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Define your own success : わたしにとって、成功とは? ― 葛西優子

2016/12/10

Define your own success :わたしにとって、成功とは? 

葛西優子(かさい ゆうこ)

  キャリア実現作成において、前回は「自分の売り、自分らしさ」を考えてみました。

 今回はキャリア・ビジョンを描き出す為、どんな仕事に満足して達成感が得られるのか?それはなぜなのか?その自己実現を後押しさせるものがなんであるのか?自分に問いかけて、考えました。まだはっきりとしたビジョンが見えず、逡巡していますが、現時点での思いを述べます。

 前回の「自分らしさ」さがしでは、さり気なくバランス感覚をもって調整するタイプ、と自己診断しました。特に「さり気なく」というのがキーワードとなります。言い換えると、派手に目立つのではなく、押しが強いのではなく、縁の下の力持ちまたは黒子役となります。最も私らしい部分、またそうでありたいと思う性質だといえます。

 職業やアルバイトに従事していた期間は10年余りと短く、経験が豊富だとは言えません。その中でどういうことで達成感が得られたか、思い返してみました。そして一見地味で目立たない手法で業績を伸ばして喜んだことを思い出しました。具体的に述べると、書店員として勤めていた頃、お客様のことを考えて本を探しやすく選べるように、シンプルに本を分野別に並べ替えて売り上げを伸ばしました。パッと目につく派手な展開とは正反対の極めて地味な手法ですが、予測をつけて自分の判断で実行したことが成果に表れ、担当分野の10%以上の売り上げ増を見た時は達成感が得られたものです。また賃金を伴わない活動、課外活動や子供の学校の保護者の活動でも、代表補佐の一員として助人の役割を引受けてきました。頼られ、感謝されると、とても満足した気持ちになります。

 では、こうした仕事の社会的役割や貢献をどう説明すればよいのでしょうか?その前に仕事の社会的役割や貢献とは、私にとってどういうことか、考えてみました。ある程度はっきりさせなければ、自己実現の具体化に行き詰ったからです。仕事の社会的役割とは、文字通り仕事を通じた自分と社会の関わり合い方、ということになります。ごく当たり前のことで、今更なにを、と思われるかもしれません。しかし、専業主婦経験の長い私にとって、しっかりと考えなければなりませんでした。

 そのうえで、社会とどうやって関わり合いたいのか、どうしたら達成感が得られるのか、自分自身に問いかけました。自分らしく無理なく満足できる仕事はなんだろうと、考えてみました。自分らしさに戻ってしまいますが、自分以外の人々をさり気なく思い、感謝されると嬉しいものです。さり気なく、つまり自分の考えや行動で人にプレッシャーを与えるのは好みではありません。押しつけがましく、やってあげるというように思われるのも避けたいものです。なんとなくほっとできて、気がつけばありがたいと思って頂けるような仕事ということになります。ゆるやかに人との出会いを大切にできる仕事ともいえます。

 さり気なくゆるやかに、ということを敢えて強調しておきます。補足すると、個人を尊重し、仕向けるのではなく共感してもらえば嬉しい、ということです。なぜわざわざ強調するのかといえば、さきほど述べた考えを突きつめると、導くか救うような仕事を想像してしまい、違和感がある為です。例えば、教師や医師は荷が重く、今更目指すのには遅すぎると思います。昨今では、研修を積み補助的役割で従事することもありますが、私が目指す方向とは違うように感じます。なぜならば、責任が重く、また時間的にも忙殺され、目指す方向が見えなくなりそうだからです。 

 では、私の性質に合い、社会的に目指したい仕事はなんだろうと、考えるとまた行き詰ってしまいます。専業主婦歴の長い私自身の意識改革が進まず、社会への関わり方が明確に捉えられていないのでしょう。そこで、社会に対して漠然とこうありたいという思いの実現を後押しする社会のトレンドはなんだろう、と考えてみます。キャリア実現シートを作成していた時も、考えてはいましたが、仕事の社会的役割の段階を探求せずにいた為、なんとなく思いつくままの答えになってしまいました。考え直して思うことは、現代社会において、余裕のない状態が何かと取りあげられ、際だっています。先が見えず、常に追い立てられ、時間的に忙しく、肩の力を抜いて休むことすらまるで悪であるかのような風潮さえあります。その反面、反動ともいえますが、気晴らし、癒し、安心できる物や事を追い求めることが多い、と感じます。様々な媒体で話題になり、宣伝からその風潮はよくわかります。SNSなど、ソーシャルネットワーキングサービス、バーチャルリアリティーがもてはやされるのも、納得できます。私自身、心地よく自分の心を満たすことが出来るように生活しています。コンピューターなどの便利さは勿論否定しませんが、アナログ人間で少しずつ作業を行うのが好きな私。夢見がちとも思いますが、翻訳という仕事を考えると、絵本の翻訳は自分をそして、他者への癒しとなって続けたいものです。

 
葛西優子
バベル翻訳大学院文芸専攻生。幼少時に約六年間アメリカ在住。
大学でドイツ文学を専攻後、書店に就職。結婚後、子育てに専念するなか、夫の米国赴任に伴い、家族で約四年間在米。
三年前、日本に帰国。最近は、バベルプレスのブログ作成などに関わる。今回キャリア作成シートに再チャレンジ。