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東アジア・ニュースレター ― 海外メディアからみた東アジアと日本 ― 第121回

2021/01/22

東アジア・ニュースレター
――海外メディアからみた東アジアと日本――
第121回







前田 高昭 : 金融 翻訳 ジャーナリスト
           バベル翻訳大学院プロフェッサー 

 
 
 中国EUと電撃的に投資協定に合意した。これにより中国企業のEUへの進出が製造部門とエネルギーを中心に拡大された。中国は金融サービスや自動車セクターでの合弁事業の要件の即時もしくは段階的廃止や国有企業による欧州と中国の企業の区別撤廃、パリ気候協定の実施、国際労働基準の批准促進を約した。また執行を監督する2国間投資委員会の設置が合意されたが、中国の過剰生産や補助金の問題は先送りされている。米新政権発足に先立って合意するという、EUと中国の政治的思惑が優先された内容となっている。

 台湾コロナ対策で成功したためにコロナ・ヘイブン(回避地)となり、海外在住の台湾市民が多数帰国し、個人消費を増やすなど経済活性化に貢献している。政府もこうした台湾の公衆衛生上の優位性を今後の経済発展に生かす機会として活用しようとしている。ただし台湾は、香港、ニューヨーク、上海などと比較して生活の質で欠けるところがあるなどと批判も受けている。

 昨年、韓国で死者数が出生数を上回って人口減少が始まり、高齢化によって60歳以上全体の24%を占めるに至った。文在寅政権は出産奨励運動を始めたが、子供の教育費や住宅費などの増加を賄うには不十分と批判されている。加えて、子育てと義母の世話をするという社会規範に対する抵抗感が女性の間に高まっていることなどから、合計特殊出生率は、2019年に過去最低の0.92と日本を上回る水準に低下したと報じられている。当然、労働人口が減少し、経済成長が打撃を受け、潜在的生産力も低下すると指摘されている。

 北朝鮮では朝鮮労働党の第8回党大会が開かれ、冒頭で金正恩委員長が低迷する経済の建て直しに失敗したことを認めた。金委員長は、国家経済発展5カ年計画の目標はほぼ全分野で大幅に未達となったと述べた。その一方で、米国を北朝鮮の最大の敵だと非難し、核とミサイルの強化を宣言した。国民に対して経済の困窮を謝罪する一方で、対外的な強硬策を鮮明にし、国民の関心を外に向けようとする常套手段を取ろうとしている。

 東南アジア関係では、米財務省がトランプ政権下で最後となる為替報告書でベトナムを為替操作国に認定した。その根拠は、ベトナムが対米経常、貿易黒字額や為替介入額において米政府が認定の基準とする3つの要件をすべて充たしたと判断されたためである。米財務省はベトナム当局と交渉を開始しているが、まとまらなかった場合には、然るべき制裁措置を打ち出すとの強硬姿勢で臨んでおり、ベトナム側がなんらかの妥協策を提示すると見込まれる。

 インドモディ政権農業のさらなる自由化を目指し、農業関連3法案を成立させた。これにより卸売市場以外での農産物の販売や企業との契約、オンライン販売などが認められたが、農家は最低買い入れ価格の撤廃に反発し、また農産品価格の下落を恐れ猛反対している。農業改革は以前から論議されてきた難しい政治的課題だが、経済的には不可欠だとメディアは指摘する。幾つかの改革法案を実施してきたモディ首相が初めて本格的な反対運動に直面している。

 主要紙社説・論説欄では、2021年の日本について主として経済、社会問題に関する主要メディアの報道や論調を取り上げた。

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北東アジア

中 国

☆ EUと投資協定で合意

 12月30日、中国政府は欧州連合(EU)と投資協定の締結に合意した。31日付けウォール・ストリート・ジャーナルは、欧州は中国企業とのより公正な競争や中国市場へのアクセス改善を長年求めてきており、本協定によって欧州企業の中国市場へのアクセスが広がることになったと述べ、合意には中国が技術移転の強要をやめ、企業補助金を巡る透明性を高めることなどが盛り込まれたと報じる。
 ただし、米国は協定について根強い懸念を示してきたと指摘。協定はEUに短期的な商業的利益をもたらすとしても、域内経済と中国経済の結びつきが強まり強権的な色彩を強める中国の経済力強化を支えることになりかねず、また国家主導による経済モデルの改革を中国に迫る外部からの圧力をそらす役割を果たすとの懸念、さらに欧州と米国の間にくさびを打ち込む思惑から、中国はEUの要求に応じた面があるなどの批判があると伝える。
 これに対して欧州当局者は、EUは中国に与えたものよりも多くを得ていると主張。シャルル・ミシェル欧州理事会常任議長は、協定は「EUと中国の間の貿易と投資関係のバランスを取り戻すのに役立つ。中国はEU投資家に前例のないレベルの市場アクセスを約束し、欧州企業に事業の確実性と予測可能性を与えている」と語り、協定が欧米の協調を損なうことはないと説明していると報じる。また中国の習近平国家主席は、中国国営の新華社通信によると、協定は「高次元の対外開放を促進する中国の決意と自信」を示していると述べていると伝える。
 なお合意は、EU加盟全27カ国首脳の支持を得ているものの、各国政府や欧州議会による承認が必要となり、EU当局者によると協定の批准には数ヶ月かかる可能性があるという。一部の上級EU議員は、中国が労働者の権利を改善し、強制労働を終わらせるための強力な行動をとることを約束しなかったため、協定を阻止する構えをみせている。なお数週間前まで年末の合意は不可能な状況にあったが、外交筋によると、独と中国の当局者は、米国のバイデン氏が大統領に就任する前に交渉を完了することを熱望し、このため独首相はEU首脳を説得し、習主席は市場アクセスの譲歩を提案するよう介入したという。
 さらに記事は協定の内容について概略次のように報じる。合意により合弁事業の要件が金融サービスで解除され、自動車セクターでは段階的に廃止される。EU当局者によると、これには医療サービス、クラウドコンピューティング、電気自動車の市場への新規参入が含まれる。中国はまた、国有企業が欧州と中国の企業を区別しないことを公約し、パリ気候協定の実施などの環境への取り組みを支持し、国際労働基準の批准を追求することを義務付けられている。他方、中国にとってこの合意により一部のEU製造部門とエネルギー産業へのアクセスが広がる。EU当局者によると、中国が欧州投資への障壁を取り除くにつれて、EUの再生可能エネルギー部門への中国のアクセスが増える可能性があるとされる。
 この協定には、ヨーロッパの企業が紛争について直接訴訟を提起することを可能にする新しい投資家保護メカニズムは含まれていない。代わりに、高レベルの2国間投資委員会が執行を監督し、齟齬を迅速に解決することにしている。それが失敗した場合、市場アクセスの紛争は、拘束力のある罰則を科せる仲裁パネルに任せられる。中国が取引の重要な部分を執行しなかった場合、すでに開かれているいくつかのEU市場への既存の中国のアクセスが危険にさらされる可能性があると当局者は述べた。
 上記のように報じた記事は、それでも中国がその公約を完全に履行するかどうか疑問視する者がいると述べ、欧州当局者は、EUは引き続き米国と協力して一部の市場での中国の過剰生産や中国政府の外国企業を押え込むための補助金など、未解決の通商上の紛争について中国に迫ると語っていると報じる。その一方で、欧州当局者は欧州圏が中国政府との独立した関係を追求し、特にEUの強国ドイツの経済をより緊密に中国と結び付けると主張しているが、中国の偽情報キャンペーン、人権記録、経済慣行、地政学的野心をめぐっては、欧州の態度は硬化してきていると伝える。

 1月1日付ワシントン・ポストは、「China drives a wedge between Europe and the United States (中国、欧州と米国の間に楔を打ち込む)」と題する社説で、EUは中国が香港で民主派を弾圧し、イスラム教徒が多数派を占める新疆地域で強制労働を課しているなか、EU企業の対中投資を拡大する新経済協定に合意したと批判し、特に中国で操業する独自動車業界が恩恵に浴するためメルケル独首相が積極的に動いたと指摘する。
 これは中国による外交上のクーデターだが、トランプ大統領の「米国ファースト」政策が米欧関係にもたらした永続的な打撃を示しているだろうと述べる。その理由として、第1にトランプ大統領がEUが貿易において「米国を非常にひどく扱っている」と非難して伝統的な米国の同盟国を遠ざけ、その後、今年初めに「フェーズ1」の市場アクセス合意の見返りに中国政府に対する関税を緩和し、EUが同様の措置をとる根拠とインセンティブを与えたと指摘する。EUとしては、こうした米国の政策は新大統領就任後も一部継承される可能性があり、これをヘッジする必要を感じたに違いないと述べる。
 さらに社説は、経済関係では西側諸国はいずれも自国の利益を追求してきたが、特に米国が推進した中国の世界貿易機関加盟は、それによって共産党指導者が遵法意識を高めるという、今考えれば素朴な理解で正当化されたと批判、とはいえ巨大となった中国の経済規模を考慮すると、実際には中国と一定のレベルで取引する他はなくなったと論じる。
そのうえで社説は、しかし西側諸国は、中国政府と関わる条件をより詳細に制御できるはずだと述べ、それには米国と他の民主主義国家は統一戦線を結成しなければならないと主張する。そのためにバイデン氏はまず、その公約どおり米欧関係を回復すべきだと述べ、その緊急性は皮肉にも今回のEU中国協定で明示されたと指摘する。

 1月4日付ブルームバーグも「Europe’s New Pact With China Is Terribly Timed (恐ろしくタイミングの悪いEUと中国の協定)」と題する社説で、EU指導者は中国から前例のない譲歩を勝ち取ったと喜んでいるが、高い代償を支払ったことにならないことを望むと述べ、新協定は、自動車やクラウドコンピューティングを含む特定のセクターのヨーロッパ企業にとって望ましいだろうが、EUは米国と協調して中国に対処する必要があると主張する。EUは、対外貿易と投資に関する国際基準に準拠するように中国政府を説得し、重要なサプライチェーンの強化、人権侵害の阻止、経済的強制からの同盟国の保護など他の様々な目標を確保することに米国と共通の関心を持っていると指摘する。
 しかし取引のタイミングは協定の中身よりも悪いと主張する。7年近くにわたる散々な協議の後、中国は、バイデン政権が発足する前に合意を確定するために突然譲歩し、外交的勝利を手にしたと述べ、この協定がバイデン氏の共通の対中政策を打ち出す努力を複雑にし、また協定によって世界貿易機関(WTO)の規則を見直すなどの対中政策に影響を与えるために既に進行中の共同努力を失速させかねなくなったのが残念だと批判する。
 そのうえで社説は、EUはこうした結果を避けるために全力を尽くすべきだと主張する。EU指導者は、中国は貿易と市場アクセスをはるかに超える挑戦を突き付けていることを認識すべきであり、欧州が自国の利益とその価値を守ることに真剣に取り組むならば、人権から航行の自由、サイバーセキュリティに至る様々な問題について中国に挑戦する必要があると述べ、米政府と協調すれば、その力は飛躍的に向上するだろうと強調する。

 以上のようにEUと中国の間で電撃的に投資協定が合意された。内容はウォール・ストリート・ジャーナルが概略を報じているとおり、中国企業のEUへの進出が製造部門とエネルギーを中心に拡大されると共に、中国は金融サービスや自動車セクターでの合弁事業の要件の即時もしくは段階的廃止や国有企業による欧州と中国の企業の区別撤廃、パリ気候協定の実施などの環境への取り組み、国際労働基準の批准促進を約している。また執行を監督する2国間投資委員会の設置が合意された。しかし中国の過剰生産や補助金の問題は先送りされている。EU、といっても特に独と中国にとって当面の目標に沿うものかもしれないが、米新政権発足に先立って合意するという政治的目標が優先された内容であることは否めない。しかも協定は貿易と市場アクセスを超える問題を突き付けている。その意味でEUは今後、協定の内容の向上と執行の確保という観点に止まらず、広く米新政権と協調して対中政策を推進する必要がある。


台 湾

☆ コロナ・ヘイブンとなり好調な経済

 台湾の新型コロナウイルス感染者は797人で、死者もわずか7人である。しかも都市封鎖(ロックダウン)も回避している。台湾は、このようにコロナウイルスのヘイブン(回避地)となったことで、経済も活況を呈していると12月31日付フィナンシャル・タイムズが伝える。
 記事によれば、通常、海外に居住している台湾市民が大量に台湾に戻り、このため個人消費が第3四半期には前年同期比5.2%も増加した。台湾では今年に入り人口が25万人余り純増し、これらの市民が海外旅行もできないまま、消費人口の増加に結びついたと行政院主計総処(内閣統計局)は述べている。特に富裕層からの高級品やサービスへの需要が高まり、例えば、最近日本から進出してきた高級ホテルチェーンの星野リゾートは7月まで満室だという。レストラン業も同様に好調で、台北にある一流の西洋レストランの店主は、ここ数年で最良の実績を上げていると語っている。
 台湾に帰国した市民の数について台湾移民局は、今年に入り25万1640人以上と述べ、これは昨年より4倍の純増だとしている。他方、外国人の新規入国は認められていないが、台湾で労働もしくは学習している外国人は在留期間を延長している。特に夏以降、母国で第2波、第3波のコロナウイルスが猛威を振るっている国々への帰国が延期されている。
政府は、こうした台湾に対する新たな認識を大いに活用しようとしている。我々の強力な公衆衛生によって台湾市民の帰国と外国の友人の移住を説得する二度とないチャンスが訪れていると総統府の幹部は語る。さらに中国からサプライチェーンを分離しようとする世界的な動きと台湾に対して強まる中国の好戦的な姿勢は台湾市民の帰国を促す追加的なインセンティブになっていると指摘する。加えて政府はコロナ大流行の間、2年前に導入した「就業ゴールドカード」制度によって、外国人専業人材を誘致する試みを強化している。
 最後に上記のように報じた記事は、ただし台湾政府は、パンデミック後も魅力を維持するためにもっと多くのことをなすべきだとの批判もあると指摘する。「台湾は、有能で裕福な人たちが香港、ニューヨーク、上海での生活で慣れてきたものに一部欠けるところがある」と、台湾生まれのテクノロジー企業の幹部は語っていると伝える。同氏は香港と米国の両方で生活しており、台湾はサービスの水準で劣っていると感じ、また台湾の40%の最高税率は、金融業界幹部の台湾回帰を妨げるとみていると報じる。
 以上のようにコロナ対策で成功した台湾は、コロナ・ヘイブンとみられて海外在住の台湾市民が多数帰国し、個人消費を増やすなど経済活性化に貢献している。政府もこうした台湾の公衆衛生上の優位性を今後の経済発展に生かす絶好の機会として活用しようとしている。ただし台湾は、香港、ニューヨーク、上海などと比較して生活の質で欠けるところがあるなどと批判も受けていることが注目される。なお台湾の経済成長率については、台湾の中央銀行が2020年は前年比で2.58%と、それまでの1.60%から上方修正し、2021年も3.28%から3.68%へと引き上げたと報じられている。


韓 国

☆ 史上初となる人口減
 行政安全省が国勢調査で発表したデータによると、2020年に韓国は初めて死者数が出生数を上回り人口が減少した。高齢化と出生率の低下によって人口動態が転換点にさしかかったと1月4日付英ガーディアンが報じる。記事によれば、出生率は2019年に0.92と史上最低に落ち込んだ。週末に発表された最新の国勢調査のデータによると、12月末の人口は前年比2万838人減少し、5182万9023人だった。聯合通信によると、韓国の人口は過去10年間で毎年増加していたが、増加率は2010年の1.49%から19年には0.05%に低下していた。また20年の出生数は27万5815人、死者数は30万7764人だった。
 全体の人口減少に伴い、アジア第4位の経済大国である韓国でも高齢者が増加し、60歳以上が全体の24%を占める。過疎化によって高齢化する農村地域に限らず、首都ソウルの人口も昨年6万人以上減少したと聯合通信は伝える。最近、文在寅政権は出産奨励運動を発表し、妊婦に対する百万ウォンの1回限りの支払いと12ヶ月以下の子供に対する毎月の現金手当の支払いを始めた。
 しかし批評家は、この措置は、高い教育費や住宅費などの子供を増やすことに伴う甚大な財政的障害の解消にはほとんど役立たないと語る。家計に対する財政的圧力はさておき、一部の専門家は、夫が働いている間に子育てと義母の世話をするという社会規範に従うことへの反感が韓国女性の間に高まっていると指摘する。結婚が人生の必要な部分だと考えている単身または未婚の韓国人女性は18年には22%余り程度だが、10年前は47%近くに達していたと述べる。婚姻者数もこうした変化を反映し、96年の43万4900人から昨年は25万7600人に減少した。
 こう報じた記事は、韓国の合計特殊出生率(一人の女性が一生のうちに出産する子供の平均数)は、2019年に過去最低の0.92に低下し、経済協力開発機構の全メンバーの中で最低となり、人口を安定させるために必要な2.1の割合を大きく下回ったと指摘。現在の傾向が続けば、政府は韓国の人口が2067年までに3900万人に減少し、人口の46%以上が64歳以上になると予測していると伝える。

 同日付ウォール・ストリート・ジャーナルも、「South Korea’s Population Falls for First Time, Likely Worsened by Covid-19 (韓国の人口、初めて減少へ。コロナウイルスのために事態悪化の懸念)」と題する記事で、韓国統計庁は当初、人口減少は2021年に始まると予測していたがコロナウイルスが雇用を奪い、カップルの結婚を遅らせるなどの被害をもたらし、これが21年から22年にかけて出生率を圧迫しそうだと報じる。さらに韓国銀行は12月報告書で、コロナショックは韓国の出生率に永続的な影響を与えかねないと述べ、その理由として、出産の延期は出産自体の断念につながるからだと指摘していると伝える。
 記事はさらに、人口の高齢化によって労働人口が減少し、経済成長が打撃を受けると述べ、潜在的生産力が2024年からおよそ1%低下するとの調査結果があると紹介する。またコロナウイルスによって空路が遮断された結果、韓国経済の低所得移民への依存度が明らかになり、とりわけ農業と基礎的製造分野でこれが顕著だと指摘する。ただし政策当局は人口動態の変化に対処するため、熟練外国移民にも着目し始めており、2040年までに移民と外国人居住者が全人口の6.9%を占めると予想していると述べ、この数字は昨年は4.3%だったと報じる。

 以上のとおり昨年、韓国でも死者数が出生数を上回り人口減少が始まった。また高齢化によって60歳以上が全体の24%を占めるに至った。文在寅政権は出産奨励運動を始めたが経済的に子供の教育費や住宅費などの増加を賄うには不十分と批判されている。加えて、子育てと義母の世話をするという社会規範に対する抵抗感が女性の間に高まっていることなどから、合計特殊出生率は、2019年に過去最低の0.92と日本の水準(注:厚生労働省の「人口動態統計」の公開値によると2019年に1.36)を下回ったと報じられている。当然、労働人口が減少し、経済成長が打撃を受け、潜在的生産力も低下すると指摘されている。韓国は日本の先を行く少子高齢化が進行するとみられる。文政権の対応に注目したい。


北 朝 鮮

☆ 経済の失政を認める金委員長

 1月5日、朝鮮労働党の第8回党大会が首都平壌で開幕した。同日付ニューヨーク・タイムズは、冒頭で金正恩委員長が低迷する経済の建て直しに失敗したことを認めたと報じる。記事によると、金委員長は国家経済発展5カ年戦略はほとんど全分野で目標に対して大幅に未達となったと語り、一連の最悪中の最悪である前代未聞の経済危機と戦ってきたと述べた。党大会は数日間続き、新国家経済発展計画が採択され、党指導部の交代や金委員長の政策見直しの詳細がこの週末に発表されると予想されている。
 さらに記事は、2016年に36年ぶりに開かれた前回の党大会が、金委員長が指導者として登場した主要なイベントだったと述べ、そこで金委員長は野心的な5カ年計画の目標を採択し、2020年までに核兵器と成長する経済を両立させる「偉大な社会主義国家」の建設を公約したと伝える。記事は、その後の情勢推移について概略次のように報じる。
 しかし事態は金氏が期待するようには展開しなかった。2011年に父の金正日の死去に伴い指導者に就任すると核ミサイルの開発を加速した。北朝鮮は同氏の下で、過去6回にわたる核地下実験のうちの4回を挙行し、2017年には3回の大陸間弾道ミサイル飛行実験を行った。これに対して国連安全保障理事会は破壊的な経済制裁で対抗した。石炭、鉄鉱石、繊維などの北朝鮮の主要輸出品の取引を禁止した。韓国銀行(中央銀行)の推計によると締め付けが強まるなか、北朝鮮経済は2017年から18年にかけて、それぞれ3.5%~4.1%縮小した。北朝鮮唯一の主要貿易相手国である対中輸出は86%も急減した。
 2018年、金委員長はトランプ大統領との外交交渉を開始し、核施設の部分的な解体の見返りに制裁を解除しようと必死に試み、トランプ大統領と3回の会談を持った。だが、突破口を開けなかった。1年前の新年メッセージの中で金委員長は挑発的口調で、北朝鮮は制裁を克服し、「自立した」経済を構築すると語り、核兵器計画をさらに強化すると誓い、核・長距離ミサイル実験のモラトリアムを終わらせると脅した。さらに北朝鮮がまもなく「新しい戦略兵器」を発表し、「衝撃的な実際の行動に移行する」と語った。
 しかし、その後まもなく北朝鮮はパンデミックに見舞われ、中国との国境を閉鎖せざるを得なくなった。その後、大規模な洪水被害に襲われた北朝鮮経済は、19年にわずかに回復した後、昨年再び落ち込んだ。中国政府が発表したデータによると、昨年1月から10月までの北朝鮮の中国からの輸入は76%減の4億8700万ドル、同期間の輸出は74%減の4500万ドルとなった。10月10日、金委員長は朝鮮労働者党の75周年記念の全国祝賀会を主宰したとき、平壌での珍しい夜間の軍事パレード中に史上最大の大陸間弾道ミサイルと思われるものを披露した。しかし経済面で発表するものはほとんどなく、国民の期待に応えられなかったことを謝罪した。
 上記のように報じた記事は最後に、トランプ大統領との外交が失敗に終わって以来、金委員長は核または長距離ミサイル実験の再開を差し控えてきたと述べ、これは北朝鮮の独裁者との特別な「個人的関係」を繰り返し宣伝してきたトランプ氏を挑発しないことを決意し、11月の米国の選挙結果を待つ考えのためだったと伝える。しかし、アナリストらによると10月に公開された新しいミサイルは北朝鮮の軍事的脅威の高まりを示し、選挙に勝った者に北朝鮮への譲歩を迫る意図が込められていたと指摘する。
 事実、金委員長は今回の党大会で米国を北朝鮮の最大の敵だと非難し、核とミサイルの強化を宣言している(注)。国民に対して経済の困窮を謝罪する一方で、対外的な強硬策を強調し、国民の関心を外に向けようとする独裁者の常套手段を取ろうとしているように思われる。
(注)1月9日付共同通信は次のように報じる。「9日、北朝鮮の朝鮮中央通信は金正恩朝鮮労働党委員長が党大会で5~7日に行った活動総括報告の詳細を伝えた。「対外政治活動を最大の主敵である米国を制圧、屈服させることに焦点を合わせる」と述べ、20日に発足するバイデン新政権との対決姿勢を鮮明にした。核戦力を増強すると表明。米国を狙うICBM(大陸間弾道ミサイル)の高度化に加え、短・中距離ミサイル搭載を念頭に戦術核兵器の開発に言及。」


東南アジアほか

ベトナム

☆ 米政府、ベトナムを為替操作国に認定

 12月16日付ブルームバーグによれば、米財務省はトランプ政権下で最後となる為替報告書でスイスとベトナムを為替操作国に認定した。為替報告書では、20カ国・地域を対象に6月までの4四半期における為替慣行を調査した内容が記された。中国は為替操作国に認定しなかったが、引き続き「監視対象国」とし、為替管理、特に中国人民銀行(中央銀行)と国有銀行との関係について「透明性の向上」を求めた。監視対象国・地域のリストには、タイと台湾、インドが追加され、日本と韓国、ドイツ、イタリア、シンガポール、マレーシアも引き続き監視対象国とされた。ムニューシン米財務長官は声明で「財務省はベトナムとスイスに関して判明した事項を今後も注視し、外国の競争相手に不公平となる優位性をもたらす慣行の排除に取り組む」と表明した。
 さらにブルームバーグによれば、為替報告書は半期ごとの公表だが、今年はこれが初めてとなった。当初4月の公表が予定されていたが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が影響し、遅れていた。本来なら今年2回目となる公表は、10月に予定されていた。為替操作国の認定が直ちに制裁につながるわけではないが、貿易関係での緊張を高める可能性はある。なお米国の為替操作国の判断基準は次の3つで、このうち2つを満たすと判断された場合、監視対象国となる。(1)対米経常黒字額がGDP比2%以上、(2))対米貿易黒字額が年間200億ドル(約2兆700億円)以上、(3)為替市場への持続的介入、介入の総額がGDP比2%以上。

 なお同日付ワシントンポストは、「U.S. Treasury labels Vietnam, Switzerland as currency manipulators (米財務省、ベトナムとスイスを為替操作国と認定)」と題する記事で、ベトナムの通貨ドンについて概略次のとおり報じる。
 10月に米通商代表部のライトハイザー代表は、ベトナムの通貨ドンが日常的に過小評価されていると述べ、ベトナムの通貨慣行について広範な調査を開始した。米財務省はドンが近年8%以上過小評価されていると主張している。また米財務省によれば、ベトナムは6月までの1年間に対米製物品輸出で580億ドルの黒字を計上してきた。前年同期の黒字は470億ドルだった。同国財務省による通貨介入額もGDP比で同じく前年同期の1%弱から5%以上へと大幅に増加していた。いずれも上述の3基準の(1)、(2)に抵触している。米財務省はベトナムとスイス当局と話し合いを開始するが、決裂した場合には米国は両国に特定の貿易金融と調達計画への参加を認めないことがあり得るとする強い態度を示している。

 以上のように米財務省はベトナムを為替操作国と認定した。その根拠は、同国が認定の基準とされる3つの要件をすべて充たしたと判断したためである。米財務省はベトナム当局と交渉を開始しているが、まとまらなかった場合には、然るべき制裁措置を打ち出すとの強硬姿勢で臨んでおり、ベトナム側がなんらかの妥協策を提示すると見込まれる。


インド

☆ 波乱を呼ぶ農業改革

 モディ政権が打ち出した農業改革が農民の反対により政治的波乱を引き起こしている。これまで農民は政府によって管理された市場に農産物を販売し、最低買入れ価格が保証されてきたが、改革は卸売市場以外での農産物の販売や企業との契約、オンライン販売を認めるもので、農家は最低買い入れ価格が撤廃されることや農産品価格の下落を恐れ、猛反対している。

 12月17日付ウォール・ストリート・ジャーナルは「Narendra Modi’s Reform Drama (モディ首相の改革ドラマ)」と題する記事の副題で、農業の自由化は政治的には困難な課題だが経済的には不可欠であると述べ、しかし、ここ数週間インドはモディ首相の農業改革への抗議デモで溢れていると報じる。記事によれば、9月にモディ首相は政府が市場を独占する統制主義的な農業制度を改革する3つの法案を成立させた。これにより政府が独占していた市場が廃止されることになった。これまで農民は収穫物を民間の買い手に直接ではなく、仲介人を通して販売していた。農業向け投資を阻んでいた穀物倉庫を制限する規則も撤廃された。
 この改革によって、農業分野に必要とされていた投資を呼び込み、インドの食物輸出国としての競争力が高まるとみられている。こうした改革は過去数十年間議論されており、議会は十分に審議を行わなかったものの迅速に動いた。ただし農民は非効率な収穫物の生産に追い込まれる可能性があり、肥料や電力の補助金が環境に被害を与え、政府のミニマム価格補助と政府の買い上げ制度も続くとみられることなどから、さらなる施策が必要だと記事は指摘する。
 また記事によれば、農業では2億6300万人程度の人々が働いているが、全体の所得に占める比率は約17%に過ぎない。農業の民営化によって効率化と統合が進むとみられるが、同時に数百万人の労働者が農業部門以外で職探しをしなければならなくなるのを意味していると指摘する。これを念頭において政府は、新法で労働組合の力を制限し、女性の夜間シフトでの労働を容易にするようにした。また必要な時に労働者を解雇できる柔軟性を持つ企業が増えている。こうした変化は投資を労働集約的製造業へ誘い込み、農業に留まるよりも心地よい生活を提供するだろうと記事は指摘する。

 なお12月12日付ロイター通信によれば、インド最高裁は同日、農産物取引を自由化する農業の新法施行について無期限延期を命じた。同法を巡って目下、首都ニューデリー近郊で反発する農業従事者による大規模なデモが1カ月以上も続いている。最高裁事は、反対意見を聞く委員会を設置する方針を示し「農家を守る」と述べているが、それ以上の詳細は明らかになっていない。農民からは、長く続いてきた作物の最低価格を保証する仕組みを侵害するとの批判が噴出し、法律の撤回を求めているが、政府は撤回は問題外だとして農家側とこれまで8回にわたり協議を行ってきたが、合意点は見いだせていない。

 以上のようにモディ政権は農業のさらなる自由化を目指し、農業関連3法案を成立させた。これにより卸売市場以外での農産物の販売や企業との契約、オンライン販売などが認められたが農家は最低買い入れ価格の撤廃に反発し、また農産品価格の下落を恐れ、猛反対している。農業改革は以前から論議されてきた難しい政治的課題だが、経済的には不可欠だとメディアは指摘する。幾つかの改革法案を実施してきたモディ首相が初めて本格的な反対運動に直面したと言えよう。

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主要紙の社説・論説から

2021年の日本―日本社会の表裏に切り込むメディア


 昨年、本欄で紹介した「2020年の日本その1」でメディアは先ず、第2回東京五輪について第1回と同様に日本に誇りと再生をもたらすだろうと述べ、日本が野心をもって五輪を挙行することに期待を示した。だが東京五輪は結局、新型コロナウイルスという未知の脅威のために延期された。メディアは今年、この延期された東京五輪と共に正規、非正規労働者の格差拡大や少子高齢化などの社会問題、さらに日本企業の起業の少なさなどの問題を取り上げる。以下にこうしたメディアの論調を要約して紹介する。

要約:メディアは先ず、東京五輪とコロナ禍との関係に目を向け、経済を修復し五輪への準備を急ぎ、来年央までに全国民へのワクチン接種を計画する日本政府の前に、国民のワクチン不信感が立ちはだかっていると報じる。日本はフランスやモンゴルと並んでワクチンの安全性に対する信頼が世界で最も低く、安全と考える回答者の割合は10%未満という研究や日本の新型コロナワクチンの接種意向は69%と全体平均の73%も下回ったなどの調査の結果、さらに日本のワクチンのワクチン普及と社会が日常に戻る時期は、先進国の中で最も遅い22年4月となると見込まれているとの見方を伝える。これは戦後の米国占領時にさかのぼるワクチン安全性への恐怖の記憶が重なっていることや過去のワクチン接種による健康被害などのためだと報じる。
 このため日本政府にとってワクチン不信感の克服が課題になったと指摘し、ワクチンの恩恵を最も大きく受ける高齢者にとって、ワイドショーが重要な情報源となっているため、センセーショナルに報道する傾向があるワイドショーの影響が懸念だと述べ、ワクチンの接種の普及には政府やメディアの積極的な広報上の役割が必要だとの専門家らの意見を紹介する。ワクチン予防接種が本格化しなかった場合、オリンピックが危険にさらされ、パンデミック後の日本の世界経済や国際観光への復帰が遅れる恐れもあると警告する。 

 他方、昨年メディアは、日本は高い生活水準と心地よい安定した社会を堅持しているが、その裏で非正規労働者が増加し、富の格差が増大していると批判したが、今年も正規と非正規労働者の格差がコロナウイルス感染症の間にますます顕著になり、最近の2つの判決によって、さらに深まったと指摘する。その1つは、非正規労働者として働く女性が正規労働者との待遇格差の是正を求めて提訴した案件について、雇用主は非正規従業員に正規従業員と同じ退職金を支払う義務はないという判決。もう1つは、正月で配達業務が急増するなか、その残業代の支払いを拒否した雇用主の日本郵便を訴えた原告に有利な判決を下したことである。ただし、この判決も雇用慣行そのものではなく、差別の程度を非難しているに過ぎないと批判する。

 同時にメディアは、少子高齢化が急激に進む日本社会について肯定的な見方を示し、コロナウイルス大流行が終息後の世界に対して日本は、優雅に老化する方法について他の見本になるノウハウ(expertise)を示していると指摘する。経済成長はバブル崩壊後、全体として低かったが、生活水準の向上では他の多くの豊かな国に劣らず、しばしば陵駕し、経済全体が停滞している一方で、人口が減少したために1人当たりの所得は他国と肩を並べてきたとし、失業率と格差も大半の欧州諸国や米国に比べてうらやましいほど低いと指摘。出生率や移民受け入れで欧米より劣後する日本が比較的安定した社会の維持と生活水準の引き上げに成功しているのは称賛に値すると述べ、その主な教訓は、国は人口を増やすことなく、市民の物質的な福祉を向上し続けられるということだと論じる。

 他方、今年メディアは、米国や中国では多くのスタートアップ企業が上場しているが、世界3位の経済大国の日本は大幅に出遅れていると懸念を示す。日本政府も資金を投入して官民ファンドの産業革新投資機構を設立するなど支援に乗りだし、ベンチャーファンドは拡大しているが、それでも日本の昨年のベンチャー投資額は中国の10分の1、米国の3%にも届かない水準で、評価額が10億ドル超のスタートアップ起業である「ユニコーン」の数もインドのような発展途上国よりも少ないと指摘する。また日本の経済規模対比でベンチャー投資がより適正な規模となるには約5~6倍増える必要があり、それは5年から10年かけて緩やかに実現するだろうとの専門家の見方を紹介する。こうした背景として、大企業が経済と企業風土の中心にあり、一流大学から優良企業に入ることが立身出世との考えや、金もうけに対する否定的な見方、ビジネスの失敗が厳しい目で見られることなどが挙げられている。

結び:メデイアは先ず、新型コロナウイルスが大流行するなかで、今年に延期された東京五輪の開催可否の問題に目を向け、これには開発間もないワクチンが大きな役割を果たすとみて、日本におけるワクチン接種の普及に大きな関心を寄せる。海外のメディアは、日本におけるワクチン接種は歴史的経緯があるため簡単には進まないとややセンセーショナルに報じるが、日本のメディアは余り問題視していないと言え、内外メディアの報道姿勢に落差がある。しかし日本の当局はコロナ対策としての集団感染という選択肢を採用していないことから、ワクチン接種がいわば唯一無二の防止策であり、その意味で接種の普及は不可欠な課題である。さらに重要なことは、経済政策としての意義である。コロナ制圧は経済の早期回復に不可欠であり、五輪以上の意味があると言える。

 正規と非正規労働者との格差拡大も海外メディアが容赦なく追求する問題となっている。メディアは、日本が生活水準の維持向上と安定した社会の堅持に成功していると評価しているが、正規と非正規の格差拡大はまさに、日本社会の安定や生活水準の向上を脅かす問題である。他国と肩を並べてきたと評価されている1人当たりの所得や、大半の欧州諸国や米国に比べてうらやましいほど低いと指摘されている失業率と格差は、この問題への対応を誤ると雲散霧消しかねない。安易に非正規労働に依存する企業も労働力の劣化や対外競争力の低下などの大きな代償を支払うことになる可能性がある。何よりも、格差拡大の被害者が将来の日本を背負う若者や女性であることが問題である。しかも司法も、こうした流れをむしろ後押しするような判断を示している。このままでは日本の将来が危うい。官民挙げて格差拡大に歯止めをかける対策を早急に打ち出すべきだ。

 少子高齢化が進み、経済成長は全体として低かった日本が、生活水準の向上では他の豊かな国に劣らず、しばしば陵駕したと評されているが、それは人口減少により1人当たり所得で他国と肩を並べているためだと説明されている。まさに食い扶持を減らして生活を維持する無数の家計の縮図である。生活水準の維持向上は生産性の向上で実現して然るべきだ。
 そのためにも企業の奮起が期待されるが、その観点で懸念されるのは、日本における起業の力不足である。日本の昨年のベンチャー投資額は中国の10分の1、米国の3%にも届かず、「ユニコーン」の数もインドのような発展途上国よりも少ないと指摘されている。政府もそれなりの対策を講じているようだが、同時にビジネスの失敗や金もうけに対する否定的な見方、立身出世主義などの日本独特の社会、文化的背景を今後、変えていく必要がある。最近のコロナ禍など、こうした考えに一大変革をもたらすような潮流の変化も看取され今後に期待したい。以上のようにメディアは、日本社会や企業の抱える諸問題の表裏に切り込み、その明暗を鋭くえぐり出している。今年の日本経済の行方に関する論調ついても今後折にふれ取り上げていきたい。

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(主要トピックス)

2020年
12月16日  米財務省、ベトナムを制裁措置の対象となる「為替操作国」に認定。
  18日   米商務省、半導体受託生産の中国最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)
                  に事実上の禁輸措置を課す。
  21日   韓国外務省、朝鮮半島平和交渉本部長に、大統領府国家安保室平和企画
     秘書官の魯圭悳(ノ・ギュドク)氏を任命。
  22日   インドネシアで内閣改造。新型コロナコロナ担当ら6閣僚交代。
  24日 韓国のソウル行政裁判所、停職2カ月の処分を受けた尹錫悦
     (ユン・ソクヨル)検察総長の処分執行停止を命じる。
  26日   中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会、改正国防法を可決。
     中国の「発展利益」が脅かされた場合などに軍民総動員の構え。
  30日   中国と欧州連合(EU)、投資協定締結で大筋合意。
  31日   中国の金融監督当局、21年1月から銀行の住宅ローンや不動産企業への
        融資に総量規制を設けると発表。
1月 1日   人民元、上海外国為替市場で1ドル=6.5398元で2020年の取引を終了。
                  対ドルで3年ぶりの大幅反発。
    5日   北朝鮮で第8回朝鮮労働党大会が開幕。
                  金正恩委員長、開会の辞で経済目標の未達を認める。    
    6日   香港警察、香港国家安全維持法違反の容疑で民主派53人を逮捕。
         7日   北朝鮮の朝鮮中央通信、第8回朝鮮労働党大会3日目の会議で
                  金正恩委員長が南北関係に言及、「対外関係を全面的に拡大発展する
                  方向と政策」を明らかにしたと報道。
        8日 韓国のソウル中央地裁、旧日本軍の元従軍慰安婦に対する賠償を
                 日本政府に命じる。
        9日   ポンペオ米国務長官、台湾の外交官や軍事関係者の接触を自主的に
                 制限してきた内規を撤廃すると発表。
    10日   中国の王毅国務委員兼外相、ミャンマー、インドネシア、ブルネイ、
                 フィリピンの諸国訪問を開始。
  11日  北朝鮮、金正恩委員長を党大会で党総書記に選出。
                 父親の故・金正日総書記の肩書を復活。
  12日  北朝鮮の第8回朝鮮労働党大会、閉幕。
                 金正恩党総書記、核増強路線への回帰方針を宣言。
                 対米強硬姿勢と対中友好関係の維持を表明。
  13日  中国海警局艦艇編隊が新年には入り初めて、中国の釣魚島
                 (日本名・尖閣諸島)領海を巡航したと中国海警局が発表。
                 クラフト米国連大使、台湾訪問を中止。
     14日  北朝鮮、平壌で軍事パレードを開催、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)
                  などの新型兵器を公開。
       世界保健機関(WHO)の調査団、新型コロナウイルスが中国で最初に確認
                 された湖北省武漢に入る。
  15日  中国政府、レアアースの統制強化を発表。

以  上

主要資料は以下の通りで、原則、電子版を使用しています。(カッコ内は邦文名) THE WALL STREET JOURNAL (ウォール・ストリート・ジャーナル)、THE FINANCIAL TIMES (フィナンシャル・タイムズ)、THE NEWYORK TIMES (ニューヨーク・タイムズ)、THE LOS ANGELES TIMES (ロサンゼルス・タイムズ)、THE WASHINGTON POST (ワシントン・ポスト)、GUARDIAN (ガーデイアン)、BLOOMBERG・BUSINESS WEEK (ブルームバーグ・ビジネスウィーク)、TIME (タイム)、THE ECONOMIST (エコノミスト)、REUTER (ロイター通信)など。なお、韓国聯合ニュースや中国人民日報の日本語版なども参考資料として参照し、各国統計数値など一部資料は本邦紙も利用。

 
前田 高昭
金融翻訳ジャーナリスト、社団法人 日本翻訳協会 会員、翻訳家。
訳書に『チャイナCEO』他。
『東アジアニュースレター』も配信中。
 

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