<新>翻訳に役立つソフトウェア活用法
第12回 クリップボード監視ソフトなら「クリップアウト2000」
投稿日時:2013/11/10(日) 14:30

第12回 クリップボード監視ソフトなら「クリップアウト2000」

翻訳や文書作成にコピー&ペーストは付き物です。この機能では、「コピー」を行うと前のデータと置き換わってしまいます。できるだけコピーの操作を減らして、ペーストを効率的に行う場合に役立つのがクリップボード管理ソフトです。
■クリップボードを有効活用できる「クリップアウト2000」
クリップボード監視ソフトの主な機能は、コピーしたデータを保持することと、そのデータを再利用してペーストすることです。
今回紹介するクリップアウト2000はWindows XP対応のソフトですが、Windows 7でも問題なく動作します。
クリップアウト2000は以下のページからダウンロードできます。
http://homepage1.nifty.com/chappy/lib/libcp20.htm
ダウンロードしたファイルをダブルクリックしてインストール先を指定して「OK」をクリックするとファイルが解凍されます。
解凍されたフォルダを開いてdClipOut.exe をダブルクリックするとクリップアウト2000が起動します(図1)。
(図1)

このソフトは常駐型なので、画面を閉じても終了せず、クリップボードを監視し続けます。
画面を開くには、タスクバーのアイコンをダブルクリックします(図2)。
(図2)

文章を作成していて、コピーすると「クリップテキスト」に貼り付きます。
次々にコピーしても前のデータは残ります。
データは最大500個まで保持されます。
上記の3つの文を1文ずつ範囲選択して、「Ctrl+C」でコピーしてみました(図3)。
(図3)

このように、最後にコピーしたデータが一番上になっています。
データを選択してダブルクリックするとペーストすることができます(図4)。
このコピー履歴は、テキスト形式で保存できます。
(図4)

画像にも対応しています。「クリップグラフィック」タブをクリックするとコピーした画像の一覧が表示されます(図5)。
この画像もテキストと同じようにWordなどにペーストできます。
画像はビットマップ(BMP)形式で保存できます。
(図5)

カスタムテキスト機能を使えば、あらかじめ登録しておいた文字をペーストできます(図6)。
(図6)

カスタムテキストはユーザが自由に編集できます(図7)。
(図7)

オプション設定で動作方法をこまかく設定できます。
たとえば、履歴の追加方法を変更すれば古い順にすることもできます(図8)。
(図8)

■クリップアウト2000の活用方法
対訳ファイルから手作業で用語を抽出するときに、抽出したい文字列を範囲選択して「Ctrl+C」を押すだけで「クリップテキスト」に格納されるので便利です。
この時、「履歴の追加方法」を「最後に追加する」に変更しておけば、見出し→訳語の順番になります。
抽出が終わったら「クリップテキスト」の文字をすべて選択して「名前を付けてファイルに保存」します(図10)。
(図10)

保存したテキストファイルを秀丸エディタで開いて、英語と日本語の間にタブを入れた形式に置換します(図11)。
検索:([a-zA-Z].*)\n
置換:\1\t
正規表現にチェックを入れる
(図11)

タブ区切りの形式になったら、すべて選択してコピーします(図12)。
(図12)

Excelにペーストして罫線などを入れれば簡易用語集の出来上がりです(図13)。
(図13)

みなさんもいろいろな活用法を工夫してみましょう。
コメント
プロフィール
小室誠一
1990年から機械翻訳のユーザーとして活用法の研究を行う。
バベル翻訳大学院で、「翻訳者のためのテキスト処理」「翻訳支援ツール徹底活用」など、ITスキルに関する講座を担当。
1990年から機械翻訳のユーザーとして活用法の研究を行う。
バベル翻訳大学院で、「翻訳者のためのテキスト処理」「翻訳支援ツール徹底活用」など、ITスキルに関する講座を担当。
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