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<新>翻訳に役立つソフトウェア活用法

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第15回 総合的翻訳支援ソフト「PC-Transer 翻訳スタジオ V21」

投稿日時:2013/12/25(水) 14:30


 
第15回 総合的翻訳支援ソフト「PC-Transer 翻訳スタジオ V21」
 
小室 誠一  翻訳システムテクノロジスト
(バベル翻訳大学院eトランステクノロジー研究所)
 
   
 
先月11月29日に、総合的翻訳支援ソフトの「PC-Transer 翻訳スタジオ」の最新版V21が発売されました。毎年バージョンアップを重ねて、今年ですでにバージョン21となり、ますます機能が充実してきています。
 
このWEB The Professional Translatorでも、これまでに何度か試用レポートを掲載していますが、今回は新機能だけでなく、機能全体の概要を紹介することで、最新の翻訳支援ツールがどのようなものかご理解いただけるものと思います。
 
■業務用翻訳支援ツールの条件
 
業務用翻訳支援ツールを考える際に、高速で高品質な訳文出力機能の他に以下の条件が挙げられます。
 
(1)使いやすい対訳エディタ
(2)高度な翻訳メモリ機能
(3)高機能な辞書ツール
(4)外部辞書・インターネットとの連携
(5)翻訳メモリ・ユーザ辞書の共有機能
(6)主なファイル形式への対応
 
PC-Transer 翻訳スタジオ V21は、これらの条件をほとんど満たしています。
これまで翻訳支援ツールは、機械翻訳エンジンを搭載した「翻訳ソフト」と対訳データベースを基本機能とした「翻訳メモリソフト」の2つに分かれていましたが、翻訳ソフトのPC-Transerが10年以上前に先陣をきって翻訳メモリ機能を搭載し、ハイブリッド型の翻訳支援ソフトとなりました。
一方、機械翻訳を頑なに拒んできた翻訳メモリソフト陣営も、この数年で機械翻訳を組み込むようになり、現在では機械翻訳と翻訳メモリが統合した翻訳支援ソフトが標準となっています。
 
それでは順番にPC-Transer 翻訳スタジオ V21の機能を見て参りましょう。
 
●使いやすい対訳エディタ
 
翻訳処理を行う翻訳エディタには複数のペインが表示されます(図1)。対訳エリア(対訳エディタ)は英日・日英の画面を複数開いてタブで切り替えることができます。その右側には訳語ペイン、ブックマークペイン、辞書ペインがあり、下部には翻訳ペインがあります。これらのペインは配置を変更できます。
 
(図1)  
 
対訳エディタの操作性は抜群です。対訳エディタでは、どの語句がどのように訳出されたのかがすぐに分かる必要があります。マウスカーソルを任意の語句に合わせると原文の語句と対応する訳語のフォントが赤くなります。ダブルクリックすると反転表示され、ステータスバーに品詞が表示されるので、品詞解析、さらには構文解析が正しく行われているか推測できます。この状態でさらにクリックするとプルダウンの訳語リストが表示され、任意の訳語をクリックするだけで変更できます。学習機能をオンにしておけば、この操作だけで学習辞書に登録され、次回から最優先で出力されます。品詞の解析が誤っている場合は、訳語ペインに表示される品詞一覧から変更できます。品詞の変更は構文解析をやり直すことにもなりますので、変更と同時に再翻訳され新しい訳文が出力されます。品詞変更も学習することができます。
後で見直したい、もう少し調査が必要だという場合にはブックマークが便利です。ブックマークに登録すると「ブックマークペイン」のリストをクリックするだけで任意の文にジャンプします。最大32種類のブックマークを付けることができます。
訳文の出力をコントロールする機能に「フレーズ指定」があります。機械翻訳では、係り受けがあいまいな場合に、誤解析することがあるので手動で係り受けを指定するための機能です。正規表現対応の検索機能により、同じようなフレーズを一度に指定できる「一括フレーズ」機能が便利です(図2)。
 
(図2) 
 
 
●「対訳アライメント機能」(新機能)
 
原文と訳文をセンテンス単位で対訳ファイルにする際に利用するのがアラインメントツールで、翻訳メモリを作成する場合には不可欠です。PC-Transer 翻訳スタジオではこれまで専用のアラインメントツールは付属せず、対訳エディタでセンテンスの突合せを行っていましたが、今回のバージョンアップで、「対訳アライメント機能」が追加されました。 
「自動アライン読み込み」で対訳エディタに読み込み、原文と訳文が食い違ったときに、修正する機能が複数用意されており、対訳作成作業の労力が大幅に軽減されます(図3)。
 
(図3) 
 
編集が済んだ対訳を翻訳メモリに登録するには「翻訳メモリ一括登録」機能を使いますが、翻訳ロックやブックマークで指定した文だけ登録することができます。
 
●高度な翻訳メモリ機能
 
翻訳エディタで訳文を生成する再に、翻訳メモリを、完全一致文、文型一致文、類似文で検索し、マッチするとその訳文を出力します(図4)。さらに、自動文型一致文、部分完全一致文、部分文型一致文など、ユーザーが登録した翻訳メモリから自動的に文型一致翻訳メモリを作成したり、翻訳メモリの一部を利用したりできるため、従来の翻訳メモリに比べてマッチ率が高くなります。
 
(図4) 
 
翻訳メモリを対訳例文として参照するには「翻訳メモリペイン」を利用します。類似文検索や、キーワード検索を行って参考になる対訳をすばやく表示し、作成に役立てることができます。また、「翻訳メモリペイン」では、クリックするだけで対訳文の変動部分にタグ付けすることができます。変動する部分に機械翻訳エンジンが翻訳した訳文を埋め込んで出力する機能が文型一致文検索は、翻訳生産性を向上させ中心的な機能と言えます。
翻訳メモリは、最大10個まで同時に使用できます。
 
●高機能な辞書ツール
 
PC-Transer 翻訳スタジオの辞書機能は多彩で高機能です。基本語辞書の他に、学習辞書、専門語辞書、ユーザー辞書があります。専門語辞書とユーザー辞書は合わせて最大10個まで同時に使用できます。学習辞書は訳語変更すると自動的に登録され、全ての辞書に優先します。専門語辞書は編集できませんが、優先順位を変更して複数の辞書を使用できます(図5)。また、「専門語辞書自動選択」機能を使えば、原文を解析して、最適な専門語辞書を自動設定できます。ユーザー辞書はユーザーが登録・編集できる辞書で、CSVファイルなどから一括登録できます。また、翻訳中に辞書登録画面から一つずつ登録することもできます。この場合、見出し語と訳語を入力して品詞を選択するだけの簡易登録と、意味情報やパターン情報を設定できる詳細登録とがあります。
それぞれの辞書にはフォントの色を指定できるので、翻訳結果を見ればどの辞書がヒットしたのか一目で分かります。
 
(図5) 
 
辞書機能の中で特筆すべきなのは「用語」機能です。ユーザー辞書には「読込辞書」と「書込辞書」の指定ができますが、それに加えて「用語集」指定ができます。この指定をしておくと、「用語抽出」と「用語表示」をすることができます。「用語抽出」を行うと、翻訳した文書でマッチしたユーザー辞書の見出し、訳語、品詞、辞書名、本文中の訳語、一致数、頻度がリストに書き出されます。訳文の訳語が用語集と一致しているか確認したり、ヒットした用語だけを抜き出してその文書専用の用語集を作成したりと応用範囲の広い機能です。
この他、翻訳している文書だけに有効な「定義語」機能があります。
また、辞書を作成するための支援機能として、固有名詞を抽出するのに役立つ「未知語リスト出力」や連語を抽出するのに便利な「頻度リスト出力」があります。
 
●外部辞書・インターネットとの連携
 
外部辞書としてロボワードが組み込まれているので、ほとんどの市販の電子辞書を設定して検索できます。翻訳エディタで原文あるいは訳文の語句をダブルクリックすると連携して辞書引されます。
また、「WEB検索」機能では、翻訳ペインの原文の語句を選択し、Web検索ボタンをクリックすると、「WEB検索ペイン」に結果が表示されます。Google検索も別途Webブラウザを起動する必要はありません(図6)。
 
(図6) 
 
翻訳ペインの中にWEBブラウザが組み込まれた形で、そのまま通常のWEBページを表示できます。デフォルトで役に立つページが登録されていますが、追加もできるので、使い慣れたオンライン辞書のページなど登録しておくと良いでしょう。
さらに、「WEB検索ペイン」の「翻訳」ボタンをクリックすると表示されたWEBページが対訳エディタに貼り付けられて翻訳されます。範囲選択して部分訳を行うこともできます。
 
●ネット共有機能
 
グループで翻訳する場合に、ユーザー翻訳メモリとユーザー辞書のデータをLAN環境で共有して利用できます。大きな翻訳案件を複数の翻訳者で手分けして翻訳する場合などに、訳文のスタイル統一や用語の統一がしやすくなります。追加・編集の制限や管理者権限の設定などもできます。
 
●主なファイル形式への対応
 
テキストファイル以外に、HTMLファイル、Officeファイル(Word、Excel、PowerPoint)、PDFファイル、RTFファイル、TMXファイル、そして新バージョンではXMLファイルに対応しました(図7)。
 
(図7) 
 
HTMLファイルでは、タグを保持したまま翻訳して訳文を保存できるので、Web翻訳のツールとして利用できます。Office2007以降のファイルはレイアウトを保持して訳文を出力できます。TMXファイルは業界標準の翻訳メモリ互換形式なので、利用価値は非常に高いでしょう。
今回のXMLファイル対応により、「アウトラインペイン」が追加されました。これにより、XMLファイルの構造をツリー形式で表示できます。
 
この他にも「訳振り」「逆翻訳」「翻訳ロック」「構文解析」「スクリプト」「Officeアドイン翻訳」「PDFダイレクトファイル翻訳」「IE アドイン・ホームページ翻訳」「「メール翻訳パッド」「キャプチャ翻訳」など、数え上げたらきりがないのでこのくらいにしておきましょう。
 
最後に、業務管理機能については「英文ワードカウント」が付いているだけなので、まだ開発の余地がありそうです。特に、翻訳メモリソフトには標準で付いている、翻訳メモリとの「一致率」を解析する機能は必須でしょう。また、作業の進捗率を表示する機能もあれば便利です。
とは言え、現在の機能でも多すぎて使いこなせないくらいです。じっくり使い込むと手放せないツールとなるでしょう。
 
 
<関連URL>
 
「PC-Transer 翻訳スタジオV21」製品紹介ページ(株式会社クロスランゲージ)
 

第14回 テキスト解析ソフト「Analyze Assist」

投稿日時:2013/12/10(火) 14:30


 
第14回 テキスト解析ソフト「Analyze Assist」
 
小室 誠一  翻訳システムテクノロジスト
(バベル翻訳大学院eトランステクノロジー研究所)
 
   
 
最近ではローカライズ翻訳以外にも翻訳メモリソフトを使用することが多くなっています。
翻訳メモリソフトを使用すれば対訳ファイルが翻訳メモリとして蓄積されます。ビジネスがグローバル化した時代に、文書をバイリンガルで管理するには最適のツールです。
新たに翻訳する際に、蓄積された翻訳メモリをどの程度活用できるかを事前に知ることができれば、生産スケジュールを立てやすくなります。
今では翻訳ソフトも翻訳メモリ機能を搭載して効率化を図っていますが、単純なワードカウント以外に、翻訳メモリとの「一致率」を解析するツールが付いていないのが現状です。今回はそれを補うテキスト解析のAnalyze Assist紹介します。
 
■Analyze Assistのインストール
 
Analyze Assistは、第1回で紹介したAlign Assistと同じ、Felixという翻訳支援ソフト用のツールですが、これだけ単体で利用できます。しかも無料です。
以下のGinstrom IT Solutions のサイトからダウンロードできます。
http://ginstrom.com/AnalyzeAssist/
 
セットアップファイルを実行すると、言語の選択画面が表示されます。日本語または英語を選択できます(図1)。
 
(図1) 
 
デスクトップとスタートメニューにアイコンを作っておくと起動するのが簡単です(図2)。
 
(図2) 
 
あとは、メッセージに従ってインストールしてください。
 
さっそく起動してみましょう(図3)。画面右下の「UI言語を日本語」をクリックすると、メニューなどが日本語で表示されます。
 
(図3) 
 
■Analyze Assistの使い方
 
最初に原文ファイルと翻訳メモリファイルを指定します。
 
「Start」画面の「ファイルの解析」ところにある「ここをクリックしてください」という文字をクリックするか、「ファイル」メニューの「解析」をクリックすると「ファイルの解析」ダイアログが開きます(図4)。最初のステップ は「ファイルの指定」です。
 
(図4) 
 
「参照」をクリックして原文ファイルを指定します。
選択できるファイルは、テキストファイルの他に、MSワード、エクセル、パワーポイント、XML、HTML、PDFとなっています(図5)。
 
(図5) 
 
選択したら「Next」をクリックすると、ステップ2/3「メモリの指定」画面になるので、同じく「参照」をクリックして翻訳メモリを指定します。翻訳メモリの形式はTMXです。
指定が完了したら「Next」をクリックします(図6)。
 
(図6) 
 
ステップ3/3「設定の決定」画面が表示されます(図7)。
「ファジー・セグメントを抽出」にチェックを入れると、100%マッチ以外の文を抽出してテキストファイルに保存することができます。
 
(図7) 
 
「Finish」をクリックすると解析が実行されて結果が表示されます(図8)。
Repetitionsというのは、同じ文の繰り返しということです。
 
(図8) 
 
マッチの範囲は、「ツール」→「オプション」の「解析」ダイアログで変更できます(図9)。
 
(図9) 
 
Analyze Assistは、翻訳メモリとの「一致率」を解析する機能しかありませんが、翻訳メモリ機能が搭載された翻訳ソフトのユーザには十分に役に立つツールです。
 

第13回 テキストファイル比較ソフト「WinMerge」

投稿日時:2013/11/25(月) 14:30


 
第13回 テキストファイル比較ソフト「WinMerge」
 
小室 誠一  翻訳システムテクノロジスト
(バベル翻訳大学院eトランステクノロジー研究所)
 
   
 
翻訳に修正は付き物です。特に、複数のメンバーが関わる翻訳プロジェクトでは、修正の入ったファイルの管理が難しくなります。
文書を比較するソフトは数多くあります。たとえば、Wordの文書比較機能も役に立ちます。ただ、大量のファイルを一度に比較するソフトとなると、それほど多くはありません。
今回は、テキストファイルの比較に便利なフリーウエアのWinMergeを紹介します。
 
■WinMergeのインストール
 
WinMergeはプログラマー用に開発されたソフトですが、プログラミングに限らず、翻訳などの文書作成作業にも十分に役立ちます。
 
このソフトを使えば、ファイルの相違点を色分けして表示できます。また、マージ機能により、比較したファイルを結合することもできます。
 
WinMerge 日本語版は以下のページからダウンロードできます。
http://www.forest.impress.co.jp/library/software/winmerge/
 
セットアップファイルを実行すると、コンポーネントの選択画面が表示され、メニューとダイアログの言語を選択できます(図1)。
 
(図1) 
 
あとは、メッセージに従ってインストールしてください。
 
■WinMergeの使い方
 
WinMergeを起動したら、比較するファイルを開きます。
フォルダの形をした「開く」アイコンをクリックしてください(図2)。
あるいは「ファイル」メニュー→「開く」をクリックしていただくか、ショートカットの「Ctrl」+「O」を押しても結構です。
 
(図2) 
 
 
「ファイルまたはフォルダの選択」画面が開いたら「参照」ボタンをクリックして比較したいテキストファイルを指定します。
1: は左側(元のファイル)、2: は右側(修正したファイル)を指定します(図3)。
 
(図3) 
 
ファイルを指定が済んだら「OK」をクリックすると、比較結果が表示されます(図4)。
 
(図4) 
 
これだと見にくいので、「表示」→「行を右端で折り返す」をクリックします(図5)。
 
(図5) 
 
行が折り返されて見やすくなったら、最初の行にカーソルを置いて「現在の差異」アイコンをクリックします(図6)。
背景の色が変わり、左右の文字列が下のエディタにも上下に表示されます。
 
(図6) 
 
差異のある行はこのように背景が色分けされて表示され、行の中で異なっている語句は、背景色が薄くなっています。下部の画面に表示された行では、差異のある語句にだけ背景色が付いています。
 
「現在の行内差異」アイコンをクリックすると、差異のある語句が選択状態になるので、コピーや削除などが簡単にできます(図7)。
 
(図7) 
 
「左へコピー」(あるいは「右へコピー」)アイコンをクリックすると、左右それぞれの行をコピーすることができます(図8)。
 
(図8) 
 
 
■HTMLファイルを比較する
 
WinMergeが比較できるのはテキスト形式のファイルだけですが、タグ付きテキストなら問題なく利用できます。
翻訳に使われるタグ付きの代表と言えばHTMLファイルです。
 
WinMergeで比較すると、タグの差異も分かりやすく表示されます(図9)。
Webページの制作にも役に立ちそうです。
 
(図9) 
 
 
■フォルダ内のファイルを比較する
 
フォルダを指定することで、その中にあるファイルをまとめて比較することができます。 
比較を実行すると、差異のあるファイルが色分けされます(図10)。
 
(図10) 
 
差異のあるファイルをダブルクリックするとファイルが開いて、どこが違っているのか確認できます(図11)。
 
(図11) 
 
画面はすべて新規に開きます。タブをクリックすれば前に開いた画面を表示できます。
 

第12回 クリップボード監視ソフトなら「クリップアウト2000」

投稿日時:2013/11/10(日) 14:30


 
第12回 クリップボード監視ソフトなら「クリップアウト2000」
 
小室 誠一  翻訳システムテクノロジスト
(バベル翻訳大学院eトランステクノロジー研究所)
 
   
 
今回も、筆者が愛用しているフリーのユーティリティソフトを紹介します。
翻訳や文書作成にコピー&ペーストは付き物です。この機能では、「コピー」を行うと前のデータと置き換わってしまいます。できるだけコピーの操作を減らして、ペーストを効率的に行う場合に役立つのがクリップボード管理ソフトです。
 
■クリップボードを有効活用できる「クリップアウト2000」
 
クリップボード監視ソフトの主な機能は、コピーしたデータを保持することと、そのデータを再利用してペーストすることです。
 
今回紹介するクリップアウト2000はWindows XP対応のソフトですが、Windows 7でも問題なく動作します。
 
クリップアウト2000は以下のページからダウンロードできます。
http://homepage1.nifty.com/chappy/lib/libcp20.htm
 
ダウンロードしたファイルをダブルクリックしてインストール先を指定して「OK」をクリックするとファイルが解凍されます。
解凍されたフォルダを開いてdClipOut.exe をダブルクリックするとクリップアウト2000が起動します(図1)。
 
(図1)
 
このソフトは常駐型なので、画面を閉じても終了せず、クリップボードを監視し続けます。
 
画面を開くには、タスクバーのアイコンをダブルクリックします(図2)。
 
(図2)
 
文章を作成していて、コピーすると「クリップテキスト」に貼り付きます。
次々にコピーしても前のデータは残ります。
データは最大500個まで保持されます。
 
上記の3つの文を1文ずつ範囲選択して、「Ctrl+C」でコピーしてみました(図3)。
 
(図3)
 
このように、最後にコピーしたデータが一番上になっています。
データを選択してダブルクリックするとペーストすることができます(図4)。
このコピー履歴は、テキスト形式で保存できます。
 
(図4)
 

画像にも対応しています。「クリップグラフィック」タブをクリックするとコピーした画像の一覧が表示されます(図5)。
この画像もテキストと同じようにWordなどにペーストできます。
画像はビットマップ(BMP)形式で保存できます。
 
(図5)
 
カスタムテキスト機能を使えば、あらかじめ登録しておいた文字をペーストできます(図6)。
 
(図6)
 
カスタムテキストはユーザが自由に編集できます(図7)。
 
(図7)
 
オプション設定で動作方法をこまかく設定できます。
たとえば、履歴の追加方法を変更すれば古い順にすることもできます(図8)。
 
(図8)
 
 
■クリップアウト2000の活用方法
 
対訳ファイルから手作業で用語を抽出するときに、抽出したい文字列を範囲選択して「Ctrl+C」を押すだけで「クリップテキスト」に格納されるので便利です。
この時、「履歴の追加方法」を「最後に追加する」に変更しておけば、見出し→訳語の順番になります。

 

抽出が終わったら「クリップテキスト」の文字をすべて選択して「名前を付けてファイルに保存」します(図10)。
 
(図10)
 
保存したテキストファイルを秀丸エディタで開いて、英語と日本語の間にタブを入れた形式に置換します(図11)。
 
検索:([a-zA-Z].*)\n
置換:\1\t
正規表現にチェックを入れる
 
(図11)
 

タブ区切りの形式になったら、すべて選択してコピーします(図12)。
 
(図12)
 

Excelにペーストして罫線などを入れれば簡易用語集の出来上がりです(図13)。
 
(図13)
 

みなさんもいろいろな活用法を工夫してみましょう。

第11回 便利なユーティリティソフト「PathText」と「WinShot」

投稿日時:2013/10/25(金) 14:30


 
第11回 便利なユーティリティソフト「PathText」と「WinShot」
 
小室 誠一  翻訳システムテクノロジスト
(バベル翻訳大学院eトランステクノロジー研究所)
 
   
 
今回は、筆者が愛用しているフリーのユーティリティソフトを2つほど紹介します。
 
■ファイル構成テキスト化ツール「PathText」
 
大量のファイルを翻訳する場合に、ファイル一覧を作成しなければならないことがあります。そんな時は、このPathText が便利です。
 
PathTextは以下のページからダウンロードできます。
 
ダウンロードしたファイルを解凍したらフォルダを適当な場所に置いて、その中のPathText.exeをダブルクリックして起動します(図1)。
 
(図1) 
 
この画面に、テキスト化したいファイルをドラッグ&ドロップします。
あとは「テキスト化保存」をクリックするだけの簡単操作です。
 
試しに、デフォルトのままテキスト化してみます。
まず調べたいファイルの入ったフォルダを丸ごとドラッグ&ドロップします。
次に「テキスト化保存」をクリックすると「名前を付けて保存」画面が表示されるので「保存する場所」を指定して「保存」をクリックします。
 
テキストエディタで保存されたテキストファイルを開きます(図2)。
 
(図2) 
 
このように、ファイル名の前に、作成日時、更新日時、アクセス日、やファイルの属性などの詳細情報が追加されたリストが出力されます。
さすがに、これほど詳細なリストは不要なので、「書式の設定」を変更してもう少しシンプルにしてみましょう。
 
「詳細追加」のチェックを外して「テキスト化保存」してみます。
今度はすっきりしました(図3)。
 
(3図) 
 
これをExcelで開けばファイル一覧表の完成です(図4)。
 
(図4) 
 
 
■スクリーンキャプチャソフト「WinShot」
 
翻訳に限らずPCで作業をしていると、画面をキャプチャして画像として保存したいときが必ずあるはずです。
筆者は、教材を作成したり連載記事を書いたりするときに、画面をキャプチャすることが多いのですが、WinShotにはずいぶんお世話になっています。
たしかに、スクリーンキャプチャソフトは色々ありますが、このソフトがいちばん簡単に使えて便利だと思っています。
 
WinShotは以下のページからダウンロードできます。
 
このソフトもダウンロードしたファイルを解凍して、適当な場所に置けば準備完了です。 
フォルダを開いて、WinShot.exeをダブルクリックすれば起動します。
ただし、起動してもウインドウは開きません。
タスクバーにアイコンが表示されるだけです(図5)。
 
(図5) 
 
このアイコンをダブルクリックすると設定画面が開きます(図6)。
 
このソフトはショートカット・キーで操作するので、必ず「ホット・キー」を確認しておきましょう。
 
お勧めは「プレビュー表示」です。
キャプチャした画像をいったんプレビュー画面に表示して不要な部分をカットしたり、保存やコピーなどを行ったりできます。
 
(図6) 
 
例えば、今書いている原稿のWord画面をアクティブにして、Shift+Ctrl+F3を押せばアクティブウインドウをプレビュー画面に表示してみましょう。
「加工」メニューの中の「切り取り」機能を使って必要な部分を切り取ることもできます(図7)。
 
(図7)
 
画像の保存形式は、ビットマップ、JPEG、PNG、GIFで、「ファイル」メニューから選択できます(図8)。
 
(図8) 
 
とにかく、このツールは便利で手放せません。
 
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プロフィール

小室誠一
1990年から機械翻訳のユーザーとして活用法の研究を行う。
バベル翻訳大学院で、翻訳者のためのテキスト処理など、ITスキルに関する講座を担当。
また、フリーの翻訳者として毎日CATツールを使うのが嬉しくてたまらない。
ブルーグラス、バードウオッチング、俳句をこよなく愛しているが、最近は孫と遊ぶのに夢中。

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