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■翻訳に役立つソフトウェア活用法

第5回 総合的翻訳支援ソフト「PC-Transer 翻訳スタジオ2011」

投稿日時:2010/10/25(月) 14:30rss

第5回 総合的翻訳支援ソフト「PC-Transer 翻訳スタジオ2011」


 
小室 誠一  翻訳システムテクノロジスト
(バイリンガルサービス事業 マネージャー、株式会社 バベル)

 
この連載では、翻訳ソフトや翻訳メモリソフトに限らず、翻訳業務の効率化に役立つソフトウェアを取り上げて、その活用法を紹介します。

 
第5回は10月15日に新バージョンが発売された、プロフェッショナル向け翻訳支援ソフトの「PC-Transer 翻訳スタジオ2011」を取り上げます。
 
現在の「翻訳ソフト」は対訳データベース(翻訳メモリ)機能を搭載して、総合的な翻訳支援ソフトとなっており、プロの翻訳者にもどんどん利用されています。
対訳データベース機能を搭載した翻訳ソフトの草分けであるPC-Transerも、今回でバージョン18となりました。まさに進化する翻訳支援ソフトと言えます。
今回は新たに「TransBench」機能が追加されました。早速、試用してみたいと思います。
 
PC-Transer 翻訳スタジオ2011の機能詳細は以下のページをご覧ください。
http://www.crosslanguage.co.jp/products/studio2011/
 
 
PC-Transer 翻訳スタジオがどのようなものであるかご存じない方のために、先ずは主な機能の概要を見ておきましょう。
 
■翻訳エディタ
 
PC-Transer 翻訳スタジオ2011の最大の特長は、多機能で使いやすい「翻訳エディタ」です。(図1)
 
(図1)
 
上図は、「ペイン」と呼ばれる個々の作業画面をすべて表示したものです。
 
(A) は対訳エディタで、左側に原文、右側に訳文を配し、一文ずつ翻訳していきます。訳文の生成方法は、翻訳メモリを検索するものと、翻訳エンジンを使って言語学的に訳文を出力する方法があります。
(B) は「アシストペイン」で、訳振りの結果表示と、逆翻訳の結果を表示します。
(C) は「翻訳メモリペイン」で、翻訳メモリの検索を行ったり、登録・編集などができます。
(D) は「訳語ペイン」で機械翻訳辞書にヒットして訳文に採用された訳語やその品詞などが一覧表示されます。
(E) は「ブックマークペイン」で、大きなファイルを翻訳するときなど、ブックマークに登録しておくと、簡単にジャンプできます。
(F) は「辞書ペイン」で機械翻訳辞書にヒットした語句の訳語がすべて表示されます。また、タブを切り替えると参照用の外部辞書の検索結果が表示されます。
 
これらのペインは、対訳エディタ以外は自由に表示・非表示できます。通常は、作業内容によってカスタマイズして使用します。
 
■訳文生成方法
 
訳文の生成方法は「翻訳設定」の「翻訳」画面で指定することができます。(図2)
 
(図2)
 
「完全一致文検索」-- 翻訳メモリを検索して、完全に一致するものがあれば、その訳文を出力して終了します。
「文型一致文検索」-- 変動要素にタグ付けをした文型翻訳メモリ(*1)に一致するものがあれば、変動要素を機械翻訳して埋め込んだ翻訳メモリの訳文を出力して終了します。
「類似文検索」-- あらかじめ指定した類似度に応じた検索に一致するものがあれば、その訳文を出力して終了します。
「機械翻訳」-- 翻訳メモリに一致するものがない場合、自動的に機械翻訳に切り替えられて訳文を出力します。
 
翻訳対象文に応じて訳文生成方法を選択することで、適切な翻訳作業を行うことができます。
 
(*1)文型翻訳メモリの例
<$1> restrict <$3> that could be used for <$2>.
<$1>は、<$2>で利用される恐れのある<$3>を制限している。

<$n>のタグの中身が機械翻訳されて訳文の対応するタグの中に埋め込まれ、全体の訳文が出力される。
 
■辞書機能
 
辞書は「翻訳設定」の「辞書」画面で指定できます。(図3)
 
(図3)
 
専門語辞書とユーザー辞書、そして学習辞書の設定ができます。
それぞれの辞書にはフォントの色を指定できるので、対訳エディタで機械翻訳出力した際に、どの辞書が訳文に反映されているか一目で分かります。
 
PC-Transerのもう一つの特長がユーザー辞書機能です。簡易登録モードの他に詳細登録モードがあり、意味情報や文型情報などを簡単な操作で付加できます。(図4)
 
(図4)
 
■TransBench
 
今回、新しく追加された「TransBench」はWordのアドイン機能となっており、Wordを起動してからアドインボタンをクリックして立ち上げます。(図5)
 
(図5)
 
翻訳メモリソフトを使い慣れた人には、それほど抵抗ない画面だと思います。(図6)
 
(図6)
 
違っているのは、TransBenchには対訳エディタがあって、ここで訳文を完成させるということです。
TransBenchの訳語ペインには、外部辞書の画面も組み込まれていますので、参照用の辞書も一まとめで利用できます。
 
 
<使い方>

 

(1)Wordの画面で翻訳する文書の先頭にカーソルを置いてから、「次へ」ボタンをクリックする。(図7)
 
(図7)
 
(2)最初のセンテンスが範囲指定されるので、今度は、「クライアントへ転送」ボタンを押す。(図8)
(3)選択した文がTransBenchの対訳エディタに転送され訳文が出力される。
(4)ここで、訳文を修正する。
 
(図8)
 
(5)完成したら「クライアントの訳文で置換」ボタンをクリックする。(図9)
(6)完成した訳文がWordに貼り付く。翻訳メモリソフト利用者にはお馴染みのバイリンガル形式になっている。
 
(図9)
 
続いて(1)に戻って「次へ」ボタンをクリックすると、(2)次のセンテンスが範囲指定される...。これを繰り返して1文ずつ訳文を完成させて行きます。
 
原文を削除して訳文だけにしたい場合は、「最適化」ボタンをクリックします。(図10)
 
(図10)
 
訳文置換後の処理を「設定」画面から指定できます。(図11)
 
(図11) 

「翻訳メモリに登録する」にチェックを入れておけば、訳文が完成してWordに貼り付けると同時に翻訳メモリに登録されるので、「次」に「クライアントへ転送」した時点で検索の対象となります。繰り返しの多い文書の場合は特に有効です。
 
この他にも、便利な機能が数多くあって紹介しきれませんが、ひとまずこれで終わりにしましょう。。
 

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