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■翻訳に役立つソフトウェア活用法

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【試用レポート】『PC-Transer 翻訳スタジオ V19』

投稿日時:2011/11/24(木) 13:43

 
<試用レポート>「PC-Transer 翻訳スタジオ V19」
 
翻訳メモリ機能が大幅に強化され、さらに訳文品質が向上

  

小室 誠一  翻訳システムテクノロジスト
(バイリンガルサービス事業 マネージャー、株式会社 バベル)

 



今回は、株式会社クロスランゲージより、10月7日に発売されたPC-Transer 翻訳スタジオの最新バージョンV19の試用レポートをお届けします。

◆製品紹介ページ
http://www.crosslanguage.co.jp/products/pc-transer_v19/


 
PC-Transerはほぼ毎年バージョンアップされ、今年でV19となりました。インターフェースが大幅に変更され「翻訳スタジオ」の名前が付いたのはV12からです。すでに成熟の域に達したソフトといえるでしょう。

ここまで来ると、新機能を付加する余地も少なくなってきますが、今回はなんと、翻訳メモリ機能を拡張するという、記念すべきバージョンアップとなりました。外見上は目立ちませんが、翻訳メモリを活用する有効なツールとなったことは間違いありません。

強力な辞書機能を有するルールベースの機械翻訳エンジンと、高性能の翻訳メモリ機能をシームレスに連動させることで、翻訳作業の効率を大幅に向上できることは、これまでにも十分に説明してきましたが、翻訳メモリ機能の拡張により、さらにきめの細かい訳文のコントロールが可能になりました。

今回は、この翻訳メモリ機能と、英文ワードカウント機能を取り上げます。
それ以外は、前バージョンとそれほど変わりはありませんので、併せて以下の記事もお読みください。
総合的翻訳支援ソフト「PC-Transer 翻訳スタジオ2011」
 
 
<翻訳メモリの拡張>
 
それでは、実際にどこがどのように変わったのか見てみましょう。

「翻訳設定」の「訳文生成方法」に項目が追加されています(図1)。
 
(図1)

この中で、新たに追加されたのは以下の3つです。

「自動文型一致文検索」
「部分完全一致文検索」
「部分文型一致文検索」


従来のバージョンでも「文型一致文検索」はPC-Transerならではの機能でしたが、これが拡張されて、自動的に変動要素をタグ付けして検索するのが「自動文型一致文検索」です。

翻訳メモリというのは基本的にセグメント(通常はセンテンス)ごとに検索するために、ビジネス文書などはほとんど完全一致せず、翻訳メモリの恩恵に浴することができませんでした。 「部分完全一致文検索」では、フレーズが部分的に一致すればその部分が採用され、残りは機械翻訳されて訳文が生成されます。

さらに、フレーズに変動要素のタグ付けをして翻訳メモリ登録することで、「部分文型一致文検索」にマッチすると、変動部分に機械翻訳で訳文が挿入されたフレーズが採用され、あとは「部分完全一致検索」と同様に訳文が生成されます。


●実例

「自動文型一致文検索」(図2)

ここでは、以下の対訳を翻訳メモリに登録します。

The pages of this magazine are all mixed up.
この雑誌はページが前後している。

文番号6は、機械翻訳で出力しています。
文番号7は、上記翻訳メモリを使って、完全マッチしたところです。訳文の文字がすべてグリーンになっています。
文番号8と9「自動文型一致文検索」がマッチしています。訳文の青文字がマッチした部分、黒い文字は機械翻訳出力です。

この翻訳メモリをエクスポートしてみると、以下のような文型メモリが自動的に生成されていました。

The pages of this <$1> are all mixed up.
この<$1>はページが前後している。

(図2)


「部分完全一致文検索」(図3)

文番号13、14、15は以下のフレーズ翻訳メモリにマッチしています。文字がグリーンになっている部分が完全マッチしています。黒文字の部分は機械翻訳の出力文です。

I don't want you to get lost,
迷うといけないので、


(図3)


「部分文型一致文検索」(図4)

文番号19と20は以下の、部分文型メモリにマッチしています。

If your payment in full is nor received by <$1>
<$1>までに全額お支払いいただけない場合、

by以下の「tomorrow」「one week prior to the course」が機械翻訳の訳文に置き換わり、残りの部分の機械翻訳訳文と合体して、全体の訳文が出力されています。


(図4)

*機械翻訳出力の部分(黒文字)が不自然な場合は、ユーザー辞書登録で訳語を変更することができます。

 
●部分一致翻訳メモリ登録の注意

翻訳メモリ登録画面が少し変わりました。

部分一致文検索用の翻訳メモリを登録する場合、「文節」「位置」「品詞」を設定しないと検索されないことがあります。

例えば、文番号13、14、15で使用した以下の翻訳メモリは、(図5)のように指定しました。

I don't want you to get lost,
迷うといけないので、

(図5)

 

<英文ワードカウント>

翻訳する文書の分量を調べるには英文ワード数をカウントするのが一番です。
ワードカウントをするソフトはたくさんありますが、やはり別のソフトを起動せずにカウントできるようになったのは便利です。

「ツール」→「英文ワードカウント」をクリックします(図6)。


(図6)

「英文ワードカウント」は翻訳エディタ上のワードカウントを行うのではなく、カウント画面にファイルを追加して実行します(図7)。

(図7)


カウントできるファイル形式は、PC-Transerの形式以外に、HTML、Word、PDF、RTF、TMXなど主なものはほとんどあります。
特に、TMXのワードカウントはなかなか便利です。
ファイルの文字エンコードや英文が対訳のどちら側にあるか指定できます。
 


 
PC-Transerの最大の特徴は、ユーザー辞書や翻訳メモリをカスタマイズして翻訳品質をコントロールできる自由度が高いことです。
デフォルトでも十分使えるようになっていますが、アイディアと工夫次第で何倍もの威力を発揮してくれます。
みなさんも、ご自分のニーズに合わせて使いこなしていただきたいと思います。



 

第13回 便利なWebスクラップソフト「紙copi Lite」

投稿日時:2011/02/25(金) 14:30

  第13回 便利なWebスクラップソフト「紙copi Lite」

  

小室 誠一  翻訳システムテクノロジスト
(バイリンガルサービス事業 マネージャー、株式会社 バベル)

  

この連載では、翻訳ソフトや翻訳メモリソフトに限らず、翻訳業務の効率化に役立つソフトウェアを取り上げて、その活用法を紹介します。

 
第13回は、Webページを効率よくスクラップできる「紙copi Lite」を取り上げます。
 
「紙copi Lite」フリーウェア(ユーザ登録有)のダウンロードページ
http://www.kamilabo.jp/copilite/download.html
 
翻訳には調べ物がつきものです。今では、Web検索が調べ物の中心になっていますが、皆さんは検索結果をどのように管理されていますか?
Webブラウザから「名前を付けて保存」したり、必要な部分だけコピーしてWordやテキストとエディタに貼り付けて保存したりしているのでしょうか。
その方法だと、ファイルの管理が面倒です。ファイル形式が異なれば、表示するのも一律にはいかず、せっかく溜め込んだ資料を効率よく利用できません。
 
「紙copi Lite」は、Internet Explorerや Firefoxで表示したWebページに対して、以下のような3種類の取り込みができます。
 
(1)ページ全体を取り込む
(2)選択箇所を取り込む
(3)選択箇所の文字だけを取り込む
 
この中で、(1)はWebブラウザから「名前を付けて保存」したのと同じですが、(2)は必要な部分をレイアウトを保持したまま取り込めるので大変便利です。文字通り「切り抜き」ができます。(3)は文字だけなので、テキストエディタにコピー・アンド・ペーストするのと同じですが、日付やURLが自動的に付加されるので、資料としての価値が高まります。
 
<使い方>
 
操作は簡単です。ブラウザ上で右クリックしてメニューから選択するだけです。
 
ここでは、Firefoxでやってみましょう。なお、Firefoxで利用するには、「紙copi Lite」をインストールしたあとで、Firefox用アドオンもインストールする必要があります。
 
Firefox用アドオン(拡張機能)
http://www.kamilabo.jp/plugin/
 
(1)ページ全体を取り込む
 
そのまま右クリックします。
メニューが表示されたら「紙にページを取り込む」→「紙にページ全体を取り込む」をクリックします(図1)。
 
(図1)
 
「どの箱に取り込みますか?」というメッセージが表示されます(図2)。ここでは「標準」をクリックします。(ちなみに、デフォルトでは「標準」と「ゴミ箱」だけしかありませんが、いくつでも新規作成できます)。
 
(図2)
 
取り込んだら「紙copi Lite」の画面を見てみましょう(図3)。
左側の見出しをクリックすると右の画面に取り込んだWebページがそのままのレイアウトで表示されました。
 
(図3)
 
(2)選択箇所を取り込む
 
次に、必要な部分だけ範囲指定して取り込んでみましょう。
ブラウザで範囲指定して右クリックし、メニューの「紙にページを取り込む」→「紙に選択箇所を取り込む」をクリックします(図4)。
 
(図4)
 
 「どの箱に取り込みますか?」というメッセージが表示されたら、「標準」をクリックします。
 
取り込んだ画面を見てみましょう(図5)。
指定部分がレイアウトを保持したまま表示されています。
 
(図5)
 
(3)選択箇所の文字だけを取り込む
 
今度は、選択した文字だけ取り込みます。
ブラウザで範囲指定して右クリックします。メニューの「紙にページを取り込む」→「紙に選択箇所の文字だけ取り込む」をクリックします(図6)。
 
(図6)
 
先ほどと同様に、保存する箱を指定します。
 
取り込んだ画面を見てみましょう(図7)。
テキストエディタで表示するのとあまり変わりませんが、最後にタイトル、取り込んだ日付、URLが追加されています。URLはハイパーリンクになっているので、元のページをすぐに確認できます。
 
(図7)
 
■新しい箱の作り方
 
「標準」の箱にすべて取り込んでしまうと、整理ができなくなります。そこで、新たに「箱」を作って分類しましょう。
 
箱を作るには、メニューバーの「箱」→「新しい箱を作る」をクリックします(図8)。
 
(図8)
 
箱に名前を付けて「作る」をクリックします(図9)。
 
(図9)
 
箱のアイコンをクリックして画面を切り替えます(図10)。
 
箱によって背景色が変わるので、どの箱を見ているのかすぐに分かります。
 
(図10)
 
取り込みには、ショートカットを使う方法もあります。詳しい使い方はオンラインヘルプ(http://www.kamilabo.jp/copi/help/)をご覧ください。
さらに機能が強化された有料版もあります。

 

第12回 辞書機能の優れた翻訳ソフト「LogoVista PRO 2011」

投稿日時:2011/02/10(木) 14:30

第12回 辞書機能の優れた翻訳ソフト「LogoVista PRO 2011」
 
小室 誠一  翻訳システムテクノロジスト
(バイリンガルサービス事業 マネージャー、株式会社 バベル)
 
この連載では、翻訳ソフトや翻訳メモリソフトに限らず、翻訳業務の効率化に役立つソフトウェアを取り上げて、その活用法を紹介します。
 

 
第11回は、数ある翻訳ソフトの中でも特に辞書機能が優れている「LogoVista PRO 2011」を取り上げます。
 

「LogoVista PRO 2011」の詳細は以下のWEBページをご覧ください。
http://www.logovista.co.jp/LVERP/shop/ItemDetail.aspx?contents_code=LVXEFX11W

 
最近は翻訳業界でも機械翻訳(要するに「自動翻訳」です)が話題になっていますが、これは、従来の文法をベースにした機械翻訳ではなく、大量の文書ファイルを統計的な手法で解析して蓄積した対訳データを原文および訳文の言語モデルに適用して訳文を組み立てる統計的機械翻訳で、その代表例がGoogle翻訳です。すでに利用したことのある人も多いでしょう。
 
たしかに、統計翻訳は人手による訳文を利用して対訳データを作成しているために、語句レベルでは自然な訳文になることがありますが、文法などの言語学的知識を利用していないので、日本語と英語のように構文が大きく異なる言語間では、まったく意味不明の訳文が出力されることが珍しくありません。しかも、どうしてそのような訳文になったのか解析できない場合がほとんどで、ユーザがカスタマイズする余地がありません。
 
それに対して、文法をベースにした機械翻訳では、不自然な訳文が出力されても、どこで間違えたのか(品詞解析か、構文解析か、訳語選択か)見当がつきます。解析の誤った部分を人間が指定しなおしたり、辞書を追加したり、訳語の優先順位を変更したりする機能も備わっています。
 
このように、出力された訳文を叩き台にして翻訳作業を行う場合には、文法ベースの機械翻訳のほうが適していると言わざるを得ません。しかも、最近の翻訳ソフトには翻訳メモリ機能が搭載されており、同じ訳文修正を何度も繰り返す手間が軽減されています。
 
文法ベースの翻訳ソフトで、訳文の品質を高めるのに最も役立つのが辞書機能です。
必ず使用される基本辞書、文書のジャンルによって使い分ける専門辞書、訳語を指定するためのユーザ辞書の他に、参照用の電子辞書が組み込まれています。辞書を使いこなし、できるだけ訳文の品質を高めておいてから訳文をリライトするのが翻訳ソフト活用のポイントとなります。
「LogoVista PRO 2011」は特に辞書の設計が綿密で、カスタマイズすればするほど訳文の品質が高まります。
 
今回は、「LogoVista PRO 2011」の数多い機能の中でも、翻訳スタイルマネージャと辞書機能に焦点を絞って紹介してみたいと思います。
 
 
<翻訳スタイルマネージャ>
 
実は、翻訳ソフトを使う上で結構面倒なのが、辞書などの設定情報の管理です。
できるだけ品質の良い訳文を出力させるために、訳文スタイルを決めたり、辞書の優先順位を変えたり、ユーザ辞書を設定したりしますが、どれか一つでも設定が異なると、出力される訳文が違ったものになることがよくあります。
せっかく念入りに調整した設定が再現できないと後で困ることになります。しかし、このような設定情報を効率良く管理するツールを備えた翻訳ソフトはそれほど多くありません。
 
「LogoVista PRO 2011」の「翻訳スタイルマネージャ」はほとんどすべての設定情報をひとまとめにして管理できます。また、翻訳スタイルをいつでも簡単に切り替えることができるので、複数ジャンルの翻訳を扱っても手際よく処理できます。
さらにスタイル情報をユーザ辞書やユーザ翻訳メモリも含めて丸ごとエクスポートできるので、同じ翻訳案件の続きを別のPCで行ったり、グループで翻訳したりする場合には大いに役立ちます。
 
それでは、英日翻訳の場合の「翻訳スタイルマネージャ」の項目を見てみましょう。ここでは「法律」のスタイルを開いています。

(1)「辞書」-- 翻訳に使用する辞書と優先順位を指定する(図1)
 
(図1)
 
(2)「原文解析」--翻訳する文書が専門的か一般的かなどを指定して原文の解析方法を指定する(図2)
 
(図2)
 
(3)「訳文生成」--文体や固有名詞、冠詞などの訳し方を指定する(図3)
 
(図3)
 
(4)「助動詞」--助動詞の訳し方を指定する(図4)
 
(図4)
 
(5)「特殊設定」--特殊な副詞の文頭への移動、受身形を能動形で訳すなどの指定を行う(図5)
 
(図5)
 
(6)「学習」--別訳語選択による学習を行うか指定する(図6)
 
(図6)
 
(7)「翻訳メモリ検索」--翻訳時に翻訳メモリ検索を適用したり、類似度の設定をしたりする(図7)
 
(図7)
 
日英翻訳の場合は、「原文解析」と「訳文生成」の内容が異なるのは当然ですが、「助動詞」の代わりに使役の表現やサ変名詞などの翻訳方法を指定する「特殊表現」に、「特殊設定」の代わりにタイトル部分の扱いを指定する「タイトル文」になっています。
 
さて、「翻訳スタイルマネージャ」で最も特徴的なのが「辞書」です。
「辞書」で管理するファイルは以下の8種類です(図8)。
★「(経済論文)」とあるのは筆者が設定した辞書・翻訳メモリ・条件設定ファイルです。
 
(1)「ユーザ辞書」(2)「ユーザ翻訳メモリ」(3)「システム翻訳メモリ」(4)「専門辞書」
(5)「原文置換条件」(6)「訳文置換条件」(7)「文末判定条件」(8)「学習データ」
 
(図8)
 
この中で特に目を引くのが(5)~(7)です。辞書のカテゴリで管理しているので大変わかりやすくて便利です。
 
「原文置換条件」では、検索文字列に対して、「置換」「削除」「翻訳禁止」「置換して翻訳禁止」などの操作がチェックを入れるだけで設定できます。
「文末判定条件」では、デフォルトの文末判定が適切でない場合に、条件を入力して「文末にする」「文末にしない」を指定できます(図9)。
 
(図9)
 
これらの機能をうまく利用すれば、定型的な前編集や後編集を自動化できます。さらに、「文末判定条件」を積極的に使うことで、文を細かく分割して、スラッシュリーディングのツールとして活用することもできるでしょう。いつか機会があれば具体例をお見せしたいと思います。
 
 
<ユーザ辞書>
 
LogoVistaの辞書には、翻訳時に必ず使用される「基本辞書」、専門分野の翻訳で利用する「専門辞書」、ユーザが独自に登録できる「ユーザ辞書」があります。
「ユーザ辞書」に登録する際に「用語辞書作成ツール」を利用すれば、その用語が最優先で出力されます。この場合、登録する用語の品詞は「名詞」となります。「用語辞書作成ツール」には、原文から頻出語句を抽出したり、活用形を推定したりする機能などが備わっています。
 
LogoVistaの辞書は訳語のウエイト(重み付け--優先順位)を変更できるのが最大の特長です。
学習データを設定しておけば、変更したウエイトを保持できます。
ウエイトはユーザ辞書だけでなく、基本辞書でも専門辞書でも変更できます。基本辞書や専門辞書の訳語を編集することはできませんが、ウエイトを変更することで、使用したくない訳語を無効にしたりすることもできます。ウエイトは「翻訳辞書ブラウザ」で変更できます(図10)。
 
(図10) 【拡大】
 
対訳翻訳エディタで翻訳中に辞書のウエイトを変更したくなった場合は、「単語情報」画面の別訳語でも変更できます(図11)。
翻訳をしながら、訳語の優先順位をていねいに調整して行けば、だんだん思い通りの訳文を出力できるようになり、リライトも楽になります。
 
(図11) 【拡大】
 


最後に、LogoVistaの特長をまとめると、数多い機能の設定が簡単にできるようにインターフェースが工夫されているということです。いくら便利な機能が満載でも、設定が面倒では使ってもらえません。当然デフォルトの設定では思うような訳文は得られませんので、その翻訳ソフトの評価が下がります。搭載した機能を十分に活用できるように配慮されたLogoVistaは、その点から見て十分に及第点をつけられると言えるでしょう。

 

第11回 辞書ソフトの定番「Personal Dictionary」

投稿日時:2011/01/25(火) 14:00

 第11回 辞書ソフトの定番「Personal Dictionary」
 
小室 誠一  翻訳システムテクノロジスト
(バイリンガルサービス事業 マネージャー、株式会社 バベル)
 
この連載では、翻訳ソフトや翻訳メモリソフトに限らず、翻訳業務の効率化に役立つソフトウェアを取り上げて、その活用法を紹介します。

 


 
第11回は、辞書ソフトの定番ともいえる「Personal Dictionary」(シェアウェア、試用制限無し)を取り上げます。
 
翻訳作業効率化のポイントは、なんといっても用語管理でしょう。Excelなどを使わなくても、一括登録や追加削除などの編集機能がついた、PDIC(Personal Dictionary)があれば十分です。長年、翻訳者の間で愛用されてきたPDICのUnicode版もすっかり安定しています。
 
「Personal Dictionary」は以下のWEBページからダウンロードできます。
http://homepage3.nifty.com/TaN/
 
最新版は「PDIC/Unicode Ver.5.4.23」です。(2011年1月20日現在)
http://homepage3.nifty.com/TaN/unicode/
 
Unicode版になってから、辞書の設定方法が分かりにくいという声をよく聞くので、今回は、辞書設定を詳しく見てまいりましょう。実例として、PDIC用のフリー辞書「理工系英和辞書」をダウンロードして設定します。
 
理工系英和辞書「ele」は以下のページからダウンロードできます。
http://www.vector.co.jp/soft/win95/edu/se166644.html
 
 
<辞書設定方法>

 
ダウンロードした「理工系英和辞書」ELE300.ZIPを解凍すると、「ele.txt」というテキストファイルが現れます。テキストエディタで開いてみると以下のように上下対訳形式になっています(図1)。
これが「PDICテキスト」という辞書ソース形式です。これを一括インポートするわけです。つまり、手持ちの用語集もテキストエディタなどを使ってこの形式にすれば、簡単に一括登録できてしまうのです。
 
(図1)
  
 
(1)新規辞書の作成

 
最初に空の辞書を新規作成します。
「File」メニューから「辞書設定」をクリックしてください(図2)。
 
(図2)
 
「辞書設定」ダイアログが開いたら「辞書ファイルの追加・作成」にチェックを入れて、「次へ」をクリックします(図3)。
 
(図3)
 
続いて「1 新しい空の辞書の作成」にチェックを入れて「次へ」をクリックします(図4)。
 
(図4)
 
作成する辞書の種類を指定します。「1 通常の辞書」にチェックを入れて「次へ」をクリックします(図5)。
 
(図5)
 
辞書ファイル名を分かりやすいものに変更します。ここでは「理工系英和辞書.dic」としておきます。作成場所はデフォルトのままで結構です。入力したら「次へ」をクリック(図6)。
 
(図6)
 
さらに、辞書グループ名を入力します。ここでは辞書名と同じ「理工系英和辞書」としました。入力が済んだら「次へ」をクリックします(図7)。
 
(図7)
 
「次へ」をクリック(図8)。
 
(図8
 
これでやっと完了です。「完了」ボタンをクリックして「辞書設定」ダイアログを閉じます(図9)。
 
 (図9)
 
 
(2)辞書のインポート

 
「File」メニューから「辞書設定<詳細>」をクリックします(図10)。
 
(図10)
 
「辞書設定」ダイアログが開きます。先ほど作成した「理工系英和辞書」が辞書グループの一覧に表示されており、その中で使用されている辞書が、右側の使用辞書一覧に表示されています。まだ空っぽなので、登録単語数が「0」になっています
「理工系英和辞書.dic」を選択して右クリックするとプルダウンが表示されるので、「辞書のマージ」をクリックします(図11)。
 
(図11)
 
「辞書のマージ設定」ダイアログが開いたら、「変換元ファイル形式」を「PDICテキスト形式」にして、「参照」ボタンをクリックし、辞書ソースファイル「ele.txt」を指定します。設定が済んだら「OK」をクリックします(図12)。
 
(図12)
 
変換が完了すると「変換結果」ウインドウが表示され、登録数などが表示されます。4673語が登録されたのが分かります。確認したら「OK」をクリックして閉じます(図13)。
 
(図13)
 
 
(3)辞書検索

 
「WORD」の欄に見出しを入力すると検索結果が表示されます。デフォルトではインクリメンタルサーチになっているので、1文字入力するごとにすぐに検索されます(図14)。ここでは「a」と入力しただけで、aで始まる語句が表示されています。
 
(図14)
 
任意の見出しをダブルクリックすると「辞書編集:修正」ウインドウが開いて、見出し語や訳語を修正したり、用例を追加したりできます(図15)。
  
 (図15)


 
今回はPDICの辞書設定方法を詳しく説明しました。一見面倒に思われるかもしれませんが、慣れれば簡単に追加できます。表示方法や検索設定など、詳細な設定をするには「Tools」メニューの「設定」をクリックします。「自動検索」の「ポップアップ」機能や、「履歴単語検索」機能、さらには「全文検索」機能など充実した機能が盛りだくさんです。ぜひ活用してください。

第10回 便利なワードカウントソフト「Count Anything」

投稿日時:2011/01/10(月) 14:19

 第10回 便利なワードカウントソフト「Count Anything」
 
小室 誠一  翻訳システムテクノロジスト
(バイリンガルサービス事業 マネージャー、株式会社 バベル)
 
この連載では、翻訳ソフトや翻訳メモリソフトに限らず、翻訳業務の効率化に役立つソフトウェアを取り上げて、その活用法を紹介します。
 



第10回は、便利なワードカウントソフト「Count Anything」(フリーウエア)を取り上げます。
 
翻訳作業にワードカウントは欠かせません。特に、ファイル形式の異なる複数のファイルを一度に扱う場合に、それぞれのソフトウェアを起動して一つずつカウントしていたのでは日が暮れてしまいます。
 
「Count Anything」は以下のファイル形式に対応しています。これだけあれば通常の翻訳では十分でしょう。
 
Microsoft Office: Word (.doc, .rtf)、Excel (.xls, .csv)、PowerPoint (.ppt)
Open Office: Writer (.odt)、Impress (.odp)、Calc (.ods)
HTML、XML、Text、PDF
 
■「Count Anything」のホームページ(ここからダウンロードできます)
http://ginstrom.com/CountAnything/

 
<使い方>
 
「Count Anything」のホームページからダウンロードしてインストールしてください。現在バージョンは2.0です。
 
(1)起動する
 
「Count Anything」を起動します(図1)。
「ツール」メニューの「言語」から、メニュー表示を「英語」と「日本語」に切り替えできます。
 
(図1)
 
 
(2)カウントしたいファイルを追加する
 
文字カウントするにはカウントするファイルを追加する必要があります。
ファイル一覧のボックスにファイルをドラッグ・アンド・ドロップするか、ボックスの下にある「ファイルの追加」「フォルダの追加」「URLの追加」をクリックして、それぞれファイル、フォルダ、URLを指定して追加します。(図2)はURLの追加をしているところです。
ファイルの追加が済んだら、右下の「文字カウントの実行」ボタンをクリックします。
 
(図2)
 
 
(3)カウント結果の表示
 
「文字数」タブが開いて文字カウントの結果が表示されます(図3)。
 
(図3)
 
それぞれのファイルごとに「ファイル名」「単語数」「文字数(スペースを含めない)」「全角文字」「半角英数の単語数」が表示され、一番下には合計も表示されます。
 
ここで、「単語数」と「半角英数の単語数」とがあって違いが分かりにくいと思いますが、単語数は全角文字数と半角英数の単語数の合計で、半角英数の単語数には半角カタカナも含まれるようです。MS Wordの文字カウントと少し違いがあります。
 
 
(4)詳細表示
 
これだけなら、わざわざ皆さんに紹介するようなソフトではありませんが、詳細表示(Drilling Down on Results)ができるのが特長です。
 
ここでファイル名「count_sample.csv」をクリックしてみましょう。
 
「Report for count_sample.csv」画面が開きます(図4)。先ほどの一覧表にあった項目が表形式になって、「文字数」と「全角文字数」の項目がリンク文字になっています。
 
(図4)
 
それでは「文字数」をクリックしてみましょう。
 
「count_sample.csv :: 文字数」画面が開きます(図5)。
「英字」「数字」「記号」「空白文字」「全角文字」といった文字種ごとにカウント結果が表示されます。
 
(図5)
 
さらに「全角文字数」をクリックします。
 
「count_sample.csv :: 全角文字」画面が開きます(図6)。
ここでは「漢字」「ひらがな」「カタカナ」「半角カタカナ」などの文字種ごとにカウント結果が表示されます。「ハングル」もあります。
 
(図6)
 
さて、表示方法を一通り確認したので、画面左上の「Full Report >> count_sample.csv >> 全角文字」のナビゲーション・リンクの「Full Report」をクリックしてカウント結果一覧画面に戻りましょう。
 
 
(5)カウント結果の保存
 
文字カウントの結果を保存するには「ファイル」メニュー→「上書き保存」をクリックします(図7)。
 
(図7)
 
保存形式はHTMLです。詳細表示画面で保存すれば、表示されたとおりに保存できます。
 
保存したファイルをWEBブラウザで表示してみましょう(図8)。
 
(図8)
 


 
フリーソフトでも役に立つソフトがたくさんあります。今年もどんどん紹介して参ります。皆さんもぜひ自分で操作してみて、これは便利だと思ったら積極的に活用して、生産性を大いに向上させましょう。
 
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プロフィール

小室誠一
1990年から機械翻訳のユーザーとして活用法の研究を行う。
バベル翻訳大学院で、翻訳者のためのテキスト処理など、ITスキルに関する講座を担当。
また、フリーの翻訳者として毎日CATツールを使うのが嬉しくてたまらない。
ブルーグラス、バードウオッチング、俳句をこよなく愛しているが、最近は孫と遊ぶのに夢中。

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