能性もある。尹氏の主な仕事は、手心を加える誘惑を避けることだろう。しかし韓国の有能な若者は質の高い仕事の少なさに苛立っており、それだけでは彼らの経済的苦境を解決できない。尹氏は、文氏の労働市場改革を継承すべきだ。具体的には失業保険と年金拠出金の拡大による非正規雇用者の待遇改善、正規雇用者に対する過剰な保護の緩和、女性に対する差別の是正と雇用機会の改善である。しかし尹氏の最も重要な仕事は、多くの韓国人がこの国の政治に感じている嫌悪感に取り組むことである。文氏が変化をもたらすと約束した問題である。政治家は嘘つきで腐敗し、全く不快な存在であるという国民の見方を裏付けるような啓発に欠けた選挙戦の後では、それは簡単なことではないだろう。

 上記のように述べた社説は最後に、手始めに政治家は、対立候補や市民、特に女性や少数派に対する個人攻撃をやめるべきだとし、新大統領は、国会で与党が過半数を占めていないため野党と協力しなければならないと指摘。これは党派的な対立を煽り続けるのではなく、模範を示すチャンスであると主張する。そのうえで、新大統領は口先だけでなく、国民全体のために働くことを示すべきであり、有権者が政治家に呆れるのではなく、政治家に代表されていると感じるようになれば、歓迎すべき成果として評価されると論じる。

 以上のように社説は、新大統領は国内外に難問を抱えているが、まずは政治への信頼回復が重要だと主張する。そのうえで外交安保上の課題として、ロシアのウクライナ侵攻によって地政学上の問題が緊急性を帯び、米欧そして日本との関係強化が欠かせなくなっているが、それには経済面での対中依存の軽減とそのための東南アジアや南アジアとの緊密な関係構築も必要になると指摘する。また国内問題として、若者の苦境解決のための労働市場改革の継続、そして個人攻撃や党派的扇動の排除を訴える。ウクライナ戦争の帰趨や個人攻撃が中心で政策論争に欠けた大統領選挙戦を考えると、こうした社説の提言は至極当然と言えるだろう。野党が多数を支配する国会運営を踏まえても、新政権は社説が提言するような政権運営に迫られるだろう。


北 朝 鮮

☆ 大陸間弾道ミサイルではないミサイルの発射実験

 3月4日に打ち上げたミサイルが北朝鮮の主張する大陸間弾道ミサイル(ICBM)ではないのではないかとの疑問が高まっていると、3月30日付ワシントン・ポストが報じる。記事によれば、北朝鮮の国営メディアは2020年10月に公開された巨大な新型ミサイル「火星17号」の実験に成功したと発表した。専門家が複数の核弾頭を搭載するために設計されているとみていたミサイルである。だが、衛星画像、天気予報、国営メディアの映像を使った独立系アナリストによる綿密な分析により、北朝鮮の主張には疑問が投げかけられている。

 記事は、ソウルに拠点を置く北朝鮮監視サイト「NKニュース」シニアアナリストのコリン・ズウィルコのコメントを紹介する。同氏は、この食い違いを最初に明らかにした人物で、「北朝鮮の言い分はよくても誤解を招くもので、最悪の場合、火星17号の実験を完全にでっち上げた可能性がある」と語っている。また米政府関係者は、発射されたミサイルは火星17号よりわずかに小さく、北朝鮮が2017年に実験した最後のICBMである旧型の火星15号の改良版のようだとして、このミサイルは、2017年よりも高く、遠くまで飛ぶように改良されたと語り、それでも、この実験は北朝鮮がICBM能力の改善を逐次進めていることを示したと述べていると報じる。
 次いで記事は韓国側の見方について、韓国も公式にそのような結論に達していると述べ、韓国防衛省は、ミサイルは「火星15号」であるとする報告書を国会に提出したと発表したと伝える。最近、北朝鮮政府は2月27日、3月5日、16日、24日と立て続けにミサイルの実験を行い、2月27日と3月5日の弾道ミサイル発射実験を宇宙への打ち上げと説明していたが、韓国と米国の当局者は、これらの実験は大型の新型ICBMの発射に先立って、ミサイルシステムの一部を試すことを目的としていたらしいと述べていると報じる。
 さらに記事は、米韓の関係者の間で議論されている説の一つは、3月16日に待望していた「火星17号」の実験に失敗したため、翌週に改良型の「火星15号」を急ぎ発射して「火星17号」の実験に成功したと主張したのではないかというものだと報じる。3月29日の公式報告によると、韓国の防衛当局は、北朝鮮が国内の兵器プログラムに対する懐疑論を鎮めるために火星17号の実験成功を捏造した可能性があるとみている。NKニュースは3月16日の実験が失敗した後、複数の目撃者が発射体の破片が平壌かその近辺に落下するのを見たと報じている。

 3月31日付ニューヨーク・タイムズも北朝鮮は実際には火星15号の発射実験を火星17号の成功と見せかけたと報じ、その背景として、米国に対する国力の誇示とともに、それよりも長く苦しむ国民に対し確固たる指導力を示すためだろうと解説する。そのうえで記事は次のように報じる。火星17号の可否にかかわらず、今回のミサイル発射実験は国連決議とICBMのモラトリアム(一時停止措置)に違反している。だが技術的にも大きな進歩を示しており、2017年11月の最後の実験で火星15号が達成した高度2796マイルに対し、今回は3852マイルも宇宙へ舞い上がっている。大きな疑問は、この兵器が火星15号の強力な改良バージョンなのか、それとも燃料を増やし軽量化しただけの火星15号なのかということのように思われる。ソウルの北朝鮮研究大学で北朝鮮軍の専門家であるキム・ドンヨプ氏は、「これが火星15号か17号かにはあまり注意を払うべきではない。積載量を減らしたり、燃料を少し増やしたりしただけでは、このような飛行データは得られないと思う。これは明らかに技術的な進歩を示している」と語っている。

 以上のように3月4日に打ち上げたミサイルが北朝鮮の主張する大陸間弾道ミサイル(ICBM)ではないとの疑問が提起されている。一昨年10月に公開された新型ミサイル「火星17号」の実験成功を偽造したもので、実際は、それ以前の火星15号の改良版だったとの専門家の見方を伝えている。しかしメディアは、3月4日のミサイルは火星15号が達成した高度よりも1000マイル以上も高く飛翔していると指摘し、北朝鮮がミサイル技術でも大きな進歩を遂げていると警戒感を示している。同時に、こうした見せかけのプロパガンダを行うほど金体制が追い詰められているとみられることが注目される。


東南アジアほか


タイ


☆ インフレ急上昇のなかで金利を据え置くタイ中銀
 タイ中央銀行は、インフレ率が目標を突破したと警告しながら政策金利を据え置いたと、3月30日付ブルームバーグが伝える。記事によれば、3月30日、タイ中央銀行の金利決定委員会はエコノミストらの予想通り、政策金利の翌日物レポ金利を15回連続で過去最低の0.5%に据え置くことを全会一致で決定した。その一方で、今年のインフレ率見通しを4.9%に引き上げ、12月に予測した1.7%からさらに引き上げた。これについては、原油と食料価格の上昇により今年のインフレ率は目標を上回るが、パンデミックに揺れる経済を支えるために政策金利を安定的に維持すると説明している。ピッティ・ディシャタット副総裁は声明の中で、インフレ率は供給圧力が緩和され、需要が比較的低いままであるため、来年には目標内に緩和されるだろうが、その前に第2四半期と第3四半期には5%を超える可能性があると述べ、ただし中期的なインフレ率は引き続きターゲット内であると付け加えた。シンガポールのOCBC (華僑銀行)金利ストラテジストのフランシス・チュン氏は「タイ中央銀行は利上げを遅らせようとしているが経済が回復を続ける中、バランスは徐々にインフレの上昇リスクに移行するかもしれない」と語っている。

 30日、タイ中央銀行は今年の国内総生産見通しを3.4%から3.2%に、来年の見通しを4.7%から4.4%に引き下げた。エネルギー純輸入国であるタイは、ロシアのウクライナ侵攻に伴う原油価格の急騰を受けてコスト上昇に直面している。先月にはインフレ率はすでに13年ぶりの速いペースに加速しているが、金融政策当局はパンデミックからの景気回復を支えることに重点を置き、インフレ問題の緩和は財政当局に委ねるのが適切だとの見方を示した。先週、アルコム財務大臣は景気回復を維持するために金融政策と財政政策を連動させる必要があると述べている。政府はまた、主にエネルギー価格の補助を目的とした802億バーツ(24億ドル)相当の措置を発表した。

 以上のように、タイ中央銀行はロシアのウクライナ侵攻に伴う原油価格の急騰を受けてインフレ率がすでに13年ぶりの速いペースに加速しているなかで、パンデミックに揺れる景気を支えるために政策金利の翌日物レポ金利を据え置いた。政策金利の据え置きは15回連続で過去最低の0.5%のままとなった。それでも経済成長率は今年も来年も引き下げられており、やむを得ない決定と思われる。因みに20年の2月会合で政策金利を0.25ポイント引き下げた後、3月の緊急会合で新型コロナの世界的大流行の悪影響によりタイ経済の景気後退懸念が強まったとして、追加で0.25ポイント引き下げた。その後、5月に20年で3回目となる利下げを実施し、以後15会合連続で据え置いている。


インド

☆ 石油市場の新たな現実と向き合うインド

 インド経済にとって、原油価格の高騰ほど戦争や疫病といった事態を招きかねないものはない。昨年のインド全体の輸入支出に占める石油製品の割合は4分の1を超え、他のどの大国よりも多い。ロシアの安価な原油を輸入すれば節約になるのだが、問題はロシア産石油をどう決済するかだと4月? 日付エコノミスト誌は指摘し、さらに以下のように報じる。
 インドは、欧米が制裁を課している中でウクライナに侵攻したロシアへの非難を控えている。しかし、ロシアの大手銀行は国境を越えた取引に使われるSWIFTメッセージングシステムから切り離され、ドルの使用も米国の措置によってほぼ阻止されたため貿易が複雑になっている。この記事の執筆後となる3月31日にロシアのラブロフ外相がデリーを訪問する予定であった。その際、制裁を回避してロシアの石油をインドに販売する方法を探ることが議題の一つになると予想された。
 両国の石油・ガス企業は、すでに協力関係にある。例えば、インド政府の海外石油開発部門であるONGCヴィデッシュ(ONGC Videsh)は、ロシアで3つのプロジェクトに関わっており、ロシア国営大手のロスネフチ(Rosneft、ロシア石油。ロシア最大の国営石油会社)は、ムンバイに拠点を置き、グジャラート州で6000カ所の給油所と大規模製油所を持つナヤラ・エネルギー(株式非公開の石油会社)の株式を49%保有している。

 しかし、両国間の石油貿易は限られており、インド政府によると昨年の石油輸入のうちロシアからの輸入は1%未満であった。貿易が微々たるものであるのは、政治というより地理的状況を反映している。インドは、同じく米国の制裁に直面したイランから2019年頃まで石油を購入していた。しかし、イランはインドと水域で隔てられているだけだ。一方、ロシアからインドへは陸路の直行便も短い水路もない。ここ数週間、インドのメディアでは、国営石油会社によるロシア産原油の新たな購入契約の詳細が相次いで報道された。ヒンドスタン石油は200万バレル、インド石油は300万バレルを購入したと言われている。マンガロール製油所と石油化学は100万バレルを購入しようとしている。その他にもロシアの石油を落札していると言われている先があり、合わせて1500万バレルに達し、これはインドの消費量の3日分に相当する。しかし、こうした動きは緊密な中ロ関係の始まりの兆候とみられている。ロシアは原油取引の輸送費と保険料を負担し、大幅な値引きを申し出ているという。

 しかし、最大の難関は支払いである。2011年に制裁を受けたイランとの取引では、インドは国営企業のウコ銀行(UCO銀行。旧ユナイテッドコマーシャル銀行。1943年にコルカタに設立されたインドの国有銀行の一つ)を利用した。ウコ銀行はシンガポール、香港、テヘランにのみ海外事業を展開しており、欧米の規制の網の目から外れていた。しかし、今回シンガポールはロシアとの取引を取り締まり、ウコ銀行は使えなくなった。そのため、インド政府と中央銀行は他の選択肢を検討している。その一つは、ロシアのSWIFTに代わるSPFSを利用してクロスボーダー取引を行うことで、ドルの金融制裁を回避する案が考えられているとされる。またロシアの輸出業者向けにルピー建て口座を開設し、ロシアの大手銀行数行のインド事業を取引の窓口として利用する案もあるとされる。しかし問題は両国間の貿易がアンバランスであることだ。インドはロシアから輸出の2倍以上を輸入しており、これではロシアの売り手が不要なルピーを抱え込むことになる。両国関係者には、熟考すべきことが多々ある。

 以上のように、インドの輸入全体占める石油製品の割合は4分の1を超えており、原油価格の高騰は経済に大きな打撃を与えている。他方、ロシアからの原油輸入は地理的事情もあり全体の1%程度に止まっており、今後、インドとしては安価なロシア産原油輸入を急増させたいところだが、決済方法の問題があい路となっている。こうした中、ロシアのラブロフ外相が3月末に訪印し、この問題を含めインド、ロシア間の貿易拡大に向けて協議が始まった。決済方法としては、SWIFTに代わるロシアのSPFSの利用などが検討されている模様。これに対してバイデン米大統領がモディ首相に自制を促していると報じられており、今後の印米ロ関係の動きについて、目が離せなくなった。

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主要紙の社説・論説から

ウクライナ戦争と世界経済-新時代の経済紛争を呼び起こすウクライナ戦争


 前号に続き、今回はウクライナ戦争が世界の経済、金融に及ぼす影響についての報道や論調を観察した。以下はその要約である。
 まずウクライナ戦争の世界経済全体に及ぼす影響について3月5日付エコノミスト誌は、「A new age of economic conflict (新時代の経済紛争)」と題する社説で、ロシアによるウクライナ侵攻は、世界経済の分断を深め、ハイリスクな経済戦争の新時代を告げるものだと論じる。社説は、西側のロシアに対する制裁は壊滅的で影響は甚大であり、今後、こうした制裁措置の管理を明確にすべきだと主張する。すなわち西側諸国がロシアに課している措置は非常に強力で1.6兆ドル規模のロシア経済に混乱を引き起こし、プーチン大統領に核の脅威を早速表明させることに繋がり、世界中に警戒心を抱かせるだろうと述べ、特に中国は台湾をめぐる戦争のコストを見直すことになると指摘する。欧米の優先課題は、ロシアとの経済的対決に勝つことであるが、より広範な自給自足体制(autarky)への移行を防ぐために、こうした経済的武器を管理するための理論を用意する必要があると主張する。

 さらに社説は、今回の対ロ制裁の内容と影響について次のように報じる。2月26日、世界第11位の経済大国であるロシアに制裁が発動された。欧米企業がロシアの大手銀行と取引することは、エネルギー貿易を除いて違法となり、ロシアの銀行が世界の決済システムから追放されたことで、国境を越えた資金の流れは途絶えようとしている。ロシアの中央銀行に対する措置によって、6300億ドルという膨大な外貨準備の大部分が利用できなくなり、ロシアの信頼は失墜した。資本が流出し、高騰するインフレのためにルーブルは今年28%、そして株価もオフショア取引で90%以上もそれぞれ下落した。多国籍企業は撤退し、モスクワからムルマンスクまでロシア人は銀行の前に列をなしている。
 社説は、こうした西側の制裁に対してロシアが報復行為に出ることについて、プーチン氏はガス供給を停止させるなど独自の経済兵器で報復可能だと述べ、これに対して西側は、ロシアにとってダメージの大きい対応をすることにより、ロシアの報復行為を割に合わないものとする必要があるとし、技術サービスや石油輸出を阻止する能力を通じて、西側諸国は優位に立てると提言する。社説は、中国のような専制国家は極度に神経を尖らせているだろうと述べ、中国はサプライチェーンを遮断することで欧米に莫大な経済的損失を与えることができるが、台湾をめぐる戦争が起きれば欧米は中国の3.3兆ドルの外貨準備を凍結できることは明らかとなったと指摘する。同時に、今後の技術革新により新決済ネットワークが構築される可能性や2億6100万人のユーザーがいる中国のデジタル通貨実験を挙げて、欧米の銀行システムを迂回する国が増えるだろうと予想する。
 最後に社説は、欧米は多くの国に厳しさを増した制裁を科し、その主導する金融システムから多くの国を切り離す危険を冒してきたと批判し、ウクライナ危機後、制裁を適切にコントロールする方策を明確にすべきだと主張する。すなわち、低レベルの制裁の乱発は抑制すべきであり、ロシアに対して行われているような壊滅的な規模の経済全般にわたる制裁は、賢明に使用されなければならないとし、最悪の侵略行為や戦争にのみ用いられることを明確にすべきだと強調する。

 次に、ロシアの経済的武器の一つであるコモディティの問題を観察する。3月12日付エコノミスト誌は「War and sanctions have caused commodities chaos (戦争と制裁がもたらすコモディティの混乱)」と題する社説で、世界的なコモディティ危機は、深刻な経済的ダメージと政治的混乱を引き起こすと述べ、1970年代のオイルショックや2010年と11年の穀物価格の高騰を挙げ、深刻なインフレと不況、「アラブの春」と独裁者打倒などの経済的政治的混乱の引き金となったと指摘。今日、ロシアのウクライナ侵攻は世界最大のコモディティ輸出国の一つであるロシアを孤立させ、オイルショック以来最大のコモディティ・ショックと第一次世界大戦以来最悪の小麦供給の混乱を引き起こし、商品取引所はすでに混乱状態にあると報じる。
 しかし、ロシアへの制裁が強化されプーチンが報復に出れば、こうした事態はさらに劇的に進行することは間違いないとし、西側諸国政府は、このコモディティの脅威にも断固とした態度で対応すべきだと主張する。エネルギー、金属、食糧の各市場で起きている混乱は広範かつ過酷で、コモディティ価格の総合指数は2022年の年初に比べ26%上昇し、ブレント原油1バレルのコストは、1990年のイラクによるクウェート侵攻以来最大の供給ショックを受け、欧州のガソリン価格はほぼ3倍に跳ね上がったと述べ、電気自動車などに使用されるニッケルの価格は急騰し、中国の投機家は数十億ドルの損失を抱えていると報じる。
 社説は、事態はさらに悪化する可能性があると述べ、3月8日、米政府がロシアからの石油購入を禁止すると発表したと報じ、米国はロシア産原油の消費量が少ないがEUが禁輸に参加すれば、ロシア産原油と精製品の輸出量日量700万~800万バレルの約3分の2、世界供給の約5%に相当する量が影響を受け、原油価格を1バレル200ドル方向に引き上げる可能性があると伝える。一方、食料不足に陥った場合、各国が輸出を禁止することで、世界貿易が互いの報復行動で崩壊状態になることが多いという苦い経験もあると補足する。
 このコモディティ災害の影響は過酷なものになる可能性があるとし、経済に限って言えば、世界は1970年代に比べて国内総生産(GDP)比のエネルギー集約度がはるかに低くなっているが、すでに7%に達している世界のインフレ率はさらに2~3%ポイント上昇するかもしれないと予測する。企業の信頼は失われ、金利は上昇し、成長は鈍化するかもしれないとし、政治の世界では少なくとも11月に行われる米国の中間選挙で指導者は怒れる有権者たちと向き合うことになり、2018年のフランスでガソリン代に激怒した黄色いベスト運動が思い出されると述べる。食料と燃料が人々の支出の大部分を占めている貧しい国では、反発はさらに激しくなる可能性があり、2007年から08年にかけての食糧価格の高騰は48カ国で暴動に発展し、現在もすでにパニックや不安の兆しが見られると指摘する。
 このような苦悩と不安はまた、戦争を始めたロシアの決断に対する西側の対応の信頼性を損なう恐れがあるとし、プーチン大統領は、世界の痛みが大きければ大きいほど、西側諸国による制裁の維持が難しくなると判断し、様子見を決め込むと述べ、これは、西側諸国政府がコモディティ不足の悪影響に対抗するためのもう一つの理由となるとし、優先すべきは供給量の増加だと指摘する。対策として、石油の増産を拒否しているサウジアラビアを含むOPECの同盟国に対する米国の外交努力、豊かな国々による15億バレルの石油備蓄の放出、バイデン政権によるシェール掘削業者に対する増産奨励、EU政府による原子力、再生可能エネルギー、石炭による発電促進、冬に備えたガス備蓄、さらに最悪の場合、ガソリンの配給制の導入などを挙げる。
 社説は最後に、貧しい国の窮状はもっと深刻で、食料と石油の輸入国の中には国際収支の圧迫と通貨の暴落に直面する国もあり、欧州でもバルト諸国など一部の国は、ガソリンの供給停止にさらされる恐れがあると述べ、欧米諸国は世界的な金融セーフティネットを強化すべきだと主張する。このため米連邦準備制度理事会(FRB)と国際通貨基金(IMF)は、脆弱な友好国にハードカレンシーによる融資を受けやすくし、欧州は危機のコストを分散させるために共同債を発行する構想を進めるべきだと提言し、西側諸国は指導力を発揮すべきだと強調する。

 コモディティ危機の中で特に懸念されている食糧不足の問題について、3月13日付フィナンシャル・タイムズは「Russia’s invasion to have ‘enormous impact’ on world food supplies (ロシアの侵攻は世界の食糧供給に「甚大な影響」を与える)」と題する記事で、産業界の幹部や欧州の有力者によれば、ロシアのウクライナに対する戦争は、食品価格の高騰や農産物のサプライチェーンの大混乱を通じて世界中の消費者が「多大な影響」を受けることになると報じる。特にウクライナの大手食品サプライヤーのトップは、ウクライナ国内の供給だけでなく、同国が世界中に輸出する大量の穀物や植物油にとっても重要な春の植え付けシーズンを懸念しており、「この紛争は、ウクライナとロシアの世界への供給能力に多大な影響を及ぼす」と語り、作付けシーズンの成否は、「今後1、2週間の軍事行動」によって決まるだろうと付け加えたと報じ、ロシア軍がウクライナ西部に進出してくれば事態は危うくなると伝える。
 記事はさらに、国連商品貿易統計データベースによると、ウクライナはロシアとともに世界市場への主要な穀物とヒマワリ油の供給国で世界の小麦輸出の10分の1弱、トウモロコシの約13%、ヒマワリ油市場の半分以上を占めていると述べ、栽培地の作付け不振によるインフレ・スパイラルの懸念があると次のように報じる。ロシアの侵攻後、商品価格は高騰し、小麦は一時史上最高値を記録した。関係者は小麦、トウモロコシ、その他の農産物の価格が「インフレ・スパイラル」を起こすと警告している。国連食糧農業機関(UN Food and Agriculture Organization)は、紛争のためにウクライナの作物栽培地の最大30%が今年作付けされないか、収穫されないだろうと警告している。国際的な制裁により、ロシアが農作物(crops)を輸出できるかどうかは依然として不明だが、輸出市場を失うことは同国の農家を直撃し、生産量の減少につながると国連の報告書は述べている。ロシア侵攻を受けて招集されたG7農相会合に出席した閣僚は、各国に輸出禁止を避け、食料・農産物市場の開放を維持するよう呼びかけた。EUはトウモロコシの半分をウクライナから、肥料の3分の1をロシアから調達している。ロシアの同盟国であるベラルーシもまた、重要な肥料供給国である。肥料価格は高騰し、窒素肥料の主原料である天然ガス価格の高騰も供給を脅かしている。また黒海の港が事実上閉鎖されているため、ウクライナとロシアからのサプライチェーンは「破綻」している。

 最後にロシア国債の債務不履行に伴う世界経済の金融リスクについて観察する。3月21日付ワシントン・ポストは、「The unpredictable risks of a new Russian debt crisis (ロシア債務危機の予測不可能なリスク)」と題する記事で、今回のロシア債務危機は、ロシア政府が潤沢な資金を保有しているなかで、ウクライナへの侵攻に対する罰として、米欧日当局がその大部分を凍結したことに起因しており、1998年のロシア危機と異なると述べ、前回のロシアの債務不履行が1997年のアジア金融危機と2001年のアルゼンチンの債務不履行の狭間で起きた激動の98年と違い、現在の世界経済はかなり安定していると指摘する。さらにロシアは国内総生産では世界経済のトップ10にも入っておらず、海外債権者に対する債務は62億5000万ドルで、そのうち21億5000万ドルはドルやユーロでの返済が必要とされており、ロシア国債を大量に保有する欧米の大手資金運用会社や年金基金などは、痛手を被ることになるだろうが、世界的に見れば大した額ではないと補足する。
 ただし、ロシアの債務に関連するクレジット・デフォルト・スワップのようなエキゾチックな金融商品やその他の負債が世界的にどの程度影響を及ぼしているかは、まだ評価するのが難しいと述べ、ロシアのデフォルトは政府、企業、またはその両方によるものであるが、通貨変動やすでに上昇している各国の借入金利を加速させ、社会事業の資金調達、インフラ建設、自国の債務返済能力を圧迫することで様々な連鎖反応を引き起こす可能性があるとし、しかもFRBが金利引き上げに動き、世界的に安価な資金の流れに終止符を打ったことで、借入コストは世界的に上昇していると述べる。
 特に公的債務残高の増加している新興国への被害が大きいとし、独立以来最悪の経済危機に陥っているスリランカやIMFからの資金援助が必要としているインド、近隣のグルジア、ウクライナとロシアの穀物輸出に大きく依存しているエジプト、対外的な資金需要が多いトルコなどを挙げる。さらに外国人投資家がロシアを避けるため、ロシアは今後何年も金融的に孤立し、重債務を抱える企業新が新規の信用供与の壁に直面し、ロシア企業の債務不履行リスクへの懸念が高まっていると指摘する。

結び:以上のようなメディアの論調をいくつかの論点から整理してみたい。
第1にウクライナ戦争の世界経済に与える影響の持つ歴史的意義である。世界経済の分断を深め、ハイリスクな経済戦争の新時代を告げるというメディアの分析は、確かに見立てのとおりであろう。ロシアの銀行の欧米企業との取引の非合法化と世界決済システムからの追放によって国境を越えた資金移動はとん挫の危機にあり、技術革新による新決済ネットワークの構築可能性や2億人余りのユーザーがいる中国のデジタル通貨実験の帰趨は十分注視していく必要がある。

第2に対ロ制裁のような特段に厳しい制裁措置の管理を明確にすべきだという指摘である。欧米は多くの国に厳しい制裁を科してきたのは事実であり、その主導する金融システムから多くの国を切り離す危険を冒してきたとの批判は免れないだろう。したがって、ロシアに対するような壊滅的な規模の経済制裁は、最悪の侵略行為や戦争にのみ用いられることを明確にすべきであろう。例えば中国が台湾に軍事侵攻した場合には、その適用が想定されて然るべきことは言うまでもないだろう。

第3にロシアの経済的武器の一つであるエネルギー、食糧、金属などのコモディティの問題である。コモディティ危機は深刻な経済的ダメージと政治的混乱を引き起こす。コモディティ価格総合指数は今年初から26%上昇し、欧州のガソリン価格はほぼ3倍に跳ね上がり、ニッケル価格も急騰しているという。プーチンが報復に出れば、事態はさらに悪化するのは間違いない。西側諸国がこうしたコモディティの脅威に断固と対応すべきことは当然である。
ただしコモディティ危機といってもコモディティの内容は多様であり、対応は容易ではない。エネルギーについては、米政府によるロシアからの石油購入禁止にEUが参加すれば世界供給の約5%に相当する量が影響を受け、原油価格を1バレル200ドル方向に引き上げる可能性があるとみられている。さらにコモディティ災害は企業の信頼喪失、金利の上昇、成長の鈍化そしてインフレ率の高騰を招く可能性がある。各国政府はその影響や余波を十分見定めつつ、政策対応を進める必要がある。
 なお、ロシアはガス供給停止などの経済兵器で報復可能であり、これに対し西側は、ロシアにとってダメージの大きい対応をすることにより、ロシアの報復行為を割に合わないものとする必要があるとメディアは主張し、技術サービスや石油輸出を阻止する能力を通じて、西側諸国は優位に立てると提言している。西側政府は参考とすべきだろう。また世界の痛みが大きくなる中でプーチン大統領は西側諸国による制裁の維持が難しくなると判断し様子見を決め込むとみられ、西側諸国政府は対応を誤ると信頼を失う危険があるとの警告にも留意すべきだ。さらにメディアは、対応策として供給量の増加を最優先すべきだと述べ、具対策を幾つか提示している。これも十分参考とすべきである。

第4にコモディティの中で特に懸念されるのが食糧不足である。ウクライナ戦争が食品価格の高騰や農産物サプライチェーンの混乱を通じて消費者に多大な打撃を与えるのは間違いない。ロシア侵攻後、商品価格は高騰し、小麦は一時史上最高値を記録。小麦、トウモロコシ、その他の農産物の価格が「インフレ・スパイラル」を起こすと関係者は警告する。またウクライナとロシアは世界市場への主要な穀物とヒマワリ油の供給国であり、戦争の重要な春の植え付けへの影響が懸念される。穀物の他に肥料価格の高騰も懸念材料であろう。食料不足に陥った場合、各国が輸出を禁止することで世界貿易が互いの報復行動で崩壊状態になる可能性が指摘されているが、西側政府が主導し、こうした事態の防止に努めるべきだ。政治指導者は特に食料、燃料の支出が多い貧困国での反発やパニック、不安に備える必要があろう。

第5にウクライナ危機と金融危機との関連である。今回は、ロシア中央銀行の外貨準備の大部分が凍結されるなど前例のない対ロ制裁が実行された。ロシア経済は衝撃を受け、ルーブルは暴落、ロシアの外貨建債務の債務不履行が懸念されるに至り、ロシア債務危機という予測不可能なリスクが発生した。ただしロシア経済は比較的小規模で、外貨建ての対外債務残高も小さいことからさほど懸念される必要はないとみられ、むしろ通貨変動や各国の借入金利の上昇加速などの影響を通して、公的債務残高の増加している新興国への波及を注視する必要があろう。その意味で、食料や石油を輸入に依存し、国際収支上の問題が発生した国を支援する金融セーフティネットの強化が望まれるのは、メディアの指摘どおりである。

第6に中国の台湾、そして今後のロシアとの関係へ与える影響である。メデイアは、米欧が中国の3.3兆ドルの外貨準備を凍結できるのが明白になったことから、中国は台湾をめぐる戦争コストの見直しに迫られるだろうと指摘する。確かに中国にとってアキレス腱となる問題であり、台湾軍事侵攻に対する強力な牽制となろう。この問題も含め、中台関係は今後、米中ロの大きな枠組みのなかで考えていく必要が出てきたと言えよう。


         § § § § § § § § § § 
(主要トピックス)

2022年
3月16日 韓国政府、新型コロナウイルス新規感染者が初めて40万人
      超と発表。感染者数は世界最悪へ。
   18日 バイデン米大統領と中国の習近平国家主席、テレビ会議。ロシアの
                ウクライナ侵攻をめぐり軍事・経済面でのロシア支援について
                中国に警告。
   19日   岸田文雄首相、インドを訪問、モディ首相と会談。
                対ロ制裁での協調を促す。
   21日   岸田首相、今年、東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国を務める
                カンボジァ訪問、フンセン首相と会談。
   24日   北朝鮮、新型大陸間弾道ミサイルを発射実験。
         日本海の排他的経済水域へ落下。
   25日 韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領、中国の習近平
                 国家主席と電話会談。習氏はサプライチェーン(供給網)の     
                 安定へ積極的に努力したいと呼びかけ。
   26日 中国の王毅国務委員兼外相、インドのニューデリーを電撃訪問、
                 ジャイシャンカル外相と会談。
   29日 シンガポールのリー・シェンロン首相、バイデン米大統領と会談。
                 共同声明で「ウクライナ戦争はインド太平洋地域に負の影響を与
                 える」と表明。
   31日 中国外務省、南太平洋のソロモン諸島と2国間の安全保障協定に
                 基本合意したと発表。
4月  1日 日本政府、北朝鮮の核・ミサイル開発に関与した4団体9個人を
                 新たに資産凍結の対象とする追加制裁を決定。
      国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会専門家パネル、
                対北朝鮮制裁年次報告書を公表。暗号資産取引所への攻撃や石炭
                などの輸出で得た資金で核・ミサイル開発を継続。
    4日 香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官、不出馬を表明。
                次期行政長官に警察出身の李家超・政務官が有力。
    5日 米国務省、台湾に地対空ミサイル「パトリオット」の運用、
                維持のための技術支援と関連装備の売却を承認。
    8日 中国の習近平国家主席、フィリピンのドゥテルテ大統領と
                電話会談。フィリピン製品の輸入拡大を提案。
    9日 日本とフィリピン、外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を都内で
                初開催。中国の海洋進出やロシアのウクライナ侵攻を念頭に
              「力による一方的な現状変更に反対」を確認。
  11日 バイデン米大統領、インドのモディ首相とオンライン協議。
               日米豪印「Quad (クアッド)」対面首脳会合の日本での5月開催に
               出席する見通しを表明。
    14日 韓国銀行、政策金利を0.25%引き上げて年1.50%とした。
               利上げは約3カ月ぶり。
  15日   中国人民銀行、市中銀行から強制的に預かる「預金準備率」を
     0.25~0.5%引き下げると発表。

主要資料は以下の通りで、原則、電子版を使用しています。(カッコ内は邦文名) THE WALL STREET JOURNAL (ウォール・ストリート・ジャーナル)、THE FINANCIAL TIMES (フィナンシャル・タイムズ)、THE NEWYORK TIMES (ニューヨーク・タイムズ)、THE LOS ANGELES TIMES (ロサンゼルス・タイムズ)、THE WASHINGTON POST (ワシントン・ポスト)、THE GUARDIAN (ガーディアン)、BLOOMBERG・BUSINESSWEEK (ブルームバーグ・ビジネスウイーク)、TIME (タイム)、THE ECONOMIST (エコノミスト)、REUTER (ロイター通信)など。なお、韓国聯合ニュースや中国人民日報の日本語版なども参考資料として参照し、各国統計数値など一部資料は本邦紙も利用。


  
前田 高昭
金融翻訳ジャーナリスト、社団法人 日本翻訳協会 会員、翻訳家。
訳書に『チャイナCEO』他。
『東アジアニュースレター
』も配信中。 

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