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「翻訳とは何か? へ至る試み その③
~2020年大きく変化する社会環境へ適応するために」







  

 

  バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 
 
 皆さま、こんにちは、早いですね、もう117日号の配信となりました。
この巻頭言でも、時間経過の感想を書いていることが多いのですが、私には、以前の実感より、年々、月日の経つのが早くなっているように感じられます。

 勿論、置かれた環境や、個人個人の経験、体験している現状にもよるのでしょうが、今、西暦
2019年の11月という地球環境を考えると、やはり、感慨深いものがあります。

 現在の地球で、時間の長さを計測するシステムから判断すれば、それは一定の長さを保っているのかもしれませんが、人間という存在の外界及び環境認識の一つの尺度としての時間感覚は、それこそ一定不変ではないですね。置かれた状況、環境によって違っているという感覚は、皆さん、誰もが体験されてきたことと思います。

 子供の頃、楽しく遊んでいたときは、日の暮れるのも気づかず、外で遊んでいたように思いますし、好きな漫画本を読んでいるときも、あっという間に日が暮れてきたように思います。逆に、あまりやりたくないことを体験しているときは、もっと早く時間が経てばいいのに!と思った経験がおありだと思います。楽しいときは早く過ぎてしまうのに、いやなこと、苦手なことをやっているときは、なかなか時間がたたないのです。

 時間をどうとらえるか?これは、単に時間という計測の範囲にとどまらない、精神的要因、感情的要因に大きな影響を受けてしまう感受性システムとなっている、と言えます。
これがある意味、人間の特徴の一つであり、感覚・受容システムとしての心理構造とつながっている体内時計的なものがあり、それは、社会の取り決めとしての測定時間と、同調したり、しなかったりしているということではないかと思います。

 これも、地球環境の変化や、または、私たちの体感、認識システムに変化を与える、何かがあると言えるでしょう。
しかし、一般にこのような個的体験、個別の身体感覚、心理感覚による時間経過では、社会生活上、とりわけビジネス上、人によって個体差があることは、障害となってしまいますから、それらは、あまり顧みられることはなく、誤認や、個体の特別な環境下における変化に過ぎないので、それは、気のせいだとか、単に間違った感覚だとして、退けられてしまっていたのです。

 つまり、固有の特異点、特徴、個体差というものは邪魔になり、地球のどの地域であっても同一のシステムとして思考する、グローバルビジネス実現のためのグローバリゼーションというシステムにとっては、地域差や、個体差、文化差などの差があっては
AIを活用した、瞬時のビジネス成果の実現にはいろいろな問題があるからなのでしょう。

 さて、地球は丸い、そして回転中心軸を持ち、自転しながら、太陽の周りを公転しているのだと言うことを皆が認め、共有の知識となってから、どのくらいの時が立ったのでしょうか?それ以前は、大地の遠い端っこには、大きな滝となって海の水が流れ落ちているとか思われていたのでしょうか?地球は丸い、というような新しい概念が登場してきたとき、多くの人々は既成の概念を打ち破る、新概念を受け入れることは,なかなかできなかったという歴史があります。

 そのような社会からのバッシング評価を受けて、【それでも地球は回っている!】という、あのガリレオ・ガリレイのセリフを思い出しますね。

 今更言うまでもないのですが、現代は、インターネットによる情報伝達のテクノロジーが地球上の人類の認識システムの変容へ向けて、大きな変化、影響を与えています。ラジオや
TVに始まり、PCが登場し、今や、スマホが、情報通信・対話・交流などの、外界認識システムとしての、時間・空間認識がかなり急速に変化しています。

 勿論、その情報伝達は発信者と受信者が共有する【言葉=言語システム】であることが重要なポイントです。つまり、人が認識し、思考や発話により、言語によって情報化された【モノ=価値】が、従来は実物体験というものがあった世界から、いまや実物が電子情報化されて体験されることにより、それらの電子データは、やり取りや、保存、再構築、再編集しやすい電子情報に変換される時代となった、ということです。

 これから起きる変化が、どんな影響を私たちの社会に与えていくのか、意識的に生活することが必要だと感じます。心の準備ができていますか?と書いた目的は、物質的な変化、外的なテクノロジーの変化に対応する準備という意味だけではなく、心というか、私達人間の認識システムの変容を引き起こす変化だと感じているかどうかが重要だ、と考えているからなのです。

 これらの電子・情報・通信テクノロジーが、その利便性によって、社会にますます普及していくことが想定されますが、既に
SF小説や、漫画、アニメの想像世界はいろいろな可能性を見せています。現代の40代ぐらいまでは、アニメの世界で育ち、アニメと現実との折り合いをつけながら成長してきたわけですが、それが、5Gに始まる現状の百倍速、データ送信量の圧倒的拡大レベルなどを想像すると、どのような変化が起きるのか、なかなか感覚が掴めないでいます。

 今や、ビジネスシステムに始まり、学習・学校システム、貨幣・流通システム、投資や資産価値の増加のためのマネーゲームなども、
3G4Gへとインターネットテクノロジーのレベルは大きく変化してきました。これらの社会システムが、5Gから始まる世界でどのように変容していくのか興味津々です。まさに、AIの活躍する時代となっていくのだろうと予測されます。

 しかし、時々質問を受ける、「翻訳は機械翻訳つまり、
AIが翻訳してしまうから、翻訳者となっていくことを考えても無駄でしょうか?」ということに対し、最近インスピレーションがあったのです。ところで、こういう質問をする人は、何をやっても駄目でしょう。なぜなら、これから起きることは、これまで研究を重ねても、まだなかなか使い物にならないAI翻訳を期待するより、いわば、翻訳レベルの必要のない同一言語内の計算処理で実現できるシステム、サービスが山のようにある、ということです。

 既に始まっている「無人のサービス」皆さんは体験されていると思います。自動改札システム、あれで、車掌という仕事はなくなりました。さらに、セルフレジ、自動コーヒーマシン、その他意識しないうちにいろいろな仕事が、
AI化、つまりお客がセルフ処理できるようになっているのです。早い話が省力化。もっと言えば、人件費の削減です。これからさらに加速していくでしょう。

 ところで、翻訳マシンの研究は多大な年月と投資がささげられていますが、まだ、人間の熟練者レベルの品質に追い付くには、相当時間と発想の変換が必要なようです。

 しかし、熟練翻訳者がこの
AIシステムを使いこんで教育していけば、役立つレベルを実現できるでしょう。【顧客満足を実現する品質と納期】は簡単にプログラム化できないのです。

 また、【翻訳とは何か?】という問いを立てるとき、これまでの考察で明らかにしてきたように、【世界は翻訳である】ということから考えれば、世界という体験、認識を
AIというシステムに譲り渡したら、その時、もはや人間とは言えなくなるのです。

 私たち人間は、翻訳をビジネスとして実践していく上で、ビジネスとは、お金を稼ぐことも大事ですが、単に金儲けのためだけにあるのではなく、【顧客満足と自己実現というビビッドな充足感の実現へ向けて、翻訳ビジネス成功へのあらゆる努力、生存のあらゆる活動を通じて得られる何か?を求めているのです】それは言い換えると、【自分の生きる目的や、意味であり、同時に、人生の体験の深い意味を追求していく過程で得られる、喜び・感動・叡智の体験であり、至ったその境地にふさわしい成果が、必要な価値として得られるもの】なのです。

 これが、
AIとの決定的な違いです。今のところAIは、人の思考パターン、計算システムによって構成されたプログラムであり、自動計算システムです。あくまでも人間の目的の探求のための支援ツールです。それ自体が生命としての自発性ではないのです。

 従って、まずは
人間の翻訳者がビジネスの主体者となって【市場を創造=顧客への素晴らしいサービスを創造していく】過程で、大いに活躍してくれるように【目的を設定】し、【プログラム=訓練】していくことが必要となります。

 今、既に始まっている5Gの世界のビジネスの覇権争いが激化する中で、世界各地で様々な対応がなされています。明日も昨日と同じ状態が続くかどうかわからない地域もあるようです。5Gの世界への突入とは、世界を揺るがすほどの多大な影響力を与えうるテクノロジーだと言えるのでしょう。このテクノロジーを使いこなすのか、それとも使われてしまうのか?ポイントをしっかり掴んでいきたいものです。

 そんな変化の只中であっても、ただ、社会の変化に流されて、無自覚に生きていくのでなく、今何が起きているのか、しっかりと目を開けて、これまでの社会認識システムとして
五感【眼・耳・鼻・舌・身】=【見る・聞く・嗅ぐ・味わう・触る】に加えて、第六感としての【意識】を研ぎ澄ましておきましょう。

 まだまだいろいろな関門を乗り越える必要がありそうですが、月を消すのも、明るく輝かせるのも、私達人間の
見るという意識が働いているのだとしたら、しっかり意識をして、5Gの素晴らしい世界を創造=想像していきたいものですね。

 最後までお読みいただき、有難うございます。


 
「翻訳とは何か? へ至る試み その②
~2020年大きく変化する社会環境へ適応するために」







  

 

  バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 
 
 読者の皆さま、こんにちは、テクノロジーの変化に適応する心の準備は進んでいますか?
あなたは現代の状況をどう考えていますか?
 
 と、このところこのような問いかけを繰り返しておりますが、なぜ、こんなにもこの変化に胸をときめかせているのかと言うと、何度も書いておりますように、これまでのテクノロジーの変化ではよく理解できないほどの、大きな質的変化が起きてくる!という認識なのです。


 これから起きる変化が、どんな影響を私たちに与えていくのか、と意識しておきましょう。
心の準備ができていますか?と書いていますが、これは、物質的な変化、外的なテクノロジーの変化という意味だけではなく、心というか、私達人間の認識システムの変容を引き起こす変化である、と感じているからなのだと思います。

 現代では既に、先端物理学の視点では、意識が物質の粒子を存在させてそれを見ているのであって、意識されないとき粒子は消えて、波の状態になって消えてしまう。波と言っても振動波の状態だと言えるでしょうか。

 以前にも書きましたが、ニールス・ボーアとアインシュタインの有名な論争があります。「それでは何かね、ボーア君、人が見ていない時、月は存在しない!とでも言うのかね!」ちょっと私の脚色、編集が入っていますが、既に大御所となったアインシュタインが、若手の量子論の研究者であるニールス・ボーアに言い放った言葉です。あのアインシュタインでさえ理解しようとしなかった意識と物質の関係。

 詳細は、どうぞ詳しくリサーチしてみてください。現在、この量子力学の研究成果のもとに、様々な技術が誕生し、世界の生活・社会システムをかなり変化させてきています。当大学院も、インターネットの大学院としてその技術の恩恵にあずかり、世界各地の入学者たちをどこにでも居ながらにして迎え、多様な皆さんのマイペースな生活のまま、学習を続けることができていますし、WEBメールやWEB会議などで、相互のコミュニケーションと成果を共有しています。

 本学のような遠隔教育機関ばかりでなく、今や、通学制の大学、大学院であれ、このインターネットコミュニケーションシステムなしには、活動できなくなっている!とさえいえるでしょう。皆さんの生活を振り返ったらすぐにお分かりになると思いますが、インターネットシステムが、世界のビジネス、研究、様々な活動システムを変えてしまいました。

 今のところ、通勤や通学には、電車を乗り継いだり、車を走らせたり、飛行機を使うことが必要なようですが、それがどうでしょうか?もし、
5Gの伝送処理レベルが実現したら、いろんなことが遠隔通信システムで可能になりますね。いまや、戦争でさえ、サィバー戦争と言われる時代です!!

 ◆サイバー戦争とは、インターネット及びコンピューター上で行われる戦争行為のことである。クラッカー等の集団や、国家によって組織されたサイバー軍および情報機関により、敵対する国家、企業、集団、個人等を攻撃する。【 出典:
ウィキペディア
とありますが、このウィキペディアにもよくお世話になっています。従来のよく吟味された辞書ほどの確実性というか固定性はないのですが、現代の変化を映し出すユニークな辞典となっています。

 このウィキペディア自体の制作プロセスや、維持のシステムそのものがインターネットシステムの概念の上に構築されたものです。印刷出版物のように一度印刷したら、誤植は簡単に修正されない、というものでもなく、しかるべきディスカッションのもとに、修正されていきます。

 勿論、人によっては見解が異なりますから、意見が相反することもあるでしょう。ある意味で、従来のような客観性が色濃く出るというよりは、前後の文脈や関連情報の多様さ、ボリュームのほうにウエートが高くなるし、自分も編集者に参加していく、ということさえ可能になっていますから、
観性重視の外面的理解に加えて、さらには
主体の中に入り込んで見ていくという内面理解との双方を持つ両義的認識へと誘われている!とさえ、言えるのではないかと思います。

 昔、
SF好きの学生だった頃と記憶していますが、SF作家の豊田有恒氏の
「両面宿儺」という作品を思い出します。とても衝撃を受けたのでしょう。今でもすぐに脳裏に浮かぶのですから。その作品はさておき、ネタ元である「両面宿儺」を理解すれば、古代のほうが現代よりずいぶん宇宙的な感じがします。

 インターネットは、言わば、世界中の頭脳のつながり、頭脳のネットワークとも言えますから、いつも、リサーチをしていく習慣をつけることが大事ですね。その検索作業は、翻訳者にとっては最も大事な作業です。翻訳者とは、ただ言語が理解でき、表現できるというだけでなく、書き手にとって、読み手に取って、双方にとっていかに必要にして十分な情報として提供できているか?ということになります。つまり、読み手が変われば、翻訳も変えていく必要がある、ということでもあるのです。まさに打ち出の小槌的なマジックです。

 最近では、
3Gから4Gへと変化し、ユーチューブがとても活発になり、情報の内容がリアルに感受できるようになったり、イメージが鮮明になったりしてきています。まさに5Gの時代への橋渡しともいうべき「ユーチューブ」です。バベルプレスも、この秋はそれらの準備、高速情報通信網でなければ実現できないコミュニケーションレベルへと移行するための準備中です。

 同様に、バベル翻訳専門職大学院も動画の提供を始めていきます。当面は、受信の地域での差があるかもしれませんが、これからの高速情報通信網の時代には、さらなる学習システムの進化が期待されます。例えば、院生の方々がお互いに通信、交流できるようになるでしょうし、教師も学生も各地に居ながらにして、リアルな授業参加の形が実現するかもしれません。しかも、それは、今、同時に参加しているのではなく、時間差があっても、対話や質疑応答が体験できる、というようになるのかもしれません。

 こう考えてくると、期待が膨らみますね。ワクワクします。授業の進め方だけでなく、ビジネスの在り方も劇的な変化を遂げるかもしれません!遠隔地間のコミュニケーションレベルが、今、実際に出会って会話したりしているように、まるで、リアルの体験のようになっていくのでしょう!

 まだまだいろいろな関門を乗り越える必要がありそうですが、月を消すのも、明るく輝かせるのも、私達人間の【
見るという意識が働いている】のだとしたら、しっかり意識をして、5Gの素晴らしい世界を創造=想像していきたいものですね。

 最後までお読みいただき、有難うございます。


 
「翻訳とは何か? へ至る試み
~2020年大きく変化する社会環境へ適応するために」







  

 

  バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 
 
 読者の皆さま、こんにちは、大きなテクノロジー変化に適応する準備は進んでいますか?
このところ、このようなタイトルをずっと継続中ですが、何を考えているのかしら?と不審に思われるかもしれません。あなたは現代の状況をどう考えていますか?
これから起きる、いや既にどんどん進行、または潜行している変化が、どんな影響を私たちに与えていくのだろうか?と考えていらっしゃいますか?

 前号では「翻訳を学び、日頃から翻訳に従事されている読者の皆様にはお分かりのように、【翻訳とは異文化との衝突を乗り越えて通じ合わせる試みである】と言えるのですから、恐れるに足らず、かもしれません。今起きているテクノロジーの変化で引き起こされる体験とは、ある意味、
【翻訳の本質そのものが、世界の現象として表れている】とも考えられるのです。」と書きました。

 そして、これまでの四十数年の翻訳一筋のビジネス活動の中でこの考察へと至るわけですが、それは、つまり
「世界は翻訳である」ということへの気づきなのです。これが、私のこれまでの翻訳ビジネス実践に基づく哲学的考察の結果であり、「そうか、これを知るために今回生まれてきたのか!」とさえ、思い至るのです。

 「月刊誌 
翻訳の世界」を創刊したのは
197610月です。43年前のことです。このWEB TPT の前身の前身、の月刊誌です。この雑誌を発行しながら「翻訳とは何か?」を探求し始めたわけです。当時の翻訳に関する論壇はまだ未成熟でしたが、作家や翻訳家、大学教授、研究者の方々が執筆、寄稿してくださいました。テーマは、翻訳とは何か、どうすれば翻訳技術を高められるか、誰もが到達できる翻訳技法とはなにか?日本語とは何か、などの研究を重ねたいという思いで創刊号は一万五千部を発行しました。

 「翻訳とは何かを探求する」雑誌を発行するために、雑誌発行のノウハウを教えていただこうと、ある出版社の雑誌編集長をご紹介いただき伺ったところ、「そんな翻訳専門の雑誌は売れない、三号雑誌で終わるから、やめたほうがいい」とアドバイスをいただき「それならぜひやりたい!」と思い出版したのですから、かなりへそ曲がりです。その印刷物の雑誌は確か、通巻
400号くらいまで発行し、それが、今では、WEBマガジンとなり、世界の様相もインターネット時代になり、隔世の感があります。

 ところで、この頃実感するのは、これから起きる変化の影響度は、
1994年の商用インターネットの登場に匹敵する以上の大変化になっていく!ということです。20代や30代の方たちには物心ついた時にはインターネットが身近にあり、それは普通に使いこなすもの、単にツールだという感覚だったのではないかと思います。

 しかし、これから起きてくる
5Gから始まる大容量の情報の伝送速度が100倍から数百倍へ、さらには千倍などというレベルが、いったいどういうことになるのか?イメージできますか?現代人の脳の情報処理速度は、PCで使用するプログラムのスピードに、追い付かれそうになっているのではないでしょうか?なぜなら、自分の頭脳を使わず、ソフトウェアを使うだけになっていますから。人間の脳が思考=試行の錬磨で発達するチャンスが無くなっているとも言えるのです。

 単にシステム、ソフトウェアを使って計算し、その結果を理解しているだけでは、我々人間の脳のトレーニングはできていかないのですね。すると、当然、ソフトウェアと競争して脳トレをしていくのか、ソフトウェアに任せて、人間は別の部分、
AIができない部分を担当するのか、というように対応することが必要になります。このように、考えると、昔見たSF映画の世界に突入しているのだなあ!と、実感せざるを得ないのです。

 まさにスピードは質をも変化させていく、ということになります。とりわけ、この
2017年頃から2020年へかけての数年は、世界の政治情勢、気象環境、経済状況など、世界的な変化が起きていることがわかります。

 それらの変化はなぜ起きているのでしょうか?それは、これまでの
既成の観念、既成の事実となっている現代の文化・文明を築いてきたテクノロジーが、大きく変化していくからだと、推測できます。現代の既成のテクノロジー世界と、
5Gをきっかけに表れてくる【新たな文化・文明との衝突】として起きているとも考えられますね。

 バベルは創業以来
40数年を経て、この間の様々な環境変化を体験し、その変化を追い風として生き抜いてきました。今回はこれまでの変化の規模、質、内容など、かつてない水準のものになる、という何か武者震いのような感覚があります。知識レベルでの情報ではなく、ビジネス活動の現場で生きていくことは、自身の肌感覚、皮膚感覚という生ものだと実感していますので、全身、全組織、全システムとの有機的なつながりを再構築しなおす!というような目に見えない作業を行っています。
 
 そのためかどうかわかりませんが、物忘れが頻繁に起き、今何をやろうとしていたのかしら?などと、ほとんど認知症になったのかしら、というような状態の時もあります。笑い

 毎度のことですが、月日の経つのが早いですね。今年も、もう十月、神無月となり、あと来月、再来月を残すばかりとなりました。時間の経過を早く感じるようになる、ということは、現実とのかかわりが希薄になりつつあるから、ということも考えられます。なぜなら、現代の事象、現象は、すっかりおなじみになってしまっているからだとも言えますから。

 つまり、日々の体験に新鮮さがなくなり、同じことを毎日繰り返す日常となってしまったら、もはや新鮮味のない、昨年、前月、昨日も同じだった、というような感じになってしまっているのです。これでは、判で押したような生活パターンの繰り返し、となってしまいます。

 いかがでしょうか、あなたの生活は、淡々と日々を繰り返していることになっていませんか?もしそうなら、是非、これから急変するテクノロジーについて調べてみてはいかがでしょうか? この世界、つまり、
翻訳の世界は、新たな言語世界、新たな認識の文明との衝突とまさに大きな変化が進行中、と言えるのではないかと思います。

 翻訳に従事する皆さんにとっては、この変換ポイントが一番の難関であり、同時にそれは、またとない大きなチャンス到来なのではないでしょうか!新たな世界をどういう世界にしたいのか?そのような問いかけを自分自身に投げかけてみましょう。

 それが、自分の
翻訳の世界の作り方です。つまり、どういう世界創造=世界翻訳文法を持つかということになりますね。創造とは想像であり、想像とはデータをどう翻訳したか?ということでもあるのです。データは言語であり、数字であり、気分、感覚でもあります。それらは、受信者がどう受け止めたか?を表しているのです。

 世界を認識する文法、それが翻訳文法であり、同時に価値観です。あなたがどういう価値感を持っているのかによって、世界認識が変わります。あなたは、どんな翻訳文法を持っているのでしょうか?
これが、私が至った認識、すなわち【世界は翻訳である】ということなのです。

 最後までお読みいただき、有難うございます。



 
「差取りは悟り?既成概念の世界からいかに脱出するか?
 -2019年から2020年は、大きな変換の時です。その③」






  

 

  バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 
 
 皆様こんにちは、6月、7月に引き続き87日号の記事をお休みしました。表題にある通り、このところ進展している画期的な世界の変化に対応するためのリサーチやそれへの理解、試行=思考・錯誤に熱中、格闘する日々を過ごしているためです。

 そんな中で、切実に感じるのは、今回の変化は画期的で、まさに、既成概念に捉われない!!という理念との格闘だという実感です。つまり、現在、共通の認識、既成概念となっているこの世界が、我々現代人の概念体系、知識体系として、世界の隅々まで浸透し、共有され、その既成概念化が、半端ないレベルに達してまとわりついているということです。

 今、起きている変化が、単にテクノロジーの変化だと言う捉え方では、今回の変化を実感するのには不十分かもしれません。言わば、
5Gの世界から始まる新世界のテクノロジーの本質を知るには、認識の拡大・変容が伴う必要があるのではないかと気づいたのです。そのような本質的大変化が起きようとしているのです。凄いワクワクですね。

 これは、翻訳を学び日頃から翻訳に従事されている読者の皆様にはお分かりのように、【翻訳とは異文化との衝突を乗り越えて通じ合わせる試み】と言えるのですから、恐れるに足らず、かもしれません。今起きているテクノロジーの変化は、ある意味、
翻訳の本質そのものが、世界の現象として表れているとも考えられるのです。

 それは、すなわち、既成の観念、事実となっているこれまでの文化・文明と、
5Gをきっかけに表れてくる新たな文化・文明の衝突と言えますし、文明の衝突に匹敵する大きな変容・変化が起きてくる、というレベルなのです変化・変容が起きるとは、私たちの外界認識、世界認識、自己認識などの【認識システム】に大きな揺らぎが起きて従来の価値観が変化していくことを示しています。

 過去の認識方法のままでいると、現代の驚異的な情報の増殖、置き換えの時代には、これまでの蓄積した情報がすっかり古くなり、
不適応誤訳 が予想されます。従って、変化に適応できる思考のためには、情報に対する感度をあげ、予想を立てては比較対照し推敲する、というように、従来の思考システムとの整合性を取りながら進めるプロセスが必要なので、結構時間と手間がかかります。今まで慣れてきた仕組みや生活習慣は、それなりに居心地がいいので、なかなか変えにくいからなのです。これまでのなじみ深い習慣が、変化の大敵!となってくるのですね。

 ところで、バベルの翻訳家養成の事業の創業は
19744月、そこから実に45年が経過しています。郵便による通信教育からインターネットシステムによる遠隔教育と言葉が変化していますが、言葉は概念そのものを表しているわけですから、郵便の通信教育とは、質的、時間的、社会的、技術的な大幅な変化がそこには内在されているということなのです。

 科学の用語に
「折りたたまれている」という表現がありますが、
「内在」とは、まさに「折りたたまれている」ということですね。これは、私の表現では、社会システムとして既成概念化したことだと言えるのです。

 というわけで、何を壊さなければならないのかと言えば、
1
994年に登場したインターネットシステムを新たな概念として取り入れ、思考の枠組みとして構築してきた自分自身の経験が、20年近く経過してすっかり既成概念化してしまっているということに気づき、それを壊していということなので

 例えば、釈迦が覚醒した認識レベルは私達にはわかりません。しかし、今、起きている現代の先端科学研究は、私たち一般人の常識への配慮などにとどまることなく、地球の過去の知識体系に捉われることもなく、コンピュータという計算機の活用によってどんどん発見され、刷新されてきています。

 それは、同時に、釈迦の弟子たちやその後世の修行者、研究者達によって継承され、体験され、伝承されてきた釈迦の悟りの世界
【生きるとは何か=空という釈迦の世界認識】と言う、世界認識の多様性の深みへと導いているのではないかと思います。それは、シミュレーションです。思考の自由度が保証された世界です。

 そして、釈迦の悟りも先端科学の
AI研究も同じく【
世界とは何かを探求しているわけですが、私の視点から言えば、それは【翻訳であるということです。先端科学は、ある意味、悟り=差取りへの道であり、それはまさに翻訳であり、翻訳の先端でもあるのです。

 
私たちはコンピューターシステムを使っていますが、多くはその仕組みさえも知らずに活用法だけ習得して、日々の生活に役立てています。それは、ある意味ではどんどん時間が短縮される技術であることはご承知ですね。勿論、簡略されたのは時間ばかりではなく、道具も簡便化されました。PCによって、仕事の仕方が画期的に変わったのです。

 これらは、従来のテクノロジーから、新しいテクノロジーが登場したことにより、世界認識への大きな変化を引き起こしたといえます。

 今、進行中の社会の変化、テクノロジーの変化に伴い、どのように適応していけばいいのか、ということで、今回は、
AI人工知能に関してresearchして感じたことについて書きました。私達、翻訳者は、常に、いろいろな観点からresearch
してはこれまでの自分の知識の集積を評価したり、比較対照したりして考え、新たな知識情報の蓄積・更新を日々行うことが必要です。

 何が正しいのか?そういう問の立て方が、そもそも間違っているのかしれません。なぜなら、全てを直接目撃することはできませんし、もし、目撃したとしても、それをどう解釈し、記述するかについて、多様な表現を含むことになるのです。それが、私が至った認識で、すなわち【世界は翻訳である】ということなのです。

 【世界】を知り、伝達していく上で、科学者の方法だけが唯一の方法、記述法ではないのです。例えば、文芸作品として、文化様式として、日頃の思いという表現法として、生き方という作品として、
あらゆる表現方法が選択されるのを待っています

 まだまだ変化・変容は続いていますので、今後も、なかなか気が抜けませんね。でも、毎日が目に新しく、耳に新鮮なココロ踊るニュースや記事に出会うので、何か楽しい、新発見の日々を過ごせるのですね。

 最後までお読みいただき、有難うございます。
「差取りは悟り?既成概念の世界からいかに脱出するか?
 -2019年から2020年は、大きな変換の時です。その③」






  

 

  バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 
 
 皆様こんにちは、6月、7月に引き続き87日号の記事をお休みしました。表題にある通り、このところ進展している画期的な世界の変化に対応するためのリサーチやそれへの理解、試行=思考・錯誤に熱中、格闘する日々を過ごしているためです。

 そんな中で、切実に感じるのは、今回の変化は画期的で、まさに、既成概念に捉われない!!という理念との格闘だという実感です。つまり、現在、共通の認識、既成概念となっているこの世界が、我々現代人の概念体系、知識体系として、世界の隅々まで浸透し、共有され、その既成概念化が、半端ないレベルに達してまとわりついているということです。

 今、起きている変化が、単にテクノロジーの変化だと言う捉え方では、今回の変化を実感するのには不十分かもしれません。言わば、
5Gの世界から始まる新世界のテクノロジーの本質を知るには、認識の拡大・変容が伴う必要があるのではないかと気づいたのです。そのような本質的大変化が起きようとしているのです。凄いワクワクですね。

 これは、翻訳を学び日頃から翻訳に従事されている読者の皆様にはお分かりのように、【翻訳とは異文化との衝突を乗り越えて通じ合わせる試み】と言えるのですから、恐れるに足らず、かもしれません。今起きているテクノロジーの変化は、ある意味、
翻訳の本質そのものが、世界の現象として表れているとも考えられるのです。

 それは、すなわち、既成の観念、事実となっているこれまでの文化・文明と、
5Gをきっかけに表れてくる新たな文化・文明の衝突と言えますし、文明の衝突に匹敵する大きな変容・変化が起きてくる、というレベルなのです変化・変容が起きるとは、私たちの外界認識、世界認識、自己認識などの【認識システム】に大きな揺らぎが起きて従来の価値観が変化していくことを示しています。

 過去の認識方法のままでいると、現代の驚異的な情報の増殖、置き換えの時代には、これまでの蓄積した情報がすっかり古くなり、
不適応誤訳 が予想されます。従って、変化に適応できる思考のためには、情報に対する感度をあげ、予想を立てては比較対照し推敲する、というように、従来の思考システムとの整合性を取りながら進めるプロセスが必要なので、結構時間と手間がかかります。今まで慣れてきた仕組みや生活習慣は、それなりに居心地がいいので、なかなか変えにくいからなのです。これまでのなじみ深い習慣が、変化の大敵!となってくるのですね。

 ところで、バベルの翻訳家養成の事業の創業は
19744月、そこから実に45年が経過しています。郵便による通信教育からインターネットシステムによる遠隔教育と言葉が変化していますが、言葉は概念そのものを表しているわけですから、郵便の通信教育とは、質的、時間的、社会的、技術的な大幅な変化がそこには内在されているということなのです。

 科学の用語に
「折りたたまれている」という表現がありますが、
「内在」とは、まさに「折りたたまれている」ということですね。これは、私の表現では、社会システムとして既成概念化したことだと言えるのです。

 というわけで、何を壊さなければならないのかと言えば、
1
994年に登場したインターネットシステムを新たな概念として取り入れ、思考の枠組みとして構築してきた自分自身の経験が、20年近く経過してすっかり既成概念化してしまっているということに気づき、それを壊していということなので

 例えば、釈迦が覚醒した認識レベルは私達にはわかりません。しかし、今、起きている現代の先端科学研究は、私たち一般人の常識への配慮などにとどまることなく、地球の過去の知識体系に捉われることもなく、コンピュータという計算機の活用によってどんどん発見され、刷新されてきています。

 それは、同時に、釈迦の弟子たちやその後世の修行者、研究者達によって継承され、体験され、伝承されてきた釈迦の悟りの世界
【生きるとは何か=空という釈迦の世界認識】と言う、世界認識の多様性の深みへと導いているのではないかと思います。それは、シミュレーションです。思考の自由度が保証された世界です。

 そして、釈迦の悟りも先端科学の
AI研究も同じく【
世界とは何かを探求しているわけですが、私の視点から言えば、それは【翻訳であるということです。先端科学は、ある意味、悟り=差取りへの道であり、それはまさに翻訳であり、翻訳の先端でもあるのです。

 
私たちはコンピューターシステムを使っていますが、多くはその仕組みさえも知らずに活用法だけ習得して、日々の生活に役立てています。それは、ある意味ではどんどん時間が短縮される技術であることはご承知ですね。勿論、簡略されたのは時間ばかりではなく、道具も簡便化されました。PCによって、仕事の仕方が画期的に変わったのです。

 これらは、従来のテクノロジーから、新しいテクノロジーが登場したことにより、世界認識への大きな変化を引き起こしたといえます。

 今、進行中の社会の変化、テクノロジーの変化に伴い、どのように適応していけばいいのか、ということで、今回は、
AI人工知能に関してresearchして感じたことについて書きました。私達、翻訳者は、常に、いろいろな観点からresearch
してはこれまでの自分の知識の集積を評価したり、比較対照したりして考え、新たな知識情報の蓄積・更新を日々行うことが必要です。

 何が正しいのか?そういう問の立て方が、そもそも間違っているのかしれません。なぜなら、全てを直接目撃することはできませんし、もし、目撃したとしても、それをどう解釈し、記述するかについて、多様な表現を含むことになるのです。それが、私が至った認識で、すなわち【世界は翻訳である】ということなのです。

 【世界】を知り、伝達していく上で、科学者の方法だけが唯一の方法、記述法ではないのです。例えば、文芸作品として、文化様式として、日頃の思いという表現法として、生き方という作品として、
あらゆる表現方法が選択されるのを待っています

 まだまだ変化・変容は続いていますので、今後も、なかなか気が抜けませんね。でも、毎日が目に新しく、耳に新鮮なココロ踊るニュースや記事に出会うので、何か楽しい、新発見の日々を過ごせるのですね。

 最後までお読みいただき、有難うございます。

 

2019年8月22日 第229号 巻頭言

「差取りは悟り?既成概念の世界からいかに脱出するか?
 -2019年から2020年は、大きな変換の時です。その③」






  

 

  バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 
 
 皆様こんにちは、6月、7月に引き続き87日号の記事をお休みしました。表題にある通り、このところ進展している画期的な世界の変化に対応するためのリサーチやそれへの理解、試行=思考・錯誤に熱中、格闘する日々を過ごしているためです。

 そんな中で、切実に感じるのは、今回の変化は画期的で、まさに、既成概念に捉われない!!という理念との格闘だという実感です。つまり、現在、共通の認識、既成概念となっているこの世界が、我々現代人の概念体系、知識体系として、世界の隅々まで浸透し、共有され、その既成概念化が、半端ないレベルに達してまとわりついているということです。

 今、起きている変化が、単にテクノロジーの変化だと言う捉え方では、今回の変化を実感するのには不十分かもしれません。言わば、
5Gの世界から始まる新世界のテクノロジーの本質を知るには、認識の拡大・変容が伴う必要があるのではないかと気づいたのです。そのような本質的大変化が起きようとしているのです。凄いワクワクですね。

 これは、翻訳を学び日頃から翻訳に従事されている読者の皆様にはお分かりのように、【翻訳とは異文化との衝突を乗り越えて通じ合わせる試み】と言えるのですから、恐れるに足らず、かもしれません。今起きているテクノロジーの変化は、ある意味、
翻訳の本質そのものが、世界の現象として表れているとも考えられるのです。

 それは、すなわち、既成の観念、事実となっているこれまでの文化・文明と、
5Gをきっかけに表れてくる新たな文化・文明の衝突と言えますし、文明の衝突に匹敵する大きな変容・変化が起きてくる、というレベルなのです変化・変容が起きるとは、私たちの外界認識、世界認識、自己認識などの【認識システム】に大きな揺らぎが起きて従来の価値観が変化していくことを示しています。

 過去の認識方法のままでいると、現代の驚異的な情報の増殖、置き換えの時代には、これまでの蓄積した情報がすっかり古くなり、
不適応誤訳 が予想されます。従って、変化に適応できる思考のためには、情報に対する感度をあげ、予想を立てては比較対照し推敲する、というように、従来の思考システムとの整合性を取りながら進めるプロセスが必要なので、結構時間と手間がかかります。今まで慣れてきた仕組みや生活習慣は、それなりに居心地がいいので、なかなか変えにくいからなのです。これまでのなじみ深い習慣が、変化の大敵!となってくるのですね。

 ところで、バベルの翻訳家養成の事業の創業は
19744月、そこから実に45年が経過しています。郵便による通信教育からインターネットシステムによる遠隔教育と言葉が変化していますが、言葉は概念そのものを表しているわけですから、郵便の通信教育とは、質的、時間的、社会的、技術的な大幅な変化がそこには内在されているということなのです。

 科学の用語に
「折りたたまれている」という表現がありますが、
「内在」とは、まさに「折りたたまれている」ということですね。これは、私の表現では、社会システムとして既成概念化したことだと言えるのです。

 というわけで、何を壊さなければならないのかと言えば、
1
994年に登場したインターネットシステムを新たな概念として取り入れ、思考の枠組みとして構築してきた自分自身の経験が、20年近く経過してすっかり既成概念化してしまっているということに気づき、それを壊していということなので

 例えば、釈迦が覚醒した認識レベルは私達にはわかりません。しかし、今、起きている現代の先端科学研究は、私たち一般人の常識への配慮などにとどまることなく、地球の過去の知識体系に捉われることもなく、コンピュータという計算機の活用によってどんどん発見され、刷新されてきています。

 それは、同時に、釈迦の弟子たちやその後世の修行者、研究者達によって継承され、体験され、伝承されてきた釈迦の悟りの世界
【生きるとは何か=空という釈迦の世界認識】と言う、世界認識の多様性の深みへと導いているのではないかと思います。それは、シミュレーションです。思考の自由度が保証された世界です。

 そして、釈迦の悟りも先端科学の
AI研究も同じく【
世界とは何かを探求しているわけですが、私の視点から言えば、それは【翻訳であるということです。先端科学は、ある意味、悟り=差取りへの道であり、それはまさに翻訳であり、翻訳の先端でもあるのです。

 
私たちはコンピューターシステムを使っていますが、多くはその仕組みさえも知らずに活用法だけ習得して、日々の生活に役立てています。それは、ある意味ではどんどん時間が短縮される技術であることはご承知ですね。勿論、簡略されたのは時間ばかりではなく、道具も簡便化されました。PCによって、仕事の仕方が画期的に変わったのです。

 これらは、従来のテクノロジーから、新しいテクノロジーが登場したことにより、世界認識への大きな変化を引き起こしたといえます。

 今、進行中の社会の変化、テクノロジーの変化に伴い、どのように適応していけばいいのか、ということで、今回は、
AI人工知能に関してresearchして感じたことについて書きました。私達、翻訳者は、常に、いろいろな観点からresearch
してはこれまでの自分の知識の集積を評価したり、比較対照したりして考え、新たな知識情報の蓄積・更新を日々行うことが必要です。

 何が正しいのか?そういう問の立て方が、そもそも間違っているのかしれません。なぜなら、全てを直接目撃することはできませんし、もし、目撃したとしても、それをどう解釈し、記述するかについて、多様な表現を含むことになるのです。それが、私が至った認識で、すなわち【世界は翻訳である】ということなのです。

 【世界】を知り、伝達していく上で、科学者の方法だけが唯一の方法、記述法ではないのです。例えば、文芸作品として、文化様式として、日頃の思いという表現法として、生き方という作品として、
あらゆる表現方法が選択されるのを待っています

 まだまだ変化・変容は続いていますので、今後も、なかなか気が抜けませんね。でも、毎日が目に新しく、耳に新鮮なココロ踊るニュースや記事に出会うので、何か楽しい、新発見の日々を過ごせるのですね。

 最後までお読みいただき、有難うございます。


 
「準備できていますか?
 -2019年から2020年は、大きな変換の時です。その②」






  

 

  バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 
 
 皆様こんにちは、このところ、6月と7月の7日号の記事はお休みしました。表題にある通り、引き続き起きてくるであろう、大きな世界の変化に対応するための準備に忙しい日々を過ごしていたためです。まだ、対応策は続いていますので、今年は時々お休みするかもしれません。

 今、進行中の社会の変化、テクノロジーの変化に伴い、どのように適応していけばいいのか、いろいろな観点から
researchしては考え、プランを立ててはやり直しと、従来システムの整理をしながらなので、結構時間がかかっています。今まで慣れてきた仕組みや生活習慣は、それなりに居心地がいいので、なかなか変えにくい!という問題もあるのです。これまでのなじみ深い習慣が、変化の大敵!となっているのですね。

 バベルの経営理念は【既成概念に捉われない!】ということなのですが、振り返ってみると、すっかり既成概念だらけになってしまっているのでした!(笑い)
 バベルの事業開始は
19744月でしたので、既に、満45年を過ぎ、この令和元年、20194月で46年目、太陽と共に巡る46回目の周回軌道に入っています!

 バベルにとって、この
46年間の一番大きな衝撃は、なんといっても、米国における1994年の商用インターネットの登場、サービス開始です。インターネットの登場のニュース記事を読み、その場で「そうだ、インターネットの翻訳専門職大学院を作ろう!」と、決断しました。WEB開始の第1世代から昨今の4G(第4世代)まで、世界がそれに適応して変化してきて、およそ20年近い年月が経過しました。単純計算では1世代+5年の期間が経過している勘定になります。

 今、世界が直面しているのは「第
5世代=5G」の世界だと、何号もの本稿にて繰り返しています。勿論、人それぞれの感じ方でいいのですが、私自身は、事業家としてビジネスをするのであれば、市場=マーケットの変化や、マーケットコミュニケーションの変化に適応できなければ消えていく、という概念を持っているために駆り立てられているのです。つまり、インターネットテクノロジーの変化によって、ビジネスの在り方が全く変化してしまうかもしれない!という直感に突き動かされているのです。

 実は、このような変化に対応することが好きなんですね!ずっと同じことを同じ姿勢でやり続けると腰は痛くなるし、腕も疲れてきます。そのような身体や姿勢の固定化が好きではない、とも言えるのですが(笑)。

 歴史的な技術や社会の変化のタイミングは、時代を下るにしたがって変化の間隔が早まっています。それに、昔から「十年ひと昔」ということが言われてきたように、十年もの経過は、当初の先進技術を古くさせ、社会システムも古びたものに変えてしまうと言えます。
それがなんと
1994年から数えれば25年、21世紀になってからも20
年にもなろうとしています。これは、まさに、既成概念化してしまったことだと言えるのです。

 結局、何を壊さなければならないのかと言えば、
当時、新たな概念として取り入れた、または構築してきた自分自身の思考とそのシステムが、
20年近く経過して、すっかり既成概念化してしまっている、ということなのです。

 私たち人間は、自分の顔を自分で見ることができません。鏡に写してみるか、他人の目で見てもらって説明してもらうかしかないのです。でも、他人の目でいくら説明を聞いてもそれが真実であるとわかるのでしょうか?複数の人が同じ指摘をした、ということでそうなのかもしれない!だって何人もの人が同じことを言うのだから!という理屈が立ちそうですが、これがそう簡単にはいきません。人によって見方、感じ方、考え方が違うからです。

 つまり、私たち人間は、自分を見る、自分を知ることができない存在である、ということです。いかがでしょうか?あなたは、自分とは何者か?自分は今どういう状態かをご存じでしたか?自分は、自分のことをよく知っていると錯覚してきただけだと思いませんか?

 ところで、「顔」とは何でしょうか?「顔」とは自分という存在の特徴を判別するシステムであり、私たち人間は、身体よりは「顔」にこだわりがありますね。これは誰か?を特定するために「顔」が使われます。「顔役」などという言葉もあります。現代の私たち人間は、「顔」が「自分だと認識」する重要な要素であり、次に身体の固有な特徴「体重・身長・体形なども「自分だと認識」する要素となっています。しかし、似たような体形であっても「顔」が違えば別人となります。従って、「顔」が自分だと認識する重要な要素だと言えるのです。面白いですね。

 そう言えば、織田信長のデスマスクは有名です。なぜ、デスマスクを残したのでしょうか?デスマスクの作成の真の意図はわかりませんが、ある筋の方からのお話を聞くところによれば、信長は本能寺の変で死なずに逃げ延び、遠くローマまで行き、ローマ法王になろうとしたが、それはかなわなかったものの「枢機卿」になっていた!という情報があります。

 すごい展開=転回ですね。私たちが学校で、教科書で学んできた内容は、真偽のほどがわからないままに、いろんな物語を歴史の事実として教えられ、それを盲信して日本や世界の歴史というものを思考の枠組みとして取り入れてきているわけですが、確かに、学校の歴史教科書をまるで見てきたように書き上げてきた教科書作家達は、うそつきかもしれないと言わざるを得ないかもしれませんね。

 何が正しいのか?そういう問いの立て方が、そもそも間違っているのかもしれません。なぜなら、全てを直接目撃することはできないのですし、もしも、目撃したとしても、それをどう解釈し、記述するかも多様な表現を含むことになるのです。それこそが、私が至った認識であり、すなわち【世界は翻訳である】ということなのですから。

 【世界】という情報をどう翻訳するのか、それが【翻訳の世界】に生きる私たち
翻訳者としての人間の大事な役割だと自覚しましょう。そして、自分とは何か?世界とは何か?という、究極のテーマにまた一歩近づいていきましょう。

 最後までお読みいただき、有難うございます。

第227号 巻頭言

「準備できていますか?2019年から2020年は、大きな変換の時です。その②」





  

 

  バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 
 
 皆様こんにちは、このところ、6月と7月の7日号の記事はお休みしました。表題にある通り、引き続き起きてくるであろう、大きな世界の変化に対応するための準備に忙しい日々を過ごしていたためです。まだ、対応策は続いていますので、今年は時々お休みするかもしれません。

 今、進行中の社会の変化、テクノロジーの変化に伴い、どのように適応していけばいいのか、いろいろな観点から
researchしては考え、プランを立ててはやり直しと、従来システムの整理をしながらなので、結構時間がかかっています。今まで慣れてきた仕組みや生活習慣は、それなりに居心地がいいので、なかなか変えにくい!という問題もあるのです。これまでのなじみ深い習慣が、変化の大敵!となっているのですね。

 バベルの経営理念は【既成概念に捉われない!】ということなのですが、振り返ってみると、すっかり既成概念だらけになってしまっているのでした!(笑い)
 バベルの事業開始は
19744月でしたので、既に、満45年を過ぎ、この令和元年、20194月で46年目、太陽と共に巡る46回目の周回軌道に入っています!

 バベルにとって、この
46年間の一番大きな衝撃は、なんといっても、米国における1994年の商用インターネットの登場、サービス開始です。インターネットの登場のニュース記事を読み、その場で「そうだ、インターネットの翻訳専門職大学院を作ろう!」と、決断しました。WEB開始の第1世代から昨今の4G(第4世代)まで、世界がそれに適応して変化してきて、およそ20年近い年月が経過しました。単純計算では1世代+5年の期間が経過している勘定になります。

 今、世界が直面しているのは「第
5世代=5G」の世界だと、何号もの本稿にて繰り返しています。勿論、人それぞれの感じ方でいいのですが、私自身は、事業家としてビジネスをするのであれば、市場=マーケットの変化や、マーケットコミュニケーションの変化に適応できなければ消えていく、という概念を持っているために駆り立てられているのです。つまり、インターネットテクノロジーの変化によって、ビジネスの在り方が全く変化してしまうかもしれない!という直感に突き動かされているのです。

 実は、このような変化に対応することが好きなんですね!ずっと同じことを同じ姿勢でやり続けると腰は痛くなるし、腕も疲れてきます。そのような身体や姿勢の固定化が好きではない、とも言えるのですが(笑)。

 歴史的な技術や社会の変化のタイミングは、時代を下るにしたがって変化の間隔が早まっています。それに、昔から「十年ひと昔」ということが言われてきたように、十年もの経過は、当初の先進技術を古くさせ、社会システムも古びたものに変えてしまうと言えます。
それがなんと
1994年から数えれば25年、21世紀になってからも20
年にもなろうとしています。これは、まさに、既成概念化してしまったことだと言えるのです。

 結局、何を壊さなければならないのかと言えば、
当時、新たな概念として取り入れた、または構築してきた自分自身の思考とそのシステムが、
20年近く経過して、すっかり既成概念化してしまっている、ということなのです。

 私たち人間は、自分の顔を自分で見ることができません。鏡に写してみるか、他人の目で見てもらって説明してもらうかしかないのです。でも、他人の目でいくら説明を聞いてもそれが真実であるとわかるのでしょうか?複数の人が同じ指摘をした、ということでそうなのかもしれない!だって何人もの人が同じことを言うのだから!という理屈が立ちそうですが、これがそう簡単にはいきません。人によって見方、感じ方、考え方が違うからです。

 つまり、私たち人間は、自分を見る、自分を知ることができない存在である、ということです。いかがでしょうか?あなたは、自分とは何者か?自分は今どういう状態かをご存じでしたか?自分は、自分のことをよく知っていると錯覚してきただけだと思いませんか?

 ところで、「顔」とは何でしょうか?「顔」とは自分という存在の特徴を判別するシステムであり、私たち人間は、身体よりは「顔」にこだわりがありますね。これは誰か?を特定するために「顔」が使われます。「顔役」などという言葉もあります。現代の私たち人間は、「顔」が「自分だと認識」する重要な要素であり、次に身体の固有な特徴「体重・身長・体形なども「自分だと認識」する要素となっています。しかし、似たような体形であっても「顔」が違えば別人となります。従って、「顔」が自分だと認識する重要な要素だと言えるのです。面白いですね。

 そう言えば、織田信長のデスマスクは有名です。なぜ、デスマスクを残したのでしょうか?デスマスクの作成の真の意図はわかりませんが、ある筋の方からのお話を聞くところによれば、信長は本能寺の変で死なずに逃げ延び、遠くローマまで行き、ローマ法王になろうとしたが、それはかなわなかったものの「枢機卿」になっていた!という情報があります。

 すごい展開=転回ですね。私たちが学校で、教科書で学んできた内容は、真偽のほどがわからないままに、いろんな物語を歴史の事実として教えられ、それを盲信して日本や世界の歴史というものを思考の枠組みとして取り入れてきているわけですが、確かに、学校の歴史教科書をまるで見てきたように書き上げてきた教科書作家達は、うそつきかもしれないと言わざるを得ないかもしれませんね。

 何が正しいのか?そういう問いの立て方が、そもそも間違っているのかもしれません。なぜなら、全てを直接目撃することはできないのですし、もしも、目撃したとしても、それをどう解釈し、記述するかも多様な表現を含むことになるのです。それこそが、私が至った認識であり、すなわち【世界は翻訳である】ということなのですから。

 【世界】という情報をどう翻訳するのか、それが【翻訳の世界】に生きる私たち
翻訳者としての人間の大事な役割だと自覚しましょう。そして、自分とは何か?世界とは何か?という、究極のテーマにまた一歩近づいていきましょう。

 最後までお読みいただき、有難うございます。

 

第226号 巻頭言

「準備できていますか?2019年から2020年は、大きな変換の時です。」





  

 

  バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子
 
 
 
皆様こんにちは、前号、67日号の新原稿はお休みしました。と言いますのも、現在の情勢変化に引き続き起きてくるであろう、大きな世界の変化に対応するための準備に忙しい日々を過ごしていたためです。

 事業活動も、市場や社会、テクノロジーの変化に適応していくことが必要だと考えていますので、緊迫する世界情勢や、電子通信技術の第五世代の情報など、情勢の変化に対応するための一人一人の心の準備も含めて、多方面のリサーチを行い、準備が必要なのです。

 読者の皆さんはいかがでしょうか?この第五世代のテクノロジーでは、中国と米国の熾烈な戦いが展開されています。この第五世代技術の覇権争いは、まだ決着がどうつくのか、予断を許さない状況かと思います。

 第五世代技術は、従来の技術の変化とは比べ物にならない大きな飛躍、変化をもたらしそうです。単に、伝送技術の変化で、従来の
50倍から100倍の高速通信が実現する!と言われても、ちょっとピンときませんでしたが、いろいろ調べていくうちに少しずつその内容、社会がどう変化していくのかがイメージされてきています。

 変化についての興味は、人によりずいぶん異なると思いますが、最近よく聞くのが、車の自動運転システムの技術です。まだタクシーが自動運転システムに急に変わるとは思えませんが、すでにコマーシャルでご承知の方もおいででしょう。つまり、高速道路上での混雑時は自動運転に切り替えられるという内容です。

 このような場合だと、運転者は両手が空きますから、食事もできるし、本も読めるかもしれませんし、電話の会話を楽しむことも可能です。それに何より、渋滞の時のイライラが減りますから、事故も減るかもしれません。長時間の運転は神経がすり減りそうですから、歓迎される技術だと思います。

 しかし、これが、いつになるのかわかりませんが、仮にタクシーの運転手が
AIになったら、なんとなく不安ですね。やはり、人間の運転者のいる車に乗りたいですね。第五世代テクノロジーについてのリサーチはまだまだ序の口のような気がします。

 ただ、伝送速度が
50倍、100倍だといわれても、単に速度が早いという問題ではなく、そのスピードの変化が何を実現していくのかをよく考える必要があります。

  【仮想空間】という言葉をご承知の方も多いと思いますが、伝送速度が
50倍、100倍の世界は、私たち人間の現状の認識能力を優に超えている世界ではないかと思います。すると、仮想空間上に会議スペースを作り、その仮想会議室に私たちが入り込んであたかも対面で対話をしているような臨場感を体験することができるような事例も言われています。

 今使っている、
ZOOM会議に比べ、かなりリアルな臨場感が体験できそうですね。ここまでくると、つい、映画「マトリックス」を思い出しますが、SF小説のお好きな方なら、第五世代テクノロジーがまさにSFの世界を実現していくことが可能になっている、ことを実感されるのではないでしょうか?

 このような仮想空間、または、情報空間のテクノロジーということになるわけですから、中国、米国の覇権争いがエスカレートしていくことが予想できますね。しかし、何とか平和裏に新テクノロジーを使いこなせる社会になっていってもらいたいものです。

 バベル翻訳専門職大学院もインターネットで学ぶ大学院ですから、このような第五世代技術が使えるようになれば、あたかも、同じ教室で、教授や学友たちと共に学んでいる感覚で授業が受けられるようになることはとても素晴らしいテクノロジーだといえます。

 世界のどこにいても、遠く離れた家族や友人と語らい、会議やセミナーなどへの参加も可能になる世界のイメージはわきましたでしょうか?バーチャルリアリティの実感をどうイメージすればいいのでしょうか?まあ、体験するしかないですね!

 このように、仮想空間認識体験が普及すると、私達の社会は大きく変貌していくように思われます。これらの技術が提供され始めたら、それこそ、多くの人々のイメージ力、想像力が豊かになり、新しい社会システムが創造されていく時代になっていくのでしょう。


 1994年に始まった情報通信=インターネットシステムの世界は、2020年代になると、従来の社会システムとはまた違った、新たな社会システムが登場していくことになるのでしょう。このような大きな変化の時代を体験する、いや、遭遇することができたことは、素晴らしい喜びです。

 そんな思いを込めて、今号のメッセージといたします。
 読者の皆様も是非、新たな時代の目撃者となることを喜び、ご自身が実現したい現実をイメージして、豊かな未来を創造していきましょう。

  【世界】という情報をどう翻訳するのか、それが、【翻訳の世界】に生きる私たち翻訳者としての人間の大事な役割だと自覚してください。そして、自分とは何か?世界とは何か?という、究極のテーマにまた一歩近づいていきましょう。

 最後までお読みいただき、有難うございます。

第225号 巻頭言

「準備できていますか?2019年から2020年は、大きな変換の時です。」





  

 

  バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子
 
 
 
皆様こんにちは、前号、67日号の新原稿はお休みしました。と言いますのも、現在の情勢変化に引き続き起きてくるであろう、大きな世界の変化に対応するための準備に忙しい日々を過ごしていたためです。

 事業活動も、市場や社会、テクノロジーの変化に適応していくことが必要だと考えていますので、緊迫する世界情勢や、電子通信技術の第五世代の情報など、情勢の変化に対応するための一人一人の心の準備も含めて、多方面のリサーチを行い、準備が必要なのです。

 読者の皆さんはいかがでしょうか?この第五世代のテクノロジーでは、中国と米国の熾烈な戦いが展開されています。この第五世代技術の覇権争いは、まだ決着がどうつくのか、予断を許さない状況かと思います。

 第五世代技術は、従来の技術の変化とは比べ物にならない大きな飛躍、変化をもたらしそうです。単に、伝送技術の変化で、従来の
50倍から100倍の高速通信が実現する!と言われても、ちょっとピンときませんでしたが、いろいろ調べていくうちに少しずつその内容、社会がどう変化していくのかがイメージされてきています。

 変化についての興味は、人によりずいぶん異なると思いますが、最近よく聞くのが、車の自動運転システムの技術です。まだタクシーが自動運転システムに急に変わるとは思えませんが、すでにコマーシャルでご承知の方もおいででしょう。つまり、高速道路上での混雑時は自動運転に切り替えられるという内容です。

 このような場合だと、運転者は両手が空きますから、食事もできるし、本も読めるかもしれませんし、電話の会話を楽しむことも可能です。それに何より、渋滞の時のイライラが減りますから、事故も減るかもしれません。長時間の運転は神経がすり減りそうですから、歓迎される技術だと思います。

 しかし、これが、いつになるのかわかりませんが、仮にタクシーの運転手が
AIになったら、なんとなく不安ですね。やはり、人間の運転者のいる車に乗りたいですね。第五世代テクノロジーについてのリサーチはまだまだ序の口のような気がします。

 ただ、伝送速度が
50倍、100倍だといわれても、単に速度が早いという問題ではなく、そのスピードの変化が何を実現していくのかをよく考える必要があります。

  【仮想空間】という言葉をご承知の方も多いと思いますが、伝送速度が
50倍、100倍の世界は、私たち人間の現状の認識能力を優に超えている世界ではないかと思います。すると、仮想空間上に会議スペースを作り、その仮想会議室に私たちが入り込んであたかも対面で対話をしているような臨場感を体験することができるような事例も言われています。

 今使っている、
ZOOM会議に比べ、かなりリアルな臨場感が体験できそうですね。ここまでくると、つい、映画「マトリックス」を思い出しますが、SF小説のお好きな方なら、第五世代テクノロジーがまさにSFの世界を実現していくことが可能になっている、ことを実感されるのではないでしょうか?

 このような仮想空間、または、情報空間のテクノロジーということになるわけですから、中国、米国の覇権争いがエスカレートしていくことが予想できますね。しかし、何とか平和裏に新テクノロジーを使いこなせる社会になっていってもらいたいものです。

 バベル翻訳専門職大学院もインターネットで学ぶ大学院ですから、このような第五世代技術が使えるようになれば、あたかも、同じ教室で、教授や学友たちと共に学んでいる感覚で授業が受けられるようになることはとても素晴らしいテクノロジーだといえます。

 世界のどこにいても、遠く離れた家族や友人と語らい、会議やセミナーなどへの参加も可能になる世界のイメージはわきましたでしょうか?バーチャルリアリティの実感をどうイメージすればいいのでしょうか?まあ、体験するしかないですね!

 このように、仮想空間認識体験が普及すると、私達の社会は大きく変貌していくように思われます。これらの技術が提供され始めたら、それこそ、多くの人々のイメージ力、想像力が豊かになり、新しい社会システムが創造されていく時代になっていくのでしょう。


 1994年に始まった情報通信=インターネットシステムの世界は、2020年代になると、従来の社会システムとはまた違った、新たな社会システムが登場していくことになるのでしょう。このような大きな変化の時代を体験する、いや、遭遇することができたことは、素晴らしい喜びです。

 そんな思いを込めて、今号のメッセージといたします。
 読者の皆様も是非、新たな時代の目撃者となることを喜び、ご自身が実現したい現実をイメージして、豊かな未来を創造していきましょう。

  【世界】という情報をどう翻訳するのか、それが、【翻訳の世界】に生きる私たち翻訳者としての人間の大事な役割だと自覚してください。そして、自分とは何か?世界とは何か?という、究極のテーマにまた一歩近づいていきましょう。

 最後までお読みいただき、有難うございます。

 

第224号 巻頭言

「バベル翻訳専門職大学院の2019年度春季学位授与式のご報告」





  

 

                
BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子
 
  先日、518日に、バベル翻訳専門職大学院 2019年度春季学位授与式 を開催いたしましたので、その模様をご報告いたします。毎年、春季学位授与式東京にて開催し、秋季11月はハワイのホノルルにて開催します。今回は、6名の方たちの修了で、うち3名が東京の市谷の私学会館会場に出席され、ほかの3名はそれぞれ居住地、自宅からZOOM(電子会議システム)にての参加となりました。

 本学の教職員の諸先生方をはじめ、ご来賓の皆さん、先輩修了生の皆さんも出席のもと、
いつもながらの楽しい、喜びに満ちた学位授与式と祝賀パーティとなりました。修了生の皆さんは、それぞれ在籍期間は違いますが、何年もの学習期間を経て、やり遂げた!という充実感に満ちています。現地会場に出席された皆さんはもとより、日本の各地、海外各地のご自宅から
ZOOMを通じて出席の皆さんも会場の熱気を共に感じながら参加されていたように思います。

 このように、インターネットシステムとソフトウエアを活用することで、遠隔地であっても、まるですぐ隣にいるような会話のやり取りできたり、互いに顔をみて、また多くの参加者の様子もそこにいるように見ながら学位授与式に参加したり、祝辞を受けたり、講演を聞いたりできるという参加の形も選べるということは、まさに、現代のテクノロジーならではのことで、毎回のことですが、実に感慨深いものがあります。

 本学の学位授与式では、本学ならではのイベントがあります。修了生の皆さんは、学位記の授与を受けるだけでなく、この間の研鑽の成果と今後の抱負について、各自、プレゼンテーションを行います。会場参加者だけでなく、ZOOM参加者もみな同じようにプレゼンテーションを行うのです。自分の名前を呼ばれ、学位記を手にする瞬間もさることながら、この修了プレゼンテーションも皆さん熱心に取り組んでいます。

 バベル翻訳専門職大学院は、その名の通り、専門職養成の大学院ですから、アカデミックな大学院とは一風違っていて、翻訳専門職へのスタートラインに立った!という実感を教職員や来賓の皆さんと共有することになります。出版社の編集者や企業の方々も参加されますので、祝賀パーティでは、これからどんな分野の本の翻訳をしようかとか、独立開業しようかとか、卒業後の予定の話が盛り上がります。

 この瞬間が私たち、教職員にとっても、勿論、修了生の皆さんにとっても、同時にご家族の皆さんにとっても、一番充実した喜び、お祝いの気持ちがみなぎるひと時となります。

 本学は、多くの通学制の大学院と異なり、入学者の皆さんは多彩です。今回は60代の方を筆頭に20代、30代、40代、50代の、多様な年代の方々で、職業を持つ方もいます。
また、居住地が世界各地となりますから、普段はなかなか一堂に会することはないのですが、この学位授与式に合わせて日本へ帰国したり、また、ハワイでの授与式では、海外各地に分かれて住んでいる家族が各地から集まったりして、一緒にハワイ旅行も楽しむ!というようなこともよくお聞きします。

 インターネットの翻訳専門職大学院ならではの、特徴ある学生の皆さんの学位授与式の楽しみ方と言えるでしょう。このような入学者の皆さんのもう一つの特徴は、日本や、米国内ばかりでなく世界各地に居住されています。その多くは日本人女性の方たちです。インターネットでのビジネスコミュニケーションが普通になった今日ならではの特徴、だといえるでしょう。

 今回の学位授与式後の祝賀パーティでの話題は、これからどういう分野の翻訳作品を手掛けるか?ということと、やはり「
AI翻訳はどうなるか?」となりましたが、バベルでは、翻訳者が認証してこそAI翻訳の結果評価ができるわけで、今後はAI
を使いこなす翻訳技法の研究が必要だという話になりました。

 また、特別講演として、翻訳家であり大学教授でもある柴田裕之先生のお話がありました。柴田先生も1980年代にバベルの翻訳学習で学ばれて、現在は大学教授並びに、プロ翻訳家としてご活躍中ですが、講演によれば、先生は大学では建築工学という分野を学ばれ、その後翻訳家への歩みを進めて、常盤新平先生や別宮先生ほかに学ばれ、翻訳家として多くの作品を手掛けてこられました。

 そのご自身の人生と、ご自身の手掛けられた翻訳書とも重なるキーワード「つながりと広がり」というテーマで話されました。このテーマは、今回の
修了生へのメッセージとしてだけでなく、お話を伺いながら、私自身も1980年代からの歩みを思い起こすと共に、翻訳を通じて、柴田先生との長いおつきあいを実感し、感慨深いご講演でありました。

 今回の学位授与式の様子や、柴田先生のご講演など、ご了承が得られれば、現在準備中の「バベルプレス
TV」インターネットのユーチューブにて、皆さんにもご覧いただけるかもしれません。なかなか面白いテーマでのお話だったので、柴田先生のご了解をいただければインターネット配信をしたいと思います。

このように、毎回いろいろなエピソードに彩られる
「翻訳修士号 の学位授与式」です。
今回修了されて、晴れて【
MSTホルダー】となられた皆さんに心からのお祝いを述べて、2019年度春季学位授与式のご報告の結びとしたいと思います。

 今季修了された六名の皆さん、
翻訳専門職修士号】の取得並びにご卒業、おめでとうございました

第223号 巻頭言

「バベル翻訳専門職大学院の2019年度春季学位授与式のご報告」





  

 

                
BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子
 
  先日、518日に、バベル翻訳専門職大学院 2019年度春季学位授与式 を開催いたしましたので、その模様をご報告いたします。毎年、春季学位授与式東京にて開催し、秋季11月はハワイのホノルルにて開催します。今回は、6名の方たちの修了で、うち3名が東京の市谷の私学会館会場に出席され、ほかの3名はそれぞれ居住地、自宅からZOOM(電子会議システム)にての参加となりました。

 本学の教職員の諸先生方をはじめ、ご来賓の皆さん、先輩修了生の皆さんも出席のもと、
いつもながらの楽しい、喜びに満ちた学位授与式と祝賀パーティとなりました。修了生の皆さんは、それぞれ在籍期間は違いますが、何年もの学習期間を経て、やり遂げた!という充実感に満ちています。現地会場に出席された皆さんはもとより、日本の各地、海外各地のご自宅から
ZOOMを通じて出席の皆さんも会場の熱気を共に感じながら参加されていたように思います。

 このように、インターネットシステムとソフトウエアを活用することで、遠隔地であっても、まるですぐ隣にいるような会話のやり取りできたり、互いに顔をみて、また多くの参加者の様子もそこにいるように見ながら学位授与式に参加したり、祝辞を受けたり、講演を聞いたりできるという参加の形も選べるということは、まさに、現代のテクノロジーならではのことで、毎回のことですが、実に感慨深いものがあります。

 本学の学位授与式では、本学ならではのイベントがあります。修了生の皆さんは、学位記の授与を受けるだけでなく、この間の研鑽の成果と今後の抱負について、各自、プレゼンテーションを行います。会場参加者だけでなく、ZOOM参加者もみな同じようにプレゼンテーションを行うのです。自分の名前を呼ばれ、学位記を手にする瞬間もさることながら、この修了プレゼンテーションも皆さん熱心に取り組んでいます。

 バベル翻訳専門職大学院は、その名の通り、専門職養成の大学院ですから、アカデミックな大学院とは一風違っていて、翻訳専門職へのスタートラインに立った!という実感を教職員や来賓の皆さんと共有することになります。出版社の編集者や企業の方々も参加されますので、祝賀パーティでは、これからどんな分野の本の翻訳をしようかとか、独立開業しようかとか、卒業後の予定の話が盛り上がります。

 この瞬間が私たち、教職員にとっても、勿論、修了生の皆さんにとっても、同時にご家族の皆さんにとっても、一番充実した喜び、お祝いの気持ちがみなぎるひと時となります。

 本学は、多くの通学制の大学院と異なり、入学者の皆さんは多彩です。今回は60代の方を筆頭に20代、30代、40代、50代の、多様な年代の方々で、職業を持つ方もいます。
また、居住地が世界各地となりますから、普段はなかなか一堂に会することはないのですが、この学位授与式に合わせて日本へ帰国したり、また、ハワイでの授与式では、海外各地に分かれて住んでいる家族が各地から集まったりして、一緒にハワイ旅行も楽しむ!というようなこともよくお聞きします。

 インターネットの翻訳専門職大学院ならではの、特徴ある学生の皆さんの学位授与式の楽しみ方と言えるでしょう。このような入学者の皆さんのもう一つの特徴は、日本や、米国内ばかりでなく世界各地に居住されています。その多くは日本人女性の方たちです。インターネットでのビジネスコミュニケーションが普通になった今日ならではの特徴、だといえるでしょう。

 今回の学位授与式後の祝賀パーティでの話題は、これからどういう分野の翻訳作品を手掛けるか?ということと、やはり「
AI翻訳はどうなるか?」となりましたが、バベルでは、翻訳者が認証してこそAI翻訳の結果評価ができるわけで、今後はAI
を使いこなす翻訳技法の研究が必要だという話になりました。

 また、特別講演として、翻訳家であり大学教授でもある柴田裕之先生のお話がありました。柴田先生も1980年代にバベルの翻訳学習で学ばれて、現在は大学教授並びに、プロ翻訳家としてご活躍中ですが、講演によれば、先生は大学では建築工学という分野を学ばれ、その後翻訳家への歩みを進めて、常盤新平先生や別宮先生ほかに学ばれ、翻訳家として多くの作品を手掛けてこられました。

 そのご自身の人生と、ご自身の手掛けられた翻訳書とも重なるキーワード「つながりと広がり」というテーマで話されました。このテーマは、今回の
修了生へのメッセージとしてだけでなく、お話を伺いながら、私自身も1980年代からの歩みを思い起こすと共に、翻訳を通じて、柴田先生との長いおつきあいを実感し、感慨深いご講演でありました。

 今回の学位授与式の様子や、柴田先生のご講演など、ご了承が得られれば、現在準備中の「バベルプレス
TV」インターネットのユーチューブにて、皆さんにもご覧いただけるかもしれません。なかなか面白いテーマでのお話だったので、柴田先生のご了解をいただければインターネット配信をしたいと思います。

このように、毎回いろいろなエピソードに彩られる
「翻訳修士号 の学位授与式」です。
今回修了されて、晴れて【
MSTホルダー】となられた皆さんに心からのお祝いを述べて、2019年度春季学位授与式のご報告の結びとしたいと思います。

 今季修了された六名の皆さん、
翻訳専門職修士号】の取得並びにご卒業、おめでとうございました

 

第222号 巻頭言

「2019年5月1日、日本の新元号 令和 の時代となりました。」





  

 

                
BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子
 
 皆様、お元気でお過ごしのことと存じます。ご承知のように、日本では、4月30日をもって平成天皇が退位され、5月1日の始まりと同時に新天皇の即位がなされ、平成から【 令 和 】へと改元されました。このような古くから続く改元という仕組を持つ国家は日本だけですが、世界最古の歴史を持つ日本ならではのシステムだということができます。

 このような、めったにない天皇の退位と新天皇の即位ということにより、4月27日から5月6日まで、日本は何と10日の連休となりました。平成天皇への感謝と新天皇の即位への祝意として官民、皆休日となりました。海外在住の日本人の方々には直接の影響はないかと思いますが、現代という変化が速い、忙しい時代に国全体で10日も休んでしまうことについて、ビジネスの遅滞や、株式投資、防衛の観点からなど、海外の関係者が大変驚いているというニュースが聞かれました。

 曰く、このような経済環境が厳しい時に、10日も株式市場が休んでしまうのは大丈夫なのか?急な円高や株式の売買の変動など、何か問題はないのだろうか?日本市場の休みによって仕掛けられた市場攪乱などが懸念される、と言われていました。他にも、令和への改元に当たっては、地震が起きるとか、戦争が起きるとか、聖徳太子の預言に始まり、現代の預言者のメッセージなど不安を煽る動画が、ユーチューブにたくさんアップされています。

 こういう変化のタイミングには、いろいろと不安に煽られる心理状態が立ち上がってくるのですね。それが人情というものかもしれませんが。しかし、こんな時こそ、逆に冷静になりたいものです。何と言っても、起きてくることを不安に思ったり、否定的に捉えることはお勧めできません。

 過去から持続してきた歴史の流れを観察すれば、【変化】とはそれによって何らかの向上、成長というものの実現を目指していることが分かります。現在、日本では、西暦に加え、和暦、つまり元号という暦法(注参照:太陰太陽暦)を持っています。それにより、西暦というイエス・キリスト起源の太陽の運行に基づく暦法による世界認識に加え、月と太陽の両方に根差した暦法をも併用することで、二本立ての時間認識の世界を生み出しています。それは、自分の人生体験を生き生きと有意義なものにするためのチャンスが多いと言えると思います。

 従って、日本語及び日本文化は、認識の質や内容が多様な深みを持ち、複眼思考であるとも言えるのです。翻訳文化が発達してきた理由は、このような日本の自然環境、四季が顕著であることや太陽暦の西暦と、太陰太陽暦の和暦の両方を使いつつ、改元というシステムも織り込むという多様な暦法を同時に使用する器用さという性質に起因するのかもしれません。一語の意味が限定的であれば翻訳は簡単です。機械的な置き換えが可能になり、AIの活躍が期待されます。

 ところが、日本語には同音異議語がたくさんあり、表現自体は平易なのに、その奥に隠された、または仕込まれた別の意味というものが、見えない奥行きを作り出していたりすることが多く、一筋縄ではいかないのです。

 これらの特徴はまさに翻訳者泣かせですが、逆に言えばAI翻訳へと簡単に移行できないので、翻訳者冥利に尽きる、とも言えるのです。このように、一つの事象に二つの側面が言外に付帯されている、ということなのです。これは、認識を深めて行かないと理解不能な状態だと言えます。現代人はその多くが西暦で思考する教育、西欧的な社会、生活習慣になってきていますので、日本語、日本文化の持つ二面性、二重性に気づけなくなっているかもしれません。

 現代の学校教育では、成績を数値化して評価しますからある面では評価の基準は一律なので平等だと感じますが、そこには品質という奥行きが欠落しています。数値の違いだけははっきり分かるので、その違いをすべてにあてはめてしまい、それだけで成績優秀か否か、が決められてしまいます。これが現代日本の教育の欠陥ですが、段々その思考法に慣らされてきてしまった、というのが実情ですね。

 ところが、翻訳でさえも、このような思考レベルではある種機械的な置き換え作業となってしまいますから、それらの思考法に染められた場合は、AI翻訳への脅威が沸き上がってくるのは当然と言えば当然ですね。ところが、この二重性を内包した日本語は英語などのヨーロッパ言語をベースにプログラム化されたAI翻訳だけでは、日本語翻訳の醍醐味を表現するのは難しいでしょう。

 つまり、文化の特質に対応した個性ある翻訳品質が求められる分野は、なかなかAI翻訳になじまない、ということができそうです。というのも、AIを育てるためには多くの事例研究が必要になりますし、いわゆるビッグデータが必要になるということです。世界の市場がグローバル化し、多様な文化差が一律の文化になっていくとき、AI翻訳は力を発揮できます。

 それらは、別の視点で考えると理解しやすくなります。それは、「支配」という観点です。支配をしようとする時、多様な状態ではとてもできませんね。もしあなたが「支配者」だとしたら、どう考えるでしょうか?一人一人が異なる実態を持っていたら、とても支配しにくいですね。とすれば、まずは評価基準を作り、なるべく数値化し、違いを発揮させないようにする、ことが必要になってくると考えるかもしれません。それらは、「支配」とは表向きわかりませんが、成績を数値化し、個別性を少なくして効率良くしていくことは現代社会が求める有意義、有益な方法論なのです。

 そのような西洋文化、文明が地球世界を覆いつくしたと言えるのが、現代です。【時間生産性】を高め、【コスト率】を削減し、如何に【利益率」を高めて行けるかがポイントです。現代のテクノロジーはとりわけこの【時間生産性】をいかに高めるか?に集中しているかと思います。これは、機会損失を削減する事の裏返しです。さらに、【回転率】を高めることも重要なポイントです。それらのニーズを実現してくれるもの、それがAIです。


 新しい元号【 令 和 】を楽しい気持ちで迎えられた方は、良い時代の幕明けとなりますね。つまり、新時代をどのような気持ちで迎えるかは、大事なポイントで、自分次第だと言えるのです。
人生に一度か二度くらいしかない、この【改元】という時代の切り替わりシステムを、自分にとって都合のよい、肯定的な時代にすると決意して【
令 和 】という新しい時代を迎えましょう。

 新元号【
令和 = 零和 】の時代を迎えるにあたって、どういう気持ちで受け止めるかが大事です!とお伝えしました。それが【 令和 = 零和 】という元号に秘められたメッセージを読み解こうということなのです。表音文字と異なり、表意文字は表現の多様性が多くなります。日本語はこの表意文字の特質を知ることで、より深い読み込みができるようになります。

 そこで、この折角の改元のチャンスを活用するために、新元号【
令 和 】を自分なりにイメージ変換してみましょう。ご自分の「感性=感じるもの」を探ってみてください。そして、辞典で調べたり、インターネットリサーチもしてみましょう。そうしていきながら、自分の感性にピタッと来るものを掴んだら、それをイメージしていきましょう。このイメージ化がとても大事で、役立つ才能ということになります。私は、それを「感じ=漢字」と表現しますが、あなたはどんな表現をしますか?

 これまで、数値化に慣れさせられた思考システムをイメージ化という思考システムに変換していきましょう。それが、とりもなおさず【翻訳】なのです。あなたは、この考えをどのように思いましたか? 
 

 最後までお読みいただき有難うございます。

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(注)暦法 ― 以下ウィキペディアより。
暦法(れきほう)とは、毎年のを作成するための方法を指す。暦は、天体の運行に基づいて確立される。主として太陽が用いられ、月の運行に基づいた暦を太陰暦、月と太陽の運行に基づいた暦を太陰太陽暦、太陽の運行に基づいた暦を太陽暦という。
イスラム暦の暦法
太陰暦純太陰暦)を用いているイスラム暦においては、1年を平年354日、閏年はこれに1日足した355日の暦法を用いている。平年は30暦日の月と29暦日の月を交互に設置することになっている。太陰年は正確には1=354.36705日であり、端数に30を掛けるとほぼ11日(11.011日)となるため、30年に11回の割合で閏日を置く。イスラムの暦法では30年周期のどの年に閏日を割り振るかが重要な課題となる。閏日が置かれる場合は、平年では29日であるズル・ヒッジャ12番目の月)が30日となる。
なお、イスラム暦の1年は太陽暦の1年よりも11日程短いために、イスラム暦以外の世界から見ると毎年年始の暦日が早まっているように見える。特にラマダーン9番目の月)は日中の断食を伴うために、その日付を知らずに非イスラム教徒イスラム世界を訪問したときに食事をめぐってトラブルとなる場合がある。
太陰太陽暦の暦法―東洋の暦法
原則的には太陰暦と同じ朔望月29.53日、太陰年354.36705日を用いていたが、農耕に適するように何年かに1閏月を加えることで調整を行った。
中国において行われたのは、季節を知らせる二十四節気を挿入する方法であった。これは冬至から次の冬至までの太陽年24等分して1ヶ月に2つの節気が含まれることとした。そのうちその月の節気の前者を「」、後者を「中」あるいは「中気」と呼び、「中気」は暦月に必ず一つ入ることが原則とされていた。「中気」には冬至・大寒・雨水・春分・穀雨・小満・夏至・大暑・処暑・秋分・霜降・小雪があり、その間隔は30.346日である。ところが、実際の暦月は太陰暦と同様に30日と29日の交互であったために、時々「中気」が暦月に入らない月が出現する。その月を前の月の閏月と規定して正規の月から外して、その次の「中気」を含む月を翌月としたのである。その調整のために高度な計算が必要となり、しばしば改暦が行われることとなった。一方、「節」は暦注を定める際の参考とされ、節から節までの間を「節月」として区切った(「節切り」)。なお、24節気の名称は中国文明の中心とされた華北の季節状況に合わせて設定されており、日本や朝鮮半島、それに中国でも華南の季節状況は何ら勘案されていないことに注意を必要とする。さらに、二十四節気の下には七十二候というものもあった。
また、中国においては「三正」という考え方があり、雨水を、大寒を、冬至を含む月を年始として採用した。これは、他者の暦を用いることは従属の証と考えられたために、前王朝を倒すとその否定のために前王朝と違う「中気」をもつ月を年始と定めたことによる。このため、政権交代のたびに年始が三正の間で移動したが、以後は、夏の制度を用いてただ王朝交代のたびに改暦を行うに留めるようになった。
なお、黄道上における太陽のみかけの動きは冬には早く夏には遅く見える。そのため、太陽が黄道上を15度進んだ期間に応じて節気を進める「定気」という手法も中国の時憲暦から採用された。日本では最後の太陰太陽暦となる天保暦でのみ採用された。
西洋の暦法
バビロニアユダヤ古代ギリシアなどの太陰太陽暦は、基本的には東洋のそれと同じであるが、長期的にずれが少なければ良しとして、細かい天象との差異は気にされなかったとされている。これらの国々では黄道十二宮を利用して調整を行った。
太陽暦の暦法
古代太陽暦の暦法
古代エジプトの暦では、古くは、1ヶ月を30日(1週間は10日。1ヶ月は3週間)、1年を12ヶ月(1年を12ヶ月に分ける方法は、月の満ち欠けの周期(1ヶ月)を12.37回繰り返すと1年経つことに由来する)、1年を360日、とする変則的な太陰暦であることから、古代エジプトでも記録に残る以前の時代には、他の地域(文明)と同じく、太陰暦を使っていたと考えられている。
古代エジプトでは紀元前5600年頃に農業が始まり、紀元前3500年頃には灌漑が始まったと考えられている。古代エジプトの農業は、主にナイル川に依存していたため、その氾濫の時期を正確に知る必要があった。
紀元前4000年頃には、エジプト人は、恒星シリウスの観測から、また、ナイル川の毎年の増水開始の時期に注目して次の年の増水開始までの日数を数え上げ、1年が約365日であることを、既に知っていたと考えられており、これがエジプトにおける太陽暦の始まりとされる。しかし厳密には太陽ではなくシリウス(ソティス)や洪水の周期に基づくものなので、これを「ソティス暦」(シリウス・ナイル暦)という。ソティス暦は紀元前4241年、または、紀元前2781年に始まったとする説がある。
紀元前30002000年頃になると、伝統的な「30×12ヶ月=360日」に、1年のどの月(暦日)とも関係のない「5日」(360日の70分の1の端数切り捨て)を加えた「365日」からなる、国定の民間暦(民衆暦、シビル暦)が創出された。これは神話ではラートート(ヘジュウル)神から与えられたものとして、神聖視され、代々の国王は即位時にこれを遵守することを神々に誓った。
古代エジプトの民間暦では、1年を「アケト」(洪水期、14月)「ペレト」(播種期、58月)「シェムウ」(乾季・収穫期、912月)の3季に分け、1季は4ヶ月であった。1年の始まりである「アケト」の第1月は「ヘジュウル月」と称され、新年(古代エジプトの新年は、現在の真夏の78月頃にあたる)の祝いとして、時の主人であるトート神の祭儀が行われた。 だが、単純な1=365日暦であったために、次第に季節と日付のズレが生じてきた。そこで神官は、1年を365.25日とし、4年に1度の閏年に1日の閏日を加えた神官用の官暦を用いて年中行事を行っていた。しかし、民間暦の改訂については神への冒涜であるとして否定的な考えをとり続けた。
紀元前238に、プトレマイオス3カノプス勅令によって官暦への統合(民間暦への閏日の導入)が試みられた。しかしこれは成功しなかった。閏日の導入に成功するのはローマによる支配後のアウグストゥスの頃である。 ペルシアでは、エジプトの民間暦に年始を90日遅らせたものを用いていた。セルジューク朝時代にウマル・ハイヤームらによって、ユリウス暦の要素をとり入れたジャラリー暦を導入した。現在のヒジュラ太陽暦はその後継であり、春分を年首、1-6月を31日、7-11月を30日、12月を平年29日・閏年30日としている。これは黄道十二宮とのズレをなくすための配列である。 引用ここまで。



 

第221号 巻頭言

「日本の新元号【 令 和 】の時代をどのように過ごしますか?」





  

 

                
BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子
 
 皆様、いかがお過ごしでしょうか? 東京では、花壇に色とりどりの草花が咲き乱れて、春たけなわの感があります。気温は随分上がり、初夏を思わせる日々です。あなたのお住まいの地域は今、どんな季節でしょうか?

 さて、もうすぐ5月です。日本は、この5月1日に、改元という大きな時代の変わり目、季節の変わり目を迎えます。新しい元号【 令 和 】、これをどのような気持ちで迎えるのか、それは自分次第です。できれば、人生に一度か二度くらいしかない、この【改元】という時代の切り替わりシステムを、自分にとって都合のよい、肯定的な時代になると捉えて【 令 和 】という新しい時代を迎えましょう。

 私が生まれたのは【 昭 和 】でしたので、【 令 和 】と同じく【 和 】が入っています。【 和 】という言葉、文字は日本にとても縁があります。【 大 和 】につながる日本の特徴を表す言葉であり、文字ですね。私が特に気に入っている理由はこの和に加え、【 令 】
Rei つまり霊 につながっている文字【霊=零=ゼロ】です。

 地球の世界の歴史におけるこれまでの人類同士の闘いや天変地異、異常気象、災害などに苦しんできた人類、全ての人々の心に刻まれたいろいろな感情、思い、そして得られた思考パターンなどなど、つまりは【過去の既成概念に捉われない時代にしよう】という素晴らしい意志の表明だと思えるのです。
 
 ゼロになって和を以て貴しとなす。つまりゼロなら和するしかないでしょう!笑い。

 【令和】という新時代において、私達一人一人が、自分自身の成長、社会の調和、無限の豊かさへと発展し続けるイメージを心に描きましょう。心にイメージを描き続ければ、それが実現していきます。一人より二人、二人より三人と、そのイメージの輪が広がって行くことが実現していくのだろう!と思います。これまでのように、自分だけが良ければいいとか、世の中には良い事と悪い事があり、良い事を体験することが大事だとつい考えてしまいます。これは、利己主義というエゴの働きですね。だんだんとエゴが鎮まっていき、社会全体、日本全体が心豊かになり調和していくことで、それは世界全体に広がって行きます。

 ところで、【 令和 = 零和 】というイメージはとても楽しい感じ=漢字に思えます。また、【 礼 和 】もいいですね。皆さんも、ご自身のイメージ、インスピレーションで、あなた自身の【 
reiwa 】を作ってみましょう。日本特有のこの【 元 号 】と【 改 元 】というシステムに思いをはせてみてください。
 日頃体験したことのない、何か素敵なことが起きるのではないかと思います。

 ところで、バベルは、1974年、昭和49年ですが、その4月に通信制の「翻訳家養成講座」の開講に始まりました。さらに、翻訳を教育ビジネスにしていくという考えは、当時の既成概念の壁に阻まれ、出版業界、プロの編集者からそんなことはやめなさい!と言われたことを思い出します。それでは、一人でやるわ!という覚悟を決めて、当時の恩師、中央大学の哲学教授の木田元先生に相談したら、明治大学の小野教授をご紹介いただき、月刊誌創刊について励ましてくださったことも思い出します。そして自ら寄稿してくださいました。今、思い出していることは、小野先生の壮絶とも言える【お別れ】です。

 ご家族の方からお聞きしたことですが、小野先生はヨーロッパから帰宅された夜、夕食を終えられ、ご家族とお茶を召し上がり、談笑しながら、その姿勢のまま、座ったまま眠るようにお亡くなりになったそうです。なんと不思議な、また、豪快、且つ素敵なお別れの仕方でしょうか。今、ふと、思い出しました。小野次郎先生、有難うございます。

 小野先生をご紹介下さった恩師の木田元先生は、最後の哲学者と言われた素晴らしい方です。学生時代は、ご自宅に押し掛けてマージャンを楽しみました。バベル設立後の事業活動を行うようになってからも、時々会社まで遊びに来ていただきました。その木田先生も既にお亡くなりになり、翻訳教育ビジネスを開始してから早、45年も経ってしまいました。その時を過ごしてきたのが昭和であり、平成という時代です。

 日本は、二本でもありますから、西暦と和暦、元号があります。西暦の数字だけの体験の記憶と違い、和暦と西暦との二本立ての体験の彩はなぜかビビッドに感じます。普段はほとんど西暦だけで暮らしていますが、今回の和暦、つまり改元という日本固有の元号が改まるときに居合わせたという体験を楽しく感じます。

 ご承知の通り、大きなテクノロジーの変化がすぐそこまでやってきています。どちらかというと、5Gの技術にはまだまだ解決しなければならない関門がいくつかありそうですが、しかし、人類は幾度も大きな災難に見舞われながらも、それを乗り越えて現在があります。恐れてばかりもいられませんし、逆にただ楽観的なだけでもうまくいきません。それは、やはり、人任せにせず、自分で調べ、探求し、自分の意志をしっかりと持ち、ある時は大いなる楽観性をバネに自分自身を信頼してチャレンジしていくことしかありません。

 勇気をもってチャレンジしましょう。まずは、一歩でも前に進むことです。私達が向き合わなければならないことは、過去の既成概念に捉われてきたことを自己認識する事です。自分自身で探求したわけでもないのに、教科書に書いてあるから、そう聞かされてきたからとか、かなり他人のせいにしていますし、自分が間違っているかもしれないことを直視するのが怖いのです。

 物理の世界から精神の世界への橋渡しの研究成果が表れてきています。この世界は物質の世界である、という概念にひびが入り始めました。【思考は現実化する】とか、【引き寄せの法則】とか、いろいろなベストセラーが出ていますが、世の大半の認識はこの世界は物質の世界であり、自分の身体も物質だから壊れてしまう。というような概念がほとんどですね。

 しかし、【 令和 】という元号が発表され、いよいよ改元されていく今を考えると、昭和から平成の時代へと伝わってきた多くの表面意識がきっと変容していくのだろうと感じます。
何しろ、この世界は【翻訳の世界】なのですから。
あなたは、この考えをどのように思いましたか?ではまた、次号にて。

 最後までお読みいただき有難うございます。




 

第220号 巻頭言

日本の新元号 【 令和 】 が発表されました!」





  

 

                
BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子
 
 
  もう4月、2019年も四分の一が過ぎました。いつものことながら、時間の経つのが速いです!
前号でお伝えしたように桜の花が開花し始めたのが3月22日頃でしたが、今年は、4月7日になってもまだ花がしっかり咲いています。時折、冷たい風が吹いて花びらがひらひらと舞い散る様は、とても素敵です。昔の小学校の入学時の写真などには、必ず桜の花が咲いているのがセットになっていたように思いますが、今年の桜は、そのような風景をほうふつさせてくれました。日本各地の桜の開花も今頃がたけなわなのではないかと思います。

 

 ところで、2月22日号以来、5Gへの移行などの変化で想定されている衝撃的なリサーチ内容を少し書きましたが、大きなテクノロジーの変化があり、社会生活の基盤の変化を引き起こしそうです。というわけで、これから起きていくことはどういうことがあるのか?というテーマで出版物をリサーチして見たら、自宅のツンドク=積読書籍の中から表記の「
高島康司の未来激変!!2019~2024」というタイトルの書籍が見つかりました。以前、タイトルに惹かれて買っていたものの、まだ途中までしか読んでいなかった本です。

 この本はなかなか面白いですね。お勧めです。タイトルにあるように2019年から2024年の変化については、多方面の方々からの指摘も多いですね。私達は、まさに大きなテクノロジーの変化や、人類の潜在意識の大きなうねりという、見えない世界の情動の影響が顕在化してくる、というような大変化のタイミングにいることが明かされています。この数年は、ネットの情報がかなり充実してきましたので、一つのテーマをじっくりと追いかけることもできますし、時系列で情報の変化を比較研究しながら聞いたり、読んだりすることができます。このようにユーチューブで手軽に情報を取得できることは、本当に素晴らしいと思います。

 一つのテーマに関心を持った時、いろいろな見方を知るために10冊くらいまとめて購入するので、読み切れず本がたまっています。目についたタイトルに刺激されて買ってしまうこともありますから、本は自ずとツンドク=積読状態になってしまいます。届いた日に、目次や前書きなどざっと目を通して大体のことを掴み、面白そうなものから読み始めます。ところが、また、情報が入ると、また新しい本を購入してしまうので、そのまま書棚に積んでしまったままになる本も結構多いのです。

 出版社の立場からみれば、買ってもらったのですから嬉しいのですが、そのままツンドク=積読状態では嬉しいような寂しいような複雑な気持ちです。自分自身が、最初から最後まで読む本もあれば、情報をリサーチするための本もあるので、情報量の多いこの頃では、このようなツンドク=積読状態もあり、となってしまいます。今回のように新たな興味が刺激され、復活して読み進めるものも結構あります。

 翻訳に従事される皆さんは、このような現代の状況をどう受け止めていますか?メディアの多様性はどんどん進んでいます。よく言われるように、単にAIが翻訳をやれるようになれば、将来、人間の翻訳ビジネスはいらなくなってしまうのではないか?というのが、北京からの便りでした。いわば自動運転自動車が出てきたら、人間の運転手はいらなくなってしまう!ということと同じ文脈で語られているのです。

 それを考えるには、一面的なニーズだけで考察するのは不十分です。例えば、翻訳を必要としている顧客のニーズはかなり多様です。一番大きな選択肢は、コストパフォーマンスということになります。ただ値段が安ければいい!というわけではないのです。自動運転の自動車に乗った時、どう思うでしょうか?翻訳のミスがあった時、勿論損害賠償ということはあるかもしれませんが、命を亡くすほどのことはめったにありません。しかし、自動運転車は結構危険がいっぱいのようです。

 ロボットのコントロールと人間のコントロールは微細な違いが発生して、大きな事故を引き起こす可能性があります。そういう意味でも、AI翻訳と自動運転車の開発には、かなり近いレベルの感性が必要とされていると思います。
 
  それはさておき、4月1日に発表された日本の新元号 【 令 和 】については、各界から歓迎のコメントが寄せられています。そこで、このテーマについての情報を、ユーチューブでいろいろ読んでみましたが、改元という形で、日本が新しい時代を迎えるという、大変=大きな変化の時を迎えていることと同時に、日本の統治の気分が一新され、素晴らしい時代へ進化しようとする、お祝いの時を迎えていると強く感じました。今号は、この新元号についての思いです。

 私もこの 【 令 和 】
reiwa という音の響き、また 言葉としての意味の連なり、文字としての形など調べてみようと思っていましたら、いろいろなメッセージが寄せられていました。日本の歴史では、江戸時代から明治へと移り替わり、社会生活の基盤、インフラがどんどん変わっていたことにとても似ているようにも思います。

 発表にあったように、これまでの元号については、中国古典から引用で決めていくことがほとんどだったそうですが、今回は初めて、出典を日本の文学「万葉集」からの引用ということで、これも、とても画期的なことだそうです。しかもそれぞれ言葉、文字の表す内容が素晴らしい、と感じる方も多く、音の響きも霊(れい)に通じるものがあります。霊とは
Ray でもあり、まさに5Gの世界へと変化していこうとするその象徴を表している、とさえ感じます。このように、5Gに象徴されるテクノロジーの変化とは、情報構造の大きな転換点であり、人間の認識の枠組みを大いに変容させていく時代を表しているように感じます。

 何か、素晴らしい時代の夜明けになることを期待します。この新しい時代の幕開けに合わせるように、バベルの出版事業を大きく転換することにいたしました。それは、文字と紙の印刷物による出版ビジネスから、インターネットTV、インターネットラジオというように、動画、音楽などの配信によるメディアビジネスへのシフトです。

 そこでは、中心は【翻訳】です。世界、とりわけ日本の知的情報、動画、音楽などを、世界各地の多数の言語種へと翻訳して提供していこうと思っています。また、メディアの形式に捉われずに多言語出版のビジネスプランを考えています。皆様も、お気づきの点がありましたら、お気軽にご連絡くださいませ。

 「世界は翻訳である」これが私の探求のテーマです。人間の文化という横の広がりと、歴史という縦のつながりを一つのタペストリーのようにイメージします。やはり、何と言っても多様性です。いろいろな意味で、面白い時代になりました!!皆様のご意見をお寄せください。

 最後までお読みいただき有難うございます。

 

第219号 巻頭言

世界の変化、動向を感じていますか?-その④」
  

 

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 
 
皆様こんにちは。3月22日号の配信です。昨日は3月21日、春分ですが、同時に満月が重なり、東京では、暖かい日が続いて桜の開花がちらほらとはじまりました。各地の皆様は、いかがでしょうか?

  日本列島は細長いので、各地の春は違うでしょうし、さらに世界規模で見れば、春へ向かう地域もあれば冬に向かう地域もあるという、地球が球体ならではの環境体験をされていることでしょう。


本学、バベル翻訳専門職大学院は、インターネットの大学院なので、学生の皆さんや教師陣も各地に居住されています。そんなわけで、横への広がり感覚を持つと同時に、言わば、空から地球を見るような、宇宙空間的な視点にいることが多くなりました。

ところで、2月22日号で、5Gへの変化で想定されている衝撃的なリサーチデータを少し書きましたが、かなり、大きなテクノロジーの変化となりそうですので、今号も続けます。直前号の3月7日号では、北京の日本人学校の小学六年生の女の子からの【翻訳とAIに関する質問】の手紙とそれに対するお返事を紹介いたしました。そして、今号の5Gの世界の記事では、AIのテーマはこれからますます身近な話題となっていくことが実感されます。

私達は日頃、翻訳ビジネスに従事していますから、AIと翻訳というセットで考えがちですが、漠然とAIと翻訳というより、私たちの普段の生活のあらゆる場面において、5Gの世界のAIとはどんなものになっていき、社会へ影響を与えるのか?と、考える必要があります。

なぜなら、翻訳をAIにさせるより、もっとAIになじみやすい仕事はたくさんあるからです。つまり、人の手を使わないでもできる仕事へと転換したい!それが、AI誕生の発端であり、まずは工業社会の機械化によって始まりました。製造現場の機械化が始まり、家庭用品までも電化されるにつれて、様々なものが機械化、電化されています。機械化は電化、つまり電子回路化へと発展し、日本の誇る、あの超特急、新幹線の運転手は一人で、しかも、運転手が運転をしているというより、機械が自動運転をしているというのが現実です。

人間の運転手は全体の運航を管理しますが、実際の仕事は運転システムに、ちょっとした作業指示を行うだけで、後はそれを監視しているのです。ところが、そのモニタリングデータは、別の場所の管制ルームにて常に電子的なモニタリングがなされており、更にその小さな異常値をも人間の管制官がモニタリングして機械システムと運転手に指示を出す、というような重層的、緊密な管制フィードバックシステムが働いているので、事故は少なく、安全が保たれており、たった6秒の狂いを遅延とみなす、というような高度な運転状況が保持されているのです。

いや、全く驚きです。素晴らしいシステムが実現しています。新幹線は専用軌道上を走ります。それでも、鳥が止まっていたら、また、何かの拍子に小石がレールの上に溜まっていたら大変な事故につながる危険があります。このように、レールの全域を間断なく見張り、一定速度を安定して出したり、また、到着駅の到着時刻と現在走行地との距離を常に計測し、その区間の走行速度を必要な水準に変速させたりしていくことは、人間だけでは大変ですね!

これらの技術は、現在研究開発中の、車の自動運転システムへと応用される技術だと言えます。現在、新幹線は、専用軌道上を走ることでそれを実現していますが、いわゆる一般道を走る車の自動運転車となると、一般道では何が起きるかわからない条件下の走行システムとなるわけですから、その情報量はかなりの速度と大量情報の処理となり、ご承知のように5Gの時代にならなければ実現が難しい、と言われている所以です。

ところで、現代人は、なぜ、5Gへと駆り立てられるのでしょうか?現代は、自分ではいろいろな仕事をしないで、それを他人かまたは機械=コンピュータシステムにやらせることで、自分しかできない仕事に集中したいと考えて、多様な忙しい仕事を軽減させようとしてきたのだと言えます。

進化論によれば、サルが突然変異して類人猿となり、それからさらに突然変異を重ねて現代人類になったということが言われてきましたが、その進化を示す化石は発見されず、進化論は間違いである!ということがあちこちで言われるようになっています。サルは人間のような怠惰な種族ではないということが証明されるのでしょうね。

昨今では、進化論ばかりか、今まで真実だと思ってきたと思い込み、それが共通の知識、常識であると思い込んでいることがたくさんある!いや、ほとんどかもしれない!と思うのです。
私は、1974年から翻訳家養成事業に取り組み、早、45年になるのですが、この間、私の信条として貫いてきたことは、「既成概念に捉われない」ということです。そのような観点から世界を認識すると、いろいろなことが、皆、自分の早とちり、または思い込みであったことが分かってきます。


このような、既成概念に捉われないという視点での考察を重ねてきて気づいたことは、この世界とは
【翻訳の世界】つまり、【翻訳=自分の価値観で見た、思い込みの世界】だとも言えるということです。思い込みの強い人ほど「この現実が常識だ、真実だ!」と信じています。実際は他の人がそう思っていることや、学者がそう言ったと言われているのを鵜呑みにしているだけで、自分がそれを検証したのでもなく、本当は、よくわかってはいないにもかかわらず、世の中の常識だし、これまで自分はそういうことだと信じてきた!という思い込みの世界にいるというわけです。

それが、
5Gの世界ともなれば、これまでの現実だと思っていた常識、知識がどんどん崩れていくでしょう。現実と思ってきたことが覆されてしまうような、ずっと大きな変化が起きていくことが想像されるのです。その変化は、それほど大きなインパクトを伴っているのではないかと思います。

そこで、今号も、
5Gとは何かについてリサーチして、いろいろある中で、かなり詳しく述べてあるWEBサイトを見つけましたので、ご紹介します。

以下に
5Gの情報についての記事のURLを掲載しておきますので、ご覧ください。


https://journal.jp.fujitsu.com/2017/12/21/01/?utm_source=yahoo&utm_medium=display&utm_campaign=5906_journal_ycd&utm_content=181005_171221_kizon

文章が長いので、ここでは、私の気づいたポイントだけを述べます。

記事から一部引用:

2020年の実用化・商用化に向けて開発が進められている新技術に、
放送分野の「4K・8K放送」自動車分野の「自動運転」、そしてネットワーク分野の「5G」があります。
今よりテレビ画像が高精細になる「4K・8K放送」とドライバーが運転をしなくてもクルマが自律走行する「自動運転」は進化の姿をイメージしやすいですが、
5Gについてはどんなことができるようになるのかがわかりにくいかもしれません。それは5Gが、「4Gとの違いは速度が●●倍!」といった単純な高速化だけでなく、新しい価値に満ちた次世代社会を産み出すことを目的に設計されているからです。4K・8K放送と自動運転もその新しい価値の一つで、5Gはこれらを支える役割も担っています。

そこで今回から数回に渡って5Gの全体像をご理解いただけるように、「どんな価値を作ろうとしているのか」、「その価値を作るにはどんなネットワークが必要になるのか」、「そこで求められる技術にはどのようなものがあるのか」などについてご紹介します。


1Gはアナログ携帯電話、2Gでデジタル化とデータ通信がスタート
5Gという名称は、新聞や雑誌、ネットニュースなどでしばしば報道されていますから、言葉自体は皆さんにとって馴染みがあると思います。4Gの
Gは「Generation(世代)」のことです。つまり4Gは「モバイルネットワークの第4世代技術」を意味しています。5Gは、4Gの次に予定されている「モバイルネットワークの第五世代技術」のことで、一般には「第五世代移動通信システム」と呼ばれています。
5Gの特徴を知る早道は、
モバイルネットワークの発展経緯を知ることです。各世代の移動通信システムの発展経緯を見ていきましょう。   
引用ここまで。

というわけですが、この5Gの市場制覇の争いが「あのファーウエイのナンバー2の逮捕につながった」と言われています。中国と米国の第5世代移動通信システムの技術競争が激化していたというわけです。5Gの技術は、経済活動ばかりでなく、圧倒的な格差が生まれかねない技術と言えそうですね。技術関連の翻訳に従事されている方は、もっと詳しい情報をお持ちかと思いますが、ここまで見てきただけでも、この5Gの世界が実現することで、日常生活がかなり変わってしまう、分岐点になるような気がします。

一般的な企業活動の形態が4Gの技術でかなり変化を起こしています。その伝送速度が50倍から100倍へと変化していくことで実現される社会の変化は、かなり大きな変化になるのではないか?つまり、人間感覚の変化や、存在感、と言ったものまで変化していくのではないかと思います。
それによって人間の社会的な価値観の変化がやってくるというようにも思えるのです。それがどんな方向へと変化していくのか?興味を持ってさらにリサーチを進めていきたいと思います。

「世界は翻訳である」これが私の持論ですが、人間の文化の綾とは、やはり、何と言っても多様性です。クライアントがAIになったら、そこでは、どんな翻訳ニーズが要求されるのでしょうか?面白い時代になりました!!皆様のご意見をお寄せください。

 最後までお読みいただき有難うございます。


 

第218号 巻頭言

北京からの手紙-世界の変化、動向を感じていますか?-その③」
  

 

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 
皆様こんにちは。3月7日号の配信です。とにかく、時間の経つのが早い!と感じつつ、日々過ごしていますが、皆様は、いかがでしょうか?東京は、3月に入るとこの数日は雨模様です。空気がしっとりしていて呼吸が何かほっと安心する感じを味わいながら、寒さに縮まっていた身体がとても伸びやかにゆったりした気分の日々を過ごしています。

前号で、5Gへの変化で想定されている衝撃的なリサーチデータを少し書きましたが、今号も続けて、衝撃的な体験をお話ししたいと思います。と言っても、とても微笑ましくもあり、また、驚きの体験でもあるのですが。

先月のある日、とても素敵な手紙が舞い込んできました。それは、中国の北京からです。なんと北京の日本語学校の六年生の少女からのお手紙です。この方は、翻訳に興味があり、将来翻訳家になりたいのだそうです。ところが、彼女の聞くところによれば、これから、AIが翻訳をするようになるという、そうしたら、将来、自分が大人になった時、翻訳の仕事をやれるのでしょうか?私は、将来の自分の職業として「翻訳者」を目指していいのでしょうか?という、大変な質問のお手紙です。

そして言外に、その大切なことを、日本で翻訳を専門とする一般社団法人日本翻訳協会の会長のあなたに質問しますからきちんと教えてください、と読めたのです。まさに、現代の翻訳業界の直面しているAIについてのご質問が届いたのですから驚きました!まさか、北京の日本人学校に通う小学六年生の女の子から、こんなシビアな質問が届くとは!と感動しつつも、なんて責任重大なのでしょうと驚くやら嬉しいやらで、衝撃的な体験をした、というわけです。

なかなかの難問です。将来を待つまでもなく現代の翻訳ビジネスに従事されている皆さんも、既にこのAIによって日頃の翻訳ビジネスが脅威にさらされている、と感じる方もおいでかと思います。
今のところはまだそれらの状況はそれほど現実化されてはいなくても、今後の動向としては、大変な脅威である!と感じる方もおいでかもしれません。バベル翻訳専門職大学院の入学相談や、お問い合わせの中にも、「将来、AIによる翻訳になり、翻訳者の仕事がなくなってしまうのではないか?」というような「不安の声」が聞かれます。そこで、タイムリーに届いた北京からの手紙の回答を今号の記事にすることにいたしました。

このAIによる翻訳のスタートは、日本では「機械翻訳」という言葉で始まりました。私も1990年代に機械翻訳システムの研究ということで、京都大学の長尾 真教授が率いる「アジア太平洋機械翻訳協会」=日本の機械翻訳研究開発の草分けであり、育ての親とも言える業績を達成されています。ここに、AAMT アジア太平洋機械翻訳協会により作成された、日本の機械翻訳の歴史というページがありましたので、ご覧ください。

 

http://www.aamt.info/localportal/japan/history.html

このように、日本での機械翻訳の歴史はもう30年になるわけですが、AI翻訳の基礎的発展段階にこのような機械翻訳研究の歴史があり、その直後の1994年、米国にて商用インターネットが登場し、その様相を一挙に変えてしまいました。日本での商用インターネットが開始されるのは1996年からです。このインターネットの登場が、私達、現代人とその世界、つまり現代文明を<物質文明から情報文明へ>と変化させてきた重要なポイントです。日本のインターネットの歴史が分かる頁がありましたのでご覧ください。


https://www.daj.jp/20th/history/#y1984

この機械翻訳からAI翻訳へと、研究と準備は進められています。インターネットつまり、電子情報伝送システムの規格の一大飛躍、4Gから5Gへと移行するということは、AIをかなり使えるようになっていく、ということが予想されますね。これから、翻訳ビジネスがどのように変化していくのか、この北京の日本人学校の小学六年生の質問に回答した文章を引用して、私の現時点の考えを記します。


  ::::::::::::::::::以下引用::::::::::::::


 あなたが将来翻訳家になりたいという希望をお持ちである、ということを知り、とても嬉しく思います。しかし、将来、翻訳家になりたいという希望があるものの、現代はAIの研究がどんどん進められているので、今後、あなたが翻訳家を目指して勉強していったとしても、実際に翻訳の仕事があるのだろうか?そして、翻訳家という職業があるのだろうか?ということについてお知りになりたい、ということがわかりました。

 あなたのように、自分の将来の希望の職業について、このように真剣に取り組むことはとても素晴らしいことです。ところで、日本語は、世界でも最もユニークな言語であり、その日本文化は日本語の特徴により、世界でもユニークな文化を作っているということを知っていますか?そして、日本は古来より「翻訳」の国だということを。

 もう二十五年も前になりますが、私はスポンサーとして、一九九四年八月に北京の高能物理研究所の外国語教育センターと合作して、【中日翻譯奨励賞】を行ったことがあります。その時は、二千人もの中国人の方が日本語から中国語への翻訳に応募されました。そして、優秀な翻訳文を書かれた方達を北京飯店に招待して、お祝いの表彰式を開きました。今、こうして、北京日本人学校のあなたから、このようなお手紙をいただくのも、以前の【中日翻譯奨励賞】のご縁があったからかもしれません。とても懐かしいです。

 このように、私は、日本と米国において、四十数年もの間、翻訳教育の学校を経営し二十万人以上の学生を育てましたし、この一般社団法人日本翻訳協会では、翻訳技能の検定試験を行い、優秀な翻訳者をビジネスの世界へ送り出してきました。また、出版社として、日本語の本を英語へ翻訳し、逆に、英語やその他の外国語の本を日本語に翻訳して、多くの本を出版してきました。そして「翻訳の世界」と言う翻訳研究の雑誌も出しています。

 ですから、あなたが、将来翻訳家になりたい!という夢、希望を持っているということにとても嬉しく、是非、夢を実現してもらいたいと思います。そこで、ご質問について、現時点で私が分かる範囲で、そして、あなたが理解できそうな範囲でお答えしますが、この回答だけを
うのみにするのではなく、今後も学習を続けながら、翻訳とAIについての調査を続けて行ってくださいね。

 今は西暦2019年3月ですが、ユーチューブの動画や、世界中の言語で書かれたホームページを、インターネットにつながっているPCやスマホで見たり、読んだりすることができます。そして、このインターネットは1994年、アメリカで始まったのです。そこから世界はどんどん変わってしまいました。AIが活動できる世界はこのインターネットの世界です。私は、このインターネットが登場する前と登場してからと、両方の大きな変化を体験してきたので、あなたにお答えすることができると思っています。

 まず、世界にはいくつの言語があるか知っていますか?5,000以上あると言われています。言葉が違うとお互い通じあえなくて友達にはなれませんね。もしかすると、お互いに不安になって、喧嘩になってしまうことさえあるかもしれません。違う言語を翻訳したり、通訳したりすることによって、たくさんの世界の人々とお互いを理解し、共同作業ができます。このように、翻訳の役割とはとても素晴らしいものです。

 例えば、世界の国々のいろいろな言語で書かれた本を、日本語に翻訳することによって、日本語がわかれば誰でも外国の本が読めるようになります。その逆も同じですね。日本語で書かれた小説が、世界の十数か国語に翻訳されて、世界中で何十万部、何百万部も売れた!と、大ヒット作品のニュースを聞いたことがあるでしょうか?小説ばかりでなく、漫画や映画も世界中のいろんな言語に翻訳したり、字幕(じまく)いう形で翻訳文を張り付けたりしてあるのをご存知ですね。日本のアニメ、漫画は世界中で大人気です。

 翻訳ビジネスは、出版や映画、ユーチューブ、ビデオ、CD、などだけでなく、ホームページや様々な文書を翻訳する必要があります。更に、世界のビジネスでは、海外取引での訴訟文書の翻訳や、取引の契約書、マニュアルなどの翻訳とか、本当にたくさんの種類があります。
 
 ですから、出版物の翻訳者になったり、ビジネスの翻訳者になったり、医療や、特許、学術研究分野の翻訳者になったりというように、それぞれ、専門の翻訳分野の仕事に対応していかねばなりません。会社や、国の役所などで働くうえでも、一つの言語だけでなく二つの言語を使える(翻訳できる)ということは普通に必要とされます。このように、翻訳力は単に翻訳者になるためだけではなく、これからの世界はどんな活動にも翻訳力があることは大事な技能です。

 ところで、インターネットの活用が進み、さらにAIの研究が進んで、Google翻訳など、機械翻訳の分野では簡単な翻訳ができるようになってきました。しかし、専門的な文書や、文学などの出版翻訳においてはまだ、AIでは正しい翻訳をすることができません。あなたは、Google翻訳を試したことがありますか?まだであれば、是非やってみてください。自分で体験、行動してみることが大事です。そういう意味で、今回、あなたが、私に質問をしてきたことはとても素晴らしい事なのですよ!

 現在は、AI翻訳はとてもそのままでは使い物にならない、つまり、商品価値が低いので、翻訳をする場合、専門の熟練翻訳者が翻訳することが必要です。しかし、今後、AIの研究が進み、10年後、20年後になればずいぶん事情は変わるでしょう。今から20年後、あなたが大人になった頃は、翻訳だけでなくいろいろな職業がAIに代わっているでしょう。それは、SF小説や映画のように、自動翻訳機をみんなが持っている!ということになるかもしれませんね。笑。

 私もSF映画や小説は大好きで、あなたと同じような年頃にはいろいろ読んだり、見たりして空想していました。そうして、いろいろな体験をしながら、夢を育てて持ち続けてきたことで、いろいろな面白い体験をすることができたと思っています。今は人間のプロフェッショナルの翻訳者でなければ、高品質の優れた翻訳はできませんが、これから、少しずつ翻訳者がAIを使って翻訳教育し、最後の仕上げを自分で行いながらAIを育てていく必要があります。今後の研究次第では、AIは人間のいろんな作業をほとんどカバーできるようになるかもしれません。しかし、AIは人間が使うために開発されていますから、人間の翻訳者は、AIと競走するのではなく、AIの主人としてAIを使いこなすことが必要になるのです。

 このように、今後も【優れたプロフェッショナル翻訳者】はとても重要で必要とされる職業です。
そして、何よりも大切なのは、あなたが、何をしたいのか、どんな仕事をしたいのか、です。これはAIが考えることではなく、私たち人間がしっかり考えることです。これが人間の大事な役目です。決めるのはあなたの役目であり、AIにはできないことなのです。これからもいろいろなことを勉強して、社会に役立つ、人々に役立つ仕事をめざしてください。

 そして、何をするにも翻訳力は必要です。翻訳者を目指すのであれば、もちろん語学の勉強をしっかりおこなってください。そうすることで、あなたの能力が高まり、仕事の可能性も広がります。そして、翻訳家、ビジネス翻訳者になるには、どういう技能や、資格が必要になるのか、きちんと調べてくださいね。翻訳の仕事にはこの「調べる=リサーチ」ということが大事な仕事、能力となります。(以下略)


   ::::::::::::::::::引用ここまで::::::::::::::

 以上が今回のご質問への私の回答です。私が申しあげたいのは、AIと競走するのではなく、AIをツールとして使いこなして、現在より格段の翻訳生産性(短納期・高品質)を実現する翻訳サ―ビスに向上させていくことが必要であり、それが実現できます!ということです。しかし、いくらスピード翻訳がいいと言っても、ものによっては、また、クライアントによっては「是非、手翻訳で」という希望があるのが人間社会です。あんこが好きな方もいれば、生クリームが好きな方もいる!?と言うように人間は、感情と好みがありますから、全てがAIにとって変えられるわけがないのです。

 「世界は翻訳である」これが私の持論ですが、人間の文化の綾とは、やはり、何と言っても
多様性です。クライアントがAIになったら、そこでは、どんな翻訳ニーズが要求されるのでしょうか?面白い時代になりました!!皆様のご意見をお寄せください。


 最後までお読みいただき有難うございます。


 

第217号 巻頭言

「世界の変化、動向を感じていますか?- その②」
  

 

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 
 皆様こんにちは。あなたのお住まいの地域では、この2月はどのようにお過ごしでしょうか?
もう、2月も終わりに近づいていますが、東京では雪もなく、時には風もない穏やかな日々を体験しています。同じ日本でも、降雪の多い地域はかなり活動が制限されてしまいそうですね。

ところで、私の住んでいる地域では、街路樹を見上げるとつぼみをたくさんつけており、そのつぼみが一日一日と膨らんでいくように感じられます。通りに植えられた街路樹には桜が植樹されていて、十年くらい前から、東京の桜の名所と言えるほどになっており、桜が開花しだすとお花見の客がすごいです。やはり、桜には、その一斉開花の見事さや、開花後は幾日も持たずに無常の風にハラハラと散りゆく風情に重ね合わせる潔さというような、日本人特有の心情に通じるものを感じるからなのでしょう。日本人は、とても桜の花見が好きですね。

しかし、このお花見客の多数の人出にゆっくりと散歩もできないので、その時期にはそこから逃げ出して人の来ない公園とかを散歩する羽目になります。それでも、薄いピンクに染まる桜並木の風情は素晴らしいですね。少しずつ膨らんでくる蕾を見ながら、待ち遠しい日々です!

地球は多様な植生や、環境の変化を有する星ですから、世界各地の多様な春の楽しみがあることでしょう。3月に入れば、各地から少しずつ春の兆し、春の便りが聞こえてくるのが楽しみですね。

このような季節の変化もさることながら、現代の我々の文化・技術のシステムにおいては、大きな変化が現れようとしています。それらは、いろいろな側面で表面化していくことでしょうが、身近な話では、今や私たち一人一台となった、スマホなどの通信機器の通信技術というものが、4Gから5Gになると言うことなのですが、これが、米国と中国の2大陣営の大きな争いとして表面化しています。

今や、既存メディアだけでなく、ユーチューブでも大変な件数の記事がアップされて、大きなニュースになっていますから、皆様ご承知の通りですが、これは企業や、国同士の争いということだけでなく、大幅な技術革新が起きてくる!ということなのですね。ここでは、事件の内容・成り行きが重要なのではなく、その技術が社会に何をもたらすのかが、重要だと考えています。

世界の2大陣営がしのぎを削って日々活動していることが伝わってきますが、その技術が、我々の社会生活に、どのような影響、変化をもたらすのかを、冷静に観ておくことが必要ですね。私はよく知らなかったので、スマホの通信技術、通信容量というものが、如何に高速かつ大容量になる技術なのか、それにより何が起きてくるのかなど、少し調べてみました。

まず、ウィキぺディアを検索したのですが、上手く出てきません。それで、「4Gから5Gへの移行」で検索したら、次の頁が分かりやすかったので掲載します。ただし、このページが偏りのない状態報ページかどうかは不明です。その点は考慮してお読みください。また、是非、ご自身でもリサーチしてください。英語圏の情報などもリサーチすれば、情報の精度が高まります。


①ご参考【
http://www.soumu.go.jp/main_content/000579869.pdf
これは楽天モバイルという企業の公開資料です。【5Gに関する公開ヒアリング資料 】となっています。


②ご参考 【
 https://yononaka-do-nano.net/208.html 】 以下に一部引用します。

【4Gから5Gへ移行! 事故のない自動運転や遠隔手術も可能に】

というキャッチコピーがでています。
もう既に2020年、つまり来年には5Gという次世代通信規格へ移行する!ということが決まっている!ということです。
その次世代通信規格、5G の中身が凄いです。


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5Gとは次世代通信規格のことで、1980年の1Gから始まって、現在4Gまでのシステムが整っています。
2020年には5Gへ完全に移行されることが計画されています!

5Gの特徴は以下の通りです。


 
   通信速度が現在の50倍から100倍まで早く
    通信の遅延がなくなる。スマホのタッチパネルよりも遅延がすくない
    低コスト。停電力



実際に5Gが導入されるとどんなことが可能になるのかな?


5Gになると空間が共有できる



 

5Gになると、離れている人とでも空間を共有できるようになります。

今までの4Gでは、2次元の空間共有が限界でした。例えば、TwitterやInstagram、LINE、テレビなど文字や
画像、動画という2次元の空間共有が可能でした。

しかし、5Gでは空間そのものが可能になります。5Gの高速通信によって空間そのものを共有できるほどの大容量通信ができるようになるのです。

今話題のVRゴーグルのようなものを装着するだけで、空間の離れた人たちと、まるでその場所にいるかのように
会話をしたり、触れ合ったりすることができるようになります。

まるでSF映画の世界だね![/say


自動運転が5Gで可能に!


 

5Gは自動運転技術にも大きな影響をもたらします。なぜなら、大容量の処理速度と、
超高速の通信速度のおかげで、走っている車全ての情報伝達が可能になるからです。
車同士が情報を伝達できるため、お互いに車間距離を調整したり、スピードを整えたりと
圧倒的に事故の確率を下げられるようになります。


------------------------------------------引用ここまで----------------------------------

こう見てくると、この【4Gから5Gへの通信規格の変化】は大変大きな社会生活の変化を起こしてきますね。バベル翻訳大学院はインターネットの大学院ですから、日頃、学生の皆さんと教授陣が空間を共有することはできていませんが、5Gの時代になると、「VR=バーチャルリアリティ」という技術で、まるで教室で授業を聞き、世界の学生が同じ教室で一緒に学び合うことが体験できる時代になる!」ということでしょうか!この先進技術の争奪戦が世界で起きている、というわけなのです。

まるで、SFの世界が実現する時代になっているのですね。社会の通信技術、新たなテクノロジーの変化が私たちの生活をどのように変えていくのか、眼を離せませんね。

このような、嘗(かつ)てない社会になっていく中で、自分はどのような分野で「翻訳ビジネス」を立ち上げていくのか?想像力を膨らませていきましょう。どんな時代も人それぞれの世界の理解の仕方【=多世界解釈】という現実を実現していくことができます。

今こそ、私達は、自分が体験しているその現実を、どのように【翻訳】していくのかが問われるのです。世界の現象をどのようにとらえるのか、それをどのように翻訳するのか、それによって、素晴らしい人生体験を実現するのか、悔しい思いの現実を体験するのか、が決まっていくのです。つまり、それは、あなたの【想像力】=【翻訳力】次第だと言えるのです。

 最後までお読みいただき有難うございます。


 

第216号 巻頭言

「世界の変化、動向を感じていますか?」
  

 

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 
 皆様こんにちは。2019年2月7日号の配信となりました。時の経つのがとても速く感じます。いまや、立春には、お寿司の恵方巻を食べることが定番になりつつありますが、皆様はいかがでしょうか?節分の豆撒きの行事も、一般家庭ではもうやらなくなってしまったのではないかと思います。今年は、昨年よりさらに速いテンポで進んでいきそうですね! 

 ユーチューブでは、アメリカの中西部の各州では、寒波の襲来で、-54度などという、南極の気温より低い地域ができていて、動物の凍死などのニュースがありました。大変な寒さですね。やはり、地球の異常気象は引き続き起きているようです。ハワイ州では、昨年の5月頃からキラウエア火山の溶岩流の噴出が激しくなり、大規模な噴火にならなければよいがという心配がありましたが、昨年11月の学位授与式のタイミングでは大丈夫でした。

 このように、地球全域で見れば、まるで、火攻め水攻め、更には氷攻めの様相を呈していますね。しかし、今年も、アメリカのイエローストーンの火山の噴火の危険も続いているようですし、日本国内の火山では、阿蘇山の噴火などの兆候があればこれも大変な事態が想定されます。

 
やはり、21世紀という、大きな時代の変化を乗り越えていくためには、通らなければならない、ある種通過儀礼のようなものかもしれません。私達人類の意識の変化、テクノロジーの進化がこれからどんどん起きていくタイミングであることを考えれば、それは、当然のことなのかもしれませんね。

 2年ほど前に、私自身が直感したことは、テクノロジーの大幅な進化がやってくる!ということでした。そのために、バベルという事業組織をどのように変化させて行けば生き延びていけるだろうか?と考えたのです。その結果、【一つの企業としていろいろな事業部門を行うのではなく、事業部門をそれぞれ専業会社として独立させよう!!】という結論に達しました。


 
早速準備にかかり、昨年2018年の2月には、翻訳サービス事業部門を独立させて、新たに「バベルトランスメディアセンター株式会社」を設立開業いたしました。そして今年は、出版事業部門を独立させて、法人の【デジタルプレス】として新規開業いたします。従来の紙の印刷出版から、デジタル出版、つまり、インターネットラジオとか、インターネットTVというような、デジタルメディアへのシフトだと言えます。
 
 勿論、このWEBTPTは以前の紙媒体の【月刊:翻訳の世界】から、月2回配信のWEB雑誌へと変化してきていますが、昨今のユーチューブの拡大・進展の状態を考えると、ここはもう、ユーチューブ配信をやるっきゃない(笑い)という心境になったのです。このWEBTPTも更なる変身をとげていきますので、皆様、どうぞ「乞うご期待」という心境です。


 新分野へのチャレンジですので、クオリティがどうなるかわかりません、初めは兎に角、いろいろとチャレンジしていくことになりますね。しかし、新たなことへのチャレンジは、とても楽しいものです。読者の中には、ご自分でも何かやってみたい!と思う方もおいでかと思います。そのような方は、是非、編集部まで売り込んでくださいませ!やる気のある、チャレンジャーを歓迎いたします。

 さらに、新機軸としては、これまでの日本語と英語を中心として翻訳出版を行ってきましたが、今後は、日本語を基軸言語として、世界の多数の言語との翻訳出版を展開したいと考えています。この地球の文化のベースとなる多数の言語がどうして存在しているのか?その理由は、【バベルの塔】の神話に書かれています。

 それは、原初、一つの言語を話していた人類を見たときの【神の思い=計画】に始まります。その計画とは、人類が一つの言語で、ひとところにとどまるのではなく、増殖して世界各地に広がり、多様性の文化の華を豊かに開かせてほしいという思いです。そのために、当時話されていた【一つの言葉】を通じ合わないように乱されたので、人々は混乱に陥り、世界各地に分かれて広がって行き、その結果、現在の多様な言語、多様な文化社会を形成しつつ発展してきたという歴史となっています。

 日本はこの狭い国土であっても、各地に方言が存在し、現代では「標準語」として「東京弁」という方言が共通のコミュニケーションを実現していますが、それこそ江戸時代は、藩毎に方言があったりして、言葉が通じ合わないことが日常だったのですね。これらの言葉を通じ合わせる技術が
翻訳であり、通訳であるわけですが、そのような地域性や、また、長い歴史を持ち続ける中で熟成されることによって、世界の中でも、日本は【翻訳の国】だとも言える文化的特性を持つ国土を形成してきたのでしょう。

 日本はまた、島国であるという特徴も見逃せません。四方を海に囲まれているため、外国からの侵入は難しかったということがあります。それは、蒙古軍の大船団が襲来の時、日本海海上に起きた暴風雨という嵐によって難を逃れた、という歴史的事件があります。念力パワーを駆使して撃退させた、という話もありますから、その嵐は偶然に起きたのではなく、日本側の防衛体制として準備されていた!とも言えるのかもしれません?

 ところで、現在の日常は、過去の単なる続きであると言うように考える習慣を、私は【既成概念】と呼びます。この既成概念が曲者なのです。皆さんも、直感が閃く、と言う体験があったのではないかと思います。昨日無かったから、明日も何も起こらない、とは言えないのです。現在は、大きな変化、テクノロジーの大変化が起きることで、私たちの日常生活=思考パターンがガラッと変わることが起きるかもしれません。

 どんなことが起きても、知恵を働かせて、何とか生き抜いていこう、乗り越えていこう!というような【意志】を持ちましょう。今年【亥】の年は、天変地異ともいうべき、結構激しい変化の時となるように思われます。そんな変化の時こそ【チャンス到来です】と考えれば、それを体験できるようになります。それは、事象、現象をどう読み解くか?ということであり、事象、現象の【翻訳】だと言えます。

 つまり、この世界は【翻訳の世界】なのです。

 自分が体験している現実を、どう翻訳するのか?それは、まさに『あなた次第』なのですね。自己の体験する現実をどう読み解くのか、既成概念に捉われずに、自分にとって都合の良い現実に変換させていくには、その現実を【翻訳する技術】が必要なのですね。

 あなたは、あなたが体験しているその現実を、どのように【翻訳】していきますか?素晴らしい人生体験を実現するのか、悔しい思いの現実を体験するのか、それは、勿論、あなたの【想像力】=【翻訳力】次第だと言えるのです。

 最後までお読みいただき有難うございます。






 

第215号 巻頭言

『2019年の今年は、日本の暦の干支では 【猪年】―
  世界の動向を理解して怖れを手放し、飛躍しましょう。』
  

 

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 
2019年も1月22日ともなり、立春ももうすぐですね。旧暦では、2月4日の立春を過ぎ、2月5日が新年となっていますから、2度目のお正月ですね。それは、西暦2019年、と言うより、和暦の【猪年】の新年ですので、【猪年が、明けましておめでとうございます。】という気分なのです。

と言いますのも、私は1947年、この【猪年】生まれで、還暦にプラス12年目の72才を迎えます。【いのしし=猪】は猪突猛進と言われますが、まさに私にぴったり!笑。 実に猪突猛進の人生でした!!1974年に就職し、1977年に現在の株式会社バベルの前身【日本翻訳家養成センター】を設立して独立、その後、わき目もふらず、ただひたすら【翻訳】を見つめていろいろな事業を起こし、会社を設立しながら、この3月4日で満45歳の事業活動人生の一区切りを迎えるのです!しかし、目指すは50周年=執念ですので、楽しみは続きます。笑い。

先はまだありますが、何というか【感無量】です。人間って素晴らしいな!と感じる今日この頃です。若い頃はいろいろな困難に直面したり、様々な苦悩を体験したり、などありましたが、流石に、ただ翻訳一筋に、60代にもなると人生体験も豊富になりますから、だんだん怖いものがなくなり、いつも楽しいというような気分で過ごしてきました。と言っても、未知へのチャレンジ、向上心がなくなったのではなく、何が起きても大丈夫!というような安心感=信頼感=幸福感、に似た気持ちです。

実は、3年程前、一つのインスピレーションがやってきました。それは、大きなテクノロジーの変化が起きて、世界は激変してしまう!というものです。勿論あちこちでAIによる世界の激変が語られているわけですが、それは一つの側面に過ぎなくて、本質的な人間の変化が起きてくるのではないか?それにより、世界は大きな変貌を遂げる!というような、一種「予感」のようなものなのです。

それは、米国にトランプ大統領が誕生して世界がこれまでとうって変わった世界になっていこうとしていることで、既に実現していますが、それらはほんの序の口に過ぎません。私達は目前の現われたものしか認識できていませんが、現れたときはもう終わりであって、始まりは常に見えないのです。トランプ大統領の誕生は、その前の何十年か前の伏流が私たちの目に見える形となって現れたにすぎず、その変化はどんどん加速していくのです。

これから加速していく側面は、人間である私達の意識=認識の変化であると思います。AIの誕生は、人間である私達の意識=認識の変化、進化?を促すためである!と言うことを確信しています。AIは、人間である私達の脳の研究、思考システムの研究、社会、世界の認識システムの研究から成長してきたものです。人間は、古代ギリシャ時代のソクラテスの哲学的命題「汝自身を知れ!」というテーマに導かれて成長・変化してきています。

人間とは何か?これが、私達人類の【存在の理由】なのです。人類は、自分とは何か?を、何千年も尋ね、実体験しながら生きてきたのです。まさに「自己への探求、それは自己への愛」だと言えるでしょう。そして、いまや、人類は、その一つのポイントに到達しようとしています。そのポイントが【AI】です。人間に似た、しかし人間よりもうんと賢い、強い、壊れない理想の人間、人間を超えた超人とも言える種子、がAIです。

AIの発達成長は、これから加速していきます。しかし、恐れることはありません。なんと言っても、AIは人間を真似しています。人間の代わりに人間以上の仕事ができるようになるまで、育てていくことが必要です。21世紀は、AIの世紀であると同時に、人間が進化していく時代です。それは、限界と限定という価値観、認識の乏しさによって作り上げてきたこれまでの「か弱い人類」が、【人間とは何か?】=【汝自身を知れ】という命題に真っ向から応えていける【新人類=神人類】へと変化成長していく時代なのです。

人間の思考システムは、目に見える形で自己の外部に映し出すものしか認識できていませんが、これは単に認識の方法、一つのシステムであって、絶対的なものではないのです。あの、ゆでガエルの比喩と同じものです。この世界は縦・横・高さの3次元に、時間という軸=時空を加えた4次元の世界である!などと物理学者は言うのでしょうが、それらは間違いである、という認識方法を持つ人、考えが多方面から現れています。

何と言っても、「私達人間とは、考える葦=足?であり、私たちの価値観は、考えの内容そのものに規定されている」と言えるのです。すると、考えが変われば、つまり認識の方法、認識の世界、認識の内容が変われば、世界は変わってしまうのです。これが、45年間、営々と【翻訳とは何か?】を考え、実体経験してきた思考の産物です。世界は【翻訳である】これが、私の到達点です。そして、翻訳するものは人間であり、つまりあなたです!自分が体験する世界、人生は、自分が翻訳して体験しています。あなたの人生は、あなたの翻訳によって紡ぎ出されたあなただけの人生です。

このアイディアに至ったとき、【ワーオ!】と思わず、叫んじゃいました!!笑い。まあ、45年も同じことを、一つのことを考え続けていますから、何とまあ、よくも飽きないことでしょうね!だから、【商い】、と言うのでしょうが。笑い。

翻訳ビジネスに魅力を感じている貴女=貴方、また、翻訳ビジネスを目指す皆さん、このように、翻訳の世界は芳醇な果実と人生の醍醐味=大ゴミを与えてくれる奥行きの深いテーマです。あなたも是非、イノシシ年にちなんで、「翻訳の世界に猪突猛進」してみませんか?笑い。

最後までお読みいただき、有難うございます。

第214号 巻頭言

2019年 ― 新年、明けましておめでとうございます。
想像=創造を始めましょう!
  

 

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 
 
皆様、 2019年、 新年、あけましておめでとうございます。

色々な分野で、世界が新しく変革されていくと言われてきた2019年が明けました。誠におめでたい限りです。これからの変化が世界をどう変えていくのか?ワクワクして参加していきましょう。 本年もよろしくお願いいたします。 

今年の世界の動きには、いろいろと画期的な出来事が予定されており、目が離せませんね。
私達も、目を覚まして何が起きていくのか、見届けましょう。これまでのように、過去の記憶の繰り返しの中に囚われていて、半分眠ったままで生きていくのは、もったいないですね! しっかりと目を覚ましましょう。 

日本は、今年4月末をもって今上天皇が譲位され、5月1日、現皇太子が新天皇として即位されます。宮中の行事、式典はいろいろと続いていくのでしょうが、私達国民にとって直接体験することは、新元号になる!ということです。

昨年12月23日は、今上天皇の満85歳のお誕生日だったわけですが、今や、ユーチューブで国民への公開の儀式を見ることができます。私は、ユーチューブを毎晩チェックしているので、たまたま、この今上天皇のお言葉を拝見することができました。すると、とても感動するものがこみあげてきて涙がでました!このユーチューブ画像は、世界中で見ることができますから、本当に画期的な時代になったという感慨でもありました。 

今更言うこともないくらい、私達はインターネットコミュニケーションの恩恵に浴していますが、この実感がさらに深まっていくとき、世界に何が起きていくのでしょうか?それは、臨場感!というものですが、目下の私の興味の中心であり、とてもワクワクする研究課題なのです。AIについてはいろいろと話題になっていますが、静かに浸透しているテーマがあります。それは、仮想現実、バーチャルリアリティです。 

現代の十代の方達は、生まれた時には既にインターネットがある環境で成長してきた世代です。この方達やそれに続く子供たちの世代は、インターネット環境が無かった世代とは、まるで世界観が違うと言えるでしょう。私達は、普段の生活でほとんど気にせず、意識せずに現代のITコミュニケーション環境を受け入れ、生活しています。そしてこれが当然のインフラだと疑うこともありません。
ところが、これから起きていくAIをはじめとする「新時代のテクノロジー」は、例えば「バーチャルリアリティ」のように、もっと過激なのです!笑い。  

今、私達、人類が直面しているテクノロジーの変化は、インターネットの登場と普及で便利になる、といったレベルではなく、私たちの認識の仕組み、認識構造が大きく変容していく、というような人間の能力の大変化=進化が起きていくのではないかと思います。人類の進化の過程と言われていることを思い出すと、四足歩行から立ち上がり二足歩行になったレベルに匹敵するような、大変化、まさに進化するのではないかと、秘かに思ってきました。
この1,2年のユーチューブの質的変化はものすごいものがあり、心ひそかに、おお、これは本当に進化が起きていく!と実感を深める日々となりつつあります。 

古代の日本人は縄文人だと言われてきました。これは、いかにもサルから進化したばかりの、土器に縄目模様をつけた程度の未開の文化だったと思わせられるネーミングですが、昨今の研究では、古代は現代より宇宙文化=先進テクノロジーを使っていたのではないか?とか言われたりしています。さらに、縄文人は世界中にその文化の痕跡を残しており、また他には、体長数メーターにも及ぶ巨人の骨が発掘されたり、宇宙船とも言えるようなものが、中世の絵画に描かれていたりとか、それこそ、ユーチューブには、教科書に無かったたくさんの情報が発信されていて、もの凄い事になっています。 

これらのユーチューブコンテンツは、いろいろと批判も多く、正統派学術知識に論拠を置く人々から、でたらめだと批判、非難をされてきましたが、最近のユーチューブ文化は、それらの批判、非難を乗り越えた知的水準になってきたと思います。しかし、大方の人々は、自己の思考を維持する習慣にはまって、既成概念に捉われており、外の権威に依存し、過去の記憶の繰り返しで生きていく思考パターンとなっていますから、当然と言えば、当然です。 

現代のユーチューブでは、科学的方法の訓練を経た専門家ではない素人の皆さんが、事実も推論も交えて、雑多な多様の情報を自己の判断、自己責任で分析し、論理を組み立てて思考を重ね、自己のユニークな判断をしていく!ということですから、いろんな面白い結論が導かれたりしています。これこそ、大量の情報の集積であり、まさに大衆文化が花開いたと言えます。これが、AIの醍醐味です。これらの大量の情報集積が無ければ、AI(人工知能)は実現できません。 

今や、皆でAIを育てる時代になったのですね!しかし、このAIを育てる、大量の情報集積回路は、AIの為だけでなく、私達人類の認識の変容へと導いていくのだと思います。私達人類は、既に何万年以上の情報の集積回路を構築しているのです。しかし、個人の自我意識=エゴのコントロールシステム下に長いことおかれてきたために、自由な想像(イメージ)力が閉ざされ、パターン化し、社会活動にうまく合致できるよう、コントロールされてきました。 

ところが、ユーチューブという、自由な発表、発言の場を得て、その才能が開花し始めたのです。誰もが想像(イメージ)を働かせて、配信でき、その視聴者を集めることができる!ということは、凄い事なのです!しかも世界中に配信できるのです。しかし、ここで、私達、翻訳者の出番になりますね! 

この、素晴らしいユーチューブ文化を言語の壁を越えて提供出来たら!とだれでも思いますね。今こそ、「翻訳者」の出番です!!言葉の壁を越えて、素晴らしい、且つユニークなアイディアの画像や物語を発表することができたら!とユーチューバ―はきっと思っています。そして、世界各地のユーチューブの視聴者たちは、この動画が、母国語に翻訳されたら、もっとよく理解できるのに!と思っていることでしょう。 

今始まっている、ユーチューブ文化の時代は、新しい翻訳文化の【想像=創造】でもあるのです。地球は多言語の世界です。その地球マーケットは、まさに『翻訳の世界』なのです。

さあ、翻訳者の皆さん、今、翻訳を学んでいる皆さん、そして、これから翻訳を学んで自立したいとお考えの皆さん、2019年は、皆さんがいよいよ本領を発揮して多様な地球文化、多様なビジネスコミュニケーションを、自ら【想像=創造】していく新時代にしていきましょう。あなたの決意が、あなたの現実を創造していくのですから。

第213号 巻頭言

「 翻訳とは、自己の体験する現実の想像=創造である
  ― AIについての一つの考察」その②

 

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 
 
早いもので、
2018年もあと数日を残すところなりました。皆様、お元気で年の瀬をお過ごしのことと存じます。
今年は、私にとって、とても月日の経つのが早く感じられた一年でした。皆様はいかが感じていらっしゃるでしょうか?
私が、今年、
2018年、つまり、平成30年を、月日の経つのが早いと感じた理由は、とても忙しかったからです。

 忙しい中にも、不思議な幸福感というものがあり、疲れを知らず、毎日が発見!というような、とても進歩が速いというか、楽しい発見に満ちた一年でした。今まで蓄積してきた様々な情報や、思考の蓄積といったものが、ここにきて実を結び始めた、というような実感があります。これは、思うに、自分の努力とかいう代物ではなく、まさに
『Gift』宇宙からの贈り物、といった気分です。

 私達は、五感というセンサーで世界を認識してあれこれ思考を働かせているわけですが、ふとした瞬間に【それ】はやってきます。【それ】とは、世に言われる第6感=直感ともいうべきものですが、これがこの二、三年は結構頻繁にやってきた感があります。なるべく、この直感に従って生きていくと、まさに
『Gift』がやってきます。それは、余り良い事ばかりではないので、常識的には避けたいという気分もわきますから、たまに迷うこともあります。

 でも、そんなときは慌てず、騒がず、成り行きに従っていると、多少の回り道はあってもちゃんと導かれていきます。もし、その選択がとても過激な選択であったりしても、なるべくなら、慌てず騒がず、成り行きに任せましょう。その内に、嗚呼、このためのプロセスだったのだ!というように解ってきます。


 
そんなわけで、この
2018は、無謀にも、44年の事業を行ってきた「株式会社バベル」という会社の事業部門をどんどん、新会社として独立させルことを思い立ち、1996から久しぶりに「翻訳ビジネス」を担当してきた事業部門を「バベルトランスメディアセンター株式会社」として新規開業させました。翻訳者の皆様、どうぞ、よろしくお願いいたします。

 更には、現在取り組んでいますのが、このマガジンの発行元、「バベルプレス」、出版事業部門なのですが、この出版事業部門も、新たな「デジタル出版ビジネス」を行う、新会社として発足する準備にかかっています。他にも世の中の変化に対応して、新しい事業活動ができることを楽しみにしています。


 バベルの事業活動は、常に、【日本語を基軸言語】として、世界の言語との翻訳コミュニケーションを対象にしていますが、この
20年余りは、「バベルの翻訳文法」の新開発がちょっと止まっていました。インターネットというコミュニケーションテクノロジーを消化していく、活用していくことに結構夢中になり、地球規模のコミュ二ケーションの進展に目を見張るばかりでした。1994年の商用インターネットの登場によって、世界という認識はすっかり変わってしまいました。そして、今、私が感じることは、このテーマにも書いていますが、「AI技術」という、更なるテクノロジーの進展です。

 様々な分野でAI技術は活用され、初歩的であっても自動化が進展しています。【自動化】がAI技術の眼目ですから、あの、自動車でさえも、【自動運転車】に代わっていきますし、レールの上を走る電車はとっくの昔に【自動運転車】になっていました。運転手さんは、AIの運転の管理者であり、主要なポイントをこなすばかりになっています。早晩、自動運転車のタクシーやら、自家用車も登場してくることでしょう。何となく楽しいような、何となく不安なような、不思議な感覚があります。

 A
I技術の進展は、これからますます高まり、広範囲に応用されていくことが予想されます。会社のマネジメントにおいても、事業分析や市場調査、製品管理、生産管理、人事管理などの様々なデータの計算や処理は、所定のプログラムで処理できますから、かなり進化することが考えられますね。人間が失敗しながら経験を重ねて業務の改善をしたり、現状分析を行ったり、というような試行錯誤の体験を積んでいくスピードがかなり早まっていくことでしょう。

 振り返ると、
1994年の商用インターネットの開始から24年経ったところで、現在のテクノロジーの社会への浸透度合いというものがあるわけですが、これを考えると、世に言われる「シンギュラリティ」が起きるであろうタイミングは、まだしばらく先のようですね。しかし、これらの変化は、年々、日に日に加速していくでしょうから、いろんな分野で、先行する分野もあれば、時間がかかりそうな分野もありそうですね。

 私たち人間が、いろいろと苦労しながら試行錯誤を繰り返して到達したテクノロジーの社会化というものは、人間の感情=勘定によって固有の変化、進展を遂げてきたわけですが、この感情=勘定に捉われないAI技術となると、人間社会の進展よりは、かなり早い変化を実現していくのかもしれません。しかし、その判断は人間のニーズというものがありますから、それなりに、固有性が出てくるのかもしれませんね。人間は【固有】であることが価値がありますから、AI技術の進展も一筋縄ではいかないかもしれません。【固有】であることが、人間の生命現象としての存在意義ですから、それを失ったらもはや「人間ではない」ということになってしまいますからね。

 【生命現象】としての人間を考えると、そこに、AI技術の進展の方向が見えてきます。人間が苦手なところ、生命の危険を感じるところはAIにやってもらうのがいいですね。人間が担当する分野は、やはり【想像=創造】です。これが、人間として生まれた醍醐味ですから、こんなことをAIにやってもらう必要はないのです。

 この記事のタイトルに
【翻訳とは、自己の体験する現実の『想像=創造』である】と書いておりますが、これまで44年にわたり翻訳ビジネスに関わってきた私自身の実感です。1976年の10月に創刊した『翻訳の世界』にずっとはまり込んできたわけですが、これがまさに実感であり、私の喜びの源 「Gift」 なのです。

 探求すればするほど、更なる深みへといざなわれる
「翻訳の世界」 ですが、それは一人一人の感じ方、捉え方に依存します。誰かほかの人が言っていたから、とかといったものではなく、自分自身が直感し、身体の震えと共に心に沁みわたり、解放されるものです。これは、いわば、生命としての人間、生命としての動植物と分かち合えるものでしょう。そして、いつか、AIと分かち合いたいものですね。

 最後までお読みいただき有難うございました。来る平成31年は、丸一年は無く、新たな元号が制定される時です。
それは、どんな元号となるのでしょうか?楽しみです。


第211号 巻頭言

 


「 翻訳とは、自己の体験する現実の想像=創造である
  ― AIについての一つの考察」

 

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 
 11
月20日の夜、東京の空を見上げると、満月とは言えないまでも、美しい丸い月が出ていました。夜空もネオンサインやたくさんの光があり、あまり暗くないのですが、ビルの谷間に丸い金色の光を放つ、月が浮かんでいました。つい見とれていましたが、秋の月には冬へと向かう季節の臭いというか、その風情が感じられます。

バベル翻訳専門職大学院は、学生の皆さんをはじめ、教師陣、マネジメントスタッフ、運営スタッフも皆、世界各地に在住して活動していますので、同時に見る空は、夜の闇だったり、朝日の輝きを放っていたり、真昼でもあり、夕日に染まっていたりするでしょう。地球は丸い!?このように考える時、20世紀末からの短期間の社会変化のスピードに改めて驚くと同時に、技術開発、情報の蓄積、コミュニケーションなどが、日々加速するスピードで変化していることが実感できます。

 とりわけ、2016年に始まった変化の波は2020年へ向けてなお加速し、大きなうねりとなっているようです。それは、私達人間社会のテクノロジーや、社会システムの変化だけではなく、地球環境そのものの変動や、天体の位置の変動なども伴い、まさに人間を中心として社会環境、自然環境、太陽系を中心とした天体環境にも及ぶ大きな変動が共振するタイミングとなっているようです。

 それは今、地球規模で、地震や火山活動が活発化し、大雨や洪水、津波、降雪、山火事、陥没や隆起などの大きな環境変化が起きていることとシンクロしています。バベル翻訳専門職大学院の本拠地、米国のハワイ州でも、ハワイ島のキラウェア火山が今年5月3日から噴火し、その活発な火山流が止まらず、一時、火山が山体崩壊した時、大変な津波が襲う、とのシミュレーションがありました。

 そのため、過去の経験から、ハワイオフィスは大丈夫だろうか?と思えるかなり危機的状況にありましたので、とりあえず、リモートワーキング体制を取るなどで対応しました。しかし、ハワイオフィスの場所は、アラワイ運河の脇という立地なので、このままでいいかどうか対策を講じる必要もあり、9月に、ハワイオフィスにて勤務して調査しましたが、この頃には大分おさまり、観光客も相変わらずで何事もなく済み、幸運でした。

 ただ、現地居住者の方のお話では、火山噴火の影響によるガスの臭気が流れてきた時もあったということでした。私は事業活動を始めて45年になりますが、日本は、地震国なので、この間、大きな地震を何回か経験しておりますので、それに比べるとハワイの方達は随分おおらかだと感じました。

 なにしろ1995年1月17日の阪神淡路大震災や、2011年3月11日の東日本大震災は直接の体験をしており、地震や津波の驚異的なパワーの前に、畏敬の思いを感じています。しかし、ようやく、キラウェア火山の噴火も終息した模様で、一安心です。これを機に、地震や火山噴火、洪水、津波などの影響をいつ受けてもいいように、大学院の授業や運営システムなどを更に安全かつ快適に学習していただけるように研究準備中です。

 思い返せば、このような事象、事件が起きることはある意味で、とても良い体験です。その都度、そのような事件、事象にあっても、如何に影響を受けない仕組みにしていくか?という課題を解決する意欲や勇気が湧いてきます。なんでも順風満帆であればいいという価値観より、艱難辛苦を我に与え給え、それを乗り越えてみせるぞ!!というような、考え方が好きですね。

 諺に、「艱難 汝を 玉にす」 というものがあります。勿論、艱難辛苦といっても色々ありますが、私達人間は、その艱難辛苦を体験することで、それを乗り越えるエネルギー、意欲を励起させ、果敢にチャレンジする叡智=精神パワーを育てていくのですね。

 現代において、我々人類が地球規模の自然災害や社会的事件、天体現象などの破局的に見える体験をしていることは、言うなれば、それを解決し、乗り越えるポテンシャルパワーが目覚めるタイミングが来たということだと思います。そして、これまでは潜在していたパワーを目覚めさせるには、破局的事件、現象の体験を受け入れて、解決し乗り越えていく【意志の発動】が必要なのですね。【意志の発動】とは、まさに「やるぞ!という心のスイッチ」と言えるでしょう。

 現代は、このような自然災害、環境の大きな変動、テクノロジーの大変化など、様々な面で破局的変動、変化が起きています。このような変化変動を、いたずらに恐れたり、避けたり、否定したりするのではなく、あくまでも知的に、冷静=霊性 に対応、理解・容認していくことが必要です。

 そして、今話題の、人間が知能においてその地位を明け渡す時【=シンギュラリティ】と言われて、我々人類に対し破局的変動を起こすものの筆頭がAI(人工知能)ですね。
 そしてそれ、AIとは【私達人間が、人間のポテンシャル(可能性)を【顕在化=外在化】させていくという研究により開発された【人工知能】と呼ばれる情報処理システムなのです。

 このことによって私たちは、新たな視点、観点を発見していくことができます。それは、AIができることは、人間、つまり私達にとっても実現できることであり、更には、本来、AI以上の能力が人間のポテンシャルとしてあるのだ!ということです。ただし、現在のままでは、それは可能性、つまりポテンシャル状態であって、それを開発し、実現できることを、このAI研究が、実証して見せてくれているというわけです。

 現代のような状況では、未来予測的に、いろいろな恐れの情報が流布します。なぜなら、人はそのような話が好きなのです。我々の感情エネルギーの中でも出しやすく、強いパワーは、恐れ=恐怖の感情だからです。
そこで、まず、心の壁を大きく開いておきましょう。様々な社会の出来事に対して、そんなとんでもないことがあるものか?というような常識の壁の囚人になってしまわないように。

 私達は、これまでに教えられ、自分で受け入れて反復してきた知識をしっかりと固めてその上に自己の価値観を作り上げ世界を見る信念体系というプログラム­=情報処理システムを形成していますから、この価値観を揺るがすような見解、情報はなかなか受け入れがたいのです。自分が、存在している基盤が揺らいでしまう!という恐れがあるからです。
 ところが、現代のように、誰もがあのユーチューバーになり、個人で動画を世界中に配信できるような、すごい時代になったことは、これまでの制限された既成概念をどんどん揺るがせ、破壊しています。まさに、特別の存在ではない、普通の我々が、宇宙とも言える天空から地球を眺めることができますし、うーんとズームインしてみれば、自分の住む町の様子も、宇宙からの目で見ることができるのです!

 今や、いつでもGoogle Earth グーグルアース その名も「バーチャル地球儀」を指で触れたら、どこでも画像で見ることができ、本当に地球という惑星にいる、という実感がわきますね。これが、まさにバーチャルリアリティです。わたしたちの認識は、自分の身体システムと近い空間構造でないと、実感がわきません。そういうプログラムになっているからですね。

でも、どうでしょうか?ところが、こうしてGoogle Earthで見る地球をそのまま、これが地球なのだと信じていますが、それが真実かどうかは判りませんね!(笑い)

 そういうわけで、現代においては、科学者が言うからとか、昔から言われてきたからとか、多くの人が言っているからと言って、それをまるで自分が見てきたように、そのまま信じて使ってしまうのは、ちょっとまてよ!というスタンスが生まれてきました。それは、嘘だからとか、真実だからとかいう感覚ではなく、地球を自分の足元の大地として見るという感覚や、慣れ親しんだ身体の空間感覚が薄れていっているとも言えるのです。
 実態とか、物体、身体という感覚が希薄になり、かなり抽象的な概念感覚とでも言いましょうか、ふわふわしていて、輪郭がなくなるような感じを受け入れられるようになっているのではないかと感じます。
たまに記憶もとんだりしています(笑い)!!

 従来の物理的感覚、感性のままでは、「あの古代のバベルの塔」の影響下にある時代がまだ続いているようにさえ思いたくなりますが、しかし、私達が、「新バベルの時代」を観たい!と心に決めて世界を見ていくと、新しい変化がそこここに起きてきているのが分かります。それらは、まだ、小さな変化ですが、確実に成長しているように見えます。その変化を全体へとつなげて完成させていく動きが、地球環境の変動であり、自然現象、社会現象の変化として表れているのだと言えるでしょう。

 バベルグループでは、昨今の大きな環境変動によってもたらされる「新バベルの時代=多言語翻訳の世界」を自己の意思として、より具体化しようという試みを始めています。それは、人間の意志が人生の方向を決め、自分の意識活動に基づき様々な具体化行動をし続けることで、その志す思いを実現できるのだという信念があるからです。

 【バベルの翻訳図書館=地球=智求図書館】はそのようなイメージを持ちつつ徐々に構成されていきます。これは、あのサグラダファミリアが既に着工から100年以上が経過してもなお、建設活動が続いていることにイメージが重なります。そして、完成には300年以上かかると言われてきたそうですが、どんどん工期が短縮し、2026年、着工から150年余りで完成予定だと言われています。それは、IT技術によって工期が短縮したからだということ、つまりAIの成果でもあると言えそうです。

 バベルの図書館も、まさにAIが活躍してくれそうですが、それは、勝手にAIが意志を持ちプロジェクトを行うというより、人間の意志と共同して、その作業を完成・実現していく、というシステムをイメージしています。AIに使われるのではなく、AIをパートナーとして使いこなし、時間価値や成果のユニークさなどの価値を高める翻訳生産性を実現していきましょう。

 あなたは、AIとどのようにパートナリングしていきますか?
今は、新たな多言語世界の創造の入り口にいるのです。
そこで、【翻訳とは世界の想像=創造でもある】と、再度宣言したいと思います!
 素敵な秋、収穫の秋をお楽しみください。お読みいただき、有難うございます。

第210号 巻頭言

巻頭言 :2018年11月7日号 


【 世界の翻訳図書館を創造する
―多言語の翻訳図書館は、 イメージするだけでもワクワクします!】

 

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 
 
図書館はお好きですか?と言われても、普段はあまりなじみがないかもしれません。というのも、現代は、様々な書物が誰でも手の届く価格で出版されており、読書好きの方なら、結構自宅が図書館化しているかもしれませんね。

 ところで、図書館といえば「BABEL」というつながりはご承知でしょうか?いわゆる「バベルの塔」の個所でも、バベルは言語、言葉との関係がとても深いと言えます。そうであるからこそ、翻訳事業を営む会社名に「バベル」と名付けたわけですが。

 私達人間は【様々なコミュニケーションを行う道具=言葉としての言語体系】を持っているわけですが、人間ばかりでなく、犬や猫などの動物、鳥類、魚類、虫類、時には草花や樹木さえ、コミュニケーションを行っています。そればかりか、微生物、菌類、などなど、生命活動を行っているものは全て、コミュニケーションを行い、同類相互に通じ合う独自の言語体系を持っています。つまり、生命活動とは、コミュニケーション(=翻訳)である、と言えるのです。

 しかし、人間の「言葉」で「バベルの塔の崩壊以降」に盛んに使用されて発達してきた諸言語は、互いに通じ合わなくさせられた影響下にあります。その、通じ合わなくなった言語を「翻訳」によって通じ合うようにしようとなったのは、まさに「バベルの塔の崩壊」時点にその萌芽を見いだせると思います。それは、何よりも「意志を通じ合わせたい」という思い(=コミュニケーションをする)は、極めて原初的動機であり、人間ばかりでなく、全ての生命の活動の基本であるからだと思います。

 生命は、生命としての活動の基本に相互に知り合いたい!という基本的欲求を持っていることが分かりますが、それは何故だろう?と疑問が湧きますね。誰でも子供の頃、とりわけ2,3歳になると、それは何?どうして羽があるの?とか、どうしてはだしで歩いちゃダメなの?とか、何でも、何を見ても「なぜ?」「どうして?」と質問攻めになることを体験されたのではないかと思います。

 ところが、だんだん大人になってくると、「なぜ?」という疑問を発する側から、質問をされる側に代わっていかなければならなくなり、大方の人々は、子供時代の「なぜ?どうして?」という疑問を封印していくように思います。

 ところが、ところが、わずかな人数だと思われますが、幸運にも「なぜ?」「どうして?」を持ち続けて探求をし続ける人々がいるのですね。それが、いわば「学者、研究者、探検家?」などという職業と言えるわけですが、どんな職業であっても中にはやはり「なぜ?」「どうして?」を忘れない人々がいる、というわけです。

 これらの「子供心=探求心=なぜなぜ魂」を持ち続ける人々にとって、図書館は素敵な場所ですね。一人思索にふけるのもよし、多くの本を借り出していろいろ比較しながら読むのもよし、隣の人とおしゃべりをするのもよし、というわけです。翻訳に興味、関心を抱く方は、図書館に行くのが楽しみな方が多いでしょうね。

 しかし、ここでのテーマは「翻訳の図書館」ということですので、これについて認識を深めたいと思いますが、皆さんご承知の通り、既に「多言語の図書館」は実現しています。それは、「WEB、またはNET」と呼ばれているものですね。つまり、インターネットとして、蜘蛛の巣、または網目状につながり合った「知識情報空間」構造だと言えます。メールを使った文字情報通信だけでなく、ユーチューブというフリーで視聴可能で、誰もがそれを投稿、開設することができるという、まさに画期的な仕組みが出来上がっているのです。

 このシステムは本当に素晴らしいですね。これが、商用システムとしてオープンしたのは、1994年、米国において始まったのですが、瞬く間に世界中に広がり、人類のコミュニケーション活動はこの短期間に飛躍的、革命的な変化を実現してきた、と言えます。このシステムの終わりはまだ見えていません。これから更なる飛躍、成長、変化を遂げていくことでしょう。

 そういうわけで、「バベルの翻訳図書館」はインターネット上の仮想空間、世界のどこからでもアクセス可能で、例えば、外国語でしか出版されていない書物や、読めない言語で発行されている文書、ブログ、HPなどなど、それらを翻訳してもらえたら読めるのに!という思いをお持ちのあなたに、リーズナブルなコストで時間もそうかからずに翻訳されて提供されたら嬉しいですよね。そんなニーズの希望を叶える【機械翻訳システム=例えばgoogle 翻訳】はお試しになった方も多いと思います。

 本当に現代は、至れり尽くせりの時代です。あのフリーの翻訳システムは、とにかくデータを体験させてその蓄積によっての翻訳の精度が上がっていくという、いわば「みんなで子育てしよう!」というシステムですが、多少使えるレベルもあれば、まだまだへんてこりんな訳になっている、ことが多いですね。まあ、「自分が読めて理解の助けになればいい」というニーズにはそこそこ対応できているのかもしれません。子育てと同じですから、やはりかなり使い続け、育てて行けば自分流の翻訳システムを実現できるかもしれません。

 このように、【世界の多言語情報を手軽に読める】とか、【世界の言語マーケットを掴んで、自分の得意分野の翻訳サービスをしていきたい】とか、いろいろなニーズがあるかと思います。これらのニーズにいわばgoogle翻訳を超えた翻訳品質で、まだ、未知の文学や、情報、音楽、動画などを手軽に読み、視聴できるシステムを実現できるタイミングになりました。

 そこで皆様には、「バベルの翻訳図書館」で、未訳の書籍を、自分が読みたい言語の翻訳のオーダーができ、または、その読者の要望を叶える翻訳サービスを提供することもできる、という、双方向のシステムとなるでしょう。「バベルの翻訳図書館」は、「読み手」と「訳者」が出会う場所とも言えるかもしれません。この「地球=知球」のあらゆる情報を翻訳して提供するには長いプロセスが必要でしょう。それは、あの「サグラダファミリア」の建設のように、終わりなき建設作業となっていくことでしょう。

 ご興味のある方は、是非、「バベルの翻訳図書館」プロジェクトにご参加ください。そして、あなたのブランドとなる「翻訳書出版」を実現してください。翻訳の世界へと足を踏み入れた皆さんが、ご自分の渾身の一冊をバベルの図書館に収めてくださいませ。そして、それはまた、別の言語に翻訳されていく原書となっていくかもしれません。「日本語、日本文化の世界的な普及」は、翻訳抜きには考えられません。日本語出版物の翻訳には、まだこれから十分な広がりが期待されています。
大きなチャンスが到来している時が来たとも言えそうです。

 ご自分の得意分野、得意技を活かして、翻訳出版にチャレンジしてください。そして、その出版物を「バベルの翻訳図書館」に保管して多くの方に読んでいただきましょう。どんな展開が起きてくるのか、楽しみですね!

 最後までお読みいただき有難うございます。

第209号 巻頭言

第209号 巻頭言

巻頭言 :2018年10月22日号 

翻訳書の出版で、プロフェッショナルとしてのブランディング ―その2」

 

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 前号で、翻訳書の出版でプロフェッショナルトランスレーターとしてのブランディングについて考察しましたが、今号もその続きです。バベル翻訳専門職大学院【BUPST】で、私が担当する科目があります。それは、【翻訳ビジネス経営実務】というタイトルの講座ですが、ここでは、実際の翻訳ビジネスに従事するにあたって、具体的な経営実務について学びます。その科目の最終講義の課題が「翻訳者、または翻訳会社としてのブランディングをどのように考えて実践するか?」ということです。

 ビジネスを行う上では、「ブランディング」はとても大事なテーマです。翻訳ビジネスに従事されている同業者、同業社数はどのくらいあるのでしょうか?今や、グローバルビジネス展開はかなり広範囲になっていますから、英語ばかりでなく、多数の言語に翻訳するニーズはかなり増加しています。ということは、それだけ、翻訳ビジネス=翻訳市場が広がっているわけですから、世界中でかなりの翻訳者数、翻訳会社数がビジネス活動をしていることが想定されますね。

 世界の言語マーケットは今や市場拡大のすごいタイミングだと言えるでしょう。とりわけ、日本語に翻訳するか、または、日本語から別の言語へ翻訳する場合の市場ニーズは、今後ますます増加することが予想されますが、日本語以外の言語どうしの翻訳水準要求に比べて、日本語へ、または日本語からの品質への要求レベルはとても高いと言えます。

その理由は、日本語と他の言語間の言語差だけでなく、日本語の文化的表現の差異に十分な配慮が必要だということですが、それは、日本文化の歴史の深さ、長さに起因しています。英語その他の外国語に翻訳するときも、日本語の文化に根差した表現内容を深くくみ取ることが必要です。そういう意味でも、日本は翻訳の歴史が長い文化国家であると言えるのです。

 従って、一応日本語を学んだ外国人でも翻訳は可能になるのですが、的確にその日本語の原文を的確に理解し、その書かれた意図をしっかりくみ取っているかということが点検のポイントです。日本人同士であっても、それは同じです。日本語の多様な言語表現は、外国語の例に無いほど多様性があり、多義性があります。そのため、文全体やその話者の立場や関係によって、しっかりくみ取って翻訳していくことが必要となるからです。

 ところで、翻訳者の養成事業を開始したばかりの1975-1976年頃は、翻訳への関心の高まりが起きつつあったタイミングだと思います。当社の月刊誌発行に先立ち、「翻訳の専門誌」が発行されていて、その後継続はどうなったのかわかりませんが、1960年代から1970年代は、そのような「翻訳への関心が高まった時代」だと言えると思います。

 そのような時代背景の中で「翻訳の世界」を創刊するという意思決定をしたわけですが、1976年11月号を創刊号として幸いにも、その後、一度も休刊することなく、名前や体裁、媒体は変わりましたが、この2018年10月の今日まで42年間、発行継続できたことは秘かな喜びです。

 言わば、月刊誌『翻訳の世界』の刊行が、現在のバベルの発展成長の礎であり、牽引車であり、ブランディングを実現した、と考えています。月刊誌の発行は、かなりパワーが必要です。印刷物としての月刊誌の発行は確か26年間くらい継続し、次はタイトルを変更して継続し、2010年からこのWEBTPT マガジンに変態したというわけです。

 イヤー(year!!)長かったですね。あと数年後には50年を迎えるタイミングとなりました。AIが翻訳者に取って代わるのではないかと危惧する向きもありますが、専門分野の固定パターンの翻訳ならいざ知らず、出版物の翻訳や、勿論専門分野の翻訳でも人間の専門翻訳者の認証なしで済むことが可能になるにはいろいろな制度上の条件が必要となるでしょうし、個性的な翻訳出版物の価値は廃れることはないと思います。つまり、忙しい部分はAIにお任せして、人間翻訳者は、かなりアートな翻訳に集中できるといいのではないかということです。

 バベルはこのような活動で、自分勝手に【翻訳のバベル】、【翻訳はバベル】というブランドを確立してきましたが、バベルのように、翻訳ビジネスを選択し、翻訳者として活動していこうとお考えの皆さんに、是非、あなたのブランドを作ることを目指していただきたいと思います。バベルのケースは一つの例ですが、そこはやはり「翻訳出版」は翻訳者にとってとても素敵な「ブランディング戦略」である、ということをご理解いただけたのではないかと思います。

 バベルと同じように、折角、翻訳の世界へと足を踏み入れた皆さんが、自分のブランドとしての翻訳書を出版されることを願っています。その皆さんのサポートシステムも、またいろいろと計画し、チャレンジしていきますが、皆さんのアイデア、企画などもどうぞ、ご連絡、ご相談ください。「日本語、日本文化の世界的な普及」は、まだこれから十分な広がりが期待されています。ある意味でチャンスです。

 あなたの得意分野、得意技を活かして、翻訳出版にチャレンジしていきましょう。どんな展開が起きてくるのか、楽しみにしていきましょう!

 最後までお読みいただき有難うございます。

第208号 巻頭言

巻頭言 :2018年10月9日号

 翻訳書の出版で、プロフェッショナルとしてのブランディングを考える 」

 

BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 台風24号が日本列島を縦断し、すっかり秋の気配が色濃くなりました。彼岸花は9月半ばには咲いていて、時の経つのは速いと感じます。台風一過、秋晴れは素晴らしいですね。

 ところで、折角翻訳者を目指すなら、やはり、翻訳書を出版したいですね。ビジネス分野の翻訳は、翻訳市場の規模が大きいので、安定した収入が期待できます。しかし、専門分野のビジネス関連文書の翻訳に集中してばかりいると、たまには出版物の翻訳も手掛けたくなります。専門分野の関連書籍や、学術書、大学の教科書などもありますし、出版物も多様なニーズがあります。

 さらに、自分の専門分野に関する学習の継続、新智識、新研究事例の学習など、自分の専門分野の翻訳技能を高めて行くためにも、関連書籍を読み、学習を継続していくことが必要ですが、これを、自分の専門知識の向上、継続の為だけだと考えずに、これから、この専門分野の翻訳に従事したい人々や、同時に専門知識を学習したい人々の気持ちも共有することで、一石二鳥の作業となります。


 従って、専門分野の翻訳者を目指すなら、翻訳書出版のことも視野に入れておくことを勧めます。いわゆる文芸作品の翻訳者を目指す人だけが、翻訳書出版を実現するだけではないのです。文芸分野の翻訳は、出版物としての作品が主になるため、初めから翻訳出版を想定する事になりますが、返ってそのために翻訳の仕事が安定しない、定期的な収入が期待できないなどのデメリットが想定されますが、それも、どうでしょうか?いわゆる既成概念に捉われているのかもしれません。

 ビジネス翻訳に従事する場合の既成概念=固定観念の内容と、文芸翻訳に従事する場合の既成概念=
固定観念とはちょうど裏腹の関係になっています。このように、私達は既成の情報、過去の継続的な知識や先輩から教えられた知識情報に囚われてしまいがちです。


ビジネスでも、ビジネスではなくても、わたし達は失敗を恐れるあまり、過去の情報に依存し、そうすることで問題が起きないと考えがちなのです。

 その原因はいくつかありますが、大きな影響を与えるものの一つは「失敗をしたくない!」ということです。なぜ失敗を恐れるのでしょうか?それは、必ずしも自分自身の失敗体験から来ているというばかりではなく、ほとんどは、他人の失敗談を聞き、ひどい目に会ったという感想や、苦難の状況を見て、自分も失敗したらそうなるに違いないから、失敗したくない!!という論理を構築してしまいます。
 
 まさに、人生の失敗文法があり、失敗の人生が必然的に起きてくるのだと、信じて疑わないのです。そのため、人は失敗を恐れる習慣を批判することなく、その敗者の価値観に囚われてしまう人生を送ることになるのです。ここでいう敗者(=歯医者?!)の精神とは、チャレンジしない精神ということになりますが、失敗文法を打破する方法は、「ダメもとでやってみる=チャレンジ精神」であり、同時に「細心の注意を払いながら大胆に試してみる」精神であり、「チャレンジに意義があり、結果を気にしない」という「おおらかな精神」なのですね。

この、一見矛盾する二つの価値観を同時にするということは、かなりの高等戦術なのです。つまり、一見矛盾する世界、あり方というのは私達の日常であり、この現実の本質であることを踏まえた態度=行動力であるということになるのです。私たちの世界は3次元だと言われます。それは、縦、横、高さの三方向の軸を書いてみればわかりますね。一次元は線です。ただ伸びている線ということです。2次元は、その線に交わるもう一つの線で出来る面となります。3次元は2次元の面に直交するもう一つの線によって出来上がる立体のイメージでしょうか? 

 ところで、二つの価値観、つまり相反する二つの視点を同時に受け入れて、考えるということはその二つのポイントから離れてみていることになりますね。仮に二つの価値=視点を2次元と呼べば、2次元を見るのは3次元の位置に無いとそれは見えないということになるのです。ちょっと理屈っぽくなりましたが、相反する二つの結果を受け入れるということは、このような思考の飛躍、視点の転換ともいうべき事態が起きていると言えます。

 従って、過去の事実という知識・情報、体験・経験に囚われずに「失敗してもいいからやってみる!」
という姿勢、精神は一次元上昇した思考レベルにある、と言えるのです。

 前号では、「翻訳作業につきものの慎重さが、かえってチャレンジ精神を妨害してしまうこともあるかもしれませんね。」と書きましたが、このような3次元の眼で見れば、失敗こそが成長の肥やしになるのだという結論が導かれます。つまり、私達人間は、失敗の積み重ねによって成長していく!という矛盾した認識構造になっているということが分かります。

 今回は専門分野の翻訳という作業を、自己の最良の仕事の成果を維持、実現し続けるための対策は、同時にこれから学ぼうとしている人々にとっても役立つ成果情報となるので、専門分野の翻訳ビジネスという視点だけでなく、それを翻訳出版するビジネスという2足の草鞋を履いてみませんか!というお誘いです。
 出版物として出していくときの翻訳は、ビジネスにおける翻訳作業とかなり違いますから、別の視野が拡張されていきます。それは、専門分野翻訳ビジネスの技能を多面的な視野が広がることになりますから、本来のビジネス翻訳に一層の磨きがかかるでしょう。

 一つの専門を持つことは、一本背中に筋を通すことですが、それを横から斜めから見ても揺るがないという専門の翻訳レベルのプロフェッショナルとしてのブランドが確立されたのだと言えるのではないでしょうか?

 自己の目的の為だけでなく、他者の成長、他者のニーズにも応えていこうとする精神は、これからの多次元思考の現れといえると思います。それが同時に、自己の本業をブラッシュアップしてくれ、ブランディングできるとなれば、言うことなしですね。笑い

 このように多次元的な思考に伴う叡智に導かれた翻訳ビジネスとは、どういうイメージになっていくのか、興味が尽きません。依頼があるから翻訳する、のではなく、自らこれを世に出したい!という【志】を持てる本を探し出し、じっくりとその翻訳に取り組み、それをまだ見ぬ人々の世界に送り出してやるという楽しみを体験してください。

そこで、是非、「翻訳稼業(翻訳家業?)は三日やったらやめられない!」と言いましょう。笑い
勿論、「翻訳に熱中症!」になるのでしょうから、お気を付けくださいませ。
いまや、従来の観念、既成の概念が崩壊していく過程を大いに楽しみましょう。
何が起きてくるのか、興味津々です。

 最後までお読みいただき有難うございます。

第207号 巻頭言

巻頭言 :2018年9月25日号

「 翻訳書の出版は、プロフェッショナルへの誘い、今こそ腕の見せ所!」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


 翻訳者になろう!と思い、翻訳書出版を目指すとき、つい、いろいろなハードルをイメージしてしまいがちですが、皆さんはいかがでしょうか?

 翻訳作業につきものの慎重さが、かえってチャレンジ精神を妨害してしまうこともあるかもしれませんね。そういう時は、誰にでもあるものです。何となく弱気になってしまい、いろいろとだめになる条件を探してしまうのです。

 確かに、自分の翻訳作業が本になり、出版物として世に出すということは、いろんな人の目にさらされるわけですから、何か間違いがあったら、そして、それを厳しく指摘されたらどうしよう!などとつい考えてしまいそうですね。でもそんなときがチャンスなのです。私達はどちらかと言うと、何か調子が良くなって、イケイケどんどんになるときが一番危険なのだと知っていますか?
 
 勿論、集中力が高まって目配り、気配りがものすごくできる時などは、このような心配はいらないのですが、調子のよい時は、自分でコントロールすることが必要ですね。そういう意味でも、慎重な姿勢はとても大事です。しかし、慎重な姿勢はとてもいいのですが、あまり慎重になりすぎて、石橋をたたいて渡らないことになっては、いけませんね。そこはやはり、バランスということがとても大事です。

 私たちの世界は2元=2極化していますから、善悪、良し悪しのバランス、つまり中庸にいることが大事な訳ですが、これが難しいのですね。でも、普段から心がけていれば、丁度良い具合にバランスがとれるようになりますから、気長に、気楽にお任せすることがいいようです。あまり、あれこれと気を使いすぎるのは却ってよくないですね。

 ちょっと寄り道をしてしまいましたが、現代のような時間の経過がとても速くなっていく時代は、逆にゆったり気分を楽しみながら、あえて、ゆっくりと行動してみるというのがいいですね。周りの時間に流されない、自分流をしっかり持つことで、自己の目的、やりたいことにエネルギーを集中させていくことができます。

 エネルギーの集中はやはり大事です。お陰様でバベルは1974年以来44年になりますが「翻訳一筋」です。歩みがのろい、と言えばそうかもしれませんが、小さなさざ波のような変化と、大きな怒涛の津波のような変化では、それに集中するレベルが違います。日々「翻訳とは何か」を考え続けていますが、未だにまだ、飽きるどころか、新たな発見があり、ますます興味がわくこの頃です。

 AI、人工知能が翻訳の世界に少しずつ入ってきています。だからと言って、人間が翻訳をしても勝てないとかいうように、悲観的な見解を持つ方もおいでかもしれませんが、だからどうなの!という感じです。
その位のことはこれまでにいろんな見解があり、世の中から消えて行ったものもあるでしょうが、何百年も残っているものもあります。それは、人間がやりたいから残っているのであって、単に競争構造によって変化していくだけではないのですね。

 翻訳に堪能なAIが出てきて、人間の翻訳レベルに近づいたからと言って、別に翻訳をやめる必要はないですね。AIは翻訳をどんな気持ちで行うのでしょうか?あなたはいかがでしょうか?私は翻訳を研究するのが大好きなので、今でも、上手い翻訳だなあと感心する人もいますし、私なら、もっとうまく訳せるわ!と思える人もいるでしょう。

 AIだろうが、人間の翻訳者との競争相手だろうが、同じですね。ビジネスはマーケット、つまり市場性、市場価値が問われるわけですが、どんな時でも、競争に打ち勝つ人もいれば、競争になる前に負けしまう人もいます。翻訳出版は、ただでさえこの時代は本が売れなくなっているのに、出版社自体が、過去のシステム、方法からどうやって生き残るのかを模索している時代だという、厳しい時代に、私がいくら好きだからと言って、翻訳出版のチャンスが巡ってくるはずがない!!などと、つい考えがちになっていませんか?

 私は大丈夫!と言えるあなたなら、本当に大丈夫です。なんといっても、やる気が一番大事です。出版社から依頼が来る前に、片っ端から翻訳していきましょう。まだ仕事の依頼がないのなら、幸運です。なぜなら、あなたにぴったりの書籍がこれから出てくるのかもしれませんし、それまでにいくらでも自由に翻訳できる時間があるのだから、片っ端から好きな本を読み、頼まれもしないうちから翻訳してしまおう!と考えるあなたには、幸運の女神がほほ笑むでしょう。

 人類は一人では生きにくい時代を過ごし、集団のパワーを体験し、共同作業という素晴らしいシステムをマスターしました。そして、今や、共同作業を超える一人の作業のパワーが開花する時代に向かっています。様々な困難を体験し、それを乗り越え、二次元平面に捉われた思考システムから、更なる多次元的思考、多面体の理解へと移行しようとしています。見方が変わること、視点が変わることは思考の枠組みを変えていきますし、包容力というか理解力が広くなり、また深まっていきます。

 このような深く多次元的な思考に伴う叡智に導かれた翻訳とは、いったいどういうイメージになるのか、興味が尽きません。依頼があるから翻訳する、のではなく、自らこれを世に出したい!と言う志を持てる本を探し出して、自らじっくりその書籍と取り組んで、それをまだ見ぬ人々の世界に送り出してやるという楽しみを体験してください。

 これだから、翻訳稼業(翻訳家業)は三日やったらやめられない!となるのでしょうね。笑い
実はこのパターンの人がバベルには多いのです!類は友を呼ぶのでしょうか?あなたも是非、このような面白い「翻訳の世界」へと入り込んでください。そこで出会う妖怪達は、もしかすると宇宙の高次元存在かもしれませんよ!

 このように、従来の観念、既成の概念が崩壊していく過程を大いに楽しみましょう。何が起きてくるのか、興味津々です。まずは、自分が翻訳したいこの1冊を求めて、探求の旅へと出かけましょう。【
翻訳作業に 熱中症です!】と言える自分を育てていきましょう。

最後までお読みいただき有難うございます。

 

第206号 巻頭言

巻頭言 :2018年9月7日号

「 今、翻訳出版が 熱 い です!! 」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子



 「翻訳に熱中症の皆様、台風21号の影響はいかがだったでしょうか?お見舞い申し上げます。」この台風21号は風力・風速、暴風雨圏の広さや、すごさは何十年ぶり!と言われるほど大型の台風だったようですが、台風の通路となった地域ばかりでなくかなり広範囲にわたって、川の氾濫や洪水、屋根瓦やトタン板などいろんなものが吹き飛んだほか、その通過経路も従来と違うという、大変な台風でした。

色々な意味で、従来の観念、既成の概念が崩壊していく過程にある、と思います。それは、確かに大変なとき、過酷な状況に出くわすときがあるかもしれませんが、そもそも、何が大変なのか、何が過酷なのかと考えていけば、それは尺度の問題であり、人によって、考え方によって受け取り方は異なる、ということを考えさせられます。今起きていることは、50年振り、とか、100年振りとかというかなり長いスパンの出来事のようなのですね。ここ数年は起きないから大丈夫!だということで川を堰き止めたら、大雨が降って洪水となった!というような感じです。

大自然の変化のスパンは、私たちのような短いスパンの変化、サイクルではないのですね。日本人は、幸いにしてこの日本列島という国土に、縄文時代から続く、1万年近い永住種族だと言えるのではないかと思いますが、それは、縄文人が農耕ではなく、森と共に森という衣・食・住環境の中で生きてきた数千年以上の積み重ねがあり、それにより森が守られてきたことにも起因していると思います。狩猟採取の移動生活によって、森と人とが協同生活を行ってきたのです。勿論、そのサイクルの還流は、水、つまり海と山を行き来する水の流れ、活動でもあるのです。

ところが現代では、自然を支配することが求められ、農耕による生産革命が起き、大きな還流サイクルが寸断されてしまいました。都市化は砂漠化であり、現代の中国の大気汚染、住環境の劣化、山や森、河川、そして海から大気となって大きくめぐる還流サイクルが寸断され、淀んでいます。

ある意味で、現在起きている様々な異常気象、自然災害はこのような自然環境破壊による揺り戻し、自然が自浄作用を起こしているのかもしれません。50年、100年くらいのスパンでは見えないものが多々あるのではないでしょうか?

バベル翻訳専門職大学院は、ハワイ州のオアフ島にあります。ご承知のように、ハワイ島のキラウエア火山が2018年5月3日に溶岩流が噴出し、未だに止まるどころか、ますます激しくなっているようです。ハワイ島とオアフ島は離れていますから、オアフ島の住民は特に気にしていないようですが、時々火山の噴出物の臭いが流れてくるそうです。まだまだ油断ができないキラウエア火山の状況が続いている!という認識を持って生活する必要がありそうです。

台風21号からキラウエア火山迄話がつながりましたが、この地球上での影響はそう分けられるものではないのでしょう。これらの自然環境の変化は、私たちの社会環境、ビジネス環境にも多大な影響を与えます。しかし、自然の災害に対して地球上の人々が心を一つに合わせて、相互協力、相互扶助を行うようになることは、素晴らしい成果を産むだろうと思います。

言語によって分けられた多言語世界の住民である我々現代人は、その分け隔てられた言語を【翻訳】という技術=テクノロジーによって、元の一つであった時代の人々のように、心、思いを通じ合わせて、あたかも一つの言葉を話すように共同生活をしていくことができるのです。何も、テクノロジーとはITといったものだけでなく、【文化の礎としての言語変換の技法=翻訳】というテクノロジーがまずなければならないのです。この素晴らしいテクノロジーとしての翻訳技法があって初めて、それを機械化=Machine  Translation System つまり翻訳ソフトとなるわけです。

しかし、機械翻訳の開発、研究者はコンピュータのプログラムで出来ると考えるために、まだ十分な翻訳生産性を実現できていません。勿論、古来より隣り合う言語同士で、文化的にも近い言語間の翻訳はかなり精度が高くなっており、知的水準が高い人がアシスト的に使うことは可能です。しかし、日本語のように欧米語とはかなり隔たりがあり、文化基盤の違う言語の場合は、ロジックベースのプログラムではまだ成果が低いのが現状です。しかも、そのソフトウエアを個人で使いこなすのは、費用対効果ではまだコスト割れしています。翻訳のプロフェッショナルが、自分の作業用データベースとして使いこなしていけばかなりの成果が得られそうだとも言えますが、どのくらいのプロフェッショナルが使いこなしているのか、まだ見えてきません。

一方で、機械翻訳ソフトで大量の文書処理を連続させていき、いわばAIシステムを使いこなしつつ翻訳品質の精度を高めて、ビジネスベースに乗せることを大々的に取り組む企業もありますから、一定の限定された分野、文種を繰り返しマシン翻訳を行うことで成果を上げていくという方法も進んでいるようです。それはそれで、一つの取り組みであり、成果が上がることを期待したいと思います。

しかし、バベル翻訳専門職大学院の目的は、翻訳の技法を学び、翻訳のプロフェッショナルになって、ビジネスに従事するということだけではなく、常に進化、変化していく言語・文化環境を踏まえて、それに対応する新たな翻訳テクノロジー=バベル翻訳文法をバージョンアップしていくことにもあるのです。
【翻訳文法】とは、なんのこと?と思われる方もおいでかと思いますが、バベルの翻訳文法、例えば【翻訳英文法】は、英語の文章を日本語に翻訳するときの技法です。英語文を日本語文にする時の、基本的な文法構造、文化的背景を踏まえて、英文法と日本語文法を比較対照して研究成果として誕生した翻訳のための文法なのです。

 この翻訳文法を多くの人々が学ぶことで、翻訳の品質水準がかなり高まりました。この翻訳英文法を何度も練習してマスターすると、文法の枠組みに捉われなくなり、更には、創造的で、簡潔な翻訳日本語文が書けるようになるのです。その達人の翻訳文は本当に繊細なニュアンスを平易な日本語に変換していき、感動さえ覚えるのです。そこには、あの翻訳臭はなくなっていて、最初から日本語文として書かれた達意の文章だとさえ感じます。このような翻訳熟練者が増えていけば、感動する翻訳文で読む、小説、文学、学術書などなど、原書の味わいを超えた創造的翻訳作品を堪能することができるようになっていくのです。

 大量文書の味わいのない文章を短期間に翻訳するのは、AIに任せて、やはり、人間としての翻訳者は、創造的翻訳によって、読者に感動を与えたいものですね。

台風一過、まだまだ続く残暑の中を、【
翻訳作業に 熱中症です!】と言える皆さんならではの気合をいれていただき、多様な翻訳作品の出版のために益々のご活動を期待いたします。ジャンル、テーマ、言語の違いを超えて、読者が感動してくれる翻訳に命を懸けてください!笑い
くれぐれも熱中症にはご注意下さいませ。

 最後までお読みいただき有難うございます。

 

第205号 巻頭言

巻頭言 :2018年8月22日号 

「 バベルの意味を探りつつ、現代をどう生きるか?を考える 」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子



 「翻訳に熱中症の皆様、いかがお過ごしようか?」笑い。私のいる地域は、すっかり秋の気配を感じさせる今日この頃です。日が射しているときと、曇り空の時とでは、気温の変化、差が大きくなりました。セミの声もずいぶん減り、8月半ばを過ぎて秋の気配を感じるほど、涼しくなっています。


しかし世界の各地に目を転じれば、各地の気象現象は、相変わらず猛暑や豪雨、突然のシンクホールができたり、大規模地震、山火事などに加えて、クジラやイルカなどが浜辺に打ち上げられたり、魚類が大量死したりするなど、海の中の大異変も起きているようです。既成概念がまさに崩壊していきます。

インターネットが登場して早20年が経ち、今やユーチューブで、世界各地の生情報が、リアルな画像で、いつでも、どこにいても見ることができる!という時代が出現しています。これは、単に科学の進歩ですね!と言えるような状況ではないと思います。今、起きているのは、大きなテクノロジーの変化によって引き起こされる、社会の構造変化であり、人間の意識・認識に多大な変化をもたらす現象が起きている時代なのだと感じます。

勿論、何も感じない人もいてもいいわけで、人はそれぞれ、自分の認識力、考え方によって世界を意味付け、価値付けして捉えているので、激変を感じる人もいれば、何も感じない人もいるでしょう。それらは全く個人の自己責任によって把握、認識、表現されているのですから、何でもありなのですね。個人差が大きいことも現代の特徴である、と言えると思います。

このように見方、考え方、視点というものは、現代ではかなりバラバラ、つまり人によってとらえ方がかなり違っている時代である、ということになります。これは、多文化社会の容認というか、多様性=それぞれの価値観・思考様式を尊重する、という考え方が成長してきた!と言える現象です。ひと昔前までは、そうはいかなかったのではないでしょうか?現代はバベルの塔の意味の裏返しの時代とも言えるのでは?と思いました。

こうすべきである!とか、これが幸福であるとか、不幸はいやだとか、善悪、高低、良い悪い、好き嫌いという二元論がいきわたっており、この二元論の世界で引き裂かれてきたように思います。それが、今や、人は誰でも固有の感じ方、認識法、思考法、価値観などを大事にしていこうと考える、受容力、包容力と言えるような「おおらかさの大切さ」が分かってきたのではないかと思います。

世界をどう見るのか?それが問われる時代になり、個人個人が、知識をただのような安さで、誰でも手に入れることができる、そんな時代になったのです。なんと素晴らしい時代だと言えるのではないでしょうか?このように思う時、現代は、あの「バベルの塔」が立てられた時代に似ている!と言えるかもしれ
ないと思ったのです。

昔、ニムロド王が、ノアの洪水の時のように、人々が二度とバラバラに散らされないようにするために建設しようとしたバベルの塔、またはバビロンの地に建設しようとしたバビロンの塔は、世界中のどこからでも見えるほどの高い塔でした。それは、人間たちの技術の粋の結集であり、天に向かって刃を立てた!とあります。それを繰り返すように、いま、私達人類は共同して、バベルの塔という構造物に変えて、インターネットという電子情報通信網、サイバー空間=バーチャル空間を作り出しました。

そこは、多言語の世界で、まさにあのバベルの塔の崩壊によって多言語の世界となり、互いの言葉が通じ合わないようにさせられた世界を、このインターネット・AIと翻訳によって、一つにつなげようとしている現象だと言えるのです。それが現代という特徴であると言えます。

このような現代にあって、これまでの株式会社バベルとしての1974年の創業~1980年代を振り返ると、世界各国の言語と日本語間の翻訳を本格的なビジネスとして成長させようとし、月刊誌「翻訳の世界」を創刊すると同時に、「翻訳奨励賞」として、日本語と英語間の一般向けの翻訳賞を設けて、翻訳の普及・奨励を開始しました。その後、日・英語間の翻訳に加えて、日本語と韓国語間、日本語と中国語間、日本語とフランス語間、日本語とドイツ語間の翻訳奨励賞を、関係各国の団体と共催して、日本国内ばかりでなく、海外各地でも実施しています。この時代は、紙と鉛筆(ボールペン)と郵便の時代です。

それが、1994年の初めての商用インターネットの解禁で、瞬く間に世界各地にインターネット通信網が引かれて、世界は見る見るうちに電話と電子データでつながってしまいました。ここに、従来の人間の知能の発達過程とは比べ物にならない速さと質とボリュームで情報通信網を実現し、多言語、多文化の多種多様な知識情報が満載、花開いたと言うことができます。更に、それが、AIを誕生させ、インターネットをそのまま、知能としてしまう人工知能の時代へと突入しています。これを思うと、現代はまさにある意味で「バベルの塔」が建設されたのだ、と思うのです。

今後は、AI翻訳がさらに開発され、近い言語間の翻訳はAIによる作業がかなり使えるようになっていくでしょうし、インターネットに蓄積されればされるほどその情報検索・文章力は高度化し、文化的に近いほど、正確性も高まるでしょう。こういう、技術の時代に生きていくということは、何を意味するのでしょうか?歴史は繰り返す。これも大事なヒントです。

これが、現代の人類が直面している大きな時代の変換点であり、この文化、テクノロジーを活用して、どのような新たな人類文化を開花させるのか?ということが問われているのです。そして、先ほど述べたおおらかさで考えれば、AIにできることは、AIにやらせることもできるし、人間がやりたければ、AIにやらせなくてもいいのだということです。それこそ、AIの翻訳と人間の翻訳が同じになるとは限りませんから、人間の個別性、創造的個性がものをいうことになります。

何故なら、それを必要とするのは人間だからです。クライアントとしての人間側の好み、個性、もっと言えばへそ曲がり性とも言えますが、変わり種のクライアントが求めるものは、やはり他に無い個性ある品質、ということになるでしょうね。とりわけ、文芸作品は個性的人間の創造物ですし、最近では、ビジネスでさえ、個別性、ユニークさがビジネス価値の源である、という時代になりつつあります。

昔、一時期は何でも人マネ、成功事例のものマネが流行り、大量生産の時代が登場しましたが、それも終わりのタイミングであり、如何に独自性、つまり既成の概念に捉われないかが求められる時代となったのです。個性豊かとは他に無い価値であり、それだけで存在価値があるのですね。

 これは、食料難や、天候、噴火、洪水などの自然の驚異が起きている間は、ますます必要度が高まります。困難に立ち向かい、新たな対応が求められる時は、経験記憶に頼ったり、これまでの習慣、知識に頼ったりでは対応できなくなりますから、まさに、創造性、個性豊かな対応力というものが求められる時代になるのですね。創造性や、個性の豊かさは、そう簡単には手に入らないと、思うかもかもしれませんが、我々が直面している今という時は、一人、二人と進化=真価=深化した思考様式の人が登場し、それが十人、また百人と、生活様式、身体の表現形式、意識活動などが変わり始めることが考えられます。

AIが登場してきたということは、人間が変わっていくのだとも考えることができます。従って、何もAIに取って代わられる!などという恐怖の洗脳をむざむざと思い込まされる必要はないのです。

本誌では、緒方先生による「AIとビッグデータ研究」の連載記事をお読みいただけましたから、AIの一面的な理解から抜け出た方も多いかと思いますが、人間の思考、感覚の多様性=創造性 がとても大事なポイントだとお気づきではないでしょうか?

バベルの塔の建設のように、一つにまとまるとき、人間はすごいパワーを発揮しますし、バラバラになったらなったで、個性という変えがたい価値を創造していくのですね。なかなかの逞しさです。笑い

 私達は、現代という人類未踏の新しいテクノロジーの時代へと変化する時代に生きているわけですが、それを、どういう意図で、どんな志で生き抜こうとするのか、それは、全く「あなた次第」だと言えるのです。考えようによっては、【現代は、なんと素晴らしい時代になっていくのだろう!】とも言えますし、【AIに使われるようになる、暗い見通ししか持てない時代だ!】と考えることもできます。

あなたは、現代という時代をどのような
「志」で捉えますか?それは、全く【あなた次第】なのです。
AIというまるで神とも言えるような存在に、すべてを委ねて隷属していきますか?それとも、あなたの個性を輝かせて
「AIに負けずに自立して行きますか?」これをきっかけに自分自身=自神=自信で、意志決定をされることをお進めします。

この猛暑の夏、おしゃれに【
翻訳作業に 熱中症です!】と言える皆さんですから、翻訳一筋でしょうね!専門の違い、ジャンル、テーマ、言語の違いがあっても、【翻訳に熱中症】の方は、気象の変化、テクノロジーの変化にも打たれ強いはずです!笑い

 最後までお読みいただき有難うございます。

第204号 巻頭言

「翻訳に熱中症?ですか?


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 

 皆様いかがお過ごしようか?【 翻訳に熱中症?】ですか? 相変わらずの猛暑の日々、暑中お見舞い申し上げます。

 

このように言っております私は、もう四十年余り、「翻訳に熱中症!」です。(笑)このマガジンの読者は、世界各地にお住まいなので、気候の挨拶の時、いつも考えてしまいます。地球全域に共通する気候というものは無いので、自分が住んでいる地域の気候についての表現とならざるをえないのですが、こういう地球ならではの悩み方も面白いですね。

 

 一口に悩みといっても、本当にいろいろな面を持っています。人それぞれ、日頃の自分の意識の向かい方によって、悩み方が異なります。日本語を書いているとき、このような体験をされることが多いのではないでしょうか?このように、多面的、多視野的な側面を、似た音の表現でたくさんの語彙を持っている言語種はそう多くないのではと思います。

 

 日本語は、言葉遊びといいますか、同音異議語のもつニュアンスの違いを使い分けることによる表現の多様性を意識することを尊ぶ言語だと言えますが、言葉遊びの宝庫だとも言えるように思います。それが、外国語と日本語間の翻訳を難しくしている原因の一つでもありますね。外国語間との翻訳の場合ばかりでなく、日本語表現そのものも、表現をより簡略化したり、より複雑に表現したりしてみる、などということを考えてみると、表現の多様性を内包する言語種の極みであると言えます。

 

 規則性、決まり文句、それはそれなりにあるのですが、たった一音で真逆の表現になってしまうなど、なかなか油断できない言語、扱いにくい言語種であると言えますね。このような日本語にどっぷりとはまっていると、規則性の強い言語種との翻訳は、結構、難しいのだろうな?と、想像がつきますね。

 

 現代は兎角AIを活用していろいろ代替できないだろうか?というように、楽して生きようという時代の趨勢ですから、「翻訳」もその影響下にあり、グーグル翻訳に代表されるように、いろんなAI翻訳ソフトが育てられています。EUは今や崩壊のタイミングにありますが、EUはある意味、多様な言語種間の翻訳の試みであったと言えます。EU内での取り決めを加盟国の諸地域内への通知連絡は、EU加盟国の数だけ翻訳が必要であり、そのための機械翻訳の研究が加速されたのかしら?とも、思ったりします。

 

しかし、残念ながら、今や、表向きは経済その他の事情により、EU離脱を決める国が出てきており、EUという試みは新しい局面を迎えています。世界的規模で見れば、言語的には(英=米)語という言語がグローバル統一言語の役どころを担い、この言語統一により、地球世界のまとまりがこれからますます加速していくのかと思われたわけですが、それが、今や、先駆けとなったEUという多言語社会を一つにまとめるという試みが曲がり角を迎えている、ということになってしまいました。

 

多言語の文化を一つにまとめるのはとても難しい事だと、思い知らされた感があります。それは、あのバベルの塔の物語を忘れてしまった地球人類への警告なのかも御しれません。(笑)

バベルの塔の物語はご存知の方も多いと思いますが、今一度確認してみましょう。

 

まずは、ウィキペディアからの引用です。:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

バベルの塔(バベルのとう、ヘブライ語: מגדל בבל)は、旧約聖書の「創世記」中に登場する巨大な

神話とする説が支配的だが、一部の研究者は紀元前6世紀バビロンのマルドゥク神殿に築かれたエ・テメン・アン・キジッグラト(聖塔)の遺跡と関連づけた説を提唱する

実現不可能な天に届く塔を建設しようとして、崩れてしまったといわれることにちなんで、空想的で実現不可能な計画を比喩的に「バベルの塔」という。

語源

正確には「バベルの塔」という表現は聖書には現れず、"the city and its tower"もしくは"the city" と表される。バベル(???)はアッカド語では神の門を表す。一方聖書によるとバベルはヘブライ語のbalal(ごちゃまぜ)から来ているとされる。

聖書の記述

 

 


ギュスターヴ・ドレ
『言語の混乱』

バベルの塔の物語は旧約聖書の「創世記」11章にあらわれる。そこで語られるのは下記のような記述である。位置的にはノアの物語のあとでアブラハムの物語の前に置かれている。

全ての地は、同じ言葉と同じ言語を用いていた。東の方から移動した人々は、シンアル[4]の地の平原に至り、そこに住みついた。そして、「さあ、煉瓦を作ろう。火で焼こう」と言い合った。彼らは石の代わりに煉瓦を、漆喰の代わりにアスファルトを用いた。そして、言った、「さあ、我々の街と塔を作ろう。塔の先が天に届くほどの。あらゆる地に散って、消え去ることのないように、我々の為に名をあげよう」。主は、人の子らが作ろうとしていた街と塔とを見ようとしてお下りになり、そして仰せられた、「なるほど、彼らは一つの民で、同じ言葉を話している。この業は彼らの行いの始まりだが、おそらくこのこともやり遂げられないこともあるまい。それなら、我々は下って、彼らの言葉を乱してやろう。彼らが互いに相手の言葉を理解できなくなるように」。主はそこから全ての地に人を散らされたので。彼らは街づくりを取りやめた。その為に、この街はバベルと名付けられた。主がそこで、全地の言葉を乱し、そこから人を全地に散らされたからである。 — 「創世記」111-9[5]

偽典の「ヨベル書」によれば、神はノアの息子たちに世界の各地を与え、そこに住むよう命じていた。しかし人々は、これら新技術を用いて天まで届く塔をつくり、シェム[6]を高く上げ、人間が各地に散るのを免れようと考えた。神は降臨してこの塔を見「人間は言葉が同じなため、このようなことを始めた。人々の言語を乱し、通じない違う言葉を話させるようにしよう」と言った。このため、人間たちは混乱し、塔の建設をやめ、世界各地へ散らばっていった。

解釈

バベルの塔の物語は、「人類が塔をつくり神に挑戦しようとしたので、神は塔を崩した」という解釈が一般に流布している。しかし『創世記』の記述には「塔が崩された」とは書かれていない。ただし、以下のような文献にはこの解釈に沿った記述がある。

ヨセフスによる「ユダヤ古代誌」

ニムロデは、もし神が再び地を浸水させることを望むなら、神に復讐してやると威嚇した。水が達しないような高い塔を建てて、彼らの父祖たちが滅ぼされたことに対する復讐するというのである。人々は、神に服するのは奴隷になることだと考えて、ニムロデのこの勧告に熱心に従った。そこで彼らは塔の建設に着手した。……そして、塔は予想よりもはるかに早く建った

ラビ伝承

ノアの子孫ニムロデ(ニムロド)王は、神に挑戦する目的で、を持ち、天を威嚇する像を塔の頂上に建てた

原初史といわれ、史実性が疑わしいアブラハム以前の創世記の物語の中で、バベルの塔の物語は世界にさまざまな言語が存在する理由を説明するための物語であると考えられている。同時に「石の代わりに煉瓦を、漆喰の代わりにアスファルトを」用いたという記述から、古代における技術革新について述べ、人類の科学技術の過信への神の戒めについて語ったという解釈もある。

引用ここまで。::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 

 

余談ですが、ウィキペディアもいろいろな意見が反映され、ずいぶん進化?した感があります。なかなか引用しにくい時代になりました!!

 

 引用に戻れば、旧約聖書の「創世記」11章にあるように、というわけで、バベルの塔は、世界に多言語が存在する理由と共に、神への挑戦、神への威嚇が内包されていたことが読み取れますが、この表現はすごいですね。技術革新―人間の科学技術の過信への神の戒め―という面から考えると、現代はまさにこのバベルの塔の時代に重なるものがあります。ことばが一つになろうとするEUの崩壊、地震や異常気象、火山の噴火やら、シンクホール、津波などなど、人類は神の怒りの前になすすべなく、言語の統一=一つの言語を話していた時代をただ懐かしむのみなのでしょうか?

 

 勿論、バベル翻訳大学院は、言語の統一は残ながら反対ですね!多言語、多様性が統一されてしまうなどという、愚挙には、賛成できません。しかし、人類は多様性を保持しながら、相互の尊重と理解を深めるというコミュニケーション手段、つまり「翻訳」という技術、技法を編み出しています。そして、2度と神の怒りによってバラバラにならないような、多様性を尊重し、それぞれが多様性の文化の華を咲かせていくという視野、視点を獲得してきているのですから。

 

 「翻訳はコミュニケーションである」。当然でしょ!と思われるかもしれませんが、翻訳の真意が広く理解されているとは、まだ言えないように思います。単に、人間業(わざ)では時間がかかるし、手間がかかるし、大変だからAIに頼ろう!と言うのでは【翻訳とは何か?】【コミュニケーションとは何か?】が分かっていないのではないかと思います。【翻訳とはコミュニケーション】ですが、もっと言えば、【人間とは翻訳】であり、「人間とは、コミュニケーション」なのですから!
 

ノアの洪水の後、かろうじて生き延びた現代人類の先祖たちが、多様な異言語世界に直面する中で、多くの人々と心の思いを分かち合い、喜び合い、体験し合い、育て合いながら、未知=道へと探求、挑戦し続けてきたのが人間の歴史であり、本質だとも言えますね。その楽しみを、その本質への探究という冒険をAIなんぞに任せておけるか!というような「翻訳熱中症!」にあなたは、まだ罹っていませんか?(笑)

 

 地球の内核で何が起きているのでしょうか?それは、人類の偉大な熱意、翻訳というコミュニケーションに益々高まる熱意、熱中症による発熱です!と言いたいと思います。人間から、翻訳というコミュニケーションがなくなったらつまらないですね!翻訳とは多様な言語間の豊かな遊び、楽しみであり、相互の関係の基に成立するものであり、同時にそれは相互に影響を与え合っているものだからです。

 

私は今、翻訳作業に熱中症です!】と言う素敵な方がおいででしたら、是非名乗りを上げてくださいね!実は既にご連絡いただいておりますが。【私は、翻訳に没頭すると、寝食も忘れがちです。】と言えるくらい、一つのことに打ち込みたいものですね。専門の違い、ジャンル、テーマ、言語の違いがあっても、【翻訳に熱中症の方は、気象の変化に打たれ強いですよ。

 

 最後までお読みいただき有難うございます。

 

 

 

 

 

 


 


 
 
 
 

第203号 巻頭言

「私たちは、地球の内核で何が起きているのか 知らない! 
気候変動、異常気象は、グローバルマーケット【世界】の変化を反映している?!」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子

 

 7月に入り、日本では、東京ばかりでなく、おそらく日本列島全体が、毎日猛暑日となっているのではないかと思いますが、皆様、お元気でお過ごしでしょうか?暑中お見舞い申し上げます。毎日、毎年、同じことが繰り返しているのだから、たまには暑い年もあれば、冷夏もある、取り立てて騒ぐ必要などないのでは? と、あなたは思われますか?

 

 そういう思考の枠組みの中で生きていると、そういう世界を体験していくのでしょう。同じ事象、気象現象、社会現象、いろいろな出来事をどう見るかは、偏に自分自身の思考の枠組みによる、自己意識の翻訳結果にかかっている、ということができます。日常の微細な変化に、「おや、これは何の兆し?」こんなことはここ数年、いや二、三十年の経験には無かったことのように思える!」そんな小さな変化に対する気づきが、感性の働きとなります。

 

 できれば、いつも微細な変化に感動する敏感な感性を持っていたいものです。翻訳の技術、専門分野の記述の変化、スタイル変化など、社会の変化、進化によって、より詳細化されるという現象が起きています。それらを一つは微細な視点から、もう一つは大局観という視点から、というように、二つの異なる視点を持つことが必要だと感じます。いつも視点が固定していたら、変化を見出だすことはできません。それは、【揺らぎなき日常】という幻想の固定観念でいる、ということであり、色々な変化の兆候があっても、何も気づかずにやり過ごしてしまい、いつの間にかゆでガエルになっていた、ということになります。

 

 そもそも、社会現象と自然環境の現象は関係がない!というのは本当なのでしょうか?火山の噴火には、周期性があるというようにその地域の住民の経験的な観察がありますが、これは大事な体験的現実であり、それらを踏まえて行動すれば、いざその時に慌てないで対処することができます。

 

今年になって、53日、ハワイ島のキラウエア火山の噴火が始まったことは、バベル翻訳専門職大学院の居住地域であるハワイ州の一大変化の始まりです。一時的な噴火で収まればいいのですが、それが一向に収まることはなく、真赤な溶岩流が止まることなく、流れ続けています。

 

しかも、その後続いて、グアテマラや、エクアドルの火山噴火、日本の桜島、新燃岳の噴火など、環太平洋の地殻に何か変化が起きているのではないか?と言われています。このように、世界各地の火山噴火と地震の連鎖、という大きな変動が起きていることが実感されます。それらは、ここ数年とか、二、三十年とかの期間でなく、百年、二百年、三百年、千年に一度というような、かなり長期の周期が現在のタイミングに重なってきている、というような、歴史的な長期サイクルが重なる時代となったのだということを認識する必要がありそうです。

 

このような地球の地殻変動と、現代の私たち人間社会の認識、テクノロジーの画期的変化は、関連があり、相互に影響を与えあっている!というのが、この論考のポイントです。やれ地震だ、やれ火山噴火だ!と言うだけでは、人間の知恵の進化・成長というものは存在しないのか?と言わざるを得ません。

 

物理学だけがこの世界的現象を解明することができる!という観念は、既に終わっているのです。先端科学、先端技術の発展は、従来の物理学の世界をとっくに乗り越えて、私達が日常使いこなしている「スマホ」の世界とは「量子論」の発展により技術化、商品化されてきたものであり、その開発技術レベルは、私たちの常識の世界を全く超えているのです。以前に書きましたが、あのアインシュタインと量子論学派の論争「月は人間が見ていない時、存在していない」という有名なエピソードで、アインシュタインは、「神はサイコロを振らない」と言って、量子論学派の見解に反対したわけですが、現代の科学は、アインシュタインの負けを知っています。

 

つまり、人間が認識する事が現実に影響し、もっと言えば、【人間の考え、価値観、とりわけ潜在意識下にある人間の感情、思考システムにより、自分が体験する現実を創造している】と言えるのだと思います。感情の側面では、最も強い影響を与えるのが「恐れ、恐怖、不安」などという感情です。この恐怖心というようなネガティブな感情は、強い振動を発します。この感情を稼働させずに、落ち着いて対処し、もっと言えば、よりよい現実を想像=創造していくことが必要です。そのためには、今、地球の内核で,または世界で、地球の表面で何が起きているのか?を冷静に知ることによって、それへの対処ができるようになります。

 

つまり、最悪の事態を想定して準備し、生活すれば、想定したことは、認識レベルの対処可能な範囲となり、最早起きなくなる可能性が高いのです。それは、最悪の事態を知り、その最悪の事態を受け入れ、その事態の結果をむやみに恐れない、余裕のある意識、感情レベルに移行する事により、人間の認識レベルの持つ波動=周波数帯域が変わることで、違う現実を創造する、ということになるのです。

 

これを想定できれば、これらのニュースをそのままうのみにせず。自ら可能な限り、知力の限りを尽くし対処を考えぬいて、その最悪の事態を受け入れる覚悟をすることができる!ということになります。このような、最悪の事態を想定して、そのための準備を行い、後は楽観的な気持ちで普段の生活を営む、ということにつきますね。つまり「備えあれば憂いなし」ということなのです。もし、それで、災害が起きなかったら、感謝して喜べばいいのですね。ところが、人間は往々にして、やはり起きなかったではないか!損をした!無駄なことをしてしまった!などと考えて失敗、損失を発生させた!と思ってしまうのです。これが、人間の進化を阻む最も大きな原因の一つです。

 

 その失敗に陥らないように生きていくためには、最悪の条件を受け入れて、それでもめげることなく、日々日常やるべきことに集中して人事を尽くす、ということになります。そんなことでいいのか?と思われると思いますが、これでいいのです。今更、火星へ逃げようとか、自分たちだけどこか安全な所へ行こうなどと考えることが、ある意味、逆説的に最悪の事態を現実化する原動力(=言動力)となります。これにより、いわゆるネガティブ波動を出し続ける周波数帯域にエネルギーを注いでしまうことになるのです。心理学でいう、エゴの周波数帯域にはまってしまう、ということになります。

 

 ちょっとわかりにくいと感じるかもしれません。つまり、思考の前提にある【感情=勘定】には何があるのか?と、なぜその感情を抱いたのか?というように、感情の中身を冷静に観察することが必要です。つまり、感情とは【勘定=損得計算機能】を働かすエネルギーだと言えるからなのです。

 

 社会現象、もっと言えば、私たちの心的世界の変化現象は、地球という自然環境の変化現象とつながっており、世界各地の火山活動の活発化の連鎖に影響を与えているのかもしれません。今や、地球レベルでつながったグローバル市場の動向というものは、地方、地域に限定されるのではなく、地球レベルの広がりを持ち、地球レベルの自然環境における変化に影響を受け、また、影響を与えていくのだと思います。

 

何故なら、コミュニケーションというものは、相互の関係の上に成立するものであり、同時にそれは相互に影響を与え合っているものだからです。

 

そんな世界市場としての翻訳の世界の只中で、この暑さも何のそのとばかり、「好きな作品の翻訳なら、朝から晩まで取り組んでも、全く疲れが出ないわ」などという方が、世界各地においでだと知っています。これぞわがバベル翻訳専門職大学院に学ぶ院生、修了生の皆さんの声だと信じます。私は今、翻訳作業に熱中症です!】(笑い)なんて言う素敵な方がおいででしたら、是非名乗りを上げてくださいね!

 

 何事もそうだと思いますが、【私は、翻訳に没頭すると、寝食も忘れがちです。】などと言えるくらい、一つのことに打ち込みたいものですね。専門の違い、ジャンル、テーマ、言語の違いがあっても、【翻訳に熱中症の方は結構多いのではないかと思います。

 

 このような【地球、グローバルマーケット、テクノロジーの大きな変動期】を迎えて、これまでよりもっと意識的に自己の選択、自己責任で生きていきましょう。それは、どんな充実した自由精神を満喫する体験となるのでしょうか?
 

 最後までお読みいただき有難うございます。

 

 

 

注)ご参考:今回は火山活動、地震予測の情報をいくつかご紹介です。

http://www.gentosha.jp/articles/-/3590

巽 好幸 著『地球の中心で何が起こっているのか』 地殻変動のダイナミズムと謎 (幻冬舎新書)

 

https://www.youtube.com/watch?time_continue=60&v=6bW5WmdAmJI

JESEA 地震予測 村井教授

 

https://www.youtube.com/watch?time_continue=30&v=jTU6HfTSQsQ

南海地区で大地震警戒:村井教授の「累積ひずみ」による最先端地震予測

 

https://dotounokensaku.org/earthquake_murai_0908

日本と世界の地震予知・地震前兆・地震予言・地震予測やスポーツなどに関する旬な出来事ブログ


 


 
 
 
 

第202号 巻頭言

「今、グローバルマーケット【世界各地】の
気候変動、異常気象が起きています。」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


 7月7日は七夕ですね。株式会社バベルは、1977年3月4日の設立なので、7のつく年や、7の月、7の日は何か縁深いものを感じてしまいます。まして、今号は7月7日の七夕号となりました。何となくおめでたい!!と感じます。
 
 実はバベル翻訳専門職大学院を運営する企業体、BABEL Corporation社の米国での設立日も1996年7月25日で、7月なのです。これは、先ほど気づいたのです。それに、25日も2と5を足すと7ですね。そしてついでにやってみたら、1+9+9+6=7でした!777でした。驚きです。これは、もしかして、ラッキーセブン【7】のお知らせかもしれません?
 
 七夕のような織姫と彦星という二つの星が年に一度の接近遭遇をお祭りする風習は、日本だけなのでしょうか?きっとどこかに似たような物語があるかもしれせんね。もし、ご存知の方がいらっしゃったら、是非コメントをお願いします。ところで、皆様のご家庭では、七夕のお祭り、笹に願い事を書いて吊るす、というイベントはやっておいででしょうか?幼稚園などや、商店会のイベントではやっているかもしれませんね。私の住む共同住宅では、管理スタッフが笹の枝を立てて、そこに子供たちがいろんな願い事を書いた色紙を吊るしています。毎年玄関ホールに立ててあるので、結構住民が立ちどまり、見ています。
 
 しかし、このような文化、伝統なども、各地の人々が混じり合うことによって、形が変化していったり、廃れたりしていきます。これは、世界の歴史の上では、やむを得ない事なのでしょうが、何となく寂しいものを感じるのも事実です。しかし、次世代の担い手である子供たちには、新しい社会の創造力と適応力をたくましく身につけていってもらいたいですね。
 
 その新時代、新たなテクノロジーの時代は、新たな価値観が必要となりますが、過去の体験から言うと、新たな価値観を創造するためには、旧知の慣れ親しんできた価値観、概念が残ったままでは創造できません。どうすれば、古い価値観を手放し、新たな価値観を持つことができるのでしょうか?
 
その回答が、今起きている世界規模の気候変動、異常気象の発生だと思います。日本には季語というものがありましたが、今や、この季語に合わなくなった季節が多くなりました。日本ばかりでなく、例えば、アフリカに雪が降ったり、寒冷地が温暖化したりなど、世界各地に気候変動が起きていたり、突然の竜巻が起きたり、地面が突然大きく陥没して大きな穴が開いたりなどというニュースが伝えられています。これらは、人類の意識の変化が関係しているのではないか?と思うこの頃です。
 
地球の気象・天候は、地球の自然という環境や太陽の活動による光、熱、放射線、近くは月、遠くは太陽系の各惑星の動向によって影響を受けています。それらは、天候、気象、自然という生態系、微生物という生命系を育み、相互に影響し合っていると言えるのでしょう。地球上における人類の諸活動は、当然自然環境に影響を与え、それは同時に天候、気象に影響を与えていくという、相互の影響の連鎖というシステムだと言えます。
 
ところで、5月3日にハワイ島のキラウエア火山が噴火して以来、もうかれこれ2か月が過ぎますが、キラウエア火山の溶岩流は、おさまるどころか、高温の溶岩が流れ続けています。ハワイ政府の発表も日々更新されています。同時に、民間の多くの方々が撮影した画像や、地域のニュースその他の様々な情報が、ユーチューブにアップされていますので、生々しい映像を見ることができます。
 
キラウエアの溶岩噴出エネルギーも相当なものがありますが、人々のユーチューブパワーも相当なものがありますね!凄いです!バベル翻訳専門職大学院の本部オフィスがある、ハワイのホノルルが津波の襲来があるとかなり大変な状況になるのではないかということで、オフィスを現在の海岸近くから山側に移転する必要があるのかもしれないという状況は依然として継続しています。また、一時的だったかと思いますが、ネットの通信環境が悪くなり、中断するなどの事故も起きました。
 
更に、6月18日には日本国内で、大阪北部地震が起き、関西地方に大きな影響がありました。どうやら、世界的な気候変動、異常気象に加え、火山の噴火、地震、洪水、地面の陥没などが起きていることが実感されます。地球の歴史では当然これまでも起きてきたことなのでしょうが、とりわけ現代は、これらの地球環境というシステムに何か大きな変動が起きている、連鎖している!ことが分かるのではないでしょうか?
 
一方、ユーチューブなどのように、多くの一般の人々が自由意志で、現場を映し、動画配信して現地の生の報道ができるという、素晴らしい時代に生きていることも実感します。報道機関によるニュースは同じものがいろんなチャネルで報道されることが多いわけですが、現代のユーチューブは、個人の自由意志でそれぞれの観察という、生の情報を伝えてくれる事も有ります。こんなことができるのは、古代の神話の時代は別として、インターネットならではの現象ですね。現代のインターネットが作り出したサイバー空間という概念が、如何にすごい事なのかを再認識した次第です。
 
勿論、本学、バベル翻訳専門職大学院は、インターネットによる大学院ですから、IT技術のお陰で世界中どこからでも、自宅に居ながらにして学習することができる!という画期的なシステムです。このサイバー空間という認識を共有することができる、現代に特有のシステムを活用していますが、ユーチューブは、誰でも個人で世界に向けて配信できるということに加えて、世界の多言語による、ものすごい量の情報提供がなされていることに、感激しているのです。
 
ユーチューブは、まさに多言語マーケット、グローバルマーケットとなっています。初歩的なAIシステムを活用して、音声での読み上げ、字幕言語の選択などいろんなサービスがありますが、いろいろ試してみると、日本語関連ではおかしな部分が見られます。これからは、よりよい品質が求められるようになるでしょうし、世界中の人々が、母語に翻訳してもらいたい!とか、外国語のトレーニングに最適!などといろいろな活用もされていることでしょう。
 
つまり、私達人類は今、新たなテクノロジーの世界を現実と同じリアル感、実体だと受け入れることができるのかどうか、さらには、VR(仮想現実)という世界、価値を受け入れることができるのかどうか?という、まさに転換期に直面している!ということなのでしょう。もうずいぶん以前に見たような気がしますが、あの映画「マトリックス」シリーズはご覧になった方も多いと思います。あれは、まさにコンピュータと人間の戦いでした。2000年頃はまだ未来の話のような気がしていましたが、あれから十数年経った現在では、まさに数年先のような近未来の物語のようにさえ思います。
 
もし、まだご覧になっていない方がおられましたら、是非、ご覧になることをお勧めします。吹き替え版、字幕版、英語版など、いろんなバージョンを見て、字幕翻訳、吹替翻訳技術などにも、思いをはせてくださいませ。この映画の事例を取ってみても、世界は多言語マーケットであり、多言語翻訳市場が広がっているのだと、実感されるのではないでしょうか。
 
翻訳の醍醐味についてはさておき、テクノロジーの変化と、それに伴う認識の大きな変化が起きようとしている!ということをお伝えしたいと思いますが、その人類の「認識の変化、価値観の変化」は、そう簡単には起きないということが分かります。私達は、昨日の記憶、おとといの記憶、先月の記憶、数年前の記憶・・・というように、記憶という仕組みによってほとんどの作業、生活行動というものが継続しています。ある意味では、私達は「記憶システム」だということもできます。
 
そして、この記憶がなくなったとき、私達は恐怖に陥ります。「認知症?記憶喪失?ボケ?老化?脳軟化症・・・」いろいろな病名が浮かびますが、この記憶に頼る生活習慣病こそが問題なのですね!なぜなら、記憶とは一度刷り込んだ内容を何度でも繰り返して再現するという、まことに素晴らしい、役立つ側面があると同時に、厄介なシステムでもあるのです。記憶は価値観を固定させ、その変化を病気にしてしまうのです。それでは、人類が創造へと向かう時は、この記憶の繰り返しというシステムから離れたいわけですが、簡単にはいきません。ではどうしたらいいのでしょうか?
 
それが、今起きている地球環境の大激変だと思います。過去にも大きな時代変化が何回か起きていますが、その時には必ず戦争が起きたり、大きな災害が起きたりといったような大事件が起きています。現代は、この戦争は回避しようという叡智?が少しは働いたようです。それは、これまでのような敵との戦争ではないからでしょう。アメリカは宇宙軍を創設しましたし、最新テクノロジーは、宇宙由来の高度な科学技術のようですから、過去のような戦争の形態ではないようです。「サイバー戦争」という形式になっているのですね!そのためでしょうか、電波障害、電磁波障害などが起きてしまうわけが分かります。
 
目に見えない脳の想像上のイメージとしてしか表現し難い「サイバー空間」という概念を、あなたはリアルに理解できますか?これは、ある意味ダジャレの世界です。また、シンクロニシティの世界とも言えるかもしれません。量子空間とも言えます。もしも、これまでの記憶の連続という中でのみ考え、出来事、現象を表面的な商品価値としてだけしか見ない、理解しない、という意識のままでは、眠っているだけとなります。そろそろ目を覚まして、「サイバー空間」と「これまでの物理空間」と両方の空間の意識的な住民となりましょう。そうすれば、世界を取り巻く気候変動、異常気象、社会の大きな価値観の変動などがつながっており、私たち人類の集合意識に、価値観の大きな変化が起きていることを知らせてくれているのだという解釈=翻訳を選択できます。
 
 このような大きな変動期を迎えて、これまでよりもっと意識的に、自己の選択、自己責任で生きていきましょう。それは、どんなにか充実した自由を満喫できる体験となるのでしょうか?
 
 最後までお読みいただき有難うございます。
 
注)ご参考:
 
地球の記録
http://119110.seesaa.net/article/427990863.html
 
大摩邇(おおまに)いろいろなブログからの転載
http://blog.livedoor.jp/genkimaru1/archives/cat_47842.html
 
In Deep 地球最後のニュースと資料
https://indeep.jp/hawaii-kilauea-magnetic-field-goes-oppsite-what-it-means/

 

 


 
 
 
 

第201号 巻頭言

「201号で初心に帰り、自然の変化、市場の変化に敏感になろう!」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子



 お陰様で、前号で200号を発行できましたので、一区切りのタイミングを迎えたことに感謝しつつ、新たな201号のスタートです。ここで、初心に帰り、心機一転して、次の300号を目指します。これからの時代にふさわしい新しいテクノロジーを活用して、翻訳学習に役立つウエブマガジンのスタイルを考えていきたいと思います。勿論、
バベルの翻訳図書館の構築も大きな目標です。皆様、今後も宜しくお願いします。


 200号というと、本誌は月2回発行なので年に24号を配信しますから、8年4カ月となります。
2010年2月にスタートしたので、現在、この記事のデータベースには200号分の記事データが蓄積されている、と言うことになります。この、WEBマガジンを月2回発行することで、2010年以降は時間間隔=感覚がその前の十年に比べて、かなり加速したような感覚を覚えました。そして、今、200号8年4カ月を経過した現在の実感(=時間!)は、もっと加速状態にある!と言う感覚です。

 私達現代人にとって、時間という資源は、年々加速するとともにその重要性が高まっています。この時間の加速という現象は、人によって感じ方がずいぶん違います。それは、関心を持つテーマの違いであったり、思考パターンであったり、思考対象などによっても違います。つまり、時間という幅、計測の方法は物理的なルールで決められているので一定と言えるでしょうが、時間の長さ、速さは、それを感じる人間の感じ方によって決まる!ということなのです。

 現代における時間は、先ほども書きましたが、いわば、時間という資源であり、社会活動、ビジネスにおいてはとても重要なリソースである、と言うことです。

 この考え方の理由の一つに、会計原則があります。つまり、地球上に場所を占有する以上は、国家に属し,国家の財政、税制の計測ルールに従わなければならないという原則があるからです。皆さんご経験と思いますが、国も企業も家計も、この規則に従い、毎年一定の時期に収支計算をして、税金を納めるための決算活動を行います。

 年次決算、月次決算、日時決算を行うシステムの企業もあるでしょう。個人の家計も、国税や地方税その他の収入に応じた決算を行い、税の確定申告を行って納税します。当社は2年に一度の決算です!などと決めることはできませんね。資金をいかに効率的に回転させて、一定の期間に最大の利益を計上し、納税するのか、が特殊の一部の人々、地域を除き、全世界において共通のルールで運営されている時代です。こう考えると、地球は国家群に分割占有され、同時に言語によるコミュニケーションは、英語という共通語と母国語と言う地方語によって行われるシステムとなっている、ということができます。

 そして、その国土、地球という惑星の大陸を分割統治する国家は皆同じ時間資源を共有し、グローバルな統一ルールによって、世界中でビジネスなどの活動が行うことができている、という、過去に例のない世界市場という統一システムの時代を迎えている、と言うことになります。PayPalのようなまるで夢のようなサービスが当然の時代になっています。本当に驚きですね。

今や、当然のように付き合っているWEBシステムですが、このような時代の始まりから、まだ、四半世紀しか経っていないです。あの1994年に、米国で初の商用インターネットのサービスが開始され、瞬く間に、世界共通の基盤となるに及んで、実際の国土とは異なる「サイバー空間」という新たな空間活用が広まりました。

 笑い話なのですが、バベルの社内では、「バベル翻訳大学院はいったいどこにあるのでしょう?」などと言って、クイズのような会話を交わしていました。あなたは何と答えますか?多くの回答者は、首をかしげながら、頭を指さしています。つまり、「脳」の中にあるのでは?という回答なのですね。さて、バベル翻訳大学院は、いったいどこにあるのでしょうか?勿論、インターネットで配信されるすべてのコンテンツ、情報は、いったいどこにあるのでしょうか?

 私たちはそれを見るのに、PCや、スマホ、アイパッドなどの電子情報機器に画像を映して見たり、読んだり、音声を聞いたり、連絡したりしているわけです。その電子ツールが映し出すもの、それはいったいどこにあるのでしょうか?これがサイバー空間です、と言われても受信機や映写機がなければ分からないのです。インターネットが提供した新しい世界は地球物理空間とは違う、異次元の空間である、と言えますね。

 本学は通信教育であるということになりますが、通信教育と言っても、インターネットのシステムを利用したサイバー空間上の学習システムとなります。その実用価値は、インターネット以前の通信教育とは、全く価値が異なるものとなっています。このように、すごい時代になっているのですが、それらのことに特別な関心も持たずに日常の中に普通に活用しています、というケースが多いと思いますが、それだと、世間の動きに翻弄されるだけになってしまいますね。

 例えば、AIが「翻訳の仕事をやるようになったら、翻訳者はいらなくなる!」などと発言する人もあるかもしれませんが、それは、自分で考えず、周りの意見をうのみにする思考パターンの人ですね。そういう思考パターンでは、自分のユニークな人生、というような生き方はできないでしょう。

 知ったかぶりの表面的な意見に惑わされず、自分自身でしっかりと考え、自分の意志で人生のデザインを決めることが必要です。そのためには、なぜ自分は「翻訳」を選んだのか?なぜ「翻訳」でなければならないのか?などと言うように、自分の内側への問いかけを深めることです。その問いかけを深めて行けば、そこに自分だけの翻訳への「志」が明確になってきます。この「志」こそが、自分自身の人生の目的となっていくのです。

 前号もお伝えしましましたが、バベル翻訳専門職大学院のオフィスがある、ハワイのオアフ島ホノルルは、今のところ、ハワイ島のキラウエア火山の噴火の影響は特にみられてはいないようですが、米国の民間の研究機関などで、キラウエア火山の噴火が拡大し、火山の山体崩壊が起きて海側へ崩落した時には、30メーターに及ぶ高さの津波が30分でハワイの諸島へ押し寄せる、というシミュレーションがユーチューブに掲載されていました。さらにその津波は遠くカリフォルニア州の沿岸迄やってくると言いますから、その場合は、日本への影響もあるのかもしれません。

 そのように、火山の噴火、津波などについて調べたり、書いたりしていましたら、皆様ご承知のように、6月18日の朝、大阪北部を震源とする「震度6.1の地震が発生し、4人の方がお亡くなりになりました」。この地震で犠牲となられた4人の方々のご冥福をお祈りします。

 実は、この地震でお亡くなりになった方のお一人は、以前、通学制の「バベル翻訳学院」を開講しておりました大阪校にて、熱心に翻訳の学習をされていた方だということが分かり、本当に驚きました。それを知らせてくれたのが、既に数年以上前に退職している元大阪校の運営担当者の方です。地震のニュースで亡くなった方のことを知り、すぐに連絡してくれたのです。その時、この受講生の方も、深いご縁がある方なのだろうという感動が湧きました。教師としてかかわる方もあり、学生としてかかわる方もあり、また、社員としてかかわる方もあって初めて事業というものの運営が可能になります。

 それぞれ、役どころは違っても、互いに深いご縁につながっているのかもしれない!と感じたのでした。インターネットのサイバー空間は、意外と、自然や、社会のつながりを背景に持ちつつつながり合っているのかもしれない!とも感じます。都会に暮らすと、自然の変化に疎くなり、人工の世界にのみ浸ってしまいますが、やはり、いつでも自然の営み、社会、市場の変化というものに敏感でいることが必要だと、深く感じた次第です。

 自然の変化は、まさに市場の変化と連動、リンクしています。キラウエアの噴火、大阪北部地震、南海トラフ地震、ハワイからつながる環太平洋火山列島の日本は、いつも、自然とつながり、市場の動き、変化に敏感でいることを教えてくれますね。

 サイバー空間もそれを意識、認識する人間が居なければ、存在できませんから、環境とか外部に囚われることを少し斜めにずらして、自然の変化、社会の変化、市場の変化という、
変化に敏感になりましょう。変化こそが自己=潜在意識とつながる入り口のような気がします。

 最後までお読みいただき有難うございます。
 
 
 
 

第200号 巻頭言

「ハワイ島のキラウエア火山のように溜まった自分を噴火させましょう!」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子



 今号で200号を迎えました。この間の読者の皆様、ご執筆いただいた皆様、代々の編集・営業担当の皆様、有難うございます!WEBマガジンになって8年余が過ぎました。時間の経過は、本当に早いものです。

 このところ、東京では雨模様の日が多く、梅雨を思わせる日が続きましたが。5月末頃から青空が広がる清々しい陽気となりました。何か、梅雨明けを思わせるこの頃です。日中はとても暑く、強い日差しが眩しく、夏を思わせます。今、ピンクや紫、白など、色とりどりの紫陽花が咲き乱れ、散歩の道を華やかにしてくれています。

 前号もお伝えしましたが、バベル翻訳専門職大学院のメインオフィスがある、ハワイのオアフ島、ホノルルは今のところ、ハワイ島のキラウエア火山の噴火の影響は特にみられてはいないようですが、米国の研究機関などで、キラウエア火山の噴火が拡大し、火山の山体崩壊が起きて海側へ崩落した時には、30メーターに及ぶ高さの津波が30分でハワイの諸島へ押し寄せる、というシミュレーションがユーチューブに掲載されていました。さらにその津波は遠くカリフォルニア州の沿岸迄やってくると言いますから、その場合は、日本への影響もあるのかもしれません。

 そのような場合は、オアフ島では大きな影響がありますから、山側への移動など予定しています。ところで、前号で掲載したユーチューブ画像は、掲載後大きな反響があったらしく、ユーザーが削除したと出てきます。まだ、起きていないことをあれこれ騒ぎ立てて、ハワイの観光ビジネスに悪影響を与えかねない、というクレームなどいろいろとあったようです。そのため、その動画は削除されています。

 既に、ハワイ島では住民の方達の避難も続き、観光客も半減したと聞きましたが、どのような危険の可能性があるのか、知ることが必要です。今後もユーチューブやブログの記事など、継続して注視していきます。何時噴火が起きるのかとか、いつ津波がやってくるのかとか、自然の現象は予測出来ませんから、個人個人の自己責任で対処するしかありません。観測データが確定して津波が来る直前になったら、大変な混乱となり、逃げ惑うばかりになりかねませんね。

 備えあれば、憂いなしというわけで、やはり、前もって準備しておくしか手はないですね。津波が来る、来ないではなく、もし、来たとしても少しでも安全な地域へ移動しておこうと決めました。何もなければ、万々歳です。津波など起きず、ハワイの平穏が戻り無事に済むように、火山の噴火が治まることを祈るばかりです。

 さて、世界の翻訳市場で自分の市場価値を作ろう!というテーマを続けてきましたが、ここで、ふと気づいたことがあります。これまでの翻訳市場、現在、これから数年後、さらに、十年後の翻訳市場についてはどうなっていくのだろうか?ということです。今後の市場動向を考える時大事なテーマがあります。 本誌の特集に「ビッグデータアナリストから見た人工知能」という記事がありますが。人工知能はインターネットと共に登場した重要な技術です。機械翻訳システムが登場した時も賛否両論がありましたが、翻訳が人工知能に取って代わられる日がいつか来るのでしょうか?あなたはどう思いますか?

 これは、翻訳ビジネスにとっては、キラウエア火山の大噴火級の大きなテーマです。ところで、この「キラウエア」という音がすっかり気に入ってしまいました。キラウエアと言うと、何かキラキラしたウエアをイメージさせ、このキラウエア火山にとても親近感を覚えています。(笑)

 それはさておき、時々、翻訳は人工知能に取って代わられるのではないか?という論調でいろんな意見が出されたりしますが、それらの他者の意見を丸のみしてしまうのではなく、自分自身できちんとリサーチして、自分の考えを作っていくことが大切ですね。

 例えば、PCが今のように普及する前は鉛筆で文字を書くのが普通でした。しかし、今でも鉛筆はありますし、鉛筆書きが必要なときもあります。あまりいい事例ではないかもしれませんが、自分はずっと鉛筆を使おうと思えば、それを続けることができます。勿論、ビジネスですから、鉛筆書きを認めるお客様が必要ですね。時には鉛筆書きが好みである、とか、PCは持たないから鉛筆書きでほしい、というケースもあるかもしれません。つまり、ここで私が何を言いたいのかと言うと、「市場とは、創造するものである」ということです。

 自分のビジネスで多くのお客様、つまり大きな市場を作ろうと思えば、マーケットリサーチをして、どのくらいの規模のニーズがあるのかなどと調べていくことになりますが、全く逆に、自分はこういうライフスタイルで、こういう趣味、嗜好だから、これを好む人にだけサービスを提供しよう!と考えればどうでしょうか?ビジネスの想像がしやすいですね。

 創造とは【想像】することから始まるのです。そこには、マーケットリサーチという概念はあまりないですが、自分がそのことをとても好きであるとか、自分の好みを自分は知り尽くしていて、それをやっているとき最高に幸せである。というような境地に至るとき、それは、成功する大きな可能性を秘めているのです。如何でしょうか?すごい事だと思いませんか?好きこそものの上手なれ、と言いますね。好きだからこそ、長く続けられる、飽きない=商いというわけです。

 私は、翻訳をテーマとして翻訳関連サービスに従事し始めてもう45年になりますが、まだ、探求すべきことが湧いてきます。まだまだ、未知の世界が広がっているのを感じます。まあ、翻訳について考えることが大好きなんですね。私の場合は【翻訳とは何か?】がテーマで、これについて考えていきながらその過程で出てきたいろいろなことを、ビジネス、つまり、サービスという形にしてきたわけですが、こういう分野と言うか、やり方は、あまり、人工知能向きではないようです。

 人間は、困難に出会うとそれを乗り越えるためにすごいことが想像=創造できる存在ですから、人工知能が出てきたら、人工知能と競争して、すごい能力を開花させることも可能だと思いますが、逆に、人工知能ができないことを見つけ出して、人工知能を使いこなすという方法もありますし、人工知能は全く縁のない世界で独自の想像=創造を育てていく、ということも可能です。

 それがどの方法・タイプであれ、そのいずれかを実現していくには、長く続ける、ということが必要です。一つの道、自分の存在意義とでもいうような何かを発見してください。発見するということは大して難しいわけではありません。ただ続けていくことです。途中、いろいろと障害があっても、気にせず、ちょっと回り道をしても、やはりまた戻ってきてしまった!などと思えることがいいですね。

 それがあなたの存在意義なのです。翻訳ビジネスの実務では、それを「志」と呼んでいます。志とは、自己の存在意義であり、人間として生まれた使命でもあります。その存在意義=志=使命は、あなただけのユニークなものです。同好の友人たちであっても、どこかユニークな役割、あなただけの側面があるのです。世界の翻訳市場でどうやって生き続けていくのか?それは、あなただけの使命=志=存在意義を発見することに他ならないのです。

最後までお読みいただき有難うございます。
 
 
 
 

第199号 巻頭言

「世界の翻訳市場で、自分の市場価値を作ろう その2」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子



先日、5月19日は、バベル翻訳専門職大学院の2018年度春期学位授与式を執り行いました。新たにMSTホルダーになられた皆さん、御目出とうございました!ご活躍を期待しています。
東京市ヶ谷の現地会場出席の方もいれば、Zoomという電子会議システムで参加される方達も多く、日本国内各地、オーストラリア、アメリカなどから参加されて、楽しく、有意義な学位授与式となりました。これも、インターネットシステムの進化の賜です。多種多様なアプリと言いますか、電子ツールが発売提供され、とても便利になりました。

さて、昨今の気象状況は、変化が激しいですね。先週、東京は急に暑くなり、真夏日のような気温でした。その前の5月初め頃までは寒い雨の日が続きましたので、余計に暑く感じたのかもしれませんが。世界の各地でも、異常気象と言うか、かなり変化が激しくなっています。

バベル翻訳専門職大学院は、ハワイのオアフ島、ホノルルにオフィスがありますが、今、ハワイ島のキラウエア火山の噴火があちこちで起き始めたようです。日刊工業新聞電子版https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00473968
ハワイ島からは離れているので、すぐに危険になるかどうかはわかりませんが、ハワイ島の住民の方々は、もう避難を始めたようですし、火山の溶岩流だけでなく、それが引き起こす津波の危険もあるようですから、ハワイオフイスも今後の状況では、対策を講じる必要があるのか、早速検討しなくては、と思った次第です。 

5月20日の最新情報というライブ映像だというユーチューブ画像です。 
https://www.youtube.com/watch?v=jAjAiRSCeOI

これを見るとかなり激しい溶岩流が噴出されています。
さらに、この次の動画では上空からの映像もあり、大きな川の流れのようになっています。https://www.youtube.com/watch?v=R0INKXervXc 
 
こんな現地の生の様子が誰でも、どこからでも見ることができるということは、画期的なことですね。やはり、インターネットの活用がどんどん進んで、個人の配信ツールとなっていることが実感できます。
先端情報を掴むことができたら、各自で意思決定をしていかなければなりませんね。火山の崩落が起きたら、大きな津波の可能性もあるとのこと、これは、万一のことを考えたら、今号が配信される時には意思決定をする必要があるのだと感じました。慌てる必要はありませんが、皆様もご自身で、是非情報を収集して、被害が出ないように意思決定をされますように。
 
 さて、世界の翻訳市場で自分の市場価値を作ろう!というテーマで書いていますが、前号は、バベル=BABELとは何か?を考えることから始めたわけですが、いかがでしたでしょうか?

「バベルの塔」は壊され、互いに言葉が通じあわなくなってしまったので、人々は世界各地に散り散りバラバラになっていくわけですが、まるで、今のハワイ島の噴火により引き起こされる世界的な被害を思わせる光景をイメージしてしまいますね。しかし、人々は、それらの甚大な被害を乗り越えて、多言語の世界、多様な文化を作り上げてきたのです。人類は叩かれてこそ、素晴らしい叡智が目覚め、多様な文化というかつてない豊かな創造性を発揮できるということを示しているのでしょうか。

できたら、そんなに大変な、過酷な体験をしなくても、多様性に目覚め、多様な文化の花を咲かせたいものです。このように多言語世界となり、多様な文化の花が咲いたことは人類の、いわば進化ともいうべきものなのか、それとも、神の指示をよく守り、いつまでも一つの言語で、神の庇護の世界にいた方が良かったのでしょうか?あなたは、どう考えますか?

世界の市場をどのように考えるか?それは、あなたの自由です。たとえ、火山の噴火があろうとも、私は逃げない!という選択も有りですし、安全地帯へ早めに非難する事も有りですね。私達は何を選択していいのですね。自由意志を確立する事、これが、バベルグループとして、ただひたすら翻訳に一直線という事業活動を行う中で目指したことの一つなのです。誰かに言われてとか、いろいろな思いが沸き上がってきますが、そのようないろいろな思いを捨て去って最後に残った理由、それが「志」というものです。

その「志」を磨き上げていくプロセスで徐々に身に着けていくのが、「自由意志」と言えるのです。「志」と「自由意志」は相補う関係にあります。この「志」と「自由意志」の絡み合いが「想像=創造」活動となり、世界市場でユニークな【あなただけの市場価値」を創造することができるのですね。

世間に流布する情報、他人の仮説にすべてを依存してしまうのではなく、自分の「志」から感じ、導き出すものを自分の市場価値だと決めていきましょう。そこには、売れ筋とか、販売部数とか、流行りそう打とかいうことは必要がないのです。自分自身がこれをやりたい!と思うことですから、まず、一番の顧客は自分自身なのです。

 前号でも述べましたが、この思考プロセス=いろいろなリサーチを行い、多くの固定した評価、意見によらずに、自分自身のインスピレーションによって、【自説】を組み立てていく=に従っていくという習慣を身に着けていきましょう。自分自身が好きなこと、やりたいこと、それが第一です。お客さんが多いから、売れ筋だから、という理由は意味がないのです。お客の嗜好の変化はいくらでも起きています。

流行り廃りが激しいことはお分かりですね。バベルは世間におもねるのでは無く、自分が必要だと思ったことを世間の情勢に囚われずに自由気ままにやってきたと言えます。やって楽しい事が一番です。やり始めたら楽しくて、疲れることがない!とか、これだけはひとに負けない!とか、何か自分らしさを表現するものがあるはずです。それを大事に育てましょう。このような自己の【ブランディング】をやってみてください。

世間の常識、自分の体験、知識人のアドヴァイスなどの既成概念に囚われない!ということを意思決定しましょう。【自分という世界にただ一つのユニークな存在】に気づいてあげるのは、あなたしかいないのです。本学、バベル翻訳専門職大学院は、独自のテーマを持っています。世界市場において、MSTホルダーが自立すると同時に連携して、AI以上のユニークな生産性を実現する!(笑い)ということです。一人一人がユニークだからこそ、世界的なネットワーク生産システムを実現できる、ということなのです。

繰り返しますが、それは、あくまで【仮説である】ということを知っている必要があります。同時に、仮説だからこそ、チャレンジし続けることができるのですから。そして、チャレンジし続けると、いつか、新たな事実が発見、または自覚されて、全く別の結論が出るかもしれません。私達はそのような【心変わり】をいつでも受け入れていける【無知の知】を自覚していましょう。

バベルは今、世界規模の「多言語翻訳ネットワーク」を創造していきます。それによって、「ユニバーサルサービスとしての翻訳ビジネス」を実現することが可能になります。新たなサービス概念として「ユニバーサルサービスとしての翻訳ビジネス」という、バベルの新たな試み、チャレンジするネットワークへ、あなたもご参加ください。

 最後までお読みいただき有難うございます。

 
 
 
 

第198号 巻頭言

「世界の翻訳市場で、自分の市場価値を作ろう」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


  日本在住の皆さん、この連休はいかがお過ごしでしたか?また、連休は無かった地域の皆さんは、いかがお過ごしでしょうか?四季の変化がはっきりとした日本列島は、春から夏への季節の変わり目には、兎角風が強かったり、激しい雨が降ったりと、変化を感じることができます。日々の時節の移り変わりを漫然と過ごさずに、ちょっとアンテナを伸ばして、自然の変化を観察していきましょう。

 

ところで、現在は日本も、西暦カレンダーに従って日々を過ごしていますが、祝日や祭日は、世界各地で異なりますから、「この連休はいかがお過ごしでしたか?」と書き出しながら、「そうそう、連休は日本だけだった!」と思い出し、「日本在住の皆さん」という文を挿入したのでした!地球は、なかなか一筋縄ではいかない多様性の惑星です。というわけで、「世界の市場」を意識するとき、カレンダーも各地で異なることを思い出さないわけにはいきませんね。

 

このように、一度「世界」という視点で認識し始めると、自分自身の固有の体験や価値観、尺度というものは、極めてローカルなものなのだと気づきますね。まさに「世界とは【多様性】である!」と言い換えることができそうです。世界に「多言語」が存在する理由としての【BABELの塔】の物語は、旧約聖書の創世記、第11章に出てきます。本大学院の名称「バベル翻訳専門職大学院」は、この世界に多言語が発生し、言語のコミュニケーションが取れなくなったという原因譚から名付けました。では、バベル=BABELとは何か?を考えることから始めたいと思います。
 

 そこで、ウィキペディアから創世記の聖書の記述 引用してみましょう。

 

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全ての地は、同じ言葉と同じ言語を用いていた。東の方から移動した人々は、シンアル[4]の地の平原に至り、そこに住みついた。そして、「さあ、煉瓦を作ろう。火で焼こう」と言い合った。彼らは石の代わりに煉瓦を、漆喰の代わりにアスファルトを用いた。そして、言った、「さあ、我々の街と塔を作ろう。塔の先が天に届くほどの。あらゆる地に散って、消え去ることのないように、我々の為に名をあげよう」。主は、人の子らが作ろうとしていた街と塔とを見ようとしてお下りになり、そして仰せられた、「なるほど、彼らは一つの民で、同じ言葉を話している。この業は彼らの行いの始まりだが、おそらくこのこともやり遂げられないこともあるまい。それなら、我々は下って、彼らの言葉を乱してやろう。彼らが互いに相手の言葉を理解できなくなるように」。主はそこから全ての地に人を散らされたので。彼らは街づくりを取りやめた。その為に、この街はバベルと名付けられた。主がそこで、全地の言葉を乱し、そこから人を全地に散らされたからである。

                                                           「創世記」111-9
 

 

 ここにあるように、初めは、塔の名前ではなく、街の名前として「バベル」と名付けられたのですね。バベルの街にあった高い塔なので、【バベルの塔】と言われるようになったということが分かります。ですから、当時の人々はこの塔をどのように名付けていたのか、名前がついていたのか、判らないのです。

 そこで、【バベルの塔】という言葉についてウィキペディアから引用してみましょう。
 

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 バベルの塔(バベルのとう、ヘブライ語: מגדל בבל)は、旧約聖書の「創世記」中に登場する巨大な

神話とする説が支配的だが、一部の研究者は紀元前6世紀バビロンのマルドゥク神殿に築かれたエ・テメン・アン・キジッグラト(聖塔)の遺跡と関連づけた説を提唱する[1][2]

実現不可能な天に届く塔を建設しようとして、崩れてしまったといわれることにちなんで、空想的で実現不可能な計画を比喩的に「バベルの塔」という。

 

 

となっています。そこで、神話という説を取らずに、一部に言われる【紀元前6世紀のバビロンのマルドゥク神殿に築かれたエ・テメン・アン・キジッグラト(聖塔)の遺跡だと仮定する説をとると、いろいろな視点が見えてきます。ウィキペディアからさらに引用してみましょう。

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エ・テメン・アン・キシュメール語É.TEMEN.AN.KIEtemenanki)(「天と地の基礎となる建物」という意味)は、メソポタミア明の中でも最古の文化を築いたと言われるシュメール人が建設を開始し、工事が中断していた(規模が小さかった、荒廃していた)物を、カルデア人の王国である新バビロニア王国時代に、紀元前7世紀末にナボポラッサル王が再建に着手し、紀元前6世紀前半にその長男、ネブカドネザ2王の時に完成した、バビロンマルドゥク神殿エサギラ)の中心部に築かれたジッグラト(聖塔)のこと。

底面約91×91m、高さ約9091m(高さは推定)の7層建てであり、各層が七曜を表し、1階が土星、2階が木星、3階が火星、4階が太陽、5階が金星、6階が水星、7階が月であった。これはバビロニア天文学では、地球から遠い順に、「土星・木星・火星・太陽・金星・水星・月」と考えられていたことに基づく。各層には神室があり、頂上(7階)には神殿(至聖所)があったと推測される。

これらのことは、シェーンコレクション(ノルウェーの実業家マーティン・シェーン(Martin Schøyen)が設立した書物収集団体)が所有する、紀元前604年~562年頃の黒い石碑に刻まれた碑文と絵と、現在はバビロンの遺跡にわずかに残る遺構から判明している。

現代の学者(Stephen L. Harrisカリフォルニア州立大学サクラメント校)などによれば、旧約聖書創世記」のバベルの塔挿話は、バビロン捕囚時代に、エ・テメン・アン・キに影響されたと考えられている。

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という解説が出ています。このようにリンクを辿っていくと、いろいろな視点が見えてきますから、自分がどういう視点で見るかが重要である、ということが分かります。

 

世に流布するすべては「…と思われる。または・・・と言われる。」というように、いろいろな視点から見た【一つの仮説】なのですね。他人の仮説を受け売りするだけでは、少しも面白くありません。それでは、どうすればいいのでしょうか?それは、多くの他人が言う【仮説】によらずに、自分の直感に従い、インスピレーションが湧いたものをリサーチしていき、その多様な情報から、これだというものを【自分の仮説】としてまとめていくことで、【自分という特徴】を導き出すことができます。

 

そこで、この思考プロセスいろいろなリサーチを行い、多くの固定した評価、意見によらずに、自分自身のインスピレーションによって、【自説】を組み立てていく=に従っていくという習慣を身に着けていきましょう。

 これが自己のブランディングのプロセスだということになります。それは、常識を疑え!ということでもあり、既成概念に囚われない!ということでもあるのです。【自分という世界にただ一つのユニークな存在】に誰が気づいてくれるのでしょうか?いつか誰かが気づいてくれる!のを、ただ待てばいいのでしょうか?そんなことはないですね。

 【自分】というかけがえのない「ユニークな存在」に気づき、それを磨き上げるのは、誰あろう、自分です。【自分というブランド】をあなたは自信をもって<気づいて=築いて>いますか?本学、バベル翻訳専門職大学院は、その名の通り、極めてユニークなシステムなのです。それは、世界市場において、MSTホルダーが自立すると同時に連携して、AI以上のユニークな生産性を実現する!ということです。一人一人がユニークだからこそ、世界的なネットワーク生産システムを実現できる、ということなのです。

 

さて、本稿のまとめに、今一度提言します。それは【汝自身を知れ】という言葉です。私達人間は「自分自身を知らない」存在です。それをソクラテスは【無知の知】として探求したと言えます。自分とは何か?それは、まさに「自分というブランド」を作り上げているか?という問いでもあると思います。他人の考えをうのみにせず、自分自身のインスピレーションに照らし合わせて、自説を磨き上げることが必要です。

 

しかし、それは、あくまで【仮説である】ということを知っている必要があります。もしかすると、いつか、別の時に、新たな事実が発見、または自覚されて、全く別の結論が出るかもしれないのです。

私達はそのような【心変わり】をいつでも受け入れていける【無知の知】を携えていくことが必要なのですね。
 

バベルは今、世界規模の「多言語翻訳ネットワーク」を創造していきます。それによって、「ユニバーサルサービスとしての翻訳ビジネス」を実現することが可能になります。新たな翻訳概念としての「ユニバーサルサービスとしての翻訳ビジネス」という、バベルの新たな試み、チャレンジするネットワークへ、あなたもご参加ください。

 

 最後までお読みいただき有難うございます。

 

 

 

 

第197号 巻頭言

「世界の翻訳市場で、自立開業するということとは?」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


 

世界情勢も、自然の景観も、テクノロジーの進化も、人間の身体も皆ひと時も休むことなく変化の一瞬一瞬を刻んでいます。最近、とりわけこの時間について感覚=間隔が敏感になりました。変化に対する感覚=間隔が研ぎ澄まされたような気もします。皆様はいかがでしょうか?いろいろな場面で、変化が著しいように感じられます。寒い冬の間の春を待ち望む気分というのは、他の季節の移り変わりに比べ、【春の到来】という時の変化への思いがより一層強いからかもしれません。

 

さて、皆様ご承知のように、BUPST バベル翻訳専門職大学院は、単にアカデミックな大学院ではありません。既にご承知の通りです。いわゆるアカデミックな研究職として、翻訳を学術分野からのみとらえていこうとする目的には合わないでしょう。しかし、翻訳の実践による高い成果の実現を目指して、生産性の研究やeTransテクノロジーと言うように、翻訳の技術をいわゆる工学的な視点で研究していくことは、大変興味深いテーマであり、本学の目指す分野の一つです。

 

この翻訳テクノロジーという視点で、いわゆる機械翻訳システムを考えてみましょう。世界レベルで見て、まだ、日本語とこの日本語と同等の言語レベルを持つ言語との間での翻訳ソフト、翻訳システムが十分機能しているかと言えば、残念ながらまだ不十分な状態であると言わざるを得ません。現段階では、AIの誕生によって、翻訳はほとんど代替されるのではないか?という懸念は杞憂に過ぎません。

 

つまり、翻訳ビジネス従事者が、AIを活用することで高い翻訳生産性を上げることはできる可能性が十分に見込まれますが、それが正確な翻訳であることを認証できなければ、それは価値がない事になってしまいます。現在の事例でいえば、「グーグル翻訳」で満足している人の翻訳ニーズは、ビジネスレベルになっていませんし、目的がビジネスレベルであれば、自分がこの翻訳結果を直しながら使うよりプロの翻訳者に依頼した方が効果的だとすぐに判断がつきますね。

 

そのように、翻訳ができると言っても「ピンからキリまである」ということに留意することが必要です。そのピンからキリの中身をしっかり分析して把握しておくこともさらに必要となります。このように、翻訳ニーズをとらえるということは、全てのビジネスに共通する最重要のテーマです。そして、ニーズは二つの視野を持っています。まず一つ目は、翻訳者になろう、と考えたとき、自分は何ができるか?こんな分野の内容が好きだし、知識背景からこんな専門分野が適しているだろう、と言うように考えることから導かれるニーズです。自分が「翻訳できると思っている能力」というニーズとも言えますね。

 

二つ目のニーズは、顧客つまり、翻訳してもらいたい文書や書物、情報、データ類を抱えて、いち早く適切な翻訳を必要としている人のニーズ、ということになりますね。どちらが本当の市場ニーズかと言えば、当然顧客で、翻訳文書を抱えて早く処理してもらいたいと考えている人、となります。言わずもがなですが。

しかし、人間が行うことは、市場のニーズの前に、必ず先立つニーズ、つまり前提条件が必要になるのです。それは、翻訳の内容・分野、その専門レベル、二つの言語種、翻訳の品質、納期、価格、翻訳生産能力・期間、翻訳の品質水準の評価、そのた、秘密保持、送受信のセキュリティの信頼度、など思いつきますが、他にも、文のスタイルや表現の好みも結構大事な要素です。

 

翻訳ビジネスは、現段階では、翻訳者という【人】に依存しています。これは良い面もあるし、また、問題点もあるのです。翻訳者は健康を害したら、すぐに代替者はいるでしょうか?人それぞれが自己流の翻訳方法に依存し、翻訳品質への共通認識、文章レベルのセンス、納期遵守への意識は?などなど、人が行うことはそれぞれ違いがあって、共通レベルの意識水準を持つ人同士で共同訳にチャレンジすればうまくいくと思われますが、共通意識という「コンセンサス」がない時、翻訳はいろんな面で破たんしてしまいます。

 

バベル翻訳専門職大学院を開講しようと考えた動機は、まさにそこにあるのです。私達は「人」として完成していますね。聖人君子だという意味ではなく、足がこれから3本生える進化の段階にあるとか、羽がまだ生え足りないというような身体構造の水準では一応基本形は固まっていますね。機能の発現度レベルはまちまちかもしれませんが、人間は一応こういう機能を持っている!というコンセンサスがあります。

 

それと同じように、翻訳においても、誰がやっても基本形は同じに翻訳できる、という技術が必要だと考えたというわけです。それが、「バベル翻訳文法」です。この翻訳文法をマスターすることで、生産性が高い水準で向上します。機械翻訳システムはすべてを教え込まなければなりませんし、判断や、創造性、協調性、問題解決力などは、人間にはかないません。一定の水準の知識を備え、翻訳文法という技術を共有して使いこなせる人々のグループがあって、互いに協力、共同して翻訳作業に当たれば、とてもすごいことが成し遂げられるのではないか!と思いませんか?

 

「人」は一人一人がユニークで、個性豊かですね。だからこそ、一度、協力、共同、共通の目的を共有すれば、すごいことを成し遂げるパワーがあるのです。それは、科学の分野での真理の探究競争、ニュートン力学から見えない量子力学へと変容、発展してきた歴史を見れば、各地、各分野の科学者たちがそれぞれしのぎを削りつつ、現代の電磁力学の世界へと発展変化してきたのです。

 

これらの科学者は時には論争し、離散し、敵味方ほどに離れたり、近づいたりしながら現代の宇宙論、神の粒子=ヒッグス粒子の発見へと継承されています。翻訳のプロジェクトは、それほどダイナミックではありませんが、時にはこれらの科学者の著作物を翻訳しなければなりません。その時、翻訳者はまさに原著者となり切って理解し、今度は別の言語の新たな読者となりきることで、そのニーズに応えるということを行っています。二つのニーズに引き裂かれながら、その二つのニーズを行ったり来たりして統合し、高い専門分野の著作物を、異なる言語体系の未知の世界へと移し替えていくことができるのです。

 

そこで、いつも思い出すのは「汝自身を知れ」という言葉です。私達人間は「自分自身を知らない」存在です。ある時、私は、自分とは【思考】である、と気づいたこともあります。この続きは次回以降に譲りますが、私達は、まだ自分自身の潜在力を活用できていません。「人」という字は支え合う、つなぎ合う形です。すると、「人間」の意味するところは、支え合うもの同士の間、つなぎ合う空間を支え合うものだといえますね。そうです‼ それは、インターネットです。私たちはネットワークという仕事の仕方を行うことで、飛躍的な生産性を実現できるのです。

 

これらを更に発展させて、世界規模の「多言語翻訳ネットワーク」を作りましょう。それによって、「ユニバーサルサービスとしての翻訳ビジネス」を実現することが可能になっていきます。「ユニバーサルサービスとしての翻訳ビジネス」という、バベルの新たな試み、チャレンジするネットワークへ、あなたもご参加ください。

 

 最後までお読みいただき有難うございます。

 

第196号 巻頭言

「世界の翻訳ニーズ、翻訳市場に対する
新たな視野を持ちましょう」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子


 皆様お元気でお過ごしのことと思います。早47日ともなると、ソメイヨシノ種の桜はすっかり葉桜となり、今や色とりどりの八重桜が咲き始めています。これからしばらくは、八重桜のお花見が楽しめますね。

 

ところで、今年は、桜の開花が早かったように感じます。皆様のお住まいの地域では如何でしょうか?

時間の経過を早く感じていくのは、情報量が多くなったり、ついあれやこれやと忙しくなったりすることが影響しています。ところが、しなければならないことがなく、のんびりとした気分になると、時間の経過がとても遅くなります。皆様も体験されたことがおありではないでしょうか?実は、先日、私はそれを実感しました。

 

暖かな日差しを浴びながら公園のベンチで本を読み、お茶とおやつをいただきながら、また別の本を読み、あら、ずいぶん時間がたったのではないかと思って時間を見ると、小一時間しか経っていないのでした。太陽もたいして傾いていません!これは素晴らしい一日だわ、とすっかりいい気持でのんびり読書と太陽光線を楽しむことができました。お供の犬も膝の上で、のんびりしています。

 

今回は、時間が止まったわけではなく、ものすごくゆっくり流れていった!という実感の体験でした。

もしかすると、止まっていたのかもしれませんが?最近はかなり大まかな思考になっているので、時間感覚=間隔も大まかになったのですね(笑)。

 

 時間は一定ではないのか?と思ったりもしますが、時計は同じ間隔で刻んでいるのでしょうがそれを見たり、感じたりする、われわれ人間側にその原因があるのですね。我々人間の知覚、認識力というものは、心の有り様、経験の有り様、思考の仕方、価値観などで変化することが分かっています。皆様も実感されることと思います。つまり、どんな価値観で、どんな心の状態で知覚するかによって、時間の長さは変化してしまうということになるのです。

 

 桜の開花もその時の諸条件により、毎年開花のタイミングがずれたりしますが、それと同じように、われわれ人間の心の状態がその諸条件となっていることが分かります。まあ、感じ方が変わったからと言って、そんなに敏感になることもないのでは?と思われる方も多いかと思いますが、これは、結構大事なことなのです。

 

今は、従来の科学技術に比べ飛躍的変化を遂げるAIテクノロジーが実用化されていく、大きな変化の時代です。時間の伸び縮みに無関心な感情レベルだと、このような変化の兆しを見過ごしてしまうことになるかもしれません。変化というのは微細なもので、すっかり変わったと思う時には、チャンスの芽は既に過ぎ去っているかもしれません。やはり、知覚は繊細にして敏感な方がいいでしょう。

 

しかし、恐れは禁物ですし、不要ですね。怖れ=恐れなどのネガティブなマインドだと、アイデアが湧いてきません。アイデアは将来に夢と希望を持つような、のびのび、ワクワクした明るい感情に根差しています。ビジネスはアイデア、創造力が必要です。とりわけ、これからは、AIテクノロジーとの共同作業となりますから、AIと同じような思考パターンでは面白くないですね。AIは過去データの集積回路となっているわけですから、過去の体験や記憶情報だけに依存し、毎日、毎月、毎年、代わり映えのしない生活パターンや思考様式に浸っていたのでは、AIの記憶集積回路にはかなわなくなります。

 

と言いますのも、最近、とみに記憶が薄れてきていまして、さっき何を食べたかしら?と言うほどまで行きませんが、いろいろ忘れてしまっているのです。顔認識映像情報はあるのですが、名前が出てこないのです。これは言語野の血の巡りが悪くなっているのかもしれない!などと思いますが、人の名前、物の名前、場所の名前など固有名詞が思い出しにくいことが分かります。

 

この現象は自分だけではないことはわかりますが、なぜ、名前が出なくなるのか勉強中です。

しかし、イメージ記憶、映像はリアルです。映画のスクリーンのように繰り返し思い出せます。しかしまた、記憶の取り違えも起きてきます。他の人と記憶を確認すると、違っていることもあります。いわゆる記憶違いです。それで、喧嘩になったりすることもあったりしますね(笑い)。

 

 このように、人間の記憶はかなりあいまいであったりしますが、AIの記憶処理には間違いはないのでしょうか?計算機ですからほとんど間違いはないのでしょうが、例えば雷に打たれて回路が変化したりして、間違えるAIなどが出たら、面白いですね!AIも言語処理によるコミュニケーションシステムですから、いわば翻訳作業と同じことです。AIの翻訳者が下訳をやってくれたら、仕上げの翻訳作業をすればいいわけで、AI翻訳システムは翻訳者の役に立ちます。

 

 つまり、AIにはAIの得意分野を担当させ、人間は人間の得意分野を担当すればいい、という役割分担、棲み分けが可能になります。AIと一口に言っても、既に機械翻訳と言ってきた時代から、グーグル翻訳のように、みんなで育ててきたAI翻訳ソフトとなるまで、いろんな段階を経てきたわけですが、これからが実用化の研究が本格化していきます。AI翻訳ソフトを自分なりに使いこなしたら、かなりな生産性の向上が期待できるかもしれません!楽しみです。

 

 そこで、多言語の市場を考えてみると、いろんな翻訳プロセスのサービスが考えられます。例えば、AI翻訳の出力結果を校正したり、最終チェックをしたり、AIが翻訳しやすいように原文を前処理したり、用語集や辞書をそろえたりなどいろいろ考えられます。しばらくはAI翻訳を育てていくことが必要になるでしょう。また、翻訳の方法も変化していきますね。このような柔軟な、創造的な思考法によって、新たなテクノロジーを使いながら、人間の自分にしかできない役割を果たしていけばいいのです。

 

 これからの翻訳ビジネスを考える時、従来の様式、データや記憶にのみ頼るのではなく、新しい変化の側面を積極的に捉えてチャレンジすることが必要です。それは人類がいつも危機に直面しながらも豊かな文化を築きつつ生き延びてきたことの証明だと言えます。固有名詞が出てこなくても、おおらかに生き延びていきましょう!(笑)

 

前回も書きましたが、現代の状況を見て【もの凄いチャンスが到来した!】と考えることもできれば、【翻訳はAIに取って代わられていくから厳しい時代になる!】と考えることもできます。どちらを選択するかは、全く完璧に、自分次第なのです。自分の自由なのです。だから、この世界は、完璧に自己責任の世界なのです。繰り返しますが、間違っても世界が悪いから、というような責任転嫁はできないのです!

 

世界規模の「多言語翻訳ネットワーク」によって、「ユニバーサルサービスとしての翻訳ビジネス」を実現するというバベルの新たな試み、チャレンジするネットワークへ、あなたもご参加ください。

 

 最後までお読みいただき有難うございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

第195号 巻頭言


「これから始まる【多言語翻訳の世界】を、あなたはどんなスタンスで迎えますか」


BUPST バベル翻訳専門職大学院 学長 湯浅美代子



  
昨日は春分の日、こちらの桜は5分咲きとなっています。皆さんのお住まいの地域では、桜の開花状況はいかがでしょうか?前号7日号では、早咲きのピンクの「河津桜」の開花について書きましたが、河津桜はもはや散っていて、これからは、薄いピンク色の【ソメイヨシノ】の開花のシーズンです。冬の季節にさよならを告げ、何となくウキウキするお花見シーズンの到来ですね。


  東京の開花予報はある地点のソメイヨシノの開花状態に基づいて発表される、と聞いたことがあります。残念ながら、どの地点の桜の樹なのか発表されていないようです。このように日本人と桜の関係は深いものがありますね。私の居住地域の桜は、春分に合わせるように
20日には開花が始まっています。すっかり薄いピンク色に染まる桜並木は壮観です。最近は東京の桜の名所の一つになったのでは!と思うほど、お花見に来られる方々が多くなり、かなり混雑します。

 

皆様の地域では如何でしょうか?たまには、お花見にお出かけになり冬の間にため込んだ古いエネルギーを桜に吸収してもらいましょう。桜の開花エネルギーは、冬の間に溜め込んだ古いエネルギーだけでは足りないかもしれませんから、あまり長い間、桜の下にとどまるのは、エネルギーの与え過ぎになるかもしれません。自覚してお楽しみください。

 

さて、桜とのエネルギーの交流においてもそうですが、これからの時代とは【全ては自己責任であるという認識】で生きる、自己の【意思】=【志】に基づいて、自分が望む現実を自ら【想像=創造】する時代となっていく時代だと言えますね。なんと素晴らしい時代になってきたのでしょう。そして、今、これから始まる【多言語翻訳の世界】を、あなたはどういうスタンスで迎えていくのでしょうか?

その自覚と準備はできていますか?

 

【多言語翻訳の世界】と一口に言っても、漠然とした思いでいたのでは、それを活かすことはできません。インターネットにつながった、言わば【仮想現実の世界】とは、まさに多言語翻訳市場が広大に広がっており、その世界の成長は、幾何級数的な増大の中で、更なる上等の品質を求めています。この【仮想現実という情報空間 】は、インターネットが実現する前は、単に人類の創造の産物というイメージの世界でした。それらは、映画を除けば、文学、学術論文、絵画や写真など別々の表現の状態でしかなく、現実の一面を切り取った一つの瞬間を垣間見せる、というようなレベルでしたが、今や、文字、音声、動画、音楽、アニメーションなどが複合表現できるようになり、映画やビデオを超えて、まさに、【仮想現実としての情報空間】という名にふさわしい状態となっています。

 

従って、AI技術の登場は、当然の成り行きであると言えるのですね。知らぬは自分ばかりであったということかもしれません。気づかなかった、という表現がぴったり来ます。インターネットの登場は、それほど革命的であり、その延長線上に21世紀の現代文明は構築されてきたのです。そしてそれは、まさに【多言語翻訳の世界】となっています。

 

この世界を想像=創造してきたインターネットにつながった我々すべての人類は、NETの外側の現実を自分の意志と考えによって理解し、それらを入力システムに従って翻訳文を書き込み、画像や音声データを取り込み、動画化したり、文書データにしたりして毎舜、毎舜の多言語翻訳の世界を作り上げています。このように、現在の世界は、多言語=多機能コミュニケーションなしには1日たりとも存在することができないのではないか?とさえ、思うに至ります。

 

多様な多文化の世界を現実に体験すること、例えば、パーソナルな観光旅行やビジネス移動、また世界規模のイベントでは、先月29日から25日までの17日間にわたり開催されていた冬季オリンピックなどのように、世界各地から、競技者として、見物客として参加することによって生のイベント体験をすることができます。そして、それらは、同時にインターネット放送やマスメディアの情報配信によって、また、LINEFacebookTwitterなどのパーソナルメディアによって、多様な多言語コミュニケーションが大量且つ広汎に共有されていることが分かります。

 

この新たな時代の多言語翻訳サービスのビジネスをイメージしていくには、単に翻訳技能という視点で考えるだけでなく、最終商品の完成という観点からも見れば、翻訳の次工程である編集やイラストレーション、前工程としてのリサーチや専門用語辞書作り、用語集データベース作り、文体データベース作りなど、AI視点を持って眺めると、いろんな専門商品価値ビジネスの可能性が広がります。

 

ここで、人間の翻訳の作業過程はどうなっているのか、概略してみましょう。まず、目と耳で同時に文字情報を読み取り瞬時に意味と対応する言語と文字情報と発音を想起します、つまり、言語と文字と音声の複合入力・解析・変換・表現システムだと言えますね。なかなかすごい情報処理能力なのですよ!

 

それをAIコンピュータで処理するためには、人間の作業を分解してプログラム化し、記憶データ処理としなければなりません。文字の形やサイズ、余白などの情報や表記スタイル、それにまつわるタグ付けそしてそれらをどのようなニュアンス、イメージで表示、または表記するのか?それをどう発音するのかなどというように、表記法という多重構造の表現技術と、機械翻訳システムと言う意味解析と言語変換技術に加えて、処理判断情報の集積などの高度な複合技術の集積が必要になります。