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東アジア・ニュースレター ― 海外メディアからみた東アジアと日本 ― 第123回

2021/03/22

東アジア・ニュースレター
――海外メディアからみた東アジアと日本――
第123回







前田 高昭 : 金融 翻訳 ジャーナリスト
           バベル翻訳大学院プロフェッサー 

 
 
 
 中国指導部は先の全人代低水準の成長率目標を打ち出した。これは巨大な債務に対する中国政府の恐怖感のためだとメディアは指摘する。既に中国の負債総額は、パンデミック前のGDPの250%から270%に上昇しており、高い成長目標を掲げれば、中央政府も地方政府が再び支出を増やし、債務を積み上げるのを警戒しているためだと説明する。同時に問題を解決するには、増大する債務不履行への対処が必要だと指摘。コロナウイルスのために低成長に悩む世界経済には、世界第2位の中国経済が債務インフルエンザにかかる状況に耐える余裕はないとして、債務不履行問題への対応を早急に求めている。

 台湾関係でメディアは、中国にとって台湾奪取は神聖な国家使命以上の意味を持つと述べ、その中国の行動を抑えてきたのは米国の軍事力だったが、今やそれが崩れつつあり、しかも同盟国を結集するのも難しい状況にあると報じる。さらに指導部は「平和的再統一」に対してしびれを切らしており、台湾回復のコストが耐えられるものになれば、中国は行動を起こすだろうと予言する。中国が香港を共産党体制に組み込んだ今、次の標的として台湾が急浮上していると考えられ、メディアの不気味な予言が現実味を帯びている。 

 韓国文大統領は任期の終盤に入って多国間主義の回復を呼びかけ、カーボンニュートラルTPP加盟問題などで大胆な公約を発表している。だが、それに見合う政策や対策を打ち出しておらず、世界の舞台でリーダーシップを発揮する機会を捉えようとしていないと批判されている。レームダック化した大統領が気軽かつ無責任に大胆な発言を繰り返しているとも思われ、後継者のために然るべき道筋を示しておくべきだろう。この他に韓国企業が大挙進出しているミャンマー軍事クーデターが発生し、軍事政権の国で大きなプレゼンスを維持することへの倫理上の問題も提起されている。 

 北朝鮮ハッカーによる仮想通貨窃取の実態について、メディアが14年のソニー・ピクチャー侵入事件や16年のバングラデシュ中央銀行からの現金窃取などの悪名高い事件にまで遡って伝える。ハッカーの犯罪行為は、マリンチェーンと呼ばれる新規コイン公開(ICO)による詐欺行為や多数の悪質なアプリケーションの開発などの巧妙で独特のスキームによるもので、米政府は窃取された資金の回収に努力する一方で圧力をかけるために刑事告発に動いている。

 東南アジア関係では、ミャンマー軍事クーデターの背景として、メディアは軍の実力者ミン・アウン・フライン将軍が7月に65才の定年を迎えていたことを挙げる。同将軍はクーデターによって現職に止まり、強大な権力と経済的利権を失わずにすんだのである。しかし国民、特に香港やタイの不服従運動に触発された若者たちの抵抗は予想を超えたと述べ、こうした運動はロヒンギャ迫害などでも展開されて然るべきだったと批判する一方で、命がけで抵抗する勇敢な市民を心から支援すべきだと訴える。

 インド経済はパンデミックによって甚大な被害を受け、深刻な不況に陥ったが、その不況から抜け出そうとしている。ただし回復は大企業に偏り、公式に記録されない非公式経済や非組織経済を構成する中小企業は回復から取り残されている。また成長率も6%を記録していた過去と比較して低水準にとどまっている。今後の見通しについてメディアは、ワクチン接種の遅れ変異ウイルスの脅威などから慎重にみる必要があると指摘する。

 主要紙社説・論説欄では、ブレグジット後の欧州経済情勢についてのメディアの報道と論調を取り上げた。

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北東アジア

中 国

☆ 債務不履行の増加と控えめな成長目標

 第13期第4回全国人民代表大会(全人代)が3月5日、開幕し、初日の活動報告で李克強首相は、今年度の経済成長率の目標を6%以上とする低水準に設定すると発表した。同日付ブルームバーグによると、李首相は「中国は21年に発展する中で多くのリスクや課題に引き続き直面するだろうが、長期的な成長を支える経済のファンダメンタルズは変わらない」と語り、「6%超の目標は改革とイノベーション、質の高い発展の促進にわれわれ全員が全てのエネルギーを注ぐことを可能にする」と説明した。これに対して3月5日付ウォール・ストリート・ジャーナルは「Nursing China’s Debt Hangover (債務による二日酔いを手当てする中国)」と題する社説で、次のように論じる。

 中国政府は、債券の債務不履行が増加するなか、経済成長目標を緩やかに設定した。6%という公式の年間経済成長率目標は他の国であれば途方もない数字である。しかし、中国では非常に控えめな目標であり、何かが起きているのは明らかだ。何かとは、巨大な債務の火山に対する中国政府の恐怖感の高まりではないか。李克強首相が年次全国人民代表大会で6%の経済成長率目標を明らかにした際、多くの観察者が首を傾げた。ほとんどのエコノミストは8から10%の成長を予想していたからだ。6%は昨年のパンデミック後の落ち込みとの比較であり、この成長率が達成できないことはあり得ないのだ。昨年、中国政府は成長目標を公表していなかった。これは90年代半ば以来のことで今年も目標設定を差し控えても不思議ではなかった。

 では、なぜ達成が確実な低い目標を公表したのか。それらしい理屈として考えられるのは債務抑制戦略の一環だという説明である。歴史をみると、目標を高めればこれに触発されて中央政府も地方政府も安価な信用を使ってどうでもよい公共事業に資金を提供したり、政治的につながった企業を助成するなどして、数字を作り上げてきたことがわかる。李首相と上司の習主席は、控えめな目標設定がこうした政府の対応に対する指導部の不快感を示すことになるのを期待していると思われる。

 そうであれば、もっと強い合図を発する必要があろう。他の経済計画では、中国政府は公共事業のための地方政府の借り入れの制限を僅かではあるが強化している。債券発行の割当量が昨年の3兆7500億元から3兆6500億元(5620億ドル)に減少し、国内総生産(GDP)比で3.7%から約3.4%に低下している。以前の景気刺激策の後、中国のインフラは飽和状態にあり、この新規借り入れで何を買うのかが分からない。

 中国政府は大きな課題に直面しているのを承知している。負債総額は、パンデミック前のGDPの250%から270%に上昇している。信用はあまりにも巨額で無意味な政府事業や国有企業、不動産に向かっている。そして生産的な民間企業向けはあまりにも少ない。銀行監督当局の郭秀清はこの問題を強調し、中国の不動産価格の「バブル」について警告を発した。

 この問題の解決は別の話となる。これまでのところ、中国政府は国有企業を含む多くの債務不履行を容認する戦略に固執している。キャピタル・エコノミクスによれば、過去6ヶ月間に初めて国有企業の債務不履行が民間企業を上回った。債務不履行は、今週チャイナ・フォーチュン・ランド・デベロップメント(華夏幸福基業股分有限公司)が5億3000万ドルの海外債券発行について引き起こしたことで、敏感な不動産業界と外国建て債券に及ぶに至った。政府の目的は、過大にならない程度に市場に規律を持たせることにある。政府はまた、債務者が債権者と返済契約に合意する解決策へ傾いている。これは債権者の損失に歯止めをかけながら、企業経営者を規律するためと思われる。

 これらすべての課題を考えると、6%は今年の経済成長率として現実的目標であり、中国が予想を上回る実績を挙げたことはこれまでもある。しかし、新型コロナウイルスのために低成長に悩む世界経済には、世界第2位の経済大国が債務インフルエンザにかかる状況に耐える余裕はないのである。

 以上のように社説は、指導部があえて低水準の成長率目標を打ち出したのは、巨大な債務に対する中国政府の強い恐怖感があるためだと指摘する。既に負債総額は、パンデミック前のGDPの250%から270%に上昇しており、高い成長目標を掲げれば、中央政府も地方政府が再び支出を増やし、債務を積み上げるのを警戒しているためだと説明する。同時に、この問題を解決するには、増大する債務不履行への対処という別の問題があると指摘。コロナウイルスのために低成長に悩む世界経済には、世界第2位の中国経済が債務インフルエンザにかかる状況に耐える余裕はないとして、債務不履行問題への対応を求めている。確かに、現在の世界経済は中国が債務不履行問題のために低成長率に甘んじることに耐える余裕に乏しいだろう。債務不履行問題に対する中国指導部の早急かつ真剣な対応が求められている。

 なお外貨建て債券の債務不履行の問題に関連して、外貨建ての起債は17年頃まで香港などのオフショア市場で中国企業が活発に起債していたが、昨年年央辺りから米中対立が先鋭化するに伴い減少し始め、償還のために起債するケースが多くなっていた。起債条件も20%を超えるような異常な高金利で発行される例も出現し、一部不払いのケースも発生していた。例えば、直近では上述のチャイナ・フォーチュン・ランド・デベロップメント(CFLD)に先立って、中国の有力半導体メーカーの紫光集団が昨年12月10日に満期のドル建て債4億5000万ドル相当で元本の不払いを引き起こしている。なおCFLDのケースではロイター通信は、同社が債務返済義務は履行すると言明していると報じている。


台 湾

☆ 台湾回復は中国の神聖な国家的使命

 2月20日付エコノミスト誌は、中国の台頭に伴い、その指導者の習近平国家主席は、この上なく重要で運命的な決断に迫られていると述べ、それは台湾に攻め入り、2400万人の民主的で親欧米の島を共産党の支配下に収めるかどうかという決断だと次のように論じる。

 いつの日か、習主席が征服者となり赤旗を付けた装甲のリムジンで台湾の首都台北の通りを走るとき、未完だった中国内戦の勝利者として毛沢東と並ぶ不滅の共産主義者となる。その習氏が人民解放軍に台湾の奪取を命じるかどうかは、何よりも米国が止められるかどうかという判断一つにかかっているだろう。台湾が71年間、自治の島として存在してきたのは、米国の中国侵略の抑止によるものだった。また中国は戦争を避けるために他の手を打ってきたので、そうした中国のある程度の忍耐の恩恵を受けたことも確かである。

 鄧小平以来、中国の指導者たちは台湾を経済的に本土に縛り付けてきた。また、「一国二制度」の解釈の下で中国政府の支配を受け入れることを条件に自治を約束して台湾国民を取り込もうとした。しかし「一国二制度」の概念は、昨年、同様の約束を得た香港市民が自由を粉砕されたことによって疑わしいから空約束に変わったのだ。とはいえ中国は「平和的再統一」に対してしびれを切らしており、冷静な計算の重要性が増している。根底に米軍が到着するまで台湾軍が持ちこたえるのではないかという危惧があり、中国は手控えてきたのだ。この中台対立の中心に米国が存在することについては、経験豊富なジョー・バイデン大統領と彼の外交政策の側近はよくわきまえている。そのため、バイデン大統領の就任4日目に国務省は台湾を脅かす軍事的、経済的、外交的試みについて中国を非難し、台湾に対するアメリカの誓約は「盤石」であると宣言した。しかし実際には、台湾侵略を抑止する米国の力は崩れてきている。主たる理由は、米軍を追い込むために20年以上にわたって高度な武器とスキルを懸命に追求してきた中国の努力である。もう一つは、習氏の歴史的運命観とその権威を強化するための大衆的国家主義の利用がある。 

 アメリカの学者や引退した高官は、一部のフォーラムで台湾への武器販売で170億ドル以上を承認したトランプ前政権を称賛している。しかし彼らはまた、台湾へのリスクを考えずに中国を挑発する方法として台湾に対する派手な支持を表明したトランプの側近を非難している。外交問題評議会(CFR)のリチャード・ハースのような学者兼外交官の中には、台湾侵略に対処するという明示的な誓約を避ける「戦略的あいまいさ」の政策を終わらせるよう米国に促している。この曖昧さは、台湾の政治家による早まった動きを思いとどまらせ、中国の怒りを買うのを避ける意図がある。ワシントンのシンクタンク戦略国際問題研究所の中国・台湾安全保障専門家ボニー・グレーザー氏は、バイデン政権は「事故や誤算の可能性を非常に心配している」ため、中国と台湾については、曖昧さを残さない決然とした態度で話すと語る。

 ジョージ・W・ブッシュ元大統領当時の国家安全保障担当補佐官でCFRの新しい論文「米国、中国、台湾:戦争を防ぐための戦略」の共同執筆者であるロバート・ブラックウィル氏は、アメリカが信頼できる「地政学的抑止力」を作り出し、軍事的な質の強化を図ることを望んでいる。同氏は、アメリカと日本などの同盟国は、中国が台湾を攻撃すれば、ドル建ての金融・貿易システムから追放されることを明らかにすべきだと主張する。

 中国抑止で最も難しいのは、侵略に挑戦できる堅牢な連合の構築である。このことは冷戦時代と比較しても問題の本質を捉えられない。例えば、西ベルリン問題と比較すると、その生存は米国とNATO同盟国によって不可欠な国益と見なされていた。このためソ連による西ベルリンへのアクセス遮断を止めさせるために戦争が計画された。しかし、ここで重要なのは、ソ連が経済的には矮小であったことだ。現在、米国の同盟国の間には、台湾の生存は不可欠な国益であり、最大の貿易相手国である中国を怒らせても構わないというコンセンサスは成立していないのである。

 一方、中国の指導者たちは、対外的な経済的圧力に対する自国の脆弱性を低下させようとしている。中国の退役空軍少将チャオ・リアンは昨年5月の記事で、台湾をめぐる戦争では、米国とその同盟国は中国の輸出入のシーレーンを封鎖し、中国の資本市場へのアクセスを遮断すると予測した。チャオ将軍は、中国の経済需要の世界依存度を減らす習氏の動きを正当として支持を表明し、台湾問題の鍵は、米国との強さの競争の結果にあると付け加えた。将軍はナショナリストの挑発者だが、そのコメントは習氏の見解を多く反映している。米同盟国はそれらを慎重に吟味すべきだろう。多くの中国人にとって、台湾の回復は単なる神聖な国家使命ではない。台湾の回復は、米国のグローバルな指導力が終わりに近づいていることを示す意味もある。中国が耐えられるコストで、この任務を完遂できると信じれば、中国は行動を起こすだろう。

 以上のように記事は、中国にとって台湾奪取は神聖な国家使命以上の意味を持つと伝え、その中国の行動を抑えてきたのは米国の軍事力だったが、今やそれが崩れつつあり、しかも同盟国を結集するのも難しいと報じる。しかし、中国指導部が香港の「一国二制度」を強引な手法で廃止し、香港を共産党体制に組み込んだ今、次の標的として台湾が浮上するのは必然となった。その場合、「平和的再統一」に対してしびれを切らしている指導部は当然、武力による手段を考えるだろう。記事が最後に指摘する台湾回復のコストが耐えられるものになれば、中国は行動を起こすだろうという不気味な予言は、現実味を帯びてきている。


韓 国

☆ 公約に行動が伴わない文大統領

 2月16日付ウォール・ストリート・ジャーナルは「Moon Jae-in has a chance to become a true global leader but it’s far from clear he’ll take it (グローバルな指導者となる機会を生かさない文大統領)」と題する記事で、文在寅大統領は多様な公約を宣言しているが行動が伴っておらず、グローバルな指導者となる機会があるにもかかわらず、これを生かす気があるかどうかが全くわからないと概略次のように論じる。 

 昨年9月、文在寅大統領が国連総会で演説した際、人類の協力の力はウイルスとは比べものにならない「強力な武器」になると強調した。多国間主義の回復は、コロナウイルス大流行の余波に対する世界的な戦いの中核的な柱となったと語った。その後の数ヶ月間、文大統領はそうした宣言に沿ういくつかの行動を示した。10月には日本と中国の指導者に続いて韓国も2050年までにカーボン排出量を正味ゼロにすると公約し、環境保護主義者を驚かせた。その後、1月に国際記者団との珍しい記者会見で文政権は環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)への参加申請を鋭意検討していると述べた。しかし環境保護主義者も外交官も文政権がこうした約束をどれほど真剣に守るかに疑問を感じ始めている。

 こうした疑問は、以前の宣言を推進するための実質的な政策や真剣な対策が示されていないことで真実味を帯びてきている。気候変動に関する活動では、韓国政府は電気自動車や水素、太陽光、風力エネルギーなどのグリーンに焦点を当てた産業刺激策として広く資金を送り込む「グリーンニューディール」を宣伝している。古い石炭火力発電所を段階的に廃止し始めたが、依然として新規の石炭発電所を建設している。これは10年後も全電力の約3分の1がまだ石炭に依存していることを意味する。またサムスン、現代、SKグループなどの強力なコングロマリットは、国内最大のエネルギーユーザーであるにもかかわらず、責任をもって問題に対処しようとしていない。文大統領のカーボンニュートラル目標の達成には、もっと広範なエネルギー転換が緊急に必要とされていると批判されている。韓国は世界第7位のカーボン排出国で、再生可能資源からの電力はわずか5%に止まっている。実際、調査機関の気候アクショントラッカーによると、韓国の政策はパリ協定の目標達成の観点からは「非常に不十分」として分類されている。

 CPTPP参加表明も似たような話である。トップから力強い言葉があったが、今のところ行動はほとんどみられない。多くの点で韓国にとって拡大汎太平洋貿易協定は自然な選択である。韓国は、この地域のサプライチェーンの中心にあり、ハイテク電子部品、デバイス、自動車、船舶、医薬品を生産している。さらに韓国政府はすでに現在のCPTPP加盟国と2国間自由貿易協定を結んでいる。しかし、文政権当局者は、韓国が真剣な参加計画を用意しているかどうかについて未だ意思表示していない。

 もっと大きな懸念はおそらく、影響を受ける産業とそのロビーグループ、すなわち自動車や農業部門の後押しを得るという厄介だが土台となる欠かせない国内の行動も始めていないことだろう。代わりに、世界貿易機関(WTO)事務局長に就任するためのユ・ミョンヒ(兪明希)韓国産業通商資源部(経済産業省に相当)通商交渉本部長のキャンペーンに、ここ数ヶ月にわたって重要な資源が費やされている。元韓国外交通商部通商交渉本部長の朴泰鎬(パク・テホ)は、ブレグジットやWTOの脆弱な状態、近年の米中貿易戦争などが世界貿易システムへ打撃を与えていることを考えると、地域貿易協定と多国間貿易協定が「追加的意味」をもっていると語る。「CPTPPは、世界貿易を統治するための選択肢の一つとして重要になっており、多国間取引システムに触媒的な圧力を与える」と述べる。同氏は、世界で最も炭素集約的な韓国経済を石炭から離離するには、韓国政府にも問題にどう取り組むかについて検討する時間が必要だと指摘する。

 同氏はまたCPTPP参加問題について、さほど難しい問題ではないと答え、「我々は本当に長い間、議論してきた」と述べる。文大統領と大統領府側近は、こうした長期的な課題に取り組むかどうかを検討しているが、ミャンマーの軍事クーデターが韓国政府の多国間主義へのコミットメントについて差し迫った試練を引き起こしたという。韓国はミャンマーに対する外国投資家のトップ10に入っている。現代や鉄鋼メーカーのポスコを含む韓国企業約300社がミャンマーで事業を展開しており、人権専門家は、軍事政権が支配する国でこのような大きなプレゼンスを維持してよいかと倫理上の厳しい疑問を突き付ける。

 すでに日本のキリンは、ミャンマー軍と関係のある醸造合弁事業を終了すると述べている。知的財産専門家グループのトレードシークレットは、ミャンマーの状況が悪化すれば韓国政府はこれらの質問に答えるのが難しくなるだろうと語っている。また多くの専門家もそうなると考えている。要約すると、トレードシークレットは5年間の任期の最後の年に入った文大統領はその潜在力を発揮し、真のグローバルリーダーシップの空白を埋める絶好の機会を逃しているのではないかと考えている。

 以上のように、文大統領は任期の終盤に入って国連を舞台にして多国間主義の回復を呼びかけ、カーボンニュートラルやTPP加盟問題などで大胆な提案を宣言しているが、それに見合う政策や本気度を示す対策を打ち出していないと指摘されている。加えて韓国企業が大挙進出しているミャンマーで軍事クーデターが起きたために軍事政権の国で大きなプレゼンスを維持してよいのかと倫理上の問題を提起されている。そのうえで文大統領は、世界の舞台でリーダーシップを発揮する折角の機会を捉えようとしていないと批判されている。こうしたメデイアの批判は至極当然であろう。再選が認められず、従って任期終盤に入って完全にレームダック化した大統領が気軽かつ無責任に大胆な発言を繰り返していると思われるからである。ただし、公約はまさしく政府として取り組むべき課題を明示しており、後継者のために然るべき道筋を示しておくのが当然であろう。


北 朝 鮮

☆ ハッカーによる仮想通貨窃取の実態

 米政府は、北朝鮮は仮想通貨のグローバルな窃盗を計画していると語り、米国司法省は北朝鮮政府のために13億ドルの窃盗を計画している北朝鮮のハッカーを告発すると宣言している。2月17日付ウォール・ストリート・ジャーナルは、「North Korea Turning to Cryptocurrency Schemes in Global Heists, U.S. Says (仮想通貨のグローバルな窃取計画に目を向ける北朝鮮)」と題する記事の冒頭で、司法省の国家安全保障部門の責任者ジョン・デマーズ氏は、北朝鮮は世界有数の銀行強盗になったと語っていると報じ、北朝鮮ハッカーによる仮想通貨窃取の実態を次のように伝える。

 米司法省は、北朝鮮の軍事情報機関2人のメンバーに対する起訴状を公表した。起訴状は、彼等が北朝鮮政府のために過去半年間に13億ドルを盗み出す計画を立て、その一環として米国を含む十数カ国の銀行や企業をハッキングしたと非難している。北朝鮮ハッカーは犯罪行為を仮想通貨の世界に集中させており、最近、悪質な仮想通貨アプリを設計し、ランサムウェア攻撃を開始。デジタル現金を求めて不正な新規コイン公開(ICO)を推進していると検察官は断罪する。

 新しい起訴状はジョン・チャン・ヒョクとキム・イルの2人をハッキング関連詐欺で起訴しているが、もう一人のパク・ジンヒョクも告発している。この3人目の男は、2016年にニューヨーク連邦準備銀行のバングラデシュ中銀口座から8100万ドルを窃取した事件及び14年のソニー・ピクチャー侵入事件への関与でも起訴されていた。

 今回告発しているのは、ビットコインが5万ドルを突破し、一般の人々のデジタル通貨への関心が高まるなか、そうした関心の高まりを反映した金儲け活動にかかわる犯罪行為である。司法省の国家安全保障部門のジョン・デマーズ長官は、「北朝鮮の工作員は、銃ではなくキーボードを使い、札束の山の代わりに仮想通貨のデジタル財布を盗み、世界有数の銀行強盗となった」と語る。

 北朝鮮は17年からマリンチェーンと呼ばれる新規コイン公開を開発し、投資家向けに海上船舶の持分の一部を表象するデジタルトークン(ビットコインと同類)を売り出した。しかし検察官は、マリンチェーンは詐欺だったと述べ、そのウェブサイトは現在インターネットから削除されている。北朝鮮のハッカーは、銀行システムに対して一連の高度な攻撃を仕掛け、数億ドルを窃取するなど経験を積んできた。サイバーセキュリティ企業のファイア・アイ(FireEye Inc.)のインテリジェンス分析ディレクターのジョン・ハルトキスト氏は、彼らの仮想通貨活動は「そうした域、あるいはそれ以上に達していると言え、一段と巧妙で独特のスキームになっている」と語る。

 18年から20年の間にハッカーは少なくとも9つの仮想通貨アプリケーションを構築し、トレードソフトウェアとかデジタルウォレットなどと称していたが、そのすべてが実際には悪意のあるアプリケーションだったと検察官は述べる。裁判所の文書によると、アプリケーションにはAnts2Whale、CoinGo、iCryptoFXのような名称が付けられ、「仮想通貨アルゴ取引用ツール」と記されていた。このアプリは、北朝鮮のハッカーにコンピューターシステムへの裏の侵入経路を与えるように設計されたと当局者は語る。20年8月にこれらのアプリケーションの1つであるCryptoNeuro Traderは、ニューヨークの金融機関に侵入してデータを盗み、それを恐喝の種にして同社のデジタルウォレットから約1180万ドルの仮想通貨を送金させている。

 北朝鮮は17年から20年にかけて、仮想資産を持つ少なくとも3つの金融会社をハッキングし、合計1億1200万ドルを窃取したと検察官は述べる。北朝鮮政府代表者はコメントを得ることができなかったが、過去にはハッキング活動への関与を否定してきた。米当局者は、被害者企業と協力して盗まれた資金の一部を回収しようとしていると語る。昨年北朝鮮のハッカーが米国に拠点を置く金融サービス会社に侵入した後、連邦捜査局は約180万ドルの仮想通貨を見つけて凍結し、先週、押収の令状を取得したとFBIのロサンゼルス・フィールドオフィスを運営するクリスティ・ジョンソンは語る。

 北朝鮮ハッカーは逮捕される可能性は低い。しかし彼らを起訴するのは、北朝鮮とその長期にわたるサイバー活動に協力する団体に対して圧力をかけるという米当局の継続的なキャンペーンの一環なのである。8月、連邦検察当局は北朝鮮のハッカーによって使用されていた280の仮想通貨アカウントの押収に動いた。これらの口座は米国を含む世界中の暗号通貨会社からの2億5000万ドル以上の窃取に利用されていた。

 以上のように記事は、14年のソニー・ピクチャー侵入事件や16年のバングラデシュ中銀からの現金窃取などの悪名高い事件にまで遡り、マリンチェーンと呼ばれる新規コイン公開(ICO)による詐欺行為や多数の悪質なアプリケーションの開発など巧妙で独特のスキームによる北朝鮮ハッカーの犯罪行為を伝えている。まさに北朝鮮は、銃口を突き付けて札束の山を奪取するのではなく、キーボードを叩いて仮想通貨のデジタル財布を奪う世界有数の銀行強盗に成り上がっている。米政府は、窃取された資金の回収に努力する一方で、圧力をかけるために告発に動いている。そうした努力がどのような効果を発揮するのか注目したい。


東南アジアほか

ミャンマー

軍事クーデターに徹底抗戦する市民

 世界は軍事支配と戦うミャンマーの抗議デモ参加者を支援しなければならないと2月18日付ニューヨーク・タイムズが社説「Support the Resistance in Myanmar (ミャンマーのレジスタンスを支援しよう)」で訴える。社説は冒頭で、文民政府は欠点だらけで限界があったが、国民大多数の選択による政府で、将来に対する唯一の希望であり、将軍らを排除しようと勇気を持って街頭に繰り出した人々は、世界の心からの支援に値すると次にように論じる。

 2月1日、国軍が完全な権力を取り戻すことを選んだ理由は推測に難くない。11月8日の選挙でアウン・サン・スー・チー氏率いる国民民主連盟が地滑りで勝利した。そのことは議会における軍の指定議席や軍が支配する主要な省庁を脅かすものではなかったが、特にまもなく引退が予定されているミン・アウン・フライン上級大将が定年を越えて職務に止まるには、文民政府指導者の同意が必要とされていたことに同将軍は腹に据えかねたのである。こうしたクーデターを皮肉っているのは、アウン・サン・スー・チー氏の起訴理由が外国製トランシーバー購入というあいまいな輸入法違反であり、ウィンミン大統領は、大規模な集会に関するパンデミック規則違反だったことだろう。

 将軍が予想していなかったのは、国民の怒りと香港とタイ市民による不服従運動に触発された新世代の抗議者の恐れ知らない態度だった。何十万人もの人々が街頭を行進し、クーデター以降、職場を去ったのである。若者の抗議者は、まるでカーニバルのような雰囲気で抵抗運動を展開し、特に建物の側壁に平和の鳩の挑戦的なイメージやアウン・サン・スーチー氏の笑顔などを映し出した。対照的にミン・アウン・フライン将軍の顔は、ポスターやオンラインで常に汚されていた。国営ニュースメディアはハッキングされ、ウェブサイトで点滅するメッセージは、軍事クーデターを拒否しよう、ミャンマーに正義をという呼びかけだった。

 もちろん、こうした動きには暗い面もある。ロヒンギャ少数民族に対する国軍の残忍な迫害に対しては、今回のような大規模な抗議行動は行われず、ロヒンギャの人々は隣国バングラデシュに逃れざるを得なかった。また多くの少数民族の総選挙参加排除にも反対はなかった。かつて民主主義と人権の英雄であったアウン・サン・スー・チー氏がロヒンギャのイスラム教徒を公に保護できず、国際司法裁判所で国軍による扱いを擁護した時、その国際社会での道徳的立場はひどく傷ついた。彼女はまた、自身への批判に不寛容であり、新世代の指導者の台頭を阻害したとも批判されている。

 しかし、今月の軍事クーデターによってスー・チー氏の権威は権力共有の気のなかった強力な軍の階級制度の下にあったことが今や判然となった。同氏が独立した権力を振るっていたら事態がどうなっていたかは分からないが、ミャンマーが多くの少数民族の公平な共存を形作る可能性は、非合法な軍事政権下よりも民主的で完全な民間政府の下ではるかに高かったに違いない。スー・チー氏が世界でいかに評判を損なったとしても現代ミャンマーの建国の父の娘である同氏は、多くのミャンマー人にとって、独裁政権に対峙する顔であることに変わりはないのである。

 米政府からの反応は、独裁者をあまやかして人権に無関心だったトランプ政権時代に比べて、気分を一新するように迅速かつ厳しくクーデターを非難した。バイデン大統領のチームは、将軍らに制裁を課し、米政府が保管する10億ドルの資金へのアクセスを禁ずると発表した。予想通り、中国とロシアはすでに国連安全保障理事会を通す行動を阻止することを明らかにしている。

 ミャンマーで起きていることは、スー・チー氏一人の問題ではなく、ミャンマーが直面している無数の複雑な問題についてのものですらない。それは国を個人の領地として扱った歴史を持つ、肩章の刺繍がある軍服を着た一人の男性によって盗まれた選挙の問題である。何百万人もの国民は、腐敗し、恣意的で搾取する無能な軍隊によって支配されるのを望んでいないことを勇敢に示している。勇気ある彼らを世界は全面的にサポートすべきだ。

 以上のように社説は、まず今回のクーデターの背景に軍の実力者ミン・アウン・フライン将軍が定年退官を控えていたという事実があったと指摘する。実際、同将軍は7月に65才となり退官の予定とされていたが、クーデターにより現職に止まり、強大な権力と経済的利権を失わずにすんだのである。しかし国民、特に香港やタイの不服従運動に触発された若者たちの抵抗は予想を超えたと社説は述べ、こうした運動はロヒンギャ迫害などでも展開されて然るべきだったと批判する一方で、命をかけて抵抗する勇敢な市民たちを心から支援すべきだと訴えている。


インド

☆ 不況から脱する経済

 インドは昨年の春と夏に世界で最も厳しく、かつ最長といえるロックダウンを課し、重要なサービスのみを認める措置を導入した。その結果、経済はほぼ停止し、多くの人々、特に公式に記録されない経済部門、非公式経済の労働者が職を失った。昨年こうした状況からインド経済は政府支出が拡大しているにもかかわらず第1四半期に24%縮小し、主要国の中で最悪の部類に入るパフォーマンスを示し、第2四半期に再び7%以上ものマイナス成長に陥った。

 しかし、経済はようやく深刻な不況から脱しようとしている。2月26日付ニューヨーク・タイムズは、初期段階の景気回復が本格化するに伴い、経済は不況から脱していると報じる。記事によれば、第3四半期に経済生産高が0.4%成長するなか、経済は深刻な景気後退から抜け出しているが、回復を推進しているのはサービス、農業、建設、一部の製造業であり、農民、日雇い労働者、人力車の運転手、その他何百万人もの人々を雇用する膨大な非公式経済は弱体のままである。特にサービス部門が脆弱で中小企業は景気後退の矢面に立つなど回復は不均一である。とはいえ、経済の回復はナレンドラ・モディ政権とコロナウイルスの大流行が国と世界経済に及ぼす影響に苦しんできたインドの家計にとって朗報である。しかし、その成長のペースは、経済が毎年6%以上成長してきた過去数年間に比べると緩慢である。

 パンデミックが損害を与える前の2年間、経済成長はすでにつまずきをみせていた。政府にとっての課題は、比較的若くて向上心のある人口のために機会を見つけることである。エコノミストは、回復はサービス、農業、建設、製造業の一部のセクターにおいて始まったと語る。サービス部門では、特に金融およびプロフェッショナルサービスが予想をはるかに越える良好な成績を収めているとオックスフォード・エコノミクスの南アジア代表プリヤンカ・キショアは述べる。「回復の拡大と成長の勢いが堅調なために今年の成長見通しが上振れる可能性が出てくる」と同氏は言う。しかし、ワクチン接種の開始が遅く、一部の州では症例が急増していること、新しい変異ウイルスによる脅威などを考えると当面は慎重でなければならないだろうと述べる。

 しかし、今のところパンデミックはおおむね抑え込まれているようであり、インドはロックダウンから抜け出している。変異ウイルスの症例は、昨年秋の1日当たり10万人近くに対し、1万5000人程度に減少した。死者数は、昨年の最悪時期の1日当たり1000人以上に対し約100人に減少している。ただし金融の中心であるムンバイを含む国内の一部の地域で再び感染例が増加している。

 上記のように報じた記事は、企業間格差の問題について次のように伝える。インド経済監視センターのマヘシュ・ヴィヤス最高経営責任者は「大企業では、利益が大幅に増加している。これは国内総生産(GDP)の数字に示めされている。2四半期連続で上場企業は前例のない記録的な利益を上げた」と述べ、「彼らは小規模産業を犠牲にして市場をつかんでいる。中小企業は生き残れない」と語っている。またニューデリーの社会科学研究所エコノミストのアルン・クマールは、GDPの数字は非公式経済への影響を反映していないと言う。「このデータは、非公式セクターについて全く説明しておらず、しかもそこが最も打撃を受けた部門だ。電子商取引の公式セクターは、レンガとモルタルの店を犠牲にして増えつつある」と語る。

 また今後の経済成長率について、様々な調査機関が21年のインド経済が10%以上成長すると予想しているが、インド政府は前四半期の成長率についてはプラス成長を予測していたにもかかわらず、3月に終了する今期の会計年度の成長率はマイナス8%になると述べていると報じる。

 以上のように、パンデミックによって甚大な被害を受けたインド経済は深刻な不況から抜け出そうとしている。しかし回復は大企業に偏り、公式に記録されない非公式経済や非組織経済を構成する中小企業は回復から取り残されている。また成長率も6%を記録していた過去と比較して低水準にとどまっている。今後の見通しは、ワクチン接種の遅れや変異ウイルスの脅威などから慎重にみる必要があろうと指摘されているが、現在パンデミックはおおむね抑え込まれているようであり、当面、明暗の材料が交錯するなか経済は徐々に回復に向かうものと期待される。

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主要紙の社説・論説から

英国のEU離脱(ブレグジット)後の欧州経済情勢


 英国は2016年6月、国民投票で欧州連合(European Union.以下、EU)からの離脱(以下、ブレグジット)を決定し、その4年半後の2020年1月31日、離脱協定に基づきEUから離脱した。その後、昨年末までの移行期間の間、ブレグジット後の貿易などの将来の関係に関する協定の交渉が行われ、昨年12月24日に合意に達した。英国の批准手続きと、EUの暫定適用の手続きが昨年中に終了し、本年1月1日から同協定の暫定適用が開始された。以下に新協定を踏まえて今後のユーロ圏や英国の経済情勢について論じた主要メディアの論調を要約して紹介する。なお合意内容は、貿易、通関、国境管理、魚業権、北アイルレランドなどに関するもので、概略を12月25日付ウォール・ストリート・ジャーナル記事「How the Brexit Deal Alters Relations Between the U.K. and European Union (日本版記事:ブレグジット合意、英EU関係ここが変わる)」がまとめているので、後述の注1で紹介した。

要約:12月25日付ウォール・ストリート・ジャーナル社説は、新協定は強硬離脱(ハードブレグジット)、すなわち合意なき離脱(no-deal Brexit)に近いと評する。一部のサービス貿易で最小限の制限を維持しつつ、モノの関税と割り当てをゼロにするが、手続きが増えることは避けられず、またEUが英国との貿易を「不公正」と見なせば、関税の再賦課が可能であり、さらに協定には金融サービスが含まれていないと指摘する。
また英国は、欧州市場への自由なアクセスを犠牲にして他国と新貿易協定締結の自由を得たので、その目的を完遂すべきであり、それは対米貿易協定の締結にあると主張。それには食品安全規制改革と医薬品調達の自由化を行う必要があると指摘する。協定に前向きなトランプ米政権と協定を結ぶ機会を逃したので、バイデン次期政権がどれほど保護貿易主義的な路線を取るかを決めるまで待たねばならないが、英米が協定を結べば、EUに追従を迫るような自由貿易の基準の設定が可能となると強調する。
 他方、EUも新協定に合意したことによって、欧州企業は合意なきブレグジットの深刻な混乱を回避できたが、EUにとっても真のチャンスは貿易の自由にあり、規制の統一などに固執しない姿勢で臨めば、今後、米国など他の主要な貿易協定で交渉しやすくなると提言する。最後に新協定は広く投資家や企業そして英国と欧州の一般市民などコロナ禍に悩む世界にとっても朗報だと指摘する。

2月19日付フィナンシャル・タイムズ記事は、ユーロ圏経済の近況について、パンデミックによる第2波の不況を避けるためには産業力が十分でないかもしれないと次のように伝える。2月に発表されたドイツ製造業のPMI (購買マネージャー指数)は1月の57.1から60.0へと3年ぶりの高水準に上昇し、フランスでも対応する指数が3.4ポイント上昇して55となった。50を上回る数字は、企業の大多数が前月から活動が伸びたと報告したことを示している。対照的にサービス業のPMIはドイツで0.8ポイント下落して45.9と9カ月ぶりの低水準となり、フランスでも47.3から43.6へと3カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。製造業が力強い上昇をみせている一因は、中国を含むアジア経済圏からの需要にあり、力強い回復を示す製造業が2月にユーロ圏全体のサービス業の低迷を部分的に相殺した。
 サービス部門はコロナウイルスの蔓延抑制のためのロックダウン措置、特に2月の措置で打撃を受けた。IHSマークイットのエコノミストは、第1四半期のGDPが再び下落する可能性を高めた」と語る。因みに、両セクターの平均である複合PMIは48.1と50を下回った。IHSマークイットのエコノミストは、しかし独生産者の努力やユーロ圏他地域全体での力強い生産動向から、工場生産は過去3年間で最速といえるペースで成長したと語っている。
 こう報じた記事は、ユーロ圏は昨年の最終四半期にマイナス成長に陥っており、今年第1四半期のGDPが再び下落すれば、マイナス成長が2四半期続くことになり、景気後退に陥ったと定義されることになると指摘。ユーロ圏製造業はこれを防止できるほど強力でないかもしれないと報じる。記事はさらに、コロナウイルス用ワクチンの成功に期待する企業は2月に以前より楽観的になってきたものの、製造業の復活は若干の逆風に直面していると述べ、部品不足と世界貿易の回復によるサプライチェーンの圧迫、記録的な配達量のための配送時間の長期化、工場渡し価格の急騰を挙げる。それでもユーロ圏は英国ほど大きな打撃を受けていないと記事は報じる。IHSマークイットによれば、英国でもブレグジットによってサプライチェーンの混乱が悪化、製造活動が弱まり、サービス企業は落ち込んでいると伝える。

 こうした英国経済について、2月11日付英ガーディアン記事は英国のブレグジットの代償はEUの4倍だと報じる。記事によれば、英国は加盟継続の場合と比較して2022年末までの2年間に400億ポンド以上の損失、すなわちGDPの約2.25%の損失を被るが、EUの損失は同期間に0.5%程度と欧州委員会は見積もっている。ただし貿易に対する相当の障壁が依然として残っており、英国にとってさらなる負担となろうと指摘したと報じる。
 さらに欧州委員会は、新システムの下で書類作業や税関検査、混乱などから追加コストと遅延が発生するとし、これをコスト換算するとEUにとって輸入品に対する10.9%、同じく英国にとって8.5%の関税に相当すると見積もっていると述べ、新協定に英国経済の8割を占めるサービスに関する取り決めがないことが英国と英サービス部門とのビジネスが重要であるEU諸国を傷つけるだろうと報じる。しかし合意に漕ぎ着けた貿易協定は、合意なきシナリオと世界貿易機関(WTO)の条件に戻る場合と比較して、EUはマイナスの影響を約3分の1、英国は4分の1減らすのに役立ったと説明していると伝える。次いで記事は経済成長率について、EUは2021年に3.7%、22年に3.9%となり、22年にパンデミック前の水準に戻るとみていると報じる。英国はイングランド銀行がワクチン管理で良好な進展があったため成長率は21年に5%、22年に7.25%に達し、GDPは年末に向けてパンデミック前の水準に戻るだろうとEUより早期の回復を予想していると伝える。

2月20日付英エコノミスト誌は、アムステルダムの金融センターが欧州最大の株式市場としてロンドンを追い抜き、パリやフランクフルトなどの大陸のライバルに対して優位に立ったと報じる。記事は、1月の1日平均欧州株式取引でアムステルダム証券取引所が92億ユーロを占めたのに対し、ロンドンは約86億ユーと前年1月の約半分の水準に落ち込んだと伝え、この首位交代は英国が1月1日に単一市場から離脱した後、EUはロンドンのシティに対して、比較的自由に欧州市場で取引できるようにする規制上の取り決めである「同等性」(注2)を与えることを拒否しており、その結果、欧州株の取引は大陸に移動せざるを得なくなっていたと指摘する。またアムステルダムが他の大陸市場を押さえた理由として、アムステルダム市場で注目度の高い上場が発表されてきたことを挙げ、独・仏・伊、ポーランドなどの有力企業による上場の動きを伝える。
 同時にアムステルダム市場の魅力として、デュアル・クラス・ストラクチャー(注3)の許容度などの規制とガバナンスの枠組みが企業にやや有利なこと、高速取引を容易にするインターネットインフラや広範な英語の普及などの実状を挙げる。ただし、昨年のアムステルダム上場企業は2社だったのに対し、ロンドン証券取引所は33社、今年はアムステルダムの1社に対し、ロンドンはすでに11社上場と指摘。ロンドンの王座は未だ揺らいでいないと述べる。
 そのうえで記事は、問題はこうしたブレグジット効果が一時的かどうかだと述べ、たとえEUが英国に同等性を与えたとしてもアムステルダムは取引量の増大に伴い、株式上場の市場として魅力を増すことになろうと述べ、アムステルダムの優位性はおそらく定着すると主張する。

 さらに2月18日付ロイター通信も金融ハブ争奪戦で伏兵のアムステルダムが先行し、ユーロ建て金利スワップ市場でも首位に立ち、株式デリバティブの立ち上げ計画や二酸化炭素(CO2)排出権取引をロンドンからアムステルダムへ移転させるなどの動きもあると伝える。ただし、こうした事業進出は、金融取引の税収やインフラ向け投資の増加をもたらす可能性があるが、「雇用ブーム」は起きていないと述べる。企業の専門性が高く、従業員数が少ない傾向があり、また民間データによるとロンドンからアムステルダムに全体もしくは一部の事業を移した企業数も47社とパリの88社、フランクフルトの56社を下回っていると報じる。

まとめ:以上のようにEUと英国は昨年末、ようやく貿易協定の合意に漕ぎ着け、合意なきブレグジット、いわゆるハード・ブレグジットを回避した。これにより両者のみならず世界に混乱を引き起こす事態が避けられた。まさしく世界経済にとって朗報である。ただし協定には、EUが対英貿易を「不公正」と見なせば、関税の再賦課が可能であり、金融サービスが含まれていないなどの問題があり、ハード・ブレグジットに近いとの批判があることは留意しておく必要があろう。
 また大きな問題として、ブレグジットに加え、新型コロナウイルスの世界的大流行、すなわちパンデミックが英、EU経済に悪影響を与えていることがある。ロックダウンのためにユーロ圏のサービス産業が不振に陥ったが、中国を含むアジア経済圏からの需要などによって力強い上昇をみせた製造業が第1四半期のサービス業全体の低迷を部分的に相殺したという。だが、ユーロ圏は昨年の最終四半期に既にマイナス成長に陥っており、今年第1四半期の経済成長が再び縮小すれば、景気後退に陥ることになる。しかしユーロ圏製造業はこれを防止できるほど強力でないかもしれないと報じられ、懸念が深まっている。
 他方、英経済もブレグジットによってEUの4倍以上の被害を受けるとみられる。英国は加盟継続の場合と比較して2022年末までの2年間に400億ポンド以上の損失、すなわちGDPの約2.25%の損失を被るとされる。これに対してEUの損失は同期間に0.5%程度と欧州委員会は見積もっている。また新協定に英国経済の8割を占めるサービスに関する取り決めがないことが英国と英国のサービス部門とのビジネスが重要であるEU諸国を傷つけるだろうとも報じられ、これも今後の不安材料である。
 ただし経済成長率については、EUが2021年に3.7%、22年に3.9%となり、22年にパンデミック前の水準に戻るとみられているのに対し、英国はイングランド銀行が成長率は21年に5%、22年に7.25%に回復し、GDPは年末に向けてパンデミック以前の水準に戻るとEUより早期の回復を予想している。英国でワクチン管理の進展があったためとされるが、楽観的に過ぎる見通しとも思われ注視する必要があろう。
 伏兵とみられたアムステルダムが活発なIPO (新規株式公開)を追い風にして、欧州最大の株式市場としてロンドンを追い抜き、パリやフランクフルトなどの大陸のライバルに対して優位に立ったとのニュ―スは意外感を持って受け止められた。アムステルダムはIPOだけでなく、ユーロ建て金利スワップ市場でも首位に立ち、株式デリバティブの立ち上げ計画や二酸化炭素(CO2)排出権取引の誘致などでも活発な動きを示している。またアムステルダム株式市場は、取引量の増大に伴い株式上場の市場として魅力を増すとみられることから、EUが英国に同等性を与えたとしても優位性は変わらないとの見方があることに留意しておきたい。

結び:ブレグジットの影響は、大雑把にいえば、両当事者の目線でとらえられるものと、グローバルな視点で捉える必要があるものとに分けられるだろう。前者は、例えば貿易や関税、移民、北アイルランドとアイルランドとの国境管理、魚業権の問題などがある。後者の大きな問題としては金融サービスがあろう。ロンドンの金融街シティが機能を喪失したり低下させたりした場合、どの市場がそれを補いあるいは代替していくのかという問題である。
 この両方の視点で考えていく必要のある問題もある。例えば、EUや英国の経済規模や成長率の問題である。今やライバル視する関係となった両者にとって、後れを取りたくない問題であると共に世界経済にとっても重要問題である。ただし、ここではパンデミックが大きな影響を及ぼしていることが事態を複雑にしている。それだけにEU、英国の双方は悪しきライバル意識を捨て、こうした難問題を共に乗り越えて行く努力を徹底すべきであろう。
 また貿易関連では、英国は高い代償を払って実現したEU離脱の目的を完遂するのは当然であり、そのために対米貿易協定の締結に注力すべきだろう。英米自由貿易協定(FTA)は、EUに追従を迫るような自由貿易の基準の設定が可能となるとの指摘も重要である。EUにとっても自由貿易は大原則であり、米国など主要国との貿易協定を目指す必要があるのは言うまでもない。なおEUは日本、中国とは内容に差異があるとしても、すでにFTAを締結済みである。
 金融サービス分野は、貿易関係が主体の新協定では、いわばEU、英当局によるこれからの対応に任されているだけに、ロンドンのシティと大陸の独や仏、すなわちフランクフルトやパリが今後どのように巻き返すかに注目したい。

(注1)EU英国新協定概要
貿易関係:12月31日までは、英国は欧州連合(EU)の単一市場と関税同盟内にとどまる。貿易障壁もなく関税も課されない。1月1日以降は、輸出入品への関税や量的制限はないものの英国が単一市場と関税同盟を去るため、国境で一連の手続きが必要となる。

通関と国境管理:12月31日までは、輸出入品の通関書類の提出義務はなく、国境での検査も最小限に止まる。1月1日以降、新たな関税や安全性、付加価値税などに関する申告が必要となる。EU向けの食品や動物については新たなチェックが実施され、EUから英国本土や北アイルランドに向かう商品についても管理が強化される。

金融サービス:12月31日までは、英国には「パスポーティング」の権利がEUで認められているため、金融サービス会社はEU各地で営業することが認められている。EUの会社も英国で同様の権利がある。1月1日以降は、今回の合意には金融サービスに関する内容も含まれているものの、英企業のアクセス拡大についてはあまり影響をもたらさないものとなった。各企業が双方の市場で営業できるかは、「同等性」のステータスが認められるかにかかっている。英国は国内居住者がEUの銀行のサービスを受けられるとするなど、同等性に関する多くの内容をすでに明らかにしている。一方でEU当局者らは英国のクリアリングハウス(清算機関)については同等性に関する判断を示したものの、それ以外についてはまだ明確にしていない。当局者らは24日の合意後も、どの程度の時間が必要になるかはコメントしなかった。

専門資格:12月31日までは、弁護士や会計士、航空管制官、パイロットなどといった専門資格は、英国とEU双方のものが有効とされる。1月1日以降は、これら資格のほとんどが互いに認められなくなる。

漁業権:12月31日までは、英国はEU海域で、EUは英海域での漁業が認められ、EUで自由に水産加工品を売ることもできる。より重要な点として、EU籍船であれば英海域へのアクセスも認められている。1月1日以降は、英国とEUは5年半をかけて漁業に関し移行を進めていくことに合意。英国は、自国海域内の漁獲物割り当てが引き上げられる。その後は海域内の英国の権利がより完全なものへと移行するが、合意では、EUの漁船がその後も英海域へのアクセスを認められる見込みを示す文言が含まれている。仮にどこかの時点でこれが拒否されれば、EUは英国産の漁獲物に関税を課すか、英国籍船をEU海域から締め出す可能性もある。

北アイルランド:12月31日までは、英国と同様、北アイルランドもEUの単一市場と関税同盟の一部であり、EUが非加盟国と結んだ貿易協定へのアクセスが認められる。1月1日以降は、アイルランドに物理的な国境が築かれることを避ける目的で2019年12月に結ばれた合意に基づき、北アイルランドは事実上、EUの単一市場と関税同盟にとどまることになる。英国本土から北アイルランドへ向かう商品については検査が必要になるものの、北アイルランドから英国本土へ向かう商品の検査は簡素なものにとどまる。

(注2)「同等性」について20年12月24日付ロイター通信は次のように解説している。
EUが外国の銀行、保険、その他金融機関に対し、母国のルールがEUと「同等」に頑健だと見なされる場合に限って市場アクセスを与える制度。ただ、全面的にアクセスを認めるわけではなく、リテール銀行業などは除外される。EUはこれまで、2つの活動に限って英国に同等性評価を与えている。対象は英デリバティブ精算機関とアイルランドの証券決済で、期間はそれぞれ1月からの18か月間と6カ月間。英国の銀行は既にEU域内の顧客に口座の閉鎖を通告している。英銀は「パスポート」と呼ばれる全面的アクセスの維持を訴えてきたが、それとは程遠い結果となっている。なお同等性制度に基づくアクセスは、1カ月前の通告により撤回が可能。
また新協定に欠落している金融サービス問題について、12月25日付フィナンシャル・タイムズ記事「How UK-EU trade deal will change relations between Britain and Brussels (英EU貿易協定、両者の関係はどうなるか)」は、次のように報じる。
 ロンドンのシティは、12月31日のブレグジット移行期間の終わりにEUの金融サービス単一市場から離脱する。双方は、英国とEUの金融サービス企業のための新しい市場アクセスの取り決めは、貿易協定によるのではなく、英国とユーロ圏による一方的な決定に基づくとされると述べた。これらのいわゆる同等性は、相手の金融サービス規制が自身のものと同程度に厳しいかどうかを評価することにより決定される。銀行やトレーダーは、提案されたシステムが既存の取り決めよりも断片的(piecemeal)であり、安定性が低いことを認めている。EUは木曜日の貿易協定と並行して英国のユーロ圏市場へのアクセスに関する新たな同等の決定を発表しておらず、株式取引やデリバティブを含む主要分野で不確実性を残した。双方は、別の覚書に基づいて金融サービス規制に関する対話を実施する予定である。

(注3)デュアル・クラス・ストラクチャー(Dual Class Structure, DCS)とは、付与される議決権の数が異なる2つのクラス(種類)の株式を発行する仕組みを指す。すなわち、1株当たり1つの議決権のみを付与するクラスA株と複数の議決権を付与するクラスB株を発行し、通常、前者は株式市場に上場し、後者は創業者をはじめとする経営陣側に付与する。これにより持株比率の小さい一部の株主が会社の支配権を持てるようになり、上場による資金調達と、創業者や経営者の会社支配権の維持という非上場の利点の両方を実現できる。日本でも2008年に東証の上場規則改定により新規株式公開(IPO)が可能となった。

             § § § § § § § § § §  

(主要トピックス)

2021年
2月17日 日本で新型コロナウイルス感染症のワクチン接種、
                 最初は医療従事者向けで開始。
         米司法省、北朝鮮のハッカー3人を起訴。米国内外の企業や銀行への
                 サイバー攻撃による13億ドル不正取得の疑い。
   19日 菅義偉首相、主要7カ国(G7)オンライン首脳会議(サミット)で
                 中国による東・南シナ海での一方的現状変更の試みへの懸念を表明。
         台湾の総統府、国防部(国防省)トップの国防部長(国防相)に邱国正・
                 国家安全局長、対中国政策を所管する大陸委員会のトップの主任委員
                 (閣僚)に邱太三・前法務部長(法相)を任命。
      22日 ミャンマーで国軍クーデターに反対するデモ、大規模なゼネストに発展。
      23日 米国防総省、中国海警局の船舶による沖縄県・尖閣諸島周辺の
                 日本領海への侵入をやめるよう非難。
      25日 バイデン米政権、日本、台湾などと半導体などのサプライチェーンの
                 再構築に乗り出すと宣言。
   28日 タイで市民らの抗議デモに治安部隊が発砲。少なくとも18人が死亡。
3月  1日 米通商代表部(USTR)、バイデン政権の通商政策報告書を議会に提出。
                 中国の人権侵害問題に最優先で対処し、少数民族ウイグル族の
                 強制労働による製品の貿易を規制すると記載。
  3日 バイデン米政権、暫定版国家安全保障戦略で中国を「国際秩序に挑戦する
                 唯一の競争相手」と位置づけ。
  4日   米国商務省、ミャンマーの国軍系企業など4団体に事実上の禁輸措置を
      発動すると発表。
  5日 中国の第13期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)第4回会議開幕、
      李克強首相が政府活動報告で21年の実質経済成長率目標を「6%以上」
                と設定。
    7日 米韓両政府、在韓米軍の駐留経費負担を巡る対立解消に向け
                新たな協定で合意。
    9日 菅首相、インドのモディ首相と電話会談。
     11日    中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)、閉会。
                民主派排除のための香港選挙制度見直し案を採択。
  12日    日米豪印の4か国首脳会談をオンラインで開催。
  13日  フィリピン保健省、新型コロナウイルスの新変異型を確認したと発表。
  14日  ミャンマー国軍、クーデターに反対する各地のデモ隊に発砲、
                 少なくとも38人が死亡。クーデター発生後の死者数は120人超となる。

主要資料は以下の通りで、原則、電子版を使用しています。(カッコ内は邦文名) THE WALL STREET JOURNAL (ウォール・ストリート・ジャーナル)、THE FINANCIAL TIMES (フィナンシャル・タイムズ)、THE NEWYORK TIMES (ニューヨーク・タイムズ)、THE LOS ANGELES TIMES (ロサンゼルス・タイムズ)、THE WASHINGTON POST (ワシントン・ポスト)、THE GUARDIAN (ガーディアン)、BLOOMBERG・BUSINESSWEEK (ブルームバーグ・ビジネスウイーク)、TIME (タイム)、THE ECONOMIST (エコノミスト)、REUTER (ロイター通信)など。なお、韓国聯合ニュースや中国人民日報の日本語版なども参考資料として参照し、各国統計数値など一部資料は本邦紙も利用。

 
前田 高昭
金融翻訳ジャーナリスト、社団法人 日本翻訳協会 会員、翻訳家。
訳書に『チャイナCEO』他。
『東アジアニュースレター』も配信中。
 

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