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第十八回 CAP ミニレッスン⑪ - Other related points

2019/05/22

世界で活躍するビジネス・パーソンのパスポート―
アメリカCAP(Certified Administrative Professional)試験


第十八回 CAP ミニレッスン ⑪
–Other related points



       
               
                


      河田 幸(カワタユキ):横浜商科大学商学部特任講師。CAP / CAP-OMホルダー

 皆さん、こんにちは。これまで丸山先生とスタンボーグ先生のお力をお借りしながら10回に渡って「CAPミニレッスン」を連載してまいりましたが、今回はレッスンの最終回で、「その他の学習内容」をご紹介します。CAP試験の範囲の広さと多様性を体験して頂ければと思います。

1.Document Design 
効果的な文書を作成するにあたり、デザイン4原則を学びます。

Proximity(近接):関連する要素を近づけて配置すること。余白 (white space)を効果的に使うことで、
             関連性が明確になる。
Alignment(整列):左揃え、右揃え、中央揃え等、要素を整理し、配列すること。
Repetition(反復):表示の手法に一定のルール(重要箇所は太字、各章の題名は「」で括る等)を
              繰り返して使うこと。これにより、統一感を出すことができる。
Contrast (対比):文字のサイズ、色、背景色や罫線の有無といった、明確な違いをつけることにより、
             重要度を示したり、グループ化が可能となる。

 このデザイン4原則は、単独で使うよりも、組み合わせて取り入れると効果性が高くなるとされています
が、あくまで「シンプルで分かり易く」というのが鉄則です。

2. Reproduction – Copy
皆さんがオフィスで毎日使うコピー機の機能と種類について学びます。まず、以下のワーディングに注意し
ましょう。


Convenience CopierLow Volume Copier:皆さんの部署に置いてあるコピー機はこのカテゴリーに属し、
        使用できるのは普通紙のみです。

Turnaround TimeTime required to receive copiers once originals are placed on the copier
        コピーの処理完了までに必要とされる時間のことです。 

Duplex:  両面コピー
Job recovery: 割り込み機能
Multifunction / All-In-One Unit:  複合機(a copier-printer / a copier-printer-fax
               /a copier-printer-fax-scanner



また、コピー関連で注意すべき点は、セキュリティ面(媒体別の情報漏えいの原因では、紙媒体が最も多い)で、
以下のような対策があります。(「大塚商会
WEB」参照)
 * 電子化で紙の紛失を防ぐ。⇒ 紙使用量の削減、文書管理も容易に。
 * ログを取得する。⇒ 利用履歴を画像で保存、問題発生時の原因究明も可能。
 * 
ICカード認証を導入。⇒ 利用者本人のみが印刷物を取り出せ、漏えいを未然に防ぐ。

3.オフィスデザインと特徴
 昨今のオフィスデザインは、
”Open Office (“Modern”, ”Modular”) Design”が主流とされています。
その特徴として、①
Minimum of permanent wallsと②Use of Modular furniture systemsが挙げられ、人数の増減やチーム編成の変更といった、組織の戦略プランに柔軟に対応可能なだけでなく、フロアスペースの有効利用やエネルギーコストの削減といったメリットも持ちます。

 これに対して、個室に区切られたタイプのデザインは、
”Private Office (“Closed”, “Traditional”) Design” と呼ばれ、役員室を始め、機密性の高い情報や個人情報を扱う職種、集中力を必要とする仕事用として使われています。

 また最近は、在宅勤務 (
Telecommuting) を推進する企業も増えてきましたが、自宅兼オフィスを、 ”Virtual Office” と呼びます。またこれに関連し、在宅勤務のメリット、デメリットを考えさせる出題もありますので、合わせて確認しておくことにします。

まず、メリットとしては、従業員にとっての便宜性の高さ(子育てや介護との両立、通勤時間や疲労の軽減、生産性の高い仕事が実現できる等、)そして企業側にとっては、優れた人材の確保、通勤費やオフィススペースにかかるコストの削減といった点が挙げられます。その一方で、コミュニケーション不足、評価や管理の難しさといった大きな課題もあります。そして、セキュリティ面を十分に考慮した
ITインフラの整備も必要ですから、導入に際しては、企業の総体的判断が不可欠です。

4.健康上の懸念
 従業員の健康管理は組織にとって重要な課題であり、管理者としても認識すべき点です。練習問題を通して学びましょう。


One of your subordinates has a symptom of “Carpal Tunnel Syndrome”. Your advice for him will be

   A) to make sure to look away from the display monitor every 15 minutes
   B) to join a physical fitness club and do some exercises
   C) to use ergonomically designed office equipment
   D) to order ambient lighting that entirely illuminate the work space


この問題は、
“Carpal Tunnel Syndrome” (「手根管症候群」)の知識を問うものです。
手首には手根管と呼ばれるトンネル状の形態を持つ部分がありますが、その中の神経が圧迫されることで、しびれや痛みが発生します。この症状の原因の一つとされているのが手首周辺の酷使で、オフィスであれば、タイピングやマウスを使う際の
PC操作も懸念材料となり得ます。こういった知識があれば、C) を解答として選ぶことができます。ちなみに、”ergonomically” は、「人間工学的に」という意味です。

それでは他の選択肢も確認しておきましょう。

A) は眼精疲労 (eyestrain) の対策です。コンピュータ作業中はミスを少なくしようと意識が働き、まばたきの回数が少なくなるそうですので、ドライアイにも気を付けたいものです。
D) は照明に関する知識を含んだ選択肢です。“Ambient” は「周辺の」という意味ですが、”Ambient lighting” は作業スペース全体を照らす間接光のことです。例えば、天井や壁に設置されているLED照明器具がこの種類に該当します。これに対して、手元を照らす直接光は ”Task lighting” です。

5.情報セキュリティ対策  
 皆さんのオフィスではどんな情報セキュリティ対策をなさっていますか。
USBメモリーの使用を禁じる、
職場外で仕事上知り得た情報を漏らさない、
SNSの利用には注意する、メールに記載されたリンクや添付ファイルを不用意に開けない、といったところでしょうか。特に気をつけて頂きたいのは、仕事中に不審なメールを受け取った場合は、自分で判断せずに、セキュリティ部門にすぐ連絡をするという点です。

トラブルの回避と情報共有がその理由ですが、後述する
”targeted attack” も従業員の甘い判断やちょっとした不注意が、大きな事件のきっかけとなり得ます。また、最近カフェなどでパソコンを使うビジネス・パーソンをよく見かけますが、無料のWi-Fiサービスを利用して仕事をするのはセキュリティ上、安全とは言えません。

 それでは最後に、最近増えている、「標的型攻撃メール」(
targeted attack) に関する知識です。
同メールは、特定の企業を狙って、機密情報を搾取するといった明確な意図を持ち、甚大な被害へとつながる可能性がありますので、十分な注意が必要です。特徴は以下の通りです。


送信者名として、実在する信頼できそうな組織名や個人名を詐称する
受信者の業務と関連の深い内容を装うため、安心して開封してしまう
ウイルス対策ソフトでも検知されない場合が多い
メールが海外の
IPアドレスから発信される場合が多い
感染しても、
PCの動きには特に変化が見られない
長期間にわたって標的となる組織に送り続けられる(内容は毎回異なる)
     (独立行政法人情報処理推進機構技術本部 セキュリティセンタ資料参照)


 この他にもまだまだCAPの学習内容はありますが、ご興味がある方はホームページの試験内容をチェックしてみて下さい。現在の職務と関連する内容が見つかるはずですから、それをきっかけとして、守備範囲を広げていくのも良い戦略だと思います。

 さて次回からは、分野別に練習問題とその解答をご紹介しながら解説してまいります。
初回はマネジメント分野で、引き続き私が担当致します。どうぞお楽しみに。



【プロフィール】
河田 幸(カワタ ユキ)
東京都出身。大学時代にESS(英語部)で国際政治経済問題を討論するうち、ビジネス界に興味を持つ。イギリス系銀行、コンピュータ・ベンダー企業、アメリカ系銀行に勤務。CAP受験対策講座ではITとマネジメント分野を担当。

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