■翻訳に役立つソフトウェア活用法
第9回 手軽に使える対訳ファイル作成ツール「AutoAlign」
投稿日時:2010/12/25(土) 15:00
第9回 手軽に使える対訳ファイル作成ツール「AutoAlign」
この連載では、翻訳ソフトや翻訳メモリソフトに限らず、翻訳業務の効率化に役立つソフトウェアを取り上げて、その活用法を紹介します。
第9回は、手軽に使える対訳ファイル作成ツール「AutoAlign」を取り上げます。
翻訳支援ソフトや辞書ソフトを活用する場合には対訳ファイルが必要です。
対訳といっても、センテンス単位の対訳です。
これはそのまま「翻訳メモリ」として利用できます。
用語集もセンテンス単位の対訳から作成したほうが効率的です。
これまでに翻訳したり、WEBサイトからダウンロードしたりした原文とその訳文のファイルをたくさん持っている人もいるかも知れませんが、そのままでは宝の持ち腐れです。
それらをセンテンス単位で対訳にすれば何十倍も利用価値が高まります。
市販の翻訳メモリソフトなどには専用のアラインメント・ツールが付属していますが、対訳ファイルを作成するだけなら、無料で手軽に使えるソフトがあります。
今回紹介する「AutoAlign」はHiroshi Kameya氏が公開しているテキスト処理系のフリーソフトの一つです。
他にも便利なソフトがありますが、次回以降、紹介して行きたいと思います。
■「AutoAlign」ダウンロード(Vector)
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/util/se473905.html
■「フリーソフトダウンロード」作者(Hiroshi Kameya)のページ
http://www15.big.or.jp/~t98907/freesoft/
<使い方>
「AutoAlign」はダウンロードして解凍するだけで使用できます。
(1)起動する
AutoAlign.exe(図1)をダブルクリックすれば起動します。
(図1)
(2)SourceとTargetの選択
原文が英語ならSource=「English」、訳文が日本語ならTarget「日本語」を選択します(図2)。
原文、訳文とも、すでに1文ごとに改行が入力されて対応が取れている場合は、それぞれ「文切りなし」にします。
(図2)
以下のように、段落丸ごとでも大丈夫です(図3)。
★ただし、テキストファイルのみです。
(図3)
(3)ファイルの指定
原文ファイルのアイコンをドラッグしてSourceのテキストボックスにドロップすると、ファイルのパスが入力されます。
同様に訳文ファイルのアイコンをドラッグしてTargetのテキストボックスにドロップします(図4)。
*「感度」のメモリをスライドして設定できますが、デフォルトのままで結構です。
(図4)
(4)「開始」ボタンをクリック
準備ができたら「開始」ボタンをクリックします。
処理が終わるとウインドウが開いて結果が表示されます(図5)。
(図5)
(5)「保存」
結果をざっと眺めて問題なければ「保存」ボタンをクリックします。
「名前を付けて保存」すると、タブ区切りテキストで保存されます(図6)。
(図6)
CalcやExcelなどの表計算ソフトで開いて修正します。
OpenOffice.org Calcで開いたところ(図7)。
(図7)
このように「AutoAlign」は操作が大変簡単で対応付けの精度も良いので、気軽に対訳ファイルを作って有用な翻訳資産をどんどん蓄積しましょう。
第9回は、手軽に使える対訳ファイル作成ツール「AutoAlign」を取り上げます。
翻訳支援ソフトや辞書ソフトを活用する場合には対訳ファイルが必要です。
対訳といっても、センテンス単位の対訳です。
これはそのまま「翻訳メモリ」として利用できます。
用語集もセンテンス単位の対訳から作成したほうが効率的です。
これまでに翻訳したり、WEBサイトからダウンロードしたりした原文とその訳文のファイルをたくさん持っている人もいるかも知れませんが、そのままでは宝の持ち腐れです。
それらをセンテンス単位で対訳にすれば何十倍も利用価値が高まります。
市販の翻訳メモリソフトなどには専用のアラインメント・ツールが付属していますが、対訳ファイルを作成するだけなら、無料で手軽に使えるソフトがあります。
今回紹介する「AutoAlign」はHiroshi Kameya氏が公開しているテキスト処理系のフリーソフトの一つです。
他にも便利なソフトがありますが、次回以降、紹介して行きたいと思います。
■「AutoAlign」ダウンロード(Vector)
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/util/se473905.html
■「フリーソフトダウンロード」作者(Hiroshi Kameya)のページ
http://www15.big.or.jp/~t98907/freesoft/
<使い方>
「AutoAlign」はダウンロードして解凍するだけで使用できます。
(1)起動する
AutoAlign.exe(図1)をダブルクリックすれば起動します。
(図1)

(2)SourceとTargetの選択
原文が英語ならSource=「English」、訳文が日本語ならTarget「日本語」を選択します(図2)。
原文、訳文とも、すでに1文ごとに改行が入力されて対応が取れている場合は、それぞれ「文切りなし」にします。
(図2)

以下のように、段落丸ごとでも大丈夫です(図3)。
★ただし、テキストファイルのみです。
(図3)

(3)ファイルの指定
原文ファイルのアイコンをドラッグしてSourceのテキストボックスにドロップすると、ファイルのパスが入力されます。
同様に訳文ファイルのアイコンをドラッグしてTargetのテキストボックスにドロップします(図4)。
*「感度」のメモリをスライドして設定できますが、デフォルトのままで結構です。
(図4)

(4)「開始」ボタンをクリック
準備ができたら「開始」ボタンをクリックします。
処理が終わるとウインドウが開いて結果が表示されます(図5)。
(図5)

(5)「保存」
結果をざっと眺めて問題なければ「保存」ボタンをクリックします。
「名前を付けて保存」すると、タブ区切りテキストで保存されます(図6)。
(図6)

CalcやExcelなどの表計算ソフトで開いて修正します。
OpenOffice.org Calcで開いたところ(図7)。
(図7)

このように「AutoAlign」は操作が大変簡単で対応付けの精度も良いので、気軽に対訳ファイルを作って有用な翻訳資産をどんどん蓄積しましょう。
コメント
プロフィール
小室誠一
1990年から機械翻訳のユーザーとして活用法の研究を行う。
バベル翻訳大学院で、「翻訳者のためのテキスト処理」「翻訳支援ツール徹底活用」など、ITスキルに関する講座を担当。
1990年から機械翻訳のユーザーとして活用法の研究を行う。
バベル翻訳大学院で、「翻訳者のためのテキスト処理」「翻訳支援ツール徹底活用」など、ITスキルに関する講座を担当。
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