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第十七回 CAP ミニレッスン ⑩ - Domain 6: “Operational Functions” – 2: Accounting

2019/05/07

世界で活躍するビジネス・パーソンのパスポート―
アメリカCAP(Certified Administrative Professional)試験


第十七回 CAP ミニレッスン ⑩
– “Domain 6: “Operational Functions”
– 2: Accounting”



       
               
                


 清水 スタンボーグ 恵子(シミズ スタンボーグ ケイコ): 横浜商科大学准教授

  今回は会計のパートです。会計は、学校などで基本を学んでいたり、簿記検定で3級かそれ以上の級を取得していたり、日常の業務で行っている方にとっては、難しくないと思います。1度も会計に触れたことがない人には、少し大変かもしれませんが、以前に比べてずっと易しい内容になっており、難しい会計の問題は出ません。どうしてもわからない場合は、BATIC(国際会計検定)の入門テキストなどで基本を学ばれるとよりわかりやすくなるはずです。

 会計では、まず
assetsnet incomeといったkey termsを英語で覚えることが求められます。これらはすべてStudy Guideにありますので、覚えましょう。1例として、assets(資産)は、”a balance sheet item, show what the firm owns. They are also considered a resource that an individual or a company owns or controls in hope of reaping a future benefit.”とあります。つまり、「貸借対照表の項目であり、会社が所有するものである。また、個人や会社が将来に利益を得ることを期待して、所有したり管理したりしている財産ともみなされる」ということです。貸借対照表上の勘定科目であるということは、通年使われ続けるということです。これをpermanent accountとかreal accountと呼びます(ちなみに、損益計算書やキャッシュフロー計算書上の勘定科目はtemporary accountまたはnominal accountと呼ばれ、毎年0から始まるわけです)。また、現在だけでなく、将来受けることが期待される利益をもたらす財産であることも重要な点です。

 
key termsは皆さんで覚えてもらうとして、ミニレッスンとして、ここではpetty cash management(小口現金の管理)についてお話しします。Study Guideによると”Petty cash is small, accessible amounts of cash for minor business expenses.”と定義されています。つまりpetty cashとは、「小さなビジネス上の出費のための少額で利用しやすい現金」のことです。

 さらに、
Study Guideでは、以下のことが書かれています。
 
・A voucher is completed for disbursement of funds.
  (小口現金を使う際には、バウチャーに記入する)
 バウチャーとは、会計用語で負債の支払いを認めてもらうために書く、書式の決まった
 文書のことをいい、現金の支払いに対する内部統制を目的としています。

 ・The receipt is submitted to the custodian once the purchase is made.
 (小口現金を使ったら、その保管者に領収書を提出する)
 アメリカでは小口現金の保管者は秘書がなることが多く、一人で責任を担います
 
・Each disbursement is logged in a ledger or other record.
 (小口現金を使ったら、台帳または他の記録簿に記録する)
 
・The extra cash left after the purchase is returned to the fund.
 (購入後に残った余分な現金は小口現金の資金に戻す)
以上、それほど難しい内容ではないですね。
petty cash関連の問題で難しいのは仕訳の問題が出た時です。これを覚えましょう。

 
petty cash managementにおける仕訳は二つです。一つはestablishing petty cash fund(小口現金資金が初めて作られるとき)の仕訳で、もう一つはreplenishing the petty cash fund(小口現金を定期的に補充するとき)の仕訳です。大切なことは、petty cashが使われるたびに仕訳はしないということです。

 まず、小口現金資金を創設するときの仕訳は以下のとおりです。
100ドルで創設したとしましょう。
Debit: Petty Cash 100 / Credit: Cash 100
ところで、
debitcreditとは仕訳をするとき、単に左側に来るものがdebit、右側がcredit
と呼ばれる名前です。
CashPetty cashも流動資産で、資産が増えるときは左側に記入します。減るときは反対に右側に記入するわけです。この増える側をnormal balanceと呼んでいます。つまり、この仕訳では、流動資産であるpetty cash100ドル増えて、同じく流動資産である現金が100ドル減ったことを意味します。会社は小口現金資金を作るために100ドル消費したわけです。

 次に小口現金を補充するときの仕訳です。たとえば、期間中に
ドルの切手と12ドルのタクシー代、それに雑費で3ドル消費したとします。
Debit: Postage Expense 8, Transportation Expense 12, Miscellaneous Expense 3 / Credit: Cash 23
Expense
(費用)のnormal balanceは同じく左側(debit side)ですので、この仕訳では、それぞれの費用が増えて、流動資産である現金が23ドル減ったことを意味します。減った分は小口現金資金に補充されたわけです。

 では、最後に関連する問題を解いてみましょう。
問題1
 A company that wants to strengthen its internal financial control system for cash or check payments will implement a 
a) Computer system
b) Voucher system
c) Purchasing system
d) Cash flow system

答えは
b)です。現金(小切手も現金に入る)支払いへの内部統制を図るためにバウチャーが使われる、とありましたね。

問題2 
Which one of the following accounts is a nominal or temporary account?
a) Cash
b) Accounts payable
c) Land
d) Advertising expense

答えは
d)です。expensesは損益計算書上の勘定科目ですから、temporary (or nominal) accountsです

問題3 
The petty cash account is an example of a
a) Fixed asset
b) Current liability
c) Current asset
d) Capital account

答えは前述どおり、
c)の流動資産です。

問題4
 When a petty cash account is replenished:
a) The petty cash account is debited
b) The petty cash account is credited.
c) Expense accounts are debited.
d) The cash account is debited.

答えは
c)です。Petty Cashという勘定科目が使われるのはpetty cash fundを始めて作るときだけです。その後の定期的な補充時にはdebitexpensescreditcashでしたね。

 講座では、皆さんが予想される問題の情報を得ることが第一ですが、同時に会計って面白いなと思ってもらえるとうれしいです。





【プロフィール】
清水 スタンボーグ 恵子(シミズ スタンボーグ ケイコ)
Temple University Tokyo 経済学部卒業 米国CPA(公認会計士)、通訳案内士(英語)、米国CAP(Certified Administrative Professional)、CBS(Certified Bilingual Secretary) 在シカゴ日本商工会議所 事務局長付秘書 Showa Maritime U.S.A. Inc. 秘書兼セールスコーディネーター マルチトランス(株)営業部アシスタントマネージャー職を経て (財)東京YMCA英語専門学校、武蔵野短期大学、神田外語学院、バベルユニバーシティにて英語、秘書学、英文会計の教師。現在、横浜商科大学の准教授。

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