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第210号 巻頭言

巻頭言 :2018年11月7日号 


【 世界の翻訳図書館を創造する
―多言語の翻訳図書館は、 イメージするだけでもワクワクします!】

 

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 
 
図書館はお好きですか?と言われても、普段はあまりなじみがないかもしれません。というのも、現代は、様々な書物が誰でも手の届く価格で出版されており、読書好きの方なら、結構自宅が図書館化しているかもしれませんね。

 ところで、図書館といえば「BABEL」というつながりはご承知でしょうか?いわゆる「バベルの塔」の個所でも、バベルは言語、言葉との関係がとても深いと言えます。そうであるからこそ、翻訳事業を営む会社名に「バベル」と名付けたわけですが。

 私達人間は【様々なコミュニケーションを行う道具=言葉としての言語体系】を持っているわけですが、人間ばかりでなく、犬や猫などの動物、鳥類、魚類、虫類、時には草花や樹木さえ、コミュニケーションを行っています。そればかりか、微生物、菌類、などなど、生命活動を行っているものは全て、コミュニケーションを行い、同類相互に通じ合う独自の言語体系を持っています。つまり、生命活動とは、コミュニケーション(=翻訳)である、と言えるのです。

 しかし、人間の「言葉」で「バベルの塔の崩壊以降」に盛んに使用されて発達してきた諸言語は、互いに通じ合わなくさせられた影響下にあります。その、通じ合わなくなった言語を「翻訳」によって通じ合うようにしようとなったのは、まさに「バベルの塔の崩壊」時点にその萌芽を見いだせると思います。それは、何よりも「意志を通じ合わせたい」という思い(=コミュニケーションをする)は、極めて原初的動機であり、人間ばかりでなく、全ての生命の活動の基本であるからだと思います。

 生命は、生命としての活動の基本に相互に知り合いたい!という基本的欲求を持っていることが分かりますが、それは何故だろう?と疑問が湧きますね。誰でも子供の頃、とりわけ2,3歳になると、それは何?どうして羽があるの?とか、どうしてはだしで歩いちゃダメなの?とか、何でも、何を見ても「なぜ?」「どうして?」と質問攻めになることを体験されたのではないかと思います。

 ところが、だんだん大人になってくると、「なぜ?」という疑問を発する側から、質問をされる側に代わっていかなければならなくなり、大方の人々は、子供時代の「なぜ?どうして?」という疑問を封印していくように思います。

 ところが、ところが、わずかな人数だと思われますが、幸運にも「なぜ?」「どうして?」を持ち続けて探求をし続ける人々がいるのですね。それが、いわば「学者、研究者、探検家?」などという職業と言えるわけですが、どんな職業であっても中にはやはり「なぜ?」「どうして?」を忘れない人々がいる、というわけです。

 これらの「子供心=探求心=なぜなぜ魂」を持ち続ける人々にとって、図書館は素敵な場所ですね。一人思索にふけるのもよし、多くの本を借り出していろいろ比較しながら読むのもよし、隣の人とおしゃべりをするのもよし、というわけです。翻訳に興味、関心を抱く方は、図書館に行くのが楽しみな方が多いでしょうね。

 しかし、ここでのテーマは「翻訳の図書館」ということですので、これについて認識を深めたいと思いますが、皆さんご承知の通り、既に「多言語の図書館」は実現しています。それは、「WEB、またはNET」と呼ばれているものですね。つまり、インターネットとして、蜘蛛の巣、または網目状につながり合った「知識情報空間」構造だと言えます。メールを使った文字情報通信だけでなく、ユーチューブというフリーで視聴可能で、誰もがそれを投稿、開設することができるという、まさに画期的な仕組みが出来上がっているのです。

 このシステムは本当に素晴らしいですね。これが、商用システムとしてオープンしたのは、1994年、米国において始まったのですが、瞬く間に世界中に広がり、人類のコミュニケーション活動はこの短期間に飛躍的、革命的な変化を実現してきた、と言えます。このシステムの終わりはまだ見えていません。これから更なる飛躍、成長、変化を遂げていくことでしょう。

 そういうわけで、「バベルの翻訳図書館」はインターネット上の仮想空間、世界のどこからでもアクセス可能で、例えば、外国語でしか出版されていない書物や、読めない言語で発行されている文書、ブログ、HPなどなど、それらを翻訳してもらえたら読めるのに!という思いをお持ちのあなたに、リーズナブルなコストで時間もそうかからずに翻訳されて提供されたら嬉しいですよね。そんなニーズの希望を叶える【機械翻訳システム=例えばgoogle 翻訳】はお試しになった方も多いと思います。

 本当に現代は、至れり尽くせりの時代です。あのフリーの翻訳システムは、とにかくデータを体験させてその蓄積によっての翻訳の精度が上がっていくという、いわば「みんなで子育てしよう!」というシステムですが、多少使えるレベルもあれば、まだまだへんてこりんな訳になっている、ことが多いですね。まあ、「自分が読めて理解の助けになればいい」というニーズにはそこそこ対応できているのかもしれません。子育てと同じですから、やはりかなり使い続け、育てて行けば自分流の翻訳システムを実現できるかもしれません。

 このように、【世界の多言語情報を手軽に読める】とか、【世界の言語マーケットを掴んで、自分の得意分野の翻訳サービスをしていきたい】とか、いろいろなニーズがあるかと思います。これらのニーズにいわばgoogle翻訳を超えた翻訳品質で、まだ、未知の文学や、情報、音楽、動画などを手軽に読み、視聴できるシステムを実現できるタイミングになりました。

 そこで皆様には、「バベルの翻訳図書館」で、未訳の書籍を、自分が読みたい言語の翻訳のオーダーができ、または、その読者の要望を叶える翻訳サービスを提供することもできる、という、双方向のシステムとなるでしょう。「バベルの翻訳図書館」は、「読み手」と「訳者」が出会う場所とも言えるかもしれません。この「地球=知球」のあらゆる情報を翻訳して提供するには長いプロセスが必要でしょう。それは、あの「サグラダファミリア」の建設のように、終わりなき建設作業となっていくことでしょう。

 ご興味のある方は、是非、「バベルの翻訳図書館」プロジェクトにご参加ください。そして、あなたのブランドとなる「翻訳書出版」を実現してください。翻訳の世界へと足を踏み入れた皆さんが、ご自分の渾身の一冊をバベルの図書館に収めてくださいませ。そして、それはまた、別の言語に翻訳されていく原書となっていくかもしれません。「日本語、日本文化の世界的な普及」は、翻訳抜きには考えられません。日本語出版物の翻訳には、まだこれから十分な広がりが期待されています。
大きなチャンスが到来している時が来たとも言えそうです。

 ご自分の得意分野、得意技を活かして、翻訳出版にチャレンジしてください。そして、その出版物を「バベルの翻訳図書館」に保管して多くの方に読んでいただきましょう。どんな展開が起きてくるのか、楽しみですね!

 最後までお読みいただき有難うございます。

第209号 巻頭言

第209号 巻頭言

巻頭言 :2018年10月22日号 

翻訳書の出版で、プロフェッショナルとしてのブランディング ―その2」

 

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 前号で、翻訳書の出版でプロフェッショナルトランスレーターとしてのブランディングについて考察しましたが、今号もその続きです。バベル翻訳専門職大学院【BUPST】で、私が担当する科目があります。それは、【翻訳ビジネス経営実務】というタイトルの講座ですが、ここでは、実際の翻訳ビジネスに従事するにあたって、具体的な経営実務について学びます。その科目の最終講義の課題が「翻訳者、または翻訳会社としてのブランディングをどのように考えて実践するか?」ということです。

 ビジネスを行う上では、「ブランディング」はとても大事なテーマです。翻訳ビジネスに従事されている同業者、同業社数はどのくらいあるのでしょうか?今や、グローバルビジネス展開はかなり広範囲になっていますから、英語ばかりでなく、多数の言語に翻訳するニーズはかなり増加しています。ということは、それだけ、翻訳ビジネス=翻訳市場が広がっているわけですから、世界中でかなりの翻訳者数、翻訳会社数がビジネス活動をしていることが想定されますね。

 世界の言語マーケットは今や市場拡大のすごいタイミングだと言えるでしょう。とりわけ、日本語に翻訳するか、または、日本語から別の言語へ翻訳する場合の市場ニーズは、今後ますます増加することが予想されますが、日本語以外の言語どうしの翻訳水準要求に比べて、日本語へ、または日本語からの品質への要求レベルはとても高いと言えます。

その理由は、日本語と他の言語間の言語差だけでなく、日本語の文化的表現の差異に十分な配慮が必要だということですが、それは、日本文化の歴史の深さ、長さに起因しています。英語その他の外国語に翻訳するときも、日本語の文化に根差した表現内容を深くくみ取ることが必要です。そういう意味でも、日本は翻訳の歴史が長い文化国家であると言えるのです。

 従って、一応日本語を学んだ外国人でも翻訳は可能になるのですが、的確にその日本語の原文を的確に理解し、その書かれた意図をしっかりくみ取っているかということが点検のポイントです。日本人同士であっても、それは同じです。日本語の多様な言語表現は、外国語の例に無いほど多様性があり、多義性があります。そのため、文全体やその話者の立場や関係によって、しっかりくみ取って翻訳していくことが必要となるからです。

 ところで、翻訳者の養成事業を開始したばかりの1975-1976年頃は、翻訳への関心の高まりが起きつつあったタイミングだと思います。当社の月刊誌発行に先立ち、「翻訳の専門誌」が発行されていて、その後継続はどうなったのかわかりませんが、1960年代から1970年代は、そのような「翻訳への関心が高まった時代」だと言えると思います。

 そのような時代背景の中で「翻訳の世界」を創刊するという意思決定をしたわけですが、1976年11月号を創刊号として幸いにも、その後、一度も休刊することなく、名前や体裁、媒体は変わりましたが、この2018年10月の今日まで42年間、発行継続できたことは秘かな喜びです。

 言わば、月刊誌『翻訳の世界』の刊行が、現在のバベルの発展成長の礎であり、牽引車であり、ブランディングを実現した、と考えています。月刊誌の発行は、かなりパワーが必要です。印刷物としての月刊誌の発行は確か26年間くらい継続し、次はタイトルを変更して継続し、2010年からこのWEBTPT マガジンに変態したというわけです。

 イヤー(year!!)長かったですね。あと数年後には50年を迎えるタイミングとなりました。AIが翻訳者に取って代わるのではないかと危惧する向きもありますが、専門分野の固定パターンの翻訳ならいざ知らず、出版物の翻訳や、勿論専門分野の翻訳でも人間の専門翻訳者の認証なしで済むことが可能になるにはいろいろな制度上の条件が必要となるでしょうし、個性的な翻訳出版物の価値は廃れることはないと思います。つまり、忙しい部分はAIにお任せして、人間翻訳者は、かなりアートな翻訳に集中できるといいのではないかということです。

 バベルはこのような活動で、自分勝手に【翻訳のバベル】、【翻訳はバベル】というブランドを確立してきましたが、バベルのように、翻訳ビジネスを選択し、翻訳者として活動していこうとお考えの皆さんに、是非、あなたのブランドを作ることを目指していただきたいと思います。バベルのケースは一つの例ですが、そこはやはり「翻訳出版」は翻訳者にとってとても素敵な「ブランディング戦略」である、ということをご理解いただけたのではないかと思います。

 バベルと同じように、折角、翻訳の世界へと足を踏み入れた皆さんが、自分のブランドとしての翻訳書を出版されることを願っています。その皆さんのサポートシステムも、またいろいろと計画し、チャレンジしていきますが、皆さんのアイデア、企画などもどうぞ、ご連絡、ご相談ください。「日本語、日本文化の世界的な普及」は、まだこれから十分な広がりが期待されています。ある意味でチャンスです。

 あなたの得意分野、得意技を活かして、翻訳出版にチャレンジしていきましょう。どんな展開が起きてくるのか、楽しみにしていきましょう!

 最後までお読みいただき有難うございます。

第208号 巻頭言

巻頭言 :2018年10月9日号

 翻訳書の出版で、プロフェッショナルとしてのブランディングを考える 」

 

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 台風24号が日本列島を縦断し、すっかり秋の気配が色濃くなりました。彼岸花は9月半ばには咲いていて、時の経つのは速いと感じます。台風一過、秋晴れは素晴らしいですね。

 ところで、折角翻訳者を目指すなら、やはり、翻訳書を出版したいですね。ビジネス分野の翻訳は、翻訳市場の規模が大きいので、安定した収入が期待できます。しかし、専門分野のビジネス関連文書の翻訳に集中してばかりいると、たまには出版物の翻訳も手掛けたくなります。専門分野の関連書籍や、学術書、大学の教科書などもありますし、出版物も多様なニーズがあります。

 さらに、自分の専門分野に関する学習の継続、新智識、新研究事例の学習など、自分の専門分野の翻訳技能を高めて行くためにも、関連書籍を読み、学習を継続していくことが必要ですが、これを、自分の専門知識の向上、継続の為だけだと考えずに、これから、この専門分野の翻訳に従事したい人々や、同時に専門知識を学習したい人々の気持ちも共有することで、一石二鳥の作業となります。


 従って、専門分野の翻訳者を目指すなら、翻訳書出版のことも視野に入れておくことを勧めます。いわゆる文芸作品の翻訳者を目指す人だけが、翻訳書出版を実現するだけではないのです。文芸分野の翻訳は、出版物としての作品が主になるため、初めから翻訳出版を想定する事になりますが、返ってそのために翻訳の仕事が安定しない、定期的な収入が期待できないなどのデメリットが想定されますが、それも、どうでしょうか?いわゆる既成概念に捉われているのかもしれません。

 ビジネス翻訳に従事する場合の既成概念=固定観念の内容と、文芸翻訳に従事する場合の既成概念=
固定観念とはちょうど裏腹の関係になっています。このように、私達は既成の情報、過去の継続的な知識や先輩から教えられた知識情報に囚われてしまいがちです。


ビジネスでも、ビジネスではなくても、わたし達は失敗を恐れるあまり、過去の情報に依存し、そうすることで問題が起きないと考えがちなのです。

 その原因はいくつかありますが、大きな影響を与えるものの一つは「失敗をしたくない!」ということです。なぜ失敗を恐れるのでしょうか?それは、必ずしも自分自身の失敗体験から来ているというばかりではなく、ほとんどは、他人の失敗談を聞き、ひどい目に会ったという感想や、苦難の状況を見て、自分も失敗したらそうなるに違いないから、失敗したくない!!という論理を構築してしまいます。
 
 まさに、人生の失敗文法があり、失敗の人生が必然的に起きてくるのだと、信じて疑わないのです。そのため、人は失敗を恐れる習慣を批判することなく、その敗者の価値観に囚われてしまう人生を送ることになるのです。ここでいう敗者(=歯医者?!)の精神とは、チャレンジしない精神ということになりますが、失敗文法を打破する方法は、「ダメもとでやってみる=チャレンジ精神」であり、同時に「細心の注意を払いながら大胆に試してみる」精神であり、「チャレンジに意義があり、結果を気にしない」という「おおらかな精神」なのですね。

この、一見矛盾する二つの価値観を同時にするということは、かなりの高等戦術なのです。つまり、一見矛盾する世界、あり方というのは私達の日常であり、この現実の本質であることを踏まえた態度=行動力であるということになるのです。私たちの世界は3次元だと言われます。それは、縦、横、高さの三方向の軸を書いてみればわかりますね。一次元は線です。ただ伸びている線ということです。2次元は、その線に交わるもう一つの線で出来る面となります。3次元は2次元の面に直交するもう一つの線によって出来上がる立体のイメージでしょうか? 

 ところで、二つの価値観、つまり相反する二つの視点を同時に受け入れて、考えるということはその二つのポイントから離れてみていることになりますね。仮に二つの価値=視点を2次元と呼べば、2次元を見るのは3次元の位置に無いとそれは見えないということになるのです。ちょっと理屈っぽくなりましたが、相反する二つの結果を受け入れるということは、このような思考の飛躍、視点の転換ともいうべき事態が起きていると言えます。

 従って、過去の事実という知識・情報、体験・経験に囚われずに「失敗してもいいからやってみる!」
という姿勢、精神は一次元上昇した思考レベルにある、と言えるのです。

 前号では、「翻訳作業につきものの慎重さが、かえってチャレンジ精神を妨害してしまうこともあるかもしれませんね。」と書きましたが、このような3次元の眼で見れば、失敗こそが成長の肥やしになるのだという結論が導かれます。つまり、私達人間は、失敗の積み重ねによって成長していく!という矛盾した認識構造になっているということが分かります。

 今回は専門分野の翻訳という作業を、自己の最良の仕事の成果を維持、実現し続けるための対策は、同時にこれから学ぼうとしている人々にとっても役立つ成果情報となるので、専門分野の翻訳ビジネスという視点だけでなく、それを翻訳出版するビジネスという2足の草鞋を履いてみませんか!というお誘いです。
 出版物として出していくときの翻訳は、ビジネスにおける翻訳作業とかなり違いますから、別の視野が拡張されていきます。それは、専門分野翻訳ビジネスの技能を多面的な視野が広がることになりますから、本来のビジネス翻訳に一層の磨きがかかるでしょう。

 一つの専門を持つことは、一本背中に筋を通すことですが、それを横から斜めから見ても揺るがないという専門の翻訳レベルのプロフェッショナルとしてのブランドが確立されたのだと言えるのではないでしょうか?

 自己の目的の為だけでなく、他者の成長、他者のニーズにも応えていこうとする精神は、これからの多次元思考の現れといえると思います。それが同時に、自己の本業をブラッシュアップしてくれ、ブランディングできるとなれば、言うことなしですね。笑い

 このように多次元的な思考に伴う叡智に導かれた翻訳ビジネスとは、どういうイメージになっていくのか、興味が尽きません。依頼があるから翻訳する、のではなく、自らこれを世に出したい!という【志】を持てる本を探し出し、じっくりとその翻訳に取り組み、それをまだ見ぬ人々の世界に送り出してやるという楽しみを体験してください。

そこで、是非、「翻訳稼業(翻訳家業?)は三日やったらやめられない!」と言いましょう。笑い
勿論、「翻訳に熱中症!」になるのでしょうから、お気を付けくださいませ。
いまや、従来の観念、既成の概念が崩壊していく過程を大いに楽しみましょう。
何が起きてくるのか、興味津々です。

 最後までお読みいただき有難うございます。

第207号 巻頭言

巻頭言 :2018年9月25日号

「 翻訳書の出版は、プロフェッショナルへの誘い、今こそ腕の見せ所!」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


 翻訳者になろう!と思い、翻訳書出版を目指すとき、つい、いろいろなハードルをイメージしてしまいがちですが、皆さんはいかがでしょうか?

 翻訳作業につきものの慎重さが、かえってチャレンジ精神を妨害してしまうこともあるかもしれませんね。そういう時は、誰にでもあるものです。何となく弱気になってしまい、いろいろとだめになる条件を探してしまうのです。

 確かに、自分の翻訳作業が本になり、出版物として世に出すということは、いろんな人の目にさらされるわけですから、何か間違いがあったら、そして、それを厳しく指摘されたらどうしよう!などとつい考えてしまいそうですね。でもそんなときがチャンスなのです。私達はどちらかと言うと、何か調子が良くなって、イケイケどんどんになるときが一番危険なのだと知っていますか?
 
 勿論、集中力が高まって目配り、気配りがものすごくできる時などは、このような心配はいらないのですが、調子のよい時は、自分でコントロールすることが必要ですね。そういう意味でも、慎重な姿勢はとても大事です。しかし、慎重な姿勢はとてもいいのですが、あまり慎重になりすぎて、石橋をたたいて渡らないことになっては、いけませんね。そこはやはり、バランスということがとても大事です。

 私たちの世界は2元=2極化していますから、善悪、良し悪しのバランス、つまり中庸にいることが大事な訳ですが、これが難しいのですね。でも、普段から心がけていれば、丁度良い具合にバランスがとれるようになりますから、気長に、気楽にお任せすることがいいようです。あまり、あれこれと気を使いすぎるのは却ってよくないですね。

 ちょっと寄り道をしてしまいましたが、現代のような時間の経過がとても速くなっていく時代は、逆にゆったり気分を楽しみながら、あえて、ゆっくりと行動してみるというのがいいですね。周りの時間に流されない、自分流をしっかり持つことで、自己の目的、やりたいことにエネルギーを集中させていくことができます。

 エネルギーの集中はやはり大事です。お陰様でバベルは1974年以来44年になりますが「翻訳一筋」です。歩みがのろい、と言えばそうかもしれませんが、小さなさざ波のような変化と、大きな怒涛の津波のような変化では、それに集中するレベルが違います。日々「翻訳とは何か」を考え続けていますが、未だにまだ、飽きるどころか、新たな発見があり、ますます興味がわくこの頃です。

 AI、人工知能が翻訳の世界に少しずつ入ってきています。だからと言って、人間が翻訳をしても勝てないとかいうように、悲観的な見解を持つ方もおいでかもしれませんが、だからどうなの!という感じです。
その位のことはこれまでにいろんな見解があり、世の中から消えて行ったものもあるでしょうが、何百年も残っているものもあります。それは、人間がやりたいから残っているのであって、単に競争構造によって変化していくだけではないのですね。

 翻訳に堪能なAIが出てきて、人間の翻訳レベルに近づいたからと言って、別に翻訳をやめる必要はないですね。AIは翻訳をどんな気持ちで行うのでしょうか?あなたはいかがでしょうか?私は翻訳を研究するのが大好きなので、今でも、上手い翻訳だなあと感心する人もいますし、私なら、もっとうまく訳せるわ!と思える人もいるでしょう。

 AIだろうが、人間の翻訳者との競争相手だろうが、同じですね。ビジネスはマーケット、つまり市場性、市場価値が問われるわけですが、どんな時でも、競争に打ち勝つ人もいれば、競争になる前に負けしまう人もいます。翻訳出版は、ただでさえこの時代は本が売れなくなっているのに、出版社自体が、過去のシステム、方法からどうやって生き残るのかを模索している時代だという、厳しい時代に、私がいくら好きだからと言って、翻訳出版のチャンスが巡ってくるはずがない!!などと、つい考えがちになっていませんか?

 私は大丈夫!と言えるあなたなら、本当に大丈夫です。なんといっても、やる気が一番大事です。出版社から依頼が来る前に、片っ端から翻訳していきましょう。まだ仕事の依頼がないのなら、幸運です。なぜなら、あなたにぴったりの書籍がこれから出てくるのかもしれませんし、それまでにいくらでも自由に翻訳できる時間があるのだから、片っ端から好きな本を読み、頼まれもしないうちから翻訳してしまおう!と考えるあなたには、幸運の女神がほほ笑むでしょう。

 人類は一人では生きにくい時代を過ごし、集団のパワーを体験し、共同作業という素晴らしいシステムをマスターしました。そして、今や、共同作業を超える一人の作業のパワーが開花する時代に向かっています。様々な困難を体験し、それを乗り越え、二次元平面に捉われた思考システムから、更なる多次元的思考、多面体の理解へと移行しようとしています。見方が変わること、視点が変わることは思考の枠組みを変えていきますし、包容力というか理解力が広くなり、また深まっていきます。

 このような深く多次元的な思考に伴う叡智に導かれた翻訳とは、いったいどういうイメージになるのか、興味が尽きません。依頼があるから翻訳する、のではなく、自らこれを世に出したい!と言う志を持てる本を探し出して、自らじっくりその書籍と取り組んで、それをまだ見ぬ人々の世界に送り出してやるという楽しみを体験してください。

 これだから、翻訳稼業(翻訳家業)は三日やったらやめられない!となるのでしょうね。笑い
実はこのパターンの人がバベルには多いのです!類は友を呼ぶのでしょうか?あなたも是非、このような面白い「翻訳の世界」へと入り込んでください。そこで出会う妖怪達は、もしかすると宇宙の高次元存在かもしれませんよ!

 このように、従来の観念、既成の概念が崩壊していく過程を大いに楽しみましょう。何が起きてくるのか、興味津々です。まずは、自分が翻訳したいこの1冊を求めて、探求の旅へと出かけましょう。【
翻訳作業に 熱中症です!】と言える自分を育てていきましょう。

最後までお読みいただき有難うございます。

 

第206号 巻頭言

巻頭言 :2018年9月7日号

「 今、翻訳出版が 熱 い です!! 」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子



 「翻訳に熱中症の皆様、台風21号の影響はいかがだったでしょうか?お見舞い申し上げます。」この台風21号は風力・風速、暴風雨圏の広さや、すごさは何十年ぶり!と言われるほど大型の台風だったようですが、台風の通路となった地域ばかりでなくかなり広範囲にわたって、川の氾濫や洪水、屋根瓦やトタン板などいろんなものが吹き飛んだほか、その通過経路も従来と違うという、大変な台風でした。

色々な意味で、従来の観念、既成の概念が崩壊していく過程にある、と思います。それは、確かに大変なとき、過酷な状況に出くわすときがあるかもしれませんが、そもそも、何が大変なのか、何が過酷なのかと考えていけば、それは尺度の問題であり、人によって、考え方によって受け取り方は異なる、ということを考えさせられます。今起きていることは、50年振り、とか、100年振りとかというかなり長いスパンの出来事のようなのですね。ここ数年は起きないから大丈夫!だということで川を堰き止めたら、大雨が降って洪水となった!というような感じです。

大自然の変化のスパンは、私たちのような短いスパンの変化、サイクルではないのですね。日本人は、幸いにしてこの日本列島という国土に、縄文時代から続く、1万年近い永住種族だと言えるのではないかと思いますが、それは、縄文人が農耕ではなく、森と共に森という衣・食・住環境の中で生きてきた数千年以上の積み重ねがあり、それにより森が守られてきたことにも起因していると思います。狩猟採取の移動生活によって、森と人とが協同生活を行ってきたのです。勿論、そのサイクルの還流は、水、つまり海と山を行き来する水の流れ、活動でもあるのです。

ところが現代では、自然を支配することが求められ、農耕による生産革命が起き、大きな還流サイクルが寸断されてしまいました。都市化は砂漠化であり、現代の中国の大気汚染、住環境の劣化、山や森、河川、そして海から大気となって大きくめぐる還流サイクルが寸断され、淀んでいます。

ある意味で、現在起きている様々な異常気象、自然災害はこのような自然環境破壊による揺り戻し、自然が自浄作用を起こしているのかもしれません。50年、100年くらいのスパンでは見えないものが多々あるのではないでしょうか?

バベル翻訳専門職大学院は、ハワイ州のオアフ島にあります。ご承知のように、ハワイ島のキラウエア火山が2018年5月3日に溶岩流が噴出し、未だに止まるどころか、ますます激しくなっているようです。ハワイ島とオアフ島は離れていますから、オアフ島の住民は特に気にしていないようですが、時々火山の噴出物の臭いが流れてくるそうです。まだまだ油断ができないキラウエア火山の状況が続いている!という認識を持って生活する必要がありそうです。

台風21号からキラウエア火山迄話がつながりましたが、この地球上での影響はそう分けられるものではないのでしょう。これらの自然環境の変化は、私たちの社会環境、ビジネス環境にも多大な影響を与えます。しかし、自然の災害に対して地球上の人々が心を一つに合わせて、相互協力、相互扶助を行うようになることは、素晴らしい成果を産むだろうと思います。

言語によって分けられた多言語世界の住民である我々現代人は、その分け隔てられた言語を【翻訳】という技術=テクノロジーによって、元の一つであった時代の人々のように、心、思いを通じ合わせて、あたかも一つの言葉を話すように共同生活をしていくことができるのです。何も、テクノロジーとはITといったものだけでなく、【文化の礎としての言語変換の技法=翻訳】というテクノロジーがまずなければならないのです。この素晴らしいテクノロジーとしての翻訳技法があって初めて、それを機械化=Machine  Translation System つまり翻訳ソフトとなるわけです。

しかし、機械翻訳の開発、研究者はコンピュータのプログラムで出来ると考えるために、まだ十分な翻訳生産性を実現できていません。勿論、古来より隣り合う言語同士で、文化的にも近い言語間の翻訳はかなり精度が高くなっており、知的水準が高い人がアシスト的に使うことは可能です。しかし、日本語のように欧米語とはかなり隔たりがあり、文化基盤の違う言語の場合は、ロジックベースのプログラムではまだ成果が低いのが現状です。しかも、そのソフトウエアを個人で使いこなすのは、費用対効果ではまだコスト割れしています。翻訳のプロフェッショナルが、自分の作業用データベースとして使いこなしていけばかなりの成果が得られそうだとも言えますが、どのくらいのプロフェッショナルが使いこなしているのか、まだ見えてきません。

一方で、機械翻訳ソフトで大量の文書処理を連続させていき、いわばAIシステムを使いこなしつつ翻訳品質の精度を高めて、ビジネスベースに乗せることを大々的に取り組む企業もありますから、一定の限定された分野、文種を繰り返しマシン翻訳を行うことで成果を上げていくという方法も進んでいるようです。それはそれで、一つの取り組みであり、成果が上がることを期待したいと思います。

しかし、バベル翻訳専門職大学院の目的は、翻訳の技法を学び、翻訳のプロフェッショナルになって、ビジネスに従事するということだけではなく、常に進化、変化していく言語・文化環境を踏まえて、それに対応する新たな翻訳テクノロジー=バベル翻訳文法をバージョンアップしていくことにもあるのです。
【翻訳文法】とは、なんのこと?と思われる方もおいでかと思いますが、バベルの翻訳文法、例えば【翻訳英文法】は、英語の文章を日本語に翻訳するときの技法です。英語文を日本語文にする時の、基本的な文法構造、文化的背景を踏まえて、英文法と日本語文法を比較対照して研究成果として誕生した翻訳のための文法なのです。

 この翻訳文法を多くの人々が学ぶことで、翻訳の品質水準がかなり高まりました。この翻訳英文法を何度も練習してマスターすると、文法の枠組みに捉われなくなり、更には、創造的で、簡潔な翻訳日本語文が書けるようになるのです。その達人の翻訳文は本当に繊細なニュアンスを平易な日本語に変換していき、感動さえ覚えるのです。そこには、あの翻訳臭はなくなっていて、最初から日本語文として書かれた達意の文章だとさえ感じます。このような翻訳熟練者が増えていけば、感動する翻訳文で読む、小説、文学、学術書などなど、原書の味わいを超えた創造的翻訳作品を堪能することができるようになっていくのです。

 大量文書の味わいのない文章を短期間に翻訳するのは、AIに任せて、やはり、人間としての翻訳者は、創造的翻訳によって、読者に感動を与えたいものですね。

台風一過、まだまだ続く残暑の中を、【
翻訳作業に 熱中症です!】と言える皆さんならではの気合をいれていただき、多様な翻訳作品の出版のために益々のご活動を期待いたします。ジャンル、テーマ、言語の違いを超えて、読者が感動してくれる翻訳に命を懸けてください!笑い
くれぐれも熱中症にはご注意下さいませ。

 最後までお読みいただき有難うございます。

 

第205号 巻頭言

巻頭言 :2018年8月22日号 

「 バベルの意味を探りつつ、現代をどう生きるか?を考える 」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子



 「翻訳に熱中症の皆様、いかがお過ごしようか?」笑い。私のいる地域は、すっかり秋の気配を感じさせる今日この頃です。日が射しているときと、曇り空の時とでは、気温の変化、差が大きくなりました。セミの声もずいぶん減り、8月半ばを過ぎて秋の気配を感じるほど、涼しくなっています。


しかし世界の各地に目を転じれば、各地の気象現象は、相変わらず猛暑や豪雨、突然のシンクホールができたり、大規模地震、山火事などに加えて、クジラやイルカなどが浜辺に打ち上げられたり、魚類が大量死したりするなど、海の中の大異変も起きているようです。既成概念がまさに崩壊していきます。

インターネットが登場して早20年が経ち、今やユーチューブで、世界各地の生情報が、リアルな画像で、いつでも、どこにいても見ることができる!という時代が出現しています。これは、単に科学の進歩ですね!と言えるような状況ではないと思います。今、起きているのは、大きなテクノロジーの変化によって引き起こされる、社会の構造変化であり、人間の意識・認識に多大な変化をもたらす現象が起きている時代なのだと感じます。

勿論、何も感じない人もいてもいいわけで、人はそれぞれ、自分の認識力、考え方によって世界を意味付け、価値付けして捉えているので、激変を感じる人もいれば、何も感じない人もいるでしょう。それらは全く個人の自己責任によって把握、認識、表現されているのですから、何でもありなのですね。個人差が大きいことも現代の特徴である、と言えると思います。

このように見方、考え方、視点というものは、現代ではかなりバラバラ、つまり人によってとらえ方がかなり違っている時代である、ということになります。これは、多文化社会の容認というか、多様性=それぞれの価値観・思考様式を尊重する、という考え方が成長してきた!と言える現象です。ひと昔前までは、そうはいかなかったのではないでしょうか?現代はバベルの塔の意味の裏返しの時代とも言えるのでは?と思いました。

こうすべきである!とか、これが幸福であるとか、不幸はいやだとか、善悪、高低、良い悪い、好き嫌いという二元論がいきわたっており、この二元論の世界で引き裂かれてきたように思います。それが、今や、人は誰でも固有の感じ方、認識法、思考法、価値観などを大事にしていこうと考える、受容力、包容力と言えるような「おおらかさの大切さ」が分かってきたのではないかと思います。

世界をどう見るのか?それが問われる時代になり、個人個人が、知識をただのような安さで、誰でも手に入れることができる、そんな時代になったのです。なんと素晴らしい時代だと言えるのではないでしょうか?このように思う時、現代は、あの「バベルの塔」が立てられた時代に似ている!と言えるかもしれ
ないと思ったのです。

昔、ニムロド王が、ノアの洪水の時のように、人々が二度とバラバラに散らされないようにするために建設しようとしたバベルの塔、またはバビロンの地に建設しようとしたバビロンの塔は、世界中のどこからでも見えるほどの高い塔でした。それは、人間たちの技術の粋の結集であり、天に向かって刃を立てた!とあります。それを繰り返すように、いま、私達人類は共同して、バベルの塔という構造物に変えて、インターネットという電子情報通信網、サイバー空間=バーチャル空間を作り出しました。

そこは、多言語の世界で、まさにあのバベルの塔の崩壊によって多言語の世界となり、互いの言葉が通じ合わないようにさせられた世界を、このインターネット・AIと翻訳によって、一つにつなげようとしている現象だと言えるのです。それが現代という特徴であると言えます。

このような現代にあって、これまでの株式会社バベルとしての1974年の創業~1980年代を振り返ると、世界各国の言語と日本語間の翻訳を本格的なビジネスとして成長させようとし、月刊誌「翻訳の世界」を創刊すると同時に、「翻訳奨励賞」として、日本語と英語間の一般向けの翻訳賞を設けて、翻訳の普及・奨励を開始しました。その後、日・英語間の翻訳に加えて、日本語と韓国語間、日本語と中国語間、日本語とフランス語間、日本語とドイツ語間の翻訳奨励賞を、関係各国の団体と共催して、日本国内ばかりでなく、海外各地でも実施しています。この時代は、紙と鉛筆(ボールペン)と郵便の時代です。

それが、1994年の初めての商用インターネットの解禁で、瞬く間に世界各地にインターネット通信網が引かれて、世界は見る見るうちに電話と電子データでつながってしまいました。ここに、従来の人間の知能の発達過程とは比べ物にならない速さと質とボリュームで情報通信網を実現し、多言語、多文化の多種多様な知識情報が満載、花開いたと言うことができます。更に、それが、AIを誕生させ、インターネットをそのまま、知能としてしまう人工知能の時代へと突入しています。これを思うと、現代はまさにある意味で「バベルの塔」が建設されたのだ、と思うのです。

今後は、AI翻訳がさらに開発され、近い言語間の翻訳はAIによる作業がかなり使えるようになっていくでしょうし、インターネットに蓄積されればされるほどその情報検索・文章力は高度化し、文化的に近いほど、正確性も高まるでしょう。こういう、技術の時代に生きていくということは、何を意味するのでしょうか?歴史は繰り返す。これも大事なヒントです。

これが、現代の人類が直面している大きな時代の変換点であり、この文化、テクノロジーを活用して、どのような新たな人類文化を開花させるのか?ということが問われているのです。そして、先ほど述べたおおらかさで考えれば、AIにできることは、AIにやらせることもできるし、人間がやりたければ、AIにやらせなくてもいいのだということです。それこそ、AIの翻訳と人間の翻訳が同じになるとは限りませんから、人間の個別性、創造的個性がものをいうことになります。

何故なら、それを必要とするのは人間だからです。クライアントとしての人間側の好み、個性、もっと言えばへそ曲がり性とも言えますが、変わり種のクライアントが求めるものは、やはり他に無い個性ある品質、ということになるでしょうね。とりわけ、文芸作品は個性的人間の創造物ですし、最近では、ビジネスでさえ、個別性、ユニークさがビジネス価値の源である、という時代になりつつあります。

昔、一時期は何でも人マネ、成功事例のものマネが流行り、大量生産の時代が登場しましたが、それも終わりのタイミングであり、如何に独自性、つまり既成の概念に捉われないかが求められる時代となったのです。個性豊かとは他に無い価値であり、それだけで存在価値があるのですね。

 これは、食料難や、天候、噴火、洪水などの自然の驚異が起きている間は、ますます必要度が高まります。困難に立ち向かい、新たな対応が求められる時は、経験記憶に頼ったり、これまでの習慣、知識に頼ったりでは対応できなくなりますから、まさに、創造性、個性豊かな対応力というものが求められる時代になるのですね。創造性や、個性の豊かさは、そう簡単には手に入らないと、思うかもかもしれませんが、我々が直面している今という時は、一人、二人と進化=真価=深化した思考様式の人が登場し、それが十人、また百人と、生活様式、身体の表現形式、意識活動などが変わり始めることが考えられます。

AIが登場してきたということは、人間が変わっていくのだとも考えることができます。従って、何もAIに取って代わられる!などという恐怖の洗脳をむざむざと思い込まされる必要はないのです。

本誌では、緒方先生による「AIとビッグデータ研究」の連載記事をお読みいただけましたから、AIの一面的な理解から抜け出た方も多いかと思いますが、人間の思考、感覚の多様性=創造性 がとても大事なポイントだとお気づきではないでしょうか?

バベルの塔の建設のように、一つにまとまるとき、人間はすごいパワーを発揮しますし、バラバラになったらなったで、個性という変えがたい価値を創造していくのですね。なかなかの逞しさです。笑い

 私達は、現代という人類未踏の新しいテクノロジーの時代へと変化する時代に生きているわけですが、それを、どういう意図で、どんな志で生き抜こうとするのか、それは、全く「あなた次第」だと言えるのです。考えようによっては、【現代は、なんと素晴らしい時代になっていくのだろう!】とも言えますし、【AIに使われるようになる、暗い見通ししか持てない時代だ!】と考えることもできます。

あなたは、現代という時代をどのような
「志」で捉えますか?それは、全く【あなた次第】なのです。
AIというまるで神とも言えるような存在に、すべてを委ねて隷属していきますか?それとも、あなたの個性を輝かせて
「AIに負けずに自立して行きますか?」これをきっかけに自分自身=自神=自信で、意志決定をされることをお進めします。

この猛暑の夏、おしゃれに【
翻訳作業に 熱中症です!】と言える皆さんですから、翻訳一筋でしょうね!専門の違い、ジャンル、テーマ、言語の違いがあっても、【翻訳に熱中症】の方は、気象の変化、テクノロジーの変化にも打たれ強いはずです!笑い

 最後までお読みいただき有難うございます。

第204号 巻頭言

「翻訳に熱中症?ですか?


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 

 皆様いかがお過ごしようか?【 翻訳に熱中症?】ですか? 相変わらずの猛暑の日々、暑中お見舞い申し上げます。

 

このように言っております私は、もう四十年余り、「翻訳に熱中症!」です。(笑)このマガジンの読者は、世界各地にお住まいなので、気候の挨拶の時、いつも考えてしまいます。地球全域に共通する気候というものは無いので、自分が住んでいる地域の気候についての表現とならざるをえないのですが、こういう地球ならではの悩み方も面白いですね。

 

 一口に悩みといっても、本当にいろいろな面を持っています。人それぞれ、日頃の自分の意識の向かい方によって、悩み方が異なります。日本語を書いているとき、このような体験をされることが多いのではないでしょうか?このように、多面的、多視野的な側面を、似た音の表現でたくさんの語彙を持っている言語種はそう多くないのではと思います。

 

 日本語は、言葉遊びといいますか、同音異議語のもつニュアンスの違いを使い分けることによる表現の多様性を意識することを尊ぶ言語だと言えますが、言葉遊びの宝庫だとも言えるように思います。それが、外国語と日本語間の翻訳を難しくしている原因の一つでもありますね。外国語間との翻訳の場合ばかりでなく、日本語表現そのものも、表現をより簡略化したり、より複雑に表現したりしてみる、などということを考えてみると、表現の多様性を内包する言語種の極みであると言えます。

 

 規則性、決まり文句、それはそれなりにあるのですが、たった一音で真逆の表現になってしまうなど、なかなか油断できない言語、扱いにくい言語種であると言えますね。このような日本語にどっぷりとはまっていると、規則性の強い言語種との翻訳は、結構、難しいのだろうな?と、想像がつきますね。

 

 現代は兎角AIを活用していろいろ代替できないだろうか?というように、楽して生きようという時代の趨勢ですから、「翻訳」もその影響下にあり、グーグル翻訳に代表されるように、いろんなAI翻訳ソフトが育てられています。EUは今や崩壊のタイミングにありますが、EUはある意味、多様な言語種間の翻訳の試みであったと言えます。EU内での取り決めを加盟国の諸地域内への通知連絡は、EU加盟国の数だけ翻訳が必要であり、そのための機械翻訳の研究が加速されたのかしら?とも、思ったりします。

 

しかし、残念ながら、今や、表向きは経済その他の事情により、EU離脱を決める国が出てきており、EUという試みは新しい局面を迎えています。世界的規模で見れば、言語的には(英=米)語という言語がグローバル統一言語の役どころを担い、この言語統一により、地球世界のまとまりがこれからますます加速していくのかと思われたわけですが、それが、今や、先駆けとなったEUという多言語社会を一つにまとめるという試みが曲がり角を迎えている、ということになってしまいました。

 

多言語の文化を一つにまとめるのはとても難しい事だと、思い知らされた感があります。それは、あのバベルの塔の物語を忘れてしまった地球人類への警告なのかも御しれません。(笑)

バベルの塔の物語はご存知の方も多いと思いますが、今一度確認してみましょう。

 

まずは、ウィキペディアからの引用です。:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

バベルの塔(バベルのとう、ヘブライ語: מגדל בבל)は、旧約聖書の「創世記」中に登場する巨大な

神話とする説が支配的だが、一部の研究者は紀元前6世紀バビロンのマルドゥク神殿に築かれたエ・テメン・アン・キジッグラト(聖塔)の遺跡と関連づけた説を提唱する

実現不可能な天に届く塔を建設しようとして、崩れてしまったといわれることにちなんで、空想的で実現不可能な計画を比喩的に「バベルの塔」という。

語源

正確には「バベルの塔」という表現は聖書には現れず、"the city and its tower"もしくは"the city" と表される。バベル(???)はアッカド語では神の門を表す。一方聖書によるとバベルはヘブライ語のbalal(ごちゃまぜ)から来ているとされる。

聖書の記述

 

 


ギュスターヴ・ドレ
『言語の混乱』

バベルの塔の物語は旧約聖書の「創世記」11章にあらわれる。そこで語られるのは下記のような記述である。位置的にはノアの物語のあとでアブラハムの物語の前に置かれている。

全ての地は、同じ言葉と同じ言語を用いていた。東の方から移動した人々は、シンアル[4]の地の平原に至り、そこに住みついた。そして、「さあ、煉瓦を作ろう。火で焼こう」と言い合った。彼らは石の代わりに煉瓦を、漆喰の代わりにアスファルトを用いた。そして、言った、「さあ、我々の街と塔を作ろう。塔の先が天に届くほどの。あらゆる地に散って、消え去ることのないように、我々の為に名をあげよう」。主は、人の子らが作ろうとしていた街と塔とを見ようとしてお下りになり、そして仰せられた、「なるほど、彼らは一つの民で、同じ言葉を話している。この業は彼らの行いの始まりだが、おそらくこのこともやり遂げられないこともあるまい。それなら、我々は下って、彼らの言葉を乱してやろう。彼らが互いに相手の言葉を理解できなくなるように」。主はそこから全ての地に人を散らされたので。彼らは街づくりを取りやめた。その為に、この街はバベルと名付けられた。主がそこで、全地の言葉を乱し、そこから人を全地に散らされたからである。 — 「創世記」111-9[5]

偽典の「ヨベル書」によれば、神はノアの息子たちに世界の各地を与え、そこに住むよう命じていた。しかし人々は、これら新技術を用いて天まで届く塔をつくり、シェム[6]を高く上げ、人間が各地に散るのを免れようと考えた。神は降臨してこの塔を見「人間は言葉が同じなため、このようなことを始めた。人々の言語を乱し、通じない違う言葉を話させるようにしよう」と言った。このため、人間たちは混乱し、塔の建設をやめ、世界各地へ散らばっていった。

解釈

バベルの塔の物語は、「人類が塔をつくり神に挑戦しようとしたので、神は塔を崩した」という解釈が一般に流布している。しかし『創世記』の記述には「塔が崩された」とは書かれていない。ただし、以下のような文献にはこの解釈に沿った記述がある。

ヨセフスによる「ユダヤ古代誌」

ニムロデは、もし神が再び地を浸水させることを望むなら、神に復讐してやると威嚇した。水が達しないような高い塔を建てて、彼らの父祖たちが滅ぼされたことに対する復讐するというのである。人々は、神に服するのは奴隷になることだと考えて、ニムロデのこの勧告に熱心に従った。そこで彼らは塔の建設に着手した。……そして、塔は予想よりもはるかに早く建った

ラビ伝承

ノアの子孫ニムロデ(ニムロド)王は、神に挑戦する目的で、を持ち、天を威嚇する像を塔の頂上に建てた

原初史といわれ、史実性が疑わしいアブラハム以前の創世記の物語の中で、バベルの塔の物語は世界にさまざまな言語が存在する理由を説明するための物語であると考えられている。同時に「石の代わりに煉瓦を、漆喰の代わりにアスファルトを」用いたという記述から、古代における技術革新について述べ、人類の科学技術の過信への神の戒めについて語ったという解釈もある。

引用ここまで。::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 

 

余談ですが、ウィキペディアもいろいろな意見が反映され、ずいぶん進化?した感があります。なかなか引用しにくい時代になりました!!

 

 引用に戻れば、旧約聖書の「創世記」11章にあるように、というわけで、バベルの塔は、世界に多言語が存在する理由と共に、神への挑戦、神への威嚇が内包されていたことが読み取れますが、この表現はすごいですね。技術革新―人間の科学技術の過信への神の戒め―という面から考えると、現代はまさにこのバベルの塔の時代に重なるものがあります。ことばが一つになろうとするEUの崩壊、地震や異常気象、火山の噴火やら、シンクホール、津波などなど、人類は神の怒りの前になすすべなく、言語の統一=一つの言語を話していた時代をただ懐かしむのみなのでしょうか?

 

 勿論、バベル翻訳大学院は、言語の統一は残ながら反対ですね!多言語、多様性が統一されてしまうなどという、愚挙には、賛成できません。しかし、人類は多様性を保持しながら、相互の尊重と理解を深めるというコミュニケーション手段、つまり「翻訳」という技術、技法を編み出しています。そして、2度と神の怒りによってバラバラにならないような、多様性を尊重し、それぞれが多様性の文化の華を咲かせていくという視野、視点を獲得してきているのですから。

 

 「翻訳はコミュニケーションである」。当然でしょ!と思われるかもしれませんが、翻訳の真意が広く理解されているとは、まだ言えないように思います。単に、人間業(わざ)では時間がかかるし、手間がかかるし、大変だからAIに頼ろう!と言うのでは【翻訳とは何か?】【コミュニケーションとは何か?】が分かっていないのではないかと思います。【翻訳とはコミュニケーション】ですが、もっと言えば、【人間とは翻訳】であり、「人間とは、コミュニケーション」なのですから!
 

ノアの洪水の後、かろうじて生き延びた現代人類の先祖たちが、多様な異言語世界に直面する中で、多くの人々と心の思いを分かち合い、喜び合い、体験し合い、育て合いながら、未知=道へと探求、挑戦し続けてきたのが人間の歴史であり、本質だとも言えますね。その楽しみを、その本質への探究という冒険をAIなんぞに任せておけるか!というような「翻訳熱中症!」にあなたは、まだ罹っていませんか?(笑)

 

 地球の内核で何が起きているのでしょうか?それは、人類の偉大な熱意、翻訳というコミュニケーションに益々高まる熱意、熱中症による発熱です!と言いたいと思います。人間から、翻訳というコミュニケーションがなくなったらつまらないですね!翻訳とは多様な言語間の豊かな遊び、楽しみであり、相互の関係の基に成立するものであり、同時にそれは相互に影響を与え合っているものだからです。

 

私は今、翻訳作業に熱中症です!】と言う素敵な方がおいででしたら、是非名乗りを上げてくださいね!実は既にご連絡いただいておりますが。【私は、翻訳に没頭すると、寝食も忘れがちです。】と言えるくらい、一つのことに打ち込みたいものですね。専門の違い、ジャンル、テーマ、言語の違いがあっても、【翻訳に熱中症の方は、気象の変化に打たれ強いですよ。

 

 最後までお読みいただき有難うございます。

 

 

 

 

 

 


 


 
 
 
 

第203号 巻頭言

「私たちは、地球の内核で何が起きているのか 知らない! 
気候変動、異常気象は、グローバルマーケット【世界】の変化を反映している?!」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 

 7月に入り、日本では、東京ばかりでなく、おそらく日本列島全体が、毎日猛暑日となっているのではないかと思いますが、皆様、お元気でお過ごしでしょうか?暑中お見舞い申し上げます。毎日、毎年、同じことが繰り返しているのだから、たまには暑い年もあれば、冷夏もある、取り立てて騒ぐ必要などないのでは? と、あなたは思われますか?

 

 そういう思考の枠組みの中で生きていると、そういう世界を体験していくのでしょう。同じ事象、気象現象、社会現象、いろいろな出来事をどう見るかは、偏に自分自身の思考の枠組みによる、自己意識の翻訳結果にかかっている、ということができます。日常の微細な変化に、「おや、これは何の兆し?」こんなことはここ数年、いや二、三十年の経験には無かったことのように思える!」そんな小さな変化に対する気づきが、感性の働きとなります。

 

 できれば、いつも微細な変化に感動する敏感な感性を持っていたいものです。翻訳の技術、専門分野の記述の変化、スタイル変化など、社会の変化、進化によって、より詳細化されるという現象が起きています。それらを一つは微細な視点から、もう一つは大局観という視点から、というように、二つの異なる視点を持つことが必要だと感じます。いつも視点が固定していたら、変化を見出だすことはできません。それは、【揺らぎなき日常】という幻想の固定観念でいる、ということであり、色々な変化の兆候があっても、何も気づかずにやり過ごしてしまい、いつの間にかゆでガエルになっていた、ということになります。

 

 そもそも、社会現象と自然環境の現象は関係がない!というのは本当なのでしょうか?火山の噴火には、周期性があるというようにその地域の住民の経験的な観察がありますが、これは大事な体験的現実であり、それらを踏まえて行動すれば、いざその時に慌てないで対処することができます。

 

今年になって、53日、ハワイ島のキラウエア火山の噴火が始まったことは、バベル翻訳専門職大学院の居住地域であるハワイ州の一大変化の始まりです。一時的な噴火で収まればいいのですが、それが一向に収まることはなく、真赤な溶岩流が止まることなく、流れ続けています。

 

しかも、その後続いて、グアテマラや、エクアドルの火山噴火、日本の桜島、新燃岳の噴火など、環太平洋の地殻に何か変化が起きているのではないか?と言われています。このように、世界各地の火山噴火と地震の連鎖、という大きな変動が起きていることが実感されます。それらは、ここ数年とか、二、三十年とかの期間でなく、百年、二百年、三百年、千年に一度というような、かなり長期の周期が現在のタイミングに重なってきている、というような、歴史的な長期サイクルが重なる時代となったのだということを認識する必要がありそうです。

 

このような地球の地殻変動と、現代の私たち人間社会の認識、テクノロジーの画期的変化は、関連があり、相互に影響を与えあっている!というのが、この論考のポイントです。やれ地震だ、やれ火山噴火だ!と言うだけでは、人間の知恵の進化・成長というものは存在しないのか?と言わざるを得ません。

 

物理学だけがこの世界的現象を解明することができる!という観念は、既に終わっているのです。先端科学、先端技術の発展は、従来の物理学の世界をとっくに乗り越えて、私達が日常使いこなしている「スマホ」の世界とは「量子論」の発展により技術化、商品化されてきたものであり、その開発技術レベルは、私たちの常識の世界を全く超えているのです。以前に書きましたが、あのアインシュタインと量子論学派の論争「月は人間が見ていない時、存在していない」という有名なエピソードで、アインシュタインは、「神はサイコロを振らない」と言って、量子論学派の見解に反対したわけですが、現代の科学は、アインシュタインの負けを知っています。

 

つまり、人間が認識する事が現実に影響し、もっと言えば、【人間の考え、価値観、とりわけ潜在意識下にある人間の感情、思考システムにより、自分が体験する現実を創造している】と言えるのだと思います。感情の側面では、最も強い影響を与えるのが「恐れ、恐怖、不安」などという感情です。この恐怖心というようなネガティブな感情は、強い振動を発します。この感情を稼働させずに、落ち着いて対処し、もっと言えば、よりよい現実を想像=創造していくことが必要です。そのためには、今、地球の内核で,または世界で、地球の表面で何が起きているのか?を冷静に知ることによって、それへの対処ができるようになります。

 

つまり、最悪の事態を想定して準備し、生活すれば、想定したことは、認識レベルの対処可能な範囲となり、最早起きなくなる可能性が高いのです。それは、最悪の事態を知り、その最悪の事態を受け入れ、その事態の結果をむやみに恐れない、余裕のある意識、感情レベルに移行する事により、人間の認識レベルの持つ波動=周波数帯域が変わることで、違う現実を創造する、ということになるのです。

 

これを想定できれば、これらのニュースをそのままうのみにせず。自ら可能な限り、知力の限りを尽くし対処を考えぬいて、その最悪の事態を受け入れる覚悟をすることができる!ということになります。このような、最悪の事態を想定して、そのための準備を行い、後は楽観的な気持ちで普段の生活を営む、ということにつきますね。つまり「備えあれば憂いなし」ということなのです。もし、それで、災害が起きなかったら、感謝して喜べばいいのですね。ところが、人間は往々にして、やはり起きなかったではないか!損をした!無駄なことをしてしまった!などと考えて失敗、損失を発生させた!と思ってしまうのです。これが、人間の進化を阻む最も大きな原因の一つです。

 

 その失敗に陥らないように生きていくためには、最悪の条件を受け入れて、それでもめげることなく、日々日常やるべきことに集中して人事を尽くす、ということになります。そんなことでいいのか?と思われると思いますが、これでいいのです。今更、火星へ逃げようとか、自分たちだけどこか安全な所へ行こうなどと考えることが、ある意味、逆説的に最悪の事態を現実化する原動力(=言動力)となります。これにより、いわゆるネガティブ波動を出し続ける周波数帯域にエネルギーを注いでしまうことになるのです。心理学でいう、エゴの周波数帯域にはまってしまう、ということになります。

 

 ちょっとわかりにくいと感じるかもしれません。つまり、思考の前提にある【感情=勘定】には何があるのか?と、なぜその感情を抱いたのか?というように、感情の中身を冷静に観察することが必要です。つまり、感情とは【勘定=損得計算機能】を働かすエネルギーだと言えるからなのです。

 

 社会現象、もっと言えば、私たちの心的世界の変化現象は、地球という自然環境の変化現象とつながっており、世界各地の火山活動の活発化の連鎖に影響を与えているのかもしれません。今や、地球レベルでつながったグローバル市場の動向というものは、地方、地域に限定されるのではなく、地球レベルの広がりを持ち、地球レベルの自然環境における変化に影響を受け、また、影響を与えていくのだと思います。

 

何故なら、コミュニケーションというものは、相互の関係の上に成立するものであり、同時にそれは相互に影響を与え合っているものだからです。

 

そんな世界市場としての翻訳の世界の只中で、この暑さも何のそのとばかり、「好きな作品の翻訳なら、朝から晩まで取り組んでも、全く疲れが出ないわ」などという方が、世界各地においでだと知っています。これぞわがバベル翻訳専門職大学院に学ぶ院生、修了生の皆さんの声だと信じます。私は今、翻訳作業に熱中症です!】(笑い)なんて言う素敵な方がおいででしたら、是非名乗りを上げてくださいね!

 

 何事もそうだと思いますが、【私は、翻訳に没頭すると、寝食も忘れがちです。】などと言えるくらい、一つのことに打ち込みたいものですね。専門の違い、ジャンル、テーマ、言語の違いがあっても、【翻訳に熱中症の方は結構多いのではないかと思います。

 

 このような【地球、グローバルマーケット、テクノロジーの大きな変動期】を迎えて、これまでよりもっと意識的に自己の選択、自己責任で生きていきましょう。それは、どんな充実した自由精神を満喫する体験となるのでしょうか?
 

 最後までお読みいただき有難うございます。

 

 

 

注)ご参考:今回は火山活動、地震予測の情報をいくつかご紹介です。

http://www.gentosha.jp/articles/-/3590

巽 好幸 著『地球の中心で何が起こっているのか』 地殻変動のダイナミズムと謎 (幻冬舎新書)

 

https://www.youtube.com/watch?time_continue=60&v=6bW5WmdAmJI

JESEA 地震予測 村井教授

 

https://www.youtube.com/watch?time_continue=30&v=jTU6HfTSQsQ

南海地区で大地震警戒:村井教授の「累積ひずみ」による最先端地震予測

 

https://dotounokensaku.org/earthquake_murai_0908

日本と世界の地震予知・地震前兆・地震予言・地震予測やスポーツなどに関する旬な出来事ブログ


 


 
 
 
 

第202号 巻頭言

「今、グローバルマーケット【世界各地】の
気候変動、異常気象が起きています。」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


 7月7日は七夕ですね。株式会社バベルは、1977年3月4日の設立なので、7のつく年や、7の月、7の日は何か縁深いものを感じてしまいます。まして、今号は7月7日の七夕号となりました。何となくおめでたい!!と感じます。
 
 実はバベル翻訳専門職大学院を運営する企業体、BABEL Corporation社の米国での設立日も1996年7月25日で、7月なのです。これは、先ほど気づいたのです。それに、25日も2と5を足すと7ですね。そしてついでにやってみたら、1+9+9+6=7でした!777でした。驚きです。これは、もしかして、ラッキーセブン【7】のお知らせかもしれません?
 
 七夕のような織姫と彦星という二つの星が年に一度の接近遭遇をお祭りする風習は、日本だけなのでしょうか?きっとどこかに似たような物語があるかもしれせんね。もし、ご存知の方がいらっしゃったら、是非コメントをお願いします。ところで、皆様のご家庭では、七夕のお祭り、笹に願い事を書いて吊るす、というイベントはやっておいででしょうか?幼稚園などや、商店会のイベントではやっているかもしれませんね。私の住む共同住宅では、管理スタッフが笹の枝を立てて、そこに子供たちがいろんな願い事を書いた色紙を吊るしています。毎年玄関ホールに立ててあるので、結構住民が立ちどまり、見ています。
 
 しかし、このような文化、伝統なども、各地の人々が混じり合うことによって、形が変化していったり、廃れたりしていきます。これは、世界の歴史の上では、やむを得ない事なのでしょうが、何となく寂しいものを感じるのも事実です。しかし、次世代の担い手である子供たちには、新しい社会の創造力と適応力をたくましく身につけていってもらいたいですね。
 
 その新時代、新たなテクノロジーの時代は、新たな価値観が必要となりますが、過去の体験から言うと、新たな価値観を創造するためには、旧知の慣れ親しんできた価値観、概念が残ったままでは創造できません。どうすれば、古い価値観を手放し、新たな価値観を持つことができるのでしょうか?
 
その回答が、今起きている世界規模の気候変動、異常気象の発生だと思います。日本には季語というものがありましたが、今や、この季語に合わなくなった季節が多くなりました。日本ばかりでなく、例えば、アフリカに雪が降ったり、寒冷地が温暖化したりなど、世界各地に気候変動が起きていたり、突然の竜巻が起きたり、地面が突然大きく陥没して大きな穴が開いたりなどというニュースが伝えられています。これらは、人類の意識の変化が関係しているのではないか?と思うこの頃です。
 
地球の気象・天候は、地球の自然という環境や太陽の活動による光、熱、放射線、近くは月、遠くは太陽系の各惑星の動向によって影響を受けています。それらは、天候、気象、自然という生態系、微生物という生命系を育み、相互に影響し合っていると言えるのでしょう。地球上における人類の諸活動は、当然自然環境に影響を与え、それは同時に天候、気象に影響を与えていくという、相互の影響の連鎖というシステムだと言えます。
 
ところで、5月3日にハワイ島のキラウエア火山が噴火して以来、もうかれこれ2か月が過ぎますが、キラウエア火山の溶岩流は、おさまるどころか、高温の溶岩が流れ続けています。ハワイ政府の発表も日々更新されています。同時に、民間の多くの方々が撮影した画像や、地域のニュースその他の様々な情報が、ユーチューブにアップされていますので、生々しい映像を見ることができます。
 
キラウエアの溶岩噴出エネルギーも相当なものがありますが、人々のユーチューブパワーも相当なものがありますね!凄いです!バベル翻訳専門職大学院の本部オフィスがある、ハワイのホノルルが津波の襲来があるとかなり大変な状況になるのではないかということで、オフィスを現在の海岸近くから山側に移転する必要があるのかもしれないという状況は依然として継続しています。また、一時的だったかと思いますが、ネットの通信環境が悪くなり、中断するなどの事故も起きました。
 
更に、6月18日には日本国内で、大阪北部地震が起き、関西地方に大きな影響がありました。どうやら、世界的な気候変動、異常気象に加え、火山の噴火、地震、洪水、地面の陥没などが起きていることが実感されます。地球の歴史では当然これまでも起きてきたことなのでしょうが、とりわけ現代は、これらの地球環境というシステムに何か大きな変動が起きている、連鎖している!ことが分かるのではないでしょうか?
 
一方、ユーチューブなどのように、多くの一般の人々が自由意志で、現場を映し、動画配信して現地の生の報道ができるという、素晴らしい時代に生きていることも実感します。報道機関によるニュースは同じものがいろんなチャネルで報道されることが多いわけですが、現代のユーチューブは、個人の自由意志でそれぞれの観察という、生の情報を伝えてくれる事も有ります。こんなことができるのは、古代の神話の時代は別として、インターネットならではの現象ですね。現代のインターネットが作り出したサイバー空間という概念が、如何にすごい事なのかを再認識した次第です。
 
勿論、本学、バベル翻訳専門職大学院は、インターネットによる大学院ですから、IT技術のお陰で世界中どこからでも、自宅に居ながらにして学習することができる!という画期的なシステムです。このサイバー空間という認識を共有することができる、現代に特有のシステムを活用していますが、ユーチューブは、誰でも個人で世界に向けて配信できるということに加えて、世界の多言語による、ものすごい量の情報提供がなされていることに、感激しているのです。
 
ユーチューブは、まさに多言語マーケット、グローバルマーケットとなっています。初歩的なAIシステムを活用して、音声での読み上げ、字幕言語の選択などいろんなサービスがありますが、いろいろ試してみると、日本語関連ではおかしな部分が見られます。これからは、よりよい品質が求められるようになるでしょうし、世界中の人々が、母語に翻訳してもらいたい!とか、外国語のトレーニングに最適!などといろいろな活用もされていることでしょう。
 
つまり、私達人類は今、新たなテクノロジーの世界を現実と同じリアル感、実体だと受け入れることができるのかどうか、さらには、VR(仮想現実)という世界、価値を受け入れることができるのかどうか?という、まさに転換期に直面している!ということなのでしょう。もうずいぶん以前に見たような気がしますが、あの映画「マトリックス」シリーズはご覧になった方も多いと思います。あれは、まさにコンピュータと人間の戦いでした。2000年頃はまだ未来の話のような気がしていましたが、あれから十数年経った現在では、まさに数年先のような近未来の物語のようにさえ思います。
 
もし、まだご覧になっていない方がおられましたら、是非、ご覧になることをお勧めします。吹き替え版、字幕版、英語版など、いろんなバージョンを見て、字幕翻訳、吹替翻訳技術などにも、思いをはせてくださいませ。この映画の事例を取ってみても、世界は多言語マーケットであり、多言語翻訳市場が広がっているのだと、実感されるのではないでしょうか。
 
翻訳の醍醐味についてはさておき、テクノロジーの変化と、それに伴う認識の大きな変化が起きようとしている!ということをお伝えしたいと思いますが、その人類の「認識の変化、価値観の変化」は、そう簡単には起きないということが分かります。私達は、昨日の記憶、おとといの記憶、先月の記憶、数年前の記憶・・・というように、記憶という仕組みによってほとんどの作業、生活行動というものが継続しています。ある意味では、私達は「記憶システム」だということもできます。
 
そして、この記憶がなくなったとき、私達は恐怖に陥ります。「認知症?記憶喪失?ボケ?老化?脳軟化症・・・」いろいろな病名が浮かびますが、この記憶に頼る生活習慣病こそが問題なのですね!なぜなら、記憶とは一度刷り込んだ内容を何度でも繰り返して再現するという、まことに素晴らしい、役立つ側面があると同時に、厄介なシステムでもあるのです。記憶は価値観を固定させ、その変化を病気にしてしまうのです。それでは、人類が創造へと向かう時は、この記憶の繰り返しというシステムから離れたいわけですが、簡単にはいきません。ではどうしたらいいのでしょうか?
 
それが、今起きている地球環境の大激変だと思います。過去にも大きな時代変化が何回か起きていますが、その時には必ず戦争が起きたり、大きな災害が起きたりといったような大事件が起きています。現代は、この戦争は回避しようという叡智?が少しは働いたようです。それは、これまでのような敵との戦争ではないからでしょう。アメリカは宇宙軍を創設しましたし、最新テクノロジーは、宇宙由来の高度な科学技術のようですから、過去のような戦争の形態ではないようです。「サイバー戦争」という形式になっているのですね!そのためでしょうか、電波障害、電磁波障害などが起きてしまうわけが分かります。
 
目に見えない脳の想像上のイメージとしてしか表現し難い「サイバー空間」という概念を、あなたはリアルに理解できますか?これは、ある意味ダジャレの世界です。また、シンクロニシティの世界とも言えるかもしれません。量子空間とも言えます。もしも、これまでの記憶の連続という中でのみ考え、出来事、現象を表面的な商品価値としてだけしか見ない、理解しない、という意識のままでは、眠っているだけとなります。そろそろ目を覚まして、「サイバー空間」と「これまでの物理空間」と両方の空間の意識的な住民となりましょう。そうすれば、世界を取り巻く気候変動、異常気象、社会の大きな価値観の変動などがつながっており、私たち人類の集合意識に、価値観の大きな変化が起きていることを知らせてくれているのだという解釈=翻訳を選択できます。
 
 このような大きな変動期を迎えて、これまでよりもっと意識的に、自己の選択、自己責任で生きていきましょう。それは、どんなにか充実した自由を満喫できる体験となるのでしょうか?
 
 最後までお読みいただき有難うございます。
 
注)ご参考:
 
地球の記録
http://119110.seesaa.net/article/427990863.html
 
大摩邇(おおまに)いろいろなブログからの転載
http://blog.livedoor.jp/genkimaru1/archives/cat_47842.html
 
In Deep 地球最後のニュースと資料
https://indeep.jp/hawaii-kilauea-magnetic-field-goes-oppsite-what-it-means/

 

 


 
 
 
 

第201号 巻頭言

「201号で初心に帰り、自然の変化、市場の変化に敏感になろう!」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子



 お陰様で、前号で200号を発行できましたので、一区切りのタイミングを迎えたことに感謝しつつ、新たな201号のスタートです。ここで、初心に帰り、心機一転して、次の300号を目指します。これからの時代にふさわしい新しいテクノロジーを活用して、翻訳学習に役立つウエブマガジンのスタイルを考えていきたいと思います。勿論、
バベルの翻訳図書館の構築も大きな目標です。皆様、今後も宜しくお願いします。


 200号というと、本誌は月2回発行なので年に24号を配信しますから、8年4カ月となります。
2010年2月にスタートしたので、現在、この記事のデータベースには200号分の記事データが蓄積されている、と言うことになります。この、WEBマガジンを月2回発行することで、2010年以降は時間間隔=感覚がその前の十年に比べて、かなり加速したような感覚を覚えました。そして、今、200号8年4カ月を経過した現在の実感(=時間!)は、もっと加速状態にある!と言う感覚です。

 私達現代人にとって、時間という資源は、年々加速するとともにその重要性が高まっています。この時間の加速という現象は、人によって感じ方がずいぶん違います。それは、関心を持つテーマの違いであったり、思考パターンであったり、思考対象などによっても違います。つまり、時間という幅、計測の方法は物理的なルールで決められているので一定と言えるでしょうが、時間の長さ、速さは、それを感じる人間の感じ方によって決まる!ということなのです。

 現代における時間は、先ほども書きましたが、いわば、時間という資源であり、社会活動、ビジネスにおいてはとても重要なリソースである、と言うことです。

 この考え方の理由の一つに、会計原則があります。つまり、地球上に場所を占有する以上は、国家に属し,国家の財政、税制の計測ルールに従わなければならないという原則があるからです。皆さんご経験と思いますが、国も企業も家計も、この規則に従い、毎年一定の時期に収支計算をして、税金を納めるための決算活動を行います。

 年次決算、月次決算、日時決算を行うシステムの企業もあるでしょう。個人の家計も、国税や地方税その他の収入に応じた決算を行い、税の確定申告を行って納税します。当社は2年に一度の決算です!などと決めることはできませんね。資金をいかに効率的に回転させて、一定の期間に最大の利益を計上し、納税するのか、が特殊の一部の人々、地域を除き、全世界において共通のルールで運営されている時代です。こう考えると、地球は国家群に分割占有され、同時に言語によるコミュニケーションは、英語という共通語と母国語と言う地方語によって行われるシステムとなっている、ということができます。

 そして、その国土、地球という惑星の大陸を分割統治する国家は皆同じ時間資源を共有し、グローバルな統一ルールによって、世界中でビジネスなどの活動が行うことができている、という、過去に例のない世界市場という統一システムの時代を迎えている、と言うことになります。PayPalのようなまるで夢のようなサービスが当然の時代になっています。本当に驚きですね。

今や、当然のように付き合っているWEBシステムですが、このような時代の始まりから、まだ、四半世紀しか経っていないです。あの1994年に、米国で初の商用インターネットのサービスが開始され、瞬く間に、世界共通の基盤となるに及んで、実際の国土とは異なる「サイバー空間」という新たな空間活用が広まりました。

 笑い話なのですが、バベルの社内では、「バベル翻訳大学院はいったいどこにあるのでしょう?」などと言って、クイズのような会話を交わしていました。あなたは何と答えますか?多くの回答者は、首をかしげながら、頭を指さしています。つまり、「脳」の中にあるのでは?という回答なのですね。さて、バベル翻訳大学院は、いったいどこにあるのでしょうか?勿論、インターネットで配信されるすべてのコンテンツ、情報は、いったいどこにあるのでしょうか?

 私たちはそれを見るのに、PCや、スマホ、アイパッドなどの電子情報機器に画像を映して見たり、読んだり、音声を聞いたり、連絡したりしているわけです。その電子ツールが映し出すもの、それはいったいどこにあるのでしょうか?これがサイバー空間です、と言われても受信機や映写機がなければ分からないのです。インターネットが提供した新しい世界は地球物理空間とは違う、異次元の空間である、と言えますね。

 本学は通信教育であるということになりますが、通信教育と言っても、インターネットのシステムを利用したサイバー空間上の学習システムとなります。その実用価値は、インターネット以前の通信教育とは、全く価値が異なるものとなっています。このように、すごい時代になっているのですが、それらのことに特別な関心も持たずに日常の中に普通に活用しています、というケースが多いと思いますが、それだと、世間の動きに翻弄されるだけになってしまいますね。

 例えば、AIが「翻訳の仕事をやるようになったら、翻訳者はいらなくなる!」などと発言する人もあるかもしれませんが、それは、自分で考えず、周りの意見をうのみにする思考パターンの人ですね。そういう思考パターンでは、自分のユニークな人生、というような生き方はできないでしょう。

 知ったかぶりの表面的な意見に惑わされず、自分自身でしっかりと考え、自分の意志で人生のデザインを決めることが必要です。そのためには、なぜ自分は「翻訳」を選んだのか?なぜ「翻訳」でなければならないのか?などと言うように、自分の内側への問いかけを深めることです。その問いかけを深めて行けば、そこに自分だけの翻訳への「志」が明確になってきます。この「志」こそが、自分自身の人生の目的となっていくのです。

 前号もお伝えしましましたが、バベル翻訳専門職大学院のオフィスがある、ハワイのオアフ島ホノルルは、今のところ、ハワイ島のキラウエア火山の噴火の影響は特にみられてはいないようですが、米国の民間の研究機関などで、キラウエア火山の噴火が拡大し、火山の山体崩壊が起きて海側へ崩落した時には、30メーターに及ぶ高さの津波が30分でハワイの諸島へ押し寄せる、というシミュレーションがユーチューブに掲載されていました。さらにその津波は遠くカリフォルニア州の沿岸迄やってくると言いますから、その場合は、日本への影響もあるのかもしれません。

 そのように、火山の噴火、津波などについて調べたり、書いたりしていましたら、皆様ご承知のように、6月18日の朝、大阪北部を震源とする「震度6.1の地震が発生し、4人の方がお亡くなりになりました」。この地震で犠牲となられた4人の方々のご冥福をお祈りします。

 実は、この地震でお亡くなりになった方のお一人は、以前、通学制の「バベル翻訳学院」を開講しておりました大阪校にて、熱心に翻訳の学習をされていた方だということが分かり、本当に驚きました。それを知らせてくれたのが、既に数年以上前に退職している元大阪校の運営担当者の方です。地震のニュースで亡くなった方のことを知り、すぐに連絡してくれたのです。その時、この受講生の方も、深いご縁がある方なのだろうという感動が湧きました。教師としてかかわる方もあり、学生としてかかわる方もあり、また、社員としてかかわる方もあって初めて事業というものの運営が可能になります。

 それぞれ、役どころは違っても、互いに深いご縁につながっているのかもしれない!と感じたのでした。インターネットのサイバー空間は、意外と、自然や、社会のつながりを背景に持ちつつつながり合っているのかもしれない!とも感じます。都会に暮らすと、自然の変化に疎くなり、人工の世界にのみ浸ってしまいますが、やはり、いつでも自然の営み、社会、市場の変化というものに敏感でいることが必要だと、深く感じた次第です。

 自然の変化は、まさに市場の変化と連動、リンクしています。キラウエアの噴火、大阪北部地震、南海トラフ地震、ハワイからつながる環太平洋火山列島の日本は、いつも、自然とつながり、市場の動き、変化に敏感でいることを教えてくれますね。

 サイバー空間もそれを意識、認識する人間が居なければ、存在できませんから、環境とか外部に囚われることを少し斜めにずらして、自然の変化、社会の変化、市場の変化という、
変化に敏感になりましょう。変化こそが自己=潜在意識とつながる入り口のような気がします。

 最後までお読みいただき有難うございます。
 
 
 
 

第200号 巻頭言

「ハワイ島のキラウエア火山のように溜まった自分を噴火させましょう!」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子



 今号で200号を迎えました。この間の読者の皆様、ご執筆いただいた皆様、代々の編集・営業担当の皆様、有難うございます!WEBマガジンになって8年余が過ぎました。時間の経過は、本当に早いものです。

 このところ、東京では雨模様の日が多く、梅雨を思わせる日が続きましたが。5月末頃から青空が広がる清々しい陽気となりました。何か、梅雨明けを思わせるこの頃です。日中はとても暑く、強い日差しが眩しく、夏を思わせます。今、ピンクや紫、白など、色とりどりの紫陽花が咲き乱れ、散歩の道を華やかにしてくれています。

 前号もお伝えしましたが、バベル翻訳専門職大学院のメインオフィスがある、ハワイのオアフ島、ホノルルは今のところ、ハワイ島のキラウエア火山の噴火の影響は特にみられてはいないようですが、米国の研究機関などで、キラウエア火山の噴火が拡大し、火山の山体崩壊が起きて海側へ崩落した時には、30メーターに及ぶ高さの津波が30分でハワイの諸島へ押し寄せる、というシミュレーションがユーチューブに掲載されていました。さらにその津波は遠くカリフォルニア州の沿岸迄やってくると言いますから、その場合は、日本への影響もあるのかもしれません。

 そのような場合は、オアフ島では大きな影響がありますから、山側への移動など予定しています。ところで、前号で掲載したユーチューブ画像は、掲載後大きな反響があったらしく、ユーザーが削除したと出てきます。まだ、起きていないことをあれこれ騒ぎ立てて、ハワイの観光ビジネスに悪影響を与えかねない、というクレームなどいろいろとあったようです。そのため、その動画は削除されています。

 既に、ハワイ島では住民の方達の避難も続き、観光客も半減したと聞きましたが、どのような危険の可能性があるのか、知ることが必要です。今後もユーチューブやブログの記事など、継続して注視していきます。何時噴火が起きるのかとか、いつ津波がやってくるのかとか、自然の現象は予測出来ませんから、個人個人の自己責任で対処するしかありません。観測データが確定して津波が来る直前になったら、大変な混乱となり、逃げ惑うばかりになりかねませんね。

 備えあれば、憂いなしというわけで、やはり、前もって準備しておくしか手はないですね。津波が来る、来ないではなく、もし、来たとしても少しでも安全な地域へ移動しておこうと決めました。何もなければ、万々歳です。津波など起きず、ハワイの平穏が戻り無事に済むように、火山の噴火が治まることを祈るばかりです。

 さて、世界の翻訳市場で自分の市場価値を作ろう!というテーマを続けてきましたが、ここで、ふと気づいたことがあります。これまでの翻訳市場、現在、これから数年後、さらに、十年後の翻訳市場についてはどうなっていくのだろうか?ということです。今後の市場動向を考える時大事なテーマがあります。 本誌の特集に「ビッグデータアナリストから見た人工知能」という記事がありますが。人工知能はインターネットと共に登場した重要な技術です。機械翻訳システムが登場した時も賛否両論がありましたが、翻訳が人工知能に取って代わられる日がいつか来るのでしょうか?あなたはどう思いますか?

 これは、翻訳ビジネスにとっては、キラウエア火山の大噴火級の大きなテーマです。ところで、この「キラウエア」という音がすっかり気に入ってしまいました。キラウエアと言うと、何かキラキラしたウエアをイメージさせ、このキラウエア火山にとても親近感を覚えています。(笑)

 それはさておき、時々、翻訳は人工知能に取って代わられるのではないか?という論調でいろんな意見が出されたりしますが、それらの他者の意見を丸のみしてしまうのではなく、自分自身できちんとリサーチして、自分の考えを作っていくことが大切ですね。

 例えば、PCが今のように普及する前は鉛筆で文字を書くのが普通でした。しかし、今でも鉛筆はありますし、鉛筆書きが必要なときもあります。あまりいい事例ではないかもしれませんが、自分はずっと鉛筆を使おうと思えば、それを続けることができます。勿論、ビジネスですから、鉛筆書きを認めるお客様が必要ですね。時には鉛筆書きが好みである、とか、PCは持たないから鉛筆書きでほしい、というケースもあるかもしれません。つまり、ここで私が何を言いたいのかと言うと、「市場とは、創造するものである」ということです。

 自分のビジネスで多くのお客様、つまり大きな市場を作ろうと思えば、マーケットリサーチをして、どのくらいの規模のニーズがあるのかなどと調べていくことになりますが、全く逆に、自分はこういうライフスタイルで、こういう趣味、嗜好だから、これを好む人にだけサービスを提供しよう!と考えればどうでしょうか?ビジネスの想像がしやすいですね。

 創造とは【想像】することから始まるのです。そこには、マーケットリサーチという概念はあまりないですが、自分がそのことをとても好きであるとか、自分の好みを自分は知り尽くしていて、それをやっているとき最高に幸せである。というような境地に至るとき、それは、成功する大きな可能性を秘めているのです。如何でしょうか?すごい事だと思いませんか?好きこそものの上手なれ、と言いますね。好きだからこそ、長く続けられる、飽きない=商いというわけです。

 私は、翻訳をテーマとして翻訳関連サービスに従事し始めてもう45年になりますが、まだ、探求すべきことが湧いてきます。まだまだ、未知の世界が広がっているのを感じます。まあ、翻訳について考えることが大好きなんですね。私の場合は【翻訳とは何か?】がテーマで、これについて考えていきながらその過程で出てきたいろいろなことを、ビジネス、つまり、サービスという形にしてきたわけですが、こういう分野と言うか、やり方は、あまり、人工知能向きではないようです。

 人間は、困難に出会うとそれを乗り越えるためにすごいことが想像=創造できる存在ですから、人工知能が出てきたら、人工知能と競争して、すごい能力を開花させることも可能だと思いますが、逆に、人工知能ができないことを見つけ出して、人工知能を使いこなすという方法もありますし、人工知能は全く縁のない世界で独自の想像=創造を育てていく、ということも可能です。

 それがどの方法・タイプであれ、そのいずれかを実現していくには、長く続ける、ということが必要です。一つの道、自分の存在意義とでもいうような何かを発見してください。発見するということは大して難しいわけではありません。ただ続けていくことです。途中、いろいろと障害があっても、気にせず、ちょっと回り道をしても、やはりまた戻ってきてしまった!などと思えることがいいですね。

 それがあなたの存在意義なのです。翻訳ビジネスの実務では、それを「志」と呼んでいます。志とは、自己の存在意義であり、人間として生まれた使命でもあります。その存在意義=志=使命は、あなただけのユニークなものです。同好の友人たちであっても、どこかユニークな役割、あなただけの側面があるのです。世界の翻訳市場でどうやって生き続けていくのか?それは、あなただけの使命=志=存在意義を発見することに他ならないのです。

最後までお読みいただき有難うございます。
 
 
 
 

第199号 巻頭言

「世界の翻訳市場で、自分の市場価値を作ろう その2」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子



先日、5月19日は、バベル翻訳専門職大学院の2018年度春期学位授与式を執り行いました。新たにMSTホルダーになられた皆さん、御目出とうございました!ご活躍を期待しています。
東京市ヶ谷の現地会場出席の方もいれば、Zoomという電子会議システムで参加される方達も多く、日本国内各地、オーストラリア、アメリカなどから参加されて、楽しく、有意義な学位授与式となりました。これも、インターネットシステムの進化の賜です。多種多様なアプリと言いますか、電子ツールが発売提供され、とても便利になりました。

さて、昨今の気象状況は、変化が激しいですね。先週、東京は急に暑くなり、真夏日のような気温でした。その前の5月初め頃までは寒い雨の日が続きましたので、余計に暑く感じたのかもしれませんが。世界の各地でも、異常気象と言うか、かなり変化が激しくなっています。

バベル翻訳専門職大学院は、ハワイのオアフ島、ホノルルにオフィスがありますが、今、ハワイ島のキラウエア火山の噴火があちこちで起き始めたようです。日刊工業新聞電子版https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00473968
ハワイ島からは離れているので、すぐに危険になるかどうかはわかりませんが、ハワイ島の住民の方々は、もう避難を始めたようですし、火山の溶岩流だけでなく、それが引き起こす津波の危険もあるようですから、ハワイオフイスも今後の状況では、対策を講じる必要があるのか、早速検討しなくては、と思った次第です。 

5月20日の最新情報というライブ映像だというユーチューブ画像です。 
https://www.youtube.com/watch?v=jAjAiRSCeOI

これを見るとかなり激しい溶岩流が噴出されています。
さらに、この次の動画では上空からの映像もあり、大きな川の流れのようになっています。https://www.youtube.com/watch?v=R0INKXervXc 
 
こんな現地の生の様子が誰でも、どこからでも見ることができるということは、画期的なことですね。やはり、インターネットの活用がどんどん進んで、個人の配信ツールとなっていることが実感できます。
先端情報を掴むことができたら、各自で意思決定をしていかなければなりませんね。火山の崩落が起きたら、大きな津波の可能性もあるとのこと、これは、万一のことを考えたら、今号が配信される時には意思決定をする必要があるのだと感じました。慌てる必要はありませんが、皆様もご自身で、是非情報を収集して、被害が出ないように意思決定をされますように。
 
 さて、世界の翻訳市場で自分の市場価値を作ろう!というテーマで書いていますが、前号は、バベル=BABELとは何か?を考えることから始めたわけですが、いかがでしたでしょうか?

「バベルの塔」は壊され、互いに言葉が通じあわなくなってしまったので、人々は世界各地に散り散りバラバラになっていくわけですが、まるで、今のハワイ島の噴火により引き起こされる世界的な被害を思わせる光景をイメージしてしまいますね。しかし、人々は、それらの甚大な被害を乗り越えて、多言語の世界、多様な文化を作り上げてきたのです。人類は叩かれてこそ、素晴らしい叡智が目覚め、多様な文化というかつてない豊かな創造性を発揮できるということを示しているのでしょうか。

できたら、そんなに大変な、過酷な体験をしなくても、多様性に目覚め、多様な文化の花を咲かせたいものです。このように多言語世界となり、多様な文化の花が咲いたことは人類の、いわば進化ともいうべきものなのか、それとも、神の指示をよく守り、いつまでも一つの言語で、神の庇護の世界にいた方が良かったのでしょうか?あなたは、どう考えますか?

世界の市場をどのように考えるか?それは、あなたの自由です。たとえ、火山の噴火があろうとも、私は逃げない!という選択も有りですし、安全地帯へ早めに非難する事も有りですね。私達は何を選択していいのですね。自由意志を確立する事、これが、バベルグループとして、ただひたすら翻訳に一直線という事業活動を行う中で目指したことの一つなのです。誰かに言われてとか、いろいろな思いが沸き上がってきますが、そのようないろいろな思いを捨て去って最後に残った理由、それが「志」というものです。

その「志」を磨き上げていくプロセスで徐々に身に着けていくのが、「自由意志」と言えるのです。「志」と「自由意志」は相補う関係にあります。この「志」と「自由意志」の絡み合いが「想像=創造」活動となり、世界市場でユニークな【あなただけの市場価値」を創造することができるのですね。

世間に流布する情報、他人の仮説にすべてを依存してしまうのではなく、自分の「志」から感じ、導き出すものを自分の市場価値だと決めていきましょう。そこには、売れ筋とか、販売部数とか、流行りそう打とかいうことは必要がないのです。自分自身がこれをやりたい!と思うことですから、まず、一番の顧客は自分自身なのです。

 前号でも述べましたが、この思考プロセス=いろいろなリサーチを行い、多くの固定した評価、意見によらずに、自分自身のインスピレーションによって、【自説】を組み立てていく=に従っていくという習慣を身に着けていきましょう。自分自身が好きなこと、やりたいこと、それが第一です。お客さんが多いから、売れ筋だから、という理由は意味がないのです。お客の嗜好の変化はいくらでも起きています。

流行り廃りが激しいことはお分かりですね。バベルは世間におもねるのでは無く、自分が必要だと思ったことを世間の情勢に囚われずに自由気ままにやってきたと言えます。やって楽しい事が一番です。やり始めたら楽しくて、疲れることがない!とか、これだけはひとに負けない!とか、何か自分らしさを表現するものがあるはずです。それを大事に育てましょう。このような自己の【ブランディング】をやってみてください。

世間の常識、自分の体験、知識人のアドヴァイスなどの既成概念に囚われない!ということを意思決定しましょう。【自分という世界にただ一つのユニークな存在】に気づいてあげるのは、あなたしかいないのです。本学、バベル翻訳専門職大学院は、独自のテーマを持っています。世界市場において、MSTホルダーが自立すると同時に連携して、AI以上のユニークな生産性を実現する!(笑い)ということです。一人一人がユニークだからこそ、世界的なネットワーク生産システムを実現できる、ということなのです。

繰り返しますが、それは、あくまで【仮説である】ということを知っている必要があります。同時に、仮説だからこそ、チャレンジし続けることができるのですから。そして、チャレンジし続けると、いつか、新たな事実が発見、または自覚されて、全く別の結論が出るかもしれません。私達はそのような【心変わり】をいつでも受け入れていける【無知の知】を自覚していましょう。

バベルは今、世界規模の「多言語翻訳ネットワーク」を創造していきます。それによって、「ユニバーサルサービスとしての翻訳ビジネス」を実現することが可能になります。新たなサービス概念として「ユニバーサルサービスとしての翻訳ビジネス」という、バベルの新たな試み、チャレンジするネットワークへ、あなたもご参加ください。

 最後までお読みいただき有難うございます。

 
 
 
 

第198号 巻頭言

「世界の翻訳市場で、自分の市場価値を作ろう」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


  日本在住の皆さん、この連休はいかがお過ごしでしたか?また、連休は無かった地域の皆さんは、いかがお過ごしでしょうか?四季の変化がはっきりとした日本列島は、春から夏への季節の変わり目には、兎角風が強かったり、激しい雨が降ったりと、変化を感じることができます。日々の時節の移り変わりを漫然と過ごさずに、ちょっとアンテナを伸ばして、自然の変化を観察していきましょう。

 

ところで、現在は日本も、西暦カレンダーに従って日々を過ごしていますが、祝日や祭日は、世界各地で異なりますから、「この連休はいかがお過ごしでしたか?」と書き出しながら、「そうそう、連休は日本だけだった!」と思い出し、「日本在住の皆さん」という文を挿入したのでした!地球は、なかなか一筋縄ではいかない多様性の惑星です。というわけで、「世界の市場」を意識するとき、カレンダーも各地で異なることを思い出さないわけにはいきませんね。

 

このように、一度「世界」という視点で認識し始めると、自分自身の固有の体験や価値観、尺度というものは、極めてローカルなものなのだと気づきますね。まさに「世界とは【多様性】である!」と言い換えることができそうです。世界に「多言語」が存在する理由としての【BABELの塔】の物語は、旧約聖書の創世記、第11章に出てきます。本大学院の名称「バベル翻訳専門職大学院」は、この世界に多言語が発生し、言語のコミュニケーションが取れなくなったという原因譚から名付けました。では、バベル=BABELとは何か?を考えることから始めたいと思います。
 

 そこで、ウィキペディアから創世記の聖書の記述 引用してみましょう。

 

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全ての地は、同じ言葉と同じ言語を用いていた。東の方から移動した人々は、シンアル[4]の地の平原に至り、そこに住みついた。そして、「さあ、煉瓦を作ろう。火で焼こう」と言い合った。彼らは石の代わりに煉瓦を、漆喰の代わりにアスファルトを用いた。そして、言った、「さあ、我々の街と塔を作ろう。塔の先が天に届くほどの。あらゆる地に散って、消え去ることのないように、我々の為に名をあげよう」。主は、人の子らが作ろうとしていた街と塔とを見ようとしてお下りになり、そして仰せられた、「なるほど、彼らは一つの民で、同じ言葉を話している。この業は彼らの行いの始まりだが、おそらくこのこともやり遂げられないこともあるまい。それなら、我々は下って、彼らの言葉を乱してやろう。彼らが互いに相手の言葉を理解できなくなるように」。主はそこから全ての地に人を散らされたので。彼らは街づくりを取りやめた。その為に、この街はバベルと名付けられた。主がそこで、全地の言葉を乱し、そこから人を全地に散らされたからである。

                                                           「創世記」111-9
 

 

 ここにあるように、初めは、塔の名前ではなく、街の名前として「バベル」と名付けられたのですね。バベルの街にあった高い塔なので、【バベルの塔】と言われるようになったということが分かります。ですから、当時の人々はこの塔をどのように名付けていたのか、名前がついていたのか、判らないのです。

 そこで、【バベルの塔】という言葉についてウィキペディアから引用してみましょう。
 

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 バベルの塔(バベルのとう、ヘブライ語: מגדל בבל)は、旧約聖書の「創世記」中に登場する巨大な

神話とする説が支配的だが、一部の研究者は紀元前6世紀バビロンのマルドゥク神殿に築かれたエ・テメン・アン・キジッグラト(聖塔)の遺跡と関連づけた説を提唱する[1][2]

実現不可能な天に届く塔を建設しようとして、崩れてしまったといわれることにちなんで、空想的で実現不可能な計画を比喩的に「バベルの塔」という。

 

 

となっています。そこで、神話という説を取らずに、一部に言われる【紀元前6世紀のバビロンのマルドゥク神殿に築かれたエ・テメン・アン・キジッグラト(聖塔)の遺跡だと仮定する説をとると、いろいろな視点が見えてきます。ウィキペディアからさらに引用してみましょう。

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エ・テメン・アン・キシュメール語É.TEMEN.AN.KIEtemenanki)(「天と地の基礎となる建物」という意味)は、メソポタミア明の中でも最古の文化を築いたと言われるシュメール人が建設を開始し、工事が中断していた(規模が小さかった、荒廃していた)物を、カルデア人の王国である新バビロニア王国時代に、紀元前7世紀末にナボポラッサル王が再建に着手し、紀元前6世紀前半にその長男、ネブカドネザ2王の時に完成した、バビロンマルドゥク神殿エサギラ)の中心部に築かれたジッグラト(聖塔)のこと。

底面約91×91m、高さ約9091m(高さは推定)の7層建てであり、各層が七曜を表し、1階が土星、2階が木星、3階が火星、4階が太陽、5階が金星、6階が水星、7階が月であった。これはバビロニア天文学では、地球から遠い順に、「土星・木星・火星・太陽・金星・水星・月」と考えられていたことに基づく。各層には神室があり、頂上(7階)には神殿(至聖所)があったと推測される。

これらのことは、シェーンコレクション(ノルウェーの実業家マーティン・シェーン(Martin Schøyen)が設立した書物収集団体)が所有する、紀元前604年~562年頃の黒い石碑に刻まれた碑文と絵と、現在はバビロンの遺跡にわずかに残る遺構から判明している。

現代の学者(Stephen L. Harrisカリフォルニア州立大学サクラメント校)などによれば、旧約聖書創世記」のバベルの塔挿話は、バビロン捕囚時代に、エ・テメン・アン・キに影響されたと考えられている。

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という解説が出ています。このようにリンクを辿っていくと、いろいろな視点が見えてきますから、自分がどういう視点で見るかが重要である、ということが分かります。

 

世に流布するすべては「…と思われる。または・・・と言われる。」というように、いろいろな視点から見た【一つの仮説】なのですね。他人の仮説を受け売りするだけでは、少しも面白くありません。それでは、どうすればいいのでしょうか?それは、多くの他人が言う【仮説】によらずに、自分の直感に従い、インスピレーションが湧いたものをリサーチしていき、その多様な情報から、これだというものを【自分の仮説】としてまとめていくことで、【自分という特徴】を導き出すことができます。

 

そこで、この思考プロセスいろいろなリサーチを行い、多くの固定した評価、意見によらずに、自分自身のインスピレーションによって、【自説】を組み立てていく=に従っていくという習慣を身に着けていきましょう。

 これが自己のブランディングのプロセスだということになります。それは、常識を疑え!ということでもあり、既成概念に囚われない!ということでもあるのです。【自分という世界にただ一つのユニークな存在】に誰が気づいてくれるのでしょうか?いつか誰かが気づいてくれる!のを、ただ待てばいいのでしょうか?そんなことはないですね。

 【自分】というかけがえのない「ユニークな存在」に気づき、それを磨き上げるのは、誰あろう、自分です。【自分というブランド】をあなたは自信をもって<気づいて=築いて>いますか?本学、バベル翻訳専門職大学院は、その名の通り、極めてユニークなシステムなのです。それは、世界市場において、MSTホルダーが自立すると同時に連携して、AI以上のユニークな生産性を実現する!ということです。一人一人がユニークだからこそ、世界的なネットワーク生産システムを実現できる、ということなのです。

 

さて、本稿のまとめに、今一度提言します。それは【汝自身を知れ】という言葉です。私達人間は「自分自身を知らない」存在です。それをソクラテスは【無知の知】として探求したと言えます。自分とは何か?それは、まさに「自分というブランド」を作り上げているか?という問いでもあると思います。他人の考えをうのみにせず、自分自身のインスピレーションに照らし合わせて、自説を磨き上げることが必要です。

 

しかし、それは、あくまで【仮説である】ということを知っている必要があります。もしかすると、いつか、別の時に、新たな事実が発見、または自覚されて、全く別の結論が出るかもしれないのです。

私達はそのような【心変わり】をいつでも受け入れていける【無知の知】を携えていくことが必要なのですね。
 

バベルは今、世界規模の「多言語翻訳ネットワーク」を創造していきます。それによって、「ユニバーサルサービスとしての翻訳ビジネス」を実現することが可能になります。新たな翻訳概念としての「ユニバーサルサービスとしての翻訳ビジネス」という、バベルの新たな試み、チャレンジするネットワークへ、あなたもご参加ください。

 

 最後までお読みいただき有難うございます。

 

 

 

 

第197号 巻頭言

「世界の翻訳市場で、自立開業するということとは?」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


 

世界情勢も、自然の景観も、テクノロジーの進化も、人間の身体も皆ひと時も休むことなく変化の一瞬一瞬を刻んでいます。最近、とりわけこの時間について感覚=間隔が敏感になりました。変化に対する感覚=間隔が研ぎ澄まされたような気もします。皆様はいかがでしょうか?いろいろな場面で、変化が著しいように感じられます。寒い冬の間の春を待ち望む気分というのは、他の季節の移り変わりに比べ、【春の到来】という時の変化への思いがより一層強いからかもしれません。

 

さて、皆様ご承知のように、BUPST バベル翻訳専門職大学院は、単にアカデミックな大学院ではありません。既にご承知の通りです。いわゆるアカデミックな研究職として、翻訳を学術分野からのみとらえていこうとする目的には合わないでしょう。しかし、翻訳の実践による高い成果の実現を目指して、生産性の研究やeTransテクノロジーと言うように、翻訳の技術をいわゆる工学的な視点で研究していくことは、大変興味深いテーマであり、本学の目指す分野の一つです。

 

この翻訳テクノロジーという視点で、いわゆる機械翻訳システムを考えてみましょう。世界レベルで見て、まだ、日本語とこの日本語と同等の言語レベルを持つ言語との間での翻訳ソフト、翻訳システムが十分機能しているかと言えば、残念ながらまだ不十分な状態であると言わざるを得ません。現段階では、AIの誕生によって、翻訳はほとんど代替されるのではないか?という懸念は杞憂に過ぎません。

 

つまり、翻訳ビジネス従事者が、AIを活用することで高い翻訳生産性を上げることはできる可能性が十分に見込まれますが、それが正確な翻訳であることを認証できなければ、それは価値がない事になってしまいます。現在の事例でいえば、「グーグル翻訳」で満足している人の翻訳ニーズは、ビジネスレベルになっていませんし、目的がビジネスレベルであれば、自分がこの翻訳結果を直しながら使うよりプロの翻訳者に依頼した方が効果的だとすぐに判断がつきますね。

 

そのように、翻訳ができると言っても「ピンからキリまである」ということに留意することが必要です。そのピンからキリの中身をしっかり分析して把握しておくこともさらに必要となります。このように、翻訳ニーズをとらえるということは、全てのビジネスに共通する最重要のテーマです。そして、ニーズは二つの視野を持っています。まず一つ目は、翻訳者になろう、と考えたとき、自分は何ができるか?こんな分野の内容が好きだし、知識背景からこんな専門分野が適しているだろう、と言うように考えることから導かれるニーズです。自分が「翻訳できると思っている能力」というニーズとも言えますね。

 

二つ目のニーズは、顧客つまり、翻訳してもらいたい文書や書物、情報、データ類を抱えて、いち早く適切な翻訳を必要としている人のニーズ、ということになりますね。どちらが本当の市場ニーズかと言えば、当然顧客で、翻訳文書を抱えて早く処理してもらいたいと考えている人、となります。言わずもがなですが。

しかし、人間が行うことは、市場のニーズの前に、必ず先立つニーズ、つまり前提条件が必要になるのです。それは、翻訳の内容・分野、その専門レベル、二つの言語種、翻訳の品質、納期、価格、翻訳生産能力・期間、翻訳の品質水準の評価、そのた、秘密保持、送受信のセキュリティの信頼度、など思いつきますが、他にも、文のスタイルや表現の好みも結構大事な要素です。

 

翻訳ビジネスは、現段階では、翻訳者という【人】に依存しています。これは良い面もあるし、また、問題点もあるのです。翻訳者は健康を害したら、すぐに代替者はいるでしょうか?人それぞれが自己流の翻訳方法に依存し、翻訳品質への共通認識、文章レベルのセンス、納期遵守への意識は?などなど、人が行うことはそれぞれ違いがあって、共通レベルの意識水準を持つ人同士で共同訳にチャレンジすればうまくいくと思われますが、共通意識という「コンセンサス」がない時、翻訳はいろんな面で破たんしてしまいます。

 

バベル翻訳専門職大学院を開講しようと考えた動機は、まさにそこにあるのです。私達は「人」として完成していますね。聖人君子だという意味ではなく、足がこれから3本生える進化の段階にあるとか、羽がまだ生え足りないというような身体構造の水準では一応基本形は固まっていますね。機能の発現度レベルはまちまちかもしれませんが、人間は一応こういう機能を持っている!というコンセンサスがあります。

 

それと同じように、翻訳においても、誰がやっても基本形は同じに翻訳できる、という技術が必要だと考えたというわけです。それが、「バベル翻訳文法」です。この翻訳文法をマスターすることで、生産性が高い水準で向上します。機械翻訳システムはすべてを教え込まなければなりませんし、判断や、創造性、協調性、問題解決力などは、人間にはかないません。一定の水準の知識を備え、翻訳文法という技術を共有して使いこなせる人々のグループがあって、互いに協力、共同して翻訳作業に当たれば、とてもすごいことが成し遂げられるのではないか!と思いませんか?

 

「人」は一人一人がユニークで、個性豊かですね。だからこそ、一度、協力、共同、共通の目的を共有すれば、すごいことを成し遂げるパワーがあるのです。それは、科学の分野での真理の探究競争、ニュートン力学から見えない量子力学へと変容、発展してきた歴史を見れば、各地、各分野の科学者たちがそれぞれしのぎを削りつつ、現代の電磁力学の世界へと発展変化してきたのです。

 

これらの科学者は時には論争し、離散し、敵味方ほどに離れたり、近づいたりしながら現代の宇宙論、神の粒子=ヒッグス粒子の発見へと継承されています。翻訳のプロジェクトは、それほどダイナミックではありませんが、時にはこれらの科学者の著作物を翻訳しなければなりません。その時、翻訳者はまさに原著者となり切って理解し、今度は別の言語の新たな読者となりきることで、そのニーズに応えるということを行っています。二つのニーズに引き裂かれながら、その二つのニーズを行ったり来たりして統合し、高い専門分野の著作物を、異なる言語体系の未知の世界へと移し替えていくことができるのです。

 

そこで、いつも思い出すのは「汝自身を知れ」という言葉です。私達人間は「自分自身を知らない」存在です。ある時、私は、自分とは【思考】である、と気づいたこともあります。この続きは次回以降に譲りますが、私達は、まだ自分自身の潜在力を活用できていません。「人」という字は支え合う、つなぎ合う形です。すると、「人間」の意味するところは、支え合うもの同士の間、つなぎ合う空間を支え合うものだといえますね。そうです‼ それは、インターネットです。私たちはネットワークという仕事の仕方を行うことで、飛躍的な生産性を実現できるのです。

 

これらを更に発展させて、世界規模の「多言語翻訳ネットワーク」を作りましょう。それによって、「ユニバーサルサービスとしての翻訳ビジネス」を実現することが可能になっていきます。「ユニバーサルサービスとしての翻訳ビジネス」という、バベルの新たな試み、チャレンジするネットワークへ、あなたもご参加ください。

 

 最後までお読みいただき有難うございます。

 

第196号 巻頭言

「世界の翻訳ニーズ、翻訳市場に対する
新たな視野を持ちましょう」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


 皆様お元気でお過ごしのことと思います。早47日ともなると、ソメイヨシノ種の桜はすっかり葉桜となり、今や色とりどりの八重桜が咲き始めています。これからしばらくは、八重桜のお花見が楽しめますね。

 

ところで、今年は、桜の開花が早かったように感じます。皆様のお住まいの地域では如何でしょうか?

時間の経過を早く感じていくのは、情報量が多くなったり、ついあれやこれやと忙しくなったりすることが影響しています。ところが、しなければならないことがなく、のんびりとした気分になると、時間の経過がとても遅くなります。皆様も体験されたことがおありではないでしょうか?実は、先日、私はそれを実感しました。

 

暖かな日差しを浴びながら公園のベンチで本を読み、お茶とおやつをいただきながら、また別の本を読み、あら、ずいぶん時間がたったのではないかと思って時間を見ると、小一時間しか経っていないのでした。太陽もたいして傾いていません!これは素晴らしい一日だわ、とすっかりいい気持でのんびり読書と太陽光線を楽しむことができました。お供の犬も膝の上で、のんびりしています。

 

今回は、時間が止まったわけではなく、ものすごくゆっくり流れていった!という実感の体験でした。

もしかすると、止まっていたのかもしれませんが?最近はかなり大まかな思考になっているので、時間感覚=間隔も大まかになったのですね(笑)。

 

 時間は一定ではないのか?と思ったりもしますが、時計は同じ間隔で刻んでいるのでしょうがそれを見たり、感じたりする、われわれ人間側にその原因があるのですね。我々人間の知覚、認識力というものは、心の有り様、経験の有り様、思考の仕方、価値観などで変化することが分かっています。皆様も実感されることと思います。つまり、どんな価値観で、どんな心の状態で知覚するかによって、時間の長さは変化してしまうということになるのです。

 

 桜の開花もその時の諸条件により、毎年開花のタイミングがずれたりしますが、それと同じように、われわれ人間の心の状態がその諸条件となっていることが分かります。まあ、感じ方が変わったからと言って、そんなに敏感になることもないのでは?と思われる方も多いかと思いますが、これは、結構大事なことなのです。

 

今は、従来の科学技術に比べ飛躍的変化を遂げるAIテクノロジーが実用化されていく、大きな変化の時代です。時間の伸び縮みに無関心な感情レベルだと、このような変化の兆しを見過ごしてしまうことになるかもしれません。変化というのは微細なもので、すっかり変わったと思う時には、チャンスの芽は既に過ぎ去っているかもしれません。やはり、知覚は繊細にして敏感な方がいいでしょう。

 

しかし、恐れは禁物ですし、不要ですね。怖れ=恐れなどのネガティブなマインドだと、アイデアが湧いてきません。アイデアは将来に夢と希望を持つような、のびのび、ワクワクした明るい感情に根差しています。ビジネスはアイデア、創造力が必要です。とりわけ、これからは、AIテクノロジーとの共同作業となりますから、AIと同じような思考パターンでは面白くないですね。AIは過去データの集積回路となっているわけですから、過去の体験や記憶情報だけに依存し、毎日、毎月、毎年、代わり映えのしない生活パターンや思考様式に浸っていたのでは、AIの記憶集積回路にはかなわなくなります。

 

と言いますのも、最近、とみに記憶が薄れてきていまして、さっき何を食べたかしら?と言うほどまで行きませんが、いろいろ忘れてしまっているのです。顔認識映像情報はあるのですが、名前が出てこないのです。これは言語野の血の巡りが悪くなっているのかもしれない!などと思いますが、人の名前、物の名前、場所の名前など固有名詞が思い出しにくいことが分かります。

 

この現象は自分だけではないことはわかりますが、なぜ、名前が出なくなるのか勉強中です。

しかし、イメージ記憶、映像はリアルです。映画のスクリーンのように繰り返し思い出せます。しかしまた、記憶の取り違えも起きてきます。他の人と記憶を確認すると、違っていることもあります。いわゆる記憶違いです。それで、喧嘩になったりすることもあったりしますね(笑い)。

 

 このように、人間の記憶はかなりあいまいであったりしますが、AIの記憶処理には間違いはないのでしょうか?計算機ですからほとんど間違いはないのでしょうが、例えば雷に打たれて回路が変化したりして、間違えるAIなどが出たら、面白いですね!AIも言語処理によるコミュニケーションシステムですから、いわば翻訳作業と同じことです。AIの翻訳者が下訳をやってくれたら、仕上げの翻訳作業をすればいいわけで、AI翻訳システムは翻訳者の役に立ちます。

 

 つまり、AIにはAIの得意分野を担当させ、人間は人間の得意分野を担当すればいい、という役割分担、棲み分けが可能になります。AIと一口に言っても、既に機械翻訳と言ってきた時代から、グーグル翻訳のように、みんなで育ててきたAI翻訳ソフトとなるまで、いろんな段階を経てきたわけですが、これからが実用化の研究が本格化していきます。AI翻訳ソフトを自分なりに使いこなしたら、かなりな生産性の向上が期待できるかもしれません!楽しみです。

 

 そこで、多言語の市場を考えてみると、いろんな翻訳プロセスのサービスが考えられます。例えば、AI翻訳の出力結果を校正したり、最終チェックをしたり、AIが翻訳しやすいように原文を前処理したり、用語集や辞書をそろえたりなどいろいろ考えられます。しばらくはAI翻訳を育てていくことが必要になるでしょう。また、翻訳の方法も変化していきますね。このような柔軟な、創造的な思考法によって、新たなテクノロジーを使いながら、人間の自分にしかできない役割を果たしていけばいいのです。

 

 これからの翻訳ビジネスを考える時、従来の様式、データや記憶にのみ頼るのではなく、新しい変化の側面を積極的に捉えてチャレンジすることが必要です。それは人類がいつも危機に直面しながらも豊かな文化を築きつつ生き延びてきたことの証明だと言えます。固有名詞が出てこなくても、おおらかに生き延びていきましょう!(笑)

 

前回も書きましたが、現代の状況を見て【もの凄いチャンスが到来した!】と考えることもできれば、【翻訳はAIに取って代わられていくから厳しい時代になる!】と考えることもできます。どちらを選択するかは、全く完璧に、自分次第なのです。自分の自由なのです。だから、この世界は、完璧に自己責任の世界なのです。繰り返しますが、間違っても世界が悪いから、というような責任転嫁はできないのです!

 

世界規模の「多言語翻訳ネットワーク」によって、「ユニバーサルサービスとしての翻訳ビジネス」を実現するというバベルの新たな試み、チャレンジするネットワークへ、あなたもご参加ください。

 

 最後までお読みいただき有難うございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

第195号 巻頭言


「これから始まる【多言語翻訳の世界】を、あなたはどんなスタンスで迎えますか」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子



  
昨日は春分の日、こちらの桜は5分咲きとなっています。皆さんのお住まいの地域では、桜の開花状況はいかがでしょうか?前号7日号では、早咲きのピンクの「河津桜」の開花について書きましたが、河津桜はもはや散っていて、これからは、薄いピンク色の【ソメイヨシノ】の開花のシーズンです。冬の季節にさよならを告げ、何となくウキウキするお花見シーズンの到来ですね。


  東京の開花予報はある地点のソメイヨシノの開花状態に基づいて発表される、と聞いたことがあります。残念ながら、どの地点の桜の樹なのか発表されていないようです。このように日本人と桜の関係は深いものがありますね。私の居住地域の桜は、春分に合わせるように
20日には開花が始まっています。すっかり薄いピンク色に染まる桜並木は壮観です。最近は東京の桜の名所の一つになったのでは!と思うほど、お花見に来られる方々が多くなり、かなり混雑します。

 

皆様の地域では如何でしょうか?たまには、お花見にお出かけになり冬の間にため込んだ古いエネルギーを桜に吸収してもらいましょう。桜の開花エネルギーは、冬の間に溜め込んだ古いエネルギーだけでは足りないかもしれませんから、あまり長い間、桜の下にとどまるのは、エネルギーの与え過ぎになるかもしれません。自覚してお楽しみください。

 

さて、桜とのエネルギーの交流においてもそうですが、これからの時代とは【全ては自己責任であるという認識】で生きる、自己の【意思】=【志】に基づいて、自分が望む現実を自ら【想像=創造】する時代となっていく時代だと言えますね。なんと素晴らしい時代になってきたのでしょう。そして、今、これから始まる【多言語翻訳の世界】を、あなたはどういうスタンスで迎えていくのでしょうか?

その自覚と準備はできていますか?

 

【多言語翻訳の世界】と一口に言っても、漠然とした思いでいたのでは、それを活かすことはできません。インターネットにつながった、言わば【仮想現実の世界】とは、まさに多言語翻訳市場が広大に広がっており、その世界の成長は、幾何級数的な増大の中で、更なる上等の品質を求めています。この【仮想現実という情報空間 】は、インターネットが実現する前は、単に人類の創造の産物というイメージの世界でした。それらは、映画を除けば、文学、学術論文、絵画や写真など別々の表現の状態でしかなく、現実の一面を切り取った一つの瞬間を垣間見せる、というようなレベルでしたが、今や、文字、音声、動画、音楽、アニメーションなどが複合表現できるようになり、映画やビデオを超えて、まさに、【仮想現実としての情報空間】という名にふさわしい状態となっています。

 

従って、AI技術の登場は、当然の成り行きであると言えるのですね。知らぬは自分ばかりであったということかもしれません。気づかなかった、という表現がぴったり来ます。インターネットの登場は、それほど革命的であり、その延長線上に21世紀の現代文明は構築されてきたのです。そしてそれは、まさに【多言語翻訳の世界】となっています。

 

この世界を想像=創造してきたインターネットにつながった我々すべての人類は、NETの外側の現実を自分の意志と考えによって理解し、それらを入力システムに従って翻訳文を書き込み、画像や音声データを取り込み、動画化したり、文書データにしたりして毎舜、毎舜の多言語翻訳の世界を作り上げています。このように、現在の世界は、多言語=多機能コミュニケーションなしには1日たりとも存在することができないのではないか?とさえ、思うに至ります。

 

多様な多文化の世界を現実に体験すること、例えば、パーソナルな観光旅行やビジネス移動、また世界規模のイベントでは、先月29日から25日までの17日間にわたり開催されていた冬季オリンピックなどのように、世界各地から、競技者として、見物客として参加することによって生のイベント体験をすることができます。そして、それらは、同時にインターネット放送やマスメディアの情報配信によって、また、LINEFacebookTwitterなどのパーソナルメディアによって、多様な多言語コミュニケーションが大量且つ広汎に共有されていることが分かります。

 

この新たな時代の多言語翻訳サービスのビジネスをイメージしていくには、単に翻訳技能という視点で考えるだけでなく、最終商品の完成という観点からも見れば、翻訳の次工程である編集やイラストレーション、前工程としてのリサーチや専門用語辞書作り、用語集データベース作り、文体データベース作りなど、AI視点を持って眺めると、いろんな専門商品価値ビジネスの可能性が広がります。

 

ここで、人間の翻訳の作業過程はどうなっているのか、概略してみましょう。まず、目と耳で同時に文字情報を読み取り瞬時に意味と対応する言語と文字情報と発音を想起します、つまり、言語と文字と音声の複合入力・解析・変換・表現システムだと言えますね。なかなかすごい情報処理能力なのですよ!

 

それをAIコンピュータで処理するためには、人間の作業を分解してプログラム化し、記憶データ処理としなければなりません。文字の形やサイズ、余白などの情報や表記スタイル、それにまつわるタグ付けそしてそれらをどのようなニュアンス、イメージで表示、または表記するのか?それをどう発音するのかなどというように、表記法という多重構造の表現技術と、機械翻訳システムと言う意味解析と言語変換技術に加えて、処理判断情報の集積などの高度な複合技術の集積が必要になります。

 

そのため、グーグル翻訳などで、世界の人々がそれを使って試行錯誤を繰り返し、そのすべての情報を解析して処理情報として無限のループをつけているわけですね。従って、グーグル翻訳というAI翻訳システムを皆で教え、育ててきたと言えるでしょう。

 

 そういう意味では、今後の多言語翻訳サービスのニーズとは、単に従来の文字を中心にした「翻訳」技能が求められると言うだけでは済まない!ということになるのです。音声入力も、動画としての画像入力も必要になる!ということになります。つまり、言語の種類が増えるということだけが要求されるのではなく、翻訳・通訳・画像処理・コメント作成入力や、デザイン、編集制作などの複合的、マルチ伝達表現機能も求められたりするかもしれません。

 

横幅という視点で、処理可能言語の数を増やすというやり方もあれば、編集作業やイラストを描く、それを音声吹込みして通訳的な技能を活用する!という奥行きとしての技能も考えることができます。言語の種類を増やすことでしょ!と考えるだけでは不足なのです。どちらかと言えば、言語種を増やすだけでなく、自分の持つ周辺技能との複合により生産工程を短期化したり、商品のマルチメディア化したりすることにより、商品価値の高度化と、生産性の飛躍的な向上を実現する事なのだとも言えますし、自己の新たな才能の開発となっていくことでもあるとも言えます。

 

従来のように、翻訳だけ担当すればよかった時代であれば、言語種を増やして翻訳能力の多言語化にチャレンジすることもいいでしょう。しかし、観光サイトに限りませんが、多様なニーズやテクノロジーの変化により、言語種を増やさなくても、翻訳・通訳・編集・イラスト作成などのようなアプリを使えば、複合技能化した付加価値を提供できるとことになります。一口に「多言語翻訳」と言っても、単に世界各地に多数の言語がある、という認識しかなかったこれまでの視点から、複眼思考をすることも必要です。従来の見方、価値観を手放しましょう。

 

それを「世界は翻訳である」と表現しています。世界とは、独立の実体なのではなく、我々が固有の知覚(=知識や理解力、記憶情報、価値観などの信念体系)によって翻訳して認識するという想像=創造活動なのです。従って、その人の信念体系によって、その世界=現象に対する見方=判断が異なってくるのです。【唯一の真実という現実は無い!】ということなのですね。

 

【もの凄いチャンスが到来した!】と考えることもできれば、【翻訳はAIに取って代わられていくから厳しい時代になる!】と考えることもできます。どちらを選択するかは、全く完璧に、あなた次第なのです。あなたの自由なのです。そして、それは、完璧に自己責任の世界なのです。間違っても世界が悪いから、というような責任転嫁はできないのです!

 

世界規模の「多言語翻訳ネットワーク」によって、「ユニバーサルサービスとしての翻訳ビジネス」を実現するというバベルの新たな試み、チャレンジするネットワークへ、あなたもご参加ください。

 

 最後までお読みいただき有難うございます。 

第194号 巻頭言

「多言語コミュニケーションの本質をイメージしましょう。」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子



 
  もう3月、春は弥生の月となりました。いかがお過ごしでしょうか?東京のお台場など散歩コースでは、ピンクの桜が満開です。お台場の桜には「河津桜」と名前が書いてあります。伊豆の河津、熱海周辺の温暖な地域に咲く、早咲きの品種のようですが、皆様の地域では如何でしょうか?

 

 河津桜の紹介がてらに、河津温泉郷の観光PRサイトを見てみました。

http://www.kawazu-onsen.com/

すると、このサイトは6か国語で紹介されています。このように、多言語翻訳のニーズは観光サイトでは大いにありますね。また、ユーチューブなども、多言語化されたものもよく見かけるようになりました。このようにWEBサイトでは、文字情報を多言語化することは、今後、一層増えると思いますが、テクノロジー全体を見渡して考えると、動画、音声などが飛躍的に増えるのではないかと思います。

 

 多くのウエブサイトが動画や音声情報を多用していくようになれば、その動画や音声の多言語化は、単に文字の翻訳レベルで済む、というわけにはいきません。いわば、このようなマルチコミュニケーションの時代になれば、翻訳だけでなく、いわば通訳機能が求められ、吹替・放送的な表現技能が求められるようになることが予想されます。

 

 そういう意味では、今後の多言語翻訳サービスのニーズとは、単に従来の文字を中心にした「翻訳」技能が求められると言うだけでは済まない!ということになるのです。音声入力も、動画としての画像入力も必要になる!ということになります。つまり、言語の種類が増えるということだけが要求されるのではなく、翻訳・通訳・画像処理・コメント作成入力や、デザイン、編集制作などの複合的、マルチ伝達表現機能も求められたりするかもしれません。

 

従来のように、翻訳だけ担当すればよかった時代であれば、言語種を増やして翻訳能力の多言語化にチャレンジすることが必要です。しかし、観光サイトに限りませんが、多様なニーズやテクノロジーの変化により、言語種を増やさなくても、翻訳・通訳・編集・イラスト作成などのような複合技能化した付加価値が求められることも大いに考えられますね。

 

そういう意味では、多言語翻訳サービスだから、言語の種類を増やすことでしょ!と考えるだけでは不足なのです。どちらかと言えば、言語種を増やすだけでなく、自分の持つ周辺技能との複合により生産工程を短期化したり、商品のマルチメディア化したりすることにより、商品価値の高度化と、生産性の飛躍的な向上を実現する事なのだとも言えます。さらには、自己の新たな才能の開発となっていくことでもあると言えます。

 

このように、新たな時代の多言語翻訳サービスのビジネスをイメージしていくには、単に翻訳技能という視点で考えるだけでなく、最終商品の完成という観点から見れば、翻訳の後工程である編集やイラスト作成、音声吹込み、その他アニメーション動画などのデザイン・制作技能などの付加価値の充実、という対応も必要である、ということになります。

 

このように、一口に「多言語翻訳」と言っても、単に世界各地に多数の言語がある、という世界認識しかなかったこれまでの視点から、それらの見方を複眼思考化していくことも必要です。従来の見方、価値観のままでとどまっているという選択を手放してみましょう。

 

私は、過去の人生経験、学びを通じて理解・形成してきた世界認識が、言語の多種類化によって大いに影響を受け、情報伝達の量と質への価値観が変わっていくのではないか?というようなテーマについて考えてきました。今後ますます進行していく、AI技術の実用化、多様なコミュニケーションビジネスの登場など、今起きている多言語市場化への変化は、私たち人間の世界認識の変化を引き起こさずにはいない程の、かなり大きな技術の進化の時代を迎えようとしている、と感じます。

 

繰り返しになりますが、「翻訳とは何か?」を問い続けて40年も経ちました。この世界になぜ多数の言語があるのか、なぜ、人は同じ言語を話しても理解し合えないのか、なぜ、同じ言葉でも人によって理解が異なるのか、同じことを言うのに、なぜ多数の表現があるのかなど、いろいろな疑問が湧いてきます。

 

それが、「世界は翻訳である」ということなのです。つまり、世界という現象は、誰からも影響を受けない独自の実態なのではなく、世界という現象は、人々がその人固有の知覚(=知識や理解力、記憶情報、価値観などの信念体系)によって翻訳して認識しているので、その人の見方(=価値観=信念体系)によって、その現象に対する見方=認識=判断が異なっているのです。

 

【唯一の真実という現実は無い!】ということなのですね。そういう現象の世界を実在とは呼べず、まさに幻想である、ということになるのです。「翻訳の世界」とは、10人十色の翻訳ができるという現象としてその実相を垣間見せてくれているのであり、世界認識とは私たちの一人一人の翻訳なのだと言えるのです。

 

今年は2018年、人によっては年々加速する現実を体験されているでしょうし、また別の人によっては、時間が伸びたり縮んだりしていることでしょう。五感というセンサーの働きと、価値観=信念体系の変容が起きていることが原因だと言えますが、今後は、世界認識が人によって異なっていることが理解されていくでしょう。こんな大きな変化が起きていることを感じている人もいれば、今までと何も変化を感じない人もいるのです。

 

そこで、AIの登場をどのように捉えて、どのように認識していくのかによって、その人の世界体験が変わっていくということになります。株式相場の乱高下や、あの【ビットコイン】などの仮想通貨の投機現象に一喜一憂する人もいれば、まったく関心を示さない人もいます。つまり、自分自身がどういう世界に生きていくのかは、自分自身で決定していることを理解できる人がどんどん増えていく時代となってきたといえるのです。

 

これからの時代とは、【全ては自己責任であるという認識】で生きる、自己の【意思】=【志】に基づいて、自分が望む現実を自ら【想像=創造】する時代となったと言えますね。なんと素晴らしい時代になってきたのでしょう。そして、今、これから始まる【多言語翻訳の世界】を、あなたはどういうスタンスで迎えるのでしょうか?

 

【もの凄いチャンスが到来した!】と考えることもできれば、【翻訳はAIに取って代わられていくから厳しい時代になる!】と考えることもできます。どちらを選択するかは、全く完璧に、あなた次第なのです。あなたの自由なのです。そして、それは、完璧に自己責任の世界なのです。

 

バベルグループは、この多言語翻訳の世界の登場【ビッグビジネスチャンスが到来した!】捉えています。バベルの翻訳技術をマスターした修了生の方々と共に、【ユニバーサルサービスとしての翻訳】という【新たな「翻訳の世界」を創造する】ことにチャレンジしていきます。

 

いま、私達に真に必要なことは【自分が望む現実をリアルにイメージする】ことです。自分が望まない現実をイメージしてはいけません。【自分が、本当にこうなったらいいな!と望む現実をリアルにイメージしてください】イメージとは自己の現実を創造する言語ツールなのです。

 

インターネットで学習できる世界で唯一の翻訳専門職大学院だからこそ【世界各地に居住したままの学習】によって、MSTMaster of Science in Translation)という学位を取得した皆さんが、翻訳ビジネスプロフェッショナル法人「バベルトランスメディアセンター株式会社」と共に、嘗てない規模と上品質の【世界各地の翻訳ビジネスの開業・生産ネットワーク=e翻訳室システム 】を実現していただきたいと存じます。

 

世界規模の「多言語翻訳ネットワーク」によって、「ユニバーサルサービスとしての翻訳ビジネス」を実現することができるのです。このチャレンジするネットワークに、是非ご参加くださいませ!あなたのご参加を期待しています。

 

 最後までお読みいただき有難うございます。

 

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第193号 巻頭言

「多言語間翻訳サービスの時代というビッグチャンスに備えよう!」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


  立春も過ぎ、この23日は何となく春めいています。暖かい日は、体ばかりか心ものびのびとしますね。今年は、1月半ばから風邪をひいてしまったので、太陽の暖かさが眼にも、心にも、身体にもジンワリと沁みる感じがします。風邪で寝込んでいるうちに、自分自身は何もせずただ寝ているうちに、いろんな日程、事柄が順調に進んでいく体験をして深い感銘を覚えました。自己の外界としての世界と、自己意識の関係を革めて実感しなおしています。

 

 人は、自己の体験・記憶・思い込みなどによって、起きてくる現象を自分の実体験として感受しています。しかし、それは実際には、外界は自分自身の意識、価値観、信念体系の現れであり、それらを解釈する方法としての変換認識プログラムにより、現実として体験、認識しているのだと言えます。つまり、眼、耳、鼻、舌、身、の五感というセンサーによって脳の神経系の認識空間に映し出されたものを、外界・世界の現実だと認識していると言われます。世界を脳の小さな空間に映し出しているのかと思うと、とても不思議な気がしますね。

 

ユーチューブの宇宙の広大さや地球の美しい映像や、グーグルマップで世界各地の複雑、詳細な地図、航空写真などを見ると、世界は広いし、宇宙の大きさなど想像もつかない!と、思ってしまいますね。少なくとも、世界とは、自分の外界に広がる実在の物理空間であり、それに比べると自分の身体や移動距離など、まったく微々たるものに過ぎない!と、これまで皆信じ込んできましたし、そう信じて、実感している人々の方が今も多数派であると思います。

 

そして、世界に広がる百数十カ国の陸地に展開される多数の言語があることは、この世界が今まで通り、世界地図に描かれた通りの現実が実在するのであり、世界の現実の姿であることの証明のようにも感じますね。しかし、先端科学においては、これまでの我々の世界認識についての見解は、どうも違っているという認識が広がっているようです。脳機能学という分野に限らず、この世界という自己の外側に広がると思い込んできた空間は、いわば脳に映し出された映像であり、それは、脳が見る幻想なのだと考えられているようです。

 

このように、「外界は幻想である」という見解に関する例を挙げると、例えば仏教の中には、あの有名な「般若心経」の一節、色即是空、空即是色と言われる部分に述べられています。「色即是空⇒ 形の有るものは因縁により生じる現象であり、本質の存在ではない。空即是色⇒我々が見る万物の真の姿は空であって、実体ではない。空とは我々が五感により知覚する現象の姿である」と昔から言われていますし、『A Course in Miracles』(奇跡のコース)という1960年代に米国から始まった心理学講座では、「世界は自己の知覚の誤りによって認識されているのであり、知覚が変われば認識されるものも変わる、つまり、実体ではなく幻想である」と言われています。

 

私は、これらの学びを通じて、現代の先端科学が物理学の壁を越えて、宇宙の真理に近づきつつあるのかもしれない、と思うようになりました。というのも「翻訳とは何か?」を問い続けていくと、この世界になぜ多数の言語があるのかとか、同じ言葉でも人によって理解が異なることがあるとか、同じことを言うのに、なぜ多数の表現があるのかなど、いろいろな疑問が湧いてきます。

 

さらに、翻訳学習を提供する過程で、同じ一つの文章を10人の人に翻訳させると、10人それぞれの異なる文章に翻訳されることなどを体験する過程で気づいたことが、「世界は翻訳である」ということなのです。つまり、世界は誰からも影響を受けない唯一の実態なのではなく、世界の諸現象は、人々がその人固有の知覚(=知識や理解力、記憶情報、価値観などの信念体系)によって翻訳して認識しているので、その人の見方(=価値観=信念体系)によって、その現象に対する見方=認識=判断が異なっているのです。

 

【唯一の真実という現実は無い!】ということなのですね。そういう現象の世界を実在とは呼べず、まさに幻想である、ということになるのです。「翻訳の世界」とは、10人十色の翻訳ができるという現象であり、世界認識とは私たちの一人一人の翻訳なのだと言えるのです。

 

さらに、現代の先端科学は、それをさらに進めて、心が一番大きくて、宇宙はその心に映し出された一コマの映像に過ぎない!などと言い出しているのです。

 

ところで、風邪などひいたりして寝込んでしまうと、現実感覚が大分弱くなりますから、いろんな妄想が湧きますし妄想を体感したりする、よいチャンスなのですね。そんな認識の揺らぎの中で、認識について考えていたら、【そうか、それで病気というものがあり、最近はいろんな病に侵されている人が多いのは、現実は実在ではなく、まさに幻想であり、自分自身の価値観、信念体系を映し出しているのだということに気づきやすくするチャンスが来ている】のだろうと思いました。

 

 つまり、日常という現実にどっぷりとはまっている間は、この物理現象という世界は実在ではなく、人間一人一人の信念体系というプログラムによって映し出されて体験している映像なのだ!というようなことを言われても、「そんな馬鹿なことがあるものか!」と思うのが普通ですね。しかし、多様な情報を理解して、いろいろな見解があるものだということを許していくと、もしかするとそれは本当かもしれない!少なくとも、そういう見解があってもいいのではないか?などと思ったりしていくのです。

 

今年は2018年、人によっては年々加速する現実を体験されているでしょうし、また別の人によっては、時間が伸びたり縮んだりしていることでしょう。五感というセンサーの働きと、価値観=信念体系の変容が起きていることが原因と言えますが、今後はますます、世界認識が人によって全く変わってくることは確実だと言えます。こんな大きな変化が起きていることも、感じている人もいれば、何も感じられない人もいるのです。

 

従って、AIの登場をどのように捉えて、どのように認識していくのかによって、その人の世界体験が変わっていくということです。【ビットコイン】などの仮想通貨の投機現象に一喜一憂する人もいれば、まったく関心を示さない人もいます。つまり、自分自身がどういう世界に生きていくのかは、自分自身で決定しなければならない、と言う時代となってきたのです。

 

自己責任で生きてく、自己の意思、「志」によって、自分が望む現実を【想像=創造】する時代となったのです。これから始まる多言語翻訳の世界を、あなたはどういうスタンスで迎えるのでしょうか?

 

もの凄いチャンスが到来した!と考えることもできれば、翻訳はAIに取って代わられていくから厳しい時代になる!と考えることもできます。どちらを選択するのかは、全く完璧に、あなた次第なのです。あなたの自由なのです。そして、それは、完璧に自己責任の世界なのです。

 

バベルグループは、この多言語翻訳の世界の登場【ビッグビジネスチャンスが到来した!】捉えています。バベルの翻訳技術をマスターした修了生の方々と共に、【ユニバーサルサービスとしての翻訳】という【新たな「翻訳の世界」を創造する】ことにチャレンジしていきます。

 

インターネットで学習できる、世界で唯一の翻訳専門職大学院だからこそ【世界各地に居住したままの学習】によって、MSTMaster of Science in Translationを取得した皆さんが、翻訳ビジネスプロフェッショナル法人「バベルトランスメディアセンター株式会社」と共に、嘗てない規模と上品質の【世界各地の翻訳ビジネスの開業・生産ネットワーク=e翻訳室システム 】を実現していただきたいと存じます。

 

世界規模の「多言語翻訳ネットワーク」によって、「ユニバーサルサービスとしての翻訳ビジネス」を実現できるのです。このネットワークに、是非ご参加くださいませ!あなたのご参加を期待しています。

 

 最後までお読みいただき有難うございます。

 

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第192号 巻頭言

新 翻訳の世界の創造
=ユニバーサルサービスとしての翻訳―②」

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


 皆様こんにちは。つい先日までお正月気分でいましたが、早いもので、もう立春も過ぎ、節分の豆撒きもしないうちに、27日となりました。今年は、さらに速いテンポで進んでいきそうですね!ちなみに、現代では、【恵方巻】というものがすっかり流行っています。いつの間にか登場し、いろいろなバリエーションが登場しています。

 

今年は2018年、もはや、21世紀も、およそ20年、五分の一が過ぎようとしています。こんな中で、今年のビジネスニュースにAI=人工知能の活用が当たり前になっている感じの記事やイベントが目につきます。何年か後に振り返ると、今年は「AIが企業の中で普通に使われるようになった年」と言われるようになるかもしれませんね。皆さんは、いかがお感じでしょうか?

 

このAIがビジネスに益々活用されるようになることによって、海外マーケットとの取引量や流通量はどんどん増えていきそうですね。勿論、人間自体の移動も更に増えていきます。このような時代には、翻訳サービスももっと生活のあらゆる場面に密着して提供されるようになるでしょう。それこそ、AIの活躍なしには、実現できないということになるかもしれません。いわゆるビジネスサイトで表示される多言語表示文書類はそれこそAIにどんどん仕事をさせていくことが必要となりますね。

 

思い出せば、これはまさに、昭和4050年代に流行ったSFの世界が現実化した!かのような感じです。私はSF小説や、SF映画が大好きでしたので、いろいろ読みつつ想像を膨らませていました。もうすでにそのころには、世界の変換期に惹き起こされる大変なカタストロフィーを描いたものが大変多かったですね。

 

そして、2000年代に入り、AIが登場し、AIに負ける一般の役立たずの人類は、AIによって駆逐されるかのような恐怖心を植え付ける小説や映画が放映され、ついには、映画ではなく現実の大惨事も世界的な規模で惹き起こされています。ニューヨークの9.11、日本の東北大震災の3.11.そして、2012年には、マヤ暦の預言とか言って、20121221日に世界は終わる、という映画や噂話がたくさん出されました。

 

これも、聖書の預言というか、あの【バベルの塔の崩壊事件!?】と結びついていて、繰り返されていくことが知られていたのかもしれません。いずれにしても、人間は、自己の傲慢さや、自我の張り合いによって【チリヂリバラバラになる】という【既成=規制】概念を持っているようです。

 

しかし、何度かのカタストロフィーの体験を経て、人類が消滅しないで新世界=宇宙時代を迎えることができるという選択がなされたようですね。多数の新時代のパターンが現実化を待っている中で、人類の集合意識は、いろいろな選択肢の中から、何とか平和裏に新世界へと移行することを決めたかのように思われます。良かったです!

 

ところで、振り返ってみれば【翻訳】とは、人類特有の文化構造と言えるのです。なぜなら、バベルの塔の崩壊によって言葉を通じ合わなくさせられた人類が、それにより創造してきた現象、つまり何百、何千もあると言われる多言語世界を誕生させてきたという事実を抜きにしては語れません。バベルの塔の崩壊によって、人類は多数の言語を創造してきたのだし、多言語文化の花を見事に咲かせてきた、とも言えるわけです。

 

この【言葉】というツールが人類の活動の基盤であり、人間と他の動物との分離を作り出してきたとも言えます。「ことば」が通じ合えるか、通じ合わないのか?それが問題だ!というわけです。人類の文化的な発展成長過程は、再び心を通じ合わせるためのコミュニケーションシステム、つまりスマホを作り出し、多言語世界において通じ合えるようになるために、これまでは【英語】という一つの言語に統一されてきたと言えるかもしれません。

 

ところが、この【英語に統一されることはいやだ】という人類の集合意識の思いが2016年後半には、世界規模の明確な意思表示となり、世界は再び多言語=多文化世界へと舵を切り替えたように思います。それにより、AIに取って代わられるだけの翻訳の世界でいいのか?という鋭い問いをもたらしました。この問によって、バベル翻訳専門職大学院の存在意義は、バイリンガルトランスレーションから、日本語と英語を基軸言語とする、トライリンガル=多言語コミュニケーションへの進化が明確になりました。

 

インターネットという仮想世界の創造がさらに拡大・進展していく中で、AIによる【翻訳】と人間の【翻訳】という棲み分けが起きてきます。翻訳者がAIを活用することで、更なる翻訳生産性が高まります。このような、これからの翻訳サービスを【ユニバーサルサービスとしての翻訳】として、新たなる翻訳サービスを研究開発していくことになります。

 

従来の【ビジネス情報の翻訳】が限られた人々だけが使えるのものから、AI翻訳の活用により、誰もが【多言語サイト翻訳】の恩恵を受け、これを使いこなせる時代への移行の段階となっていくことを示していると言えます。

 

バベルグループでは、この【ユニバーサルサービスとしての翻訳】へと、翻訳サービスの概念を拡張し、バベルの翻訳技術をマスターした修了生の方々を中心に、【ユニバーサルサービスとしての翻訳】という新たな【翻訳の世界】の創造へのチャレンジです。

 

インターネットの専門職大学院だからこそできる【世界各地からの学習】によって、MST取得後の皆さんと、翻訳ビジネスプロフェッショナルだからこそできるバベルトランスメディアセンター㈱【世界各地での翻訳ビジネスの開業・生産ネットワーク】を実現する、ということです。

これが、2018年、バベルグループが新たにチャレンジしていく「多言語翻訳ネットワーク」というビジネスモデルです。

 最後までお読みいただき有難うございます。

 

第191号 巻頭言

「2018年、既成概念の崩壊により
新 翻訳の世界=バベルの創造」

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


  新年明けましておめでとうございます。2018年という新たな【一年=一念】の到来を寿ぎ、お祝いを申し上げます。 皆様が、素晴らしい翻訳体験を深められ、ますます発展されますよう祈念します。

 

 本誌読者の皆様は、世界各地にお住まいですから、その土地ながらの文化・風習に倣ってそれぞれの新年をお迎えのことと存じます。今年は、どんなお正月をお迎えになりましたでしょうか?私は、穏やかでのんびりしつつ、時代の変化を迎えるというワクワク感と共に、お正月気分を味わっています。

 

 さて、新年明けて5日には始業ということで、会社に集合してお祝いを致しましたが、そこに鳴り響く警報、「地震です!」「地震です!」とPCが叫び声をあげ、地震情報を出しています。何人かがスマホですぐに地震情報を確認すると、茨城県沖が震源地ということです。さあ、揺れが来るのかな?と、待っても一向に気配がありません。

 

関東各地では結構この地震情報の誤作動というか、誤報=システム障害?が起き、すわ大地震かとスマホの音声通知が叫んでしまったようです。さすが地震大国の警備、感知体制は行き届いていますね!ところが、その翌日16日の夜、私の自宅は13階ですが、突然、ドーンと下から突き上げる地震波が来ました。地下の直下で何かが爆発したような突き上げる衝撃です。横揺れはありません。それに合わせて地震感知システムが作動し、「地震です!エレベーターは停止しました!」というアナウンスが流れました。

 

しかし、夜ですから外に出る必要もありません。このまま、エレベーターが動かないと、明日は13階からの階段の上り下りかしら?などと思いながら、仕事をしていました。どうせ明日まで缶詰になるのなら騒いでも仕方ないし!などと思い、ミカンを食べつつPCに向かっていましたが、周りも音もなく静かです。すると30分後くらいには、「エレベーターは運転を開始しました」とのアナウンスがあり、そのまま何事もなく2日にわたる地震体験を拍子抜けの状態で、やり過ごすことができました。

 

今や、あれは何だったの?というくらい何事もなく過ぎて、正月早々からの大地震にならずに済んだことに、とても有り難いことが起きたのだろうなと、感謝した次第です。この地震体験は、明らかに現実の知覚に新しい変化が起きていることを実感する事になりました。大地震になる可能性があったにもかかわらず、システムの誤作動、一発の直下型の突き上げ振動=縦揺れのみで済んだことは、日本人の意識が静まっている=冷静=霊性が高まっている!ことの証だ!と思います。

 

それはどういうことかと言うと、事件が起きてもあわてず、騒がず、心を静かにして起きていることをそのまま受け入れます。すると、心が静まり、起きていることを大きくする連鎖への恐怖評価が希薄になり、起きている現象に対するエゴ(=自我の一部)の恐れの感情というエネルギーを注がずに済みます。すると、現象は増幅させるエネルギーを失いますから、だんだん消滅していくのです。つまり、私達の既成概念に基づく未来への恐怖心という、ネガティブの感情エネルギーという油を注がなければ、その現象=火は自ずと消えていくのです。

 

別の意味では、私達日本人の共通意識【地震大国日本】というイメージは、古来より、さらに最近ではあの、3.11の体験、熊本地震などにより、かなり深く刻み込まれていると思いますが、それに対する日本人の【意識変化が起きている】と思いました。世界の各地域はその地域固有の歴史的な成立過程により、固有の文化=その地域住民の意識により形成された既成概念を持ち、地域固有の崩壊現象があります。

 

そこで、思い起こすのが【バベルの塔】の崩壊です。バベルの塔の崩壊現象は「地震」または、地震に準ずる破壊的現象が起きたのです。聖書によれば「神は雷を落として」などとも書かれていますが、雷とは電磁波であり、現代の高周波活性オーロラ調査プログラムとして開発されたものと同一システムと言えます。ご承知のように、地震も電磁波ですね。現代は【バベルの塔】の時代に神様が使ったパワーを人類が使える時代なった!とも言えますね。

 

 このように、現代は「神のパワーを使えるようになった人類がどのように進化していくのか」が問われる時代となっています。何も地震を起こすことだけが神のパワーではありません。今、人類は、AI「人工知能」を研究開発して誕生させようとしていますから、まさに、神が人類を創造したように、人類によって「AIという知能=知性体」を創造しようとしていると言えるのです。

 

1975年にマイクロソフト社が誕生していますが、そのころ秋葉原でワンチップコンピュータを売っていたように記憶しています。1974年にバベルは創業なので、マイクロソフトと同じ年代だったのですね。日本ではアスキーが取引をしていて、アスキー創立7周年のパーティに参加しましたが、ビルゲイツも来ていて学生風の感じでした。

 

その後、コンピュータシステムはどんどん発展を遂げ、アップルなどのPCへと発展し、それらがつながったインターネット登場が1994年です。このインターネットこれも電磁波の活用です。今や、地球の各地に広がった世界観を人類が共有する時代が、インターネットによりもたらされたのです。そして、そのことによってまた、私たちの意識は更なる広がりを獲得していくために、過去から続いてきた記憶に基づくシステムが、様々な面から崩壊していき、新しい概念、新しい価値観、新しいテクノロジーを創造していくタイミングとなっています。

 

 例えば、19871019日に起きたニューヨーク株式市場の大暴落の【ブラックマンデー】に始まった金融ショックのグローバリゼーションの波が回りまわって、ニューヨークに帰ってきました。それは、あの2008915日に起きた投資銀行リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの倒産【リーマン・ショック】によって、世界の金融危機の顕在化という、一回りも二回りも大きなうねり、つまり大津波となって世界金融システムが崩壊し始めたのです。

 

 この金融のグローバリゼーションの波は、2010年の欧州ソブリン危機となり、最近ではブレグジット、EU離脱、EUの崩壊として表れていくのでしょうね。さらには、その変化の担い手として、トランプ大統領が誕生し、生の声感覚でつぶやくツイッターが活躍しています。これも、従来の人を通じてのコミュニケーションから、FBやライン、ツイッターなど多様なコミュニケーション・アプリが登場して、大統領と一般市民を直接につなぐ時代となったと言えます。

 

これらは、まさに、バベルの塔の崩壊によって言葉を通じ合わなくさせられた人類が、再び心を通じ合わせるためのコミュニケーションシステム、つまりスマホアプリで直接見聞き出来、従来の【情報の翻訳】が限られた人々だけが使えるのものから、誰でもが【翻訳】を使いこなせる時代への移行となっていくことを示していると言えます。

 

 このことから、バベルは【ユニバーサルサービスとしての翻訳】へと、翻訳の概念の範囲を拡張し、2000年にハワイに開校したバベル翻訳専門職大学院の研究活動と人材養成をさらにステップアップしていきます。それは、バベルの翻訳技術をマスターした修了生の方々を中心に、【ユニバーサルサービスとしての翻訳】への新たな【翻訳の世界】を創造していきます。

 

それは、インターネットの専門職大学院だからこそできる【世界各地からの学習】によって、MST取得後の皆さんと、翻訳ビジネスだからこそできるバベルトランスメディアセンター【世界各地での翻訳ビジネスの開業ネットワーク】を実現する、ということです。

これが、2018年、バベルグループが新たにチャレンジしていく「多言語翻訳ネットワーク」というビジネスモデルです。

 

 2018年、今年もご一緒に、新たなる翻訳世界を創造していきましょう。

最後までお読みいただき有難うございます。

 

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関連データサイト

https://ja.wikipedia.org/wiki/高周波活性オーロラ調査プログラム

https://goo.gl/RbYzEg

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/リーマン・ショック

https://goo.gl/YjitPx

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/リーマン・ブラザーズ

https://goo.gl/6rMNZM​​​​​​​

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/イギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票

https://goo.gl/Gf9Rdd​​​​​​​

 

欧州財政危機

http://d.hatena.ne.jp/abz2010/20120617/1339920878


2010
年欧州ソブリン危機

https://ja.wikipedia.org/wiki/2010年欧州ソブリン危機

https://goo.gl/PpKk5w

 

第190号 巻頭言

「2018年、既成概念の崩壊により
新 翻訳の世界=バベルの創造」

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


 新年明けましておめでとうございます。

 2018年という新たな【一年=一念】の到来を寿ぎ、お祝いを申し上げます。

 皆様が、素晴らしい翻訳体験を深められ、ますます発展されますよう祈念します。

 

本誌読者の皆様は、世界各地にお住まいですから、その土地ながらの文化・風習に倣ってそれ 
   ぞれの新年をお迎えのことと存じます。今年は、どんなお正月をお迎えになりましたでしょうか?

私は、穏やかでのんびりしつつ、時代の変化を迎えるというワクワク感と共に、お正月気分を味わっています。

 

 さて、新年明けて5日には始業ということで、会社に集合してお祝いを致しましたが、そこに鳴り響く警報、「地震です!」「地震です!」とPCが叫び声をあげ、地震情報を出しています。何人かがスマホですぐに地震情報を確認すると、茨城県沖が震源地ということです。さあ、揺れが来るのかな?と、待っても一向に気配がありません。

 

関東各地では結構この地震情報の誤作動というか、誤報=システム障害?が起き、すわ大地震かとスマホの音声通知が叫んでしまったようです。さすが地震大国の警備、感知体制は行き届いていますね!ところが、その翌日16日の夜、私の自宅は13階ですが、突然、ドーンと下から突き上げる地震波が来ました。地下の直下で何かが爆発したような突き上げる衝撃です。横揺れはありません。それに合わせて地震感知システムが作動し、「地震です!エレベーターは停止しました!」というアナウンスが流れました。

 

しかし、夜ですから外に出る必要もありません。このまま、エレベーターが動かないと、明日は13階からの階段の上り下りかしら?などと思いながら、仕事をしていました。どうせ明日まで缶詰になるのなら騒いでも仕方ないし!などと思い、ミカンを食べつつPCに向かっていましたが、周りも音もなく静かです。すると30分後くらいには、「エレベーターは運転を開始しました」とのアナウンスがあり、そのまま何事もなく2日にわたる地震体験を拍子抜けの状態で、やり過ごすことができました。

 

今や、あれは何だったの?というくらい何事もなく過ぎて、正月早々からの大地震にならずに済んだことに、とても有り難いことが起きたのだろうなと、感謝した次第です。この地震体験は、明らかに現実の知覚に新しい変化が起きていることを実感する事になりました。大地震になる可能性があったにもかかわらず、システムの誤作動、一発の直下型の突き上げ振動=縦揺れのみで済んだことは、日本人の意識が静まっている=冷静=霊性が高まっている!ことの証だ!と思います。

 

それはどういうことかと言うと、事件が起きてもあわてず、騒がず、心を静かにして起きていることをそのまま受け入れます。すると、心が静まり、起きていることを大きくする連鎖への恐怖評価が希薄になり、起きている現象に対するエゴ(=自我の一部)の恐れの感情というエネルギーを注がずに済みます。すると、現象は増幅させるエネルギーを失いますから、だんだん消滅していくのです。つまり、私達の既成概念に基づく未来への恐怖心という、ネガティブの感情エネルギーという油を注がなければ、その現象=火は自ずと消えていくのです。

 

別の意味では、私達日本人の共通意識【地震大国日本】というイメージは、古来より、さらに最近ではあの、3.11の体験、熊本地震などにより、かなり深く刻み込まれていると思いますが、それに対する日本人の【意識変化が起きている】と思いました。世界の各地域はその地域固有の歴史的な成立過程により、固有の文化=その地域住民の意識により形成された既成概念を持ち、地域固有の崩壊現象があります。

 

そこで、思い起こすのが【バベルの塔】の崩壊です。バベルの塔の崩壊現象は「地震」または、地震に準ずる破壊的現象が起きたのです。聖書によれば「神は雷を落として」などとも書かれていますが、雷とは電磁波であり、現代の高周波活性オーロラ調査プログラムとして開発されたものと同一システムと言えます。ご承知のように、地震も電磁波ですね。現代は【バベルの塔】の時代に神様が使ったパワーを人類が使える時代なった!とも言えますね。

 

 このように、現代は「神のパワーを使えるようになった人類がどのように進化していくのか」が問われる時代となっています。何も地震を起こすことだけが神のパワーではありません。今、人類は、AI「人工知能」を研究開発して誕生させようとしていますから、まさに、神が人類を創造したように、人類によって「AIという知能=知性体」を創造しようとしていると言えるのです。

 

1975年にマイクロソフト社が誕生していますが、そのころ秋葉原でワンチップコンピュータを売っていたように記憶しています。1974年にバベルは創業なので、マイクロソフトと同じ年代だったのですね。日本ではアスキーが取引をしていて、アスキー創立7周年のパーティに参加しましたが、ビルゲイツも来ていて学生風の感じでした。

 

その後、コンピュータシステムはどんどん発展を遂げ、アップルなどのPCへと発展し、それらがつながったインターネット登場が1994年です。このインターネットこれも電磁波の活用です。今や、地球の各地に広がった世界観を人類が共有する時代が、インターネットによりもたらされたのです。そして、そのことによってまた、私たちの意識は更なる広がりを獲得していくために、過去から続いてきた記憶に基づくシステムが、様々な面から崩壊していき、新しい概念、新しい価値観、新しいテクノロジーを創造していくタイミングとなっています。

 

 例えば、19871019日に起きたニューヨーク株式市場の大暴落の【ブラックマンデー】に始まった金融ショックのグローバリゼーションの波が回りまわって、ニューヨークに帰ってきました。それは、あの2008915日に起きた投資銀行リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの倒産【リーマン・ショック】によって、世界の金融危機の顕在化という、一回りも二回りも大きなうねり、つまり大津波となって世界金融システムが崩壊し始めたのです。

 

 この金融のグローバリゼーションの波は、2010年の欧州ソブリン危機となり、最近ではブレグジット、EU離脱、EUの崩壊として表れていくのでしょうね。さらには、その変化の担い手として、トランプ大統領が誕生し、生の声感覚でつぶやくツイッターが活躍しています。これも、従来の人を通じてのコミュニケーションから、FBやライン、ツイッターなど多様なコミュニケーション・アプリが登場して、大統領と一般市民を直接につなぐ時代となったと言えます。

 

これらは、まさに、バベルの塔の崩壊によって言葉を通じ合わなくさせられた人類が、再び心を通じ合わせるためのコミュニケーションシステム、つまりスマホアプリで直接見聞き出来、従来の【情報の翻訳】が限られた人々だけが使えるのものから、誰でもが【翻訳】を使いこなせる時代への移行となっていくことを示していると言えます。

 

 このことから、バベルは【ユニバーサルサービスとしての翻訳】へと、翻訳の概念の範囲を拡張し、2000年にハワイに開校したバベル翻訳専門職大学院の研究活動と人材養成をさらにステップアップしていきます。それは、バベルの翻訳技術をマスターした修了生の方々を中心に、【ユニバーサルサービスとしての翻訳】への新たな【翻訳の世界】を創造していきます。

 

それは、インターネットの専門職大学院だからこそできる【世界各地からの学習】によって、MST取得後の皆さんと、翻訳ビジネスだからこそできるバベルトランスメディアセンター【世界各地での翻訳ビジネスの開業ネットワーク】を実現する、ということです。

これが、2018年、バベルグループが新たにチャレンジしていく「多言語翻訳ネットワーク」というビジネスモデルです。

 

 2018年、今年もご一緒に、新たなる翻訳世界を創造していきましょう。

最後までお読みいただき有難うございます。

 

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関連データサイト

https://ja.wikipedia.org/wiki/高周波活性オーロラ調査プログラム

https://goo.gl/RbYzEg

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/リーマン・ショック

https://goo.gl/YjitPx​​​​​​​

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/リーマン・ブラザーズ

https://goo.gl/6rMNZM​​​​​​​

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/イギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票

https://goo.gl/Gf9Rdd​​​​​​​

 

欧州財政危機

http://d.hatena.ne.jp/abz2010/20120617/1339920878


2010
年欧州ソブリン危機

https://ja.wikipedia.org/wiki/2010年欧州ソブリン危機

https://goo.gl/PpKk5w

 

 

 

 

 

 

第189号 巻頭言

2018年、新しい年を迎え時代の変化が加速します。
対応する準備はできていますか?

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


 いよいよ、2017年もあとわずか、皆様、お元気でお過ごしでしょうか、お伺い申し上げます。

 この1年の経過も早いもので、今号は、2017年の最終号となりました。今年も、後数日を残すばかりです。年末の整理と、新年を迎える準備で忙しくなさっておいでかもしれませんね。

 

この2017年はこれまでの二十年余の年の暮れとは違い、ある意味で、政治的、社会システム的、地政学的、テクノロジー的などなど、人類の意識的転換点ともいうべきタイミングと言えますから、皆様の人生にとっても、いろんな出来事がおありだったのではないかと存じます。

 

 11月の学位授与式の話題を前号、前々号とお伝えしてきましたが、学位授与式とは、つまり卒業です。同じように、今、人類は、まさに蛹の時を超えて、蝶になろうとするいわばこれまでの時代からの卒業、すごいトランスフォーメーションへと移行するタイミングだと感じませんか?

 

思い起こせば、20121222日でしたか、人類が5200年のマヤ暦の旅を経て、いよいよ世界が終わる、人類の滅亡のタイミングであると言われて、映画もできました。映画では、何人かの子供たちが宇宙船に導かれて新世界へと旅立ち、残りの人類は滅亡してしまいました!!ご覧になった方も多いと思いますが、ハラハラドキドキしながら、私も見ました。世界中の多くの方々が見たと思います。あれから数年しか経っていませんが、何とか人類は生き延びることができたようで、もうすっかりその話は忘れてしまったのではないかというような感じですね。

 

日本はその前、2011311日に「東北・関東大地震だけでなく、東北太平洋沿岸地域大津波、さらに東電の原子力発電倒壊・爆発、放射能漏れ大事故」の三重の大事故が起き、既に世界の終わりを体験していたのです。あの、3.11では、東京本社は都内のオフィスでしたから、帰宅の交通機関がなく、一晩会社に泊まり込んだ人も多くいました。ビルから毛布や水の配給があり、暖房も切れなかったのが有難かったです。翌朝も電車も不通ですから、徒歩で帰宅する人の群れも多く、東北太平洋側の諸地域ほどではないにしても大きな打撃を受けました。

 

21世紀に入り、IT技術の進展に新世紀への夢が膨らむ一方、2000年初からの12年間は、米国の9.112008年の金融ショックなども含めて、世界レベルで、かなり大きなシステム崩壊・事件・事故が起きています。これらは、私達人類が新世紀を迎えるための、旧時代的価値観や、旧時代が経験せざるを得ない卒業試験だったのかもしれません。

 

その締めくくりが、20121222日のマヤ暦の5200年の終焉という形で、先時代人がそれらを作って教えていたのかもしれませんね。確かに、あのエジプトのピラミッドも現代の技術でさえ、建設するのはできないとか、かなり大変だとか言われます。世界中にオーパーツと呼ばれるものがあるわけですから、現生人類の我々が、一番進化している、などとはとても言えるわけはないのですね。

 

そういう意味では、我々人類はもっと謙虚になる必要がありそうです。最近は「AI」を金科玉条のごとくビジネス優先で使おうとしていますが、それは一つの見方であって、全てが一つの世界に収束していくことを選ぶ必要はないのです。ただ、この2012年のタイミング、つまり、2000年から12年が経ったとき、というのは12年周期があるのかもしれないとは感じます。

 

日本では、2011年の311の後、2014年になると出雲大社の宮司と皇室のご結婚が行われています。

この出雲大社は大国主命を祀る神社で、皇室の先祖は伊勢神宮となっていますから、伊勢と出雲の仲直りですね。古事記に記されたあの国譲り神話では、出雲系一族が伊勢系一族に負けて国譲りをしたわけですが、2000年余の時を経た2014年に両家一族のご結婚が成就されたということは、すごいことが起きたとも言えますね。

 

 それから毎年、世界情勢は変化を遂げ、ついには2016年のトランプ対ヒラリー・クリントンの大統領選の闘いが起きましたが、メディアの予想を覆して、2017年にはトランプ大統領が誕生して、さらに変化が加速していく時代が感じられます。ユーチューブで拾い読みすると、日本国内の動きもマスメディアの見解と異なる情報がそれこそたくさん読むことができます。このような時代は大変すばらしい時代だとも言えますが、使わない人にとっては意味がないのです。現代は自分が情報を取捨選択していくことができる、便利な時代ですが、それなりの努力をすることが必要です。

 

トランプ大統領が誕生し、生の声感覚でつぶやくことで、ツイッターが一躍有名になりました。ツイッターメディアが一躍政治を身近にさせたとも思います。勿論、ツイッターばかりでなく、フェイスブック、ライン、ブログ、ユーチューブ、まぐまぐなどなど、世界中でいくつもの会話的システムツールが登場し、ものすごい数の人々がコミュニケーションをしています。これも人類の変化のうねりを起こす、大きな影響力を持つ主要メディアとなりました。

 

私のように、このようなシステムのない時を経験してきた人々がまだ多数を占めていますが、これらの人々にとっては、これがない時の不便さとその当時の文化システム、それと、これができてからの便利さと新文化の形成の対比を感じないわけにはいかないと思います。しかし、これから、ますます、インターネットが既成のシステムとして出来上がっている時代に生まれてくる人々が増加する一方で、方や旧世代は減少していく一方ですから、旧世代人にとっては、時代の変化がますます急激に変化するように見えます。

 

そして、時間というものは、感じ方によって変わる、ということを体験しておいでの方も多いと思いますが、アインシュタインを持ち出すまでもなく、時間は感じ方、考え方、つまり、価値観によって変化する、という実感こそが大事な認識です。自分自身の【実感】を大切にし、自分という確固たるを持つことをお勧めします。

 

インターネットでつながった世界を空間的にイメージできますか?これは、大事なトレーニングです。文字中心に生きていると、空間認識というか、イメージ化が得意な方と不得意な方とに分かれるかもしれません。情報が文字であろうと、画像であろうと、音声であろうとこれらの三つのメディアをいつも立体化して、つまりつなげて認識=イメージできるようにしていくと視野が広がります。

 

 例えば、翻訳がAIに取って代わられるということが言われたりします。先月お会いした修了生の体験では、ご自身の仕事場で少しずつ機械翻訳=MTを使うようになったが、今までのMTは使い物にならない感じがしたが、最近のグーグル翻訳を購入して使うと、フリーのグーグル翻訳とはかなりの差があり、結構使えるツールになってきている。この先何年か経てば、AIに取って代わられるかもしれないから、新たな翻訳の現場に移ることを考慮中だとお聞きしました。

 

このようなAIの活用事例もあるようですが、これからAIがどう変わっていくのか?様々な見解、評価がなされています。ある意味では、AIのテクノロジーの進展によって、人類のこれまでのテクノロジーに大きな変換点が起きようとしているということを自分自身できちんと向き合い意志を決める必要があります。私達は、今大きな転換点にいることは、様々な現象から、冷静に観察すれば、容易に感じることができるのではないかと思います。それを乗り越えて人間力をしっかりと保ちながら、AIをうまく使いこなしていくことや、AIのできない分野を見つけていくためにはどうすればいいのかを考えましょう。その視点を持つには「既成概念に囚われない」ことが大事な要素となります。

 

前にも、何回も触れたかと思いますが、私達は「記憶の存在」であるとも言えます。この記憶によって繰り返されて出来上がった価値観、システムが「既成概念」です。AIという過去の事例がないものと対応するには「既成概念」が邪魔になりますね。「これからのまだ起きていないことを考え、対応しようとするときに「既成概念」に基づいて判断すると、あまりいいアイデアは出ないことが分かります。

 

そんな時こそ、思い出してください、あの、デルフォイの神殿に掲げられたメッセージ【汝自身を知れ】

という言葉を深く考えましょう。私達人間は自分自身を知らないのです。五感というセンサーで身体の外を見ることができますが、自分自身、身体の内側、果ては自分の意識を見ることも、触ることもできないのです。人間は自分自身を知りませんが外側は知ったつもりでいます。それが現実だと思っています。身体とは何でしょうか?身体が人間なのでしょうか?

 

2017年のまさに年末に当たり、来る2018年という新年を迎えるための心の準備をいたしましょう。それは、古くて未知のもの、親しくて遠いもの<【汝自身】を知れ>というメッセージをお伝えして今号の締めと致します。

 

皆様、よいお正月をお迎えくださいませ。そしてこの休暇中に「あなた自身」の探索=内観をしてみてください。無時間の静謐をお楽しみください。

 

第188号 巻頭言

来る2018年、
翻訳の世界マーケットへの架け橋となる準備はできていますか?

 

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


 前号では、学位授与式を無事迎えられて、いよいよ本格的に翻訳の世界マーケットへと飛び立った方達を祝福する虹のメッセージをお伝えしましたが、早いもので、後一月足らずで、2018年、新年を迎えるタイミングとなりました。皆様は、新年【=信念】を迎える心の準備は整っておいででしょうか?
 
 12月は、今年、2017年という一年の終わりでもあり、2018年という新しい年への準備としての、いわば、架け橋のような役割の月ですね。そして、
架け橋といえば私たちの天職としての【翻訳】です。翻訳者とは、言葉の通じ合わない二つの世界、文化、企業、人と人をつなぐコミュニケーションを実現する役割である、ということができますが、この、【コミュニケーション】とは何を意味しているのでしょうか?

 かなり長いのですが、コミュニケーションを理解するうえで、多視点に基づく解釈、説明がなされているので
学んでいきましょう。引用の文字の太字化、色付け、文字の拡大表示は全て私の加工です。


 以下ウィキペディアからの引用です
 ① <https://ja.wikipedia.org/wiki/コミュニケーション>

概説
「コミュニケーション」という語は多種多様な用いられ方をしている。
辞典類ではまず、
人間の間で行われる知覚・感情・思考の伝達 [1][3]、などといった簡素な定義文が掲載されている。
ただし、上記のような定義文では不十分で、一般に
コミュニケーション」というのは、情報の伝達だけが起きれば充分に成立したとは見なされておらず、人間と人間の間で、《意志の疎通》が行われたり、《心や気持ちの通い合い》が行われたり、《互いに理解し合う》ことが起きて、はじめてコミュニケーションが成立したといった説明を補っているものもある [4]

原義が上記のようであるため、
コミュニケーションに含まれるものは実に広範囲に及ぶ。そもそも言語そのものが他者とのコミュニケーションを目的とするものであり、言語を使って他者へと呼びかけるものはすべてコミュニケーションと呼ばれうる。挨拶も会話も演説も、すべてがコミュニケーションである。個人間のコミュニケーションにおいても、直接の接触だけでなく、電話や手紙といったように遠隔地にいる者に対して何らかの媒体を使用しコミュニケーションをとることは広く行われている[5]。報道も「マスコミュニケーション」という語の通り、コミュニケーションの重要な部分を占める。言語を使わないコミュニケーションも当然存在し、非言語コミュニケーションと呼ばれる(後述)。贈答もコミュニケーションにおいては重要な部分を占める。
学術的には一般的な用法から離れて、広義に用いることがあり、記号などの何らかの因子の移動を伴う、ある分けられる事象間の相互作用の過程をコミュニケーションと呼ぶことがある。

語源
英語:communication = ラテン語:communis ( common, public, 共通の) communio(交わり, comm共に unio一致)+ munitare(舗装する, 通行可能にする)  
引用ここまで。


 以上は、概説部分からの引用です。コミュニケーションの大まかな定義の説明となっています。さらに深く、多面的な理解のために、心理学的解釈という項目を続けて読んでいきましょう。


 以下ウィキペディアからの引用
  ② <https://ja.wikipedia.org/wiki/コミュニケーション>

心理学的解釈
コミュニケーションを発信と応答という観点から見た場合、ある個体のアクション(発信)に応じて別の個体にリアクション(応答)が生じた場合、両者の間にコミュニケーションが成立していることになる[6]。コミュニケーション行動の機能たんに情報の伝達にとどまらず、情動的な共感、さらには相手の行動の制御をも幅広く含んでいる[7]

コミュニケーションの成立は、そのための適切な発信行動が取られたというだけではなく、受け手が適切なシグナル・媒体に注意を向け情報を受信した上で、さらに的確な理解をしているかどうかという点にもかかっている。記号の解釈にあたっては、相補的関係にあるコンテクスト(非言語的な文脈)コード(言語的な約束)とが参照される[8]。定められたコードを参照するだけでは、メッセージが解読できないとき(たとえば子供のコミュニケーション)、コンテクストが参照され、受信者による推定が加わる事になる[9]。

コミュニケーションによって、受け取られる、または伝えられる 情報の種類は、感情、意思、思考、知識など、様々である。受け取るまたは伝える ための
媒体としては、言葉、表情、ジェスチャー、鳴き声、分泌物質(フェロモン等)などが用いられている。動物の媒体[10]と人間の媒体を比較すると、人間の媒体には(身体の動作、表情、フェロモンなどの動物と共通の媒体に加えて)言語がある、という点が異なっている。
コミュニケーションは、その相互作用の結果として、ある種の等質性や共通性をもたらすことも少なくない[11]。人間の場合は特に、他者に対して自分の心の状態を伝えることで働きかけるだけでなく、他者から受け取った情報により、相手の心の状態を読み取ったり共感したりすることも含まれる
(他者理解)[12]。

人間関係とコミュニケーション
イヌやネコも、イヌやネコなりにコミュニケーションをしているが、しかし人間のように、こまやかな関係をつくることはできない。「刎頚の交わり」という言葉があるが、これは首を切られても悔いが無いような親しい友人関係のことである。このような言葉があるほどに、人間は親密になることも可能である。なぜ、このようなことが可能なのか。 それは、ひとつには人間が「ことば」を使えるからであり[13]、お互いに「わかる」ことができ、共感(Empathy)を持つこと、共感することができるからである[14]。

ひとりの人間の内部に発生している状態ときわめてよく似た状態がもうひとりの人間の内部に生ずる過程、それが共感である。例えば、誰かが「痛い」と言う。その「痛い」という言葉を聞いた時、聞いた人の内部ではひとつの過程が発生する。「痛い」という言葉によって表現されたからだの状態に似た状態を、聞き手はみずからの体験に即して想像する。聞き手はべつだんその部分に痛みを感じるわけではないが、「痛い」という言葉によって表現しようとしている身体の状態がどのような性質であるかを知っているのである[15]。また、共感はしばしば、生理的な次元でも起きる。例えば、母親と子供といったこまやかな関係においては、痛みはたんに想像上経験されるだけでなく、実際の生理的な痛みとして体験されることもある。子どもが「痛い」と言うたびに、母親もその部分が本当に痛くなったりするのである[16]。人は映画を見ている時など、登場人物が危機的な場面に陥るとハラハラしたり、胸がドキドキしたり(つまり心拍数が上がったり)、手に汗をにぎったりする。人間は、映画のなかの登場人物に自分自身を置き換えると言える。人間は「相手の身になる」能力を持っているのである[17][18]。
引用ここまで。


 ここまでは、皆さんも納得されるのではないかと思います。しかし、この次の行から別の視点により説明が展開していきます。言語とは、文字とは、そしてその意味とは?普段使い慣れた言葉が実は単に脈絡がつながっているだけの展開ではないのだと気づかされます。それらは、私達の日常感覚にもつながる、多視点の解釈となっていくのです。


 引き続きウィキペディアからの引用です
③<https://ja.wikipedia.org/wiki/コミュニケーション>

ところで、ことばを用いた共感についてであるが、これは日常的に行われている平凡なことであるが、よくよく考察すると奇妙なものなのである。例えば、小説を読んでいるときの人間の心のうごきを分析してみると、前述のごとく、読者は作品のなかの登場人物の「身になって」物語を追う。これは平凡な現象である。だがしかし、よくよく分析すると、この物語とは何かというと、
紙の上に点々と黒くしみついているインクのシミのあつまりにすぎぬ。人間はそれを文字という名で呼ぶ、物質的に言えば(実在という観点からは)、ただの紙とインクを見つめているだけなのである例えば、仮に文字を知らない宇宙生物でもいて人間のやっていることを見たら、人間を珍奇な生物と思う可能性はある。なにしろ、紙の上のインクのシミを見て、ニヤニヤしたり、メソメソしたりしているのだから[19]。
引用ここまで。



 この著者は、「物質的に言えば(実在という観点からは)ただの紙とインクを見つめているだけなのである。」と言っていますが、ほんとうにそうでしょうか?紙とインクは実在で、人間の意識活動、感情、思考、理解などといった事柄は実在ではない!と言っているのですね。ここで語られた【実在】という言葉は、さらに多視点多視野を含んでおり、物質的こそが実在であって、それ以外は何もない?幻想?だと言っているように思います。本当にそうなのでしょうか?そして、この著者は、人間の定義を次の言葉で、締めくくっていますが、さらに飛んだ表現が出てきます。


 引き続きウィキペディアから引用 <https://ja.wikipedia.org/wiki/コミュニケーション>

つまり人間というのは、実在世界的世界の速記法として、記号の世界を泳ぐ能力を持っているのである[20]。
人間は記号によってうごく。そして人間同士は、記号を用いて互いに共感しあうことができる。共感の過程をコミュニケーションと呼ぶ[21]。
共感がつみかさねられてゆけばゆくほど、人間関係は深くなってゆく。人間関係はコミュニケーションの累積だと言ってさしつかえない。また、お互いに記号を交換しあうことなしに成立する人間関係というのは、ほとんど想定できない
何度も往復する手紙、繰り返されるデート、おしゃべり、会議など、恋愛関係であれ、友人関係であれ、取引関係であれ、およそ人間関係というのは記号、言葉の交換を通じて成立しており、「ことばをかける」ということは人間関係の基本的な条件である[22]。
引用ここまで。


 
いかがでしょうか?人間とは実在世界的世界(=物質世界?) の速記法としての文字・言語という記号の世界を泳いでいる、泳ぐ能力を持っていると定義しているのですね。これは、前文からの飛躍、異なる視点になったので、長くなりましたが引用してみました。何が異なるかというと、実在世界的世界という表現はずいぶん回りくどい表現で、実在世界と実在世界的世界というのは違いますね。実在世界的世界、それは実在ではないのではないか?と突っ込みたくなってしまったのです。我々が存在するということになっている物質世界のことを実在世界と名付けているようにも推論できるのですがいまや、物質世界は実在とは言えないというのが、量子力学的世界観となっているように思います。この表現では、あくまで、実在世界的な世界と言っているのであって、そのインクのシミを見ても実在世界的世界という文脈は理解しがたいのではないのではないでしょうか?と言いたくなったのですね。インクのシミにソースもかかっているのかもしれませんが!(笑い)

 現代物理学では、余りに厳密な物質的探求は、すでにはぐらかされています。つまり、あの有名な量子力学論争を思い起こします。アインシュタインとボーアの論争です。アインシュタインはボーアの量子論に対する批判として、「それでは、私が見ていない時、月は存在していない!とでもいうのかね!」といったと言われていますが、ここでのテーマも「実在とは何か?」ということなのです。言い換えれば、アインシュタインは、「物質世界とは、実在する世界である」と考えていたが、ボーアなどの量子論の立場では、物質の究極的微粒子は、人間が観察していない時、波の状態になってしまい、物質の実在性を失ってしまうという、不思議なふるまいに当惑していたのです。だから、アインシュタインが反論として「私が見ていない時、月は消えてしまうのか?そんなはずはないだろう!!」と言ったとかいう逸話が伝わっているのです。物質的に言えばという言葉に、カッコ書きして実在という観点から言えば、とあったので、ちょっとイチャモンをつけてみた次第です!(笑い)

 閑話休題、私達の使用している言葉、コミュニケーションのツールとしての【書き文字・音声として言葉】を定義するだけでも、かなりの文字数を費やしました。そのような言葉や文字を駆使してそこに託された意味・メッセージを分化=文化された別の言語・文字の体系に変換していくことの難しさを実感するとともに、同時に謙虚さが必要であることも感じます。五感という認識のツールだけでは、なかなか難しいですね。

 人間関係、共感する社会というコミュニケーション体験を振り返ると、翻訳の世界に踏み込んだ自分の年齢の長さだけが物差しではなく、そこには、いくつものインスピレーションのやり取りと共鳴と分岐が起きているように思います。これまでの英語グローバル世界が解き放たれ、新たな分岐を生み出し、これらは、ますます分岐を加速させて、世界の多言語間翻訳の同時発生とも言うべき、市場爆発的な異文化交流=多言語翻訳市場が立ち上がってくる時代が来ているのでしょう。

 翻訳とは何か?この古くて新しい問いは、新たな多言語翻訳市場においても固定した回答を出さずに、さらなる見解と分岐が続いていくことでしょう。それが人間の文化、文明の本質だと言えるなら、翻訳とは人間の本質、本性でもある!とも言えそうですね。前号からつながっているテーマ、トランスフォーメーションは、今号でもその認識をさらに深めることとなりました。

 従来の思考パターン・既成概念からの【
卒業・祝福・トランスフォーメーション】を体験してください。
 最後までお読みいただき、有難うございます。



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(注)以下ウィキペディアより:
刎頸の交わり(ふんけいのまじわり)とは、中国戦国時代活躍した、藺相如廉頗が残した故事。刎頸の友ともいう。『史記』原文には「刎頸(之)交」とある。「お互いに首を斬られても後悔しないような仲」という成語として用いられる。


第187号 巻頭言

多言語翻訳時代の新局面
―翻訳ビジネスの新・世界マーケットを探る 最終回

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子



 1117日、ハワイ州 ホノルルにて、2017年度、秋期 翻訳専門職修士号Master of Science in Translation (MST) 学位授与式が開催され、2017年度春期に続き、新たな Master of Science in Translation (MST)ホルダー が誕生しました。この1117日の学位授与式において学位を取得された皆さんに、ここに、あらためてお祝いを申し上げます。

 

毎回、学位授与式でお聞きすることが多いのですが、晴れて修了される皆さんそれぞれに、大学院での学習の間に、節目となるような人生上の出来事が起きていることです。今回の修了生を代表して謝辞を述べられた方も、この数年間に、お父様との死別、新しい業界の会社への転職、その他人生上の節目となる体験をいくつもなさってこられました。そして、社会人としての職業と大学院での学習、さらに人生の節目の体験の三つを乗り越えられ、ついには【ご結婚】という四つ目の素晴らしい出来事へと結実され、この17日、修士学位の取得というお祝いをご夫婦で迎えられたのです。
 

このお二人のドラマのストーリーには、今回の虹のメッセージに深い関連があるので、後でお話しします。

 

本学で学ばれる皆さんの多くは、職業を持ちながら、子育てしながら、老親の介護やその他の家庭の維持をしながら、というような学習期間を経験されます。それこそ、一人一人に、実にユニークな生き様、生き生きとしたドラマがあるのです。皆さんの様々な生活と学習体験のお話を聞きながら、その輝くお顔を拝見しながら、つい、【本当によくやり通しましたね!】と、心の中で叫んでいます。これぞ教育者冥利に尽きる、深い感動を覚える瞬間です。

 

このとき、ご家族の皆さんも学位記を取得される方達と共に喜びを分かち合われています。日頃は海外や日本各地に離れ離れにお住いのご家族が、ハワイに集合して、久しぶりに出会い、ご一緒にハワイ旅行を楽しむ!というケースもよくあります。職業人の学習期間ということですから、ご家族の理解や協力が必要となります。その意味でも、学習者だけの成果、喜びではなく、ご家族の皆さんの共同の成果、喜びとなるのでしょう。

 

このとき私ども運営者としては、本学を開講して、ここまで継続することができて、皆さん一人一人の人生の充実・成長へのきっかけとなることができたことに深い感動と感謝の念に打たれるのです。本当にうれしい時です。だからこそ、学習者とその家族、そして運営者としての私たちの喜びの反映として、毎年、ハワイの学位授与式に合わせて「虹」という空の架け橋が現れてくれているのだと感じた次第です。

 

前号には、昨年の虹の写真をご披露しましたが、なんと今回は、2か所にての虹というダブルレインボーを見せてくれました。一つは学位授与式の数日前、サンフランシスコ在住の修了生で、現在はスタンフォード大学で勤務されている佐々木さんからのお知らせでした。それは、とてもきれいなダブルレインボーで、息をのむ美しさです。


 



 

佐々木さんはこの虹がだんだん形成されるところをも見て、ご自身の人生の節目、新たな出発のタイミングと重なるように感じられ、感動のあまり、このダブルレインボーの意味を調べます。なんとその意味するところは卒業・祝福・トランスフォーメーション】だったのです。

 

なんというシンクロでしょうか! 佐々木さんご自身のこれまでのお仕事からの卒業、新たな人生のスタートのタイミングと、バベル翻訳専門職大学院の修士学位授与式にて修了される皆さんのタイミングにぴったりのメッセージではありませんか!佐々木さんは驚きと感動を覚えて、しっかり撮影された写真を送ってくださいました。ご覧くださいませ。私も今までにこんなにくっきりと写ったダブルレインボーは見たことがないほどの美しさ、明瞭さです。

 

そして、この虹のイベントは、これだけで終わらなかったのです。1115日にハワイに到着した私達運営スタッフを、今度はハワイの虹が出迎えてくれたのです。サンフランシスコとハワイの2か所で美しい虹の架け橋がかかりました。


 



 

今回、ようやく、毎年11月に開催する、ハワイでの学位授与式に現れてくれる虹のイベントの表す意味、メッセージが、 卒業 祝福 トランスフォーメーション だったということに、とても感動します。
 

先ほど、このお二人のドラマのストーリーには、今回の虹のメッセージに深い関連があるので、後でお話しします、と書いたことについて書きましょう。

 

それはご一緒に来られたご主人からのお話でした。この方は、以前、大学院の修士課程である研究をされていました。それは「蝶における蛹からの羽化の仕組みの研究」だったとのことです。蛹の状態から、どうやって蝶が誕生するのか、未だにその仕組みが十分に解明されていないのだそうです。例えばモンシロチョウは卵から青虫になり、その青虫がいつの間にか固い蛹になりますね。そして、しばらくすると蛹の中から、あの似ても似つかない容姿のモンシロチョウが蛹の中から出てきて、飛び立っていくのです。

 

この蛹から蝶への変態を完全変態というのだそうです。完全変態とは、メタモルフォ―セスつまり人間でいえば変身ということでしょうが、昆虫の中でも蝶の蛹からの変態は、その鮮やかさに、多くの研究者の興味を引いたのでしょうね。そんな研究をされていたのでした。まさに、メタモルフォーゼ、トランスフォーメーションの研究だったというわけです。たまたま、私も蝶という名の犬種、パピヨンを飼い続けていたので、すっかり話が盛り上がってしまいました。メタモルフォーゼといい、完全変態といい、トランスフォーメーションといい、まさに、卒業とは幼虫状態の蛹から、成虫の蝶となって飛び立つそのあまりの「変身ぶり」を表しているわけです。

 

今回は、虹に続き、蛹から蝶への変態・変身というメッセージまで教えていただき、たくさんのシンクロニシティを体験いたしました。

 

ダブルレインボーという、虹の架け橋が、今述べたような、【トランスフォーメーション=完全変態】というメッセージを示していたとは、本当に驚きでした!それを考えれば、学習期間とはまだ蛹状態なのだと言えますね。しかし、蛹は時が来れば、蝶へと変身します。学位授与式にて、しっかりと学位記を手にされた方々は、蛹から蝶へと変身して青空に舞い上がるように、翻訳のプロフェッショナルとして、素晴らしいご活躍をされることでしょう。大いに期待したいと思います。

                               

実は、ハワイのホノルルに「マリポサ」というレストランがあります。美味しいお料理と素晴らしい景観を堪能できるベランダが好きなのですが、そのレストランの名前「マリポサ」とはスペイン語で「蝶」の意味なのです。

 

 今回は、学位授与式にあたり、虹と蝶とトランスフォーメーションについて書いてみました。

 最後までお読みいただき、有難うございます。


 

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第186号 巻頭言

多言語翻訳時代の新局面
―翻訳ビジネスの新・世界マーケットを探る ⑧

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子



 皆様いかがお過ごしですか?11月に入り、ようやく秋晴れとも言える青空が見られるようになりました。10月は台風襲来ということで、雨が多かった月となりました。雨、台風などのシンボライズするところは、【浄化】お掃除ですね。2017年も余すところ一月半、時間のたつのが早いです。

 次年度、2018年を迎える前に雨や風という台風で、地球、日本列島にたまった不要物や、空中に舞い上がった不純物、または宇宙から飛来する不要情報などを、きれいにお掃除=浄化してくれたように思います。高く澄み渡った青空を見上げれば、清々しい「氣」が感じられます。気持ちがいいですね!




 さて、そんな清々しい11月は、毎年、Master of Science in Translation (MST) 翻訳専門職修士号の学位授与式が本校所在地、ハワイ州ホノルルにて開催される大変うれしい、おめでたい月です。最近では、ZOOMというツールを使って、世界各地に在住の先輩の修士(MSTホルダー)の皆さんとの情報交流、教授からのメッセージやアドヴァイスなど盛りだくさんのイベントになります。

  さらに嬉しいのは、さすがハワイです。昨年11月の学位授与式の日に、素晴らしい虹の祝福がありました!
ハワイでは、虹が多いです。時には空を見上げて心を広げましょう。

 さて、今やIT(インフォーメーションテクノロジー)の進化はすごいですね。今、私達は、テクノロジーの激変、つまり、ベースとなるテクノロジーの大変化の時に遭遇しています。明治維新がそれまでのシステム、江戸時代の200年続いた文化という太平の眠りを、ほんの数年の激動期によって起こされて、西欧式文化の受け入れと日本文化の破壊へと切り替えてしまったように、スーパーコンピュータの目覚ましい進化が起き、それによる大容量のデータ(=ビッグデータ)を瞬時に処理できることになり、AI技術が活用されるに従い、ひいては量子コンピューターの開発競争へと飛躍しようとしています。まさに、思考の限界を突破しようとする、未知の進化した情報社会の到来を体験しようとしているのです。

 それらは、AIに対する脅威論を生み出す一方、AIテクノロジーを活用しなければ、ビジネス活動の競争に負けてしまう!というように企業間の導入競争はさらに進んでいます。様々なサービス業務が、また、専門分野の専門知識などは、データとして、辞書として、用例集として多様な情報の蓄積がなされています。ある意味では、知識データベースが世界中の人々によって毎瞬、構築されているという状態です。このような状態はかつてなかった事態です。PCやスマホなどに装備された入力、出力のツールが、人間の5感【見る・聞く・嗅ぐ・味わう・触る】に対応し、つながっていくことでしょう。

 いまここで、将来どうなるか?ということを不安になるのではなく、むしろ、その変化、情報処理のプロフェッショナルこそがこれから真に必要となる、というように考えることができます。テクノロジーは使って初めて生きる、活かされるのです。従って、このテクノロジーを使いこなすことが必要なのだと考えればいいのですね。そこで、【翻訳の生産性】を考える時、翻訳ビジネスの全段階においてその処理レベルを高める、つまり生産性を高めることが必要なのです。

 翻訳ビジネスの全ステップについてイメージしてみてください。この、全ステップをきちんとイメージすることがとても大事です。例えば、料理のステップを考えれば、まず、素材選び、煮焚きのこと、味付け、盛り付けなどが思い浮かびますが、大事な要素を忘れています。それは、前準備ということです。素材選びに手間がかかりそうですが、素材選びではなく、素材を調理するための前準備が大事です。と言いますと、まず、お米は洗ってからすぐには焚けません。何時間か水につけることでふっくらと焚き上がります。というように、前準備、下準備というものが大事なのですね。だから、AIや、ソフトを買っても、自分流にかなり使いこなす、つまり下準備が必要となるわけです。

 【翻訳の生産性】も、今述べたように、下準備、前準備がとても大事です。以前の号で「孫子の兵法」を引用したことがありますが、それも同じです。実際の戦闘により決着するのではなく、その前の情報収集、さらには、敵側の情報、戦闘力を知ることは大事ですが、それよりも大事なのは、自分を知ることです。わたしたちは、自分を知っていると思い込んでいますが、実際は、自分のことを分かっていません。私達の自己評価とは、他人が自分をどう見ているかを、自分の評価と思い込んでいるだけです。つまり、自分を見ることができないのです。

 鏡なしに、あなたは自分の顔を見ることはできません。もっと言えば、鏡に映った映像と同じ映像を他人も見ていると言えるかどうか、わかりません。他者も、あなたと同じ状態であり、その人が見ているものと同じかどうか、断定できないのです。これは、驚きですが、冷静な論理的帰結です。

 さて、話がそれましたから「翻訳の生産性」に戻りましょう。先ほどの下ごしらえ、前準備にあたるものは、どんなことが考えられるでしょうか?まず、一つは、【翻訳の専門分野を絞る】ということが言えます。これは、生産性を高めるにはとても大事なことですが、二つ目に、【普段はやらない、自分の専門以外のことにも興味を持つ】という、相反することが言えます。まずは、【専門分野を持つ】ことが必須です。さらにはそれを好きになっていくことはもっと大事ですね。好きか嫌いか、などということは、過去の思い込みですから、自分が【これを専門分野にする】と決めたら、その専門分野に浸り、好きになることです。

 二つ目の下ごしらえとは、自分の能力発揮の前準備として【心の状態】を【翻訳の生産能力を120%発揮できる状態】に準備しておく!ということになります。つまり、【自分の心の状態の偏りを減らし】て【様々な突発事故を心静かに受け入れられる状態にしておく】と言い換えられます。

 例えば、AIに代替されて翻訳の仕事がなくなるのでは?という予測が喧伝されていますが、翻訳という仕事がなくなったらどうしよう!などと考えずに、今、どうすれば、AIに負けない【翻訳生産性】が可能になるのか?と考えましょう。また、負けたら負けたで、それはその時考えればいいさ、というような静かな心の状態を持つことですね。
                               
 前号でも述べましたが、それは、【どうすれば自己の翻訳力をいかに高められるか?】という本質的な問いかけに集中することでもあるのです。私達、人間は常にこの【どうすれば自己の問題解決力を高められるか?】という【問い】によって、成長し続けてきたのです。

 では、下ごしらえから、本ステップの【翻訳生産性】とは何か?ということを考えてみましょう。翻訳をしよう。翻訳者として活動したい!と考える時、【翻訳ができるようになりたい】、さらには【商品として通用する翻訳技術、翻訳能力を取得したい】というように具体化されます。つまり、ここで問われているのは、グーグル翻訳や誰でもできる水準の翻訳能力、または翻訳技術ではなく、【商品として通用するレベル】の【専門知識と経験、調査・翻訳能力、翻訳技術、工程・納期管理】などが必要である、ということになります。

 ところで、あなたは「グーグル翻訳」や「自動翻訳」などをお使いになったことがあると思いますが、皆、登場した当時は、外国語から日本語への翻訳の成果は、かなり惨憺たる有様でした。今もまだ、文によっては何?これ!の状態もあります。しかし、インターネットにつながっていて、誰でも、いつでも使うことができるということで、私達インターネットにつながり、情報交流をしてきたことによって、いわば、個人が、自分用の知識を得るためにグーグル翻訳、自動翻訳というAIシステムを育ててきたので、何とか理解をするためのニーズは満たせるようになったと言えますね。

 そして、私達人類が今後も使えば使うほど、AIのシステムは向上・成長していくことになります。これらのAIを活用して翻訳生産を高めるための各ステップに使いこなしていくことで、本格的な翻訳ビジネスの生産性の向上に役立てることができるようになると思います。AIは私たちの脳のような節約モードがないので、稼働させればいくらでも働きます。それは短期的な視野ではなく、長期的な視野で、さらに翻訳の奥行きを深めるようなステップにおいての活用を深めることで、AIの処理品質が向上(=成長)していくでしょうし、それを使った、翻訳者の生産性が高まっていく、という帰結(=目的意志)を持っていることが必要でしょう。

 AIは、私達人間の脳の活動や処理システムを研究して開発されたシステムツールです。人間は生体システムですが、AIは同じ生体システムではありません。AIの活用は、AIの持つ特徴と利点を使いこなそうと考えることになります。しかし、面白いことに、【人間】という生体システム=バイオコンピューターは、まだまだ、十分に研究し尽されたと言えないのです。なぜなら、人間が人間を作ったのではないからです。つまり、人間次元からは、人間の全貌はつかめないという、基本原則があるからです。例えて言えば、物質としての表現形式や仕組みが分かっただけで、DNAの97%はまだ解明されていないようです。

 私達は、【限界】【困難】【危機】などとの遭遇によって、チャレンジ(=DNAの発現化)を繰り返し、現代の文化・技術を築き上げていますが、AIというチャレンジャーが出たとき、いったいどんな未知の能力が開発・出現するのか、これからのお楽しみですね。これら三つの【限界と困難と危機】との遭遇によって、その未知の能力を出現させ、解き放つのが、イメージ力=想像力=創造力と言えるのです。
                               
 それは、【どうすれば自己の翻訳力をいかに高められるか?】という【問い】により発現します。私達、人間は常にこの【どうすれば自己の可能性(=問題解決力)を高められるか?】という【問い】によって、人間文明を築いてきたのです。

 最後までお読みいただき、有難うございます。

 次号はハワイでの学位授与式にて感じたテーマについて考察していきます。



 

第185号 巻頭言

多言語翻訳時代の新局面
―翻訳ビジネスの新・世界マーケットを探る ⑦

 

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子



 10月半ばになると、毎日雨の日が続き、冷たい空気に早くも秋深し、の気配を感じます。冷房が暖房に切り替えられ、冬の寒さに対する準備が着々と進んでいます。ところが、桜並木も銀杏の木々もまだ、青々として、変化は感じられません。アジサイの葉は、元気に緑の葉っぱを成長させています。

 

 もう暖房が入るという季節になったのに、そろそろ紅葉するかしら?などと見上げているのですが、黄色く色づいた葉は、強風にはらはらと飛ばされてはいるものの、桜やケヤキ、メタセコイアの樹木は青々として元気いっぱいです。銀杏の緑も元気です。この桜並木では、紅葉は桜から始まるのですが、樹木本体の実感ではまだ機が熟していないのでしょう。やはり、しばらくの期間、急な冷え込みと、暖かい日の繰り返しが何日か続いていくことが必要なようです。

 

この様子を観察して思うのは、技術に習熟する事や、生物の成熟のシステム、自然環境の変化や、私たちの社会環境の変化なども、このような揺り戻し急激な変化という二つの期間、特徴的な現象を、行きつ戻りつ何度か繰り返しながら変化していくので、変化の兆しを嗅ぎ分ける感覚を研ぎ澄ましておかないと、いつの間にか冬になり、また春になりというように、いつの間にかAIにすっかり仕事を奪われていた!などということにもなりかねませんね。よく言われる、ゆでガエル症候群という現象です。

 

そういう意味では、毎日平和を望み、無事故を喜び、毎日々同じ通勤路で、通いなれた飲食街で似たようなメニューを選び、相変わらずの話題に興じ、日々のニュースを聞いては悲観的に反応し、日々同じことの繰り返しという生活パターンになっていないかどうか、振り返ってみることが必要ですね。

 

私達は習慣に強く依存していますから、初体験ゾーンに入ると緊張します。たまには緊張があれば退屈しないのにと思うぐらい、同じパターンの生活を繰り返しています。かといって、親業を放棄してしばらく旅に出ます!などというわけにもいきませんから、毎日の仕事や、生活行動を繰り返しながらも、その中に起きる小さな変化、小さな事件、社会現象として引き起こされる大きな変化、同時に小さな変化に注意深く観察の目を向ける習慣を身に着けたいものです。

 

それは、何もどこか海外に行ってしまおう、とか、新しい職場を探そうとか言う大げさなものばかりではなく、日頃目にする、耳にすることに関心を払い、より注意深くなるとか、普段の帰り道を少し遠回りしてみるとか、裏通りに入ってみるとかいうようなこと、普段自分がやっていない行動をしてみるということでもいいのです。その時は、感覚つまり、視覚や嗅覚、聴覚、味覚、皮膚感覚をも研ぎ澄ませてみることです。

 

これは、翻訳ばかりではありませんが、翻訳業に熟練すればするほど、専門分野が確立していきます。従って、翻訳会社からの依頼、顧客からの依頼も熟練したジャンルが中心になります。それは、翻訳生産性を高く保ちますし、ビジネスの収入も高くなってきます。しかし、ここにも、落とし穴があるのです。
 

それは、同じジャンルの翻訳業務を、同じパターンでの作業ばかりやっていくと、熟練前の成長性というか、翻訳生産性の向上が止まり、それ以上成長することがなくなり、逆に不注意なミスができたりして生産性が下がったりします。これは、翻訳作業ばかりではなく、多くの方が経験されるのではないかと思います。

 

そんな時、いわば脳は、ルーティン作業になっているために集中力を部分的にしか活用せず、全力を発揮していない状態に自動的にしてしまうようです。このように、脳にエネルギーの節約モードを発動させないようにして、更なる、脳のパワーアップを図ることが大事です。ここが、一つの、AIとの競争ポイントかな?と思ったりします。

 

つまり、AIには私たちの脳のような節約モードがないような設定で稼働させれば、いくらでも働きますね! アルファ碁の有段者は人間ですから、意識の集中をずっと続けるわけにはいかないのでしょう。碁は脳の中のシミュレーションゲームですから、シミュレーションをどれだけ多く、どれだけ早く行えるか?という力業(ちからわざ)の戦いですから、これは負けてしまいますね。

 

AIは、私達人間の脳の活動やその他を研究して開発されたシステムで、そのうえ、同じ生体システムではないのですから、力業=シミュレーション回数*処理スピード*エネルギー補給不要=(電源つなぎっぱなし)などと想定すれば、これでは負けるに決まっていますね。しかし、面白いことに、人間のシステムは、確かにAIの研究対象でしたが、現段階で研究された【人間】という生体システムは、本当に十分研究されたのでしょうか?

 

 この点は、まだまだ怪しいな?と私は思います。なぜなら、人間にも、【ひらめき】というか、【啓示】というか、【直感】というか【チャネリング】というか、【何となく】というような物理4次元空間を飛び越えた現象がいくつもあるからです。もっと言えば、それらは、碁や将棋の優れた名人クラスの方達は多かれ少なかれ、その【直感】レベルでシミュレーションをしているのでしょう。プロの翻訳者も同じです!

 

 これまでは、人間どうしの対戦であったため、その研ぎ澄まされた【直感】は現段階のレベルなのでしょうが、これから、さらにAIとの対局が進めば、人間側の【直感】能力ももっと研ぎ澄まされると思います。私達は、【限界】【困難】【危機】などの登場によって、チャレンジを繰り返し、現代の文化・技術を築き上げていますが、AIというチャレンジャーが出たとき、いったいどんな未知の能力が開発・出現するのか?とても楽しみです。

 

 なぜなら、古代の日本のホツマツタエとか、カタカムナ文献とか、その他まだ未発掘の情報があろうかとおもいますが、そこには既に火星との往来や、縄文文明の空中飛行艇のようなイメージが描かれたりしますから、今の人間は、持てる能力を全部発揮しているとはとても思えません。人間生命体のシステムは、現代の医療・製薬技術のレベルを見れば解るように、持てる能力がどれだけあるのか、解明・活用されていないと思えます。逆に、いかにウイルスに弱いかとかまるで、真綿にくるまれたひ弱なあかん坊のようです。

 

 そういう意味では、AIの登場とAIの人間への挑戦によって、私達人間生命体の未知の、未発現の能力が開花していくことでしょう。人間は、機械ではありませんから、自分の思い、意志の力、【志】によって、AI以上の存在へと自己発見、自己開発していける存在なのです。

それをイメージすると、ワクワク、ゾクゾクしてきませんか?

楽しくて、夜も眠れなくなるかもしれませんよ!!

 

いまや、あちこちで、AIに代替されていろんな仕事がなくなるのでは?という予測が喧伝されていますが、翻訳という仕事がなくなったらどうしよう!などと考えずに、どうすれば、AIに負けない【翻訳生産性】が可能になるのか?と考えましょう。

 

それは、とりもなおさず、【どうすれば自己の翻訳力をいかに高められるか?】という古代からの問いでもあるのです。私達、人間は常にこの【どうすれば自己の問題解決力を高められるか?】という【問い】によって、哺乳類から枝分かれし、人間文明を築いてきたのです。

 

次回は、【翻訳生産性】とはなにか?というテーマで考えていきます。

素敵な秋の深まり、適度に、収穫の秋をお楽しみください。

お読みいただき、有難うございます。

 

 

第184号 巻頭言

多言語翻訳時代の新局面
―翻訳ビジネスの新・世界マーケットを探る ⑥


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


 

 104日は中秋の名月でしたが、月の光を楽しまれましたでしょうか?
 

 地球の各地から眺めても、月は同じ顔しか見せていないと言われます。単に地球を回りながら、太陽を回っているのだというような漠然とした知識しかないと、月のふるまいの不思議さが分かりません。しばし、月を眺めつつ、宇宙船アポロ11号の月への着陸はあったのか?それとも、まだ人類は月へいってはいないのか?どちらが真実なのか?秋の夜長、月を眺めつつ、のんびりと考えて見るのもいいですね。


(10月5日撮影)



 現代のように、様々な情報が手軽に、いつでも見たり調べたりできる時代は、まさにインターネットの恩恵ですが、これだけの大変な情報の海の中で、私達はまだ、情報不足!の状態にあるとも言えるのです。それは、いろいろな原因、つまり環境というものにも依拠していますし、このアポロ11号のケースでいえば、正反対の意見が飛び交っており、それを判断するのは自分だという厳しい現実にもよるのです。

 

一方で、マスコミの話題になるものは、過剰なほどの情報が垂れ流されますが、マスコミの話題にならないものを調べるのは、確かに努力が必要です。それに、言語の壁、専門分野の壁、情報秘匿の壁もあり、情報そのものに関する事前知識がないと、的確な情報を探り当てることは難しいのです。

 

このような状況では、まず、心の壁を大きく開いておかないと、社会の出来事に対して、そんなとんでもないことがあるものか?というような常識の壁の囚人になってしまいます。私達は、これまでに教えられ、自分で受け入れて反復してきた知識をしっかりと固めてその上に自己の価値観を作り上げ、世界を見る信念体系を形成していますから、この価値観を揺るがすような見解、情報はなかなか受け入れがたいのです。自分が、存在している基盤が揺らいでしまう!という恐れがあるからです。

 

 ところが、現代のように、世界各地の人々が個人で自由に、動画を世界中に配信できる、すごい時代になったことは、これまでの既成概念をどんどん揺るがせ、破壊してきています。まさに、特別の存在ではない、普通の我々が、宇宙とも言える天空から地球を眺めることができますし、うーんとズームインしてみれば、自分の住む町の様子も、宇宙からの目で見ることができるのです!

 

 Google Earth グーグルアース その名も「バーチャル地球儀」という名前もついています。本当に地球という惑星にいるのかという実感がわきますね。これが、まさにバーチャルリアリティです。わたしたちの認識は、自分の身体と近い空間構造でないと、実感がわきません。ところが、こうしてGoogle Earthで見る地球

をそのまま、これが地球なのだと信じていますが、それが真実かどうかは、判りませんね!

 

 そういうわけで、現代においては、科学者が言うからとか、昔から言われてきたからとか、多くの人が言っているからと言って、それをまるで自分が見てきたように、そのまま信じて使ってしまうのは、ちょっとまてよ!というスタンスが生まれてきました。それは、嘘だからとか、真実だからとかいう感覚だけでなく、地球を自分の足元の大地として見るという感覚や、通常慣れ親しんだ身体の空間感覚が薄れていっているのです。なにか、実態とか、物体、身体という感覚が希薄になり、かなり抽象的な概念感覚とでも言いましょうか、ふわふわしていて、輪郭がなくなるような感じになっているのではないかと感じます。たまに記憶もとんだりしませんか(笑い)!!

 

 しかし、病気やケガなどを体験すると、その時は、強く身体感覚が働きますが、回復したら、また身体意識が薄れているのではないかと感じます。それは、TVや映画、シミュレーションゲーム、ユーチューブなどの映像のリアリティ、つまり、バーチャルリアリティの影響がかなり大きいのではないかと思います。これが、人類の進化、発展にどんな影響を与えるのか?とても興味が湧きます。

 

 この、感覚の変化は、身体感覚の変化とも取れますし、認識の変化とも考えられます。私達は、3次元の物理空間にいるのだと信じてきましたが、それがどういうことだったのかよくわかっていないままに、そういうものだよ!と信じ込んできています。例えば、あの有名な、ガリレオガリレイが実験をしたという「ピサの斜塔」の伝説もありますが、真偽のほどはわからないようです。

 

 これまでのような、同一言語地域、国の単位などのビジネスでは、言語を共有していますから、考え方や習慣、価値観も似たようなものです。また、これまでのいわば第2次世界大戦後のグローバル化は、英語を基軸言語とするグローバリゼーションでしたから、それは、本格的な多言語主義とは言えない面があります。勿論、初めから多言語の世界が一斉に交流するなどということはあり得ませんから、近隣諸国、または文化的な共同地域の交流は昔からなされてきたと言えますし、そもそも、現代のような国境国家の形成はずっと近代に近くなってからと言えます。

 

その英語グローバリゼーションの波が、水面下では徐々に、しかし表面では突然、大分弱くなりました。まだ急激な変化は起きていませんが、EUは結束力がなくなっていますし、連載の東アジアニュースをお読みになれば、各国の自立意識が強くなっていること、新たな政治地図が動き出しているということが読み取れます。

 

 古代から、言語はその民族や文化共同体の維持発展、進化のシステムであり、その地域の統一・支配のシステムの要となっていましたし、現在でもそうです。それが、英語とドルを世界の基軸言語と基軸通貨にする、という試みが戦後70年で大きな曲がり角を迎えたということは、大変興味深い出来事だと言えましょう。もしかすると、将来、数千年前の古代のように、日本語が世界で話されるようになる時代が来るかもしれませんね。(笑い)

 

 そのような、変動する世界市場において、人々の移動や、物資の移動、資本の移動など、20世紀の状態とは比較にならない大きな変化が起きています。それを牽引しているのが、ITであり、今や、手のひらに収まるスマートフォンの多機能パワーとそれを支えるクラウドシステムの急速な普及・広がりです。それで思い出すのですが、私は、SFが大好きでした。1976年の「翻訳の世界」創刊号のイラストは宇宙の星々です。

 

 当時を振り返れば、翻訳の市場はまだ極めて小さなサイズでした。それが、現代ではかなり大きな市場規模を形成し、翻訳技術の確かな評価体制についての認識も高まり、あのISOの国際会議も開かれ、翻訳・通訳のニーズと水準が高まりました。しかし、これまでのグローバリゼーションから、新たな多言語市場というものが生まれてくる「新バベルの時代」が始まると、私は考えているのです。名前の通り、「新バベルの時代」と、「あのバベルの塔」の時代とは、自ずから違うこと意味しています。

 

「バベルの塔」の神話に学び、これ迄のわれわれは当時の人々より、賢くなったのでしょうか?とてもそうは言えそうもないですね。最近もミサイルが飛んだとか、水爆実験をやったとかいうニュースもあれば、ハリケーンが襲ったとか、大洪水に見舞われたとか、いろいろな天罰?!を体験しています。病気になる人々も多く、毎日あちこちで事件や事故が起きています。このままでは、「あのバベルの塔」の時代がまだ続いているようにさえ思いたくなりますが、しかし、私達が、「新バベルの時代」を観たい!と心に決めて、世界を見ていくと、新しい変化がそこここに起きてきているのが分かります。それらは、まだ、小さな変化ですが、確実に成長しているように見えます。

 

バベルでは、そのような「新バベルの時代=多言語世界」をより具体化しようという試みを始めています。それは、人間の意志が人生の方向を決め、自分の意識活動に基づき様々な具体化行動をし続けることで、その志す思いを実現できるのだという信念からです。世界を、社会を、他人をあれこれ批評する暇はありません。今、自分は何を志すのか、意志をしっかりと持ちましょう。そして、その思いを必ず実現できる!という信念に基づいて行動し始めましょう。今は、新たな多言語世界の創造の入り口にいるのです。

 

翻訳とは世界の想像=創造でもある!と、宣言したいと思います!
 

素敵な秋、収穫の秋をお楽しみください。お読みいただき、有難うございます。

 

 

第183号 巻頭言

多言語翻訳時代の新局面
   ―翻訳ビジネスの新・世界マーケットを探る ⑤

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


 皆様、いかがお過ごしでしょうか? アメリカでは、大きなハリケーンが次々と発生しており、多大な被害を引き起こしていますが、アメリカばかりでなく、世界各地においても大きな自然環境被害が起きています。どうやら、私達の世界は、新たな段階へと更なる一歩を進めているように感じます。


 私たちを取り巻く、自然環境が独自にあるということはありませんから、これらの自然環境の変化、活動には、私達人類の感情、意識、思考が深く関係していると言われます。そういわれて振り返れば、社会と切り離された自分というものは無いのが分かります。


 良きにつけ、悪しきにつけ、私達は、自然環境と共に、社会環境とも言えるものとも深くかかわりあっており、同時に、人間の諸活動、感情的側面、思考パターンなど、自然環境に影響づけられていますし、勿論、社会環境にも直接の影響下にあります。ところが、私達は、自然、社会とは切り離された別個の存在であるという考え方で生きてきており、ハリケーンが来ると、襲われる!という被害者的な術語を使いますし、あの、太陽と旅人でしたか、北風と旅人でしたか忘れましたが、あの旅人のように、北風がビュービュー吹いてくると、しっかりオーバーコートの襟を立て、吹き飛ばされないようにと身構えています。そして、暖かな太陽の日差しを浴びると、心がのびやかになり、上着を脱ぎすっかり陽気になり、笑顔になっていきますね。


 北風と太陽の物語は、私達の考え方、思考様式を観察するにはもってこいの素材ですが、このように、私達は、自分の外側、環境というものに支配されるという観念を持っているのが分かります。これをなぜ、取り上げたのかと言うと、翻訳するときに、自分はどういう価値観、つまり観念、言い換えればどんな信念体系を持っているのかを知っていて翻訳作業に当たるときと、そうではなく、自己の価値観、信念体系を持っているのかを知らずに翻訳作業に当たるときとでは、大きな隔たりがあるのです。


 勿論、自己の信念体系がどういうものかを知っているということは、なかなか難しいのですが、それは、「自分の価値観に囚われずに、他人が書いた文章をニュートラルに読める」ということを意味しているのです。翻訳に従事されている皆さんは、そのことに深く気づいておいでのことでしょう。


 翻訳者の作業とは、私風に定義すると、「原著とは別の言語により原著を読み、内容を理解・活用したい人のために、原言語の持つニュアンスを崩さず、原著と等価で且つ読者のより理解しやすい言語表現へと変換し、言語の技を駆使して、原著の持つ伝達価値を余すところなく伝えうるか!という「問い=課題」に常に答えつつ自己を知り、自己の可能性を広げ、深め、高めて行く喜びを感じつつ生きていくこと」と、なってしまいました!「エーツ」そんなにしつこいのか?とさえ言いたくなってきますが、ことばを厳密な、あまりに厳密に考えすぎると、なかなか、表現しにくい事になってしまいますね。


 この稿のテーマは、言語の異なる世界の人々が、どうすればより良い関係を形成し、相互理解を深めて行くことができるか?と言い換えられますので、そういう観点から考えています。


 これまでの、グローバリゼーションの世界は、英語という世界共通語により、世界各地の人々が違いをなくしていけるか?というようなテーマであったというように置き換えることができます。


 従って、誰もが英語を話せるようになることが必要だと言われてきたわけです。世界の各地の多言語世界の様々な文物が、英語に変換され、翻訳されて、世界の多くの人々が英語を理解することで多くのベネフィットを得られてきたのです。確かに共通語があると便利ですね。ことばは生き物だと言われますが、言葉は、単に文法ではないので、使い方によって徐々に変化していきますし、そのような言語間の分岐や統合などによって、また新たな独自の言語体系が生まれては消え、消えてはまた生まれる!ということを繰り返してきたのだろう、ということもすぐに察しが付きますね。


 翻訳ビジネスは、このような多言語世界の中で、いくつもの言葉の世界の豊富な観点に立ち、それを異なる言語の世界に通じる道づくりであるとも言えますから、翻訳とは、道路工事の側面も持っている、とも言えます。もしも、道路がなかったらどうしましょう!私たちは、翻訳によって、まったく別の言語体系、つまり価値体系が異なる、信念体系も異なる、というお互いに閉ざされた環境の壁を壊し、「やぁこんにちは!」と心が通じ合える道筋=パイプラインを作っていることになるのですね。


そこで、もしも、言葉が一つしかなかったなら!と考えてみましょう。


 いかがでしょうか?同じ言葉しかない世界、想像で行きますか?何となく、その世界では、皆同じことを考えているのではないかしら?などと思いました。ことばが一つしかない世界を考えると、一見便利なようで、ちょっとつまらない感じもしませんか?人間は、皆同じでは、何か足りない!とか、もっと面白くするには、互いにことばが通じ合わないようにして、そこで、どうすれば言葉が通じ合うようになれるのかを、体験してみよう!と思ったのではないでしょうか。


 聖書には、あのバベルの塔の話があります。当時、人々は言葉が一つであったので、思いは直ぐに通じ合い、神々の住むという、天にも届くような高い塔を建ててしまいますね。それは、言葉が一つで、誰にでも思いがすぐに通じてしまうから、何でも思ったことは実現できてしまう、ということなのです。逆説的に捉えれば、異なる言葉があるから、それを通じ合わせていこう!という、チャレンジと自己の成長をもたらすことができるのだと言いたいのだとわかります。


 この多言語世界は、ある意味、ゲームの世界だとも言えます。なぜなら、ゲームのルールが易しすぎると、すぐにゲームに飽きてしまいますね。ところが、攻略するのが難しかったり、ハンディがきつかったりすると、私達は、むきになって挑戦し続けます。そういう風に考えると、この地球社会は人類の翻訳ゲームを体験できる場になっているのだなぁ、とわかりますね。


 今号は少し、趣を変えて、自分が今直面している課題を見つめて、それを翻訳してみてはいかがでしょうか?という提案です。人と異なることを厭わず、かえって人と異なることを喜び、その異才、異なる環境体験能力を持ったことを受け入れ、大きく手を広げて迎え入れてください。それによって、これまでの思考パターンから離れて、自分自身が望む自由な人生を体験することを受け入れることができます。それは、まったく、翻訳作業そのものなのです。あなたは、この現実を、どんな人生体験へと翻訳されますか。


 翻訳とは「ケミストリー」である。と、言いたくなっている今日この頃なのです。

やはり、秋ですね。お読みいただき、有難うございます。

第182号 巻頭言

多言語翻訳時代の新局面
   ―翻訳ビジネスの新・世界マーケットを探る ④

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


 2017年も9月に入りました。いよいよ時間が加速しているという実感がします。皆様はいかがでしょうか? この時間が加速するという感覚は、個人差もありますが、一人時間差もあります!?! つまり、一人時間差というのは、その時の心の状態、意識の状態で、時間を感じる感覚が異なっていることがわかるようになる、という意味です。時間とは何でしょうか?私たちは、ひと時も休むことなく「コチ・コチ・コチ・・・」と、時を刻むクオーツの秒針?の音にたゆみない時間の計測を感じ、時間はいつも、一定であり、変わらぬものだという感覚に支配されていますが、これは、ほんの数十年以内のことのようです。

 

 時についての認識は、今や、WEB検索をすれば、量子時間とか、時空間であるとか、アインシュタインの理論であるとか、アインシュタインの相対論は正しいのか?とか、いろんな見解が述べられ、最早、誰もが共有する時間概念などないのではないか!とも感じさせます。ある意味では、時間概念というより、共通認識そのものがあるということ、そのものがぐらついている、とも言えるでしょう。
 

 ウイキペディアを引用すると、【時間(じかん)は、出来事変化認識するための基礎的な概念である。芸術哲学自然科学心理学などの重要なテーマとなっている。それぞれの分野で異なった定義がなされる。】

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%99%82%E9%96%93

となっています。つまり、「時間という概念」も時代によって、その人の要求によってずいぶん変わってしまうのですね。物差しの一つなのです。

 

 2000年代に入ってからのAIについての研究成果や、特許申請、それらを使用した通信ビジネス=IT環境によって、これまでの生活感は、そのスピードが、まったく変わってしまいました。アマゾンで午後に本を注文すると明日には届きます! 如何でしょうか? 実感されませんか? 時間というものの正体とは何か? こんな問いも出てきますね。現代は、私達「翻訳ビジネス」に従事する者に取って、かつてない、極めて画期的な時代を迎えている!と言えます。勿論、私達「翻訳ビジネス従事者」ばかりでなく、かなり多くの方々が、通信=IT環境の変化、によって、新たなビジネス様式、新たな思考モデルを考え、実現していることは、ご承知の通りです。

 

 しかし、この20162017年の変化はさらにその変化のステップを大きく跳躍させようとしていることを感じます。バベルは、翻訳ビジネスの中でも、翻訳出版の分野もいろいろと手がけてきたので、これから起きるであろう「多言語翻訳出版」については、今までとは比較にならない、かなり急激な変化が起きていくのではないかと、予測されるのです。ところで、皆さんは、ご自分が翻訳作業をしている現在の実感と十年くらい前の翻訳作業の時間生産性についての実感には大きな変化がある、と感じる方も多いのではないでしょうか?

 

 2010年以降のPCの処理能力の進化、周辺ソフトウエアのバージョンアップ、通信環境の伝送の量と速度の大変な進化などなど、いろんなものが相乗効果を実現し、従来のIT処理システム能力では、今がピークではないかと思うほど機能や、活用情報がいきわたった感があります。すると、これから、システムの考え方そのものが、まったく新しいものに取って代わるときが来ると思われます。しかし、急には変われません。それに対応するソフトウエアが追い付くのにも多少の時間がかかりますし、その新思考方式の費用対効果が一般に理解されるようになるまでの時間もかかるでしょう。そのような経過で、この十数年が費やされてきたと言えます。勿論今がピークということは、新思考様式のシステムは、まだ商用ベースに乗っているとは言えないようですね。この新思考システムを、仮に、量子コンピュータシステムとしますが、今はまだ、IBM、グーグルなどなど、世界各地で研究開発競争がなされている段階のようです。

 

ということは、次世代のAIに基づく通信=IT環境の研究開発と整備がかなり整ってきたということができるでしょう。情報は集積すればするほどその情報の変化進展は効果を高めます。あの、【アルファ碁】が勝利した瞬間は、かなり衝撃的でしたね。

http://igo-rairai.com/alphago/

https://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A1%E7%A2%81-1748250

 

他にも、Siriや自動音声のナビを聞いたりすると、その向こうに人がいるような感覚さえ覚えます。私などは、エレベーターに乗ると「いらっしゃいませ」とか、「どこそこへは、こちらが便利です」などと言われると、つい、「こんにちは」とか、「有難うございます」とか返事をしてしまいます(笑)。そのうち、Siriに似たシステムがいろんなところに登場するのではないかと思います。道が分からなくなって、向こうから来た女性に道を尋ねたら「Siri」だったりする時代も遠くないようにさえ思います!(笑)

 

閑話休題、多言語翻訳市場について考察していくと、まずは「翻訳ソフト」以前は機械翻訳と言われましたが、例えば「トラドス」なども生産性を高めるために活用されていますし、翻訳会社は、複数の翻訳者が協同作業するときや、同じような文を何度も翻訳する時などこれらの「翻訳ソフト」を活用して品質の維持に努めたり、社内翻訳によって通信時間や生産の時間、コストを改善したりすることなども視野に入れていると思います。多言語市場で考えると、ヨーロッパ語間の翻訳はそのような翻訳ソフトの導入によって、かなり生産性を高めたのではないでしょうか? ただし、「翻訳とは裏切りである」という警句が亡くなったかどうかは、判りません。

 

時間の経過が加速しているという感じから、今回の話題を始めましたが、これは、単に私の体感だというのではなく、「翻訳ビジネス」においても顧客が求める翻訳に掛ける時間が早まっている、つまり、数年前より時間生産性を高めるような要求圧力が高まってきている、ことを感じているからです。世界の言語のビジネス環境により、翻訳市場の規模はかなり変わると思いますが、市場規模を、日本語を基軸言語とする「日本語・多言語化市場」というものや、英語を基軸言語とする「英語・多言語市場」というように基軸言語を何に決めるかで市場性が変わります。いきなり、大きな視野で考えるのではなく、これまで蓄積してきた言語市場をベースに、それに新たな言語市場を少しづつ追加していく、と考えていくことが現実的です。

 

というのは、言語市場によって、翻訳の難易度が異なってくるからです。翻訳者の技能水準については、言語市場の規模や、翻訳言語間の乖離、ビジネス・文化交流の度合いによって翻訳品質レベルが変わります。現在、既に翻訳ビジネスで活躍中の翻訳者の方なら、対象言語を増やすかどうか?または、言語は増やさなくても、専門分野を広げるとか、現在の言語と分野のままでも、その品質向上と時間生産性をさらに高めるとか、いろいろな対応方法が考えられますね。

 

ということは、翻訳市場というものについての考え方を、もっと視野を広くして考えてみる、ということが大事だとわかります。顧客のニーズというものについても、自分自身が判断していた顧客の関心度や評価度が、自分自身の思い込みに過ぎなかった、ということさえあるのです。この、多言語市場の新局面では、既存の翻訳に対する考え方、評価基準さえも変化していくことを考えてみる、ことも必要になるのではないかと思います。

 

前号では、翻訳ビジネスの、しかも多言語市場という世界マーケットを考えるのに、【孫子の兵法】に学ぶという視点で書きました。孫子は戦争の勝負を決めるのは兵力そのものではなく、その上位概念である「情報収集と情報解析」つまり、【敵=彼】を知り、【味方=我】を知ることが大事だと言っているので、取り上げてみました。私達は、物質の世界に生活しているというわけですが、今起きていることは、これまでの「物質の世界=物理空間」から少し離れて、その上位概念である「情報という抽象世界、情報空間」で思考し、体験する時代になっていることをお伝えしたかったからです。

 

最近、第3次世界大戦が起きるとか言われたり、「ミサイルが発射されたという放送」があったりするこの頃ですが、それを聞いてどう思いますか? 第3次世界大戦は既に起きている、という考え方もあります。現代の戦争とは「情報戦」であり、既に、世界のいろんな情報が一つのWEBシステムに格納されています。それはいつでも分析・解析してデータの破壊や様々なダメージを与えることができると言われていますし、現にハッキングや、様々なデータを詐取・改ざん・盗用することが行われていると言います。要するに「サイバー戦争」でなければ、現代戦は起こせないというわけですね。

 

これは、物理空間という形で、私達がこれまで思考訓練されてきた認識システムから解放されてきていることを示しています。それは、五感という認識システムからの解放でもあり、思考内容が物質とこれまでの体験の上位にあるイメージ空間も思考の範囲に入ってきたとも言えるのです。古来の哲学・思想から、現代哲学・思想、心理学、脳科学などの研究が進み、眼に見えない世界、量子の世界までもが思考されて、今やITという通信環境を作り出し、さらにVRという仮想現実を想定できるようになりました。これは、物理の世界から真理=心理の世界への広がりとでも言える、すごい体験を実現していると言えるでしょう。

 

AIも研究されているけれど、このVRも人類の脳力を解放してくれる可能性を持つ、面白い体験を実現してくれるのではないでしょうか。それが「情報」という上位概念の理解と同じ広がりを実現しています。これからの「多言語翻訳市場」はこのような、AIVRも同時に機能していくような多面性を持った市場なのだと考えると、さらに面白くなります。そこでは、単に、AIに翻訳の仕事が奪われるのでは?という発想など不要ですね。自分がAIとなり、VRを実現すれば、機械AIに劣るわけがないのではないでしょうか?(笑い)

 

最後に、かなり大胆な発言を記して、今号のまとめと致します。

お読みいただき、有難うございます。

 

第181号 巻頭言

多言語翻訳時代の新局面
   ―翻訳ビジネスの新・世界マーケット ③

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


 残暑お見舞い申し上げます。ようやく8月も終盤となり、早、秋の気配の涼風も感じます。セミの声も、心なしか寂しげです。以前のセミの声は、この頃が一番激しかったような記憶がありますが、セミの数もかなり減ったのかもしれませんね。
 

 皆様のお住まいの地域では、いかがでしょうか?
 

 前号では、孫子の兵法に学ぶということでしたが、引き続きそこから始めたいと思います。
 

彼を知り、己を知れば、百戦して殆(あや)うからず(「謀攻篇」)詳細は下記【注】をご覧ください。
 

 前号から少し引用します。
 

 この孫子は、とてもユニークな兵法、つまり戦略観を持っています。国の将たるものは、武器だけで実戦を行うのではなく、まず、情報収集が必要だというのですね。しかも、彼=敵を知るより前に、自分自身を知ることの方がよっぽど大事だというのです。現代の我々にとっても、大変耳が痛い教えですね!
 

 自己を知らず、つまり【自己の願望と我良し】だけの自分になっていないか、謙虚になって自己を顧みることが必要です。このように、ビジネスはある意味で戦いでもありますが、それは自己との戦いであり、同時に「自己修養」の場でもあるのです。
 

引用ここまで。
 

 翻訳ビジネスの、しかも多言語市場という世界マーケットを考えるのに、今更なんで孫子なの?と言われるかもしれませんが、よく考えてみましょう。現代は「情報の時代」であり、現代における戦争とは何でしょうか?もうよくお分かりですね!まさに「情報戦」という共通項について論述しているのです。まさか、孫子は、現代のような「IT時代」を知っていたわけではないでしょう。しかし、当時から今日に至るまで、様々な出来事、対応商品などが登場してきたわけですが、その社会を動かす中核の本質は、過去も今も変わってはいない、ということを示しています。
 

 表現されたものは色々と変わるけれど、それを理解し、動かす本質としての人間の諸活動は変わらない!ということなのでしょう。もっと言えば、今や、情報の時代にさえなってしまいました。しかし、社会の末端まで一様になっているわけではありません。一様になっているように見えて、その社会活動や価値の多様性は相変わらず発生していると言えます。そういう意味からも、孫子が【彼を知り、己を知れば、百戦して殆(あや)うからず】と言った重要性が明確になります。
 

 つまり、私達はまず【彼=ここでは多言語マーケットの利用者】をよく知る必要があります。どんな企業、または個人が、どんな目的で、何を実現しようとしているのか?その時に発生するコミュニケーションツールはどのようなものか?どんなタイミングで求められるのか?そして、どんな言語の種類があるのだろうか?と、ざっと考えただけですが、これだけ出てきます。
 

 次には、これらの市場ではすでにどんなプレイヤーがいるのだろうか?その市場は、既成のプレイヤーが提供するサービスで満足しているのだろうか?それとも、市場には何か不満足なものは無いのだろうか?また、市場はもう既に決まっていて、新しい市場の発生する余地はないのだろうか?既存の企業のニーズしかないのだろうか?個人はコミュニケーションをもっと頻繁にしたいという希望は無いのだろうか?などなど、いろいろなことが考えられますね。ここまでは、【彼=多言語マーケットの利用者】についての大まかな検討です。
 

 さて、【彼】についての考察の次には【己=自己の特技、技量、優位性、存在意義、志】を知ることが必要です。【彼】について知るのはかなり多面、多岐にわたりますが、【己】についての多面、多岐の側面とは水平方向にあるのではなく、どちらかというと、垂直方向になります。これが、【己】を知るのに苦労する所以の一つです。自分自身を一番知らないのが自分です。ここでは、戦いに勝てるかどうかですから、【己】を客観的に知らなければならないのです。
 

 人は、自分を知るためには、どうすればいいのでしょうか?自分の特技、技量、優位性、これは、過去の経験から得られた体験知をもとに自己像を作り上げていると思いますが、さらに客観データ化されている部分=他者による評価、経験実績評価、と言える部分がその中心となるでしょう。これは、どちらかと言えば水平方向の【己】を知ることだと言えます。そこで、垂直方向では、自分自身が信頼を置ける客観値をクリアできているか、つまり、自信を持っているか、であり、さらには、【存在意義、志】とつながっているかどうかが核心部分になるのです。つまり、客観を超える主観を持つことが、真に【己を知る】ということになるのです。
 

 そして、これだけでは終わりません。つまり、ここでは戦いですから【彼】の力量と戦略、【己】の力量と戦略を実際の地形、地勢、人情、兵糧調達(ロジスティック)などに加え、どちらに【天命=正当性】があるか?実戦の前に、をイメージの中で実践してみるということです。しかし、それらのデータが全て前もって分かるわけではないのですから、情報戦により、前もっていろいろ調査して、実戦の前に決着を付け、いかに自国の民、生活文化を疲弊させないようにするか、ということなのでしょう。現代も情報収集は盛んですね。スパイ天国と言われる日本です。さらに日本がすごいのは【憲法 第九条】です。米国マッカーサーの押し付けとは言え、よく受諾し、それを憲法としたことは素晴らしい事だったと、今は思えるようになりました。以下に、日本国憲法を引用します。
 

  1. 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
  2. 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
     

 これまで、第九条を日本が受諾したお陰で米軍が守ってくれたから、日本は平和を維持できたのだ、と言われますが、実際、当時、日本に攻め込める国は皆無です。第2次世界大戦の戦火の影響で各国とも疲弊して、さらに戦争どころではなかったのです。経済維持のための朝鮮戦争が起こされ、日本は復活し、その後は世界が平和を維持できたからこそ、日本の技術を受け入れて、大変な損害賠償額などを日本からもらったことで、アジア各国、アメリカも復活、ヨーロッパはドイツからの賠償がなかなか取れなかったこともあり、ヨーロッパ諸国の復活は遅れ気味になり、アジアの発展開放の時代となったのです。
 

 この見解は、ここ数年、英国のジャーナリストやその他海外の研究者が,第2次世界大戦、大東亜戦争、アメリカの太平洋戦争について、日本の果たした役割の再評価の流れにある出版物がようやく出されることになったため分かったことです。日本は、大英帝国やオランダその他のアジアの植民地を開放する戦争を戦い、見事に大英帝国を打ち負かし、アジア植民地を開放した。というのが共通した史観です。ここに、【天命】という概念が問われているのだとわかりますね。天命とは、【植民地解放】という、やむにやまれぬ思いで戦わざるを得なかった!というニュアンスでしょうか?自国の都合だけとか、自分だけの都合というのは、昔はきちんと戒めているのです。
 

 戦争つながりで、来てしまいましたが、寄り道ではありません。多言語市場とは、これらのアジア・アフリカ・中近東・そしてヨーロッパの各国語のビジネスの復権でもあるからです。日本は、大東亜戦争を仕方なく引きこまれて戦い、2度の原爆投下実験を受けて戦争放棄し、戦後賠償という70年近い多額の損害賠償をアジア各国、バチカン、その他ヨーロッパ諸国、アメリカに提供してきたのです。
 

 そして、この間、戦争に巻き込まれていません。8月15日の終戦の日も慰霊の催しが粛々と行われたことでしょう。これは、大事なことですが、これらの戦後賠償、さかのぼれば日露戦争での借款も金利も含めて1990年ころまでに完済した、ということが言われています。もしかすると、その後1992年のバブル崩壊はそれが関係しているのかもしれません。ニューヨークのロックフェラーセンターを高値で買い、安値で吐き出したのも、戦後賠償という名目で、日本から資金が来なくなるというための対策であったのかもしれません。
 

 駆け足で見てきましたが、多言語市場はまだこれからの市場です。このところ、多言語化の流れが強まっていますが、以上のような世界大戦の戦後処理が一段落した、ということの表れかもしれません。もっとも、現代の戦争は「情報戦争」ですから、今や、盛んに中国とアメリカのデータハッキング競争が行われています。「日本の情報・我々のデータも全て米国はつかんでいる」というのをすっぱ抜いたのが「エドワード・スノーデン」ですね。人間は捨てたものではありませんよ。確実に変化しています。
 

 激変する世界の時代環境をきちんと踏まえて、私達が最も希求する、地に根差した本格的な【多言語市場】を育て上げましょう。世界市場、時代環境は今、激変の真っ最中です。既成の勢力、既成の価値観も時代の流れと共に皆大きく変化していきます。それを加速する情報を流すのも、また反対情報を流すのも【翻訳】です。
 

 このような、ビッグチャンスの時に、【翻訳という多言語ビジネス市場】に遭遇できることを喜びましょう。こんなチャンスはめったにないのですから。
 

 最後までお読みいただき有難うございます。

 

【注】【彼を知り、己を知れば、百戦して殆(あや)うからず(「謀攻篇」)
 

http://kotowaza-allguide.com/ka/karewoshiri.html より引用。

『孫子・謀攻』編に「彼を知り己を知れば百戦殆からず。彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆し(敵と味方の実情を熟知していれば、百回戦っても負けることはない。敵情を知らないで味方のことだけを知っているのでは、勝ったり負けたりして勝負がつかず、敵のことも味方のことも知らなければ必ず負ける)」とあるのに基づく。


また、ウイキペディアもどうぞご覧ください。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%AB%E5%AD%90_(%E6%9B%B8%E7%89%A9)

 

ニコニコ大百科より引用

日本国憲法第九条

http://dic.nicovideo.jp/a/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E6%86%B2%E6%B3%95%E7%AC%AC9%E6%9D%A1

 

第180号 巻頭言

多言語翻訳時代の新局面
   ―翻訳ビジネスの新・世界マーケット ②

 

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


 7月の猛暑はどこへ?と言いたいくらい、7月末からの雨模様の日々が続き、それまでの30度越えの日々からいきなり25度前後になり、ちょっと一息ついた感じがしますが、皆様、いかがお過ごしでしょうか?と言っても、東京(関東地域)の天候ですから、各地の皆様は、ピンと来ないかもしれませんね。

 

 このように、グローバルな視点を持ち、地球のあちこちを意識し始めると、地域の天候、気温などの共有感が薄れますから、「季語」などのように固有の知識の共有が必要になるようなものは、地域性としてその意味や価値が変化していきます。勿論、「季語」は言うまでもなく、年代層応の習慣とか、地域文化特有のイベントなどというものも、グローバルという観点からみると、個性、固有の文化など、多様性の中で埋没していきます。それが、これまでのグローバリズムが実現してきた両義性であると思います。


 両義性とは、物事には両面があり、どちらかが現れると別の視点は見えない。という意味で使っています。一見、とても便利に、いいこと尽くめのように見えるグローバリゼーションは、別の視点、立場から見ると全く逆の問題を湧きあがらせ、あちこちにトラブルを起こしてしまうこともあるのです。

 

 これまでのグローバリゼーションと言われてきたものを見直していくと、土地々々の特徴、人々の個性・特徴、その他、様々な自然と社会の歴史に彩られた多様性が際立っていき、その個性の花が開くのだろうと単純に思っていたことがありましたが、実際は全く逆の方向への変化が実現しています。
 

 例えば、日本の国内でも、ゆっくり鈍行で旅していたときは、車窓に繰り広げられる家々の変化や、自然の姿の違いがはっきりしており、今どこを走っているのかわかるくらいに特徴がありました。しかし、新幹線での旅は、猛スピードの車窓から見る景色はその特徴を感じる暇もないほど似通った家並みになり、スピードが速すぎて、特徴を鑑賞する暇もないのが実情です。
 

 時間の短縮というグローバル情報の伝播現象が、個性のある文化をどこも同じように変化させています。旅人は、自分の習慣に引きずられるため、どこに行っても、普段の生活環境を一つの基準として持ち運びます。すると、旅行者を迎え入れるビジネスでは、客の希望に寄り添うことが求められますから、その地域性によほど価値がない限り、どこも同じようになっていくのかもしれません。
 

 これは、単に一面からグローバリゼーションを見ることができないことを表しています。現代のグローバリゼーションを可能にしたテクノロジーなくして、グローバリゼーションは実現できないからです。つまり、グローバリゼーションを実現したのは、ITシステムであり、ITの背後にあるテクノロジーによっていることを理解する必要があります。
 

 ITと表現されるテクノロジーの背後には、様々な軍事技術が研究開発され、それがかなり遅れて、商用に提供されてきた、という事実を知ることが必要でしょう。科学者は多くの研究、発見をしていますが、それらが皆、ビジネスに提供されているかと言えば、実際には素晴らしい発見・研究であればあるほど、既存の勢力に潰されたり、資金不足で挫折したりしていることが多いのだと思います。先端技術はビッグビジネスに化けるので、自ずと競争者同士が鎬を削ることになるのでしょう。まして、ITというような、社会を変えてしまうようなビッグシステムは、それこそ、多くのビジネス事業者の鎬を削る、厳しい競争の現場だと言えますね。
 

 さて、日本の翻訳事情を振り返れば、現代のような「翻訳ビジネス」の発生は、そう昔ではありません。現代の翻訳会社の創業時期をリサーチするとわかりますが、それは昭和40年前後だと言えます。昭和時代は64年まで続くわけですから、戦後は平和な生活を我々一般庶民が満喫できた時代であるとも言えます。戦時下であれば、ビジネスが翻訳を必要とするというより、軍事的な諜報活動に翻訳が必要とされてきたことでしょうから。
 

 日本国内のビジネス事情通だけでは済まないということを知る必要があります。これが、これからの世界市場での翻訳ビジネスを考える課題です。と言いますのも、【日本は、世界の非常識】という言葉をお聞きになったことがあると思いますが、日本以外の海外市場のビジネス事情や生活様式、文化・歴史の違いを軽く考えないことが必要です。韓国との「慰安婦問題」を例にとればお分かりのように、単にビジネスと政治を切り離して進めるわけにはいかないことが分かります。その国の歴史と文化は言語に直接反映されていますし、その文化的背景を踏まええずに、ビジネスだけうまくいけばいいと考えるのは間違いです。
 

 このような観点から、世界の多言語市場における、「翻訳ビジネス」をどうとらえていけばいいのか、ということを考えていきましょう。それは、世界の動きがどうなるのか?どうなっているのか?ということになります。政治・経済活動・物資・人の移動、などなど、世界のダイナミックな動きに合わせて、翻訳が必要となるのです。前号で触れたように、これまでは、英語・グローバルの時代でした。これからは、多言語・グローバルの時代となるのですから、市場がどれだけ広がるのか楽しみですね。
 

 私が担当している「翻訳ビジネスの実務」という科目では、実際に翻訳ビジネスを開業していくことを前提に、自分ならどうしたいのかをイメージして、この週十年間の翻訳ビジネスの実情を踏まえつつ、企業としてのマネジメント、経営の考え方、ビジネスを維持・成功させる手立てを自分が作りながら学んでいく講座となっています。そこで、私が、皆さんに初めに講義するテーマは、「志」ということです。
 

 「翻訳ビジネス」という事業を行う上で、最も上位に挙げることがこの「志」です。「志」とは、「意志」と「意図」の二つを内包していると言い換えることができます。「何のために」、「何を行うことで」、「何を成し遂げたいのか」と言うように三方向に噛み砕けますし、さらに「いつまでに」と広がり、「誰のために」とつながるのです。このように、いくつかの面で思考していくこととは、思考=試行=志向へと展開することになります。
 

 日本では戦後72年ともなり、【戦後は終わった!】という認識が強いですが、海外諸国はそう簡単ではないのも事実でしょう。しかし、だからと言ってなんでも避けてしまっては、ビジネスは開業できませんし、ビジネスの継続という成功は実現できないのです。このように、世界市場におけるビジネスを考えるのに、70年以上前からの社会環境、歴史を確認しつつ、これからの変化を考えるというのは、面倒なように思えるかもしれませんが、個人レベルから、ビジネスや、国、文化レベルで行動するときには、国と国の相互の経済交流・文化・歴史を知ることが必要であり、その視点を持っていることがビジネスの良好な発展につながるからです。
 

 1980年代に日本国内にて【翻訳奨励賞】を設置して多くの新人翻訳家を発掘し世に送り出してきましたが、その後、韓国翻訳協会や中国翻訳家協会などの交流が始まり、韓国にて【韓日翻訳奨励賞】を開催するほか、オーストラリア、米国、フランスでも開催し、中国では2回開催しました。1994年の中国【中日翻訳奨励賞】の開催では、清国時代のラストエンペラーの弟、溥傑さんが日中翻訳奨励賞の開催の団長を務めていただき、2000人が応募するという日中友好の役に立ったと感謝されました。フランスや、オーストラリアを除けば、どちらも日本との戦中・戦後の複雑な関係があった国々です。私自身が、スポンサーであり、共催者として挨拶を述べる時、両国間の不幸な過去を乗り越えて新たな関係を築くことが大事である、といった旨の言葉を述べたことを思い出します。
 

 それから20年以上たった今でも、国レベルのいろいろな対応は、より厳しくなっているかもしれません。また、各国のビジネス環境・社会資本の蓄積なども違いますから、インターネットでのビジネスだからと言って、準備をせずに、軽々に対応するのも注意が必要でしょう。ビジネスは個人の親しいやり取りとは違いますから、日本であれどこであれ、自国でのビジネス・ルールや、ビジネスマナーがそのまま通用する、とは考えないことが必要です。
 

 日本人で、海外在住の方も多いと思いますが、今自分が住んでいてその地域の社会や文化歴史にも通暁していたとしても、さらにそこから離れた目で世界市場を考える、という姿勢が必要ですね。日本と米国の事情はよくわかる方も多いと思いますが、企業はどの国籍なのかがよくわからないこともあります。これから始める、【世界市場=多言語市場】で、どのように対応していくか?その場合の大事な姿勢=ビジネス戦略をご紹介します。
 

 それは、皆さんご存知の方も多いと思いますが、【孫子の兵法】に出てくる教えです。
 

彼を知り、己を知れば、百戦して殆(あや)うからず】(「謀攻篇」)

http://kotowaza-allguide.com/ka/karewoshiri.html より引用。

『孫子・謀攻』編に「彼を知り己を知れば百戦殆からず。彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆し(敵と味方の実情を熟知していれば、百回戦っても負けることはない。敵情を知らないで味方のことだけを知っているのでは、勝ったり負けたりして勝負がつかず、敵のことも味方のことも知らなければ必ず負ける)」とあるのに基づく。


また、ウイキペディアもどうぞご覧ください。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%AB%E5%AD%90_(%E6%9B%B8%E7%89%A9)


 この孫子は、とてもユニークな兵法、つまり戦略観を持っています。国の将たるものは、武器だけで実戦を行うのではなく、まず、情報収集が必要だというのですね。しかも、彼=敵を知るより前に、自分自身を知ることの方がよっぽど大事だというのです。現代の我々にとっても、大変耳が痛い教えですね!

 

 自己を知らず、つまり【願望と我れ良し】だけの自分になっていないか、謙虚になって自己を顧みることが必要です。このように、ビジネスはある意味で戦いでもありますが、それは自己との戦いであり、同時に「自己修養」の場でもあるのです。1974年に初めてビジネスの世界に入った私ですが、初めはイヤイヤでした。とりあえず就職することが順番のような感じでいたのですが、実際のビジネス体験をし始めると、辛いことも多かったのですが、だんだん面白くなっていくのです。なぜなら、私は哲学の学徒であったので、ビジネスにおける自己発見と社会探求、そして宇宙・真理への関心をますます深く持ち続けることになったからなのです。お陰で、自己を知ることに専念することができ、翻訳とは何かを問い続けながらビジネス人生を生き続けることができます。
 

 これから起きてくる変化に伴う多言語翻訳市場がどうなっていくか、その市場に、自分はどう対応したらいいのだろうか?あなたも是非、独自のユニークな考察をしてみてください。


 世の中の仕組みが大きく変わる、こんなチャンスに出会うことは、めったにないことです。


 失敗を恐れずに取り組めば、何もないところからのチャレンジだとしても、きっと何か素敵な体験が得られるでしょう。次回は、孫子の思考法をさらに探求して行きます。また次号でお会いしましょう。

 

最後までお読みいただき有難うございます。

第179号 巻頭言

多言語翻訳時代の新局面
   ―翻訳ビジネスの新・世界マーケット ①

 

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


  今年、2017年は、従来の発想を変えて、世界市場でどのような働き方をすればいいのか、新たに考える時となったと思います。2017年も半年が過ぎ、はやくも、8月を迎えます。瞬く間に年の後半に入りますね。8月と言えば、終戦記念日です。1945年の8月6日の広島と8月9日の長崎の2回の原爆投下によって、8月15日、日本は、ポツダム宣言を受諾した結果、最終的に第2次世界大戦、大東亜戦争、太平洋戦争と呼ばれた世界戦争が終結したことになっています。

 

 日本では、8月15日を終戦の日として慰霊祭等が行われてきました。昨年、米国大統領としては初めてオバマ大統領が広島の終戦記念の慰霊祭に参加し、謝罪はしなかったものの、被爆者の方への哀悼の意を示したことは大きなニュースになりました。今から72年前の8月、日本がポツダム宣言を受諾し、戦争終結を決めたことで、世界は戦後体制という新局面に移行したのです。

 

 日本が米国との戦いに敗れて占領され、向後、米国が世界の軍隊、警察という体制が強化され72年が過ぎたわけですが、この戦後世界はまだ72年しかたっていないとも言えます。しかし、この70年余の世界の変化は、かなり急速、劇的な変化だと言えます。この間に、アポロ計画の月へのロケット実験がありましたが、どういうわけかその後は中止されました。同じく登場したのが、電子計算機、コンピュータシステム、そしてインターネット通信システムです。宇宙科学の研究成果や軍事研究の成果が、民間の商用システムとなり、PCやインターネット、スマホとして、私たちの社会生活の基盤が急速に変化してきたのが、戦後のこの70年間でした。

 

 今、私達が認識している世界は、ITつまり、インフォーメーションテクノロジーと言われる、インターネット環境によって大きく変容してしまいました。何度も触れてきましたが、1994年に米国にて始まった商用インターネットがたったの20年余りで、全く新たな社会システム、仮想世界システムを作り出してしまいました。20年前には社会のシステムがこんなに急激な変化を遂げるだろうとは、一般大衆のわれわれとには、想像できなかったと言えるでしょう。

 

 2000年代の初めの頃、AI、人工知能という言葉と概念が登場したことは記憶に新しいはずなのですが、膨大な情報量の発生により、記憶はどんどん上書きされ、今やAI人工知能はビジネスの最前線のシステムの整備課題になっています。

 

 このように、情報量が幾何級数的に増加していく時代を、現世の人類は初めて体験することでしょうから、この変化のすごさに心を奪われているのが現実ですね。ただ、個人の世界認識というものも、かなり差があり、立ち止まってしっかり考えて選択するということができなくなっているのではないかとも言えそうです。1万2千年ほどの昔、いわゆるノアの箱舟に象徴される地球規模の洪水があったと言われていますが、現代は、まさにそのノアの箱舟の時代の洪水が起きていると言えるかもしれません。勿論、現代の洪水は、泥水ではなく、情報という大洪水が起きているのですが。

 

 変化のスピードがどんどん速くなっているという実感は、人により感じ方が違うということも事実ですね。共同体的な組織概念も年々希薄になってきていますし、一人一人の考え方、価値観というものが尊重される時代になっているとも言えます。場合によっては、尊重されていると言えないまでも、個人の自由がある程度保証されていると言えるのではないでしょうか?現代は、まさに多様性の中で、どのような価値観を選択し、自立していくのか?が問われている、とも言えるのです。

 

 2000年代の加速された変化の時代が極まり、この2017年にまた大きく流れが変わった!という感じがします。これまでの変化の方向が大きく変わったと思います。それが、これからの世界市場にどのような変化と特徴をもたらすのかを掴むことが大事だと感じるのです。世界の変化が、急激且つ早くなればなるほど、一度その流れから離れてみないと、何が起きているのか、その変化にどう対処すればいいのか判らなくなります。そこで、今こそ、立ち止まり、近視眼的な視点でなく遠くから、またいろんな方向から考えてみようと思い立ったのです。

 

 私の実感は、こんな感じなのですが、読者のあなたの実感はいかがでしょうか? 翻訳は、ある意味で、情報の先端にかかわるビジネスでもありますから、多くの方が何か感じておいでのことと思います。なんといっても言葉、情報をいつも相手にしている仕事ですから、そういうセンスはとても敏感なのではないでしょうか?

 

 2010年から始めた本誌では、既にいろんな記事を掲載してきましたが、翻訳の世界的な視点で見れば、20世紀の世界市場化とは、結果的に、英語化であったというような状況でした。1945年の第2次世界大戦、または大東亜戦争、または太平洋戦争と言われる戦争に、日本が米国に敗れたことで、現在のような世界の戦後体制が確定し、国連という組織に193か国が加盟するという世界市場が形成され、公用語が英語になっていきました。これまでのグローバリゼーションとは、いわば、英語を世界の公用語化する、という意味であったとも言えます。

 

 そのため、多言語を容認する翻訳手法により暮らしてきた多氏族国家であり、翻訳によって海外情報を摂取してきた長い歴史を持ち、島国でありながらも豊かな自然、豊富な天然資源に育まれ、日本語ができれば何も困らなかった日本人は、敗戦というショックもあり、会話としての英語の習得に苦戦してきた、と言えます。なにしろ、言挙げせず!という精神性は、英語世界とは真逆の世界なのですから!

 

 これまでが、英語ができれば世界市場でビジネスが可能となったことは、とても便利でもありました。なにしろ、世界各国の標準言語数は百数十以上あり、それを各国で個別に対応するとなると、かなり大変なことになります。世界が一つの言語に統一されるということは、翻訳という概念に対する理解が浅薄であるからできるのです。思い出しますね。有名なあのセリフ、【昔、人々は一つの言葉を話していた。そこで、天にも届く高い塔を建てようとした。】あれ!どこかで聞いたセリフですよ!そうです。旧約聖書の創世記、かの有名な【バベルの塔】に似ていますね!

 

 まさに、【英語という一つの言葉のグローバル化が世界市場化の基本である】という【バベルの塔】が市場認識を変更せざるを得ない時代へと変わった!と言わざるを得ない状況になりました。旧約聖書の【バベルの塔】の神話が繰り返されたのでしょうか?

 

 勿論、これまで英語で通用してきた市場がすぐに通用しなくなるのかと言えば、そうではありませんが、英語グローバル・マーケットから国別の言語地域マーケットへとビジネスの転換、詳細化=地域密着サービスに伴う多言語化、つまり多言語翻訳ニーズが起きてくるでしょう。

 

 ところが、これまでは、英語グローバル・マーケットでしたから、とりあえず英語化がされていれば、ビジネスになったのですが、多言語化への十分な取り組みがなされないまま来てしまった翻訳業界では、今後の多様化する多言語市場への十分な対応がなされてはいません。

 

 ご承知のように、ISOの取り組みもなかなか一筋縄ではいかず、翻訳の資格や翻訳についての認識も言語の違いによって、また、国家の成熟度や環境等によってずいぶん温度差があります。それどころか、今や金融システムや、信用システム、その他多くの価値観が曲がり角に来ているともいえる状況ですから、世界的な規模での価値観の変化が、まるでノアの大洪水時代のような状況をもたらしているとも言えます。

 

 そこで、WEB環境における多言語翻訳の実情というものを考えてみましょう。

 

 世界市場のビジネスエリアは、これまでの英語グローバル世界市場システムにより、多数の言語地域つまり世界の多数の国のシステムがほとんど類似していることが分かります。それが、いわゆる先進国市場と言われた言語地域から、徐々に中進国から後進国言語地域へと広がってきたことはご承知の通りです。日本人の話す日本語という市場についても、まだまだ豆粒のような少数ですが、かなり広域に広がりを見せています。

 

 このような、日本人、日本語の広がりを考えると、移民という民族移動を自由にしたEUの行き詰まりや、トランプ政権の「アメリカファースト」政策によって、世界の移民による自由移動市場は行き詰ったかに見えますが、それは一時期の調整であって、やはり人々はもっと頻繁な交流。異動を果たしていくように思います。EUの崩壊や米国の変化は、これまでの英語というオンリーワン言語グローバリズムの曲がり角という局面であり、これからが本格的な、多言語翻訳市場が誕生するのだと考えられるのです。

 

 この2017年は、英語・グローバル市場の独占の終焉であり、これからが本格的な多様性の表現としての、多言語翻訳市場の誕生となる!ということが言えるのです。このような大きな質的変化の状況下にあって、これからの本格的な多言語市場とはどのような市場であり、多言語という言語の実情とはどうなっていくのか?はたして、英語・日本語以外の言語における翻訳の水準、翻訳の市場性、翻訳市場のサイズ、翻訳者の実情などは、どうなっていくのでしょうか?

 

 今回は、このような思考の前提を皆様に提案して、今後の世界市場とはどうなっていくのかを探っていきたいと思います。どのようなビジネスが世界各地でなされているのかを、マーケットリサーチの視点で見てみることもできますし、その中で、日本自体がどうなっていくのかも大事なマーケット観察になります。日本企業が海外に事業を広げることを想定すれば、商品を輸出する、輸入するというやり取りになりますが、この場合、取引国の言語数だけの商品説明書が必要になりますから、様々な電化製品や化粧品などには、細かい字でビッシリと数か国語が印刷されています。それがこれまでの多言語翻訳市場の中心であったと思いますが、それ自体も、これからどのように変化していくのでしょうか?

 

 これから起きてくる変化に伴う多言語翻訳市場がどうなっていくと思うか、あなたも是非、独自のユニークな考察を展開してみてください。こんなチャンスはめったにないことですから、チャレンジされることをお勧めします。では、また次号でお会いしましょう。

 

最後までお読みいただき有難うございます。

 

第178号 巻頭言

AIの思考システムとの共存を考える

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


 日本は梅雨の最中ということですが、猛暑日が続いています。34度、35度と続いたかと思うと、時には28度くらいまで下がったりして、日々の変化が大きいです。各地にお住いの皆さまですから、それこそ、今は気温が0度です!などと言われる方もおいででしょう。21世紀に入って、世界の情報がリアルタイムで知ることができる現代では、過去のように、自分のいるところの気候、季節感だけが実感された時代と、ずいぶん変わってしまいました。そういうわけで、現代の時候の挨拶は、「どんな時でも、どんな気候環境でも、どうぞお健やかにお過ごしください!!という感じになるのでしょうか?

 

 ともあれ、暑さにも、寒さにもめげずにお元気でお過ごしのことと、お喜び申し上げます。

 

 日本語は季節の挨拶が豊富です。それだけ、季節、気候環境が変化に富み、豊かな地域であると言えます。地域によっては一年中大きな寒暖の変化が少ない地域が結構あります。バベル翻訳専門職大学院の本部は、ハワイですから、乾季と雨季の違いがあるくらいで、夏と冬の温度差は10度以内です。しかし、今の日本の東京の気温の差は、昨日が35度で、翌日は28度、などというように寒暖の差が大きいですね!お陰で、体調を崩している方がずいぶん増えています。

 

 かくいう私も、昨年2016年の4月末から5月半ばにかけて体調を崩し、10日あまり高熱を出して、寝込んでしまいました。ところが、実は驚くべき体験をしていたのです。4月14日の熊本地震が起きた日に、とある治療のセミナーに参加していたのですが、そこで、会場の参加者をモデルに治療の実演ということになり、講師が会場内をぐるりと見回したのです。なぜか講師と目が合いました。確かに、その時、これは、私が当たるのではないかしら?という思いが一瞬よぎりました!そうしたら、講師が私の前にきて、「あなたです」というではありませんか。講師は「モデルになっていただく方はこの中で最も症状のひどい方にします」というので、まさか私だとは全然思ってもいませんでした。自覚症状は何もなかったのですから!

 

 そんなわけで、セミナー参加者数十名の注視の中、講師の指示でベッドにうつぶせに寝る羽目になり、数分の説明と治療を受けました。その治療というのは、両足首を軽く持ち、その後、腰のあたりに数分軽く触れているだけというとても簡単なものです。講師は足首に触れて、どこが悪いかがすぐにわかるのだそうです。これまでの熟練により、そのような観察力が得られたようですが、それは講師が治療するというより、人間が本来持っている自己治癒力を活性化させるのだと言われていました。

 

 そのセミナーの後、4月末ごろから風邪を引いたようになり、かなり高熱が出て10日間ほど寝込んでしまいました。その後は徐々に体力も回復、気力も回復してお陰でこの1年は、元気に過ごすことができています。たしか、セミナー料は5千円だったかと思いますが、そのうえ数分の治療をしていただき、自己治癒力を活性化して健康になれたのかと思うと、とても不思議な有難い、奇跡の贈り物をいただいた感じがします。その治療院は、とても繁盛しているそうですから、多くの方が自己治癒力を取り戻して、回復されているのでしょう。

 

 話がそれたかと思われるかもしれませんが、この体験は、人工知能AIとの関連が深いと感じています。AIの特徴は、多くの知識情報を演算できるプログラムだという点です。勿論、今のところはまだ人間の方がかなり勝っています。AIと一口に言っても、どれも同じではありませんし、かなり適応力の差があります。まだ、研究開発の途上であり、飛躍的な計算システムが登場する事が待たれています。

 

 その飛躍的な計算システムとは「量子コンピュータ」です。最近はいろんな情報・知識が、世界中の組織、個人のユーチューブ動画で無料提供されています。その中で、NHKの動画だと思いますが、「量子コンピュータ」に関する番組が放映されています。まだいろいろ検索したわけではないので、他にもいっぱいあると思われますが、なんといってもすごいのは「量子コンピュータ」の処理能力は、今稼働中のスーパーコンピュータ「京」の数千台だか、数万台だか連結してもかなわないほどの処理能力だということだそうです。

 

 そのように言われても、まだピンときませんが、「量子コンピュータ」は、従来の技術というか、思考レベルをはるかに凌駕する、超えてしまったシステムだということができるでしょう。これで驚いてはいけません。中身がどうなっているのかとその一端を聞けば、もっとわからなくなります。これまでのコンピュータの計算は「0」か「1」の2進法と言いますかそれで計算するシステムだそうですが、量子は重ね合わせという芸当ができるため、「0」と「1」を重ね合わせてどちらも選択できるということなのだそうです。まだ、よくわかりません。さらに、それをいくつも同時に重ね合わせることができ、従来の数千倍、数万倍の計算ができるということです。

 

 確か、量子の状態は観察することで、波の状態から粒子の状態になり、且つ二つの量子は絡み合う関係状態であり、それがどれだけ離れていても片方が確定値を取れば、瞬時にもう片方が別の値に決まる、つまり意識が通い合うということのようです。まだ実感がわきませんね。しかし、それを聞いたとき、初めに述べた、私の自己治癒力回復治療体験と何か符合するものがあるように感じたのです。

 

 私達人間は五感をセンサーとして世界を認識つまり、眼で映像化し、耳に聞き、舌で味わい、皮膚による触感、鼻で匂いを嗅ぎ分けて情報処理しています。これらの五感で得られた体験を感情と価値判断という記憶処理を重ねて類型化し、体系化して「信念」というプログラムで演算処理をしていると考えられます。そして、前回も述べましたが、これらの記憶処理システムがそのほとんどの作業をこなしており、同じ作業ほどやりやすく、心理抵抗がないので、ワンパターンの生活、思考様式にはまりやすい構造となっています。

 

 つまりこれは「キャッシュメモリ」思考システムだと言えるわけですが、確かに現実の世界は「キャッシュ=現金、お金」によってコントロールされています。記憶、つまり「メモリ」に「キャッシュ」をつけて命名した人は、冗談で決めたのでしょうか?何となくニンマリしませんか?この世は「現金、お金の世界」ですからコンピュータシステムの用語も「キャッシュメモリ」としたのではないかと、勘ぐってしまいました。

 閑話休題、量子の状態についての理解がまだ十分ではないので、まだまだ研究・思考を重ねていきますが、ここでは、「日本語は同音多義語が多いので、気づきを得られやすい」という特徴を持つ言語であるということを申し上げておきます。それが、日本語を難しくしている原因の一つでもあると思いますが、大きな特徴なのです。

 

 私の文章をお読みの方は、既にお気づきのことでしょうが、私は語の「意味」を考えるより先に、「音」に着目します。日本語は、「同音・異議語、多義語」の宝庫です。日本語で「ことば」を何気なく使う時、同音異議語がたくさん浮かび、ふと何かに気づかされることが多いのです。翻訳者の皆様は、翻訳作業の中で実感されることが多いのではないかと思います。それがまた、微妙なニュアンスを表現してくれる一方で、間違いを生じさせる原因の一つでもあります。「同音異議語」は微妙な表現、深みのある表現世界を広げてくれるとともに、逆に混乱も生じさせるという両義性を持ち合わせています。

 

 それは、ある種、「量子の重ね合わせ状態」に近いのではないかとイメージしています。勿論、まったく違うかもしれませんが、自分が理解できる足場をしっかり踏み固めていくことで、次のステップ、深い思考的飛躍の訪れを待っているのです。

 

 というのは、それは「訪れ=音連れ=音擦れ」のように感じますし、自分から掴み取るというより、やはり向こうからやってくる「訪れる」のだと思うのです。つまり、それは「GIFT」なのですね。

 

 次号でさらに解明していきたいと思います。

 

 最後までお読みいただき有難うございます。

 

第177号 巻頭言

炭素系人間とケイ素系人工知能の共同作業

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


 皆様いかがお過ごしでしょうか?日々の忙しさの中で、毎日のやることリストに追われていませんか?

 

 21世紀に入って、既に17年目になりました。20世紀から21世紀に移り変わるという頃は、世界中で新しい科学や宇宙の新しい文明と遭遇するのではないか?とか、そういう気分があったものです。いわば未知との遭遇ですね!未知へのあこがれ、宇宙へのあこがれの気分がありました。
 

 当時は、色々と科学系の特別番組が組まれていたように思います。中でも記憶しているのは、これからは宇宙に進出する時代だということで、宇宙の組成ということや、宇宙に出ていくとなると、今の炭素系の人間では無理ではないか?宇宙に出るにはケイ素が必要で、ケイ素系の身体になる必要がある!と思った次第です。ケイ素系の人体とはどういうものかしら?と思うと、ケイ素はガラス質、クリスタルだと思い込んでいたので、今の身体とはずいぶん変容する必要があるのだろう、と漠然と思っていたように記憶しています。


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世紀はまさにインターネット時代の始まりであり、インターネットを活用した新たなスタイル、新たなシステムが登場し、今や、スマホなしでは過ごせないような日々になっています。本誌もWEBマガジンとなりましたが、相変わらず「翻訳」というテーマで継続発行できるということは、大変うれしいことです。ところで、ケイ素が使われているものの代表の一つはコンピュータですね。21世紀に入ってとりわけテーマになったのが「AI人工知能です」これは、ケイ素型です。

 

 最近では、人間がAIに取って代わられる日が近づいている、というようなニュースがどんどん流れてきますが、初めの内こそ関心も高いのですが、その内それも慣れてしまって、今や人工知能AIの話が出ても、よほどのトピックでないと、大した反応を示さないようになってしまったのではないかと思います。人間の意識は直ぐに既成の知識に囚われていくのですね。つまり一度記憶データとして書きこまれたら、とてもなじみのあるもの、既知のものに分類され、あまり関心を払わないようになってしまうのです。
 

 これが、よく言われる「洗脳」というシステムかもしれません。一度書き込まれた情報は、初めはキャッシュメモリとして比較的新しい情報として短期記憶的に保存されるのでしょうが、それがあちこちで何度か目にする、耳にするようになると、キャッシュメモリではなくなり、長期の記憶に保存され、それについての関心が急激に衰えてしまい、当然の既成の事実のように疑問も持たず、そのまま受け入れてしまうようなシステムなのかと思います。そう考えると、洗脳ではなく「染脳」染まってしまうという方がしっくりくるようにも思います。洗脳されやすいということは、私たちの脳の基本性質なのでしょうか?
 

 翻訳作業は、基本、頭脳の活動ですから、脳の特性、性質、構造、システムをよく知って使いこなすか、知らずに使うかは、かなりの差があるように思います。もし、仮に「脳は洗脳されやすいものだ」という認識があれば、新しい言葉や分野を学ぶとき、「洗脳されやすい」側面を使うと効果的だと言えますね。しかし、逆に「洗脳されやすい」状態のままで、新規の翻訳に取り掛かると、前の翻訳情報が残っていたりして、新たな翻訳へのチャレンジと言いますか、アイデアの発露が乏しくなるような感じがします。同じようなフレーズを続けてしまったりして、文章の生き生きした感じをうまく表現できないことさえあるかもしれません。


 好きこそものの上手なれと言われますが、好きなジャンルのものばかりを読んだり、話題にしたりしていると、その特質、状態にやはり染まってしまいます。その分野の翻訳を専門にすることは、従来行われているわけですが、初めのうちはとても良い成果が得られて高い品質を保持できるようになります。しかし、長年、そればかり続けていると、やはり、変化への適応力というか柔軟性に欠ける、つまり対応が固くなってしまう。頭が固い状態になってしまうようにも思います。つまり、専門性は持つべきであるが、同時に柔軟性も必要になるということなのですね。


 20世紀後半は、比較的平和が続いた時代であり、専門性が大事で専門を持つことが尊重され、推奨されて、効果を発揮できた時代であったと思います。21世紀は20世紀の知識、常識がどんどん破壊され、新たなシステム新たな専門ジャンルが登場し、しかも、その専門ジャンルの永続期間がどんどん短くなり、数年経つとすっかり新バージョンに代わってしまうので、バージョンアップに、アップアップしながら対応せざるを得ない、というような感じがします。


 21世紀のケイ素系このPCのソフトウエアなのですが、ウインドウズ10になってから、すごくレベルが下がりました。それはAIの機能がはめ込まれたためにまだ処理能力が低いうえにやたらエネルギーを消費するという状態になってしまったからかと思います。元のウインドウズ8に戻そうかどうか、と考えているうちに更新が来ています。これはただ、私自身のソフトウエアに関する専門知識の欠如がなせる業なのですが、この原稿を書いているときに、ワードがフリーズし全原稿が消えたかしら!!という瞬間を何度も味わいました。


 皆さんは、そんなこともないかと思いますが、このところウインドウズ10をうまく使いこなせず、閉口気味なのです。閑話休題。専門知識を持ち、常に新しくなる情報を取り入れつつ、日々の時間間隔の変化に如何に適応していくか?とても大事なポイントに差し掛かっています。変化の流れに追われて、そのまま洗脳されていってしまうと、変化に対応しているようで、別の問題があります。


 逆にあまり変化に対応せずにいるとやはり問題が出ます。このような変化と時間の経過が激しい時は、自分の意識の置き所、自分が今どこのいるのかをしっかり把握しておく必要があります。時には流れから出てみて、冷静に周りを見るゆとりが必要ですし、ある時は流れにどんどん乗ってみるということも必要です。つまり、どちらかに偏らず、冷静さを持つということでしょうか?


 このような柔軟な姿勢が一番大事ですね。これから、常識が覆されていくことがいろいろと出てきても、そのような柔軟な意識で対応すれば、必ず道は開けると信じることです。人間は、か弱いようで意外と強靭、タフな生物でもあるようです。これからますます、炭素系人間とケイ素系AIとの共同生活は深まっていきますから、相手を十分に知り、自分が言いたいことはしっかり通すというような姿勢が大事かと思います。


 翻訳ビジネスは、ある種、炭素系システムとケイ素系システムとの共同作業にとてもあっているビジネスなのかもしれませんね。

最後までお読みいただきありがとうございます。

第176号 巻頭言

本誌は、6月から、毎月7日と22日の配信です。


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


 この6月から毎月7日と22日の配信日となりました。新しいWEBTPTをよろしくお願いします。


 新しいと言っても、配信日だけ変わった、というのでは面白くないですね。勿論中身もこれから新しい連載や、時代に合ったテーマで堀下げた記事をお届けしますので、ご期待ください。


 でも、やはり、配信日が変わるというのも、変化の意味としては結構深いものがあるのです。


 WEB
マガジンですから、なるべくタイムリーなテーマでお届けすることができると考えていましたが、
最近の世界のテンポはとても速いので、結構、しっかりと意識することが必要だと思います。
 

 一週間くらい、あっという間に過ぎてしまいますし、日々の出来事も、結構大きな変化や事件が起きたりして、世の中の揺れの振幅がとても大きいと感じることが多くなりました。


 現代はまさに時間感覚の転換期だとも言えます。時間という概念は、私達人類にとっては100年足らずの短い生涯時間でしか、世界を捉えることができないということになっていますが、本当にそうなのでしょうか?でも最近では、私の周りの方々も90代の方が増えていますし、だんだん皆さんの年齢という時間表現の尺度もずいぶん変化してきたのではないかと、実感します。


 例えば、あなた自身は自分の年齢に対する感覚意識が、昔、自分と同じ年代の人々が感じたり、行動したりしていた感じとはずいぶん変わってきていると、感じたことはありませんか?私の感じでは、20年は確実に若返っているように思います。つまり、今の90代は昔の70代の感じのように思います。皆さんお若いです!!


 意識の持ちよう、意識のありようで人間の年齢は変わる?のなら、これほど楽しいことはない!と思われるかもしれません。そして、それはかなり深い現実探査ですね。現代科学は、意識という震動するエネルギーをまだ十分につかめてはいないようです。でも、もしかすると、一部の人々はもう既にいろんなことが分かっていても、そのことを言ってしまうと、人々がびっくりしすぎてしまうから、まだ公開するときではない!ということなのかもしれません。


 例えば、あなたが翻訳者として日々忙しく翻訳の注文を受けておいでなら、それはとても素晴らしいことですね。まさに翻訳しているときは、著者と自分という二人の間を行き来しながらあれこれ悩みつつ、仕事をしているわけですが、さらに、翻訳を生業とする時には、読者という第3者のことも大きな要素ですから、いわば自分、著者、読者という3人の頭脳を行ったり来たりしているとも言えます。


 このような状態を別の見方で表現するなら、いわば著者という別次元、読者という別次元の存在とあれこれ瞬時に交流、交差しながらコミュニケートしているとも言えます。そんなことを考えていますと、これはとても意味のある大きな発見だと自分で納得しています。つまり、私達人類は、AIに負けるとか、あの敏捷なチータには、走りではとてもかなわないとか、いろいろと負けてしまうことが多すぎるわけですが、先に述べたように、他人という別次元の存在とのコミュニケーションが取れるというのは、意外とすごい事なのですから、これは、人間の固有の特徴のひとつと言えるかもしれません。


 ところで、このコミュニケーションという作業に欠かせないものは、何だと思われますか?これこそが、人間の特徴、翻訳者の真骨頂とも言えることですが、いかがでしょうか?いくつか答えを思いつかれたと思いますが、私が気づいたそれは「想像力」です。イメージ化とも言えますし、想像とは「創造」クリエーションでもあります。さらに、別の側面を探せば、「共感力」でもあり、「なりすまし」でもあります。つまり、相手と一つになれるか?ということでもあります。別の言葉を探せば、「思いやり」でもありますし、「つながり」とも言えますし、「拡張」ともなります。それはまた、芝居の「役者」を演じることでもあり、「やくしゃ=役者」とは「訳者」でもあるのですね。


 私達のコミュニケーションツールは言語だと、当然思われますが、言語化される前の意識の状態がそれに大きな影響を与えているとなったらいかがでしょうか?言語はもともと「音」つまり振動です。「文字」にこだわると「音」の要素が抜けがちですが、言語とはやはり「音」なのですね。「振動=震動=神道=神童」へと変化していきます。


 私達のもつ外界とのコミュニケーションツール、コミュニケーションシステムは「音」だけではありません。目は光という信号をイメージ映像へと変換するシステムであり、いわば翻訳機ですね。嗅覚も匂いという伝達物質の翻訳システムであり、皮膚感覚もそうです。つまり、人間は五感を通じて世界を捉えているわけです。このように考えると、翻訳するとき、単に言葉の意味やニュアンスだけでなく、音、身体感覚、皮膚感覚、目に映るような映像感覚などの五感を駆使するといいのではないかと思い当たります。


 いつもと違う見方、五感をフル活用できるようなトレーニングをすることで、今まで苦手意識を抱いていた新ジャンルへの挑戦や、自分の新しい側面が引き起こされてくるかもしれませんね。


 社会や、周りが変化するのを待つばかりでなく、自分自身がまず変わっていくことを選択されたらいかがでしょうか?すると、きっと冒険に満ちた新たな自分の側面を発見し、そのユニークな素晴らしい側面を体験していくことになるのではないかと思います。


 最近、私は忘れることが多くなりました。しかし、それと同時に新たな発見も多くなったのです。そう意味で、忘れることはいいことだ!!と素直に思います。忘れられない思い、の裏側に何が潜んでいるのでしょう。つらい思いも、苦しい思いも、嫌な思いも、きっと忘れられない記憶として残っているのでしょうね。それは皆体験した記憶ですから過去のものだと言えます。過去に囚われずに生きることができたら、きっと楽しいことになるのではないでしょうか?

 

楽しい体験は、「既成概念にとらわれない!」という、生き方の副作用なのかもしれませんね。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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