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第十一回 CAP ミニレッスン④ -Domain3:“Technology and Information Distribution” - 1 : Hardware

2019/02/07

世界で活躍するビジネス・パーソンのパスポート―
アメリカCAP(Certified Administrative Professional)試験


第十一回 CAP ミニレッスン➃

– “Domain3: “Technology and Information Distribution”
- 1 : Hardware”



     
 
河田 幸(カワタユキ):横浜商科大学商学部特任講師。CAP / CAP-OMホルダ

 CAPミニレッスンは、今回からIT分野に入ります。
回目はHardware関連で、コンピュータの仕組みや機能に加え、インターネット、SNS,セキュリティ、コマース、ネットワーク等について学んでまいります。

それでは早速、コンピュータによるデータ処理の仕組み、
”Processing Cycle” からご説明致しましょう。

 まずオフィスでデータが作成されると (
➀Data Origination)、その内容はコンピュータに入力(②Data Input) されます。但し最近では、タイムカードの代わりにICカードを導入し、カードをかざすだけで、データの作成と入力は瞬時で完了するなど、➀の作成と②の入力が、Automation化されている場合が多いと思います。これにより、作業のスピードと正確性の向上が実現できることになります。

 次に入力されたデータは、コンピュータで処理 (
③Processing) 、又は、保存 (➃Storage) されます。
あるいは、処理を加えられてから保存される場合もあります。ここで、処理方法には
”Online Processing””Batch Processing” があることに注意しましょう。前者は入力と同時に行われる処理、後者はある一定の期間データを蓄積し、その後一括処理を行う方法です。

 最後のステップとして、報告書や資料作成等の目的で出力 (
⑤Output) され、Softcopy(画面出力)か Hardcopy(ペーパー)の形で配布 (⑥Distribution
)されます。これがコンピュータ処理の一連の流れです。


  
 
それではここで練習問題です。

 
David withdraws $500 from his checking account by using bank automatic teller machine and has the
balance of $300. This is an example of


      
A) batch processing     B) online processing    C) real-time processing     D) group processing

 この問題は、
”automatic teller machine”ATMであることに気づけば、残りの部分は読む必要なく解答ができます。ATMは瞬時に処理がされなければ意味はありませんから、答えは)です。

 数字に気を取られて、会計の問題と勘違いして計算しないで下さいね。この試験では、必要な情報を瞬時に見極めるスキルも試されます。

 ちなみに
A)のバッチ処理のようにデータを蓄積してから一括処理する例としては、月次売上データや給与計算などが挙げられます。

 それでは次に、コンピュータ・ハードウエアの基本部分を構成する、「5大装置」と呼ばれる仕組みを説明します。この箇所からは毎回出題がありますので、きちんと理解しておきましょう。

➀ 入力装置(Input Devices)  
  パソコンに命令を入力するための装置。キーボード入力やデータベースへの保存など、外部からの情報を
  コンピュータが読み取る機能。
  例:
Keyboard, Mouse, Scanner Sensor, Microphone, Stylus Visual System, Touchpad

② 出力装置(Output Devices)  
   入力装置により記憶されたデータの計算や演算結果を人間に理解できる形で外部に表示する機能。   
   例:
Display, Speaker, Printer

③ 記憶装置 (Storage)
   入力されたデータやプログラム、処理結果などのファイルを記憶、保存するための装置。
   直接
CPU (Central Processing Unit,中央演算処理装置, ➃+⑤)がアクセスし、演算を行う主記憶装置
   (
Primary Storage) と補助記憶装置 (Secondary Storage)がある。
   
Primary Storage:   ROM (Read Only Memory), RAM (Random Access Memory)
   
Secondary Storage: Hard disk, USB flash drive, CD, DVD, Blue-ray, Cloud Storage

➃ 演算装置 (Arithmetic / logic unit)
   ⑤からの命令によって四則計算や論理計算などを行う。記憶されているデータをプログラムの命令に
   従って、2進数 (
binary, two-state) で処理する。

⑤ 制御装置 (Control Unit)  
  プログラムの命令を入力装置、出力装置、記憶装置、演算装置に伝達しシステム全体を制御している装置。
  主記憶装置に格納されたプログラムから命令を1個ずつ取り出し、 解読し、命令を制御する。

 ここでは特に、③の
ROMRAMの違いに気を付けて下さい。
ROMは読み出し専用メモリで、コンピュータの起動等、重要な命令が記憶されており、電源を切っても記憶内容が保持される不揮発性 (nonvolatile memory) です。一方RAMは、データの読み出しと書き込みが可能なメモリで、電源を切ると記憶が消える揮発性記憶装置 (volatile memory) で、実際の試験でも頻出事項の一つです。

 それではこの辺で、セキュリティ関連用語も勉強しておきましょう。以下は何についての定義でしょうか。

“a part of a computer system or network which is designed to block unauthorized access while permitting outward communication” (Oxford Dictionary of English Second Edition Revised)

 「外部とやり取りを行う際に、不正アクセスを遮断する目的でつくられたコンピュータシステムやネットワークのこと」と言えば、
”Firewall”(「防火壁」)です。内部ネットワークへの不正侵入から守り、データへの攻撃や盗聴、改ざんなどを未然に防ぐ目的を持ちます。

 この段階で正解だった方は
ITを強みとして学習を進められそうですね。

 そして最後にもう一点、
SNS (Social Networking Service) 関連問題もよく出題されていますので触れておくことにします。

 
SNSは皆さんご存知の通り、インターネット上で人とつながる会員系のサービスですが、大きく分類すると、交流系のFacebook, Twitterに加え、 LINE(メッセージ系)、 Instagram(写真系)、YouTube(動画系)などがあります。

 その中でもビジネスに特化した
”LinkedIn” は頻出事項で、個人の職歴やスキル等を公開するため、求人、求職などのビジネスマッチングやキャリアアップの目的としても広く利用されています。アメリカではホワイトカラーの約7割が参加しているとされており、ビジネス上のネットワーク構築にも役立ちます。

 
IT分野では、実際にオフィスで使われているシステム環境に興味を持つことが大切です。
どんな機器装置が、どのような接続形態で、どんな目的で使われているのか、あるいは、あなたが使っているPCのスペック(仕様)や、その
PCを組織が選択した理由なども参考になりますので、好奇心のアンテナを張り巡らせて、疑問に対する答えを探してみて下さい。

 こういった
IT用語とその背景への理解は、試験対策としてだけでなく、ヘルプデスクとのやりとりや
IT部署とのプロジェクト・ミーティング等、オフィスの様々な場面で役立つことでしょう。
 
 次回は
Software関連の学習に入ります。



【プロフィール】
河田 幸(カワタ ユキ)

東京都出身。大学時代にESS(英語部)で国際政治経済問題を討論するうち、ビジネス界に興味を持つ。イギリス系銀行、コンピュータ・ベンダー企業、アメリカ系銀行に勤務。CAP受験対策講座ではITとマネジメント分野を担当。
横浜商科大学商学部特任講師。CAP / CAP-OMホルダー、英検1級、通訳案内士、翻訳実務士(英日文芸)、ビジネスマネージャー資格。

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