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第十二回 CAP ミニレッスン⑤ Domain 3 : “Technology and Information Distribution” - 2 : System Software

2019/02/22

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第十二回CAP ミニレッスン ⑤

Domain3: “Technology and Information Distribution”
- 2 :  System Software”



     
 
河田 幸(カワタユキ):横浜商科大学商学部特任講師。CAP / CAP-OMホルダ

 IT分野の第2,3回目は ”Software” の学習です。今回は ”Hardware”との関連性も深い分野ですので、復習も兼ねてお読みになって下さい。

 まず
”Software” は、System Software” (HardwareやApplication Softwareを管理する役割を持つ) と“Application Software” (文書作成、表計算、プリゼンテーション等)の大きく二つのカテゴリーに分類されます。今回は ”System Software” について学びますが、 Application Software”に比べると馴染みが薄いと思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。それでは定義を確認してみましょう。

System Software consists of a set of generalized programs that include the operating system, network management, database management, system utilities, and performance and security monitors. 
(CAP Examination Review “The Office Systems and Technology” Fifth edition published by PEARSON Prentice Hall)


 つまり
”System Software” には、OS(Operating System, 基本ソフト)、ネットワーク管理、データベース管理等、様々な機能が含まれるのですが、今回は ”System Software” の要である、”OS” に焦点を当てて学習します。

       OSの主な機能(参照:基本情報処理技術者試験サイト)

1.ジョブ管理:ジョブはコンピュータの仕事上の単位で、プログラムを連続で実行させることにより、
        効率的に利用できるようにしている。
2.タスク管理:タスクはコンピュータ処理の単位で、複数のタスクがある場合、どのタスクから処理をするかをコントロールする。
3.メモリ管理:メモリを効率的に利用するように管理する。また、実際のメモリ容量よりも多くの記憶容量を取り扱う仮想記憶
(Virtual Memory) の管理等も行う。
4.ファイル管理:データの入出力や、ファイル(データ)を管理する。
5.デバイス管理:入出力機器などの周辺機器の管理を行う。 
6.セキュリティ管理:ユーザがコンピュータ資源にアクセスする際、事前に認証する仕組みを提供する。(ユーザに適切なアクセスレベルを付与し、管理者の方針に基づいてアクセスを制限する。)

 このように、
”OS” はコンピュータシステムにとって重要な働きを担っており、「コンピュータを起動する」( boot the computer )ことも役割の一つです。
そのプロセスは、
①コンピュータの電源を入れる⇒②
CPUMotherboard上のROMに記憶されている
BIOS (Basic Input /Output Software、入出力装置を稼働させるプログラム) と呼ばれるプログラムを実行する
⇒③補助記憶装置に保存されている
OSがメモリにロードされる⇒④PCを利用できる状態になる、となります。

 また、日々の業務に欠かせない
“Application Software”OS上で動作していますので、”System Software”はまさに「縁の下の力持ち」的存在ですね。

 それでは実用的な知識へと入って行きましょう。
皆さんが使っていらっしゃるOSは何でしょうか。コンピュータ向けであれば、
Microsoft Windows 7 / 8 /8.1/10AppleMac OS X, IBM z/OS, Linux等、そしてスマホならば、GoogleAndroid, Apple Mac iOS、といったところでしょうか。ここで気を付けて頂きたいのは、Windows系のOSにはサポート期間(Windows 7の場合は20201月、Windows 8.1であれば、20231月)がある点です。この点について説明を加えます。

 一般的に、
OSのサポート期間終了は、セキュリティ更新プログラムの提供停止を意味します。
この更新プログラムは、ソフトウエアの脆弱性
(Vulnerability) を修正するソフトウエアですが、既定で自動更新が有効になっており、コンピュータで自動検出されて、インストールされる仕組みです。つまり、同プログラムの提供がなくなれば、セキュリティ上、大きな懸念材料を抱えることになるわけです。多くの企業で既にWindows10への移行が完了しているのは、こういった事態を回避するためです。

 また、ウイルス対策の各種ソフトウエアのサポートもメーカーに歩調を合わせていますので、ご自宅でPCをお使いの方は気を付けて下さいね。ちなみに、サポートが終了しているOSを使い続けることは、重大な「
Netiquette : Network + Etiquette: ネットワークを利用する上でのマナーやエチケットのこと) 違反になります。

 それでは
Hardwareの復習も兼ねて、練習問題に取り組んでみましょう。

The system module for booting the computer is permanently stored in 
   A) ROM        
   B) RAM        
   C) Secondary storage    
   D) Virtual memory


 この問題の文章中には大きなヒントがあります。 

”permanently stored” という表現ですが、お気づきになりましたか。
前回のレッスンを思い出しながら答え合わせをして下さいね。

A)
ROM (Read Only Memory) :読み取り専用のメモリで、メーカーによって埋め込まれた重要な命令が記憶されており、上書きはできません。この点を理解していれば解答できますね。これが正解です。
B)
RAM (Random Access Memory) :コンピュータ処理の過程で、データを一時的に蓄積しますが、パソコンの電源を切ると、データは失われます。(揮発性メモリ)
C)
Secondary storage: 二次記憶装置、補助記憶装置。Hard disk, CD, DVD, USB Memory等が属します。
D)
Virtual Memory: OSによるメモリ管理方式の一つで、主にメモリが不足した場合に補助記憶装置の一部をメインメモリのように利用できるようにすることです。本文中の「OSの機能:3.メモリ管理」の箇所もご参照下さい。

 このように
CAP試験では、つの問題で複数の領域や項目を問う出題が多く見られます。
IT分野は特に専門用語が多く、用語を中心に勉強をする方も見受けられるのですが、定義を暗記するような細切れの知識ですと、試験問題に対応が難しいだけでなく、実際の仕事にも応用が効きません。ですから、テキストや参考図書を丁寧に読み、全体像を理解した後に、様々な用語とその働き、そして各項目の相互関係を把握するよう心掛けると良いと思います。

それでは今回の学習のまとめとして、
OSの定義を確認しておきます。

Operating System: The software that serves as a bridge between the computer hardware and application software with which the computer user works. 
(”How Computers Work, Ninth Edition” QUE, Ron White)


 次回のレッスンでは、
”Application Software” について学びます。




【プロフィール】
河田 幸(カワタ ユキ)

東京都出身。大学時代にESS(英語部)で国際政治経済問題を討論するうち、ビジネス界に興味を持つ。イギリス系銀行、コンピュータ・ベンダー企業、アメリカ系銀行に勤務。CAP受験対策講座ではITとマネジメント分野を担当。
横浜商科大学商学部特任講師。CAP / CAP-OMホルダー、英検1級、通訳案内士、翻訳実務士(英日文芸)、ビジネスマネージャー資格。

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