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第十四回 CAP ミニレッスン⑦ Domain 4: “ Office and Records Management ”

2019/03/22

世界で活躍するビジネス・パーソンのパスポート―
アメリカCAP(Certified Administrative Professional)試験


第十四回 CAP ミニレッスン ⑦
Domain 4:
Office and Records Management”



       
               
                
丸山一子(マルヤマ カズコ)

Office and Records Managementの領域では、記録・情報管理とオフィス管理について学びます。記録とは何かという話からスタートして、記録の分類、レコードサイクル、ISO15489の規準、ファイリングの種類など、記録・情報管理に関する用語がたくさん出てきます。記録・情報管理に関する世界的な団体であるARMA Internationalのルールを使って、実際にアルファベット順にファイリングする技能も学びます。記録・情報管理の内容は、テクノロジー領域の知識とも電子化、情報セキュリティといったところで密接に関連しています。

実務との関連性は、非常に高い内容です。企業の資源は、ヒト・モノ・カネ・情報と言われています。企業にとって最新の情報を迅速に入手することはとても重要です。また、膨大な保存記録の中から必要な情報を迅速に取り出し、必要な人に届けることも重要です。最近増えている情報漏洩、情報流失やデータ改ざんが企業に大きな信用上、賠償責任のダメージを与えています。企業はそれを防ぐために多額の投資をしていますが、サイバーテロやハッキング、様々なウィルス、社員による漏洩など脅威はなかなか拭いきれません。また、記録は証拠性を持つものです。訴訟や仲裁、ディスクロージャー制度への対応をするために、必要な記録と不要な記録を識別・整理して、あらかじめ定められた規定に従って、確実に保管、廃棄していく社内システムの構築が必要です。BCP(事業継続計画)にも、記録・情報管理は欠かせないトピックとなっています。

ミニレッスン
1 (Record Cycle レコード・サイクル)
レコード・サイクルは記録・情報管理の基本的な考え方で、レコードの作成から廃棄に至るまでの一連の流れを指します。レコードを作る段階から、後の過程ことを配慮しておかなければ使いにくいレコードを生み出すことになってしまいます。「置き換え」とは、日常的に使っていてデスクの傍に保管していた文書を、使用頻度が落ちた際に倉庫などに場所を置き換えることです。逆もあり、使用していなかったデータで、
CDなどに保存してキャビネなどに格納していたファイルを、業務状況が変わって毎日使用することになった場合には、自分のPCのデスクトップやハードディスクにファイルを移動させるというケースです。




ミニレッスン
2 (良い記録の特性)
2001年に国際標準化されたISO15489は、記録管理に関する規格です。ここで、信頼できる記録を作成し保存するために求められる、良き記録の特性について4つ述べられています。
1)真正性(Authenticity) 記録が権限のある人によって作成され、しかも記録が権限のない人による追加、削除、変更、利用または隠蔽から守られていること。
2) 信頼性(Reliability) その内容が組織の業務や活動を完全性格に表していることから、信頼でき、業務や活動の証拠となるような記録のこと。
3) 完全性(Integrity) 記録が完成された後、変更されていないこと。また、権限に基づかない変更から守られていること。
4) 利用性(Useability) 記録の所在場所がわかり、検索・提示ができること。また、記録を生み出した組織活動や業務処理と直接結びついた形で提示可能なこと。

参考文献: 「今、なぜ記録管理なのか=記録管理のパラダイムシフト -コンプライアンスと説明責任のために」 小谷允志 2008年 日外選書


ミニレッスン
3 (ARMAアルファベットルール)
ARMA Internationalのアルファベット順ファイリングルールの一部をご紹介します。
名刺や受領したレター、患者カルテなどを人の名前や、会社名を使ってアルファベット順に並べていく際のルールです。
まずは、名前をユニットと呼ばれるパーツに分けていきます。ここでは、名刺の人名を使って名刺を整理するイメージで考えてみてください。
例 名刺
1   Caroline Marie Campbell    名刺2    Carlos Sebastian Rodriguez

      Unit 1          Unit 2          Unit3
名刺
1    Campbell    Caroline      Marie
名刺
2    Rodriguez   Carlos        Sebastian

ここでは、基本的なルールの一つを覚えてください。
ルール
1   人名は Family name、First name、Middle nameの順番となる。

ルール
 に従い、第一ユニットには、姓であるCampbellRodriguezが入ります。
頭のアルファベット「C」と「R」では「C」の方が、アルファベット順が若いので、名刺1が先に並べられるということになります。

それでは、ここで練習問題をしてみましょう。

Applying the Simplified Filing Standard Rules established by ARMA International, which one of the following personal names is placed first using alphabetical ordering?
A) Alyce Jean Brightman
B) Sarah Lily Boldwin
C) Jones David Baker
D) Steve Drew Bell


ミニレッスン
3を問う問題です。ルール1に従ってユニットに並べて行くと下記のようになります。
       Unit 1            Unit 2    Unit 3
A)    Brightman    Alyce    Jean
B)    Boldwin       Sarah    Lily
C)    Baker          Jones    David
D)    Bell             Steve    Drew
Unit 1
の各Family nameをアルファベット順に並べると、一文字目は全て「B」で同じなので順番がつけられませんが、二文字目でC)→D)→B)→A)の順番に並べられ、最初に並べるものを解答するのでC)が回答となります。

記録・情報管理は、受講生には苦手感を持つ方も多いのですが素直な問題が出やすいため、一つ一つ丁寧に学べば得点源になります。
次回は、
Event and Project Managementのレッスンです。



【プロフィール】
丸山一子(マルヤマ カズコ)
長年にわたる役員秘書を経験後、ビジネス実務、ビジネス英語、コミュニケーション、立ち振る舞い、マナーなど多方面にて講師活動を展開。
同時に大学など学術機関において組織心理・組織行動学を研究 。

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