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第二回 CAP試験・基本情報② <実施要項と学習ツール>

2018/09/25

世界で活躍するビジネス・パーソンのパスポート―
アメリカCAP(Certified Administrative Professional)試験


第二回 CAP試験・基本情報② <実施要項と学習ツール>


                                       河田 幸(カワタユキ):横浜商科大学商学部特任講師。CAP / CAP-OMホルダー

 皆さん、こんにちは。連載2回目である今回は、CAP試験の実施要項と学習ツールをご紹介致します。まずは実施要項です。

 試験日   年2回、春と秋に実施 
          2018年:9月23日~10月13日 
          2019年:3月28日~4月15日
 試験会場  IAAPによって指定された会場(世界各地にあります。)
 回答方式  CBT(Computer-based Testing)方式、4肢選択
 問題数   約300問(毎回問題の内容によって異なります。2018年春は321問でした。)
 回答時間  3時間30
 受験料   $375 (IAAPメンバー価格)  /  $560(一般価格)
 受験資格   学位と実務実績の記載が必要。 
          大学卒: 2年以上の実務実績
          短大卒: 3年以上  〃
          学位なし:4年以上  〃
 
 それでは各項目に説明を加えます。
まず試験日をご覧になり、日時が特定されていないことを不思議に思う方がいらっしゃるのではないでしょうか。この試験は世界各地で受験が可能ですが、時差がありますから、一斉に実施というわけにはいきません。従って、受験申込みの受け付け → IAAP による受験会場と受験日の決定 → 受験者に通知 というステップを踏むことになります。ですから、受験のお申込みは、ご自身のスケジュールをよく確認した上で、余裕をもってなさることをお勧めします。

 次に試験会場ですが、IAAPが委託した会場が日本各地をはじめ、各国に複数あり、(ホームページをご覧になると、世界地図上に会場の位置が表示されています。)基本的にはその中から指定されることになります。アメリカの試験でありながら、国内で受験できるのは安心ですね。長期休暇を取って現地に赴き、時差ボケのまま試験に臨む、ということはありません。

 そして皆さんの関心が高い、試験時間と問題数についてです。日本の試験に慣れている私たちにとっては少しイレギュラーにも思えますが、試験時間は「3時間半」と決まっているものの、問題数は実施回によって異なります。出題の内容によって問題数を調整しているためと推測しますが、いずれにしても、210分で300問以上の問題を解くことに変わりはありませんから、1問に1分はかけられません。全て英語で書かれた設問と4つの選択肢に素早く目を通し、知識や応用力を駆使して短時間で判断を下すのですから、取り組み甲斐は十分です。

 またCAP試験には「受験資格」があり、他の試験と差別化できるポイントの一つとなっています。
この試験に合格し、ホルダーに認定されるということは、単に豊富なビジネス知識を持っているだけでなく、実務実績をベースとした「即戦力」を持つことへの証明にもなるわけです。
複数企業での職務経験がある場合、実務期間はその合算で大丈夫ですし、雇用形態も問われません。
また、受験申込みはオンライン上で行いますから、上司の署名等も不要です。従って、学位とそれに応じた勤務期間が条件を満たしていれば、自動的に受験資格を得られることになります。

以上が試験概要になりますが、更に詳しくお知りになりたい方は、以下のホームページもご参照ください。
IAAP 
http://www.iaap-hq.org    バベル・CAPコース  http://babel-edu.jp/cap

また、バベルでは説明会を実施しておりますので、開催日時をホームページでご確認の上、お気軽にお申込み下さい。ご都合に合わせて、会場参加、又は、会議システムを利用したご自宅参加をお選びいただけ、
リアルタイムやメールベースでのご質問にも対応しております。

 さて次に学習ツールについてご説明致しますが、その前にIAAPの活動について触れておく必要があるように思います。
IAAPは、CAP資格の他にも、テクノロジーやプロジェクト・マネジメントといった、ビジネス関連の資格運営に加え、各種セミナー(例えば、毎年3月には、CAP受験者向けの”boot camp”が催されており、来春の合格を目指す方々の申込みが既に始まっています。)やトレーニング等、様々な学習の機会を提供しています。アメリカではこういった参加型の学習を通しての資格取得を目指す方が多く存在しますし、IAAP側としても、教育から資格認定、そして合格者の継続学習、と包括的にホルダーの学習意欲の維持と能力の向上をサポートし、CAPを始めとする各種資格試験を、グローバルなビジネス・スタンダードとして確立する狙いがあるようです。

 このように、いわゆる”Active Learning”を積極的に行っている背景があるでしょうか、公式なCAP試験対策書と言えば、IAAPが発行している「CAP Study Guide」の1冊だけです。過去問題集どころか、試験問題の公表もしていません。それならばこのテキストを必死に読み込み、吸収してしまえば合格できるかと言えば、知識面だけでも全く足りませんし、増して、応用・実践力系の問題への対応は難しいでしょう。

但し、IAAPもこの点は十分承知で、Domain別に専門書を紹介しています。(詳しくは、IAAPのホームページからダウンロードできる、“Body of Knowledge”をご参照下さい。)私も以前の推薦図書から何冊か購入しましたが、”How Computers Work / 9th Edition” (QUE), と、“Management /7th Edition” (Houghton Mifflin) は特に参考になりました。
このように、「CAP Study Guide」はあくまで「基本対策書」的な位置付けであり、プラス・アルファの知識が必須である点をご理解下さい。

それでは他に参考になる本は、と言えば、IAAPPrentice Hallの発行による、一世代前のCAPテキストでしょうか。”Management”, “Office Systems and Technology”, そして、“Office Administration”の3分野に分類されたテキストは、ずっしりと重い、それぞれ400ページ程度の原書です。”Management”のテキストは理論がよくまとまっており、この分野の初心者の方にとっては分かり易いと思いますし、”Office Administration”は資料が豊富ですので、理論を視覚化するには便利です。また、各専門家が書いた質の高い文章は、リーディング力をつける素材としても有効です。

ただ、特に”Technology”の本にはレトロ感が漂いますし、3冊共増版をしていませんので、入手するなら
アマゾンのマーケット・プレイスということになりそうです。

 「もっと気軽に勉強を始めてみたい。」とおっしゃる方には、IAAPのオンラインストアからも購入できる、
”50-Minute Manager”シリーズはいかがでしょう。”Business Etiquette and Professionalism”, “E-mail Management”等、やや小さめの切り口でビジネスに生かせるコツや知識がまとめてあり、いずれも100ページ前後、お値段も手頃です。理論の部分的な強化やピンポイントの学習としても役立つでしょう。
加えて、IAAP発行の”officePRO”という雑誌や、メンバー向けの配信サービスの記事も参考になります。

そして最後に、最強、且つ、最も手軽な補助学習ツールをご紹介しましょう。新聞やビジネス雑誌類です。日頃から世界情勢や時事問題に関心を持ち、自分なりに分析したり、解決策を模索することは、試験の合格にも欠かせない、ビジネス・センスを磨くことにつながります。CAP試験の難しさは、単なる知識の確認にとどまらず、応用・実践力を問う出題にウエイトが置かれている点にあります。こういった力は、短期間に知識を詰め込んだところで決して得られるものではありません。次回に詳しくご説明いたします。

なお、母国語を日本語とする皆さんにとって、米国の経営管理を全て英語で問うこのCAP試験は、
語学運用能力のみを問うTOEIC試験の次に目指すべき、“オンリーワン”の選択肢であると考えます。
連載の中でも触れますが、CAP試験の合格者からは、TOEICのスコアが一段階も二段階もアップした、というお声が多く寄せられています。そんな効用も念頭にこの連載をお読みください。

 
【プロフィール】
河田 幸(カワタ ユキ)

東京都出身。大学時代にESS(英語部)で国際政治経済問題を討論するうち、ビジネス界に興味を持つ。イギリス系銀行、コンピュータ・ベンダー企業、アメリカ系銀行に勤務。CAP受験対策講座ではITとマネジメント分野を担当。
横浜商科大学商学部特任講師。CA
P / CAP-OMホルダー、英検1級、通訳案内士、翻訳実務士(英日文芸)、ビジネスマネージャー資格。