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ポストコロナを考えるーパンデミックによる日々の発見  - 吉田 ひろみ

2020/07/22

【特別特集】新型コロナに教えられたこと
第4回
 

 
ポストコロナを考えるーパンデミックによる日々の発見

吉田  ひろみ
(バベル翻訳専門職大学院生)


 
     
 全米一厳しい規制といわれているハワイ州では、3月半ばの終業式以降”Stay/Safer at home order” ”No School”の日々が続き、現在4か月を経過しました。

 多くの子供たちが住んでるはずの自宅周辺には、日中、子供達の姿もみられず声も聞こえません。最近、ようやく、サンセットアフターに、ヘルメット姿の子供達が自転車に乗っている姿を見かける程度です。みんな、どうしているのだろう?と思いながら、ご近所のお宅の前を通りかかった際、ガレージから歩道の床一面に、カラフルなチョークでメッセージとイラストが描かれているのを発見しました。“Stay Safe! Stay at Home! Aloha!”

 長い間、仲良しのお友達とも会えず自宅にこもりっきり、外で自由に走り回って遊ぶ事もできず、お稽古事も中止という状況下にありながら、コミュニティーや周囲の人たちへの思いやり= ( Ohana Spirit) が込められたメッセージとサンシャインスマイル、フラワー、ピンク、イエロー、ブルー、グリーン等、カラフルな色合いの絵がかわいらしく、ほほえましく、胸を打たれました。

 アメリカ本土の30代の父親をパンデミックによって亡くした(病院は高齢者の方優先、年齢が若いという理由で受診不可と断られ亡くなられたケース。もしも、その時、受診が叶えば助かった可能性もある命)9歳の女の子の悲痛なコメント、“いつも私の送り迎えをしてくれた。パパは、私にとって全てだった。”を読んだ時、これから、この子はどうやってこの悲しみ苦しみを乗り越え生きていけるのだろう?と衝撃を受けました。

 現在、ハワイ州は全米一失業率が高く大変な状況下にあり、エコノミーの再生、復興の為には、州の経済基盤50%を占める観光業の復活が叶わない限り難しいといわれていますが、先だって発表された8月1日から実施予定の“Pre-Travel Testing Program” も、State Health Departmentの発表によると、アメリカ本土の爆発的なパンデミックによるテストキット減少等、厳しい現状も重なり、本日、州知事からの発表で9月1日へ延期となりました。

 パンデミックの最中、州知事は経済復興優先派の方々からも告訴されながら(こちらは、先日、緊急非常事態の中での判断との事で、却下の判決が下されました。)州知事、各4島の市長、専門家の方々等が会議を重ね、さらに週末を持ち越し、大変悩まれた末の難しいご決断を発表され、パブリックヘルス、島民住民の健康と命を尊重する事が最優先というOhana Spiritが伝わってきました。6フィートソーシャルディスタンス, フェイスカバー・マスク着用の義務化、食料品店や銀行等、早朝の開店1時間は、”Kupuna Hour” (高齢者優先時間帯)。ハワイの日常生活の中で、”Keiki”(子供達)を大切に思うOhana Spirit(家族愛)も、至るところで日々感じています。

 私自身は今まで、自宅と職場の往復、子供の学校の送り迎え等、多忙なスケジュールに追われ続け、新しい住まい周辺を歩くことすらできませんでした。しかし、“Safer at Home Order”になってからは、少しづつマスク着用で周辺のお散歩をしながら子供と散策探検をしました。そして、同住所内在住の家族1名のみハイキング同伴可という発表がなされてからは、ずっと自宅にこもりきりだった子供に、自然の中で新鮮な空気を吸わせてあげたいと思い、一緒にハイキングを試みました。今までは、週末、ホリデー、学校の休暇時期等もすべて勤務の為、一緒に過ごせる休日等なかなかなかったので、とても貴重な体験となりました。「あとどれくらい…?頂上はまだなの…?」と弱気になっていたのですが、子供の励ましで何とか歩かせてもらい、がんばって頂上へ到達。登りは全く余裕がなく、おそらく周囲の景色等見ていなかったと思いますが、下りに森林浴を楽しみながら、往復がんばって歩き、自宅へ戻ると、「足が壊れた、もう動けない、当分いかれない。」といってダウン。その後の数日は、筋肉痛で歩き方がおかしくて、そんな姿もやり取りも楽しく、笑いが絶えません。ささやかですが、かけがえのないファミリータイムにとても幸せを感じます。いつか巣立っていく子供との貴重な時、今を大切に、毎日、元気で健康で一緒に過ごせる事が、何より大切で幸せな事と実感しています。

 私の大学院進学の際も、そして、仕事と学業の両立にも理解を示し、一緒にがんばろうねと励ましてくれる、忍耐強くがんばり屋さんの子供には、いつもインスパイアーされる事ばかりで、心から感謝しています。週7日間連続勤務(ダブルシフト含む)が数か月続いた事もありますが、どんな勤務形態が続いても、10年以上欠勤したこともなく、「超健康体」と周囲から驚かれ、「元気、健康の秘訣は何?」とよく聞かれますが、なぜなのか自分でも明確には答えられず、わかりませんでした。今回、パンデミックの渦中で、自分を支えてくれているエネルギーの源が何なのか、それはMy Keiki & Ohana & Aloha(Love) の存在という事を痛感、再認識しました。

 パンデミックによる観光客減少の為、海水がきれいになった事、浜辺の補修等も叶い、元のあるべき姿へ戻りたいという自然界の願いと叫びが伝わってくる様です。自然界の神様(ハワイの神話ペレ等)の警告かもしれません?もしかしたら、何らか理由があり、必然な事として、様々な事が世界中で起きているのかもしれないとも思われます。

 世界中の自然と生き物たちと人々が、互いに安全で平和に共存し過ごせる事を、心から祈っています。

 

【プロフィール】
吉田 ひろみ
ハワイ州在住。国際企業フルタイム勤務の傍ら、学業と子育て、地域国際ボランティア活動への参加等、子供と共にチャンレンジの連続で、日々奔走中。今後共、ハワイと日本の国際交流において、何らかのお役に立てる様、又、ハワイの自然と動物愛護にも貢献していきたいと思います。