大きくする 標準 小さくする

第二十三回 私にとってのCAP資格 - 清水スタンボーグ恵子

2019/08/07

世界で活躍するビジネス・パーソンのパスポート―
アメリカCAP(Certified Administrative Professional)試験


第二十三回 私にとってのCAP資格




       
               
                
    清水 スタンボーグ 恵子(シミズ スタンボーグ ケイコ):横浜商科大学准教授 



  私は日本で一般事務職として働いたのち、アメリカ留学のため渡米し、その後、現在の夫と結婚し、夜間に大学へ通いながら、
1979年から在シカゴ日本商工会議所でexecutive secretaryとして、1983年からは昭和海運シカゴ支店のadministrative assistantsales coordinatorとして勤務しました。その後、帰国し、新設された昭和海運の子会社で営業部アシスタントマネージャーとして働いた後は、教職に転じ、約30年間で東京YMCA英語専門学校、武蔵野短期大学、神田外語学院で主に秘書学を担当し、現在は横浜商科大学で教えております。

 秘書学を担当し始めて、秘書教育担当者としての認定は受けましたが、その認定と経験だけでなく、秘書としての知識や技能を高めたいと考え、
1993年に日本秘書協会のCBS(国際秘書検定)を受験し、タイトルホルダーになりました。現在と違って、同期に合格した秘書の方たちのほとんどは外資系の企業に勤める秘書でした。彼女たちとの交流も楽しく、資格勉強にも身が入って、更なる挑戦を探しておりました。CPS試験のことはよく聞いておりましたが、当時はアメリカ、又は試験を実施している国へ行かないと受けられず、私より先輩のタイトルホルダーは数人で、香港などで受験されたと聞いていました。海外での受験は経済的にも大変だなと思いつつ、興味津々でいたところ、日本でも受験できるようになったと聞いたのです。そんな折に、CBSを同期に取った友人の秘書から「バベルでCPS取得の説明会を開くという案内が来た」と教えてもらい、早速その友人と説明会に参加しました。それがきっかけとなり、CPS取得への勉強をし、CPSに続き、その後新しくできたCAPも取得しました。2003年のことです。

 こうした秘書資格の勉強は、私に沢山の知識、技能を教えてくれただけでなく、秘書としては経験しなかった分野に私を導いてくれました。それが会計です。秘書試験に出る範囲の会計だったかもしれませんが、大学では経済を専攻し、会計学は取っておりましたものの、私は秘書として
petty cashの管理しか経験しておりませんでした。そんな私に、企業の業績が数値でわかる財務諸表や分析はとても面白く、その後、私がアメリカ、イリノイ州のCPA(公認会計士)試験に挑戦するきっかけになりました。会計は素人の私にとって、CPAの勉強は楽しくもとても大変でした。まず、日本のBATIC(国際会計検定)の勉強をし、controller levelに認定されるまで、CPAの勉強と並行して受験しました。CPAも当時はアメリカでしか受けられなかったため、私もシカゴやグアムに行って受験しました。私が2009年に合格できたのは、CAP試験の勉強や、後述のIAAP大会参加の過程において、英語力をさらに伸ばせたことも大きかったと信じています。アメリカの試験ですし、essay形態で答える問題も複数あり、英語力は重要でした。国際的な資格試験に挑戦したい方は、まずはCAP受験から始めて、合格により、その入り口に立つ、というようなキャリア設計もよいのではと思います。

 また、
CAPのタイトルホルダーになったことは、私に新しい世界を紹介してくれました。短大の秘書学担当教員としての研究活動の一環で、CAPの運営母体であるアメリカのIAAP主催で1年に1回開催されていたInternational Convention and Educational Forum(現在のSummit)という大会に、オレゴン州ポートランド、カナダのトロント、テネシー州ナッシュビルと3回参加することができたのです。会場では、研究活動として会員にインタビューをしたり、秘書関連の知識を深めただけでなく、沢山のアメリカやその他の国の秘書たちと知り合うことができました。

 当時の
IAAPは会員を地域ごとのチャプターに分けていて、会員はそのチャプターに属していました。私は所属するチャプターがない、一人参加でしたが、私が初めて参加した大会から、私に声をかけてくださり、一緒にランチを取ってくださったHawaii Chapter所属の秘書がいました。当時ハワイの日航でexecutive secretaryをしていた日系人のNora Onishiさんでした。話の中で、ハワイは日本と時差があるので夜9時過ぎまで残業するなどとお話しされ、私たちがバケーションで行くハワイでも、秘書は大変なんだなーと思ったものです。その後の2回の大会でもノーラさんとお会いできて、私は彼女の暖かい人柄とhard workerであることをつくづく感じました。彼女はIAAPの大会は必ず毎回出席され、Hawaii Chapterの幹部として、Chapterをまとめていたのだと思います。

 昨年の
IAAPSummitはテキサス州オースティンで行われ、私は大学の研究助成金の援助もあって、久しぶりに参加しましたが、まだ渡米する前に、何とノーラさんからメールが来て、あなたの名前を出席者リストから見たとのこと。そして、「私は次のchairに選ばれた」と言いました。私はIAAPの幹部の一人として議長を務めることになったのだろうと思ったのです。私もすっかり世代交代したアメリカの秘書の中で、今までの知り合いはもういないだろうと思っていたので、とてもうれしく、ランチョンミーティングで会う約束をしたのですが、ノーラさんが私との時間を作るためにどんなに苦労をしたか、大会で知ることになります。何と全員参加のgeneral meetingで現Presidentと共に、次のPresidentchairであるノーラさんが紹介されたのです。私は今までの彼女のIAAPに対する貢献といい、人柄といい、まさにPresidentになるにふさわしいと心から思いました。彼女は大会の間、ミーティングなどで引っ張りだこで、私も1度のランチと最後の挨拶以外、大会でお会いすることはありませんでした。

 現在、私はバベルユニバーシティ
CAP対策講座で会計を担当させていただいております。CAPのタイトルが、私と同様に、皆さまのキャリア形成や人生に意義のあるものになりますようお祈りしております。





【プロフィール】
清水 スタンボーグ 恵子(シミズ スタンボーグ ケイコ)

Temple University Tokyo 経済学部卒業 米国CPA(公認会計士)、通訳案内士(英語)、米国CAP(Certified Administrative Professional)、CBS(Certified Bilingual Secretary) 在シカゴ日本商工会議所 事務局長付秘書 Showa Maritime U.S.A. Inc. 秘書兼セールスコーディネーター マルチトランス(株)営業部アシスタントマネージャー職を経て (財)東京YMCA英語専門学校、武蔵野短期大学、神田外語学院、バベルユニバーシティにて英語、秘書学、英文会計の教師。現在、横浜商科大学の准教授。


 

記事一覧