大きくする 標準 小さくする

Define your own success : 育児や介護経験を強みに、さらなるキャリア・アップを目指す ― 石井ふみ

2016/12/10

Define your own success :育児や介護経験を強みに、さらなるキャリア・アップを目指す 

石井ふみ(いしい ふみ)

 前回Phase 1のキャリア・サクセス実現シートの作成は、自己を肯定し、他者がどのように自分を評価しているか振り返りました。このステップを通して、共感する力が私の強みであると導き出されました。今回はDefine your success : Phase 2のキャリアビジョンの作成を行いました。これまでの仕事がどのように社会に貢献できたか、またその自己の満足度を測り、将来の自分の成功へのビジョンをまとめる作業でした。

 私は大学を卒業後いくつか転職し、社内翻訳者としても6年間勤めてから30才近くになって結婚、フリーランス通訳者になりました。その後、妊娠し、出産と子育てを経験しました。妊娠中から通訳業を辞め、翻訳会社のコーディネーターとチェッカーの仕事を請け負いました。また、子どもを生んですぐに子ども向けの英語教室を開くなど、こうした経験は今の英会話講師の仕事で生かされています。

 出産後の母親は24時間営業、時には育児ノイローゼに陥るほど忙しいのです。私の場合は管理の行き届いた職場を去った後に初めての育児でしたので、悩みが多く相談相手を必要としました。そこで、積極的に市内の公民館で行政が補助金を出す母親学級で学ばせてもらいました。そこで、行政からの公的な補助金事業を受け、子育て中の女性が貢献できる仕事があると気づきました。ビジネスでも成功するために、外に意識を広げることは非常に重要なことです。ボランティアであっても、チャンスをつかむために、思い切って外に出てみることです。新しいことを覚えるのは大変でしたが、後々のためと思い頑張りました。例えば小学校のPTA活動を通じて知り合ったいわゆるママ友からの紹介で、公衆栄養学の専門家がいるところで研究論文の英訳を依頼されるに至ったり、国立病院でのアレルギー研究の論文の英訳をチェックしたりと大きく社会貢献につながる事業に参加でき、ビッグチャンスを得ています。
Define your successのPhase 2では、それぞれ経験した仕事の満足度を測るステップですが、私は新しい知識を継続して学べることが自己実現欲を満たし、満足感を得られることが判明しました。例えば研究の手順では助成金や研究データを集める際の倫理申請が必要ですが、それらは公民館活動や地域活性事業の補助金の申請などにも通じます。また小学校PTAの市の連絡協議会の総会資料や、学童保育の県や国からの要綱などにしっかり目を通すことなどボランティアをしていても漠然と過ごさず、社会の仕組みを知る勉強だと思えば楽しく活動できます。将来的にも社会貢献に子育て経験は生かせます。社会福祉協議会や民生委員から支援を受けることや地域活性化事業への参加も満足感の高い仕事でした。

 ところが今、私は現代の社会現象で横浜国立大学や英国ブリストル大学も研究し発表する「ダブルケア」と呼ばれる状況にいます。それは女性の社会進出に伴い結婚と出産が遅くなった40代女性に多くみられる晩婚化と高齢出産を主な原因の事象です。ちょうど子育てが忙しい時期にダブル(重ねて)親の介護がやってきて、自分自身と向き合う時間がなくなって精神的に疲弊しかねないリスクにある状態を意味します。NHKが報じたところによりますと、昭和50年に行われた調査では初めて子どもを生む女性の平均年齢が25.7才であったのに対し、平成24年ではそれが30.3才と遅くなっているとのことです。結婚して初めての出産が34才でしたし、二人目は39才とはるかに遅くなってしまいました。気が付けば両親は80才近くなり、頼りになるはずの姉は地球の反対側に住んで長くなりました。父が昨年から入退院を繰り返し、介護保険を使うようになっています。子育ての時と同じ様に助けを求めて、私は大学病院の勤務医や介護運営などのビジネスにかかわる専門家と直接話し始めています。父の持病は心臓血管病や糖尿病などですが米国CDC(Centers of Disease Control and Prevention疾病予防管理センター)ではアメリカの心臓血管病やがん、慢性肺疾患、糖尿病などNDCs(非感染症疾病Non-Communicable Diseases)に予防医学が必要だとしていますし、WHO(World Health Organization世界保健機構)同様に予防への指針を発表しています。こうした情報を専門家からレクチャーを受けることができ親の介護をしながらでも最新の知識を得て満足することができました。パベル大学院では第1専攻を履修ですが、他の専攻からも選択科目を受講することが可能です。今は忙しさに学習も遅れ気味ですが、医療分野に関心を持ち継続して学びさらにキャリア・アップを目指します。


 
石井ふみ
バベル絵本ワークショップ「ぼくはサンタ」(原題:Little Santa 著者:Jon Agee)で翻訳デビューを果たす。
英国の公立小学校を卒業し、中学校からは日本で教育を受けバイリンガルとして働いてきた。
現在は2人の男の子を育てるプロフェッショナル・マザー。
バベル大学院で文芸翻訳専攻(第1専攻)を履修中。