<新>翻訳に役立つソフトウェア活用法
第6回 翻訳者のためのHTMLエディタ 「TagAssist」
投稿日時:2013/08/10(土) 14:00

第6回 翻訳者のためのHTMLエディタ 「TagAssist」

Webページを翻訳する際に、みなさんはどのようなツールを使用していますか? Dreamweaverやホームページビルダーなどのホームページ作成ソフトを使うと、余分なタグが付加されたり、タグが書き換えられたりするおそれがあるので利用できません。今回は無料で使える、翻訳者のためのHTMLエディタ「TagAssist」を紹介します。
TagAssistは以下のページから無料でダウンロードできます。
http://jp.felix-cat.com/tagassist/
このソフトは、第1回で取り上げたAlign Assistと同様、Felixという翻訳支援ツール用のソフトですが同じく単体で利用できます。
■TagAssistを使ってみる
「ファイル」メニューからHTMLファイルを開きます(図1)。
デフォルトでは最初に「エディタ」画面が開きます。この画面はWYSIWYG(what you see is what you get)つまり、ほぼWebブラウザで見た通りに表示されます。
あとはワープロのように、テキストに訳文を上書きしていけば良いのです。
(図1)
注意する点は、Wordの上書き翻訳と同じように、文字修飾がある部分はその範囲内に訳文を入力しなくてはならないということです。
うまく入力できれば、原文のレイアウトを引き継ぐことができます(図2)。
(図2)
「ソース」タブをクリックすると、HTMLのソースが表示されます(図3)。
タグが色分けされているので、訳文の入力箇所は容易に見つかりますが、「エディタ」画面と連動していないのが難点です。
(図3)
いったん保存してから「ブラウザ」タブをクリックすると、Internet Explorerで表示した状態を確認することができます(図4)。
(図4)
■Felixと連動させる
もともとTagAssistはFelixのツールとして公開されているものなので、実際にどのように動作するのか見てみましょう。
Felixは以下のページからダウンロードできます。
有料のソフトですが、原文と訳文のペアを500個まで登録できる体験版があるので、試してみましょう。
http://jp.felix-cat.com/
TagAssistとFelixを同時に起動して、ウインドウの位置を調節します。
TagAssistのメニューバーの緑の「→」アイコンをクリックすると、分節化が行われ、Felixの翻訳メモリが検索されます(図5)。
TagAssistの分節化された原文が反転して上書きできる状態になるので、ここに訳文を入力します。
(図5)
分かりやすいように「Felix」メニューをプルダウンしてみます(図6)。
訳文を入力したら「登録して次へ」をクリックします。メニューバーのアイコンをクリックしても、ショートカット「ALT+S」を押しても結構です。
(図6)
次の分節が反転されました(図7)。
(図7)
この操作を繰り返しながら翻訳を進めて行きます。
確かに翻訳メモリに登録されているか確かめてみましょう。
もう一度原文を開き直して「次の文を検索」を実行すると、翻訳メモリ画面に、スコア:100%として表示されました(図8)。
(図8)
翻訳メモリはこの画面から変更することができます。
「編集」をクリックしてみましょう。
「エントリの編集」画面が開いて、原文と訳文を修正することができます(図9)。
(図9)
Felixが連携できるのは、Word、PowerPoint、Excelです。HTML翻訳では、このTagAssistを使うことになります。
Felixは、厳密なローカライズ業務には物足りないかも知れませんが、繰り返しの多いビジネス文書や技術文書を翻訳するのにはちょうど良いでしょう。
TagAssistは以下のページから無料でダウンロードできます。
http://jp.felix-cat.com/tagassist/
このソフトは、第1回で取り上げたAlign Assistと同様、Felixという翻訳支援ツール用のソフトですが同じく単体で利用できます。
■TagAssistを使ってみる
「ファイル」メニューからHTMLファイルを開きます(図1)。
デフォルトでは最初に「エディタ」画面が開きます。この画面はWYSIWYG(what you see is what you get)つまり、ほぼWebブラウザで見た通りに表示されます。
あとはワープロのように、テキストに訳文を上書きしていけば良いのです。
(図1)

注意する点は、Wordの上書き翻訳と同じように、文字修飾がある部分はその範囲内に訳文を入力しなくてはならないということです。
うまく入力できれば、原文のレイアウトを引き継ぐことができます(図2)。
(図2)

「ソース」タブをクリックすると、HTMLのソースが表示されます(図3)。
タグが色分けされているので、訳文の入力箇所は容易に見つかりますが、「エディタ」画面と連動していないのが難点です。
(図3)

いったん保存してから「ブラウザ」タブをクリックすると、Internet Explorerで表示した状態を確認することができます(図4)。
(図4)

■Felixと連動させる
もともとTagAssistはFelixのツールとして公開されているものなので、実際にどのように動作するのか見てみましょう。
Felixは以下のページからダウンロードできます。
有料のソフトですが、原文と訳文のペアを500個まで登録できる体験版があるので、試してみましょう。
http://jp.felix-cat.com/
TagAssistとFelixを同時に起動して、ウインドウの位置を調節します。
TagAssistのメニューバーの緑の「→」アイコンをクリックすると、分節化が行われ、Felixの翻訳メモリが検索されます(図5)。
TagAssistの分節化された原文が反転して上書きできる状態になるので、ここに訳文を入力します。
(図5)

分かりやすいように「Felix」メニューをプルダウンしてみます(図6)。
訳文を入力したら「登録して次へ」をクリックします。メニューバーのアイコンをクリックしても、ショートカット「ALT+S」を押しても結構です。
(図6)

次の分節が反転されました(図7)。
(図7)

この操作を繰り返しながら翻訳を進めて行きます。
確かに翻訳メモリに登録されているか確かめてみましょう。
もう一度原文を開き直して「次の文を検索」を実行すると、翻訳メモリ画面に、スコア:100%として表示されました(図8)。
(図8)

翻訳メモリはこの画面から変更することができます。
「編集」をクリックしてみましょう。
「エントリの編集」画面が開いて、原文と訳文を修正することができます(図9)。
(図9)

Felixが連携できるのは、Word、PowerPoint、Excelです。HTML翻訳では、このTagAssistを使うことになります。
Felixは、厳密なローカライズ業務には物足りないかも知れませんが、繰り返しの多いビジネス文書や技術文書を翻訳するのにはちょうど良いでしょう。
コメント
プロフィール
小室誠一
1990年から機械翻訳のユーザーとして活用法の研究を行う。
バベル翻訳大学院で、「翻訳者のためのテキスト処理」「翻訳支援ツール徹底活用」など、ITスキルに関する講座を担当。
1990年から機械翻訳のユーザーとして活用法の研究を行う。
バベル翻訳大学院で、「翻訳者のためのテキスト処理」「翻訳支援ツール徹底活用」など、ITスキルに関する講座を担当。
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