大きくする 標準 小さくする

第153号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association
言語のもつ経済力―Gross Language Product

バベル翻訳専門職大学院 副学長 堀田都茂樹


 世界の人口約70億の内で日本語を使っているのは約1億数千万人。
その数は、以下の表にあるように世界で9位。
 
母語+公用語人口
1位 中国語    13億7000万人
2位 英語     5億3000万人
3位 ヒンディー語 4億9000万人
4位 スペイン語  4億2000万人
5位 アラビア語  2億3000万人
6位 ベンガル語  2億2000万人
7位 ポルトガル語 2億1500万人
8位 ロシア語   1億8000万人
9位 日本語    1億3400万人
10位 ドイツ語  1億3000万人
 
一方で、世界で外国語として学んでいる人が多い言語ランキングは以下の通りです。
 
1.英語(約15億人)
2.フランス語(約8200万人)
3.中国語(約3000万人)
4.スペイン語(約1450万人)
4.ドイツ語(約1450万人)
6.イタリア語(約800万人)
7.日本語(約399万人)
 
 日本の言語政策が貧しく、年々減少傾向にあるとは言え、400万人の方々が日本語を学んでいると言うのは、頼もしい限りです。
 
 が一方で、こんな指標をご存知でしょうか。Gross Language Product (GLP)。
ある言語がもつ経済力を算出する基準です。1年間に各言語の話者によって生み出される商品とサービスの総市場規模のことを言います。
 

主要言語の経済力  Gross Language Product (GLP)
順位 言語 経済規模
(10億ドル)
英語 7,815
日本語 4,240
ドイツ語 2,455
スペイン語 1,789
フランス語 1,557
中国語 985
ポルトガル語 611
アラビア語 408
ロシア語 363
10 ヒンディー語/ウルドゥー語 114
11 イタリア語 111
12 マレー語 79
13 ベンガル語 32



 これを見てお分かりのように翻訳ビジネスを想定した日本語のマーケット規模はわれわれが考える以上に大きいと言えます。

 ひとつ余分なことを申し上げれば、皆さまの多くは日本語と英語間の翻訳を指向されているかと思いますが、もし、余裕があればこれに次いで経済力がある言語を第3言語とし学んでほしいと思います。日本語、英語、そしてもう一言語、3極を結んで翻訳ビジネスを展開できれば様々な可能性が拡がります。日英という極端に言語構造が違う言語間の翻訳を学んでいれば、もう一言語の翻訳ははるかに容易になるとトライリンガルの翻訳者の方々は言います。
こうして、翻訳者として、改めて自らを省みる機会も必要かと思います。
 

*ここで扱ったいずれのデータも最新版ではありませんので、全体の傾向だけつかんでください。

第152号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association
最大のリスクはリスクをとらないこと

バベル翻訳専門職大学院 副学長 堀田都茂樹

 今号から全4回の特集は「グローバルで起業するノウハウ」と題して、トルコで翻訳業を起業して17年目を迎えるバベルの大学院の修了生ハクセヴェルさんに執筆いただきました。
全4回とも読者の皆様からの質問を受けながら進める予定です。質問のある方は記事下のフォームよりお送りください。
 
  第1回 6月25日 グローバル翻訳市場と日本の翻訳市場の違い
  第2回 7月10日 グローバル翻訳市場へのアプローチの仕方
  第3回  7月25日 翻訳会社(クライアント)の選び方
  第4回 8月10日 トラブルの回避とトラブルが発生した場合
 
翻訳業に必要なのは、「私はできる」という良い意味での開き直りです、と強調するハクセヴエルさん。
 
 自己肯定感が先進国中で世界最低を更新しつつある日本、海外志向もますます弱まり、日本に閉じこもりがちな日本の若者。
「最大のリスクはリスクをとらないこと」という認識をもって臨んでほしいものです。
 
 翻って考えますと、バベルグループ42年の歴史はまさにリスクに立ち向かってきた歴史といって過言でないかもしれません。
 
 42年前日本で起業し、翻訳者養成教育を始めたバベルに投げかけられた大学教授、著名な翻訳家の方々からの反応は、「翻訳家を育てるなんてできっこない」そんな冷たい視線だったと、バベル翻訳専門職大学院の学長、バベルグループの代表湯浅美代子は当時を語っています。
 
 それから42年、25万人以上の翻訳教育の修了生を輩出し、2000年には世界でオンリーワンの日英間の翻訳専門職大学院を米国に創り,2002年には米国教育省認可の高等教育認証機関(DEAC)より教育品質認証を受け今日に至っています。
 
 また、40年前に当時日本で唯一の月刊の翻訳理論誌、「翻訳の世界」を発刊した時も、件の大学教授、翻訳家の方々は「どうせ3号雑誌に終わるからおやめなさい」という反応だったと湯浅学長から聴きました。ところがその後デジタルに移行したとはいえ、500号を越えて刊行し続ける翻訳の専門誌となりました。
 
 その後のバベルグループの歴史は、実務翻訳ビジネス、出版翻訳ビジネス、翻訳人材派遣ビジネス、翻訳権仲介ビジネス、翻訳能力認定ビジネス、翻訳出版ビジネスと、翻訳に関わるあらゆるビジネスを生み出しながら今日に至っています。
 
 ここまでの軌跡を振り返ってよく湯浅学長と話すのは、「これって奇跡ですね」ということです。ただただ感謝!!それがバベルグループに入社して38年目を迎えるわたくし堀田都茂樹の偽ざる気持ちでもあります。
 
 なんだか、自慢話のようで恐縮ですが、バベルと縁あって出会った皆さまも、同じような遺伝子をもっているものと信じています。
 
前述の通り、ハクセヴエルさん曰く
翻訳業に必要なのは、「私はできる」という良い意味での開き直りです。
そんな気持ちでチャレンジしてみましょう。
 
リスクマネージメントの長けた技術に勝るものは、そんな‘思い’なのでしょう。
 
 人生最後の時、患者の緩和ケア―に長年携わってきたオーストラリアのブローニー・ウエアさんは、「Top Five Regrets of the Dying」(死ぬ間際に最も後悔する5つのこと)という本の中でこう語っています。
 
死ぬ前に最も後悔すること、それは「やりたいことをやらなかった」ことだ、と。

編集部宛メールフォーム

お名前:必須

メールアドレス:必須

メールアドレス(確認用):必須
(確認の為、同じものをもう一度入力してください)

記事タイトル:必須


メッセージ:必須

ファイル添付:

削除

第151号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association
新特集予告
「グローバルに起業するノウハウ」

バベル翻訳専門職大学院 副学長 堀田都茂樹

 来月より新特集「グローバルに起業するノウハウ」(仮)をお届けします。
 
 バベル翻訳専門職大学院(USA)の院生、修了生の居住地は日本以外、いまや世界30余か国、国籍も多岐に亘っています。まさに、このネットワーク構造は現在の縮図と言えるのかもしれません。
 
 そもそも日本人とは、を考えてみればわかることで、日本国籍をもっているから日本人とはいいがたいわけで、米国では2重国籍の方は多くいらっしゃるわけで、つまるところ日本人とは、日本語を話し、義務教育を日本で受けてきた、というくらいにしか規定できないわけですから。
 
 また、米国のように、EUも同様ですが、米国籍を持ちながら居住地を税制、婚姻制度等が有利な州に移り住むことが普通にあるように、働く、生活をする場を選ぶことが可能な時代になってくるはずです。
 
 まして、リモートワーク、ノマドワークが普及していく今、Portable Occupationと言える翻訳者という仕事は、どこの地で働くか、どこの国のクライアントと取引をするのか、そのオプションは限りなく多くなっています。
 
 しかし、オプションが多様ということはそれに伴うリスク、そして逆にアドバンテージも多くなるわけで、まさにその選択においては自己責任、自律が要求されます。
 
 この特集を機会に、翻訳者として起業して、世界中のクライアントと取引をしていくときに伴うリスクをどう回避し、どう有利な取引関係を構築するか、日本とか一国に限定された思考法から一回離れて考えてみましょう。
 
 次号より、バベルの翻訳大学院の修了生で、トルコで起業され、約10年グローバル環境で試行錯誤されてきたハクセヴェルひろ子さんに「グローバルに起業するノウハウ」(仮)と題して全5回の特集連載をお願いしています。
 
お楽しみに!!
また、今回は世界中に居住される皆様のご意見、ご感想を織り交ぜながら進めていきたいと考えます。

第150号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association
Plain Languageを学ぶための‘教育的翻訳のすすめ’

バベル翻訳専門職大学院 副学長 堀田都茂樹

 今回は特別寄稿として、バベル翻訳専門職大学院でPlain Englishを講じているDr. Peter Skaer氏に‘Writing the Perfect Paragraph’ と題して、日本人が一般的に苦手とするパラグラフライティングについて論じてもらいました。
 
 論理的で明快な文章を書くにはパラグラフの技術が必要なことは一般論としては理解している人が多いでしょう。
しかし、いざ書くとなると、日本ではLanguage Arts (言語表現技術)の教育がなされていないのでまるで太刀打ちできません。
 
 そもそも、パラグラフは段落、段落は‘一服、たばこを吸うところ’としか考えない一般日本人には文章を構造的に書くことは難しいのでしょう。そもそも自分が受けた国語教育を思い出しても、感想文は書いても、まとまった主張を書く訓練を受けた記憶がありません。今にしても状況はほとんど変わっていないのでしょう。
 
 説明的文章、描写の文章、報告書、議事録、論証文、論文、プレゼンテーション、質問文と応答文等々の文章を書く訓練、言語表現技術を学ぶ機会も限られています。
 
 そもそも、現在の公教育ではこれらを教えられる先生がいらっしゃるのか、はなはだ疑問です。
 
 そこで提案です。私は‘教育的翻訳’という言い方をしますが、よく引き合いに出すのは、中学校レベルでの翻訳教育の導入です。
およそ25年前にバベルでは実験的に英語のラダーエディション(語彙数を段階的に制限した英書)を使用して翻訳教育を中学1,2年生の7,8名を対象に行いました。先生は日本に居ながら英語ネイティブに匹敵する読み、書き、聴く、話せる語学の天才と言われた長崎玄弥先生でした。(当時、長崎先生はバベルの教育部長、私がバベルに入社するときの面接官でした)この翻訳トレーニングを約1年終えた結果に目をみはるものがありました。
 
 彼ら1年後は、英語の成績はもちろん、国語、社会、理科等の成績が1,2段階上がっていたのです。その時はこれを更に検証していく余裕もなく、終えてしまいました。
 
 話はそれてしまいましたが、私が‘教育的翻訳’としてここで言いたかったことは、子供の翻訳教育ではなく、中高以上、成人を含めての、まずは英日の翻訳教育です。
そこで扱うのは、論理明快な、パラグラフ構成がしっかりした文章の和訳訓練です。国語で前述の言語表現技術教育が望めないのであれば、これを体現した英語の文章を、いわばリバースエンジニアリング(作者の表現意図を辿る)する訓練を繰り返すことにより、論理軽快な文章の基本を体得するわけです。
 
そんな‘教育的翻訳’も見逃せない翻訳の効用です。

第149号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

ビジネスで使う日本語をわかりやすさの観点で再考する

バベル翻訳専門職大学院 副学長 堀田都茂樹

 今月、来月の特集テーマは『翻訳の視点から日本語(英語)表現技術を考える』です。
テクニカル、リーガル、ビジネス分野の日本語文書、英語文書をプレインランゲージという観点で再考したいと思います。
 
 今回は普段仕事で使う日本語表現を考えてみましょう。前々回に予告しましたように、ここで当社の雑誌で連載した「プレインジャパニーズのすすめ」、をお読みいただきます。
 
全10回の連載となります。

 第一回 風通しのいいコミュニケーションが求められる時代
 第二回 率直に書いても丁重さは伝わる
 第三回 読みやすさとわかりやすさ
 第四回 簡潔さと詳細さ
 第五回 豹変する文書なんていらない
 第六回 明快さと正確さ
 第七回 説得力のある文章とは?
 第八回 立場をはっきりさせる
 第九回 事実と意見を分けて書く
 
 われわれが普段さほど意識せずに使っている日本語を上記の観点で見直すことも意義あることです。また、これは翻訳においても英訳する際のソース言語の前編集、和訳の際には表現形式の選択において参考のなるのではないでしょうか。
 
 ことほど左様に、簡潔明快な日本語表現技術を獲得するひとつの方法は、論理がしっかりした英語をはじめとするヨーロッパ言語をその思考の流れ、ロジックに沿って翻訳していくことです。翻訳という行為は、そんな副産物ももたらしてくれます。
 
 以下、連載をお読みいただき、皆さまのご意見を5月10日号(5日締切)、5月25日号(20日締切)への寄稿としてお寄せください。
 
プレイン・ジャパニーズのすすめ
―よくわかるビジネス文で差をつけよう

雑誌(リーガルコム)ご購入はこちらから。

第148号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

あなたの書く英語を世界標準に!
     Plain Written English能力検定試験実施 締切迫る!!

バベル翻訳専門職大学院 副学長 堀田都茂樹

 今回は‘日本を発信する時代’に不可欠な英語のスタンダードとして、Plain Written English能力検定試験の受験をお勧めします。前回も申し上げましたように、この技術は簡潔な日本語を書く際の指針ともなります。

 

Plain Englishは1950年代にルドルフ・フレッシュが米国人に向けて提唱、その後、米国レーガン大統領、英国サッチャー首相もこれを支持し反響を呼びました。議会でも対消費者に向けて簡潔明解な文章を書こうと、消費者保護の観点からも推奨されました。また、アニュアルレポート等、IR( Investors Relation)の分野においても、このPlain Englishは広く支持されて今日に至っています。
資料をご覧ください。

 

バベルではこのPlain English教育を始めて20余年、世界標準の英語として採用しています。

http://www.webbookfair.com/200807lc.pdf

 

Plain English能力検定試験では以下の5段階であなたの英語を評価いたします。

英訳者を目指される方には必須の資格となります。

 

『正しく書ければ、正しく話せる』これが本試験の基本思想でもあります。

効率的、効果的な英語コミュニケーション能力を、書く英語で測ります。

 

レベルは以下の5段階で認定します。

  1級―プロフェショナル水準の英語能力 (SUCCESSFUL)

 2級―セミプロレベルの英語能力 (ACCEPTABLE)

 3級―プロの英語としての合格ラインレベルの英語力(OBJECTIONABLE)

 4級―プロとして英語を使うにはやや難がある (INTRUSIVE)

 5級―文法を含め、基本から英語能力をつける必要がある(BLOCKING)

 

Plain Written English評価基準では、プロとしてのリーダビリティを測るために以下の4×4=16の評価のガイドラインを設けました。

 

1. COHESIVENESS(結束性)のルール

①コンテクストに合わせる

②論理的な順序に従う

③一貫性を保つ

④読み手、聞き手の気を散らさない

 

2. DIRECTNESS(直接性)のルール

   ⑤推測ではなく事実を記す

   ⑥主語を明確にする

   ⑦否定語は極力避ける

   ⑧結論を簡潔に記す

 

3. ECONOMY(簡潔性)のルール

   ⑨簡潔を心がける

   ⑩使用頻度の低い単語よりも使用頻度の高い単語を選ぶ

   ⑪従属節の使用を避ける

   ⑫一記述には一要点だけを論じる

 

4. APPROPRIATENESS(適切性)のルール

   ⑬誠実に礼儀正しく、他者に敬意を払う

   ⑭イディオムや俗語は避ける

   ⑮短縮形、くだけた会話体は避ける

   ⑯文法的に正しい文を用いる

 

そして、この16のルールを

Word

Phrase

Sentence

Paragraph

それぞれのレベルで細分し、合計80のルールに分け、プロフェショナルにふさわしい英語のガイドラインとしました。

 

● 第7JTA公認 Plain Written English 能力検定試験

内容:   1. Description課題(客観的記述能力)

      2. Process課題(プロセス記述能力)

      3. Synthesis/ Protocol課題(総合的表現能力)

 

実 施 日 :2016 416日(土)午前10001200(日本時間)

締  切 :まだ間に合います!

試 験 場  :インターネットによる在宅試験

試験結果 :1級から5級の評価を認定し、以下の結果を返却します。

 

ここで忘れがちなことを最後に一つ、英語力は決して日本語力を超えることはないと言う厳粛な事実です。その意味でも、翻訳を通じて、英語と日本語と両者と格闘しているあなたは素晴らしい日本の発信者となれるはずです。

 

自信をもって英訳者として世界に出ましょう!!!

 

Plain Englishを科目履修、添削付き講座で勉強したい方は以下へ。

http://www.babel.edu/program/31011.html

 

 

また、Plain Englishの書籍はAMAZON USA, AMAZON JAPAN両方で購入できます。

http://www.jta-net.or.jp/jpg/pe_text.jpg 

●「Plain Written English 能力検定試験」試験対策本
 Plain Written Englishテキスト及びワークブックは
 amazon.comで購入いただけます。

>>①Main Text
>>②Work Book

amazon.co.jpでも購入いただけます。

>>①Main Text
>>②Work Book

 


 

第147号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

今、再びPlain Japaneseを考える 2.
     ― 翻訳を通じて日本語表現技術をみがく

バベル翻訳専門職大学院 副学長 堀田都茂樹

 前号のこのコーナーでPlain Business Japanese, Plain Technical Japanese , Plain Legal Japaneseの準備、それも日本語を母国語とする日本人に向けての日本語改革を提案しました。日本語を学習言語として訓練するという視点に欠ける国語教育界への提言と言ってもよいかもしれません。
 
 そして、翻訳こそ、この学習言語としての日本語の訓練の場と言いたいのですが。特に、論理構成のしっかりした、いわば簡潔明快な英語、Plain Englishでかかれたノンフィクション素材を翻訳する過程は日本語表現技術の格好のトレーニングの場となります。これをここではあえて‘教育的翻訳’と言っておきましょう。
 
 もともと論理構成のしつかりした文章を書くことが苦手な日本人一般、それこそ論理構成のしっかりした英語を解釈し、英語の書き手の意図をリバースエンジニアリングするところから始まる英日翻訳は、英語のロジックを学びながら日本語に再表現することになるので、言わば、見本を変換写本していることになります。
 
 この辺をわかりやすくお伝えするために、バベルのPlain Englishのおさらいをしておきましょう。
 
 Plain Englishとは1950年代にルドルフ・フレッシュが米国人に向けて提唱、その後、米国レーガン大統領、英国サッチャー首相もこれを支持し各界で反響を呼びました。議会でも対消費者に向けて簡潔明解な文章を書こうと、消費者保護の観点からもPlain Englishが推奨されました。また、Plain Englishは アニュアルレポート等、IR( Investor’s Relation)の分野においても、その必要性が謳われています。
 

バベルのPlain Englishでは、 4×4=16の基本ガイドラインがあります。
 
1. COHESIVENESS(結束性)のルール
 ①コンテクストに合わせる
 ②論理的な順序に従う
 ③一貫性を保つ
 ④読み手、聞き手の気を散らさない
 
2. DIRECTNESS(直接性)のルール
  ⑤推測ではなく事実を記す
  ⑥主語を明確にする
  ⑦否定語は極力避ける
  ⑧結論を簡潔に記す
 
3. ECONOMY(簡潔性)のルール
  ⑨簡潔を心がける
  ⑩使用頻度の低い単語よりも使用頻度の高い単語を選ぶ
  ⑪従属節の使用を避ける
  ⑫一記述には一要点だけを論じる
 
4. APPROPRIATENESS(適切性)のルール
  ⑬誠実に礼儀正しく、他者に敬意を払う
  ⑭イディオムや俗語は避ける
  ⑮短縮形、くだけた会話体は避ける
  ⑯文法的に正しい文を用いる
 
  そして、この16のルールを
Word
Phrase
Sentence
Paragraph (ロジック)
 それぞれのレベルで細分し、合計80のルールに分け、プロフェショナルにふさわしい英語ガイドライン、ルールを設けたわけです。
 
 とすると、このPlain Englishのモデルとなる文章を翻訳することで生まれる日本語がどんな日本語になるか容易に想像できるでしょう。
 
 ストレートロジックの英語をサーキュラーロジックになりがちな日本語に置き換えるのではなく、そのロジックを忠実に再表現する、そんな追体験となります。
 
 伝えるための表現訓練など特段必要がないと考えがちな日本人一般にとっては、こうした翻訳訓練はまたとない日本語表現技術の演習の場となるでしょう。
 
 更に言えば、Plain Englishにおいては‘Talk as you write’を実践することにより、分かりやすく書くことと、わかりやすく話すことが繋がってくるわけでその学習効果は想像以上のものがあります。
同様に、日本語においても翻訳でPlain Japanese、わかりやすい日本語表現技術を学び、‘書くように話す’訓練ができれば一石二鳥かもしれません。
 
‘方法翻訳’にはこんな効用があることも見逃せません。

第146号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

今、再びPlain Japaneseを考える

バベル翻訳専門職大学院 副学長 堀田都茂樹

 先々月の翻訳編集に関する特集の際に標準となる日本語の必要性、日本語を外国語に翻訳する際も、日本語自体を標準日本語に日日翻訳してから英語化する必要性がある、といったことをお伝えしました。もちろん、英日翻訳においても、バベルの翻訳文法技法のみならず、スタイルガイドに加えて、標準的な日本語作成の技術は必要な技術となります。
 
 バベルでは約25年前にPlain Englishというコミュニケーションのための機能的、Simple & Effectiveな英語を創るルールを作成したことはその際お伝えしました。標準日本語同様、これは英語を読み、書きするときはもちろんのこと日本語から英語に翻訳する際の、英語の標準として役立つものです

ここで改めて、Plain Englishについて復習してみたいと思います。
Plain English購入はこちらから
 
 Plain Englishとは1950年代にルドルフ・フレッシュが米国人に向けて提唱、その後、米国レーガン大統領、英国サッチャー首相もこれを支持し各界で反響を呼びました。議会でも対消費者に向けて簡潔明解な文章を書こうと、消費者保護の観点からもPlain Englishが推奨されました。また、Plain Englishは アニュアルレポート等、IR( Investor’s Relation)の分野においても、その必要性が謳われています。
 
バベルのPlain Englishでは、 4×4=16の基本ガイドラインを設けてあります。

1. COHESIVENESS(結束性)のルール
 ①コンテクストに合わせる
 ②論理的な順序に従う
 ③一貫性を保つ
 ④読み手、聞き手の気を散らさない

2. DIRECTNESS(直接性)のルール
  ⑤推測ではなく事実を記す
  ⑥主語を明確にする
  ⑦否定語は極力避ける
  ⑧結論を簡潔に記す

3. ECONOMY(簡潔性)のルール
  ⑨簡潔を心がける
  ⑩使用頻度の低い単語よりも使用頻度の高い単語を選ぶ
  ⑪従属節の使用を避ける
  ⑫一記述には一要点だけを論じる

4. APPROPRIATENESS(適切性)のルール
  ⑬誠実に礼儀正しく、他者に敬意を払う
  ⑭イディオムや俗語は避ける
  ⑮短縮形、くだけた会話体は避ける
  ⑯文法的に正しい文を用いる
 
  そして、この16のルールを
Word
Phrase
Sentence
Paragraph
 それぞれのレベルで細分し、合計80のルールに分け、プロフェショナルにふさわしい
英語ガイドラインを設けました。
 
 とすると、プレインジャパニーズのガイドラインはPlain English同様に、ノンフィクションライティングの分野において必要な基準と考えます。これにつきましては、約30年前に作家の岳真也先生に日本語の書き方、そして20年ほど前にバベル翻訳専門職大学院の教授の石田佳治先生を中心にプレインジャパニーズルールを考案いただきました。
 
 先日、産業日本語研究会のシンポジウムに参加しましたところ、産業日本語をつくる試みが行われていることを知りました。
以下で産業日本語、日本人のための日本語マニュアルのこころみがご覧になれます。

http://ngc2068.tufs.ac.jp/nihongo/htdocs/
 
 その主張の根拠は、日本経済がこの停滞を脱して世界に伍していくためには、日本語自体を機能化して、産業日本語の基準をつくり、機械翻訳にかけても精度の高い外国語になることをめざし、以って産業競争力をつける、という主張でした。
 
 確かに、日本が世界に伍して世界のリーダーシップをとっていくためには、英語を公用語にするという愚策を考えるのではなく、日本語自体を機能的に整理整頓し、機械翻訳にかけても高い精度の訳文がつくれるような日本語にしていく努力は必要でしょう。また、これは
日本語学習をしている日本語を母国語としていない方々にとっては素晴らしい学習素材となるでしょう。いわば、世界で通用する日本語を学ぶ機会となるわけですから。
 
 バベルではこれまでのPlain Japaneseの開発経験を踏まえ、更にPlain Englishの技術を踏み台に、Plain Japaneseを翻訳の立場から再考したいと考えます。ここで言うPlain Japaneseは文学的な表現は含みません。従って、主にビジネスのコミュニケーションで必要とされる標準日本語、そしてその後は、目的別日本語としてTechnical Plain Japanese, Legal Plain Japaneseのルール化を進めていきたいと考えています。
 
 そのねらいは、バベル翻訳専門職大学院(USA)として、外国語から日本語に翻訳する場合のLinguistic Reviewに活かすことと、また翻訳者が日本語から外国語に翻訳する場合、その稚拙なわかりにくい日本語の日日翻訳(リライト)の基準とするためのものです。これすなわち、機械翻訳にかけやすい日本語の表現技術ともなるのでしょう。
 
 本誌でも4月より、このテーマを人工知能の成果等を踏まえて多角的視点で扱っていきたいと考えております。
是非、関心ある方々の寄稿をお待ちします。

第145号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

2016年心機一転
「日本人が自信を取り戻し、 世界へ‘日本’を発信するとき!!」

バベル翻訳専門職大学院 副学長 堀田都茂樹

 最近の風潮を見ると、自信を失ったかに見える日本の行く末が不安になります。
 
 国を愛しているか、との若者への質問にYESと答える割合が先進国中の最低、PISAの国際学力では、トップクラスに帰り咲きながら、そのやる気の無さは先進国のトップ、また、留学して世界に雄飛しようとする若者の数は、韓国、中国本土、台湾にどんどん追い抜かれている日本。
 
 そんな、やる気のない、覇気のない日本を挽回しようと考えているのは私だけではないでしょう。
 
 また、一方では、中国、韓国の中傷、プロパガンダに右往左往する日本。それぞれの国のお国事情で格好な外敵、悪者とされて反撃できない、自虐的歴史観に犯された日本人。
 

http://relit.biz/kn2711/1521
 
https://www.youtube.com/watch?v=-h5CzvtJky8
 

 そんな時代に、正しい歴史認識の下で、日本の自信を取り戻す必要があるように思います。
 
 故 村山 節(みさお)さんの「 文明800年周期説」や、トインビーの歴史観をとり上げるまでもなく、今、歴史は西欧合理主義から東洋の智へと大きな変換期を迎えています。
 
 東洋の中でも日本は、儒教、仏教、道教、禅、神道という思想哲学の集積地、たまり文化といわれる地域。全てに神を感じ取り、清く明るい志を持ち、見えないものを見、全ては自分のなかにあると内省する日本人。
 
まずは、この素晴らしい日本をただしく認識するところから、日本を世界に発信することができるのでしょう。
 
では、翻訳者として我々は何ができるのでしょうか。
 
 まずは、日本の正しい姿を伝える様々な書籍、情報を英語にして、日本の真の姿を世界に伝える、そんなところから始まるのかもしれません。
 
 日本の姿を世界に伝える国家予算が他の先進国に比べて微々たるものであることに、驚かれる方も多いと思います。
 
 バベルではこれまで、こうした関連書籍として、田口佳史さんの『東洋からの経営発想』、浅井隆さんの『Human Destiny』, 田坂広志さんの『目に見えない資本主義』等の書籍を英訳出版してきてはいますが、未だ、微々たる量です。
http://www.babel.edu/alum/je.html
 
 2020年のオリンピック年を間近にひかえて、BABEL UNIVERSITYとしても、心機一転、日本のほんとうの姿を世界に伝える書籍を英訳し、世界に発信していきたいと考えています。
BABEL UNIVERSITYでは、こうした英語で発信するための翻訳講座、日英翻訳出版入門講座、日英翻訳出版講座、Plain English講座をもってその人材を育ててきました。
 
 結びに、多摩大学大学院 教授、世界経済フォーラム(ダボス会議)グローバル・アジェンダ・カウンシル メンバー、•世界賢人会議 ブダペスト・クラブ 日本代表の田坂広志さんのバベル翻訳専門職大学院に寄せていただきましたことばをお読みください。
 
 『21世紀、この日本という国が世界に対して為すべき貢献は、何か。それは、決して「経済的貢献」や「政治的貢献」だけではありません。何よりも求められているのは「文化的貢献」であることを、我々は知るべきでしょう。
 
なぜなら、歴史的視野で見るならば、いま、世界全体の「知の潮流」は、西洋的な知のパラダイムから東洋的な知のパラダイムへと、螺旋的発展による弁証法的回帰を遂げつつあるからです。特に、東洋の知のパラダイムの中でも、日本的精神は、高度に洗練された禅の思想を始め、自然(じねん)の思想、縁(えにし)の思想など、世界が学ぶべき深みを持ち、その成熟した日本文化は、これから世界に対して大きな影響を与えていくものとなっていきます。
 
すなわち、21世紀は、日本が欧米の文化を輸入し、学ぶ時代から、欧米が日本の文化を輸入し、学ぶ時代になっていきます。そうした時代に、日英・英日翻訳のプロフェッショナルの道を歩まれる皆さんには、単なる「職業的責任」を超え、「歴史的使命」と呼ぶべき役割が与えられています。
 
特に、日英翻訳の世界は、いまだ未踏の荒野であり、あらゆる困難を超え、誰かがこの荒野を切り拓いていかなければなりません。その困難は、単に「日本語を英語に訳す」という技術的な困難ではなく、「日本的な精神や文化の神髄を世界に伝えるための新たな言語のスタイルを生み出す」という困難に他なりません。一人の著者として、その格闘を続けながら願うのは、皆さんの中から、そうした荒野に道を切り拓く「多くの同志」が生まれてくることです。それは、困難に満ちた道でありながら、一人の人間が人生を賭するに値する、素晴らしい道であることを信じています。本日が、皆さんにとって、その「輝ける道」への第一歩となることを祈りつつ。』


 

第144号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

Alumniニューズレターを発行しました。
ぜひご覧ください。

バベル翻訳大学院(USA)Alumni Service Assistant Manager 宮本 寿代

 今回もAlumniの会の活動についてお知らせいたします。

 今月から、Alumniニューズレターを毎月2回、発行することになりました。第1回は昨日(2月9日)にみなさまにお送りいたしました。このニューズレターでは、The Professional Translatorで取り上げた記事のなかで、ぜひ注目していただきたいものを特集するなど、Alumniのみなさまのお役に立つ情報を豊富に盛り込んでいきます。TPTの記事以外にも、新しいコーナーなども順次設けていきますのでお楽しみにお待ちください。
 
 では、昨日お送りしたニューズレターを以下に再掲いたします。まだお読みでない方はぜひご覧ください。
次回のニューズレターは2月22日ごろの発行を予定しております。
 
 
○○○○○-------------------------------------------------------
バベル翻訳大学院(USA) Alumni News Letter
第1号 2016年2月9日発行
 
このニューズレターは、バベル翻訳大学院(USA)のAlumni Serviceより、
院生・修了生の方々にお送りしております。
--------------------------------------------------------○○○○○
 
このたび、バベル翻訳大学院(USA)のAlumni Serviceより、
新たにニューズレターを発行することになりました。Alumniが発行しているThe Professional Translator(TPT)の注目記事など、みなさまのお役に立つ情報をお伝えしていく予定です。
どうぞよろしくお願いいたします。
 
<<<目次>>>
【1】 TPT 第142号から 注目記事 [巻頭言]
【2】 TPT 第142号から 注目記事 [Alumni編集室から]
【3】 日本翻訳協会からのお知らせ
 
============================================================
【1】 TPT 第142号から 注目記事 [巻頭言]
============================================================
温故知新 ― 変化を受け入れる
 バベル翻訳大学院 学長  湯浅 美代子
 
 2016年 新年あけましておめでとうございます。今年はどんなお正月を迎えられたでしょうか?
エルニーニョのおかげで、日本だけでなく、世界各地が暖冬ということで、今年のお正月、とりわけ三ガ日は晴天にも恵まれ、とても穏やかで、かつ暖かい日々を堪能しました。

 犬の散歩が日課なので、お正月といえども、欠かすわけにはいかないのですが、暖かい日の光を浴びて日向ぼっこしながらの読書ができて、心もすごく静かなのです。
とてものびのびしたお正月でした。
 
 現代の私たちは、一方では国と国の国交断絶のニュースを聞き、一方で、梅の花が開き、うららかな春の訪れのような陽気のニュースが届き、排気ガスデータねつ造のニュース、株価は下落して始まったが、その日のうちに乱高下した、というような雑多で多様な情報が飛び交う現実を体験しています。
国交断絶のニュースと梅の開花と排気ガス、株価のニュースは同じレベルで語ることはできませんが、ニュースとしての扱いは同じです。

 それこそ、ネット上では個人の出来事、社会のイベント、自然現象など、時々刻々ニュースが流されています。そこで言えば、
いや、株価はみな織り込み済みだ! となるのでしょう!
 
 この情報が膨大にふくれ上がっていく現代は、まさに【ビッグデータ】の時代ですね!翻訳に従事する者としては、この【ビッグデータ】を知らずして通り過ぎるわけにはいきませんね!

 当然、これからの時代を画す技術「人工知能」は、この【ビッグデータ】なしでは語ることができません。そこで、翻訳者のための「ビッグデータ入門」のセミナーが、1月14日からスタートします。
JTAとバベル翻訳大学院の共催です。ZOOM参加が可能ですから、興味のある方は必見です!私も参加することにしています。
 内容はこちら: http://www.jta-net.or.jp/seminar_bigdata.html
 
 昨年修了されたMSTホルダーの方は、ビッグデータの 「統計解析」技術を使いこなすお仕事に従事されていました。とても面白かったそうですが、きっかけとなることが起きたタイミングでそのお仕事をやめられ、翻訳者を志し、昨年、見事修了されて、翻訳修士号を取得され、MSTホルダーとなられたのです。

 ここにも、ビッグデータと統計解析と翻訳専門職という三つのキーワードがつながっていました!! ……
 
※続きはこちらから:http://e-trans.d2.r-cms.jp/kantou/
 
============================================================
【2】 TPT 第142号から 注目記事 [Alumni編集室から]
============================================================
2016年 ― 翻訳の資格が問われる時代へ!! <一部抜粋>
米国バベル翻訳大学院 副学長 堀田 都茂樹
 
 既に、昨年にこのコーナで院生、修了生の皆様にお知らせしたことですが、 いよいよ本年2月、バベルグループを再編し、世界翻訳規格(ISO17100)の要求要件を踏まえた専門分野別の‘翻訳 / 通訳サービスプロバイダー’をスタートさせます。

 従って、再三の案内となりますが、この‘翻訳サービスプロバイダー’のトライアルと考えて、一般社団法人 日本翻訳協会の翻訳認定試験をそれぞれの専門分野でご受験ください。
http://www.jta-net.or.jp/index.html

 翻訳者として、また翻訳プロジェクトマネージャーとしてのお仕事をお願いする際もこの資格の有無を前提とします。従って、これらの資格の2級以上をめざすことも、これからの皆様の到達目標の1つとお考えください。
 
 以下は、これまで何度かお話ししてきましたので耳たこかと思いますが、改めて申し上げれば、それは‘ 第3者資格認証のすすめ ’です。
 バベル翻訳大学院のトップページで、私が3つのブランディングという話をしています。 その中の3つ目として、他と差別化して、大競争時代に生き抜く方法としての第3者資格 認証の必要性を説明しています。
http://www.babel.edu/
 
 バベルの翻訳大学院で修士号を修める、バベルプレスから翻訳書を出版する、バベルグループで翻訳の実績を積む等、バベルグループ内での実績、実力認証は決して価値がないということではもちろんないのですが、これに加え、是非、‘バベル’の外での認証、すなわち、翻訳資格の取得も大事にしてほしいのです。
 
‘Inbreeding’ということばをご存知でしょうか。欧米では、この純血主義を嫌います。
 思い出しますと、1999年、バベル翻訳大学院が米国教育省認可の教育品質認証機関DETC (現 DEAC ) の品質認証(Accreditation)を受けるために3日間の監査チームの監査を米国で受けているときのことでした。

 教育品質基準担当の監査員(米国の大学院教授)から、それはInbreedingなので、米国では価値があるとみなされません、避けるべきです‘という指摘をうけました。

 バベルは40年余り、翻訳文法をはじめ、翻訳教育の独自の方法論のもとに世界の翻訳 業界に多くの翻訳者を排出してきました。それは、バベルの大学院で学び、学んだ院生が修了後、そのノウハウを基に大学院で教鞭をとり、後輩にこれを伝えてゆくというシステムです。

 その循環型の教育システムをバベルは大学院でも採用する予定である、といった時に、それはInbreedingなので、米国では価値があるとみなされない、避けるべきである’と言われたのです。

 日本では確かに出身大学で教職に就くことが多いと思いますが。これを否定されたときは一瞬戸惑いましたが、こう切り返しました。
しかし、教育内容がユニーク、オンリーワンである場合は、教職者を他の大学院から採用するのは不可能でしょうと。
それに対する明確な返答は、その監査官からは聞けませんでした。

 すでに、教育品質認証を受けて3期、15年を過ぎた今では、むしろ、そのユニークさを前提に独自の教職体制を組もうと割り切っている現在です。
 
 話は長くなりましたが、事ほど左様に、欧米的な考え方では、一般的に第3者機関の 認証を受けることに価値を置きます。
と言うことで、皆様に強くおすすめするのは、バベルの大学院の修士号(MST)、バベルの単科履修証明(Certificate)だけではなく、例えば一般社団法人日本翻訳協会の翻訳資格等をとっておいて欲しいのです。
そして、それは言わば新しく発足する‘翻訳サービスプロバイダー’のトライアルでもあるわけです。
 
 受験を容易にするために、バベル翻訳大学院(USA)では一般社団法人日本翻訳協会の翻訳資格の受験料を負担して、みなさんが無料で受験できるようにしています。
http://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam_all.html
http://www.jta-net.or.jp/about_publication_exam.html
http://www.jta-net.or.jp/about_business_exam-2.html
 
 大学院の院生、修了生の皆様に新しい‘翻訳 / 通訳サービスプロバイダー’からお仕事を紹介する際にも、これらの試験の成績も重視していこうと考えています。
また、これらの資格は翻訳業界でも十二分に評価されるはずです。

 これらのチャレンジは‘翻訳大競争時代’に大きな差別化となることを確信しています。
※全文はこちらから:http://e-trans.d2.r-cms.jp/alumni/
 
============================================================
【3】日本翻訳協会からのお知らせ
============================================================
一般社団法人 日本翻訳協会  試験のご案内
 
1. JTA公認 出版翻訳能力検定試験
<2016年2月>
1)   第11回絵本翻訳能力検定試験
2)   第6回ロマンス翻訳能力検定試験
3)   第8回スピリチュアル翻訳能力検定試験
実施日:2016年2月20日(土)10:00~13:00(日本時間)
締切り:2016年2月16日(火)(日本時間)
試験の詳細・お申込みはこちら↓
http://www.jta-net.or.jp/about_publication_exam.html
 
2. JTA公認 ビジネス翻訳能力検定試験
 <2016年2月>
1)   第10回 医学/薬学翻訳能力検定試験(英日・日英)
2)   第10回 特許翻訳能力検定試験(英日・日英)
3)   第3回【日英】医学/薬学翻訳能力検定試験
実施日:2016年2月20日(土)10:00~12:00(日本時間)
締切り:2016年2月16日(火)(日本時間)
 試験の詳細・お申込みはこちら↓
http://www.jta-net.or.jp/about_business_exam-2.html
============================================================

 
2016年2月9日発行 バベル翻訳大学院(USA) Alumni Service
 
このご案内はBABEL UNIVERSITYから配信しております。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発行元:Babel University Professional School of Translation
Home Page:http://www.babel.edu
無断での転載・複写を禁止します。
Copyright(c) 2016 Babel Corporation All rights reserved.
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
当大学院からのご案内の配信停止をご希望の方は、下記フォームをご利用ください。
https://www.babel.co.jp/form/stp2.html
※掲載されている記事の無断複写・転載を禁止します。

 

第143号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

「JTA認定リーガル翻訳能力検定試験―傾向と対策」 
次号特集にて寄せて

Babel University講師 翻訳家 五月女 穰

2月10日号から3月25日号まで4回に亘り、「JTA認定リーガル翻訳能力検定試験―傾向と対策」と題して特集記事を掲載致します。
 
一見堅苦しいタイトルですが、リーガル翻訳を中心とした一般的な翻訳の世界についての説明、及びリーガル翻訳についての一般的な試験が主な内容なので、肩の力を抜いて軽い気持ちで読んで頂ければと思います。
各回の主な内容は、以下の通りです。
 
第1回目は、リーガル翻訳全般についてです。最初に、リーガル翻訳とはどのような翻訳なのか、何故リーガル翻訳が必要なのか、世に中のグローバル化に伴い、リーガル翻訳の市場も拡大の一途を辿っていると言われておりますが、現状どの程度の規模なのだろうか、翻訳会社に支払う金額及び翻訳者が受取る翻訳料はどれくらいなのだろうか、等々リーガル翻訳全般についてご説明致します。
 
更に、第一回目では、リーガル翻訳の特徴について説明致します。他の翻訳、特に文芸翻訳とはどう違うのか。文芸翻訳は、一般的な読者が対象となり、読者が思わず引き込まれるような表現力豊かで、翻訳者のひらめき感じられる訳文が要求されます。2~3年前NHKの朝の連続ドラマで翻訳者村岡花子の生涯が放送されましたが、彼女が翻訳した「赤毛のアン」が一世を風靡したのは、原作の良さもさることながら、彼女の翻訳の素晴らしさ因るところが大きいと言えるでしょう。
これに対して、リーガル翻訳では、読者層は、通常、弁護士、企業の法務担当者等、リーガルに関係にしている人達に限定されており、彼らのニーズに対応した定訳、定型文等言わばルールに基づいたプロフェッショナルな翻訳が要求されます。リーガル翻訳は、情緒のない言わば無味乾燥な世界ですが、極めて精度の高い翻訳が要求されていることを強調したいと思います。
 
第2回目では、第1回目内容を踏まえて、リーガル翻訳の特徴を更に詳しく説明致します。
リーガル翻訳特有の翻訳手法、例えばNoで始まる文章の訳し方、受身形の英文を能動形の日本文に訳す、英語の名詞形を日本語の動詞に訳す等、可能な限り紹介致します。又、英文契約書では、契約の如何を問わず、ボイラー・プレート・クローズと称される共通条項があります。不可抗力、準拠法、秘密保持条項等です。これ等につても触れる予定です。
第1回目及び第2回目のここまでで、読者の皆さんにはリーガル翻訳の概略を把握して頂ければ思っております。
第2回目の後半からは、リーガル翻訳の学び方、リーガル翻訳者に求められる要因についてです。
先ず日本語力です。いくら英語が出来ても十分な日本語力が無いと翻訳は出来ません。
そして、当然のことながら英語力が必要であり、他に基礎的な法律知識、ITへの対応力等が求められます。これ等についても出来るだけ詳しく説明致します。
 
第3回目及び第4回目は、過去の具体的な試験問題、解答例及び解説です。第3回目は、英日翻訳及び英日翻訳試験問題で、第4回目が要約問題です。英日翻訳、日英翻訳は、何れも実社会で頻繁に目にする法律文です。又第4回目の要約問題は、多少長い英文を300字以内の日本文に要約する内容です。実社会では、長文の翻訳に際して、別途要点をまとめるよう要求される場合もあるので(executive summaryの作成)、このような長文の英文の要点を把握することに慣れることも必要でしょう。

 
五月女 穰
早稲田大学第一法学部卒。翻訳家。
大手総合商社にて主として海外営業・海外法務を担当。
Babel Universityにてリーガル翻訳を学ぶ。
現在Babel University講師、一般社団法人日本翻訳協会試験委員等を務める。
 


第142号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

2016年 ― 翻訳の資格が問われる時代へ!!

米国バベル翻訳大学院 副学長 堀田 都茂樹

 既に、昨年にこのコーナで院生、修了生の皆様にお知らせしたことですが、 いよいよ本年2月、バベルグループを再編し、世界翻訳規格(ISO17100)の要求要件を踏まえた専門分野別の‘翻訳 / 通訳サービスプロバイダー’をスタートさせます。

 従って、再三の案内となりますが、この‘翻訳サービスプロバイダー’のトライアルと考えて、一般社団法人 日本翻訳協会の翻訳認定試験をそれぞれの専門分野でご受験ください。

http://www.jta-net.or.jp/index.html

 翻訳者として、また翻訳プロジェクトマネージャーとしてのお仕事をお願いする際もこの資格の有無を前提とします。従って、これらの資格の2級以上をめざすことも、これからの皆様の到達目標の一つとお考えください。

 以下は、これまで何度かお話ししてきましたので耳たこかと思いますが、改めて申し上げれば、それは‘ 第3者資格認証のすすめ ’です。

 バベル翻訳大学院のトップページで、私が3つのブランディングという話をしています。 その中の3つ目として、他と差別化して、大競争時代に生き抜く方法としての第3者資格 認証の必要性を説明しています。

http://www.babel.edu/

 バベルの翻訳大学院で修士号を修める、バベルプレスから翻訳書を出版する、バベルグループで翻訳の実績を積む等、バベルグループ内での実績、実力認証は決して価値がないということではもちろんないのですが、これに加え、是非、‘バベル’の外での認証、すなわち、翻訳資格の取得も大事にしてほしいのです。

‘Inbreeding’ということばをご存知でしょうか。
欧米では、この純血主義を嫌います。

 思い出しますと、1999年、バベル翻訳大学院が米国教育省認可の教育品質認証機関DETC (現 DEAC ) の品質認証(Accreditation)を受けるために3日間の監査チームの監査を米国で受けているときのことでした。教育品質基準担当の監査員(米国の大学院教授)から、それはInbreedingなので、米国では価値があるとみなされません、避けるべきです‘という指摘をうけました。

 バベルは40年余り、翻訳文法をはじめ、翻訳教育の独自の方法論のもとに世界の翻訳 業界に多くの翻訳者を排出してきました。それは、バベルの大学院で学び、学んだ院生が修了後、そのノウハウを基に大学院で教鞭をとり、後輩にこれを伝えてゆくというシステムです。その循環型の教育システムをバベルは大学院でも採用する予定である、といった時に、‘それはInbreedingなので、米国では価値があるとみなされない、避けるべきである’と言われたのです。

 日本では確かに出身大学で教職に就くことが多いと思いますが。これを否定されたときは一瞬戸惑いましたが、こう切り返しました。しかし、教育内容がユニーク、オンリーワンである場合は、教職者を他の大学院から採用するのは不可能でしょうと。
それに対する明確な返答は、その監査官からは聞けませんでした。

 すでに、教育品質認証を受けて3期、15年を過ぎた今では、むしろ、そのユニークさを前提に独自の教職体制を組もうと割り切っている現在です。

 話は長くなりましたが、事ほど左様に、欧米的な考え方では、一般的に第3者機関の 認証を受けることに価値を置きます。

 と言うことで、皆様に強くおすすめするのは、バベルの大学院の修士号(MST)、バベルの単科履修証明(Certificate)だけではなく、例えば一般社団法人日本翻訳協会の翻訳資格等をとっておいて欲しいのです。そして、それは言わば新しく発足する‘翻訳サービスプロバイダー’のトライアルでもあるわけです。

 受験を容易にするために、バベル翻訳大学院(USA)では一般社団法人日本翻訳協会の翻訳資格の受験料を負担して、みなさんが無料で受験できるようにしています。

http://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam_all.html

 以下が、検定試験の分野です。

翻訳専門職資格試験(翻訳総合力認定)
  • Language& Cultural Competence
  • Expert Competence
  • IT Competence
  • ManagerialCompetence

出版翻訳能力検定試験
  • 出版シノプシス能力検定試験
  • 絵本翻訳能力検定試験 
  • ヤングアダルト・児童書翻訳能力検定試験
  • エンターテインメント小説翻訳能力検定試験
  • ロマンス小説翻訳能力検定試験
  • スピリチュアル翻訳能力検定試験
  • 一般教養書(ビジネス関連)翻訳能力検定試験
  • 一般教養書(サイエンス関連)翻訳能力検定試験

ビジネス翻訳能力検定試験
 〈英日・日英分野〉
  • IR/金融翻訳能力検定試験
  • リーガル翻訳能力検定試験
  • 医学/薬学翻訳能力検定試験
  • 特許翻訳能力検定試験
 〈日英分野〉
  • 【日英】医学/薬学翻訳能力検定試験

翻訳プロジェクトマネージャー資格基礎試験
翻訳プロジェクトマネージャー資格上級試験
  • 時間管理
  • 人材管理
  • 資源管理
  • コスト管理
  • 顧客管理
  • コンプライアンス管理

Plain Written English能力検定試験

*その他、中国語、フランス語、ドイツ語分野の試験もあります。

 大学院の院生、修了生の皆様に新しい‘翻訳 / 通訳サービスプロバイダー’からお仕事を紹介する際にも、これらの試験の成績も重視していこうと考えています。
また、これらの資格は翻訳業界でも十二分に評価されるはずです。

 これらのチャレンジは‘翻訳大競争時代’に大きな差別化となることを確信しています。

http://www.jta-net.or.jp/about_publication_exam.html
http://www.jta-net.or.jp/about_business_exam-2.html

なお、本誌でも2月号より、日本翻訳協会の協力もと資格試験対策を特集していきます。
お楽しみに!!

第140号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

翻訳と編集 (と創作) の距離

米国バベル翻訳大学院 副学長 堀田 都茂樹
 今月より2か月にわたって、特集では、翻訳者に求められる編集力について考えてみたいと思います。はじめに現代にいたる翻訳者の役割を考えてみましょう。
 
 日本は明治維新以来、福沢諭吉、西周、中江兆民をはじめ多くの啓蒙家が、西欧の文化、文物を‘和魂洋才’を念頭に急速に取り入れ、国家の近代化を果たしてきました。これは、換言すれば、‘翻訳’を通して当時の西欧の先進文化、文明を移入してきたと言えます。
俗に、‘翻訳立国―日本’と言われる所以です。
 
  六世紀から七世紀にかけて中国文化を移入したときには大和言葉と漢語を組み合わせて翻訳語を創り、明治維新以降は西欧の人文科学、社会科学等のそれまで日本にはなかった抽象概念を翻訳語として生み出してきました。Societyが社会、 justiceが正義、truthが心理、reasonが理性、その他、良心、主観、体制、構造、弁証法、疎外、実存、危機、等々、これらの翻訳語は現在のわたしたちには何の違和感もなくなじんできているのは承知の通りです。
 
 このように翻訳の役割は時代と共に変化していくと言えるでしょう。しかし、現代は世界がワンマーケットと言われる時代、翻訳は隅々まで行き渡りその役割、翻訳の意味も技術も様変わりしています。
 
 誰しもものを気軽に書いて発信する時代においては、それらを翻訳する立場のプロに求められるのは原文を忠実に置き換えるだけではなく、更に原作者の意図を組んで再表現する必要があると言っても過言ではないでしょう。原文が言語表現技術的に未熟な例もまれではないわけです。この辺は翻訳論的には議論されるべきテーマではあるかと思いますが、翻訳を実践の学ととらえるべきと考える私どもは、少なくとも原作者の意図を組んで再構成する線まで立ち入るべきと考えます。
 
 こうした言語表現技術が未熟な例だけではなく、例えば日本人の技術者が書いた文章では、専門知識があるものとして書かれてしまうと、さっぱり理解不能な翻訳になる場合も多々あります。その場合は、その表現を、日本語であれば日日翻訳をすることになり、その上で翻訳を試みます。
 
 とするとこれまでも言われてきたように、翻訳者はより以上にターゲツトラングエージの表現技術の力量、すなわち英語の表現技術が問われることになります。
 
 
バベルでは英語表現の標準技術のとしPlain Englishを提唱してきました。
Simple& Effectiveなわかりやすい英語表現を一つのガイドラインとして翻訳教育にも活用しています。
 
Plain Englishとは1950年代にルドルフ・フレッシュが米国人に向けて提唱、その後、米国レーガン大統領、英国サッチャー首相もこれを支持し反響を呼びました。議会でも対消費者に向けて簡潔明解な文章を書こうと、消費者保護の観点からも推奨されました。また、 アニュアルレポート等、IR( Investor’s Relation)の分野においても、このPlain Englishは広く支持されて今日に至っています。
 
Plain Englishでは、 4×4=16のガイドラインを設けました。
 
1. COHESIVENESS(結束性)のルール
 ①コンテクストに合わせる
 ②論理的な順序に従う
 ③一貫性を保つ
 ④読み手、聞き手の気を散らさない
2. DIRECTNESS(直接性)のルール
  ⑤推測ではなく事実を記す
  ⑥主語を明確にする
  ⑦否定語は極力避ける
  ⑧結論を簡潔に記す
3. ECONOMY(簡潔性)のルール
  ⑨簡潔を心がける
  ⑩使用頻度の低い単語よりも使用頻度の高い単語を選ぶ
  ⑪従属節の使用を避ける
  ⑫一記述には一要点だけを論じる
4. APPROPRIATENESS(適切性)のルール
  ⑬誠実に礼儀正しく、他者に敬意を払う
  ⑭イディオムや俗語は避ける
  ⑮短縮形、くだけた会話体は避ける
  ⑯文法的に正しい文を用いる
 
  そして、この16のルールを
Word
Phrase
Sentence
Paragraph
 それぞれのレベルで細分し、合計80のルールに分け、プロフェショナルにふさわしい英語ガイドラインを設けました。
 
 とすると、英日の翻訳者にとっても、少なくともノンフィクションにおいてはプレインジャパーニーズなる表現のガイドラインを持つべきと考えます。
 
 バベルでもこのガイドライン作成を試みましたが、日本語の場合、日本語自体が‘ゆるんで’いることもあり(良い意味で)、残念ながら英語ほど体系化した理論にまとめ上げられませんでした。(機会があればご紹介いたします)
 
 いずれにしましても、翻訳者が編集力をもって言語表現を創り上げていくにはターゲツトラングエージの力量が大きく問われます。
 
 誤解を恐れず言いますと、この段階では翻訳と編集の距離は無いに等しいと言えるでしょうし、翻訳、編集と創作の距離も極めて近い距離にあると言っても過言ではないのではないでしょうか。
 
 作家の多くがある種のリバースエンジニアリングでモデルとなる作家の技術を‘盗んで’いるとすれば、それは‘方法翻訳’の領域に極めて近いと言えるのではないでしょうか。
 
翻訳者で作家を兼業される方が多いのもうなずけるところです。
 
翻訳者もそんな観点で欲をもってキャリアをデザインしたいところです。
 

第139号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

プロセスの試行錯誤を楽しむ!!

米国バベル翻訳大学院 副学長 堀田 都茂樹

 前回のこの稿で、ビックデータ解析の進歩により、人工知能が更に進み、人の教育に新たな知見が期待されるというコンピュータサイエンティストのビジネス策略に注意したいと書きました。
 
 教育、人を育てるという人の裁量領域に過剰にコンピュータを介入させすぎる気がします。
 
 人を育てるのに一番必要と思われる‘じっと見守る’といったディープティーチングの技を
忘れてはならないように思います。
 
 ここまでが、前回の復習ですが、今回はグーグル、テスラモーター等で話題の自動運転技術について考えてみたいと思います。
 
 教育の自動教育システムがあり得ないように、運転に自動運転は様々な理由であり得ないように思います。
 
 政府は、2017年までに信号情報や渋滞情報等のインフラ情報を活用した高度運転支援システムを、2020年代前半には緊急時にのみドライバーが対応すれば良いシステムの市場化を計画、ドライバーが全く関与しない完全自動走行システムを2030年に実現することを目指していると言います。
 
 三菱電機はGPS衛星よりも高精度の位置情報が得られる準天頂衛星を使った自動運転をめざし、トヨタは、車載のミリ波レーダーやカメラ、地図情報と照合しながら最適な走行ラインを算出する技術を、ホンダは車載のレーザースキャナやカメラなどで、ハンドルやアクセルを自動的に操作しながら、前走車との車間距離を一定に保つ技術を、日産も車載のレーザースキャナやカメラなどで周囲の状況を検知、自動的に衝突を避けたり、車線変更や信号による停止・発信などを行う技術を開発中と言います。
 
 しかし、私のように運転好きの人間に、自動運転で制限速度80キロで一定の間隔を自動保持して走り続ける車に乗っていろと言われても、そのストレスに耐えられるのか自信がありません。
 
 また、自身で自動運転から手動に切り替えられるとすると、誰が責任をもって運転しているのか分からなくなる、これほど怖いことはないのではないのでしょうか。おまけに、事故が起こった場合、その責任をだれが負うのでしょうか。
 
 人を教える、車を運転する、いずれの場合にも危機回避のツールとしてこうしたハイテクを活用するのは理解できますが、人を教える試行錯誤、車を運転する醍醐味を機械には譲り渡したくないと考えるのは私だけでしょうか。
 
‘プロセスを楽しむ、たとえ試行錯誤があっても’過剰介入は避けたいところです。
 

第138号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

人工知能、ビックデータのむこうに有るもの

米国バベル翻訳大学院 副学長 堀田 都茂樹


第1次産業革命
 18世紀末 蒸気機関の発明による機械化
第2次産業革命
 19世紀末 電力による大量生産
第3次産業革命
 20世紀後半 コンピューターの導入による生産の自動化
第4次産業革命
 21世紀前半 Internet of Things によるSmart Factory(考える工場)の実現
 
 コンピュータサイエンティストの研究の対象であるプロセッサー、メモリー、OS、そしてプログラミングの領域が研究対象として魅力を無くしていくなか、彼らの研究対象は2極化していると聞きます。
 
一つは、第4次産業革命に代表されるInternet of Thingsの領域。
 
そして今一つは‘人間’、なかでも教育の領域へ向かっていると言います。
 
それは、
・人工知能
・ロボティックス
・自然言語処理
・ビックデータ
へ向かう世界です。
 
 教育の領域ではeラーニングからDigital Learningへ向かいつつあると言われるように、このデジタルラーニングの領域では、ビックデータを利用して様々な実験的こころみがなされ、画期的な知見が発見されるかもと?言われています。
 
 これは、皆さんもご存じのMOOC,CERTOSA等、数百万人に教育機会を提供するシステム、まさに、これだけの数の学習データがあってこそのData Analyticsの世界だからです。
 
 ここからどんな教育への知見が出されるかはこれからに待つしかないのですが、ここでは参考までにこんな米国の会社を紹介しましょう。
 
 それはニューヨークに本拠地を置く、Knewtonという企業です。このニュートンはアリゾナ州立大学と巨額の契約を結んで業界内で話題になっているそうです。ニュートンは、アメリカのテスト会社大手のピアソンと協力し、教員にひとりひとりの学生がどこを理解し、どこでつまずいているか、なぜ理解できないのかを把握し、場合によっては、その前の段階のモジュールに導く、といった独自のオンラインコースソフトウェアを提供しているそうです。
 
 このように学生一人ひとりの理解度に合わせて学習内容を変えていくことを英語でAdaptive Learningと言います。
 
 これらの意思決定の根拠となるのは、ピアソンの過去に集積された膨大なデータに基づいたカリキュラムだそうです。ニュートンはそれに現在の履修学生のデータをリアルタイムにどんどん集積させ、このピアソンのカリキュラムをクライアントの大学のために随時改善して提供していくというシステムを構築したそうです。
 
 しかし、こうした動向に注目する必要があるにしても、人を扱う教育にこうした視点に偏って挑むのは無謀とも思えます。
 
 計数、データに基づく西欧合理主義的アプローチでは人を扱う教育については手に余る部分が多くあるように思います。いかに人工知能を駆使してビックデータ解析が進んだとしても、人口知能には以下の限界があるように、人を育て上げることには多くは期待できないように思います。
 
・意思がない
・知覚できない
・事例が少ないと機能しない
・枠組みのデザインができない
・問いを生み出せない
・ひらめきがない
・常識的な判断ができない
・リーダーシップが取れない
(安宅和人 ヤフー チーフストラテジーオフィサー)
 
 教育については、そもそも人間とは何か、改めてそんな問いからのアプローチが必要なのではないでしょうか。
 
更に言えば、人工知能には、東洋流の
 
・見えないものを見る
・全ては内にあると言う物事のとらえ方
・命に基づき考える
・鋭い感性
・深い精神性
 
といった人間と人間社会を深くとらえる視点は望むべくもないわけで、そこはむしろ長年の経験と深い思索から来るある種の直観がものを言うように思います。
 
「直観は
あやま たない」
これは教育に携わるものにも信じるに値する視点かと考えます。
 

 

第137号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

Alumniの会 ウェブページが新しくなりました  
ぜひご活用ください
バベル翻訳大学院(USA)Alumni Service Manager 宮本 寿代

 Alumniの会の活発化については、これまで本誌上でもお知らせしてまいりました。今回は、その一つとして、ウェブページの更新について案内いたします。このたび、Alumniの会のページが新しくなりました。http://www.babel.edu/mstpb/をご覧ください(一部、工事中の箇所がありますが、順次更新予定です)。
 大学院のトップページ、および各専攻ページにも、このAlumniページへのリンクが設けられています。場所については、下記の図もご参照ください。
 
 新しいAlumniページでは、修了生および受講生の方々をはじめとするみなさまに向けて、バベル翻訳大学院からのお知らせ、仕事情報、ニュースやイベント情報、修了生の声や活躍状況など、さまざまな種類の情報を発信しています。また、バベルグループの各セクションやWeb雑誌へのリンクも設けてありますので、このページからたくさんの情報にアクセスできます。ぜひご活用ください。また今後も、ページの内容を充実させていく所存です。みなさまが翻訳書を出版したり、ご自身でウェブサイトを開設したりした際に、こちらのページで紹介するなど、情報を見ていただくだけではなく、みなさまからの発信もできるようにするつもりです。今挙げたほかにも、こういった情報を載せてほしい、こうした情報が見られると便利、といったご要望やご意見がありましたら、ぜひお寄せください。
Alumniの会の活発化のためにも、このページをより利用価値の高いページに発展させたいと考えていますので、みなさまのご協力は欠かせません。
 
facebookやtwitter でも大学院からの情報を提供しています。ぜひあわせてご覧ください。
(https://www.facebook.com/BabelUniversity, https://twitter.com/BABELUNIVERSITY)
 
 Alumniの会の活動について、今後もまた本誌上でもお知らせすることがあると思います。これからもご協力をお願いいたします。


Alumniページはこちらから、あるいは以下のリンクからどうぞ!
  201510211723_1.jpg

第136号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

2015年を充実して締めるために 
- 日本翻訳協会の各種翻訳検定にチャレンジ!!

米国バベル翻訳大学院 副学長 堀田 都茂樹 

201509110100_1.gif 既に、今年になってこのコーナで院生、修了生の皆様にすでにお知らせしたことですが、いよいよ本年12月までには、世界翻訳規格(ISO17100)の要求項目を踏まえた専門別の‘翻訳専門職法人’をスタートさせます。
 
 従って、再三の案内となりますが、この‘翻訳専門職法人’のトライアルと考えて一般社団 日本翻訳協会の翻訳認定試験をそれぞれの専門分野で受験ください。

http://www.jta-net.or.jp/index.html

 
 翻訳者として、また翻訳プロジェクトマネージャーとしてのお仕事をお願いする際もこの資格の有無を前提とします。従って、これらの資格の2級以上をめざすことも、これからの皆様の到達目標の一つとなるとお考えください。
 
 以下は、これまで何度かお話ししてきましたので耳たこかと思いますが、改めて申し上げれば、それは 第3者資格認証のすすめ です。
 
 バベル翻訳大学院のトップページで、私が3つのブランディングという話をしています。
その中の3つ目として、他と差別化して、大競争時代に生き抜く方法としての第3者資格
認証の必要性を説明しています。

http://www.babel.edu/support/index.html

 
 バベルの翻訳大学院で修士号を修める、バベルプレスから翻訳書を出版する、バベルグループで翻訳の実績を積む等、バベルグループ内での実績、実力認証は決して価値がないということではもちろんないのですが、これに加え、是非、‘バベル’の外での認証=翻訳検定も大事にしてほしいのです。
 
‘Inbreeding’ということばをご存知でしょうか。
欧米では、この純血主義を嫌います。
 
 思い出しますと、1999年、バベル翻訳大学院が米国教育省認可の教育品質認証機関DETC (現 DEAC ) の品質認証(Accreditation)を受けるために3日間の監査チームの監査を米国で受けているときのことでした。教育品質基準担当の監査員(米国の大学院教授)から、それはInbreedingなので、米国では価値があるとみなされません、避けるべきです‘という指摘をうけました。
 
 バベルは40年余り、翻訳文法をはじめ、翻訳教育の独自の方法論のもとに世界の翻訳業界に多くの翻訳者を排出してきました。それは、バベルの大学院で学び、学んだ院生が修了後、そのノウハウを基に大学院で教鞭をとり、後輩に伝えてゆくというシステムです。その循環型の教育システムをバベルは大学院でも採用する予定である、といった時に、‘それはInbreedingなので、米国では価値があるとみなされない、避けるべきである’と言われたのです。
 
 日本では確かに出身大学で教職に就くことが多いと思いますが。これを否定されたときは一瞬戸惑いましたが、こう切り返しました。しかし、教育内容がユニーク、オンリーワンである場合は、教職者を他の大学院から採用するのは不可能でしょうと。
 
それに対する明確な返答は、その監査官からは聞けませんでした。
 
 すでに、教育品質認証を受けて3期、約15年を過ぎた今では、むしろ、そのユニークさを前提に独自の教職体制を組もうと割り切っている現在です。
 
 話は、長くなりましたが、事ほど左様に、欧米的な考え方では、一般的に第3者機関の認証を受けることに価値を置きます。
 
 と言うことで、皆様に強くおすすめするのは、バベルの大学院の修士号(MST)、バベルの単科履修証明(Certificate)だけではなく、例えば一般社団法人日本翻訳協会の翻訳資格等をとっておいて欲しいのです。それは言わば新しく発足する‘翻訳専門職法人’のトライアルでもあるわけです。
 
 受験を容易にするために、バベル翻訳大学院(USA)では一般社団法人日本翻訳協会の翻訳資格の受験料を毎回一定額は負担して、みなさんが優待割引価格で受験できるようにしています。

http://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam_all.html

 
以下が、検定試験の分野です。
 
翻訳専門職資格試験(翻訳総合力認定)
•Language& Cultural Competence
•Expert Competence
•IT Competence
•Managerial Competence
 
翻訳出版能力検定試験
•出版シノプシス
•絵本翻訳 
•ヤングアダルト・児童書翻訳
•エンターテインメント翻訳
•ロマンス翻訳
•スピリチュアル翻訳
•一般教養書(ビジネス関連)翻訳
•一般教養書(サイエンス関連)翻訳
 
翻訳ビジネス能力検定試験
•IR/金融翻訳能力検定試験
•リーガル翻訳能力検定試験
•医学/薬学翻訳能力検定試験
•特許翻訳能力検定試験
 
翻訳プロジェクトマネージャー資格基礎試験
翻訳プロジェクトマネージャー資格上級試験
•時間管理
•人材管理
•資源管理
•コスト管理
•顧客管理
•コンプライアンス管理
 
Plain Written English能力検定
 
*その他、中国語、フランス語、ドイツ語分野の試験もあります。
 
 大学院の院生、修了生の皆様に新しい‘翻訳専門職法人’からお仕事を紹介する際にも、これらの試験の成績も重視していこうと考えています。
また、これらの資格は翻訳業界でも十二分に評価されるはずです。
 
 今年も余すところ3か月弱、これらの資格が来年から始まる‘翻訳大競争時代’に大きな力となることを確信しています。10月、11月、12月の試験の果敢なチャレンジをお待ちします!!!

http://www.jta-net.or.jp/about_publication_exam.html
http://www.jta-net.or.jp/about_business_exam-2.html
 

第135号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

プログラミング教育の義務教育化を考える

                                                                                     米国バベル翻訳大学院 副学長 堀田 都茂樹 

201509110100_1.gif日本の教育行政の後手後手の観が否めない昨今ですが。
まるで英会話教室状態の英語教育然り、リベラルアーツはいらないとする薄っぺらな大学教育構想然り、翻訳立国日本でありながら翻訳の学部さえもない似非翻訳立国、といった点はすでにこの稿で何度か触れています。
 
今回は、日本では寡聞にして聞かない、プログラミング教育の義務教育化を取り上げたいと思います。
 
昨年秋、英国では5歳児からのプログラミングの義務教育がスタートしたと言います。EU圏では、フィンランド、ベルギーでは間もなく義務教育化がスタート、その他5か国は任意で実施しているといいます。
 
英国ではプログラミングが必須の職業スキルのひとつとして認識されているようです。
 
技術の単なる消費者になるのではなく、プログラムを開発したり、ツールとして使う場合にもコーディングできることが必要と言います。これは、プログラミング教育を単なる職業プログラマーを養成に終わらせないと言う気構えなのでしょう。
 
MIT教授(Erik Brynjolfsson、Andrew McAfee)の共著である2014年のテクロノジー系ベストセラー「The Second Machine Age」で描かれる機械の知能に駆逐される人間、2045年前後にはコンピューターの能力は人間の脳を超えるという試算も出ているらしく、人間の仕事の未来が気になるところです。
 
しかし、「The Second Machine Age」はテクロノジー進化のもたらす未来について非常にポジティブな見解を語っています。一言で言うと、その進化を上手く活用することで人類はより豊かになる、と。
 
プログラミング教育が論理的思考を養い、コンピュータを駆使した問題解決能力を養い、機械の進化をうまく活用するのに必要だとすれば日本も検討してよいのではないでしょうか。
 
また、プログラム教育に便乗するようですが、改めて、初等・中等教育に‘教育的翻訳’を導入し、日本語と英語を大事にして、深い知性を醸成する‘教育的翻訳’を取り入れるべきであると考えます。
 
文法訳読形式が否定され、コミュ二カティブな英語教育が推進されるなか、その実効性が上がらないのを目の当たりにして、明治時代以前の教育にも見られる広く、深い知性に裏付けされた「教育的翻訳」の必要性をうすうす感じているのは私だけではないのかと思います。
 
日本も今一度原点にかえって、教育、とりわけ初等、中等教育を見直すときに来ているように思います。

 

第134号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

いまこそ、翻訳の意義と価値を見直すときでは
                             ― 安易な英語化は日本を滅ぼす?!


                                                                                     米国バベル翻訳大学院 副学長 堀田 都茂樹 

201509110100_1.gif
今号より、「翻訳論入門―翻訳の言語と社会」というテーマで、金城学院大学大学院文学研究科 河原清志准教授の新連載がはじまります。
そもそも翻訳とは、を考える良い機会ですので、私もここで改めて翻訳の意義を考えたいと思います。

はじめに、昨年8月に内閣官房管理下のクールジャパンムーブメント推進会議が「公用語を英語とする英語特区をつくる」という提言をしました。これに対して、九州大学准教授の施光恒(せてるひさ)さんは、英語化は日本人の愚民化政策と批判しました。

また、夏目漱石は「英語で行っていた明治初期の教育は一種の屈辱であった」とまで言ったと言います。

経済学者水野和夫氏は、英語を使えるかどうかで国民に分断を持ち込み、格差社会化を進展させ、日本国民の一体感も失わせると言います。

津田幸男氏は英語化の進展は世界を不当な、英語圏諸国を上層に置く英語支配の序列構造のもとに落とし込んでしまうと主張しています。

前号で触れたように、文部科学省が大学に文化社会学部、教養はいらないから職業訓練校にしろというのも、日本人を英語支配の序列構造の最下層の沈黙階級へ貶めるものと言えそうです。

また、2018年からの小学5年生に対する英語教育導入の周辺には、会社内の公用語の英語化と並んで、グローバル化の方向性をややはき違えている議論がまかり通っているように思います。

日本が経済力、技術力、文化力、社会力で世界のトップレベルに至ったのはなぜなのか、この機会に改めて、我々が持つ文化遺産(日本語、日本文化、翻訳)を見直してみたいと考えます。

おかげさまの認識が足りないと言えないでしょうか。ここで先人から受け継いだ知的資産について考えたいと思います。

翻訳文化、‘方法翻訳’という資産
  ・6,7世紀から中国文明を消化、吸収するに中国文化を和漢折衷で
   受け入れ、真名、仮名、文化を作り上げ

  ・明治維新以降、先人、福澤諭吉、西周、森有礼等々が、西欧文化、技術、制度、法律等、日  
    本にない抽象概念を数々の翻訳語を創って受け入れてきた実績

  ・そして、ロシア文学をはじめ世界中の古典を翻訳で読める稀有な国、翻訳大国日本

日本語、日本文化という資産
  ・50万語という世界一豊かな語彙をもつ日本語。英語は外来語の多くを
      含んでの50万語、ドイツ語35万語、仏語10万語。言霊の幸はふ国
      日本

  ・古事記、日本書紀、万葉集など、1000年前文献を読める日本。英米では古代ギリシア語、   
       ヘブライ語が読めないと当時の作品は読めない

  ・世界200の国、6,000以上の民族、6,500以上の言語の内、
      50音の母音中心に整然と組み立てられ、・平仮名、片仮名、アルファベ
       ット、漢数字、ローマ数字等多様な表現形式を持つ稀有な言語、日本語

    ・脳科学者角田忠信が指摘しているように、子音を左脳、母音を機械音、雑音と同じ右脳で処  
      理、また、小鳥のさえずり、小川のせせらぎ、風の音をノイズとして右脳で受けている西欧人。
      対して、子音、母音、さらには小鳥のさえずり、小川のせせらぎ、風の音までも言語脳の左脳
      で受け止める日本人

  ・ユーラシア大陸の東端で、儒、仏、道、禅、神道文化を発酵させ、
      鋭い感性と深い精神性を育んできた日本

  ・「日本語の科学が世界を変える」の著者、松尾義之が指摘しているように、
      ノーベル賞クラスの科学の発明は実は日本語のおかげ

しかし、一方で、榊原英資氏はその著「日本人はなぜ国際人になれないのか- 翻訳文化大国の蹉跌」で翻訳によって日本人の国際性が削がれたと主張します。しかし、日本はそれ以上に余りある資産を翻訳によって手に入れたはずではないでしょうか、


経済大国
文化大国
社会大国
科学大国


そして、東洋思想の集積地として
するどい感性と
深い精神性を獲得した日本人

こうして翻訳立国を果たしてきた我々は、先人が作った‘方法翻訳’を明らかにし、英語化を云々する前に、翻訳のプロフェショナリズムを確立することが先決ではないでしょうか。


バベルはこの41年にわたり、翻訳のプロフェショナリズムを確立するために
以下に専念してきました。それは、

1. 翻訳者の資格の確立―各種翻訳能力検定の実施
2. 翻訳会社の翻訳品質管理と経営の技術の標準化
3. 翻訳高等教育(翻訳専門職大学院)の確立と
翻訳教育専門の品質認証(Professional Accreditation)の準備


本年4月24日に発行されたEU発の翻訳の世界規格、ISO17100の検討会議で、翻訳立国、翻訳大国である日本に翻訳の大学、学部がないというので恥ずかしい思いをしているのは私だけではないでしょう。

こうして翻訳のプロフェショナリズムを確立し、翻訳者、更には通訳者を自在に活用できる環境をつくることです。大事な場面では中途半端な英語を使って臨むより、プロの翻訳者、そして通訳者を活用すべきです。

英語の公用語化という無意味な施策はいりません。100年たっても日本人同士が無意味に英語で会話をする光景は現れないでしょう。


私はむしろ、日本語と英語を大事にして、英会話教育ではなく、‘教育的翻訳’を、そして‘教育的通訳’に取り込むべきであると考えています。

‘教育的翻訳’というと馴染みがないと思いますが。
 
教育的ディベート(Academic Debate)をご存知でしょうか。バベルでも90年代に約10年間、米国のディベートチャンピオンとコーチ(教授)を日本に招請して、日本全国での教育的興行を全面的に後援しておりました。日本語と英語でディベートを行い、ディベートの効用を謳ってきました。当時は、松本茂先生(バベルプレスで「英語ディベート実践マニュアル」刊行、現立教大学経営学部国際経営学科教授、米国ディベートコーチ資格ホールダー)、故中津燎子先生(「なんで英語やるの?」で大宅壮一ノンフィクション賞受賞)にお力添えをいただいておりました。

‘教育的ディベート’とは、論理構成力を涵養する教育の手段としてディベートの手法を活用しようという考え方でした。
 
従って、ここで私が言う、‘教育的翻訳’では、プロ翻訳家の養成という意図はありません。ここでは理解していただくために、そのわかりやすい例をお伝えします。
 
私が前職(JTB外人旅行部)からバベルに転職したときのバベルの面接官が、当時教育部長をされていた故長崎玄弥先生でした。長崎先生は海外に行くこともなく、英語を自由に操る天才的な方でした。当時は奇跡の英語シリーズで100万部を越えるロングセラーを執筆されておりました。その面談では急に英語に切り替わって慌てた覚えがあります。その長崎先生と翻訳に関するある実験的な試みをしました。
 
当時、中学の1,2年生を7,8人募集して、中学生に翻訳(英文解釈、訳読ではない)の授業をするという試みでした。週に2,3回、夕方を利用して、かれらに英米文学(ラダーエディション)の翻訳をさせたのです。詳細は置くとして、それから約1年後は、なんと彼らの英語、国語、社会の成績が1,2ランク上がったのです。英語の成績が上がるのは当然としても、社会、国語の成績が上がった時は、翻訳という教育の潜在力を実感したものです。あれから20余年、‘教育的翻訳’を考えるに時が熟して来たと感じています。
 
現在の英語教育では、文法訳読形式が否定され、コミュ二カティブな英語教育が推進されるなか、その実効性が上がらないのを目の当たりにして、明治時代以前の教育にも見られる「教育的翻訳」の必要性をうすうす感じているのは私だけではないのかと思います。
 
また、コミュ二カティブな英語力を涵養するのに‘教育的通訳’が有効であることを、バベルでの企業人向け語学教育のなかで実感してきました。

これは後に、上智大学の渡辺昇一先生(現上智大学名誉教授、書籍「知的生活の方法」で一世を風靡)が、その実効性を検証する大部のレポートを発表されておりました。
 
話が横道に逸れてしまいましたが、この‘教育的翻訳’の普及が、母国語と外国語の習得、異文化理解、異文化対応、深みのある文化の熟成、感性の涵養等に役立つと確信します。


そして、ここに‘教育的通訳’を付加することによって、いわばゲーム感覚で
口頭の言語能力(日本語・英語)が涵養されてくると考えます。


そしてこうして培った能力には、

日本語、日本文化という、自文化に対する相対化力

    と
英語、英語文化という異文化に対する包容力
    と
そして、異文化に対するしたたかな対応力
    と
文化の熟成と深み

が備わっているように思います。


これらが、翻訳という行為がもたらす学習効果と考えます。

翻訳とは、自らの文化を相対化し、相手文化を尊重し、自立したふたつの文化を等距離に置き、価値の等価変換をする忍耐力を伴う試みだからです。

私がグローバル化は単なる英語化を越えるべきと考えるのはそのためです。

更に言えば、施光恒が主張するように、日本は、途上国が現地の言葉を使って近代化するための援助をしていくべきであると考えます。

日本は非欧米圏で初めて科学技術などを翻訳して近代化できたわけで、今の
グローバル化=英語化と違う近代化の手伝いこそ、これから日本が誇れる国際貢献となると確信します。

―――――――――――――――――――――――

さてここで皆様にお願いです。

海外での翻訳経験をもたれる皆さんの、海外での仕事術をお教えください。

「世界で働く翻訳者の条件」の特集の第一回は8月10日、以降、8月25日、9月10日、9月25日と続きます。この間、各刊行日の5日前までに、皆さんのご意見をお寄せください。(2,000字、もしくは1,500ワード=1万ワーキングポイント)


 

第133号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association
教養を疑う文部科学大臣の方針 ― 国立大学には人文社会科学教育は不要!?


                                                                                     米国バベル翻訳大学院 副学長 堀田 都茂樹


 

去る6月8日、文部科学大臣は人文社会科学や教員養成の学部、大学院の縮小や統廃合を求め、社会的要請の高い分野へ転換するようにと発表した。

 

これこそ明治以来の日本の骨幹をなしてきた教養、文化の果たしてきた役割を軽視するもので、知的基盤社会(Knowledge-based society)の認識の欠ける、おそまつな国家デザインとしか思えない。

米国がすべてよいとは言わないが、米国を代表するハーバード大学はいわばリベラルアーツ大学である、学部レベルでは人文、社会の広い教養を学び、そのうえで大学院教育では、専門職業教育(例えばロースクール、メディカルスクール、フアーマシースクール、ビジネススクール)に移行する、というシステムこそ望ましい高等教育と考えますがいかがでしょうか。

 

最近米国ではProfessional Science Master’sといって様々な化学技術分野を経営的な視点で学ぶ大学院が増えているという。

 

アップルの共同経営者の一人でカリスマCEOであったスティーブ・ジョブズは

We have always tried to be at the intersection of technology and liberal arts

と喝破しているが、このことばをかみしめたい。

 

モノづくりにユーザーの視点を入れるときに、人文社会の知見が必ず必要になると確信する。もちろん、人文社会は多岐にわたる精神活動の基盤となる教養や文化の土壌を創るもので、国の成熟度を測る重要な尺度である。

 

この一連の経緯をみるに、英語教育に安易に英会話的プログラムを導入して右往左往している英語教育行政の愚を想起させる。

 

亡き中嶋嶺雄さんが尽力された秋田県の国際教養大学が、その国際性と教養教育で、学生の人気も高く、企業の見学も絶えず、高い就職率を維持していることも念頭におきたい。

 

また、改めて言うが、翻訳の世界規格、ISO17100が4月24日に発行されて、

翻訳会社に登録されている翻訳者はその第一要件として翻訳のディグリーをもっていること、と謳われている。しかし、承知のように、世界中の古典が日本語で読めるという稀有な国、日本、その‘翻訳立国’と言えるにふさわしい日本に翻訳の学部がないということを文科省はどう考えているのでしょうか。

 

ちなみに、バベルは日本を出て、米国で翻訳専門職大学院を創ったわけで、

環境に右往左往しない教養に裏付けされた国家、教育デザインが望まれる。

―――――――――――――――――――――――

さてここで皆様にお願いです。

海外での翻訳経験をもたれる皆さんの、海外での仕事術をお教えください。

「世界で働く翻訳者の条件」の特集の第一回は8月10日、以降、8月25日、9月10日、9月25日と続きます。この間、各刊行日の5日前までに、皆さんのご意見をお寄せください。(2,000字、もしくは1,500ワード=1万ワーキングポイント)


 

第132号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association
ピダハン語から翻訳、生きるを考える


                                                                                     米国バベル翻訳大学院 副学長 堀田 都茂樹


 

皆さんはピダハン語という言語をご存知ですか。
 
21世紀になって発見された言語学の世界で注目されている特異な言語です。
 
ブラジルアマゾン川の支流の川沿いに暮らす少数民族の言語です。
 
その特異性はダニエル・L・エヴェレットがその著「ピダハン[言語本能]を超える文化と世界観」の中で以下のようにまとめています。
 ・音素がたった11種類しかない
 ・明暗以外に色を表すことばがない
 ・左右を表す表現がない
 ・数の概念が存在しない
 ・常に、現在形で、過去形、未来形がない
    ⇒後悔することがない
    ⇒将来を思いわずらうことがない
    ⇒今に生きている
 
さて、皆さんはこんな言語を日本語にどう通訳、翻訳しますか。逆に日本語を
どうピダハン語に通訳、翻訳しますか。
 
これは、そもそも翻訳とは、という翻訳論の課題を先鋭に突きつけられている
ように思います。
 
大きな器に小さな器を入れるのは容易ですが、逆は難しいと単純に考えると、
ピダハン語を日本語に翻訳することは可能なのかもしれませんが、日本語を
ピダハン語に翻訳するのは困難なのでしょう。
 
翻訳とは価値の等価交換といってみたところで収まる話ではないように思います。
 
むしろ、こんな頭が痛くなりそうな難問に心を煩わせるよりは、現在形だけで
過去形、未来形がないがゆえに、今に生きている彼らの生きざまに注目したいところです。
 
われわれが、小賢しく‘Here and Now ’、‘今に生きろ’と諭されることを彼らは当たり前にやってのけているというところに注目すべきなのかもしれません。
 
言語というものは世界観や認識を左右するという事実を改めて正視する必要があるのかもしれません。
 
とすると、これは飛躍するかもしれませんが、
 
もしかしたら、Positive Translationといった方法論が生み出され、この方法で翻訳するとPositiveな世界観が拓かれる、なんてことも夢ではないかもしれません。
 

 

さてここで皆様にお願いです。
海外での翻訳経験をもたれる皆さんの、海外での仕事術をお教えください。
「世界で働く翻訳者の条件」の特集の第一回は8月10日、以降、8月25日、9月10日、9月25日と続きます。この間、各刊行日の5日前までに、皆さんのご意見をお寄せください。(2,000字、もしくは1,500ワード=1万ワーキングポイント)
 

第131号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association
世界で働く翻訳者の条件 ― 世界のイチローをめざす!


                                                                                     米国バベル翻訳大学院 副学長 堀田 都茂樹


 

皆様は翻訳者として未だ国内という枠に縛られて仕事をしていませんか。
取引クライアント、TSPはトランスナショナルにしていますか。
トランスナショナルなプロジェクトに参加した経験はありますか。
報酬は円、ドル、ユーロいずれで受けていますか。
 
Nomadワーカーという言葉も聞いたことがあるかと思いますが、企業に先行して個人がますます国の枠を越えた新しい就業形態を定着させつつあるように思います。
ましてや、翻訳者という職業を考えると、一国の枠を越えて就業することは当たり前の時代になりつつあります。
 
次月の本誌の特集では、4回にわたり、トルコ在住の‘グローバルトランスレータ’であるハクセヴェルひろ子さん(米国バベル翻訳大学院修了生)、そして、世界中で翻訳、通訳業を営む、バベルの院生、修了生から、翻訳者として国を跨いで働く上でのノウハウを語っていただきます。
 
以下は、来る9月2日に、ハクセヴェルひろ子さんが日本翻訳協会主催のセミナー「世界で働く翻訳者の条件」で講演される内容です。

http://www.jta-net.or.jp/seminar_global_translator.html
 
 
1.グローバルトランスレーターになろう
・円高はチャンス?
・ISO17100:2015の発行で翻訳業界はどう変わるか
 
2.グローバル翻訳市場の最新状況
・グローバル翻訳市場の二極化と求められる翻訳者像
・自分で働き方を決める
 
3.グローバル翻訳市場で活躍するには
・翻訳支援ツールの使いこなしと生産性
・自分を売り込むためのマーケティングスキル
 
4.グローバル翻訳市場に存在するリスクとリスク管理
・リスクの種類(国別、ウェブサイト偽装、PC)
・リスクを軽減するには
 
前後はしますが、翻訳者個人の仕事の仕方の前に、翻訳の仕事の発注もとである企業が現在どういう状況にあるか、そこから話を始めましょう。
 
企業活動のグローバル化への進化という視点から見てみましょう。
 
企業のグローバル化の4つの進化ステージ
1.Domestic Stage
2.International Stage
3.Multinational Stage
4.Globally Integrated Stage
 
一般的に企業は、国内で作り、国内で売る、国内マーケットからスタートし、
第2ステージでは、「海外で作る・海外で売る」、すなわち、本社にすべての機能が集約され、海外子会社が製造、販売等の一部の機能を担当するステージへと移ります。
そして、第3ステージでは「海外への権限委譲」が進み、本社には共通機能のみが集約され、自律的子会社が設立されることになります。
そして、第4、最終ステージでは、「地球でひとつの会社」、世界中で一番ふさわしい場所にそれぞれの機能を分散させ、最適地で経営資源を調達する段階となります。
 
こうして、企業の進化過程を見ますと、皆さんがお仕事を受注している、もしくはしようとしている企業が現在、どのステージにあるかを考えてみましょう。
 
そして皆さんが次に考えるべきは、こうした企業の進化の段階によってどんな文書が発生するかということです。そのためには、まず、購買・仕入⇒製造⇒出荷・物流⇒販売・マーケティング⇒回収という、企業の基本ビジネスサイクルでどんな文書が発生するかを改めて考えてみましょう。
 
そして、次に、このビジネスサイクルを側面からささえる機能
   法務
   会計・税務
   インフラ管理
   人事・労務
   研究開発・知財
の分野で、どんな翻訳が発生するかを考えてみましょう。翻訳の仕事をデザインするには
まず、相手(クライアント)を知ることが必要です。
 
さて、ここで本題に戻ります。
 
世界で働く翻訳者の条件を考えるには、対処療法的な視点ではなく、まず『My marketを創る』ことから始めましょう。
 
すなわち、あなたのUNIQUENESSをベースに自分の生存領域を創ることが先決です。
 
以下が、バベルの大学院の専攻ですが、皆さんはどのマーケットでどんな翻訳者をめざしているのでしょうか。できれば、以下の5つの更に下位の分野まで落とし込みましょう。
その上で、その分野の周辺に職域を拡げることは健全なアプローチです。
 
・出版翻訳マーケット
・金融・IR翻訳マーケット
・特許・技術翻訳マーケット
・医薬・バイオ翻訳マーケット
・法律翻訳マーケット
 
そして、そのドメインが決まったら、もう関係者には耳たこでしょうが、以下の3つの
翻訳者として成功するための3つのブランディング確立することです。
 
1つ目は、マスター・ディグリーを取得する!!
ISO17100でも、翻訳者たるもの翻訳のデグリーを持つことを第一要件としています。
ご承知のように、バベルの翻訳大学院の修士号(MST)は米国教育省が認可した教育 品質認証団体 ( DEAC ) のメンバー校として米国連邦政府が認証する資格です。
 
2つ目は、翻訳書を出版する!!
翻訳出版することが翻訳者としての強力なブランディングです!!ビジネス翻訳者というと得てして、出版翻訳とは無縁と考えがちですか、とんでもない。
文芸分野はもちろん、金融 IR、特許・医薬・技術、リーガルなど社会、自然科学分野の書籍で翻訳されるのを待っている出版物は数限りなくあります。
 
3つ目は、翻訳の世界標準資格をとる!!
翻訳力の第三者認証を受けることが第三の強力なブランディングです。 翻訳の修士号(MST)取得に加え、翻訳業界の世界標準資格を取得してください。
業界で30余年の実績を持つ一般社団法人日本翻訳協会が実施する翻訳専門職資格試験 、翻訳出版能力検定試験、翻訳ビジネス能力検定試験、翻訳プロジェクトマネージャー試験等、ご自身の専門とする分野の資格を取得ください。

http://www.jta-net.or.jp/index.html
 
世界で働くためのリスクマネージメント以前に、以上の3つのブランディングが不可欠です。
 
次月からの特集は主として、海外で翻訳者として働く際の、リスクマネージメントを主体に話を進めていきます。
 
忘れてはいけないのは、まず、しっかりとしたキャリアデザインです。
 
自らを知り、自らを信じ、その生き方を自分流にデザインし、これを生き切るイチローのような生き方です。パワーヒッターが多い大リーグにあって彼は長打をめざさず、俊足を生かし、ヒットメーカーという独自の路線を創りだし世界のオンリーワン、いや世界一を実現しているのです。
 

さてここで皆様にお願いです。
海外での翻訳経験をもたれる皆さんの、海外での仕事術をお教えください。
「世界で働く翻訳者の条件」の特集の第一回は8月10日、以降、8月25日、9月10日、9月25日と続きます。この間、各刊行日の5日前までに、皆さんのご意見をお寄せください。(2,000字、もしくは1,500ワード=1万ワーキングポイント)
 

第130号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association
シノプシス・ライティングスキルを身につけよう


                                                                                     バベル翻訳大学院(USA)         
Alumni Service Manager 宮本 寿代


 

 「シノプシス」をご存知ですか? 出版翻訳にご興味をお持ちはご存知かもしれませんね。今回はこのシノプシスについて取り上げます。シノプシスとは何か、どんな風に書くのかという点にも触れたいと思います。
ごく簡単に紹介することになりますが、出版翻訳のみならず、翻訳に携わるみなさんに参考にしていただければ幸いです。
 
◎シノプシスとは何か
 一言で説明すると「書籍の内容を紹介するための資料」です。主に出版社が、原書の内容を知って翻訳出版に値するかどうかを検討するために使います。作成するのは翻訳者や翻訳者を目指す人たちです。出版社や(出版社から依頼を受けた)翻訳会社から作成依頼がある場合が多いですが、翻訳出版企画を出版社に持ち込むために自分で作成する場合もあります。
 
◎どうやって作成するのか
 原書を一冊読んで、あらすじをまとめ、内容分析をするというのがおおまかなプロセスです。もう少し具体的にシノプシス・ライティングに必要なスキルを挙げてみましょう。
 
・原書を読み込む力
・内容をまとめる力
・調査する力
・分析や評価を行なう力
・明確、簡潔に表現する力
・文書作成、インターネット検索等のコンピュータリテラシー
 
 シノプシスを書くためにはこれだけのスキルが必要なのです。別の言い方をすると、シノプシス作成の経験を積むと、翻訳者としてこれだけのスキルが身につくということです。
 
◎シノプシスは(翻訳者にとって)なぜ大切なのか
 出版社や翻訳会社からシノプシス作成業務を受けるということは、翻訳者として自分の存在を知らせることになります。シノプシス作成を何度も行ない、担当者に覚えてもらえれば、先々、下訳や上訳などの翻訳業務を受けられるかもしれません。
 また、翻訳者から翻訳書の出版企画を持ち込む場合に、すぐれたシノプシスを添えて提案できれば、企画が実現する可能性も高まるでしょう。
 
つまり、シノプシス・ライティングスキルは、みなさんが翻訳者として評価されて仕事を得るため、さらには『自発的に翻訳企画を立てて出版社に提案活動を行なうため』には欠かせない要素なのです。
 
◎どのようなことを書くのか
 実際にシノプシスには何を書くのでしょうか。概要を紹介しますので、見てみましょう。
たとえば以下のようなことです。
 
 (a) タイトル情報
 (b) 書誌情報
   出版社、刊行年度、ページ数、ISBN
 (c) 著者情報
   氏名、経歴、出版歴、受賞歴、邦訳書の有無、活動実績、専門性
 (d) 登場人物紹介
   主要な登場人物の簡単な紹介や人物相関
 (e) 原書の内容要点と構成
   原書のおおまかな内容や方向性、構成
 (f) 目次(全訳)
 (g) あらすじ
 (h) 分析・評価
   書籍に関する分析とその評価(文体や語彙の難易度、原書出版国での評判、
   類書情報、想定読者層、訳書出版国での受け入れ可能性、セールスポイント……)
 
 特に「分析・評価」は重要です。シノプシス・ライティングに慣れていない方がとまどうのもこの項目です。ここでは感想文を書くのではなく、客観的に分析した結果を書きます。限られた期間内で原書をすべて読むだけでも大変ではあるのですが、ただ内容を理解するだけではなく、関連情報の調査もしっかり行ないましょう。
 
◎何が大切か
 シノプシス・ライティングはとても大変そうだと躊躇される方がいらっしゃるでしょうか。でも、原書の読み方にもまとめ方にもコツはあるのです。原書の特徴によって異なりますから、一言では表せませんが、これも回を重ねるごとに身につくものです。
 
 シノプシス・ライティングにおいて大切なのは『原書を読んでいない人に、書籍の内容や特徴を正確かつ簡潔に伝える』ことです。これはよく覚えておきましょう。
 
◎シノプシス・ライティングのスキルをあげるには
 翻訳者としての可能性を広げるためにも、このスキルはぜひしっかりと身につけましょう。でもどうすればスキルアップできるでしょうか。大切なのは経験を積むことです。シノプシス作成に何度も挑戦してみてください。
 
 実際にシノプシス・ライティングスキルアップの機会を得るために、いくつか参考となる情報をお知らせします。すでにシノプシス・ライティングのご経験がある方もない方もいらっしゃるかと思います。ご自身にあったアプローチを探してみてください。
 
 ・シノプシス・ライティングの講座を受講する
 バベル翻訳大学院(USA)ではシノプシス・ライティングの講座を開講しています。シノプシス・ライティングは初めてで、まずどうしてよいのかわからないという方はぜひご検討ください。シノプシスの書き方の基礎から解説しています。
 バベル翻訳大学院(USA):「シノプシス・ライティング」講座シラバス
 http://www.babel-edu.jp/pst-moodle/synop2/guide/sylla-synop2.htm
 Babel University:単科講座「シノプシス・ライティング」
 http://www.babel.edu/program/31091.html
 
・シノプシス検定を受ける
 ご自分にどのくらいのシノプシス・ライティングスキルがあるのかがわからないので目安を知りたいという方は、一般社団法人日本翻訳協会の主催で行なわれる「出版シノプシス能力検定試験」を受けてみることも一つの方法です。詳しくは下記、日本翻訳協会のサイトをご覧ください。次の検定は8月26日に実施される予定です。
 http://www.jta-net.or.jp/about_synopsis_exam.html
 なお、このシノプシス検定を受けて2級以上を取得すると、バベルグループの翻訳サービス部門であるTMC(Trans Media Center)に登録され、シノプシス作成業務の打診を受けられることになっています。
 
 シノプシス・ライティングは翻訳者の基礎的スキルとして重要ですし、活動範囲を広げるためにも欠かせません。これからみなさんがそれぞれの目標に向かって進むためにもぜひこの機会にスキルアップをしてください。
 大変な作業かもしれませんが、得られるものも大きいはずです。がんばりましょう。

第129号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association
翻訳業界における最近の動向とバベルグループの今後の取り組みについて


                                                                                     バベル翻訳大学院(USA)         
Alumni Service Manager 宮本 寿代


 

 今回は、翻訳業界における最近の動向、およびバベルグループの今後の取り組みについてお話しいたします。
 
◎翻訳業界における新たな動き――国際標準の導入
 2015年4月、翻訳品質の国際標準であるISO17100:2015年版が発行されました。日本国内の翻訳業界が国際的な動きに目を向け始めたことの表れといえます。このISO17100では、高い翻訳品質を証明することを目的として、翻訳者や翻訳サービス・プロバイダーにいくつかの事項を要求しています。
 
 まず、翻訳者に対しては、翻訳の学位取得を求めています。そして、翻訳経験を重要な要素と位置づけています(ただし、この翻訳経験についてはその定義が明確にはされていません)。もう一つ加えておきますと、2015年版の発行に至るまでの議論では、翻訳の資格が重要視されたことも事実です。
 一方、翻訳サービス・プロバイダーに対しては、ISO17100が規定する業務プロセスに則り、高品質な翻訳サービスを顧客に提供することを求めています。
 
◎バベルグループの取り組み
 バベルグループでもこうした動きを受けた取り組みが始まっています。バベル翻訳大学院(USA)、バベルトランスメディアセンター(以下、TMC)などが連携し、ISO17100を満たす翻訳のプロフェッショナル集団として活動するべく、出版翻訳・ビジネス翻訳の各分野におきまして、翻訳プロセスを再確認し、体制強化を進めています。
 
翻訳プロセスの概要は、翻訳プロジェクト・マネジャーによる統括の下、
 ・翻訳者チームによる翻訳作業
 ・専属のチェッカー/リバイザーによる確認・修正作業
を行なう、というものです。このプロセス自体はこれまでと同様ですが、今後はこの翻訳者チームに属する翻訳者に
 ・MSTホルダーである
 ・一般社団法人 日本翻訳協会(以下、JTA)の翻訳資格を有する
という二つ条件を必須事項として求め、顧客に提供する翻訳サービスの質のさらなる向上を目指します。
 
◎翻訳者チームに参加するために――JTA翻訳能力検定試験
 上記の「JTAの翻訳資格を有する」という条件は、JTAの実施する翻訳能力検定試験での2級以上の取得によって満たされることになっています。ですので、JTAの翻訳能力検定試験は、バベルグループでの翻訳プロジェクト参加のためのトライアルでもあり、2級以上取得によってトライアル合格となるのです。
 
トライアル合格者は、所定の条件(守秘義務契約の締結、PC作業環境のセキュリティ確認など)を満たすことを確認したうえで、TMC翻訳チームメンバーとして登録可能となります。そして実際に翻訳業務に従事された場合には、TMCから所定の翻訳料金が支払われます。
 
 JTAの翻訳能力検定試験には「出版翻訳能力検定試験」、「ビジネス翻訳能力検定試験」があります。それぞれ以下のような分野にわかれています。
 
 ○出版翻訳能力検定試験
  ・絵本翻訳能力検定試験 
  ・ヤングアダルト・児童書翻訳能力検定試験
  ・エンターテインメント小説翻訳能力検定試験
(ミステリー、SF、ファンタジー、ホラー)
  ・ロマンス小説翻訳能力検定試験
  ・スピリチュアル翻訳能力検定試験
(フィクション/ノンフィクション)
  ・一般教養書(ビジネス関連)翻訳能力検定試験
  ・一般教養書(サイエンス関連)翻訳能力検定試験
  ・出版シノプシス能力検定試験
    ※出版シノプシス能力検定試験については、2級以上取得によって、シノプシス執筆者としての業務が可能となります。上記で説明した翻訳者チームに加わるには、それ以外の7分野のいずれかで2級以上を取得する必要があります。
○ビジネス翻訳能力検定試験
  ・IR/金融翻訳能力検定
  ・リーガル翻訳能力検定
  ・医学/薬学翻訳能力検定
  ・特許翻訳能力検定
 
 JTAの検定につきましては、下記のJTAのサイトに詳しい説明が掲載されています。ぜひご覧ください。
http://www.jta-net.or.jp/about_publication_exam.html
 
 また、バベル翻訳大学院(USA)では、受験料の補助等も行なっております。こちらの制度もぜひご利用ください。
 
 大学院で学ばれているみなさま、そして修了生のみなさまには、その翻訳スキルを生かし、ご自分の可能性を広げていただきたく存じます。みなさまの今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

第128号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association
Alumniの会より 修了生のみなさまへ


                                                                                     バベル翻訳大学院(USA)         
Alumni Service Manager 宮本 寿代


 

 2015年、春期学位授与式が行なわれました。このたび、修了されたみなさま、おめでとうございます。BUPSTのAlumniの会も新たなメンバーを迎え、うれしく思います。
 
 Alumniの会では、さまざまな新しい試みも計画し、みなさまが翻訳者として活躍するための機会を積極的に提供したいと考えています。ここでそのいくつか紹介いたします。
 
 まず、みなさまには修了後も継続して学習する機会があります。大学院ではより質の高い学習環境を整えるため、新しい講座なども設けております。そうした際には、修了生のみなさんにも受講する機会を提供いたします。翻訳者としてのスキルアップにぜひご活用ください。

 次に新たな試みです。これから大学院では研究活動にも力を入れて参ります。具体的には、翻訳マーケット、eトランステクノロジー、翻訳教育といったテーマごとに研究室を設け、それぞれの室がテーマに沿った研究を行ないます。現在その準備を進めているところです。この研究室には、大学院で勉強されている学生の方々だけではなく、修了生の方々にも積極的に加わっていただきたいと考えています。こうした研究活動を通じて、翻訳スキルだけではなく、ライティング、リサーチ、編集、ITテクノロジー、翻訳教育など多方面にかかわるスキルを身につけることもできますし、これらのスキルによって翻訳者としての幅は広がるはずです。

 次に、ワークショップについてです。修了生の方々のなかには、すでにご参加の経験があり、よくご存じの方もいらっしゃると思いますが、バベルでは出版翻訳ワークショップを開催しています。このワークショップでは、数名の翻訳者と監訳者がグループとなって一冊の書籍を翻訳し、出版します。ここに翻訳者として参加するだけでももちろん大いに勉強になりますが、修了生のみなさんは今後、監訳者としての参加をぜひ目指してください。監訳者としてかかわることで、ご自身の翻訳スキルを始め、ひとつの翻訳プロジェクトを管理するスキルなどの向上にもつながります。監訳者の基本的なポイントをまとめた「監訳者養成コース」も開催しております。堅く考えすぎることなく、ご自身にとっても学びの場になるとお考えになって、積極的に取り組んでみてください。

 さて、みなさんは翻訳修士号をおとりになりましたが、これからもますますスキルを上げられていかれることと思います。ご自身のスキルがどのくらいまで達しているのかを客観的評価によって明確にしますと、さらなる目標の設定に役立てることもできます。一般社団法人日本翻訳協会におきまして、各種検定が行なわれています。出版翻訳、ビジネス翻訳、シノプシス執筆、プロジェクトマネージメントなど、どれも翻訳者として有益なスキルをはかるものです。また、これら検定で優秀な成績を収められますと、バベルグループの翻訳会社であるTrans Media Centerに翻訳者として登録したり、お仕事を得たりするチャンスにもつながります。それだけではなく、先に述べたスキルは、みなさんが翻訳者として翻訳企画をご自身で立てて出版社に持ち込む場合、翻訳プロジェクトを運営する場合にも大いに活用できます。翻訳協会の検定をお受けになる際には大学院から受験料の支援もありますので、ぜひ挑戦してみてください。

 みなさんは大学院在籍中、お仕事や子育てやさまざまなことと並行して学習を続け、修了までたどり着かれたのだと思います。それは大いに誇りに思い、自信にしてください。ただ、大学院修了で翻訳者としてのスキルが完成されるわけではないと思います。まだまだこれから学ぶことのほうが多いかもしれません。大学院で学位を取得されたことをひとつの通過点として、みなさんがご自身の夢や目標に向かい、ますます活躍していかれるよう願っております。

第127号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association
‘バベルグループのグローバル翻訳サービス再編へ向けて’


                                                                                     (株)バベル専務取締役       
                                                                                      米国バベル翻訳大学院 副学長 堀田 都茂樹


 

 
 
バベルは40周年を契機に、15周年を迎える米国翻訳大学院をバックに、圧倒的に優位な専門別の翻訳サービスプロバイダー創りを準備中です。

・出版翻訳サービスプロバイダー
・リーガル翻訳サービスプロバイダー
・IR翻訳サービスプロバイダー
・多言語・WEB翻訳サービスプロバイダー
                                     ・特許翻訳サービスプロバイダー
                                     ・医薬翻訳サービスプロバイダー

すでにバベルの様々な媒体でお伝えしてありますように、EU発のISO17100、翻訳の世界基準が4月24日に発行されました。

これは翻訳会社(翻訳者含む)として必須の基準ではありませんが、我々が目標とする
一つの指標となります。

この観点では、まずは以下がグローバル翻訳プロバイダー(翻訳会社)としての第一の目標となります。

1.登録翻訳者の資格を確固たるものにする。
登録者がバベル翻訳大学院(USA)のマスターディグリーを保持していること。
http://www.babel.edu/

また、一般社団法人 日本翻訳協会の翻訳検定試験で専門分野の2級以上を取得していること。
http://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam_all.html

2.翻訳生産工程の品質管理を徹底する。
翻訳―リバイズ -レビュー -プルーフリードの工程順守。
*レビューは状況により判断する。
顧客の要望、翻訳生産効率、効果を考え必要な場合はCAT(Computer Assisted Tool)を活用する。

3.プロジェクトマネージメントの技術を獲得する。
プロジェクト管理者は日本翻訳協会実施のプロジェクトマネージャー資格基礎試験を取得、プロジェクト管理の基本を習得していること。
http://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam_tpm.html

プロジェクトマネージャー資格基礎試験内容
1.時間管理(TIME MANAGEMENT)
2.人材管理 (PERSONNEL MANAGEMENT)
3.資源管理 (DATA & RESOURCES MANAGEMENT)
4.コスト管理 (COST MANAGEMENT)
5.顧客管理 (CLIENT MANAGEMENT)
6.コンプライアンス管理 (COMPLIANCE MANAGEMENT)

その上で、更に、翻訳サービスプロバイダーとしての絶対優位を獲得するために、
以下を目標とします。


1.教育的機能の充実―教育的翻訳サービスプロバイダー
2.研究的機能の充実―研究的翻訳サービスプロバイダー


具体的には、以下を目標とします。
1. 教育的機能の充実
翻訳の仕事をしながら技術の向上を実現するために以下を実施する。
・翻訳者に対するリバイズ、もしくはレビューのデータのフィードバックの徹底
・大学院での継続教育機会を提供
・日本翻訳協会の資格検定を実力認定の基準とし、継続受験の機会を提供する

2.研究的機能の充実
翻訳サービスプロバイダーとしての研究機能強化し、翻訳技術力を向上する。
・クライアントへの貢献のための翻訳マーケット研究
・効率、効果的翻訳を実現するための翻訳テクノロジーの研究
・翻訳技術の進歩革新に対応できる翻訳教育の研究
・Bilingual Managementの方法研究

更には、翻訳業としてのプロフェショナリズムを高めるために
今回の特集で触れているように登録翻訳者には、
翻訳者の倫理、行動規範(Code of Conduct)を心掛けてほしいと考えています。

1.一般的規律
・一般倫理・法令順守
・品位
・情報の悪用の禁止

2.顧客との関係
・秘密保持
・専門職としての注意義務
・利益相反行為
・正直性
・説明責任

3.提供するサービス
・高い水準のサービス
・保証
・自身によるサービス
・監督責任
・手に負えないものを引き受けない責任
・サービス料金と内容・条件の開示

4.同業者との関係
・清廉性
・相互扶助と連帯
・同業者の批評
・職業基準の確立

5.水準の向上
・自己啓発
・査読及び校閲

バベルグループがめざす専門別グローバル翻訳サービスプロバイダーは米国翻訳大学院、翻訳研究所と連携を図り、規模の利益を追わず、真に日本の翻訳業界、世界の翻訳業界を先導する組織でありたいと考えています。
関係者の方々の協力を改めてお願いいたします。

第126号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

‘翻訳者に通訳力をつける
   ―スピードと大意把握力、そして文章にリズムを’


WEB版 The Professional Translator 編集長       
米国バベル翻訳大学院 副学長 堀田 都茂樹

 

 はじめに、翻訳と通訳の共通点と相違点を整理してみましょう。
 
共通点
・ソース言語をターゲット言語に変換する。
・ソース言語の内容とターゲット言語の内容が同じになるように
 変換する。翻訳は等価性( Equivalence)重視、通訳は忠実性( Identity)
  重視の傾向がある。
・言語的差異のみならず、文化的差異の処理が必要となる。
相違点
 ・SpokenとWritten、モードが違う。
 ・作業に許される時間に違いがあり、翻訳は表現形式にまでこだわり、
  通訳は内容を重視する。
 ・翻訳には調査の時間が持て、改定が可能。
 ・翻訳は永続的、通訳は一時的。
 
 もっとも、いわゆるメディア翻訳と言われる、字幕翻訳、放送通訳はこの2つの領域にまたがる作業と言えます。
 
そのうえで、翻訳になぜ、通訳力が役立つかを考えてみましょう。
 
 翻訳家、東大教授の柴田元幸さんが、翻訳の際には「原作の‘声’を聴け」と主張、原文の思考の流れを乱さない、頭から訳すこと(昇順訳)を提唱しています。
 
これこそ、通訳訓練の基本であるサイトトランスレーションの技法です。
 
もっともこの技能はバベルの翻訳文法においても、頭から訳すとしてルール化しています。
 
 また、バベルの修了生でもあるミステリー翻訳家の山本やよいさんは毎朝、川端康成を只管筆写していると聞きますし、多くの翻訳者が愛読書を音読していると聞きます。
また、最近の翻訳者は完成した訳文を音読しながら推敲すると言います。
 
ここで、翻訳者のための
「リズム感のある翻訳文をスピーディに生むための代表的通訳技法」を紹介いたします。
 
 
サイトトランスレーション
 原文にセンス(Sense)グループごとにスラッシュを入れて、原文の思考の流れを乱さないように、文章を読みながら頭から声に出して翻訳していく訓練です。
 リズム感のある、原作の思考の流れに沿った訳文を生み出す、有効な方法となります。
 
シャドウイング
 シャドウイングとは、音読された英語を時差をつけて音読で追っかけていくことですが、これは英語のイントネーションとリズムを体得するには有効な方法です。
しかし、ここでは、少なくとも訳文の推敲の過程で音読を繰り返すことをおすすめしたいと思います。
 
サマライズ 
 スキミング(大意把握)して要約、スキャニング(ある特定な情報を検索)等、言語の構造性、パラグラフ構成、キーワードを意識して素早く内容をつかむ方法は通訳のみならず翻訳者にも必要な強力な技術です。
 
こうした、訓練は言うまでもなく、翻訳に生かせるのみならず、最近では翻訳者にも要求されるオーラルコミュニケーションのスキルを強化できるでしょう。
もちろん、翻訳と併せて通訳業務もこなせればJob opportunityは格段にアップします。
 
近い将来、翻訳者をめざす皆様にも、上記のような訓練機会をBABEL UNIVERSITYでも提供したいと考えています。

第125号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

‘グローバル人材’は英語とは無縁―というのは言い過ぎですが


WEB版 The Professional Translator 編集長          
米国バベル翻訳大学院 副学長 堀田 都茂樹

 

 2018年からの小学5年生に対する英語教育導入の周辺には、
会社内の公用語の英語化と並んでグローバル化の方向性をやや
はき違えているような議論があるように思います。
 
 日本が経済力、技術力、文化力、社会力で世界のトップレベルに
至ったのはなぜなのか、この機会に改めて、我々が持つ文化遺産
(日本語、日本文化、翻訳)を見直してみたいと考えます。

 
おかげさまの認識が足りないと言えないでしょうか。
 
 先人から受け継いだ知的資産に対する感謝の気持ちをしっかりと受け止めて
まず、我々は何をすべきかを考えたいと思います。
 
翻訳文化、‘方法翻訳’という資産
  • 6,7世紀から中国文明を消化、吸収するに中国文化を和漢折衷で受け入れ、真名、仮名、文化を作り上げ
  • 明治維新以降、先人、福澤諭吉、西周、森有礼等々が、西欧文化、技術、制度、法律等、日本にない抽象概念を数々の翻訳語を創って受け入れてきた実績
  • そして、ロシア文学をはじめ世界中の古典を翻訳で読める稀有な国日本
 
日本語、日本文化という資産
  • 50万語という世界一豊かな語彙をもつ日本語。英語は外来語の多くを含んでの50万語、ドイツ語35万語、仏語10万語。言霊の幸はふ国日本
     
  • 古事記、日本書紀、万葉集など、1000年前文献を読める日本。英米では古代ギリシア語、ヘブライ語が読めないと当時の作品は読めない
     
  • 世界200の国、6,000以上の民族、6,500以上の言語の内、50音の母音中心に整然と組み立てられ、・平仮名、片仮名、アルファベット、漢数字、ローマ数字等多様な表現形式を持つ稀有な言語、日本語
     
  • 脳科学者角田忠信が指摘しているように、子音を左脳、母音を機械音、雑音と同じ右脳で処理、また、小鳥のさえずり、小川のせせらぎ、風の音をノイズとして右脳で受けている西欧人。対して、子音、母音、さらには小鳥のさえずり、小川のせせらぎ、風の音までも言語脳の左脳で受け止める日本人
     
  • ユーラシア大陸の東端で、儒、仏、道、禅、神道文化を発酵させ、鋭い感性と深い精神性を育んできた日本
     
  • 「日本語の科学が世界を変える」の著者、松尾義之が指摘しているように、ノーベル賞クラスの科学の発明は実は日本語のおかげ
 
 しかし、一方、榊原英資氏はその著「日本人はなぜ国際人になれないのかー翻訳文化大国の
蹉跌」で翻訳によって日本人の国際性が削がれたと言いますが、それ以上に余りある資産を
翻訳によって手に入れたはずではないでしょうか
 
経済大国
文化大国
科学大国
 
東洋思想の集積地として
するどい感性と
深い精神性を獲得した日本人
 
こうして翻訳立国を果たしてきた我々はまず何をすべきなのでしょうか
 
まずは、先人が作った‘方法翻訳’を構築し、翻訳のプロフェショナリズムを
確立することが先決ではないでしょうか。
 
 バベルはこの40年にわたり、翻訳のプロフェショナリズムを確立するために
以下に専念してきました。それは、
 
  • 翻訳者の資格の確立―翻訳専門職大学院(修士号)、翻訳資格
  • 翻訳会社の品質認証の確立
  • 翻訳高等教育の確立と翻訳教育専門の品質認証
(Professional Accreditation)の確立
 
 そしてこれらのゴールの先に、グローバル人材が活躍できる環境、ソフトインフラが整備され
ると考えます。
 
 間もなく施行されるEU発の翻訳の世界基準、ISO17100の検討会議で、翻訳立国で
ある日本に翻訳の大学、学部がないというので恥ずかしい思いをしているのは私だけでは
ないでしょう。
 
こうして翻訳のプロフェショナリズムを確立し、翻訳者、更には通訳者を自在に活用する
環境をつくることです。
大事な場面では中途半端な英語を使って
臨むより、プロの翻訳者、そして通訳者を活用
すべきです。

 
 また、翻訳教育と通訳教育は全く別物ではなく、同じ教育機能のなかで行うことができる
ものです。誤解を恐れず言えば、通訳技術に深みを付加するのが翻訳技術とも言えるでしょう。
英語のTranslateという言葉は通訳と翻訳の区別がないことでもこれは容易に想像できます。
 
翻訳のプロフェショナリズムの確立、これが日本のグローバル化にとって最優先事項と考え
ます。

 
バベルはプロの翻訳力は、5つのコンピタンスから成ると考えます。
従って、
バベルの米国翻訳大学院のカリキュラムは以下の5つから成っています。
 
  1. Language Competence(翻訳文法、Plain English
  2.  Cultural Competence(国際教養、リベラルアーツ)
  3.  Expert Competence(専門知識)
  4.  IT Competence(リサーチ力、DTP編集力)
  5.  Managerial Competence (起業、プロジェクトマネージメント力)
 
また、受信型の翻訳のみならず、発信型の翻訳に重点を置いています。
 
その柱となるのがLanguage CompetenceにおいてはPlain English、Plain English(Globish)
の運用力が備わっていれば口頭でも十二分に発信できると考えています。
なぜなら、Plain Englishの目標は、
  Write as you talk.
    Talk as you write.
だからです。
 
そして、翻訳のプロフェショナリズムの確立のうえで,中学生、高校生に対するグローバル
教育を考えてみたいと思います。

 
バベルは中学生、高校生の教科に、‘教育的翻訳’を、そして‘教育的通訳’を取り込むべきで
あると考えています。

 
‘教育的翻訳’というと馴染みがないと思いますが。。。
 
教育的ディベート(Academic Debate)をご存知でしょうか。バベルは90年代に約10年間、
米国のディベートチャンピオンとコーチ(教授)を日本に招請して、日本全国での教育的興行
を全面的に後援しておりました。
日本語と英語でディベートを行い、ディベートの効用を謳ってきました。
当時は、松本茂先生(バベルプレスで「英語ディベート実践マニュアル」刊行、現立教大学
経営学部国際経営学科教授、米国ディベートコーチ資格ホールダー)、故中津燎子先生
(「なんで英語やるの?」で大宅壮一ノンフィクション賞受賞)にお力添えをいただいて
おりました。
 
‘教育的ディベート’とは、論理構成力を涵養する教育の手段としてディベートの手法を活用
しようという考え方でした。
 
従って、ここで私が言う、‘教育的翻訳’では、プロ翻訳家の養成という意図はありません。
ここでは理解していただくために、その例をお伝えします。

 
 私が前職(JTB外人旅行部)からバベルに転職したときのバベルの面接官が、当時教育
部長をされていた故長崎玄弥先生でした。長崎先生は海外に行くこともなく、英語を自由
に操る天才的な方でした。
当時は奇跡の英語シリーズで100万部を越えるロングセラーを執筆されておりました。
その面談では急に英語に切り替わって慌てた覚えがあります。その長崎先生と翻訳に関する
ある実験的な試みをしました。
 
 当時、中学の1,2年生を7,8人募集して、中学生に翻訳(英文解釈、訳読ではない)
の授業をするという試みでした。週に2,3回、夕方を利用して、彼らに英米文学(ラダー
エディ
ション)の翻訳をさせたのです。詳細は置くとして、それから約1年後は、なんと彼
らの英語、国語、社会の成績が1,2ランク上がったのです。英語の成績が上がるのは当
然としても、社会、国語の成績が上がった時は、翻訳という教育の潜在力を実感したもの
です。あれから20余年、‘教育的翻訳’を考えるに時が熟して来たと感じています。
 
 現在の英語教育では、文法訳読形式が否定され、コミュ二カティブな英語教育が推進され
る中、その実効性が上がらないのを目の当たりにして、明治時代以前の教育にも見られる
「教育的翻訳」の必要性をうすうす感じているのは私だけではないのかと思います。
 
 また、コミュ二カティブな英語力を涵養するのに‘教育的通訳’が有効であることを、
バベルでの企業人向け語学教育のなかで実感してきました。  
これは後に、上智大学の渡辺昇一先生(現上智大学名誉教授、書籍「知的生活の方法」
で一世を風靡)が、その実効性を検証する大部のレポートを発表されておりました。
 
話が横道に逸れてしまいましたが、この‘教育的翻訳’の普及が、母国語と外国語の習得、
異文化理解、異文化対応、感性の涵養等に役立つと確信します。

 
もちろん、当時行った‘教育的翻訳’は、上記の翻訳教育の5つのコンピタンスから言えば、
一番目の
Language Competenceと若干のCultural Competenceにとどまるものでした。
 
従って、今後は、中学生にとどまらず、高校生、大学生を対象とする、‘教育的翻訳’に
於いて以下の5つのコンピタンスをそれぞれのレベルに合わせて
アレンジすることが
必要と考えます。


  Language Competence(翻訳文法、Plain English 受信と発信力)
    Cultural Competence(国際教養、リベラルアーツ)
    Expert Competence(専門知識)
    IT Competence(リサーチ力、DTP編集力)
    Managerial Competence (起業、プロジェクトマネージメント力)
 
 そして、ここに‘教育的通訳’を付加することによって、いわばゲーム感覚で口頭の言語能力
が涵養されてくると考えます。
 
そしてこうして培った能力の土台には、
 
自文化に対する相対化力,

異文化に対する包容力,

そして、
異文化対応に対するしたたかさ

 
が育まれていくように思います。
 
これらが、翻訳という行為、‘教育的翻訳’がもたらす学習効果と考えます。
 
なぜなら、翻訳とは、自らの文化を相対化し、相手文化を尊重し、自立したふたつの文化を
等距離に置き、等価変換をする忍耐力を伴う試みだからです。

 
しかし、これこそがグローバル教育の基本精神と言えないでしょうか。
これが、私がグローバル教育は単なる英語教育にとどまらないと考える理由です。

第124号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

Global Independenceのためのe居場所づくり


WEB版 The Professional Translator 編集長          
米国バベル翻訳大学院 副学長 堀田 都茂樹

 

「場の研究所」所長(東京大学名誉教授)の清水博さんは、人間(生物)と居場所の2重生命構造を説いています。これまでの科学は生きているモノには目を向けてきたが、生きているコトには目を向けてこなかったと言います。
 
東日本大震災での被災者の苦悩は、仮設住宅という生きているための場所は与えられたが、生きていくための居場所を取り戻せていない苦悩だとしています。
 
清水さんはこれを命の与贈循環としています。それは生物が居場所にその命の働きを与贈する一方、居場所もその命の働きを生物に与贈するいわば循環構造であると言います。
 
バベルは創業以来40年、この教育を受けてきた翻訳者、そして数十万人の翻訳予備軍が
いまでもバベルという場で働き、言わばバベルと協働、共創関係にあり世界中で活躍しています。
 
私たちは、40年という節目は時代の節目でもあると認識しており、これを機会に、バベルに関わる人たちのためのGlobal Independenceの場、世界で自立をめざそうという人々のためにe居場所(働く場)の再構築を考えていきたいと思っています。
 
それは図式化すると、同心円的に広がる幾層もの波紋構造と言ってもよいのかもしれません。
 
中心に在るバベル翻訳大学院(USA)が第一の波紋をよび、
 
第一の波紋では、育ったMST ( Master of Science in Translation) ホールダーがリーガル、金融、IR、WEB、多言語、医薬、特許といったそれぞれの専門分野のビジネス翻訳の居場所を得て、
第二の波紋では、育ったMSTホールダーが人文、社会、自然科学の様々な専門分野で翻訳書を刊行
する出版翻訳ビジネスで居場所を得て、
     
 
更には翻訳業務を越えて、翻訳教師、リサーチャー、編集者、創作者と働く場を広げていきます。
そして、いつでも新たなスキル獲得のために大学院の継続教育の場へ戻ることもできます。
 
これらの波紋構造の核、中心にあるのが、翻訳研究所で翻訳テクノロジーと翻訳に対する様々な知見を開発、蓄積、発表しています。
 
そして、こうした活動の成果はすべて出版物という成果物として世に出され、バベルの
地球図書館(eガイアショップ)にストックされ、読まれ続け、多くの人々に気づきと喜びを与え続けています。
 
すなわち、バベルのビジネス構造の中では、
 
 ・翻訳者
   にも成ることができ
 ・翻訳教師
   にも成ることができ
 ・編集者
   にも成ることができ
 ・創作者
   にも成ることができ
 そして、
 ・研究者、リサーチャー
   にも成ることができ
 ・図書館司書
  にも成ることができるのです。
 
そして、世界で自立するための能力認証として翻訳資格を持つことになります。
この機会は、一般社団法人日本翻訳協会が提供いたします。
http://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam_all.html
 
従って、このバーチャルな働き方は、世界中、いつでも、どこでも働けることになります。
 
ツールは Cybozu(プロジェクトのプラットフォーム)
     Zoom(対話ツール) 
     Dropbox(データ集積ツール)
を基本とします。
 
そんな皆様と、e居場所を共にし、翻訳を通じて世界貢献をする!!
これがバベルの次の10年の夢であり、目標です。

第123号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

バーチャル・ワーク
新しい働き方は‘いつでも、どこでも’


WEB版 The Professional Translator 編集長          
米国バベル翻訳大学院 副学長 堀田 都茂樹

 

先々回に、本誌で「米国の教育の新潮流 CBE ― 型にはまった教育からの脱却」
と称して、教育の形態が従来のキャンパススタイルで行われる縛りの多い教育から
遠隔教育に代表される自由な形態に移行しつつあることを書きました。
 
それは、Competency Based Education(CBE)、教材、教室、単位、修学時間、修学年限、単位当たりの学費といった旧来の教育の枠組みを越えて、目標とするCompetency、すなわち、知識、能力、態度といった統合的目標に基づいて学習効果を評価、達成しようとする試み、いわば、学習者主体の自由な教育の形態を志向していると書きました。
 
Competency Based Education には、
1. 教材より評価主体、評価重点
 2. 資格認定試験との連携
 3. 産学連携、キャリア重視の教育
 4. 自由度が高い科目選択
 5. 教えるというよりメンター的指導を重視
 6. 先行学習評価を加味、すなわち実績を考慮
 
いずれも、バベルの翻訳専門職大学院という遠隔教育で実現しようとしている方向と一致しています。
 
今回は、‘学び方’から、‘ 働き方 ’を考えてみたいと思います。
しかし、このテーマも面白いように、そのパラダイムを同じくしていることに気づきます。
 
すなわち、働くもの主体の自由な就業の形態です。
 
これを称して、ロンドンビジネススクール教授、Lynda Grattonはバーチャル・ワーク 第3の波としています。
The Third Wave of Virtual Work
 
第一の波 バーチャル・フリーランサー
1980年代より、インターネット、eメールネットワークの普及により、翻訳者をはじめ、その高い専門スキルを武器にインディペンデント・コントラクターとしてフリーランス共同体を形成するようになりました。

第二の波 バーチャル社員
9・11等も契機となり、社員がオフィスに集まらなくてもオペレーションの継続性を維持し、一定の成果を上げる方法が模索されました。
結果、バーチャル・ワークは企業と社員双方の利益になるよう工夫されてきました。
結果、IBMでは社員の内、リモート・ワーカーが45%を上回るようになったといいます。
 
第三の波 バーチャル・コワーカー
バーチャル・ワークにより失われがちなチームワーク、コラボレーション、暗黙知の共有を、コワーキング・スペース(コラボレーションする作業空間)を設けて、これを補うようになっています。
 
 今や、出勤して職場にいることをもって自己アピールする時代は終わろうとしていると言うことでしょうか。
 `Presenteeism’ has come to mean showing up at an office even when you could be more
productive elsewhere.
 
しかし、落ち着くところ、バーチャルな自由な働き方とリアルな顔を合わせての働きの双方を適度に融合する働き方が望ましいということでしょうか。
 
バベルグループの働き方がまさにこの路線に乗っていることに気づくとともに、‘働く’を生きると融合した、自由で、愉快な人生を送りたいと改めて願います。

 

第122号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

‘翻訳的ものの考え方’(翻訳者意識)で世界を変える


WEB版 The Professional Translator 編集長         
米国バベル翻訳大学院 副学長 堀田 都茂樹

 

「世界が一つの言葉を取り戻す」再考
 
バベルと長いお付き合いの方はバベルの塔の神話をご存知のかたは多いことでしょう。
しかし、バベルの塔の神話の真のメッセージは必ずしも人間の傲慢を諌めることだけではないというところから出発したいと思います。
 
それは、20年以上前にオーストラリアの書店で見かけた子供向けの聖書に書かれた解釈でした。
 
神は、人が、ひとところに止まらず、その智恵と力を世界に広げ繁栄するようにと願い、
世界中に人々を散らしたという解釈でした。すると、かれらはその土地、風土で独自の言葉と文化を育み、世界中に多様な言語と文化を織りなす、一つの地球文化を生み出したのです。
 
しかし、もともとは一つだったことば(文化)ゆえに翻訳も可能であるし、弁証法的に発展した文化は、常に一定のサイクルで原点回帰をしているので、ただ視点を変えるだけで、結局、同じことを言っていることが分かるのではないでしょうか。
 
しかし、人間のエゴの働きと言えるでしょうか、バベルの塔のころからの傲慢さゆえに、
自文化が一番と考えることから抜けきれないでいると、もともと一つであるものでさえ見えず、理解できず、伝える(翻訳)ことさえできなくなってしまうのかもしれません。
 
翻訳の精神とは、自らの文化を相対化し、相手文化を尊重し、自立した二つの文化を等距離に置き、等価変換する試みであるとすると、この過程こそ、もともと一つであったことを
思い返す試みなのかもしれません。
 
「世界が一つの言葉を取り戻す」、それは決してバベルの塔以前のように、同じ言語を話すことではないでしょう。それは、別々の言語をもち、文化を背負ったとしても、相手の文化の自立性を尊重し、その基底にある自文化を相対化し理解しようとする‘翻訳者意識’を取り戻すことなのではないでしょうか。
 
バベルの塔の神話はそんなことまでも示唆しているように思えます。
 
また、ここに翻訳の本質が見えてきます。
 
あるテレビ番組で、日本料理の達人がルソン島に行き、現地の子供の1歳のお祝いの膳を用意するという番組を観ました。おそらく番組主催者の意図は世界遺産となった日本料理が、ガスも、電気コンロもない孤島で通用するかを面白く見せようとしていたのでしょう。
 
この日本料理の達人は自らの得意技で様々な料理を、現地の限られた食材を使い、事前に
現地の人々に味みをしてもらいながら試行錯誤で料理を完成させいくというストーリーでした。そして、最後は大絶賛を得られたという番組でした。
 
しかし、かれはその間、自ら良しとする自信作で味みをしてもらうわけですが、一様にまずいと言われてしまいます。しかし、何度も現地のひとの味覚を確認しながら、日本料理を
‘翻訳’していくのでした。そこには自文化の押し付けもなければ、ひとりよがりの自信も見られません。ただ、現地のひとの味覚に合うよう、これが日本料理という既成概念を捨て、日本料理を相対化し、自らのものさしを変えていくのです。
 
世界には7,000を越える言語、更にそれをはるかに越える文化が有るなか、翻訳者が
翻訳ができるとはどういうことなのでしょうか。
 
翻訳ができるということは、もともと一つだからであり、
翻訳ができるということは、具象と抽象の梯子を上がり下がりできるからであり、
翻訳ができるということは、自己を相対化できるからということでしょう。
 
例えば、世の中には様々な宗教があり、お互いを翻訳しえないと考えている方が多いのではないのではないでしょうか。
 
しかし、誰しも翻訳者であると考えてみましょう。翻訳者という役割が与えられた時点で、自らの言語、文化を相対化する必要があります。翻訳する相手の文化を尊重し、自国の文化を相対化し、相手の国の人々がわかるよう再表現をする。
 
「翻訳とは、お互いの違いは表層的なものであり、もともとは一つであることに気づき、
お互いを認め、尊重し合う行為である」と考えられるでしょう。
 
翻訳こそ、鋭い感性と深い精神性をもつ日本人(日本語を母国語とするもの)に適した役割でしょうし、‘翻訳的ものの考え方’、すなわち翻訳者意識で世界を変える、これを先導するのがバベルの使命のひとつであると確信しています。

第121号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

米国の教育の新潮流 CBE ― 型にはまった教育からの脱却


WEB版 The Professional Translator 編集長         
米国バベル翻訳大学院 副学長 堀田 都茂樹

 

昨年、オバマ大統領がCBEという新しい教育形態も連邦奨学金の対象にすると議会で発表、下院を通過し、米国ではCBEは教育の新しい潮流になっていると言います。
CBEとはCompetency Based Education(CBE)、教材、教室、単位、修学時間、修学年限、単位当たりの学費といった旧来の教育の枠組みを越えて、目標とするCompetency、すなわち、知識、能力、態度といった統合的目標に基づいて学習効果を評価、達成しようとする試みです。
従って、学習者主体の教育の自由化を志向していると言われています。
 
旧来の言い方であれば読み、書き、そろばん。最近であれば問題解決型学習、アクティブラーニングにも関係が深い、言わば知識教育からの脱却と考えられるでしょう。
また、英国、フィンランド、ベルギー等で5歳児から義務教育化されているプログラミング学習もその路線と言えるかもしれません。
 
しかし、まだ、この定義も必ずしも固まっていない様ですが、米国ではすでに34大学がCBEを看板にこの教育モデルを宣言していると言います。
 
こうした自由度の高い高等教育の制度が米国で普及しつつある背景には
  ・MOOCs ( Massive Open Online Course )のような無料、且つ膨大な教材が解放されていること
       *MOOC: オンラインで公開された無料の講座群
  ・その背後にInstructional Designerのような教材制作のプロの出現していること
  ・旧来のキャンパススタイルの不自由な学習形態から、オンライン、そして
   複合的なブレンディドラーニングが急激に増加したこと
  ・また、これらにより人々が様々な学習形式で学ぶようになったこと
   等があると言います。

従って、そのCompetency Based Education には、
  • 教材より評価主体、評価重点
  • 資格認定試験との連携
  • 産学連携、キャリア重視の教育
  • 自由度が高い科目選択
  • 教えるというよりメンター的指導を重視
  • 先行学習評価を加味、すなわち実績を考慮
等の特色があると言います。
 
バベルの翻訳大学院(米国)をこれらの先行指標でざっくり自己総括すれば、こんな感じでしょうか。


1.翻訳者に求められるCompetence(Competency)を明確にしているか=Yes

   ※別表参照(ITIはThe Institute of Translation & Interpreting 英国の翻訳協会)

2.カリキュラムはCompetenceに沿って組まれているか=Yes

3.評価の方法は単なる知識のAchievementではなくProficiencyを軸に行われて
  いるか=(Yes)
  日本翻訳協会の各種資格試験(5段階評価)と連動、そして、資格認定を単位として認めている

4.産学連携、キャリアプランと直結しているか=Yes
  大学院がバベルグループのビジネス翻訳事業、翻訳出版事業、版権仲介事業、人材紹介・派遣事業
  とのアライアンスからなっている、いわばCorporate Universityの体裁をもつProfessional Schoolである

5.科目の選択の自由度があるか=Yes
  いずれの専攻においても他の専攻の科目を広く受講でき、
  且つ、翻訳出版ワークショップのようなプロジェクトに参画することも単位として認められている


6.メンター的な機能があるか=Yes
  すべての院生に専任のカウンセラーがアサインされ、
  別にキャリアコンサルティング、ラーニングカウンセリング、ITカウンセリングといった制度を用意している


7.先行学習を評価しているか=(Yes)
  過去の学習実績、過去の資格取得実績、過去の翻訳実績を単位として認定している

 

 以上、Competency Based Educationという米国の先端教育の流れに沿って
 BABEL UNIVERSITY Professional School of Translationを自己総括してみました。
 
 もちろん、私自身、CBEを深く学び、総括したわけではないのですが、新しい教育の
潮流を私なりに考える絶好に機会となりました。
 
 MOOCsの積極的活用に始まり、様々な課題が浮き彫りにされましたが、これを皮切りに翻訳専門職大学院の教育を次のステージにとの気持ちを新たにした次第です。
 Alumniの皆様にもそんな機会を提供できればと考えています。

201502251253_1.png

第120号 ALUMNI編集室から

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

再び!We are the 99%


WEB版 The Professional Translator 編集長 堀田 都茂樹

 

Capital in the Twenty-First Centuryの邦訳『21世紀の資本』(みすず書房)が12月8日に発売され話題を呼んでいます。
 
著者はパリ経済学校の教授、トマ・ピケティ。これが今年4月に米国で英訳され、米国ではすでにベストセラーになってます。
 
先日、オバマ大統領もこの問題を議会で取り上げ、この傾向の是正を打ち出したところです。
 
ピケティは15年かけてフランス、イギリス、米国、日本など20カ国以上の過去300年にわたる税務統計を分析し、資本主義のもとでは貧富の差が広がるのは当然だと主張しています。
 
それは資本利益率が経済成長率を常に上回っているから。すなわち、経済発展の恩恵は一部の資本家しか享受できず、貧富の格差は縮まらない、との見解を示しています。
 
2011年に失業や貧富の格差に抗議をした米国の人々がウォール街を占拠して、We are the 99%、すなわち、上位1%が富を独占していることに抗議したことは皆様もご存知でしょう。僅かな人々が周辺から利益を吸い上げていくのが、資本主義というわけです。
 
安倍政権が日銀に追加金融緩和をさせたのは、まさしく大企業優先、資産家優遇の施策で、資産家は更に資産を増やし、貧富の格差がますます広がっていく悪循環に入っています。
米国は更に深刻な状況であることはご存知でしょう。
 
ピケティは今の資本主義を否定しているわけではありませんが、このまま格差がひろがると共同体が維持できなくなる可能性がある、と警鐘を鳴らしています。
 
私も、ここいらで西欧型資本主義を卒業する時がきていると言えないだろうか、と感じています、と一ヶ月前の私の記事では締めくくりました。
 
しかし、この問題をその典型である米国社会(中国も同様ですね)と比較して、日本社会はどうなのかを改めて考える必要があるかもしれません。もちろん是々非々を明確にして正すところは正すの姿勢は必要でしょうが。
 
数値だけで見ると、日本も米国のように貧富の格差という事態が深刻になってきているとする向きもあるのですが、まずは社会のシステムを総合評価してみるという視点が必要でしょう。
 
世界に冠たる医療制度、国民皆保険、そして国の安全度、総合的に見てもその1%で想起される不幸は日本には多くは見当たらないように思えます。数値にとらわれて、すでに内にある目に見えない価値を看過することだけは避けたいと考えます。
 
社会を総体として観る視点が必要になると思います。
 
とすると、日本は世界が羨む、世界一の住みやすい場所と言えるのかもしれません。

第119号 ALUMNI編集室から

WEB TPT 2015年1月25日号 ― 通巻119号  
発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association



世界を跨ぐ翻訳者に必要なCultural Competenceとは

その2 新時代を開く言霊学 ― コトバに秘められた真理を探究する


WEB版 The Professional Translator 編集長 堀田 都茂樹

 

 最近は日本でも、言霊の効果、西洋流用語ではアファメーションなど、ことばの見えない効果を信じる人たちが増えた一方、ぞんざいな言葉使いで自らを傷つけている自虐的人たちも目立つように思います。
 
今日ご紹介するのは、本誌でも来月より1年間連載を予定、また、2月にはオンラインセミナーも予定しております言霊学について紹介しましょう。
 
我々、日本語と外国語の間の翻訳に関わるものとして、日本語を大切に使う必要性は強調してもし過ぎることはないと思います。
 
世界最大の語彙数50万語以上を誇る日本語。ドイツ語は35万語、フランス語は10万語、英語は50万語と言われますが、外来語が日本語以上に多いことはご存じでしょう。
 
世界およそ200の国、6,000以上の民族、6,500以上の言語のうち、母音中心(50音図)に整然と組み立てられている言語は日本語のみと言われています。しかも、平仮名、片仮名、漢字、アルファベット、漢数字、ローマ数字等、の豊富な表記法をもっているわけです。

且つ、際立つのは、1,000年を越える作品、古事記、日本書紀、万葉集、更には、源氏物語など、今の我々が容易に読める事自体、世界的に見るとありえないことでしょう。米国、英国の人たちは古代ギリシャ語、ヘブライ語が読めないと直接触れることすらできないわけですから。

また、最近の脳科学の知見でご承知のように、日本語を第一言語として習得したものは子音も母音も共に言語脳である左脳で処理し、小鳥のさえずり、小川のせせらぎ、風の音等の自然の音を会話のような ‘ 声 ’ として左脳で聞いています。

それに対して、西洋人は、子音は左脳、母音は機械音や雑音同様に右脳で処理しています。
従って、西洋人は小鳥のさえずり、小川のせせらぎ、風の音等の自然の音を日本人とは違い右脳でノイズとして聞いているわけです。
 
自然の ‘ 声 ’を聞くことができる日本人、日本語を第一言語として習得した人々の繊細な
感性、調和の心、和のこころはこんなところからきているのでしょう。
 
万葉の歌人、柿本人麻呂が日本を「言霊の幸はふ国」としているのは納得します。
 
聖書では「はじめにことばありき、ことばは神と共にあった。」と書かれているように、我々も言葉を扱うプロとしてことばを大切に扱おうと、改めて確認したいと思います。
 
以下、2月のセミナー講師、連載執筆者でもあります宿 晃先生のセミナーに寄せたお言葉を紹介いたします。
 
「人は言葉で思い考え、そして相互に伝達し合って生きています。その言葉には波動がありエネルギーがあることをご存知ですか?
 
ギリシャの哲学者・ソクラテスは「人間は言葉の動物である」と人と他の動物との決定的な違いを喝破しています。その言葉があったればこそ人類は識別し思考し意識し、そしてコミュニケーションをとることが可能になり、善しにつけ悪しきにつけ今日の高い科学文明・文化を築くことが出来るようになったのです。
その人間にとって人間たる所以の大切な言葉が、今の日本ほど乱れている時代は無いと言われています。
  
「喰え」「うめー」「やばい」「むかつく」「死ねー」等々、かつてヤクザが使っていた言葉が若者の間や一般の人達の間で頻繁に使われています。又意味不明な外来語・カタカナ語が乱用され、加えて人々の言葉には誠実さが失われ、ウソや誇張やおちゃらけた言葉、批難中傷の暴言が氾濫しています。このような言葉の乱れは必然的に波動を乱し、人々の心を歪ませていることは明らかでありましょう。
 
言葉の乱れ→波動の乱れ→心の乱れ→世の乱れ、の図式が成り立つようです。
かつて日本の国は「言霊の幸はふ国」と言われていました。そのころの私達の先祖は、大和ことばを使い、心と言葉が一致した誠実な生き方を歩んでいました。言葉の奥に霊力=エネルギーがあることを知っていたからです。
 
現代人の多くはこの言葉の本質に気付かずに、自身の発する言葉や外から入ってくる乱れた言葉によって、知らず知らずのうちに誘導され、思考や意識を歪めてしまっているのです。
極言すれば言葉を正すところに健全な思考・意識、そして幸せな生き方が開かれてくるのです。嘘・偽り・誇張・破壊的・暴力的な言葉にのめり込んでいたのでは、幸せと調和は得られないと言えましょう。
 
ことは(光透波)理論は日本語をベースにして、コトバの奥に秘められた真理を読み解く新しい時代の文字の言霊学と言えるのです。
 
21世紀を迎えて時代の潮流は物質・お金中心の時代から、精神と物質が調和する理想の時代に移ってゆこうとしていると言われています。
 
これから迎える物心調和の時代に先駆けて、人々がこの混迷の転換期を乗り越え、豊かな生き方が掴めるように、言葉の奥に潜む真理を伝え、宇宙のご意図を学ぶことが出来ます。」
 

では、来月からのセミナー、そして連載をお楽しみください。
 
第一回セミナー(ZOOMで世界中から参加可)
テーマ:新時代を開く言霊学
― コトバに秘められた真理を探究する
講師:宿 谷 直 晃
日時:2月19日、18:00(日本時間)

http://www.jta-net.or.jp/seminar.html

第118号 ALUMNI編集室から

WEB TPT 2015年1月10日号 ― 通巻118号  

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

『 世界を跨ぐ翻訳者に必要なCultural Competenceとは』


WEB版 The Professional Translator 編集長 堀田 都茂樹

 

 昨年12月、1月と2015年を見据えて、グローバルに活躍できる翻訳者の
必須スキルのうちのITスキルについて特集して来ました。
 
バベル翻訳大学院では翻訳者が必要とする5つのCompetenceに沿って
コースワークが組まれていることは既にご承知かと思います。
 Language Competence (言語表現力)
  ・Expert Competence (専門知識力)
 ・Cultural Competence (異文化理解力)
 ・IT Competence (IT活用力)
 ・Managerial Competence (ビジネス遂行力)
 
12月、1月と4回に亘り、このうちのIT Competenceについて本誌で特集してきました。
 
 ICT(Information and Communication Technology)運用力
 ・翻訳リサーチ力
 ・デジタル編集力
 ・CAT(Computer Assisted Translation)活用力
 
これらは、今年に開講を予定している以下の講座に対応して特集化しました。
 
 「翻訳リサーチ講座」
 「KINDLE編集講座」
 「CATツール活用のための翻訳テクニック講座」
 「グローバル翻訳のためのCATツール活用講座」
 
この号は、CAT関連特集の第一回、CATツール活用のための翻訳テクニック講座」
寄せた特集となります。従って、次回は、「グローバル翻訳のためのCATツール活用講座」を扱います。
 
世界を跨ぐ翻訳者に必要なCultural Competenceとは
 
今年の2月、3月の特集は、翻訳者として重要な専門知識( Expert Competence)と対になる
異文化理解力 ( Cultural Competence)を特集します。
ここでは、日本語の特性、言霊から、言語学的視点、翻訳の世界歴史、異文化理解の視点から特集を組んでいきます。
 
この特集に先立って、私が最近出会った、目から鱗のプログラムをご紹介しましょう。
これこそ、世界を跨ぐ翻訳者に基本として踏まえていただきたい内容です。
 

201501091536_1.jpgその開発者は渥美育子先生。渥美先生は米国、アジアで約25年、一流企業のグローバル教育に携わられて、米国タイム誌でも取り上げられ大きな反響を呼んだ異文化を融合するグローバル教育の第一人者です。また、最近はその経験に基づき、日本の中学、高校生に対しても「地球村への10のステップ」というグローバル教育を立ち上げて注目されています。
 

私の渥美先生との出会いは、「世界で戦える人材の条件」(PHPビジネス新書)がきっかけでした。読み終わると、どうしても一度お会いしたく、昨年の12月26日、年間業務の
最終日に先生の事務所に押しかけて行きました。       
 
そのプログラムの具体的な所は、2月から順に、ご紹介していきますが、そのエッセンスをお伝えしましょう。
 
それは、インターナショナルからグローバルへの視点の大転換から入るものです。
 
インターナショナルは国対国の二元的視点、それに対してグローバルは天空から見下ろす
宇宙的視点。これからの教育は国対国を考える前に、その共通認識として世界の文化構図を
知ることが必要との考えに基づいています。
 
すなわち、世界はその文化的価値観から4つのエリアに大分類されると言います。
 ・モーラルコード(人間関係)で成り立つ国々― 日本を含むアジア、南欧、南米、中部
                        アフリカ等
 ・リーガルコード(ルール、マニュアル)で成り立つ国々
                      ― 米国、英国、北欧諸国
 ・レリジャスコード(神の教え)で成り立つ国々―中東、北アフリカ等
 ・ミックスコード(混合)で成り立つ国々― インド等
 
また、これらの国々を伝統、歴史という時間軸で掘り下げて、グローバルナビゲータを創り上げて、それぞれ国が何に文化、行動価値を置いているかを
 ・モーティベータ
 ・ディ・モーティベータ
すなわち、何を持って動機付けされるか、また逆に、なにが動機を削ぐのかを整然と整理しているのです。
 
これらを、渥美先生は多国籍企業における企業研修に活用してきたわけですが、考えて見ると、翻訳者にとっても基本研修として知っておくべき要諦ではないでしょうか。
 
すなわち、翻訳をする原書、原データを創った人はどんな文化圏に属し、どんな歴史的過程を経て、どんなことにプラスの価値をおき、どんなことにマイナスの価値を置くのか、
これを知ることで、原文の読みは確実に深まるでしょう。
 
また、翻訳を読んでいただく読者、主たる読者対象を考えて見ても、その人がどんなことに
価値を置いて考えているかを知っているか、いないかでは翻訳の読者から見た品質は決定的に違ってくるでしょう。
 
このテーマは、昨年、皆様にも寄稿いただきました「翻訳教育研究室」のテーマ、翻訳教育をどう改革していくか、また、中学、高校性に対する翻訳的教育を考えるにあたっても極めて重要なテーマになると思います。
 
最後にひとこと言わせてもらえれば、世界にはこれだけ多様な価値観を持つ人々がいるということを、中学くらいから学んでいけば、自身の相対化が可能となり、いじめはなくなるかもしれませんし、世界で活躍が期待できる若者が確実に育ってくると確信します。
 
この点は既に前号で紹介しています、1月31日から東京で上映が予定されている
「バベルの学校」が提示しているテーマと同根であることに驚かせられます。

http://www.babel.co.jp/
http://unitedpeople.jp/babel/
 
渥美育子さんオフィシャルHP http://www.ikukoatsumi.com/

第117号 ALUMNI編集室から

WEB TPT 2014年12月25日号 ― 通巻117号  

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

『 2015年を飛躍の年にするために
 日本翻訳協会の翻訳検定を受験ください』


WEB The Professional Translator 編集長 堀田 都茂樹

 

既に、今年になってこのコーナで院生、修了生の皆様に2回に亘ってお知らせしたことですが、いよいよ来年は、バベルグループとしても皆様のお力をお借りして、あらたな翻訳会社を専門分野別にスタートさせます。
従って、再三となりますが、
翻訳会社のトライアルと思って、一般社団日本翻訳協会の翻訳認定試験をご自身の専門分野で受験ください。http://www.jta-net.or.jp/index.html
これを参考資料として皆様に翻訳者、翻訳プロジェクトマネージャーとしてのお仕事をアサインしたいと考えています。また、これらの資格を1級までめざすことも、
これからの
皆様の到達目標となることと思います。
 
以下は、本年の9月25日号の原稿(一部修正)ですが、改めてお読みいただければと考えております。来年は、バベルグループの翻訳スタッフとしてネットワークにお入りください。
 
第3者資格認証のすすめ
 
バベル翻訳大学院のトップページで、私が3つのブランディングという話をしています。
今日は、その中の3つ目として、他と差別化して、大競争時代に生き抜く方法としての第3者資格認証の必要性をお話しましょう。

http://www.babel.edu/support/index.html
 
常日頃、私が皆様に機会があればお伝えしていることではあるので、改めてということに
なりますが、バベルの翻訳大学院で修士号を修める、バベルプレスから翻訳書を出版する、
バベルトランスメディアセンターで翻訳の実績を積む等、バベルグループ内での実績、
実力認証は決して価値がないということではないのですが、是非、‘バベル’の外での認証も大事にしてほしいのです。
 
‘Inbreeding’ということばをご存知でしょうか。
 
欧米では、この純血主義を嫌います。
 
思い出しますと、1999年、バベル翻訳大学院が米国教育省認可の教育品質認証機関DETC (Distance Education & training Council) の品質認証(Accreditation)を受けるための
3日間の監査チームの監査を受けているプロセスで、教育スタンダード担当のトップの監査員(米国の大学院教授)から、’それはInbreedingなので、米国では価値があるとみなされません、避けるべきです‘という指摘をうけました。
 
それとは、バベルは30余年、翻訳文法をはじめ、翻訳の独自の方法論のもとに世界の翻訳業界に多くの翻訳者を排出してきたことで、そのノウハウをこの大学院で教え、教わった
院生が修了後、そのノウハウを大学院に教職として残り、後輩に伝えてゆくというシステムです。その循環型の教育システムをバベルは大学院でも採用する予定である、といった時に、‘それはInbreedingなので、米国では価値があるとみなされない、避けるべきである’と言われたのです。
 
日本では確かに出身大学で教職に就くことが多いと思いますが。これを否定されたときは
一瞬戸惑いましたが、こう切り返しました。しかし、教育内容がユニーク、オンリーワンである場合は、教職者を他の大学院から採用するのは不可能でしょうと。
 
それに対する返答は、その監査官からは聞けませんでした。
 
すでに、教育品質認証を受けて3期、約15年を過ぎた今では、むしろ、そのユニークさを前提に独自の教職体制を組もうと割り切っている現在です。
 
話は、長くなりましたが、事ほど左様に、欧米的な考え方では、一般的に第3者機関の認証を受けることに価値を置きます。
 
と言うことで、皆様に強くおすすめするのは、バベルの大学院の修士号(MST)、バベルの単科履修証明(Certificate)だけではなく、例えば一般社団法人日本翻訳協会の翻訳資格等をとっておいて欲しいのです。
 
そのために、バベル翻訳大学院(USA)では一般社団法人日本翻訳協会の翻訳資格の受験料を毎回一定の数は負担して、みなさんが無料(もしくは実費)で受験できるようにしています。

http://www.jta-net.or.jp/index.html
 
http://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam_all.html
2015年1月、2月の試験を以て、この特典は解除いたします。
 
以下が、それらの翻訳試験です。
是非、ご自身の専門分野の試験は必ず受験してください。
 
翻訳専門職資格試験(翻訳総合力認定)
•Language& Cultural Competence
•Expert Competence
•IT Competence
•Managerial Competence
 
翻訳出版能力検定試験
•出版シノプシス
•絵本翻訳 
•ヤングアダルト・児童書翻訳
•エンターテインメント翻訳
•ロマンス翻訳
•スピリチュアル翻訳
•一般教養書(ビジネス関連)翻訳
•一般教養書(サイエンス関連)翻訳
 
翻訳ビジネス能力検定試験
•IR/金融翻訳能力検定試験
•リーガル翻訳能力検定試験
•医学/薬学翻訳能力検定試験
•特許翻訳能力検定試験
 
翻訳プロジェクトマネージャー資格試験
•時間管理
•人材管理
•資源管理
•コスト管理
•顧客管理
•コンプライアンス管理
 
Plain Written English能力検定
 
大学院の院生、修了生の皆様にお仕事を紹介する際にも、
これらの試験の成績はますます重視していこうと考えています。
 
では、果敢なチャレンジをお待ちします!!!

第116号 ALUMNI編集室から

WEB TPT 2014年12月10日号 ― 通巻116号  

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

『世界で活躍する翻訳者集団を目指して
2015年からバベル翻訳大学院Alumniの会が本格始動します』


バベル翻訳大学院(USA)Alumni Service Manager 宮本 寿代(みやもと ひさよ)

 
miyamoto.gif
 
バベル翻訳大学院の修了生はまもなく200名を超えます。インターネットで学習できる大学院であることから、修了生は世界各地にいらっしゃいます。これから本大学院の修了生は、世界中で活躍する翻訳者として認知されていくことでしょう。
 
Alumniの会とは、バベル翻訳大学院を修了し、翻訳者として自立した人たちが集う組織です。メンバーは相互に協力し合い、ネットワークを展開、強化します。Alumniの会では、翻訳を通じた社会貢献をミッションとし、2015年より本格的に始動します。
 
本記事ではAlumniの会の方向性を中心にお話ししたいと思います。会の具体的な姿については修了生のみなさんの力をお借りしつつ、検討を進めていく所存です。
 
これまでに本大学院を修了された方のなかには、個人で努力を重ね、業務経験を積んでこられた人も多いと思います。翻訳の業務を受けたい、業務に際して誰かの力を借りたいというニーズがあっても、そういった情報が修了生のあいだで共有されることはあまりなかったのではないでしょうか。修了生の方々からの主体的アプローチによってAlumniの会が充実することの大きな利点のひとつは、修了生同士での情報共有と言えるでしょう。
 
●バベルグループとのかかわり
この会の活動を通じ、大学院と修了生のみなさんが、ビジネスパートナーとしての協力関係を確立できると考えています。いくつか具体的なアイディアを取りあげてみましょう。
・バベルの持つノウハウの活用
バベルグループの優待制度である「バベルメンバーズ」に登録された方は、書籍の価格割引、専門誌の無料購読、講座受講料割引をはじめとする、いくつもの特典が受けられます。バベルグループが40年の歳月をかけて積み上げてきたノウハウをご自身の翻訳キャリアのために活用することができます。
・翻訳関連業務の受注
バベルの翻訳出版ワークショップには、翻訳者、あるいは監訳者という形で修了生をはじめとする多くの方々が参画しています。また、ビジネス翻訳分野でも修了生が大いに活躍しています。バベルグループのニーズに応えるのに十分な力量を備えているメンバーは、この会を通じて、ご自身の力を活かす場を得ることもできるのです。
・翻訳研究活動
大学院では2014年に新たに「翻訳研究所」を設立しました。この研究所は、出版翻訳、ビジネス翻訳、eトランステクノロジー、翻訳教育という4つの研究室に分かれ、それぞれのテーマについてリサーチし、その成果を積極的に発信することを目指しています。今後、こうした活動においてもAlumniメンバーが活躍するケースもあるでしょう。
・バベルグループとの提携
世界各地にいらっしゃるAlumniメンバーが翻訳学習者に対する教育事業や、書籍の販売事業を手掛けたいとお考えの場合には、バベル翻訳大学院、あるいはバベルグループとの業務提携も大いに可能です。加えて、メンバーがご自身の研鑽のために大学院の講座を改めて受講できるような制度も順次、整えられる予定です。
ほかにも、Alumniメンバーのみなさんがバベルグループに積極的にかかわり、主体的にビジネス展開やスキルアップのための糧を得る方法はいろいろと考えられるでしょう。
 
●第三者機関との連携
Alumniの会は世界で活躍する翻訳者の集まりとして、各メンバーが活躍の場を広げるための一助となるべく努力を続けます。ですが、世界で通用する翻訳者であるためには、本大学院の授与する翻訳修士号の取得にとどまらず、さらに強力なブランディングが必要です。第三者機関による認証の取得もそのひとつです。一般社団法人日本翻訳協会(Japan Translation Association 以下、JTA)では各種検定を実施し、翻訳者のスキルの客観的な評価を行なっています。本大学院はJTAと連携しており、翻訳修士号を取得された方々にも、JTAの実施する各種検定により翻訳スキルの客観的評価を得て、翻訳者としてのレベルを世界に向けて示すことをお勧めしています。Alumniの会でも、JTAをはじめとする第三者機関との関係を重視していきます。
 
●Alumniの会の発展に向けて
 Alumniの会の方向性について概要をお話しいたしました。具体的にどのような仕組みができるのか、どのように展開していくのかについては、これから修了生の方々のご意見も伺いつつ、決定できると思います。そのためにも、修了生のみなさまに事務局からメールでアンケートをお送りいたします。伺う内容としては、まず
・翻訳に関して、現在どのような業務をされているか。
・将来、翻訳にどのように携わりたいと考えているか。
といった点です。それから、
 ・バベルメンバーズに登録しているか。
・WEB雑誌The Professional Translatorを読んでいるか。寄稿したことはあるか。
・翻訳出版(ワークショップ)に参加した経験があるか。
・バベルグループから業務依頼を受けたことがあるか。どのような内容だったか。
・ワークショップでの監訳業務の経験があるか。監訳業務に関心があるか。
・JTA主催の各検定を受検したことがあるか。分野および取得級は何か。
・翻訳研究所に関心があるか。研究したいテーマはあるか。
・翻訳を教えることに関心はあるか。
・書籍販売等に関心はあるか。
・これから何を学びたいか。大学院で受講したい講座はあるか。
などもお聞かせください。実際のアンケートでは、より具体的な項目として示しますので、差支えのない範囲でお答えいただければと思います。
修了生のみなさんの現状やお考え、ご希望を把握すれば、Alumniの会としてこれからどうあるべきかを検討するうえでも非常に有益な情報が得られます。バベル翻訳大学院の修了生であるみなさまが各地、各方面でご活躍されるためにも、ご協力をお願いいたします。

 
宮本 寿代(みやもと ひさよ)
バベル翻訳大学院(USA)Alumni Service Manager 

バベル翻訳大学院(USA)文芸映像翻訳専攻修了
同大学院プロフェッサー、カウンセラー
訳書に『ニコラ・テスラ 秘密の告白』(成甲書房)、ほか共訳、監訳に従事

第115号 ALUMNI編集室から

WEB TPT 2014年11月25日号 ― 通巻115号  

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

『100年をめざす
    BABEL UNIVERSITY Professional School of Translation 』
( 2014年11月15日 ハワイ学位授与式での講演録 )


バベル翻訳大学院(USA)副学長 堀田都茂樹

 
 
バベルグループは1974年創立、40年を迎えます。そして、バベル翻訳大学院は米国で設立以来、まもなく15年を迎えることになります。
 
企業は1年で自主退場(倒産)するのが4割、5年で6割、10年で8割と言われます。
(諸説あるようですが)
 
としてみると、『よう頑張っている!』とエールを送りたいそんな気分ですが、それは
さておいて、皆さんに質問です。
 
世界で100年以上の歴史をもつ企業が一番多い国はどこだか、ご存知ですか。
 
なんと日本なのです。2万社を越える企業が日本では100年存続しています。
企業がGoing Concernと言われる意味を改めて実感します。
 
では、世界最古の企業はどこか、ご存知ですか。
 
これはなんと日本の金剛組、神社仏閣の建築をしている宮大工の会社組織です。
創業したのが578年、聖徳太子の時代という大阪市天王寺区の「金剛組」は、今年何と
1436歳。日本国内どころか世界でも最古とされる老舗企業です。
 
 前置きが長くなりましたが、BABEL UNIVERSITYは、ここ3年以内に100年続く
翻訳大学院になるための土台を築く予定です。
 
では100年続く組織、企業の条件、日本の100年続く企業の共通点はなんだと思いますか。ちなみにBABEL UNIVERSITY は株式会社立の大学院です。米国の教育機関では普通の組織形態です。
 
それは2つあります。
  1.信仰 ― Mission
  2.ゆるんだ組織 ― Resilient、「柔弱は剛強に勝る」
 
そこでBABEL UNIVERSITYは信仰をはっきりと明言することを決意しました
 
それは東西融合、東(W)の文化と西(E)の文化を、翻訳を通じてつなぐということです。
WEからEW(【ju´:;】)へ、そしてYOUからWEへ。

米国の本の刊行点数が年間15,6万冊、内、日本語に翻訳されているのが多く見積もっても6,7千冊。ましてや、日本語の本が英語に翻訳された数は微々たるもの。
せめて、均等くらいにはしたいものです。
 
翻訳を通じての東西融合、バベルグループはこれをめざします。
それにより読者に様々な気づきをもたらすことができれば幸せです。
 
そもそも、翻訳ということ自体、東西融合と言えます。日本語を英語にリテラルに変換し
ても、相手の文化に通じないとすれば、ここでCultural fittingの役割が求められるわけです。すなわち、翻訳こそ東西融合の結晶とも言えるでしょう。
 
バベルの翻訳大学院が拠点を置く、ハワイという地は現地語でPeko地球のおへそと言われます。ぴったりと思いませんか、バベルグループはハワイを起点にして地球図書館―East West Global Library(仮)を構築していきたいと考えています。
 
また、バベルグループはゆるんだ、ネットワーク型の、それぞれが自律した組織を選択しました。それは大企業、マンモス大学のような、丸抱えの発想から、自立した皆様とのパートナーシップネットワークです。
 
Alumniの皆様とのパートナーシップ、すなわちグローバルなProfessional Firm、自立したプロの集団をめざします。
 
すでにご承知かもしれませんが、バベルグループ自体が教育、出版、版権仲介、翻訳、人材派遣・紹介等のパートナーシップ型の企業形態をとっていることを加えておきましょう。
 
それではここで、このパートナーシップメンバーとなるための3つの条件、別の言い方をすると翻訳者として成功するための3つのブランディングを改めてお願いしたいと思います。
 
  • MST―翻訳の修士号を取得する
  • 翻訳出版をする、できれば監訳者も経験する
  • 第3者認証を取得する
 
1つ目は、マスター・ディグリーを取得する!!
これは修了された皆様はすでにクリアーしているわけですが。
MSTは米国教育省が認可した教育品質認証団体【 DETC 】のメンバー校として米国連邦政府が認証する資格です。 バベル翻訳大学院(USA)は米国のProfessional School (翻訳専門職大学院)、言わば、翻訳業界のMBA。ISO17100(世界翻訳標準)がまもなく発表される今日では、世界の翻訳実業界では翻訳修士号が強力な武器となります。
 
2つ目は、翻訳書を出版する!!
翻訳出版することが翻訳者としての強力なブランディングです!!修了までに翻訳書を出版してください。また、監訳者にもチャレンジください。文芸分野から金融・IR、特許・医薬・技術、リーガルなど,社会、自然科学分野の出版も可能です。
 
3つ目は、翻訳の世界標準資格をとる!!
翻訳力の第三者認証を受けることが第二の強力なブランディングです。 翻訳の修士号
(MST)取得に加え、翻訳業界の世界標準資格を取得してください。
業界で30余年の実績を持つ一般社団法人日本翻訳協会が実施する翻訳専門職資格試験 、翻訳出版能力検定試験、翻訳ビジネス能力検定試験等、ご自身の専門とする分野の資格を取得ください。また、合格すると大学院の単位にも加算できます。
 
最後にAlumniの皆様に3つをお約束しましょう。
 
1.自律、スキルアップのための学習機会の継続提供
2.出版を含む仕事の機会の提供
3.研究の機会の提供
 
ここで、参考までに新設予定の講座を紹介しましょう。
 
・翻訳リサーチ講座
・CAT―翻訳支援ツール活用講座
・Kindle編集講座
・言語学講座
 
また、来年より翻訳研究所を本格稼働します。
翻訳研究所は以下の4つの研究室から成ります。
・出版翻訳リサーチ研究室
・ビジネス翻訳リサーチ研究室
・eトランステクノロジー研究室
翻訳教育研究室 
ここでも皆様のスキルアップにお役に立てればと考えております。
 
最後にまとめとなりますが、
皆様が 
  1. プロとして自律、そして、自立して
  2. プロフェショナル・ネットワークの一員として
  3. 翻訳を通じて東西融合を果たす信者になっていただきたい
と考えています。
 
ということで、Alumniの皆様の今後のコミットメントを期待しております。 
ありがとうございます。
 

第114号 ALUMNI編集室から

WEB TPT 2014年11月10日号 ― 通巻114号  

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

締切迫る!!あなたの書く英語の品質認証を!
―Plain Written English能力検定試験実施

バベル翻訳大学院(USA)副学長 堀田都茂樹

 
これまで2度ほど、このコーナーで
『第3者資格認証のすすめ』と題して, 皆様にバベル以外の機関(ここでは一般社団日本
翻訳協会)の実力のお墨付きをもらう重要性を申し上げて来ました。バベルグループからの仕事に斡旋に関しても、来年はこの資格を目安にしたいと考えています。
 
翻訳業界で、他と差別化して、大競争時代に生き抜く方法としての第3者資格認証の必要性を以下、ブランディングという観点で指摘してきました。

http://www.babel.edu/support/index.html
 
今回は日本翻訳協会の資格検定試験のなかでも、‘日本を発信する時代’に不可欠な英語のスタンダードとして、Plain Written English能力検定試験を強く推薦いたします。
 
Plain Englishは1950年代にルドルフ・フレッシュが米国人に向けて提唱、その後、米国レーガン大統領、英国サッチャー首相もこれを支持し反響を呼びました。議会でも対消費者に向けて簡潔明解な文章を書こうと、消費者保護の観点からも推奨されました。また、
アニュアルレポート等、IR( Investor’s Relation)の分野においても、このPlain Englishは広く支持されて今日に至っています。
 
バベルではこのPlain English教育を始めて20余年、Global Englishのスタンダードとして採用しています。
 
Plain English能力検定試験では以下の5段階であなたの英語を評価いたします。
英訳者を目指される方には必須の資格となります。
 
効率的、効果的な英語コミュニケーション能力を、書く英語で測ります。   
『正しく書ければ、正しく話せる』これが本試験の基本思想です。
 
レベルは以下の5段階で認定します。
  1級―プロフェショナル水準の英語能力 (SUCCESSFUL)
 2級―セミプロレベルの英語能力 (ACCEPTABLE)
 3級―プロの英語としての合格ラインレベルの英語力(OBJECTIONABLE)
 4級―プロとして英語を使うにはやや難がある (INTRUSIVE)
 5級―文法を含め、基本から英語能力をつける必要がある(BLOCKING)
 
Plain Written English評価基準では、プロとしてのリーダビリティを測るために以下の
4×4=16の評価のガイドラインを設けました。
 
1. COHESIVENESS(結束性)のルール
①コンテクストに合わせる
②論理的な順序に従う
③一貫性を保つ
④読み手、聞き手の気を散らさない
2. DIRECTNESS(直接性)のルール
   ⑤推測ではなく事実を記す
   ⑥主語を明確にする
   ⑦否定語は極力避ける
   ⑧結論を簡潔に記す
3. ECONOMY(簡潔性)のルール
   ⑨簡潔を心がける
   ⑩使用頻度の低い単語よりも使用頻度の高い単語を選ぶ
   ⑪従属節の使用を避ける
   ⑫一記述には一要点だけを論じる
4. APPROPRIATENESS(適切性)のルール
   ⑬誠実に礼儀正しく、他者に敬意を払う
   ⑭イディオムや俗語は避ける
   ⑮短縮形、くだけた会話体は避ける
   ⑯文法的に正しい文を用いる
そして、この16のルールを
Word
Phrase
Sentence
Paragraph
それぞれのレベルで細分し、合計80のルールに分け、プロフェショナルにふさわしい英語ガイドラインを設けました。
 
● JTA公認 Plain Written English 能力検定試験
内容:   1. Description課題(客観的記述能力)
      2. Process課題(プロセス記述能力)
      3. Synthesis/ Protocol課題(総合的表現能力)
実 施 日 :2014年11月15日(土)午前10:00~12:00(日本時間)
締  切 :2014年11月11日(火)
試 験 場  :インターネットによる在宅試験
試験結果 :1級から5級の評価を認定し、以下の結果を返却します
      1.Plain Written English能力級認定書
      2.Assessment Sheet For Professional Plain English
      3.Area For Improvement Check Lists

http://www.jta-net.or.jp/about_plain_written_english_exam.html
*また好評につき、第2回「Plain Written English能力検定試験」を12月20日(土)
にも実施することになりました!
 
さあ、あなたの英語は非常にわかりやすいそんな評判を獲得しましょう。
 
英会話?未だに英会話などと言っている方に申し上げましょう。
 
書ければ話せる!!
簡潔明解な英語が書ければ、
話すように英語が書ければ
英会話レッスンなぞ不要!!
 
英語を話すには、あとは慣れです。
こうしてPlain Englishの書き手は、その場に置かれれば、立派な英語の使い手として評価されるはずです。
 
ここで忘れがちなことを最後に一つ、英語力は決して日本語力を超えることはないと言う厳粛な事実です。
 
その意味でも、翻訳を通じて、英語と日本語と両者と格闘しているあなたは素晴らしい日本の発信者となれるはずです。
 
自信をもって英訳者として世界に出ましょう!!!
 
Plain Englishを科目履修、添削付き講座で勉強したい方は以下へ。
http://www.babel.edu/program/31011.html

第113号 ALUMNI編集室から

WEB TPT 2014年10月25日号 ― 通巻113号  

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI Association

翻訳者のもうひとつの役割 ― 日本発信のすすめ
今、偉大なる翻訳者、福澤諭吉が生きていれば???

バベル翻訳大学院(USA)副学長 堀田都茂樹
 
「学問のすすめ」
天は人の上に人を造らず、人の下に人をつくらず
 
人は生まれながら平等であると言われているが、
現実には大きな差がある。それはなぜであろうか。
その理由は、学んだか学ばなかったかによるものである。
学問を身につけ、自分の役割を果たし独立すべき。
自由とわがままは異なる。学問とはその分限を知ることである。
自分の行いを正し、学問を志し、知識を広め、各自の立場に応じて才能と人格を磨き、
外国と対等に付き合い、日本の独立と平和を守ることが急務である。
 
福澤諭吉の「学問のすすめ」は、明治維新の5年後、1872~76年に書かれています。人口が3500万人の当時、340万部も売れた驚異のベストセラー、今日で言えば、日本の人口が1億2千万人であるとすると、なんと1200万部ということになります。
 
当時の日本は明治維新を経て、言わば強制的に鎖国を解かれ、本格的なグローバル社会へ突入した、まさに激動期、社会、国家革命を目前にした時です。
 
この本は、まさに新しい時代を拓く指南書として多くの日本人が貪り読んだ本でした。
 
従って、「学問のすすめ」は単なる個人の能力至上主義を唱えたものではなく、個人の社会的あり方、役割を説いたもので、個人が自立するなかで国家自体の繁栄が成し遂げられる事を説いています。これが独立自尊。
 
今という時代の課題を考えると、当時、日本が直面していた難題と不思議と符合すると言われます。
 
・グローバル化の波が押し寄せ、右往左往する主体性を欠く日本
・近隣諸国が謂れなき侵略意図をほのめかし、
・国は長期の財政赤字で破綻寸前
・政府は企業優先、庶民を顧みない
・社会制度の崩壊、遅々として進まない構造改革
 
等々の状況を見ても、当時、福澤が指摘すると同様、
今こそ、次の時代への明確な展望を持つべきときに来ていると思います。
国に依存せずに、個々が自らできることを自覚するときにあると考えます。
 
そんな時代に福澤諭吉が唱えたのが `実学のすすめ’ 、
 
ここで私は、時代意識を転換する新しい視点として、優れて実践的な学であるべき翻訳、
日本の世界における新たな役割を示唆する「翻訳のすすめ」、いや『日本発信のすすめ』を今こそ皆さんとともに考えていきたいと考えます。
 
世界がボーダレス一つになる中、各々の言語を生かしつつ、情報の共有化を図り、世界を融和、相互発展させるには『 翻訳 』は欠かせない方法論と考えます。日本は‘翻訳立国’と言われて久しいにも係わらず、国家レベルの施策において翻訳の占める位置付けはあまりにも低いとしか言いようがありません。細やかなコミュニケーションスタイルをもつ日本人の特性を持ってすれば、多・双方向翻訳で『翻訳再立国』を果たし、東西、南北の橋渡しとなり、日本と世界との情報格差を無くし、その‘多・双方向翻訳力’を持って世界に貢献するという図式もあながち夢物語ではないと考えます。
 
 そのために、バベルは翻訳大学院を2000年に設立しましたが、翻訳高等教育の在りかたにとどまらず、国家レベルの施策としての『 翻訳プロフェッショナリズム の構築』をめざしたいと思います。
 
 日本は明治維新以来、福沢諭吉をはじめ、西周、中江兆民をはじめ多くの啓蒙家が、西欧の文化、文物を‘和魂洋才’を念頭に急速に取り入れ、国家の近代化を果たしてきました。これは、換言すれば、‘翻訳’を通して当時の西欧の先進文化、文明を移入してきたと言えます。俗に、‘翻訳立国―日本’と言われる所以です。
 
 六世紀から七世紀にかけて中国文化を移入したときには大和言葉と漢語を組み合わせて翻訳語を創り、明治維新以降は西欧の人文科学、社会科学等のそれまで日本にはなかった抽象概念を翻訳語として生み出してきました。Societyが社会、  justiceが正義、truthが心理、reasonが理性、その他、良心、主観、体制、構造、弁証法、疎外、実存、危機、等々、これらの翻訳語は現在のわたしたちには何の違和感もなくなじんできているのは承知の通りです。
 
 翻って、この‘翻訳’の現代に占める社会的位置は、と考えてみると、不思議なくらい、その存在感が読み取れません。
 
 もちろん、巷では、翻訳書を読み、政府、また企業でも多くの予算を翻訳に割いています。また、ドフトエスキー、トーマスマンをはじめ、世界中の古典文学を何の不自由もなく親しめる環境があるのも事実です。また、将来を展望しても、ITテクノロジーによる更なるボーダレス化を考えても翻訳は計り知れないビジネスボリュームを抱えています。
 
 一説には、一般企業が年間に外注する翻訳量は金額に換算して、2000億円市場とも言われます。これに、政府関係、出版関係(デジタルを含む)、更にアニメ、マンガといったコンテンツ産業関連を加算すれば、優に、一兆円を越える市場規模になると言われます。
 
 とすると、過去は言うに及ばず、今後、日本のビジネス取引、文化形成における‘翻訳’の役割は、想像以上に大きいと言わざるを得ません。そうした認識をふまえ、現状の日本の‘翻訳’の在るべきかたちを見直し、受信型翻訳から発信型翻訳へシフトし、西と東の
融合に大きなきっかけを提示できればと考えます。
 
今、偉大なる翻訳者、福澤諭吉が生きていれば???
かれは豪放磊落にこう言ったかもしれません。
 
『 一身独立すれば一家が独立し一国が独立する。一人ひとりがその目で世界を観て、
世界の中で日本の果たすべき役割を考えよ。日本はその深く、細やかなコミュニケーション力をもって世界の融和に果たせる力量を備えているということは誰しも否定しないであろう。まずは大志を抱き一人ひとりが行動してみよう。
やってもみないで事の成否を疑うな! 』と。
 
更に、福澤諭吉は、翻訳者はどうあるべきかを問われて、こう言うかもしれません。
 
行動する翻訳者たれ!!
その目で、その五感で良きものを見極め、それを己の文化に取り込み、更に己の文化を掘り下げこれを世界に伝えよ!そして、東西の半ばに立ち、東西文化、東西文明の融合に尽力
せよ!!』と。
 

第112号 ALUMNI編集室から

WEB TPT 2014年10月10日号 ― 通巻112号  

ALUMNI編集室から

バベル翻訳大学院修了生のみなさんへ
『 監訳のすすめ――翻訳出版ワークショップ 』

  

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI

バベル翻訳大学院(USA) Alumni Manager 宮本寿代

miyamoto.gif

●監訳のすすめ――翻訳出版ワークショップ
 
本記事では「監訳のすすめ」をテーマに、私自身の経験をベースにお話ししたいと思います。監訳者のご経験のない方に監訳をお勧めするのが大きな目的ではありますが、すでにご経験のある方にも監訳に対するお考えを深める機会になればと思います。
 


翻訳出版ワークショップについて
 ご存じの方も多いと思いますが、バベルにおける翻訳出版ワークショップでは、監訳者+翻訳者(一名~数名)という体制で、事務局のバックアップを受けながら一冊の書籍を翻訳出版します。翻訳者として参加される方々の動機はさまざまですが、一冊すべてをひとりで翻訳出版するのはまだ難しいけれど、共訳ならば挑戦できそうだから、と考える方も少なくないようです。翻訳出版ワークショップは、翻訳書を出版するための実務プロジェクトでありながら、翻訳トレーニングの一つの形としても重要な意味をもっています。
 
ワークショップにおける監訳者の役割
 翻訳出版ワークショップにおける監訳者の役割はどういったものでしょうか。なるべく短く表現するならば「翻訳ワークショップが無事に始まるように準備し、スタート後は交通整理をしつつプロジェクトを先導し、滞りなく終えること」です。もう少し細かくいいますと、翻訳者オーディションの審査、翻訳のスケジュール検討、担当箇所の割り振り、翻訳方針決定、訳文チェックと改善に向けた指導、最終訳文チェック、校正、装丁やレイアウトの検討など。翻訳者の協力や事務局の支援を受けながらではありますが、監訳者はワークショップ全般にわたって、たくさんの作業を行なうのです。
 
監訳者の苦労と収穫
 監訳者の作業は楽なものではありません。たとえば、通常、翻訳者は複数名ですから、翻訳方針に対する考え方、訳文の雰囲気、それにスキルが異なるのは当然です。監訳者は、各メンバーの希望と、監訳者としての考えをあわせて、一つの方向性を作り上げ、出版に向けてプロジェクトを導くことになります。同じ原書に魅力を感じて集まったメンバーであっても、大概は初めてチームを組む方同士です。全員の個性がうまく結びついてまとまるかどうかにも、気を配らなくてはなりません。プロジェクトが進むにつれ、問題が生じたら、その対処の方法を考え、解決に導くのも監訳者に求められる役割です。
 ここまで監訳者の苦労をいくつか並べましたが、少し見方を変えてみましょう。監訳者は一冊の書籍を翻訳出版するためのプロセスのほぼ全般に携わるわけですから、監訳者自身が力を発揮し、納得のいく作品を作る機会を得られると考えてよいのです。
たとえば、翻訳方針を決定するにあたっては監訳者の判断が重要な鍵を握ります。さまざまな問題への対処を考える場合には、それまでのご自身の経験や学んできたことが実際に活用できます。もちろん、翻訳者もさまざまな経験や知識をお持ちですから、メンバーの知恵を借りることができます。また、状況が許せば、原著者と直接コンタクトをとれる可能性もあります。このように、ご自身が監訳者、あるいは翻訳者として幅を広げるチャンスも大いにあるのです。これは、複数のメンバーで一つの作品に取り組むからでもあります。
 
監訳“初挑戦”に活かせる経験
 翻訳者として翻訳出版ワークショップに参加した経験をお持ちであれば、そのときに監訳者が何をしていたかを思い出してみてください。あるいは、修了作品制作のご経験を思い出してみましょう。ひとりで原書を一冊すべて訳し、指導講師の助言に基づいて訳文を仕上げ、書籍としての体裁を整えて提出されたかと思います。製本まで手配しなくてはならないため、苦労されたかもしれませんが、「一冊の書籍を作り上げる」という意味では、似ている部分もあります。修士論文に取り組まれた方は、テーマを決めて、論文を書き上げるというプロジェクト経験があるのです。そういった意味で、これまでまったく経験のない作業ではありません。
 
経験者からノウハウを得るチャンス
 みなさんに安心していただくためにもう一つ加えます。翻訳出版ワークショップにおいて、監訳者に求められる役割、監訳者の心がけ、あるいは具体的な作業などについて、監訳経験者がノウハウを伝授する講座も開催されるようになりました。監訳をしたいけれど少し不安があるという方にとっては心強いでしょうし、監訳についてもう少し知りたいという方にとっても参考になるでしょう(講座についての詳細はここでは省きます)。
 

 今回の記事をお読みになって、監訳をしてみたいと思った方がいらっしゃったなら幸いです。「今はまだハードルが高い」とお感じの方も、いつか取り組むかもしれない選択肢として、監訳者を加えてください。監訳を経験し、ご自分のスキルを活かすチャンスをさらに広げてみてはいかがでしょうか。

第111号 ALUMNI編集室から

WEB TPT 2014年9月25日号 ― 通巻111号  

ALUMNI編集室から

ALUMNI、MSTホールダーの皆様へ
『 第3者資格認証のすすめ 』

  

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI

WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹


第3者資格認証のすすめ
 
バベル翻訳大学院のトップページで、私が3つのブランディングという話をしています。
今日は、その中の3つ目として、他と差別化して、大競争時代に生き抜く方法としての第3者資格認証の必要性をお話しましょう。

http://www.babel.edu/support/index.html
 
常日頃、私が皆様に機会があればお伝えしていることではあるので、改めてということに
なりますが、バベルの翻訳大学院で修士号を修める、バベルプレスから翻訳書を出版する、
バベルトランスメディアセンターで翻訳の実績を積む等、バベルグループ内での実績、
実力認証は決して価値がないということではないのですが、是非、‘バベル’の外での実積、認証も大事にしてほしいのです。
 
‘Inbreedingということばをご存知でしょうか。
 
欧米では、この純血主義を嫌います。
 
思い出しますと、1999年、バベル翻訳大学院が米国教育省認可の教育品質認証機関DETC (Distance Education 6 training Council) の品質認証(Accreditation)を受けるための3日間の監査チームの監査を受けているプロセスで、教育スタンダード担当のトップの監査員(米国の大学院教授)から、’それはInbreedingなので、米国では価値があるとみなされない、避けるべきである‘という指摘をうけました。
 
それとは、バベルは30余年、翻訳文法をはじめ、翻訳の独自の方法論のもとに世界の翻訳業界に多くの翻訳者を排出してきた。そのノウハウをこの大学院で教えて、教わった院生が修了後、そのノウハウを大学院に教職として残り、後輩に伝えてゆくというシステムです。その循環型の教育システムをバベルは大学院でも採用する予定である、といった時に、
‘それはInbreedingなので、米国では価値があるとみなされない、避けるべきである’と言われたのです。
 
日本では確かに出身大学で教職に就くことが多いと思いますが。これを否定されたときは
一瞬戸惑いましたが、こう切り返しました。しかし、教育内容がユニーク、オンリーワンである場合は、教職者を他の大学院から採用するのは不可能でしょうと。
 
それに対する返答は、その監査官からは聞けませんでした。
 
すでに、教育品質認証を受けて3期、約15年を過ぎた今では、むしろ、そのユニークさを前提に独自の教職体制を組もうと割り切っている現在です。
 
話は、長くなりましたが、事ほど左様に、欧米的な考え方では、一般的に第3者機関の認証を受けることに価値に重きを置きます。
 
とすれば、皆様に強くおすすめするのは、バベルの大学院の修士号、Certificateだけではなく、例えば一般社団法人日本翻訳協会の翻訳資格等をとっておいて欲しいのです。
 
そのために、バベル翻訳大学院(USA)では一般社団法人日本翻訳協会の翻訳資格の受験料を毎回一定の数は負担して、みなさんが無料で受験できるようにしています。

http://www.jta-net.or.jp/index.html
http://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam_all.html
 
以下が、それらの翻訳試験です。
是非、ご自身の専門分野の試験は必ず受験してください。
 
翻訳専門職資格試験(総合認定)
•Language& Cultural Competence
•Expert Competence
•IT Competence
•Managerial Competence
 
翻訳出版能力検定試験
•出版シノプシス
•絵本翻訳 
•ヤングアダルト・児童書翻訳
•エンターテインメント翻訳
•ロマンス翻訳
•スピリチュアル翻訳
•一般教養書(ビジネス関連)翻訳
•一般教養書(サイエンス関連)翻訳
 
翻訳ビジネス能力検定試験
•IR/金融翻訳能力検定試験
•リーガル翻訳能力検定試験
•医学/薬学翻訳能力検定試験
•特許翻訳能力検定試験
 
翻訳プロジェクトマネージャー資格試験
•時間管理
•人材管理
•資源管理
•コスト管理
•顧客管理
•コンプライアンス管理
 
新設 Plain Written English能力検定(英訳者の為に2014年11月スタート)
 
更に、言わせていただければ、大学院の修了生の皆様にお仕事を紹介する際にも、
これらの試験の成績はますます重視していこうと考えています。
 
では、果敢なチャレンジをお待ちします!!!
 
 

ALUMNI編集室から 第110号

WEB TPT 2014年9月10日号 ― 通巻110号  

ALUMNI編集室から

ALUMNI、MSTホールダーの皆様へ
第3者資格認証のすすめ

  

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI

WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹


第3者資格認証のすすめ
 
バベル翻訳大学院のトップページで、私が3つのブランディングという話をしています。
今日は、その中の3つ目として、他と差別化して、大競争時代に生き抜く方法としての第3者資格認証の必要性をお話しましょう。

http://www.babel.edu/support/index.html
 
常日頃、私が皆様に機会があればお伝えしていることではあるので、改めてということに
なりますが、バベルの翻訳大学院で修士号を修める、バベルプレスから翻訳書を出版する、
バベルトランスメディアセンターで翻訳の実績を積む等、バベルグループ内での実績、
実力認証は決して価値がないということではないのですが、是非、‘バベル’の外での実積、認証も大事にしてほしいのです。
 
‘Inbreedingということばをご存知でしょうか。
 
欧米では、この純血主義を嫌います。
 
思い出しますと、1999年、バベル翻訳大学院が米国教育省認可の教育品質認証機関DETC (Distance Education 6 training Council) の品質認証(Accreditation)を受けるための3日間の監査チームの監査を受けているプロセスで、教育スタンダード担当のトップの監査員(米国の大学院教授)から、’それはInbreedingなので、米国では価値があるとみなされない、避けるべきである‘という指摘をうけました。
 
それとは、バベルは30余年、翻訳文法をはじめ、翻訳の独自の方法論のもとに世界の翻訳業界に多くの翻訳者を排出してきた。そのノウハウをこの大学院で教えて、教わった院生が修了後、そのノウハウを大学院に教職として残り、後輩に伝えてゆくというシステムです。その循環型の教育システムをバベルは大学院でも採用する予定である、といった時に、
’それはInbreedingなので、米国では価値があるとみなされない、避けるべきである‘と言われたのです。
 
日本では確かに出身大学で教職に就くことが多いと思いますが。これを否定されたときは
一瞬戸惑いましたが、こう切り返しました。しかし、教育内容がユニーク、オンリーワンである場合は、教職者を他の大学院から採用するのは不可能でしょうと。
 
それに対する返答は、その監査官からは聞けませんでした。
 
すでに、教育品質認証を受けて3期、約15年を過ぎた今では、むしろ、そのユニークさを前提に独自の教職体制を組もうと割り切っている現在です。
 
話は、長くなりましたが、事ほど左様に、欧米的な考え方では、一般的に第3者機関の認証を受けることに価値に重きを置きます。
 
とすれば、皆様に強くおすすめするのは、バベルの大学院の修士号、Certificateだけではなく、例えば一般社団法人日本翻訳協会の翻訳資格等をとっておいて欲しいのです。
 
そのために、バベル翻訳大学院(USA)では一般社団法人日本翻訳協会の翻訳資格の受験料を毎回一定の数は負担して、みなさんが無料で受験できるようにしています。

http://www.jta-net.or.jp/index.html
http://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam_all.html
 
以下が、それらの翻訳試験です。
是非、ご自身の専門分野の試験は必ず受験してください。
 
翻訳専門職資格試験(総合認定)
•Language& Cultural Competence
•Expert Competence
•IT Competence
•Managerial Competence
 
翻訳出版能力検定試験
•出版シノプシス
•絵本翻訳 
•ヤングアダルト・児童書翻訳
•エンターテインメント翻訳
•ロマンス翻訳
•スピリチュアル翻訳
•一般教養書(ビジネス関連)翻訳
•一般教養書(サイエンス関連)翻訳
 
翻訳ビジネス能力検定試験
•IR/金融翻訳能力検定試験
•リーガル翻訳能力検定試験
•医学/薬学翻訳能力検定試験
•特許翻訳能力検定試験
 
翻訳プロジェクトマネージャー資格試験
•時間管理
•人材管理
•資源管理
•コスト管理
•顧客管理
•コンプライアンス管理
 
新設 Plain Written English能力検定(英訳者の為に2014年11月スタート)
 
更に、言わせていただければ、大学院の修了生の皆様にお仕事を紹介する際にも、
これらの試験の成績はますます重視していこうと考えています。
 
では、果敢なチャレンジをお待ちします!!!
 
 

 

ALUMNI編集室から 第109号

WEB TPT 2014年8月25日号 ― 通巻109号  

ALUMNI編集室から

ALUMNI、MSTホールダーの皆様へ
『監訳者養成研修会のご案内 ―翻訳出版ワークショップ監訳者募集!!』


  

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI

WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹


翻訳出版プロジェクトリーダー(監訳者)を経験しませんか
 
既に、トランスパブリッシングワークショップに共訳者、もしくはサポーターとして参加された経験をお持ちのMST (Master of Science in Translation) ホールダーはいらっしゃるかと思います。

http://www.babel-edu.jp/tpworkshop/
 
今回、募集しますのは、将来、翻訳出版のプロジェクトの監訳者を希望されるMSTホールダーの方を募集します。参加は無料ですが、定員制ですので定員を越えた場合には当方で
これまでのご経験等を加味して選抜させていただきます。なお、修了後の監訳報酬は当社規定の印税となります。
 
この研修会は正式には『Trans Publishing Workshop監訳者養成講座』とします。
 
みなさんが将来、出版翻訳をされる場合、必ずしも単独翻訳とは限りません。特に、
時間を争うノンフィクション作品の場合、複数名の翻訳者とチームを組んで翻訳を行う
ことは決して稀ではありません。
 
まして、ビジネス翻訳ではこのようなプロジェクトを束ねて成果物を創りだすプロジェクトマネージャーの役割はますます、重要となります。
これは、先月号の本誌でお伝えした通りです。

 
http://www.jta-net.or.jp/tpm_and_iso17100.html
 
今回、募集しますのは、言わば出版翻訳の品質管理を行うプロジェクトマネージャーです。
かと言って、プロ10年、20年選手である必要もありません。
 
メンバーの皆様の訳文の良いところを見極めて、翻訳完成のためのコーディネーションを行います。従って、出版翻訳のプロジェクトマネージメントを経験するつもりで参加ください。
 
詳細は改めてALUMNI事務局(もしくは教務)より、MSTホールダーの方にお知らせしますが、概要は以下の通りです。
すでにMSTホールダーで監訳経験のある方も是非ご応募ください。
 

【Trans Publishing Workshop監訳者養成講座 概要】

日程:週一回 全4回、各回120分

開講予定:9月最終週

受講形式:東京吉祥寺通学、もしくはZOOM(オンライン)受講。
     コミュニケーションプラットフォームとしてCybozuを利用します。
   *世界中どこからでも参加できます。
   *修了後の監訳作業も世界中どこからでもできます。

講師:西宮久雄(バベル翻訳大学院講師、翻訳者)

対象:MSTホールダー
*受講申し込み時に職務履歴、ワークショップ参加実績等の情報を提出いただきます。

定員:10名

内容:(予定ですので若干の変更の可能性があります)

第1日 / 第2日
  講義中心
・監訳者の役割について
・監訳作業とは
・TPWで使用するシステムについて ―Cybozu、ZOOM
・求められる成果物のレベル
・監訳者が心がけるポイント
・具体的な添削指導の方法
 

第3日 / 第4日
実践中心
・監訳のロールプレイ
・題材文(原文・訳文)のパートごとに役割を入れ替えながら、模擬的な監訳指導
・模擬的な監訳指導を受講生同士で意見交換し、講師より指導
・講師から総括コメント

受講料:無料

最終評価:監訳者としての評価をいたします。なお、講座修了を以て、監訳を保証するもの
ではありません。評価によっては監訳者に起用されない場合もあります。

教材
①監訳者マニュアル
②スタイルガイド
③原文と訳文サンプル
④その他必要な資料
 
では、皆様のチャレンジお待ちします!!
                                 以上

ALUMNI編集室から 第108号

WEB TPT 2014年8月10日号 ― 通巻108号  

ALUMNI編集室から

『 翻訳ビジネスの成否はプロジェクト・マネージャーしだい!!』
―「 翻訳プロジェクト・マネージャー資格試験」日本翻訳協会主催 9月20日実施 』

  
 

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI

WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹
翻訳研究所設立プロジェクトリーダー 


翻訳の世界基準ISO17100が間もなくスタートを切ることは既にお知らせした通りです。私は、日本翻訳協会の検討委員としてこのプロジェクトに参画しています。
本稿では、ISO17100と日本翻訳協会で実施している翻訳プロジェクト・マネージャー資格試験との関係を整理させていただきます。
 
ISO(国際標準化機構、本部ジュネーブ)とは様々な国際技術規格を世界標準とすべく、規格を策定、世界に普及させようとしている団体です。 このなかに、TC(Technical Committee)37という言語、内容及び情報資産の標準化をめざす専門委員会が設置されています。その下にはいくつものSC(Sub Committee)が設置されています。このISO17100もこの中で検討され、現在は、DIS(Draft International Standard)、という段階にあり、間もなくISO17100( Requirements for Translation Services)が翻訳の国際規格として誕生する予定です。
 
この業界で長い方はご承知かと思いますが、ISO9001という品質マネージメント規格は、ローカリゼーション翻訳の世界では、国際規格として採用され、翻訳会社( Translation Service Provider) によってはこの認証を取得して、クライアントにたいする営業のブランド力として活用していました。しかし、その後、これは翻訳の業界にはそぐわないとして欧州規格EN15038が創られ、これが次第に欧州各国に浸透するようになりました。

そこでISOはこのEN15038をベースとして、ISO17100の開発に踏み切ったという訳です。
 
このISO17100は、‘翻訳のプロフェショナリズム’の確立という意味でも大事な視点を含んでいます。
 
まず注目すべきは、このISO17100は翻訳会社のみならず、翻訳者、チェッカー、クライアント、その他のステークホールダーを巻き込んだ規格であるということです。
 
また、この規格では翻訳者の資格(Qualification of Translators)、そしてチェッカー、リバイザー、レビューアーの資格を明確にしようとしていることです。すなわち、翻訳者、翻訳関係者を社会的に認知させるという視点もベースにもっているということです。
 
翻訳者の資格(Qualification of Translators)には、
(1) 翻訳の学位(大卒資格)
(2) 翻訳以外の学位(大卒資格)+実務経験2年
(3) 実務経験5年
(4) 政府認定の資格を有する
のいずれかが必要と謳っています。
 
また、翻訳プロセスについても
  Translate
    ⇒ Check
    ⇒ Revise
    ⇒ Review
    ⇒ Proofread
    ⇒ Final Verification
とその品質確保の要求プロセスを規定しています。
*Review、Proofreadはオプション
 
これらの要求項目は、まさに業界とそれを取り巻くクライアント、エンドユーザーが一体とならないと達成できないことです。翻訳の品質を一定に保つためにはこれらの視点、プロセスが必要であることをクライアントが納得していただけなければならないわけで、それがなければ翻訳業界の発展も見込めないわけです。
 

ここで本題に入りますと、30余年の歴史を経た日本翻訳協会では、翻訳者、翻訳プロフェショナルの能力評価として様々な検定試験を実施してまいりました。
 
●翻訳専門職資格試験(日英・英日、中日・日中、独日、仏日)
●翻訳プロジェクト・マネージャー資格試験 
●ビジネス翻訳能力認定試験    
・ IR / 金融翻訳能力検定試験
・ リーガル翻訳能力検定試験
・ 医学 / 薬学翻訳能力検定試験
・ 特許翻訳能力検定試験
●出版翻訳能力認定試験
   ・シノプシス検定試験
・絵本翻訳能力検定試験 
    ・ヤングアダルト・児童書翻訳能力検定試験
     ・エンターテインメント小説翻訳能力検定試験
     ・ロマンス翻訳能力検定試験
     ・スピリチュアル翻訳能力検定試験
     ・一般教養書(ビジネス関連)翻訳能力検定試験
   ・一般教養書(サイエンス関連)翻訳能力検定試験
 

ここで、今回、ISO17100に寄せてご紹介したいのは、
『JTA公認 翻訳プロジェクト・マネージャー資格試験』です。

http://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam_tpm.html
 
本試験では、4肢択一方式で以下の6つの分野の翻訳プロジェクトマネージャーとしての管理能力を審査、認定する試験を実施しています。
       1.時間管理(TIME MANAGEMENT)
      2.人材管理 (PERSONNEL MANAGEMENT)
      3.資源管理 (DATA & RESOURCES MANAGEMENT)
      4.コスト管理 (COST MANAGEMENT)
      5.顧客管理 (CLIENT MANAGEMENT)
      6.コンプライアンス管理 (COMPLIANCE MANAGEMENT)
 
ご承知のように、限られた時間内に大量の翻訳データの処理を要求される時代においては、複数の翻訳者、チェッカー等を束ねて、翻訳プロジェクトを結成して翻訳を進めるのは
ビジネス分野の翻訳に限らず、出版翻訳においても当然のプロセスとなります。


更に言えば、翻訳会社(Translation Service Provider)そのものが翻訳プロジェクト
そのものであるといっても過言ではありません。


すなわち、翻訳会社とは
       1.時間管理(TIME MANAGEMENT)
      2.人材管理 (PERSONNEL MANAGEMENT)
      3.資源管理 (DATA & RESOURCES MANAGEMENT)
      4.コスト管理 (COST MANAGEMENT)
      5.顧客管理 (CLIENT MANAGEMENT)
      6.コンプライアンス管理 (COMPLIANCE MANAGEMENT)
のベストプラクティスをめざすビジネス組織体であると言っても過言ではありません。
 

とすると、本題のISO17100と『JTA公認 翻訳プロジェクト・マネージャー資格試験』の関係を整理してみるとこうなります。
 
以下の分析データをご覧下さい。以下のような比較分析ができます。
 
  • ISO17100の規格がカバーしている翻訳プロジェクトマネージメント
(「翻訳プロジェクト・マネージャー資格試験」)の範囲
http://www.e-trans.co.jp/egaia01/01010810.pdf

①時間管理 75%
②人材管理 90%
③資源管理 80%

④コスト管理15%
⑤顧客管理 50% 
⑥コンプライアンス管理 20%

 
2.ISO17100の前の段階ISO11669の規格がカバーしている
翻訳プロジェクトマネージメント(「翻訳プロジェクト・マネージャー資格試験」)の範囲

http://www.e-trans.co.jp/egaia01/02020810.pdf

①時間管理 70%
②人材管理 60%
③資源管理 80%
④コスト管理50%
⑤顧客管理 80% 
⑥コンプライアンス管理 30% 

ここで言いたいことは、上記の分析で明らかなように、ISO17100は、コスト管理、顧客管理、コンプライアンス管理を重視していない、すなわち、あくまでも翻訳品質管理の規格であり、翻訳ビジネスそれ自体の品質管理を含んだ規格ではない、ということです。
 
その点、日本翻訳協会の翻訳プロジェクト・マネージャー資格試験は、
  翻訳のQuality Standard
    翻訳のBusiness Standard
をカバーした翻訳ビジネスの全体をカバーした資格認定試験であるということです。
 
日本の翻訳会社のベストプラクティスは世界のどの翻訳会社も追従できないレベルと確信しています。このことを世界に認知させるためにも、多くの翻訳者、翻訳会社の方々が
本試験を受験されて、ご意見を伺いながら改良を重ねていきたいと考えています。
 
そして、翻訳プロジェクトマネージメントの世界基準を構築したいと考えています。
一度、ご受験いただきご意見をお寄せください。
 

次回試験は9月20日です。
バベルの院生、修了生は人数の限定がありますが、無料で受験できます。

お早めにお申し込みください。
http://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam_tpm.html

ALUMNI編集室から 第107号

WEB TPT 2014年7月25日号 ― 通巻107号  

ALUMNI編集室から

『翻訳を教える、翻訳で教える』― 翻訳教育研究室 研究助手募集 !


 

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI

WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹
 

今回は『翻訳研究所』の4つの研究室のうち、翻訳教育研究室に関して再び皆様の
参加を呼びかけたいと思います。

翻訳教育研究室のねらいは以下の通りです。



2つの翻訳教育の方法論の確立

1. 『翻訳を教える』
翻訳のプロフェショナル教育のための方法論確立
2. 『翻訳で教える』
中・高生のための翻訳教育による知育の統合、すなわち「教育的翻訳」( Educational Translation ) の方法論の確立


1.    につきましては、現在のバベル翻訳大学院で行われている翻訳のプロを養成する
ための教授法の改善と開発を皆様の意見を伺いながら行います。

従って、読者の皆様のなかで、将来は翻訳業を営むだけでなく、翻訳教育に携わりたいという有志のかたの研究員としてのご協力をいただければと考えています。

2.    につきましては、1のプロの翻訳者養成の方法論をベースに、中学生、高校生に
「翻訳で教える」方法論を研究するものです。中学生、高校生に翻訳を教えたい、
そんな志を持つ方の協力をお願いします。

小・中学生の‘英会話’的教育、コミュ二カティブアプローチ、英文解釈授業の成果が思うように上げられない理由を検証し、それに替わる翻訳を軸にした新しい方法論を提示できればと考えます。

今回の本誌の特集に原稿を寄せていただきました、黒岩さん、藤井さんのご意見は是非参考にさせていただきたいと思います。なお、続く寄稿をみなさんからも期待しております。

翻って、経験を申し上げますと、私がバベルで約20年前に関わった中学生向けの翻訳塾です。当時、中学1,2年生を7,8名集め、長崎玄弥先生(海外に出ることなく英語の達人、奇跡の英語シリーズで100万部を越える)の指導で翻訳の訓練を行いました。詳細は置いておきますが、当時、この約1年半の翻訳を教える授業の成果は、メンバー全員が英語の成績は言うに及ばず、国語、社会の成績が1,2段階上がりました。当時はその成果に目をみはるのみで、その因果関係を分析することをせずに終わらせてしまいました。

また、私も以前、見学をしたのですが、関西のS進学高校ではバベルの「翻訳文法」をテキストにした一種の英才教育を長く続けておられます。

私は長年「翻訳をおしえる」翻訳のプロの教育に携わる中で、その方法論を改善することによりプロの教育にとどまらず、中学、高校生の総合学力を飛躍的に向上させることができると信じるようになってきました。

これからは皆様からのご意見、寄稿を集約して、いくつかの仮説を設定することにより、
研究、検証を重ねて行きたいと考えています。


そのためには、以下のような点が必要と感じています。また、これらはプロの翻訳教育を見直すにも重要な視点と確信しています。

1.    そもそも翻訳とはどのような行為なのか
2.    翻訳の訓練方法の原点は
3.    翻訳する対象、目標設定


すなわち、1.~3.に基づき『翻訳で何を教えるのか?』という視点です。

2.につきましては、

・翻訳の音声面からのアプローチ
・翻訳と通訳スキルの統合
・異文化理解の視点
・原文分析の徹底
・原著者研究
・「翻訳文法」の比較言語的アプローチ
・書ければ話せる英訳アプローチ
・インターネット検索ノウハウ
・英語と国語、社会科等の知の統合
・要約、シノプシスの技術
・只管朗読、筆写


等が重要な点と考えます。

これら点も考慮して以下のテーマの原稿をお寄せください。


寄稿テーマ:『翻訳教育の学習効果を考える』
高校1年生に2年間翻訳を教えたと仮定して、その学習効果が
どういう面に現れるか想像してみてください。



翻訳を教えることによる学習効果は、どのような分野、どのような面に現れるのか、仮説を立ててください。自らの経験に基づいて、もしくは、想像していただいても結構です。

実効性が上がらないとされる小・中学生の‘英会話’教育、コミュ二カティブアプローチを根本から覆す、従来の訳読法を越えた翻訳による知育の統合、すなわち「教育的翻訳」( Educational Translation ) の方法論を提示したいと考えています。

なお、これらの寄稿を通じて得られた知見に基づき、
・翻訳教育研究プロジェクトコース(大学院の単位認定講座)
を設ける予定です。

そして、この研究プロジェクトの成果に基づき、実際に教育ビジネスを実験的に立ち上げる予定です。お楽しみに!!

以上、こんなテーマに関心のある方の参加をお待ちします。

【寄稿・研究助手 申し込み要領】
・寄稿・研究助手申し込み締切
7月末日
・寄稿原稿テーマ:『翻訳教育の学習効果を考える』
高校1年生に2年間翻訳を教えたと仮定して、その学習効果が
どういう面に現れるか想像してみてください。
・分量:日本語の場合2000字前後
英語1500ワード前後
*本文に加え、プロフィールを2,3行付けてください。
・原稿締切:
8月5日

*ワーキングポイントは1万ポイントです。
一般読者からの寄稿もお待ちします!!

⇒ いずれも申し込みは以下へ
hotta_t■nifty.com 堀田
■を@に替えて送信ください。

ALUMNI編集室から 第106号

WEB TPT 2014年7月10日号 ― 通巻106号  

ALUMNI編集室から

『 研究助手としてご参加ください!-翻訳研究所の設立に向けて2.  』
  
 

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI

WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹
 


すでに本誌4月25日号でお知らせしていますように、バベルグループでは、一般社団日本翻訳協会と協力して、来春に「翻訳研究所」を立ち上げる準備をしております。
 
翻訳研究所は当面、以下の4つの研究室からなります。
全体像、理念、活動等、詳細は発足に際にお知らせします。
 

 ・出版翻訳リサーチ研究室(室長:西宮久雄先生)
 ・ビジネス翻訳リサーチ研究室(室長:石田佳治先生)
 ・eトランステクノロジー研究室(室長:小室誠一先生)
 ・翻訳教育研究室(室長:堀田都茂樹)
 
出版翻訳リサーチ研究室、ビジネス翻訳リサーチ研究室につきましては、すでに
それぞれ10人前後のメンバーが登録され、本誌でもマーケットの調査レポートを1、2,3,4月と寄稿いただきました。今後は、定点観測の体制を整えて定期的媒体が発行できるように準備していく予定です。
 
また、eトランステクノロジー研究室の事業活動につきましては、本号の小室先生の連載をご覧ください。また、近々、本誌特集でも詳しくお知らせいたします。
 
翻訳教育研究室につきましては、本号の特集をご覧ください。
 

●翻訳研究所設立の背景 

翻訳マーケット調査については、すでにお伝えした通り、日本国内にはビジネス翻訳マーケットに対する十分な情報集積、分析がなされていません。一方、米国では労働省が以下のように翻訳業界の情報を開示しています。
http://www.bls.gov/ooh/Media-and-Communication/Interpreters-and-translators.htm
 
今後のグローバルマーケットを考えれば、日本のみならず、世界の翻訳市場の調査データも、ますます整備されていくことが求められるでしょう。 世界の企業活動が、新しい成長分野を求めて、マーケットとしての多言語化を促進させていくことが想像されます。加えて、‘新翻訳立国日本’としても、翻訳マーケット情報にとどまらず、翻訳の技術・教育情報も欠かせない情報です。
 
バベルグループでは、1976年に月刊「翻訳の世界」を創刊して全428号を発刊、また、これに別冊を数えると600号、更にWEB雑誌を加えると、これまでに700号を越える翻訳の技術・理論・情報誌を刊行してまいりました。多少の我田引水になりますが、これらの雑誌は単なる翻訳の業界情報にとどまらず、翻訳学、翻訳の文化社会的価値を探求し、海外翻訳団体との交流を深め、日本における翻訳技術・翻訳教育の研究の体系、日本の翻訳の品質の向上に向けた理論的根拠など様々な観点で提示してきました。
 
これらの翻訳研究活動の歴史、成果など全てのコンテンツはデータ化されていますので、これらのデータも有効に活用して今後の研究活動を進めていく予定です。
 
さて、これらの諸テーマを掲げた翻訳研究所ともなりますと、世界でも初めての試みであり、当然多言語化が求められます。そういう意味では、世界がバベルの塔以来の多言語世界であることから言えば、これからがまさに、多言語間翻訳と言う、これまでの1対1の翻訳技術、翻訳理論だけから、全く新たな翻訳の体系、翻訳技術なるものを探求していくことが必要であると考えます。
 
本格的な研究活動の予備的プロジェクトとして、研究テーマごとに、研究助手を募集いたします。参加の登録は複数でも結構ですが、できましたら、ご自分の関心にある分野に合致したものをお選びいただき、調査、分析、寄稿をいただければと思います。複数分野にまたがることも歓迎です。
 
また、研究助手としての活動レポート、寄稿は大学院の単位ともなります。(詳細は別途
参加者にお知らせします)
 

●改めて、研究分野、テーマについて 

市場調査を主たる課題とするプロジェクトが
  ・出版翻訳リサーチ研究室
  ・ビジネス翻訳リサーチ研究室
 
そして、翻訳に伴う様々な技術を研究、教育、普及、浸透させるのが
  ・eトランステクノロジー研究室
 
加えて、プロの翻訳教育の方法論を整備するとともに、翻訳教育を中・高教育に導入(仮称:翻訳塾)するとして、教育的翻訳( Educational Translation)の研究、普及に努めるのが
  ・翻訳教育研究室
 
以上、「翻訳研究所」は、翻訳に関わる4つの機能を統合した研究機関として、受託研究、イベント、セミナー、情報提供、出版物刊行等、グローバルな翻訳業界を側面から支えられる研究機関でありたいと考えております。 
 
研究員、まずは研究助手としての登録をお願いします。毎回のレポートは任意ですので、ご関心のある研究室にご登録ください(複数可)
 
【研究助手登録ご希望の方は】
 

研究助手登録 一次締切 7月15日
*必ず、登録希望の研究室を指定ください。複数でも構いません。
*バベル翻訳大学院の院生の方は、研究助手としての活動レポート、寄稿は大学院の単位
ともなります。(詳細は別途参加者にお知らせします)
 
・出版翻訳リサーチ研究室(室長:西宮久雄先生)
 ・ビジネス翻訳リサーチ研究室(室長:石田佳治先生)
 ・eトランステクノロジー研究室(室長:小室誠一先生)
 ・翻訳教育研究室(室長:堀田都茂樹)
 
⇒ 研究助手の登録希望者は以下の内容をお送りください。
  ・氏名
  ・住所
  ・メールアドレス
  ・バベルの受講経験
  ・登録希望研究室名
  ・研究したい内容(簡単で結構です)
⇒ 送り先
 hotta_t■nifty.com
 ■を@に替えてお送りください。
 

 

ALUMNI編集室から 第105号

WEB TPT 2014年6月25日号 ― 通巻105号  

ALUMNI編集室から

『 ピカソは絵を書かない  』
 
 

発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI

WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹
 

グラフィックアート全盛の現代にピカソが生まれたら、絵を書かずに他のツールを使うなりして、その才を別の側面で発揮していたであろうという仮説ですが。私は、彼は今生まれたとしても絵にその才能を燃やしたと考えます。
 
今日は、最近、私がのめり込み始めた、絵本、絵本翻訳の世界について考えたいと思います。
 
初めに、絵本がどのくらい売れているか、以下のランキングをご覧下さい。
5万、10万でヒット作品と言われる通常の本に比べて、桁が違うことが
おわかりでしょう。
 
1960-2000代
1位 いないないばぁ 469万部
2位 ぐりとぐら 430万部
3位 はらぺこあおむし 323万部
4位 てぶくろ 281万部
5位 ぐりとぐらのおきゃくさま 254万部.
6位 おおきなかぶ 250万部
7位 しろいうさぎとくろいうさぎ 240万部
8位 三びきのやぎとがらがらどん 234万部
9位 ねないこだれだ 230万部
10位 ノンタンのブランコのせて 228万部
11位 いないいないばああそび 225万部
12位 しろくまちゃんのほっとけーき 224万部
13位 ウォーリーをさがせ! 221万部
14位 ノンタンおやすみなさい 212万部
15位 ノンタン!サンタクロースだよ 209万部
16位 ウォーリーのふしぎなたび 205万部
17位 はじめてのおつかい 202万部
18位 ぐるんぱのようちえん 201万部
19位 となりのトトロ 200万部
20位 からすのパンやさん 197万部
21位 タイムトラベラー ウォーリーをおえ! 196万部
21位 しょうぼうじどうしゃじぷた 196万部
22位 ゆきのひのうさこちゃん 192万部
22位 うさこちゃんとどうぶつえん 192万部
22位 おしいれのぼうけん 192万部
26位 ちいさなうさこちゃん183万部
26位 ノンタンおよぐのだいすき 183万部
28位 どろんこハリー 182万部
28位 100万回生きたねこ 182万部
28位 きんぎょが にげた 182万部
 
また、シリーズ売上の驚異的なこと!ハリーポッターもびっくりです!!
 
シリーズ累計部数
 
講談社の絵本シリーズ(7000万部、復刊を含む)
アンパンマンシリーズ(6800万部、2013年10月時点)
ノンタンシリーズ(2850万部)
汽車のえほん(きかんしゃトーマスとなかまたち)(2140万部、2005年12月時点)
ぐりとぐらシリーズ(2100万部)
ファーストブックシリーズ(1568万部)
松谷みよ子あかちゃんの本シリーズ(1000万部)
あかちゃんのあそびえほんシリーズ(1000万部、2007年11月時点)
ウォーリーシリーズ(1000万部)
のりものアルバムシリーズ(写真絵本)(841万部)
14ひきのシリーズ(500万部)
こぐまちゃんシリーズ(500万部)
ミッケ!シリーズ(500万部)
しずくちゃんシリーズ(500万部、2014年4月時点)
キュリアス・ジョージシリーズ(400万部、2004年9月時点)
ポケモンをさがせ!シリーズ(400万部)
ちいさなおばけアッチコッチソッチシリーズ(380万部)
リラックマシリーズ(350万部:関連書籍を含む)
だるまちゃんシリーズ(340万部、2014年4月時点)
11ぴきのねこシリーズ(330万部)
となりのトトロシリーズ(300万部、2004年11月時点)
あらしのよるにシリーズ(300万部)
メイシーちゃんシリーズ(300万部)
でこぼこフレンズシリーズ(300万部、小学館)
だるまさんシリーズ(265万部、2014年6月時点)
のばらの村のものがたりシリーズ(250万部)
どうよう うたのえほんシリーズ(250万部)
こびとづかんシリーズ(240万部、2013年8月時点)
ぴよちゃんのおともだちシリーズ(235万部、2014年4月時点)
バーバパパシリーズ(200万部、2007年7月時点)
バムとケロシリーズ(200万部、2006年1月時点)
おなはしのえほんシリーズ(200万部)
くまのがっこうシリーズ(200万部、2014年4月時点)
リサとガスパールシリーズ(189万部)
どうぶついろいろかくれんぼシリーズ(175万部、2013年9月時点)
二どひらく絵本シリーズ(170万部)
ティラノサウルスシリーズ(155万部)
とべないホタルシリーズ(150万部)
はじめてのめいさくしかけえほんシリーズ(150万部)
ペネロペシリーズ(140万部、2007年12月時点)
くれよんのくろくんシリーズ(136万部)
迷路絵本シリーズ(130万部)
にじいろのさかなシリーズ(100万部、2005年9月時点)
ちびギャラシリーズ(100万部、2006年12月時点)
落語絵本シリーズ(100万部、2007年12月時点)
 
そして、これらの絵本は大人である私たちがこどものために買っているわけで
その吟味の度合いを考えると、味わい尽くされた作品群なのでしょう。
 
一方で、柳田邦男氏も 「砂漠でみつけた一冊の絵本」 (岩波書店)の中で大人へ絵本を奨めています。
人生には3度の本との出会いがあると。
そして人生後半に絵本と再び出会うことを楽しみとしています。
 
私自身も最近改めて絵本(翻訳絵本も含めて)を読み始めて、その絵本の広さと深さを実感しています。
 
みなさんは、Child life Specialistをご存じでしょうか?生まれつきの病気を抱えている
こどものケアーをするスペシャリストです。もともとは米国の資格です。このスペシャリストの方々が、そうした子供のケアーに絵本の読み聞かせをしているそうです。この情報はバベルプレスで間もなく絵本を翻訳出版する村田弁護士より伺いました。村田さんは学生時代、海外にいた時にこの職種の存在を知ってその活動をしていたと言います。
 
同じような視点で、絵本を活用しているArts Therapistという職域もあります。
バベルでも、すでに絵本の読み聞かせの会を毎月バイリンガルで実施していますが、この広く、深い絵本の世界を翻訳ビジネスとしても、また絵本創作ビジネスとしても探求して行きたいと考えています。

http://www.egaiasyoten.com/shopbrand/002/X/
http://www.webbookfair.com/
 
また、翻訳者にとっても絵本を翻訳することの深い意義を痛感しています。通常の本と違って絵本は『必ず声に出して読まれる』ということです。
 
最近の翻訳者の方々は、読んで翻訳文のリズムを整えることをしているようですが、その意味でも絵本を翻訳することは語感を養う意味でも素晴らしい体験となると確信します。
 
美しい日本語、美しい大和言葉で、こどもの感性を育む絵本を翻訳する、絵本を創作する、素晴らしい社会貢献!!です。
 
絵と言葉のバランスでなる本は、翻訳者のイメージ力を涵養する意味でも素晴らしい両脳体験になるように思います。
 
アニメ、アプリでは追いつけない深みを絵本に期待したいと考えます。
ピカソは、そのことを理解してくれると思います。
 
*日本翻訳協会では絵本翻訳検定試験を実施しています。詳しくは以下へ。

http://www.jta-net.or.jp/about_publication_exam.html
 

ALUMNI編集室から 第104号

WEB TPT 2014年6月10日号 ― 通巻104号  

ALUMNI編集室から
デジュールスタンダードの時代へ?!  』

 

 
発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI
WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹


 
翻訳の国際規格が間もなくスタート!
 
翻訳の国際規格、ISO17100が間もなくスタートします。ISO(国際標準化機構、本部ジュネーブ)は様々な国際技術規格を世界標準とすべく、規格を策定、世界に普及させようとしています。
 
以下に翻訳関連する規格を列挙しましょう。
 
・ISO 9001:2008
文書化プロセスと手順に適用される規格。
・ISO 27001:2005
文書化された情報セキュリティマネジメントシステムの構築、導入、運用、監視、維持、改善のための要件を規定する規格。
・EN 15038:2006
欧州標準化委員会によってヨーロッパの翻訳/ローカリゼーション専用に作られた品質規格。
・ISO 13485:2003
ISO 9001を基にした規格で、医療機器と関連サービスの設計、開発、製造、設置に焦点を置いた規格。
・ISO 14971:2007
医療機器の翻訳サービス全体を通してリスク管理のあらゆる側面が考慮されていることを確認するプロセスを提供する規格。
(ISO 13485を補完するもの)
 
その内に、TC(Technical Committee)37という言語、内容及び情報資産の標準化をめざす専門委員会が設置され、その下にはいくつものSC(Sub Committee)が設置されています。この17100もこの中で検討され、現在は、DIS(Draft International Standard)、という段階にあり、間もなくISO17100( Requirements for translation Services)が翻訳の国際規格として誕生する段階です。
 
私は日本翻訳協会の一員としてこのISO17100DISの検討プロジェクトに参画することになりました。
 
日本はとかくこのようなルール創りには蚊帳の外に置かれがちですが、我々翻訳者ひとりひとりの課題としても正面から向き合う時が来たように思います。
 
これが、我々バベルグループが40年にわたり独自に追求してきた、‘ 翻訳のプロフェショナリズム ’を確立することでもあるからです。
 
また、私が関わっている日本翻訳協会において昨年スタートしたJTA公認 翻訳プロジェクト・マネージャー資格試験』についても、このISO17100に準拠し、それを越える(翻訳品質のみならず、ビジネスとしての健全性を含む)資格として確立できればと考えています。
 http://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam_tpm.html
 
この業界で長い方はご承知かと思いますが、ISO9001という品質マネージメント規格は、ローカリゼーション翻訳の世界では、国際規格として採用され、翻訳会社( Translation Service Provider) によってはこの認証を取得して、クライアントにたいする営業のブランド力としていました。しかし、その後、翻訳の業界にはそぐわないとして欧州規格EN15038が創られ、これが次第に浸透するようになりました。そこでISOはこのEN15038をベースとして、ISO17100の開発に踏み切ったという訳です。
 
このISO17100は、‘翻訳のプロフェショナリズム’の確立という意味でも大事な視点を含んでいます。
 
まず注目すべきは、このISO17100は翻訳会社のみならず、クライアント、その他のステークホールダーを巻き込んだ規格であるということです。
 
また、この規格では翻訳者の資格(Qualification of Translators、そしてチェッカー、リバイザーの資格を明確にしようとしていることです。すなわち、翻訳者を社会にどう認知させるかという視点をベースにもっているということです。
 
翻訳者の資格(Qualification of Translators)
(1) 翻訳の学位(大卒資格)
(2) 翻訳以外の学位(大卒資格)+実務経験2年
(3) 実務経験5年
(4) 政府認定の資格を有する
のいずれかが必要と謳っています。
 
また、翻訳プロセスについても
  Translate
    ⇒ Check
    ⇒ Revise
    ⇒ Review
    ⇒ Proofread
    ⇒ Final Verification
とその品質確保の要求プロセスを規定しています。
*Review、Proofreadはオプション
 
これらの要求項目は、まさに業界とそれを取り巻くクライアント、エンドユーザーが一体とならないと達成できないことです。翻訳の品質を一定に保つためにはこれらの視点、プロセスが必要であることをクライアントが納得していただけなければならないわけで、それがなければ翻訳業界の発展も見込めないわけです。
 
私は、翻訳者教育の分野では、米国に翻訳大学院( Babel University Professional School of Translation)を設立しAccreditationを取得するために、米国教育省が認定している教育品質認証団体、DETC( Distance Education Training Council)のメンバー校になるべく交渉をした経験があります。
 
このAccreditationを取得するプロセスでは、約3年の年月と、1,000ページに及ぶ、Educational StandardsとBusiness Standards遵守の資料の作成が要求されました。
その後、これらの資料に基づき、監査チーム(5名)を米国事務所に迎え、プレゼンテーションをし、査問、監査を受けるわけですが、こうしたルールにどう準拠するかのやり取りは、嫌というほど経験しています。
 
自分で選択したとは言え、その経験があるがゆえに、既に作られたルールに意図に反して従わざるを得ない無念さを痛感していました。翻訳の教育はこうなんだ、他の学科を教えるのとはこう違うのだといっても、所詮、ヨーロッパ系言語間のより容易な翻訳を翻訳と考えている彼らには、その意味が通じず、いつも隔靴掻痒の思いがありました。
 
従って、ルールメーキングの段階からこの種のプロジェクトに関わる必要性を痛切に感じてきました。
 
というのは、現在、Babel University Professional School of Translationは翻訳のプロフェショナルスクール(専門職大学院)でありながら、DETCという一般の高等教育の認証団体に加盟しているからです。私としては、ロースクールがそうであるように(ABA-American Bar Associationの認証)、翻訳教育においては翻訳教育の独自性を念頭に翻訳機関の世界連合が翻訳教育の認証をすべきと年来考えているからです。従って、翻訳者のプロフェショナリズムを極めるためにも、翻訳高等教育の品質認証団体を世界規模で設立、Professional Accreditationを提案していきたいと考えています。
 
私の持論としては‘ 翻訳者は翻訳専門の修士以上の教育プログラムを修めるべき’ と考えています。翻訳は専門と言語力の統合があってこそ可能、すなわち、大学院レベルの教育であってしかるべきと考えています。
 
今回のISOのプロジェクトに関わるにあたって、改めて、私も含めて、日本人のルールメーキングに対する頭脳改造、行動改造、そして戦略が必要と痛感しています。
 
翻って、世界に広がつている日本のサブカルチャー、マンガ、アニメ、コスプレ、カラオケは実は日本が積極的に世界に発信した結果ではなく、海外が着目して普及していったのが実際ということに驚かせられます。浮世絵などの日本の伝統的コンテンツが海外の買い手に二束三文で買いたたかれて、とんでもない高値で売りさばかれているという事実に気付いているでしょうか。従って、世界文化遺産に登録された日本食にしても、もっと戦略的に世界に発信して格付けをする、そんな視点が望まれるのでしょう。
 
いつもルールメーキングではかやの外に在り、ロービーイング的な動きが苦手、技術があればルールなんか越えられるという根拠なきうぬぼれ、ルール作りは政府に仕事、この辺の体質を一掃する必要がありそうです。アジェンダを作成、規格を提案できる日本をめざすそんな時期に来ているように思います。
 
ディファクトスタンダードになるのを成算もなく待つより、デジュールスタンダードに自ら当事者として関与する、という姿勢が必要なのかもしれません。また、そのためには、我々日本人に苦手な原理、原則、能書きを書ける人材、グランドデザインが描ける人材を育てる必要があるということなのでしょうか。
 

急告!
6月30日(月)13:30 ―15:00
JTA   ZOOM-IN  ISO17100セミナー開催
会場参加:東京 六本木1丁目 泉ガーデン会議室
*会場にお越しになれない方はオンラインで
世界中どこからでも参加できます。
テーマ: 『翻訳の国際規格ISO17100とは
― JTA公認プロジェクトマネージャー資格試験に寄せて』

    詳細は以下をご覧下さい。
    http://www.jta-net.or.jp/seminar_iso17100.html
 
 

ALUMNI編集室から 第103号

WEB TPT 2014年5月25日号 ― 通巻103号  

ALUMNI編集室から
『 ‘ゆる’んで翻訳  』

 
発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI
WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹


 
ゆる’んで翻訳
The Power of Body Awareness
The Ultimate Guide to relax and loosen your body and mind
 
これが間もなくバベルにて刊行される高岡英夫さんの
『身体意識を鍛える― 閉じ込められた‘‘カラダのちから’’を呼び覚ます法』
の英訳版(佐々木理恵子、Peter Skaer共訳)のタイトルです。
英訳版刊行は8月を予定しています。
 
ここでご紹介する意図の一つは、本書の内容もさることながら、お二人の共訳者の方は、まず、皆さんご存知のプレインイングリッシュのPeter Skaer 先生であり、そしてもうお一人は、本誌にも登場されている、MSTホルダーとして既にご活躍中の佐々木理恵子さんです。佐々木さんの記事は下記からご覧ください。

「翻訳者としてのOFFの過ごし方 ― 私の癒しとは…」 - 佐々木 理恵子 [2013/12/25]
 
現役生の皆さんも、先輩に倣って、英訳出版にもチャレンジしていきましょう。
 
この号が配信される前々日の5月24日(土曜日)バベル翻訳大学院(USA)の2014年度、春期・学位授与式(東京市ヶ谷の私学会館)が行われ、今回は9名のMSTホルダーが新たに誕生しました。修了生やそのご家族、そして教師の諸先生方、並びにご来賓の皆様も多数おいでいただき、和やかなうちにも厳かな学位記授与が行われ、晴れて、MSTホルダーが誕生した瞬間でした。


さて、もう一つの意図はこの学位授与式において、著者の高岡先生より『魚類からはじまるゆる体操』というタイトルでご講演いただいたことです。

その時に配布された高岡英夫先生とその著書の紹介文が以下の通りです。(一部省略)
――――――――――――――――――
運動科学者。運動科学総合研究所所長。東京大学卒業後、同大学大学院教育学研究科を修了。幼少時より、室町時代(14世紀日本)から伝わる日本の古流武術を伝承した父親より武術指導を受け、サムライ文化を継承して育った。
 
武術の研鑽に加え、東京大学大学院時代には東洋哲学と人間の身体や高度能力に関する西洋科学の思想を統合する研究に励み「運動科学」を創始。
 
その過程で人間の能力を根底から支えている本質である「身体意識」を解明した。日本武術の中には「正中線」や「ハラ」等、本書で紹介する「センター」や「下丹田」にあたる概念がすでに存在しており、そのような情報を手がかりにしながら研究を重ねた結果、身体意識が日本武術のみならず、スポーツやその他の身体文化、舞台芸術、音楽、ビジネス、医療、学問、その他あらゆる文化の中に存在することを明らかにし、今日ではその構造と機能の
全容を解明することに成功した。
 
また古今東西の運動法や魚類を中心に動物の運動能力を研究し、日本の古流武術の理論と方法をベースにそれらのエッセンスを凝縮して、体をゆすってゆるめときほぐす方法、擬態語や笑いで体を劇的に改善する方法などを組み合わせて、誰でも身体意識をよりやさしく、効率よく学習、修錬ができるような体系的メソッド「ゆる体操」を開発。
 
老若男女問わず数多くの人が取り組み、健康や美容、高能力の増進に画期的な効果をもたらしている。現在、著者は日本でトップレベルのスポーツ選手・舞踊家・音楽家・俳優・会社経営者・国会議員・大学教授などを指導しながら、幅広い人々に「ゆる体操」を普及し、一流スポーツ選手から高齢者にいたるまで、多くの人々に支持されている。
 
東日本大震災後は復興支援のため、ゆる体操プロジェクトを指揮し、自らも被災者の健康維持と疾病予防を目的にゆる体操の指導にあたった。著書は『究極の身体』、『宮本武蔵は、なぜ強かったのか?』(ともに講談社)、など100冊以上に及ぶ。
―――――――――――――――――――
どうでしょう、そそられませんか?
 
私が高岡先生に出会った、というより本で出会ったのは2003年、高岡先生がこの『身体意識を鍛える―閉じ込められた‘‘ カラダのちから ’’を呼び覚ます法』という書籍を出版された時でした。
 
当時は、不思議な本、不思議な内容の本だな、という意識でとりあえず購入、読んでも更にその不思議さは変わらず年月が流れて行きました。
 
その後、2005年、講談社の新書『「ゆる」身体・脳革命―不可能を可能に変える27の実証』をはじめ数冊の著書を読んで、私の決心がかたまり、無謀にもいきなりこの考えを世界に
広めたいと、運動科学総合研究所にFAXしたところから今が始まりました。
 
私自身もゆる体操を体験し、更にビデオで実践し、今は体もこころも随分ゆるむようになりました。私も、高校時代は投手で甲子園を目指し、大学時代は剛柔流空手を経験していることから、高岡先生の理論が理屈ではなく、真実と直感していました。
 
高岡先生も地方自治体、医学界をはじめ、様々な業界でゆる体操を実践され今はゆるぎない、ラジオ体操に替わりえる体操まで進化させてきました。
 
ある翻訳者の方からお聞きしたところでは、実際に実践され、驚異的な翻訳量とスピードを獲得しているそうです。
その実例は、前述の講談社の新書『「ゆる」身体・脳革命―不可能を可能に変える27の実証』に載っています。是非、お読みください。
 
私は、現代人のために、このゆる運動を、この基本書『The Power of Body Awareness―
The Ultimate Guide to relax and loosen your body and mind』の刊行をきっかけに世界に広めたいと考えています。24日の高岡先生のお話しでは、これにより人が病気にかかる率が90%は減るだろうとのことです。これは、12名の現役の医者の証言でもあり、高岡先生の実感でもあるそうです。まさに、医源病 ’がはびこる中、現代人の救世主とも言えるかもしれません。
 
何年か後には、翻訳者はもちろんのこと、老若男女、だれも抵抗なくできる体操として
このYURUが世界に普及していると確信します。
 
ゆる体操を実践し、身体意識を鍛えることにより、単に健康を獲得するだけではなく、最高のコンセントレーションとリラクゼーション―【ピークパフォーマンス】を獲得でき、更に極めれば所謂天才と言われる人と同様の心身を開発できると言います。
 
その究極を高岡先生は、以下のように、Body Awareness, 身体意識と表現されています。その実例、根拠、開発方法としてのゆる体操は高岡先生の著書に開示されていますのでご覧下さい。
 
ここでは7つの身体意識をご紹介しましょう。詳細は書籍をお読みください。
  • センター(Center
  • 下丹田   ( Lower Tanden )
  • 中丹田   ( Middle Tanden )
  • リバース ( Arch )
  • ベスト   ( Vest )
  • 裏転子   ( Uratenshi- Back Push)
  • レーザー ( Laser )
 
また、この本にはこの7つの身体意識を診断するテストもついています。
一度、試してみてはどうでしょう。
 
天才的な心身を獲得できるかどうかはさておき、翻訳者にとって最適の体操であり、健康実現法ともいえると思います。
ちなみに、高岡先生は一見怖そうなのですが、年齢にかかわらずその身体はすらりとスマートで、身体が柔らかいだけでなく、問題が発生した時もユーモアでさらりと解決される、精神の柔らかさも同時に備えておいでです。
心と体の関係性、その深い関係を体現されておいでです。ゆるの実践によって、心と体の関係性、身体の可能性が、革命的に変わると確信します。
 
8月の英文書刊行を楽しみにしてください。
AMAZONで購入できます。(BABEL PRESS USA刊行)

 

ALUMNI編集室から 第101号

WEB TPT 2014年4月25日号 ― 通巻101号  

ALUMNI編集室から
翻訳のすすめ 』 を皆で考えるにあたって思うこと

 
発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI
WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹


 
世界がもし100人の村だったら
  翻訳者って必要?また、どんな役割??
時間が5000年バックしたら
  人間が文字を開発してから5000年、では4000年前の翻訳とは??

 

今回は、皆様に「翻訳のすすめ」というタイトルで寄稿いただくにあたり、発想を自由にしていただき「翻訳のすすめ」を考えていただきたく、以下のような3つの視点を再度ご紹介いたします。
 
抽象のはしごを上り下りするのが物事の本質を考えるのに有効であると以前本誌で
お伝えしているかと思いますが、以下、当誌で私が書いたことを再度、紹介させていただきます。

⇒抽象のはしごを上がるとは、例えば、動物の犬という概念を例にとるなら、パピヨン→洋犬→犬→哺乳類→動物→生物→生命という具合に抽象度を上げていくことを言います。逆に、抽象のはしごを降りるにはその逆をたどればよいことになります。
 
としてみると、一般的には、文化、文明度が高い人ほど、抽象のはしごの上り下りが自由にできる、すなわち、抽象―具象思考ができると言えるでしょう。
 
これを、こうした概念操作から、行動に視点を当ててみましょう。
 
例えば、日常生活を振り返って見ましょう。お掃除をする、料理をする、食事をする、テレビを観る、すべて具体化されたことのエンドレスの連続です。
 
では仕事ではどうでしょう。計算を入れる、メールを書く、書類を作る、会議をする、これもそんな具体的行為の連続です。
 
しかし、我々はこうした具体的行為に忙殺され、それが生活すること、それが働くこと、と考えてしまうと、つい、どう生きるか、なんのために働くのかを看過してしまいがちです。
 
そこで一度、とどまって、抽象のはしごを上がってみましょう。なんのためにお掃除をし、料理をし、食事をし、テレビを観ているのでしょう。また、なんのためにメールを書き、書類を作り、計算を入れている、会議をしているのか、はしごを上がって俯瞰してみましょう。
 
すると、自分に主体性が取り戻せて、生きている実感、働くことの意味を実感できるようになるかもしれません。
 
さらに、皆さんが翻訳の勉強をしている場を考えてみましょう。原書を読む、訳文を作る、
それを提出する、指導を受ける、それを復習する、等々、これも一旦、中断しその抽象のはしごをのぼり、なんのために翻訳学習をしているのか、思いを巡らせてみましょう。
 
それは、単に私は絵本の翻訳家になるため、ミステリーの翻訳家になるため、リーガル翻訳者になるため、という抽象化にとどまらず、その更に先の抽象化を考えてみてください。
なんのための翻訳、そもそも翻訳って何、そんな抽象思考をするとあらたな気づきに出会えるかもしれません。
 
もちろん、抽象世界にとどまっていては先に進みません。具体化と抽象化を行き来することで、事象が俯瞰でき、目標により深みが加わり、目標がしっくり自分のものになり、それが、ひいてはEfficacyが高まることになると言えるのではないでしょうか。
                                                               (堀田原稿ここまで)
 
2つ目の視点をご紹介しましょう。
 
みなさんはマズローの欲求5段階説をご存知でしょうか。
基本的な
生理的欲求から、
安全(安定性)欲求
愛情(所属 / 社会的)欲求
尊敬(承認)欲求、そして
自己実現欲求
に至る5段階の欲求をマズローは説いています。
 
ところで、こんなことをご存知でしたか。
 
マズローは亡くなる間際に、欲求を5段階に分類したけれど、人間の欲求には6段階目があるのでは、と主張したのです。
それは、
Trans-personal、すなわち個人の利益を越える欲求利他の欲求が最も高度な欲求ではないかと考えたのです
 
3つ目の視点をご紹介しましょう。
 
P.F.ドラッカーの経営論の中で語られている寓話。
古代ギリシアの時代のことです。
三人の石切り職人が石を運んでいました。
 
その場を通りかかった旅人が一人の職人に尋ねました。
「あなたは、何をしているのですか。」
 
一人の職人は答えました。
「お金を稼ぐためさ!」
 
旅人は、二人目の石切り職人に尋ねました。
「あなたは、何をしているのですか。」
 
石切り職人は汗を拭いながら、こう答えました。
「この大きくて固い石を切る為に、悪戦苦闘しているのさ。」
 
旅人は、三人目の石切職人に尋ねました。
「あなたは、何をしているのですか。」
 
石切り職人は目を輝かせ、こう答えました。
 
「私が切り出したこの石で、心の安らぎの場となる教会が出来るのです。
 その素晴らしい教会を夢見て、石を切り出しているのです。」
 
さて、しつこすぎたことをお許しください。
 
もちろん、皆さんに書いていただく原稿は、抽象論ばかり掲げてもらっても困るので、具体性を持ちつつ、抽象論を展開していただきたいと考えております。
 
では、冒頭の問いかけに戻りましょう。
 
世界がもし100人の村だったら
  翻訳者って必要?また、どんな役割??
時間が5000年バックしたら
  人間が文字を開発してから5000年、では4000年前の翻訳とは??
 
翻訳は、もともと我々がひとつであったことを思い出すプロセスであるとするとこんな仮定もあながち荒唐無稽とも言えないかもしれません。
 
そもそも文字が始まってから5千年しか経っていない。アフリカにいた現生人類が移動して地球に広がったのは約6万年前。そのころは東洋も西洋も違いはなかったでしょう。
確かに、文字のある5000年ほどに目をやれば、いかにも西洋が世界を率いているように見えます。しかし、それ以前の過去に遡れば、成長と停滞、成長と破綻が繰り返しながらもすべてが一つ混沌の中にあったのでしょう。
 
そんな、空間軸と時間軸を自由にして、「翻訳のすすめ」を考えていただくのもありかもしれません。
 
さて、長くなりましたが、「翻訳のすすめ」、みなさんの抽象から具象までの多様な観点の寄稿をお待ちしております。なお、この3ヶ月に亘るみなさんの寄稿はまとめて本にしたいと考えております。紙幅により、全ての原稿を掲載できるとは限りませんが、奮ってご応募ください。
 
なお、寄稿はワーキング生は1万ポイント、一般の方への寄稿謝礼はありませんがご了承ください。
 
みなさんの楽しい原稿を期待しております!!!
自由に、構えずお書きください!
 
 
初回の原稿の締切は、5月5日です。
今からでも間に合います!!
 
文字数は上限3,000字、独自のタイトルを立ててください。英語でも大歓迎です。その場合は、上限1200ワード。また、ご自身のお写真と2,3行のプロフィールも同時にお寄せください。
 

なお、執筆希望の方は、編集部宛メールフォーム、もしくは私のアドレス hotta_t□nifty.com (□を@に変更)宛に、4月30日までにお申し込みください。
 

 

ALUMNI編集室から 第100号

WEB TPT 2014年4月10日号 ― 通巻100号  

ALUMNI編集室から
翻訳のすすめ 』 


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
WEBマガジン「The Professional Translator」100号(1974年、月刊「翻訳の世界」創刊から数えると通巻528号)を記念して今回は皆様とともに以下のテーマを考えていきたいと思います。
 
「学問のすすめ」、ならぬ、「翻訳のすすめ」
 
「学問のすすめ」
天は人の上に人を造らず、人の下に人をつくらず
 
人は生まれながら平等であると言われているが、
現実には大きな差がある。それはなぜであろうか。
その理由は、学んだか学ばなかったかによるものである。
学問を身につけ、自分の役割を果たし独立すべき。
自由とわがままは異なる。学問とはその分限を知ることである。
自分の行いを正し、学問を志し、知識を広め、各自の立場に応じて才能と人格を磨き、
外国と対等に付き合い、日本の独立と平和を守ることが急務である。
 
福澤諭吉の「学問のすすめ」は、明治維新の5年後、1872~76年に書かれています。人口が3500万人の当時、340万部も売れた驚異のベストセラー、今日で言えば、日本の人口が1億2千万人であるとすると、なんと1200万部ということになります。
 
当時の日本は明治維新を経て、言わば強制的に鎖国を解かれ、本格的なグローバル社会へ突入した、まさに激動期、社会、国家革命を目前にした時です。
 
この本は、まさに新しい時代を拓く指南書として多くの日本人が貪り読んだ本でした。
 
従って、「学問のすすめ」は単なる個人の能力至上主義を唱えたものではなく、個人の社会的あり方、役割を説いたもので、個人が自立するなかで国家自体の繁栄が成し遂げられる事を説いています。
 
今という時代の課題を考えると、当時、日本が直面していた難題と不思議と符合すると言われます。
 
・グローバル化の波が押し寄せ、右往左往する主体性を欠く日本
・近隣諸国が謂れなき侵略意図をほのめかし、
・国は長期の財政赤字で破綻寸前
・政府は企業優先、庶民を顧みない
・社会制度の崩壊、遅々として進まない構造改革
 
等々の状況を見ても、当時、福澤が指摘すると同様、
今こそ、次の時代への明確な展望を持つべきときに来ていると思います。
国に依存せずに、個々が自らできることを自覚するときにあると考えます。
 
そんな時代に福澤諭吉が唱えたのが `実学のすすめ
 
ここで私は、時代意識を転換する新しい視点として、優れて実践的な学であるべき翻訳、
日本の世界における新たな役割を示唆するテーマ「翻訳のすすめ」を今こそ皆さんとともに提案、考えていきたいと考えます。
 
嘗て、バベル翻訳大学院教授の井上健先生(比較文学会会長、日本大学教授)は本誌でこう書かれています。
「 このような、日本近代において翻訳文学研究の果たした決定的役割でもってして、すべてを語り尽くせるわけではもちろんないが、翻訳文学研究が翻訳研究を主導してきたこれまでの歴史についての知見を欠いた翻訳論や翻訳理論が、薄っぺらな、実効性に乏しいものにしかならないことは、まず間違いないところである。
 
 以上を踏まえた上で、声を大にして申し上げておきたい。翻訳者は、1950年代から60年代にかけて、ヤコブソンやナイダによって提起された「等価性」(equivalence)の議論に、今一度、立ち戻ってみるべきであると。
 
70年代以降の翻訳学(translation studies)の発展が開拓してきた領土を軽視するわけではもちろんない。70年代から80年代にかけて、翻訳学がそのシステム論的、文化論的視点から、翻訳作品が一国の文化を書き換える可能性、逆に一国の文化のシステムが、移入された翻訳作品を書き換えて受容する可能性を、社会文化的規模で追求し、指摘してきたことはきわめて重要である。」
 
さて、ここからはみなさんの出番です。
翻訳を通じて、どう世界を変えるか、様々な視点でお考えください。今は、福澤が生きた
時代と違い、西欧との圧倒的文明差がない時代です。そんな時代を変える、日本の世界における役割を変える新しい実践的な翻訳観を皆さんと共有していきたいと思います。
 
このテーマ『 翻訳のすすめ 』は、特集として、少なくとも3ヶ月間は継続し皆さんと考えていきたいと思います。
 
考えるにあたって、参考に2つの原稿を再び紹介いたしましょう。
 
ひとつは石田佳治先生(バベル翻訳大学院ディーン)の本誌に寄せていただきました
原稿「翻訳者の役割を考える」です。
 

「翻訳者の役割を考える」 
 役割とは割り当てられた役目、期待されあるいは現に遂行している役目あるいは貢献ということです。政治家の役割、経営者の役割、教師の役割というように、それぞれの職業なり地位なりについてそれぞれの役割があります。
 翻訳者の役割とは何でしょうか。翻訳者の社会的役割、顧客に対する役割、将来的な役割について考えてみましょう。 
 
1. 翻訳者の社会における役割 
 我が国の歴史における著名な翻訳者であった人達、経典を翻訳した空海、江戸期に解体新書を翻訳した杉田玄白、幕末期に西洋兵学を翻訳した高島秋帆、大鳥圭介、大村益次郎ら、明治期にフランスやドイツの民法典やその他の法律を翻訳した蓑作麟祥、西周、穂積陳重らの業績を考えれば、翻訳者の社会に対する役割がわかります。
 
 社会は自ら文明を発展させ文化を伝播あるいは受容するものですが、翻訳者はこれら文明の発展、文化の伝播の重要な担い手です。他の国の文化や文明は翻訳者なしでは伝わってきません。翻訳者があってこそ、自国と異なった文明や文化をその社会の人達が理解し、それを取り入れ受容するのです。翻訳者はまた自国の文化や文明を他国の人達に伝える役割をもっています。異質の社会が翻訳者の仲介によって触れ合い相互に影響を与え、或いは影響を受けながら発展していくものなのです。 
 
2. 出版翻訳における翻訳者の役割 
 明治時代の小説出版業界において翻訳者が果たした役割は、二葉亭四迷、坪内逍遥、黒岩涙香などの翻訳文学者の業績を考えてみれば分かります。明治から大正にかけての時代、日本人の書き言葉、話し言葉は大きく変わりましたが、これは西洋文学を精力的に日本語に訳した翻訳者たちの貢献によるものです。現在でも出版点数の1割を翻訳出版が占めていますが、新しい風潮の紹介はまず翻訳から始まります。読者は身の回りにない海外の風物や外国の人の生き方考え方を翻訳小説というエンターテインメントを通じて知るわけですが、この面における翻訳者の影響力は非常に大きいものがあります。 
 
3. 産業翻訳における翻訳者の役割 
 グローバリゼーションが一般化していなかった戦前の大正、昭和の初期にも産業翻訳者は居ました。三井物産、日本郵船、横浜正金銀行などの海外貿易従事企業には翻訳者が居て信用状や船荷証券や貿易契約書を訳していました。現在の日本の貿易取引の基本はこの時期に作られたのです。戦前の東京高商(現在の一橋大学)や神戸高商(現在の神戸大学)の授業はこれらの文書を使って教えられていました。戦後のアメリカ軍占領期には大量の日本人翻訳者が雇われ法令その他政治に関する文書を翻訳しました。その後の日本の成長期における技術説明書、取扱説明書、契約書なだの翻訳需要が急成長し、産業翻訳者の数が激増したことはご存知の通りです。今では産業翻訳者は日本の産業界に欠かすことのできない重要な存在になっています。 
 
4. 今後の翻訳者の役割 
 産業翻訳に関しては、日本の産業は今後も世界経済における重要なプレーヤーの地位を保ち続けるでしょうから、相変わらずの需要が継続するでしょう。産業翻訳者は引き続き重要な役割を果たし続けるでしょう。なかでもIT、バイオ、特許、金融などの分野の産業翻訳者の需要は高いでしょう。
 
 出版翻訳に関しては、今後重要な役割を果たして行くと思われるのは日英翻訳者です。日本文化の発信が重要課題となってきますし、外国の側からも日本のマンガや歴史小説などに対する関心と需要は益々高くなっていくものと思われます。 
 
5. 教育における翻訳者の役割 
 現在は、翻訳は大学を卒業した社会人が行うものであり読むものとなっていますが、今後は、まずは大学生、そして高校生中学生とバイリンガル(日本語英語併用)になっていくものと思われます。そのような社会になったときに教育の分野で日英両語による教科書やサブテキストの需要が生れてくるでしょう。そうなった時には、翻訳者は教育において重要な役割を果たす存在になるでしょう。複数言語を普通に使っているスイス人やベネルックス3国のような社会に、日本はなるのです。翻訳者は自らの役割について、そのような時期のことも考えておくべきでしょう。
                              (石田原稿は以上)
 
次に、前々号で課題提起をした、「翻訳のプロフェショナリズムの確立」、に継いで私が
書いた「翻訳のアマチュアリズムを極める」の原稿をお読みください。
すなわち、翻訳の役割は単にプロの翻訳者が担うだけではなく、一般の翻訳学習者が
果たすべき役割も見逃せないという点です
 

「翻訳のアマチュアリズムを極める」
バベルグループの使命に関して「翻訳のプロフェショナリズムの確立」と言ったそばから、なぜアマチュアリズム?とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。
別に、ボランティア翻訳を推進しようと言うわけではありません。
 
これを別の言い方をすれば、「教育的翻訳を極める」と言っていただいても構いません。
教育的翻訳というと馴染みがないと思いますが。
 
教育的ディベート(Academic Debate)をご存知でしょうか。バベルでも90年代に約10年間、米国のディベートチャンピオンとコーチ(教授)を日本に招請して、日本全国の教育的興行を全面的に後援しておりました。日本語と英語でディベートを行い、ディベートの効用を謳ってきました。当時は松本茂先生(バベルプレスで「英語ディベート実践マニュアル」刊行、現立教大学経営学部国際経営学科教授、米国ディベートコーチ資格ホールダー)、故中津燎子先生(書籍「なんで英語やるの?」で大宅壮一ノンフィクション賞受賞)にお力添えをいただいておりました。
 
話が横道に逸れてしまいましたが、教育的ディベートとは、論理構成力を涵養する教育の一環としてディベートの手法を活用しようという考え方でした。
 
ここで私が言う、「教育的翻訳とは」大学生以上の成人層を対象とするものと小中学生等を対象にするものとを考えているのですが、プロ翻訳家の養成という意図はありません。
ここでは説明をわかりやすくするために、後者の例をお伝えします。
 
バベルグループの歴史が40年となることはこれまでにお伝えしました。その間、翻訳に関しても様々な実験的な試みをしてきました。私が前職(JTB外人旅行部)からバベルに転職したときのバベルの面接官が、当時教育部長をされていた故長崎玄弥先生でした。長崎先生は海外に行くこともなく、英語を自由に操る天才的な方でした。当時は奇跡の英語シリーズで100万部を越えるロングセラーを執筆されておりました。
その面談は急に英語での面談に切り替わって慌てた覚えがあります。
 
その長崎先生と翻訳に関するある実験的な企画をしました。
 
当時、中学の1,2年生を7,8人募集して、中学生に翻訳(英文解釈、訳読ではない)の授業をするという試みでした。週に2,3回、夕方を利用して、かれらに英米文学(ラダーエディション)の翻訳をさせたのです。詳細は置くとして、それから約1年後は、なんと彼らの英語、国語、社会の成績が1,2ランク上がったのです。英語の成績が上がるのはもっともとしても、社会、国語の成績が上がった時は、翻訳という教育の潜在力を実感したものです。あれから20余年、懸案を実現するに、時が熟して来たと感じています。
 
現在の英語教育では、文法訳読形式が否定され、コミュ二カティブは英語教育が推進されるなか、実効性が上がらないのを目の当たりにして、明治時代以前の教育にも見られる「教育的翻訳」の必要性をうすうす感じているのは私だけではないのかと思います。
 
また、余談を言わせて頂ければ、コミュ二カティブな英語を涵養する優れた教育方法は
「教育的通訳」とバベルでの企業人向け教育の経験で実感してきました。
これはのちに上智大学の渡辺昇一先生(現上智大学名誉教授、書籍「知的生活の方法」で一世を風靡)が、その実効性に関する大部のレポートを発表されておりました。
 
話が横道に逸れてしまいましたが、この「教育的翻訳の普及」が、言語教育、異文化理解、異文化対応、感性の涵養等、小中高等教育のみならず成人教育、更には日本の世界における新たな役割認識に新しい地平を拓くものと信じています。
                              (堀田原稿は以上)
 
最後に以下の拙稿、「世界が一つの言葉を取り戻す」も参考にして頂ければと思います。
 
「翻訳のすすめ」を考えるにあたり、発想をゆるめ、抽象化するひとつの方法として、私が執筆した「世界が一つの言葉を取り戻す」も読んでいただければ幸いです。
 

「世界が一つの言葉を取り戻す」
 
バベルと長いお付き合いの方はバベルの塔の神話をご存知のかたは多いことでしょう。
しかし、バベルの塔の神話の真のメッセージは必ずしも人間の傲慢を諌めることだけではないというところから出発したいと思います。
 
それは、20年以上前にオーストラリアの書店で見かけた子供向けの聖書に書かれた解釈でした。
 
神は、人が、ひとところに止まらず、その智恵と力を世界に広げ繁栄するようにと願い、世界中に人々を散らしたという解釈でした。すると、散らされた民はその土地、風土で独自の言葉と文化を育み、世界中に多様な言語と文化を織りなす、一つの地球文化を生み出したのです。
 
しかし、もともとは一つだったことば(文化)ゆえに翻訳も可能であるし、弁証法的に発展した文化は、常に一定のサイクルで原点回帰をしているので、ただ視点を変えるだけで、結局、同じことを言っていることが分かるのではないでしょうか。
 
しかし、人間のエゴの働きと言えるでしょうか、バベルの塔のころからの傲慢さゆえに、自文化が一番と考えることから抜けきれないでいると、もともと一つであるものでさえ見えず、理解できず、伝える(翻訳)ことさえできなくなってしまうのかもしれません。
 
翻訳の精神とは、自らの文化を相対化し、相手文化を尊重し、翻訳するときは自立した二つの文化を等距離に置き等価変換する試みであるとすると、その過程こそ、もともと一つであったことを思い返す試みなのかもしれません。
 
「世界が一つの言葉を取り戻す」、それは決してバベルの塔以前のように、同じ言語を話すことではないでしょう。それは、別々の言語を持ち、文化を背負ったとしても、相手の文化の自立性を尊重し、その底辺にある自文化を相対化し理解しようとする‘翻訳者意識’を取り戻すことなのではないでしょうか。
 
バベルの塔の神話はそんなことまでも示唆しているように思えます。
 
また、ここに翻訳の本質が見えてきます。
 
昨日、あるテレビ番組で、日本料理の達人がルソン島に行き、現地の子供の1歳のお祝いの膳を用意するという番組を観ました。おそらく番組主催者の意図は世界遺産となった日本料理が、ガスも、電気コンロもない孤島で通用するかを面白く見せようとしていたのでしょう。
 
この日本料理の達人は自らの得意技で様々な料理を、現地の限られた食材を使い、事前に
現地の人々に味見をしてもらいながら試行錯誤で料理を完成させいくというストーリーでした。そして、最後は大絶賛を得られたという番組でした。
 
しかし、かれはその間、自ら良しとする自信作で味見をしてもらうわけですが、一様にまずいと言われてしまいます。しかし、何度も現地のひとの味覚を確認しながら、日本料理を‘翻訳’していくのでした。そこには自文化の押し付けもなければ、ひとりよがりの自信も見られません。ただ、現地のひとの味覚に合うよう、これが日本料理という既成概念を捨て、日本料理を相対化し、自らのものさしを変えていくのです。
 
世界には7,000を越える言語、更にそれをはるかに越える文化が有る中、翻訳者が
翻訳ができるとはどういうことなのでしょうか。
 
翻訳ができるということはもともと一つだからであり、
翻訳ができるということは具象と抽象の梯子を上がり下がりできるということであり、
翻訳ができるということは、自己を相対化できるということでしょう。
 
例えば、世の中には様々な宗教があり、お互いを翻訳しえないと考えている方が多いのではないのではないでしょうか。
 
しかし、一端、誰しも翻訳者であると考えてみましょう。翻訳者という役割が与えられた時点で、自らの言語、文化を相対化する必要があります。翻訳する相手の文化を尊重し、自国の文化を相対化し、相手の国の人々がわかるよう再表現をする。
 
「翻訳とは、お互いの違いは表層的なものであり、もともとは一つであることに気づき、お互いを認め、尊重し合う行為である」と考えれば、「優れた翻訳者を世界に送り出すことで世界を一つにする」ということは、あながち、夢物語だとは言えないのではないか、と考えます。
 
さて、長くなりましたが、「翻訳のすすめ」、みなさんの多様な観点の寄稿をお待ちしております。なお、この3ヶ月に亘るみなさんの寄稿はまとめて本にしたいと考えております。
紙幅により、全ての原稿を掲載できると限りませんが、奮ってご応募ください。
なお、ワーキング生は1万ポイント、一般の方は寄稿謝礼はありませんがご了承ください。
 
みなさんの楽しい原稿を期待しております。
 
初回の原稿の締切は、5月5日です。
文字数は上限3,000字、ご自身のお写真と2,3行のプロフィールも同時にお寄せください。
なお、執筆希望の方は、以下の編集部宛メールフォームから4月20日までにお申し込みください。

 

ALUMNI編集室から 第99号

WEB TPT 2014年3月25日号 ― 通巻99号  

ALUMNI編集室から
『 翻訳のアマチュアリズムを極める 』 

 


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
アマチュアリズムを極める  
 
本誌、前々号でバベルグループの使命に関して「翻訳のプロフェショナリズムの確立」
と言ったそばから、なぜアマチュアリズム?とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。
別に、ボランティア翻訳を推進しようと言うわけではありません。
 
これを別の言い方をすれば、
「教育的翻訳を極める」と言っていただいても構いません。
教育的翻訳というと馴染みがないと思いますが。
 
教育的ディベート(Academic Debate)をご存知でしょうか。バベルでも90年代に約10年間、米国のディベートチャンピオンとコーチ(教授)を日本に招請して、日本全国の教育的興行を全面的に後援しておりました。日本語と英語でディベートを行い、ディベートの効用を謳ってきました。当時は松本茂先生(バベルプレスで「英語ディベート実践マニュアル」刊行、現立教大学経営学部国際経営学科教授、米国ディベートコーチ資格ホールダー)、故中津燎子先生(書籍「なんで英語やるの?」で大宅壮一ノンフィクション賞受賞)にお力添えをいただいておりました。
 
話が横道に逸れてしまいましたが、
教育的ディベートとは、論理構成力を涵養する教育の一環としてディベートの手法を活用しようという考え方でした。
 
ここで私が言う、「教育的翻訳とは」大学生以上の成人層を対象とするものと小中学生等を対象にするものとを考えているのですが、
プロ翻訳家の養成という意図はありません。
ここでは説明をわかりやすくするために、後者の例をお伝えします。
 
バベルグループの歴史が40年となることはこれまでにお伝えしました。その間、翻訳に関しても様々な実験的な試みをしてきました。私が前職(JTB外人旅行部)からバベルに転職したときのバベルの面接官が、当時教育部長をされていた故長崎玄弥先生でした。長崎先生は海外に行くこともなく、英語を自由に操る天才的な方でした。当時は奇跡の英語シリーズで100万部を越えるロングセラーを執筆されておりました。
その面談は急に英語での面談に切り替わって慌てた覚えがあります。
 

その長崎先生と翻訳に関するある実験的な企画をしました。
 
当時、中学の1,2年生を7,8人募集して、中学生に翻訳(英文解釈、訳読ではない)の授業をするという試みでした。週に2,3回、夕方を利用して、かれらに英米文学(ラダーエディション)の翻訳をさせたのです。詳細は置くとして、それから約1年後は、なんと彼らの英語、国語、社会の成績が1,2ランク上がったのです。英語の成績が上がるのはもっともとしても、社会、国語の成績が上がった時は、
翻訳という教育の潜在力を実感したものです。あれから20余年、懸案を実現するに、時が熟して来たと感じています。
 

現在の英語教育では、文法訳読形式が否定され、コミュ二カティブは英語教育が推進されるなか、実効性が上がらないのを目の当たりにして、明治時代以前の教育にも見られる「教育的翻訳」の必要性をうすうす感じているのは私だけではないのかと思います。
 
また、余談を言わせて頂ければ、コミュ二カティブな英語を涵養する優れた教育方法は
「教育的
通訳」とバベルでの企業人向け教育の経験で実感してきました。
これはのちに上智大学の渡辺昇一先生(現上智大学名誉教授、書籍「知的生活の方法」で一世を風靡)が、その実効性に関する大部のレポートを発表されておりました。
 
話が横道に逸れてしまいましたが、
この「教育的翻訳の普及」が、言語教育、異文化理解、異文化対応、感性の涵養等、小中高等教育のみならず成人教育、更には日本の世界における新たな役割認識に新しい地平を拓くものと信じています。
 
詳細は、次号以降でお伝えします。

ALUMNI編集室から 第98号

WEB TPT 2014年3月10日号 ― 通巻98号  

ALUMNI編集室から
『 プロフェショナルズムを高める更なる施策の先に観る
   これからの翻訳プロフェショナルとは 』


 


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
 前回までは、『BABEL GROUPのミッション 
翻訳プロフェッショナリズム の構築― 40年目の私の中間総括2014』と題して、翻訳界に対する課題提起を以下のようにしました。
 

1.翻訳業のプロフェッショナリズムは確立しているか。
2.翻訳の品質を保証する翻訳者、翻訳会社の生産能力の標準化はできているか。
3.翻訳者の資格は社会に定着しているか。翻訳会社の適格認証制度は構築可能か。
4.翻訳、翻訳専門職養成の大学、大学院は存在しているか。
5.翻訳専門職のための高等教育機関のプロフェッショナル・アクレディテーションは実現しているか。
6.翻訳教育においての翻訳教師養成の必要性を認識しているか。

 
そして、そのソリューションをバベルグループ40年の活動中間総括としてまとめました。
 

ソリューション1.     
  翻訳者の能力の標準化
     ⇒ 翻訳者の国家資格の構築
     80%達成
ソリューション2.     
   翻訳の品質保証システム構築
     ⇒ 翻訳会社の適格認証制度の構築
     50%達成
ソリューション3.   
  翻訳専門職大学院の確立 
          90%達成
ソリューション4.  
  翻訳専門職高等教育機関のプロフェッショナル
          アクレディテーションの実施
           準備中
ソリューション5.   
  そして、翻訳プロフェッショナリズムの確立
       70%達成
 
以上、簡単に中間総括をまとめてみました。
 
次に、バベルグループが計画している、翻訳のプロフェショナリズムを高める更なる施策
を簡単にご紹介いたします。
 
施策 1 研究所構想

BABEL UNIVERSITY System内に翻訳者のプロフェショナリズムを確立するための
4つの翻訳研究所の設立を予定しています。
1.翻訳テクノロジー研究所
2.翻訳教育・キャリア研究所
3.ビジネス翻訳リサーチ研究所
 日本国内にはビジネス翻訳マーケットに対する十分な情報分析がなされていません。
  しかし、米国では労働省が以下のように翻訳業界の情報を開示しています。

  http://www.bls.gov/ooh/Media-and-Communication/Interpreters-and-translators.htm
  翻訳立国日本としても、翻訳の技術・教育情報、翻訳マーケット情報は欠かせない情報です。
4.出版翻訳リサーチ研究所
 翻訳出版においても翻訳出版に関するデータの集積、分析が十分になされていません。
 
従って、各研究所より定期研究レポートの発刊を目指していきたいと考えています。
 

施策 2 専門職法人構想
スタッフ全員が専門翻訳分野のマスター・ディグリーを持つ翻訳専門職法人を分野別に設立したいと考えています。これも世界初の試みです。院生の皆さんのご協力を期待します。
 

施策 3 地球図書館 構想
地球図書館は、既にスタートを切っていますが、さらに充実させます。人々に気づきと喜びをもたらす未発掘の良書、多言語コンテンツを発掘し、翻訳し、デジタルコンテンツとしてストック、共有、享受できるデジタル図書館システムを本格的に創りたいと考えています。
http://www.babelpress.co.jp/html/page69.html
 
施策 4 Professional Partnersとの連携構想
翻訳関連のProfessional Partners、すなわち
一般企業
翻訳会社
出版社
研究所
教育機関
図書館
翻訳団体 等
との連携、協力により、研究協力、JOB FAIRの実施等、翻訳のプロフェショナリズムを深め、社会的貢献をさらに高めていきます。
ここまで皆様にお伝えして、はて、と考えてしまいました。
 

あれ、翻訳者ひとりひとりの実像が結べない。
 
いくら、事業を発展しても、主役である翻訳者が希薄になってしまっては本末転倒。そこで、改めて原点に却って、では
 ‘翻訳プロフェショナリズムの確立’のなかでの‘ 翻訳プロフェショナルとは’を考えてみましょう。 
 
例えば次のような実績、
1.翻訳専門職大学院のマスターを取得した。
2.翻訳者としての公的資格を取得した。
3.働いている翻訳会社やクライアントから高品質評価を受けている。
4.翻訳プロジェクト・マネージャー の資格も取得した。
 
これが、めざす翻訳プロフェショナルでしょうか?
これが、めざしたい翻訳プロフェショナルでしょうか?

 
本誌でも何度かふれてきたのでこの点を改めて考えてみましょう。
 
はじめに、
Find your own uniqueness, define your own success .という言葉を
覚えていますか。米国の教育理念の基本的コンセプトを表す言葉です。
 
個性、長所を見つけ、これを活かすことから、その人生の成功は始まります。
長所伸展法、すなわち、短所を治すことに時間を費やすより、みずから得意とするところを伸ばす,その方が成功への確率が高い、と言われます。
 
日本では得てして、右に倣えの横並び精神が優っていて、人と違うことを嫌う傾向に
あるのは今も変わりがないかもしれません。UNIQUNESS、ユニークであることをマイナス評価するそんな傾向には流されないようにしたいものです。
 

更に、翻訳者として自立する時に、その分野を徹底的に絞り込む必要性を訴えました。
 
と同時に申し上げたのは、その専門を軸に、スキルの横展開をすることを勧めました。すなわち、その専門分野で翻訳をするだけでなく、講演、レクチャーができるようになる、さらにはその分野のライター、研究者となることです。また、その分野の大きな翻訳プロジェクトが発生したら、そのプロジェクト・マネージャーとして仕事を仕切る。そんな、幅と奥行を持ったキャリアを創ることを提案いたしました。
 
加えて、日頃から申し上げているのは、ビジネス翻訳者といえども、必ず、その専門分野の啓蒙書、研究書等の翻訳出版物をもつということです。これにより、翻訳者として別格のブランディングができます。デジタル、POD出版が盛んになってきた今では十二分に可能なことです。
 

そして、更に、エフィカシー(efficacy)についてもふれました。
 
これは、コーチング理論等で使われる用語で、簡単に言えば、自己の能力の自己評価のことです。このエフィカシー(efficacy)が低いと常に自己嫌悪に陥り、目標も達成できず、悪循環となりがちです。
 

あなたは、翻訳者、翻訳業として、高いefficacyをもち続けているでしょうか。
翻訳者の社会的役割、いや、地球的、いや、宇宙的役割までも気づいているでしょうか。

 
また、 あなたがあなたの限界を決めてはいませんか。あなた自信が小さく収まってしまったら、それを越えることは絶対できません。あなたのLimited belief(自分の限界を自分で決める)がそのビジョンを大きく描き、エフィカシー(efficacy)高めることを妨げていないか、再度問いかけてみてください。
 

もしやあなたは、次のように考えていませんか?
私の才能は限られている。
私はお金に恵まれていない。
私は一流の翻訳者にはなれない。
一流の翻訳者になるには血の滲む努力が必要だ。
私は運がない人間だ。
私には十分な時間がない。  等々
 
自分を縛っている自分がいることに目を向けてみましょう。
自分に不都合に決めている自分を解放してみましょう。
人がどう言おうと、振り回されないでください。
 

 なぜなら、エフィカシー(efficacy)とは、自己の自己評価だからです。 
 
さて、みなさんはここまでで
どんな翻訳プロフェショナル像を結べましたか。
私が手前勝手にまとめさせていただければ、
 

1.翻訳専門職大学院のマスター・ディグリーを取得し、
2.専門の軸足(Uniqueness)をしつかりもち、その分野の公的資格を取得し、
3.翻訳力にとどまらず、プロジェクトを率いるマネージメント資格と実績を保持し、
4.翻訳のみならず、出版・執筆活動、講演活動、研究活動にも積極的に取り組み、
5.翻訳の社会的、地球的、宇宙的役割を愛し、深く認識するとともに、
6.翻訳者としての人生の意義と、高いエフィカシー(自己の自己評価)をもち、
7.翻訳プロフェショナルとして生きることに深い喜びをもつている
 
 そんな翻訳プロフェショナルに私はなりたい。

 
最後に、そんな理想、私には無理、とお考えのあなたに福澤諭吉のことばをお送りしましょう。
 

 ・やってもみないで「事の成否」を疑うな
 ・自分の力を発揮できるところに運命は拓ける
 ・挑戦することは「天命」さえも変える

 
貴方のご意見をお聞かせください。下記、編集部あてにお願いします。
ご意見を、有難うございます。

ALUMNI編集室から 第97号

WEB TPT 2014年2月25日号 ― 通巻97号  

ALUMNI編集室から

翻訳プロフェッショナリズム の構築
BABEL GROUPのミッション ― 40年目の私の中間総括2014


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
『 BABEL GROUPのミッション ― 40年目の私の中間総括2014 』 

前回は個人的な修士論文をご紹介しながら、私の問題意識を共有させていただきました。
読者の方々から、賛同、共鳴の言葉やメッセージを頂き、大いに心強く感じるとともに、大変嬉しく思いました。この場をおかりして、感謝を申し上げます。有難うございました。
 
今回は、この論文に掲げたテーマを掘り下げて、バベル翻訳大学院(USA)を中心に、バベルグループのミッションとして翻訳しつつ、40年目の中間総括をし、今後の、グローバルマーケットの中でいかにそれに挑戦し、実現していくかということで、このミッションを共有していただこうと考えています。
 
なぜなら、バベルグループのミッションは我々だけの使命ではないと考えるからです。読者の皆さんからの賛同・共鳴のメッセージの通り、読者、翻訳業界の皆さん、翻訳大学院の院生、修了生の皆さん、バベルとの取引でお付き合いいただいている翻訳者、翻訳学習者の皆さんなど、すべての関係者の皆さんと分かち合うことで、それぞれの役割が完璧に果たされていくと考えています。どうか皆さんもご一緒に、お考えいただきたいと思います。
 
なお、視点はそもそもバベルが日本でスタートを切ったこともあり、日本を起点にしていることをご了承ください。
 
以下、まず、課題を共有していただきたく、前半は前回の掲載原稿からいくつかピックアップして説明していきたいと考えます。
 
 
課題提起
 
 世界がボーダレス、一つになる中、各々の言語を生かしつつ、情報の共有化を図り、世界を融和、相互発展させるには『 翻訳 』は欠かせない方法論と考えます。翻訳の重要性に対する強い認識をもつEUのような東アジア広域政府を待つまでもなく、これは自明のことでしょう。日本は‘翻訳立国’と言われて久しいにも係わらず、国家レベルの施策において翻訳の占める位置付けはあまりにも低いとしか言いようがありません。細やかなコミュニケーションスタイルをもつ日本人の特性を持ってすれば、多・双方向翻訳で『翻訳再立国』を果たし、東西、南北の橋渡しとなり、日本と世界との情報格差を無くし、その‘多・双方向翻訳力’を持って世界に貢献するという図式もあながち夢物語ではないのです。
 
 そのために、翻訳高等教育の在りかたに留まらず、日本において、国家レベル、さらには世界レベルの施策としての『 翻訳プロフェッショナリズム の構築』をここに提言したいと思います。
 
     -------------------------------中略--------------------------------------
 
 一説には、一般企業が年間に外注する翻訳量は金額に換算して、2000億円市場とも言われます。これに、政府関係、出版関係(デジタルを含む)、更にアニメ、マンガといったコンテンツ産業関連を加算すれば、優に、一兆円を越える市場規模になると言われます。とすると、過去は言うに及ばず、今後、日本のビジネス取引、文化形成における‘翻訳’の役割は、想像以上に大きいと言わざるを得ません。
 ところが、日本では、(社)日本翻訳協会【当時労働大臣認可】が広く翻訳検定を実施してさきがけ、その後(社)日本翻訳連盟、他翻訳検定を実施してきています。しかし、公的試験としての業界の認識は十分とは言えません。翻訳実績が問われるのみで、大学、大学院などの学校法人での専門職の翻訳者養成はなされていません。民間の翻訳者養成学校に依存しています。このような現状認識をふまえ、今後の日本の‘翻訳’の在るべきかたちを以下の6つの視点から、考察します。                             
 
 1.翻訳業のプロフェッショナリズムは確立しているか。
 2.翻訳の品質を保証する翻訳者、翻訳会社の生産能力の標準化はできているか。
 3.翻訳者の資格は社会に定着しているか。翻訳会社の適格認証制度は構築可能か。
 4.翻訳、翻訳専門職養成の大学、大学院は存在しているか。
 5.翻訳専門職のための高等教育機関のプロフェッショナル・アクレディテーションは実現しているか。
 6.翻訳教育においての翻訳教師養成の必要性を認識しているか。
 
将来の日本が‘翻訳’を支えに、世界で果たすべき役割を考えると、これらをその基本インフラとして整備すべきであるということが、以下の海外の事例と比較することにより、より鮮明に見えてきます。
 
1.オーストラリアでは、連邦政府が、翻訳者と通訳の資格を標準化し認定する唯一の国家機関として、1977年にThe National Accreditation Authority for Translators and Interpreters (NAATI)を設立、翻訳者の国家資格を創設した。 言語は60カ国語をカバー、大学、大学院でもこの資格を視野に入れたコースを多数設定している。これらのコースを一定レベル以上の成績を修めた場合、翻訳者としてそのレベル相当の国家認定を与える制度となっている。
 
2.英国では、1986年に設立されたThe Institute of Translation & Interpreting(ITI)は、イギリスのみならず英語圏で活動する翻訳実務者を支援し、翻訳者の養成と翻訳能力の維持・向上に努めている。産業界、教育界、翻訳団体が一体となって、翻訳者の能力基準を以下の5つに設定し、この翻訳者のスキルの標準化を目標に、翻訳サービスの品質の安定を図っている。
 
Personal Development(自己啓発)
倫理規範、時間管理、ストレス対処、自己表現、交渉力、等
 
Subject Knowledge(専門知識)
リサーチ、情報源の確保と維持、インターネットの活用、個人データベースの構築、等

Language Skills(語学スキル)
自国語のスキル、対象言語の知識、推敲、編集、校正、要約、辞書と文献活用、文体、テクニカルライティング、字幕翻訳、等

IT and the Internet(IT・インターネット活用)
最新OA機器とソフトウエアー活用、セキュアリティー確保、翻訳メモリの活用、ターミノロジー管理、翻訳支援ツール、スタジオ実務

Business Practice(ビジネス実務)
起業、財務処理、プロジェクト管理、マーケティング、プレゼンテーション、顧客開拓と管理、法律知識、危機管理
 
 3.米国では、弁護士、医者、聖職者に始まり、工学、ビジネス(MBA)、看護、教育、社会福祉、図書館学等に加え、翻訳者等多くの分野で、所謂プロフェッショナルスクール教育が確立し、これらのプロフェッショナルに修士号を認定、授与している。翻訳専門職の修士号は、バベル翻訳大学院のみで認定。ケント、モントレーなど他の大学院の翻訳専攻もあるが、修士課程では、MAが多い。また、The American Translators Association(ATA)は、ATA-Certified Translators(CTs)という認証試験を設けている。この資格はATA独自のもので、公的資格ではないが、英語と特定の言語間の翻訳についてプロとしての能力基準を満たすことを客観的に認定している。
 
4.カナダでは、
The Canadian Translators, Terminologists and Interpreters Council(CTTIC:カナダ翻訳者協会)の認定試験(The CTTIC Standard Certification Examination in Translation)は毎年1回、カナダの主要都市で一斉に行われる。対象はプロを目指す翻訳者ではなく、既にプロとして一定の経験を積んでいる翻訳者で、その能力とスキルを客観的に確認し、認定することが主眼である。 CTTICの認定資格者(Certified Translator)は、ニューブランズウィック、オンタリオ、ケベック、ブリティッシュ・コロンビアの各州では公認資格として法的に保護されている。
 
5.ドイツでは国内で公文書翻訳を行うには、「公認翻訳士」の資格が必要である。「公認翻訳士」とは、「裁判所で公的に宣誓して認定された翻訳者」であり、その地方を管轄する地方裁判所(または州の上級裁判所)で認定を受けた資格である。 
「公認翻訳士」の認定を受けるために持っていなければならない資格が、「国家検定翻訳士」)である。これは、ドイツ国内の特定の州の文部省が実施している「翻訳士国家試験」の合格者に与えられる認定資格である。 また、ドイツ国内の主要な大学(ベルリン大学、ボン大学、ライプチヒ大学、マインツ大学、ハイデルベルク大学、ヒルデスハイム大学)の翻訳過程修了者に与えられる「ディプロム翻訳士」という資格があり、こちらも「公認翻訳士」の認定を受けるための資格として認められている。
 
 以上、特筆すべきは、上記の各国は、政府、産業界、教育界、翻訳団体が4者一体となって進めていることです。
 
課題ソリューション 
達成率自己評価を入れました
 
これらの課題を解決し、日本が国際社会でより際立った、独自の役割をはたすためにも必要な‘新翻訳立国’へのソリューションを私なりに中間総括し、志をあらたにしたいと考えます。
 
ソリューション1.   
80%達成 (達成率自己評価)
  翻訳者の能力の標準化 
    □翻訳者の国家資格の構築
 
 バベル翻訳大学院ではプロフェッショナルトランスレーターの能力を以下の
 5つの視点から考え、コースワークをこれらのスキル別に構成しています。
  • Language Competence(基本となる言語運用スキル)
  • Cultural Competence(背景となる文化知識)
  • Expert Competence(専門分野の知識)
  • IT Competence(翻訳に必要とされるITスキル)
  • Managerial Competence(翻訳会社経営、翻訳プロジェクトマネージメントスキル)
 http://www.babel.edu/program/bupst1.html
 http://www.babel.edu/program/bupst2.html
 http://www.babel.edu/program/bupst3.html
 http://www.babel.edu/program/bupst4.html
 
 また、提携している一般社団法人日本翻訳協会の翻訳者の認定資格試験では、同様の考えに
 基づき、4つ全てのCompetence別資格試験で構成し、その4つの試験の合格をもって資格試験合格としています。
 日本翻訳協会では、これに加え、経験審査を行い日本翻訳協会の独自の翻訳者認定資格を授与しています。

1.Language & Cultural Competence Test
  翻訳文法技能試験

2.Expert Competence Test
  翻訳専門技能試験
  ①フィクション ②ノンフィクション ③IR/金融 ④リーガル ⑤医学/薬学 ⑥特許(IT)

3.IT Competence Test
  IT技能試験

4.Managerial Competence Test
  翻訳マネジメント技能試験

 
http://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam.html
http://www.jta-net.or.jp/index.html
http://www.jta-net.or.jp/about_business_exam.html
 

ソリューション2.     
50%達成(達成率自己評価)
 
  翻訳の品質保証システム構築
   □翻訳会社の適格認証制度の構築
 
バベルグループでは、翻訳の品質認証、翻訳会社の適格認証制度の前提となるのは、翻訳プロジェクトマネージメントスキルと考え、日本翻訳協会と共同で、翻訳プロジェクトマネージメント資格試験を以下の視点で開発しました。
この視点は、現在、ISO17100で翻訳品質基準づくりが行われているが、その基本になるものと考えています。
 1.時間管理(TIME MANAGEMENT)
 2.人材管理 (PERSONNEL MANAGEMENT)
 3.資源管理 (DATA & RESOURCES MANAGEMENT)
 4.コスト管理 (COST MANAGEMENT)
 5.顧客管理 (CLIENT MANAGEMENT)
 6.コンプライアンス管理 (COMPLIANCE MANAGEMENT)

http://www.jta-net.or.jp/open_seminar_tpm.html
 
 
ソリューション3.   
90%達成(達成率自己評価)
 
 翻訳専門職大学院の確立 
 
BABEL UNIVERSITY Professional School of Translation (バベル翻訳大学院)
を日米合作の米国法人として2000年に開校、2001年、米国教育省認定の品質認証機関のDETCのAccreditationを取得、世界でも唯一のインターネットによる翻訳専門職大学院を確立してきました。

http://www.detc.org/index.aspx
 
そして、第3回目の認証を受けて現代に至っています。

http://www.babel.edu/

 
ソリューション4.   
準備中
 翻訳専門職高等教育機関のプロフェッショナル
   アクレディテーションの実施
 以下、各国の翻訳協会との連携で翻訳専門職高等教育機関のプロフェッショナル 
アクレディテーション機関の創設をしたいと考えています。

日本
The Japan Translation Association

http://www.jta-net.or.jp/index.html

オーストラリア
The National Accreditation Authority for Translators and Interpreters (NAATI)

http://www.naati.com.au/home_page.html

イギリス
The Institute of Translation & Interpreting (ITI)

http://www.iti.org.uk/

アメリカ
The American Translators Association (ATA)

http://www.atanet.org/

カナダ
The Canadian Translators, Terminologists and Interpreters Council (CTTIC)

http://www.cttic.org/mission.asp

中国
Translators Association of China (TAC)

http://www.tac-online.org.cn/en/

韓国
Korean Society of Translators

http://www.kstinc.or.kr/
 
ベルギー
CONFERENCE INTERNATIONALE PERMANENTE D’INSTITUTS UNIVERSITAIRES DE TRADUCTEURS ET INTERPRETES(CIUTI)

http://www.ciuti.org/
 
米国の例を引き、若干の説明を加えると、現在、高等教育の品質認証は一般的な認証と専門職業教育の認証がある。
典型例を挙げれば、米国のロースクール(法科大学院)は一般的認証機関(地域、もしくは連邦―ちなみに、Babel University Professional School of Translationが米国連邦の認証)の認証を受けながら、同時にその職業固有の認証団体、ロースクールであればAmerican Bar Associationの認証を受けている。

http://www.americanbar.org/aba.html
しかし、残念ながら、世界的にみても翻訳の高等教育に特化した認証機関は存在しない。
従って、翻訳教育に特化した翻訳高等教育の認証機関をトランスナショナルに準備したいと考えています。 
 

ソリューション5.   
70%達成(達成率自己評価)
 
  そして、翻訳プロフェッショナリズムの確立
 
上記、4つのソリューションを進めるなかで、翻訳のプロフェッショナリズム、翻訳プロフェションの確立を目指したいと考えています。
参考までにプロフェッショナリズム、そしてプロフェッションについて補足させていただきます。プロフェッションとは、英語のprofessを語源としている。Professとは神の前で宣言する、という意味をもっています。中世ヨーロッパでは神の前に誓いを立てて従事する職業として、神父、医師、法律家、会計士、教師等の専門家を指していました。彼らは職業を通して神、社会に対して責任を負うという厳しい倫理観で自らを律していました。ここで一般的に言われるプロフェッションの条件を見てみたいと思います。
 
1.社会的に必要不可欠な仕事に独占的に従事している。
2.高度な知識や技術を必要とし、そのために長期の専門教育が必要としている。
3.個人としても集団としても、広範な自律性と、その判断や行為に対する直接の責任を負っている。
4.営利よりも、公共の利益を第一義的に重視している。
5.自治組織を結成し、倫理綱領(code of ethics)をもっている。
6. 国家、またはそれに代わる機関による厳密な資格試験をパスしている。
 
下線の部分に関して、若干のコメントをすれば、

1.独占的
  
これからは職域の独占から、開かれた独占でありたいと考えます。
 

2.長期の専門教育
  翻訳は知の総合、従って、翻訳教育は本来、大学院レベルの教育であるべきと考えます。


3.自律性
  プロフェッショナルとしての自己責任は当然のことでしょう。

4.公共の利益  これからの時代は営利と公益は対立概念ではないと考えます。純粋な 営利であっても公共性が高いビジネスは数多く存在します。

5.倫理綱領(code of ethics)  日本翻訳協会の倫理綱領をここに紹介します。
 
http://www.jta-net.or.jp/conduct.html
 
6.資格試験  経験の客観指標としての資格を普及させていきたいと考えています。
 
http://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam.html
 
 
これらは、これまでの各国の事例を見ても明らかなように、いずれも企業(クライアント)と教育機関と翻訳専門職団体、そして政府の支援により、段階的に完遂するものと考えられます。当方も他国の事例を範に4者の協力を深めていきたいと思います。
 
そこで、今後の翻訳のプロフェッショナリズムを高める 更なる施策を構築していきたいと考えておりますが、その説明は、次号に譲りたいと思います。

ALUMNI編集室から 第96号

WEB TPT 2014年2月10日号 ― 通巻96号  

ALUMNI編集室から

「翻訳再立国―翻訳プロフェッショナリズム の構築」


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
『翻訳再立国―翻訳プロフェッショナリズム の構築』 

 今回は、恥かしながら、私の修士論文の冒頭部分から拾って、バベルの今年のテーマを再確認していきたいと思います。
 というのも、この仕事について早30余年、ここに掲載したテーマは、今年の本格的な取り組みとして進化させていきたいと考え、改めて初志を確認し、皆様と問題意識を共有させて頂ければと考えたからです。
 
***********************************

 世界がボーダレス一つになる中、各々の言語を生かしつつ、情報の共有化を図り、世界を融和、相互発展させるには『 翻訳 』は欠かせない方法論と考えます。これは、翻訳の重要性に対する強い認識をもつEUのような東アジア広域政府を待つまでもなく自明のことでしょう。日本は‘翻訳立国’と言われて久しいにも係わらず、国家レベルの施策において翻訳の占める位置付けはあまりにも低いとしか言いようがありません。細やかなコミュニケーションスタイルをもつ日本人の特性を持ってすれば、多・双方向翻訳で『翻訳再立国』を果たし、東西、南北の橋渡しとなり、日本と世界との情報格差を無くし、その‘多・双方向翻訳力’を持って世界に貢献するという図式もあながち夢物語ではないと考えます。
 
 そのために、翻訳高等教育の在りかたに留まらず、国家レベルの施策としての『 翻訳プロフェッショナリズム の構築』をここに提言したいと思います。
 
 日本は明治維新以来、福沢諭吉、西周、中江兆民をはじめ多くの啓蒙家が、西欧の文化、文物を‘和魂洋才’を念頭に急速に取り入れ、国家の近代化を果たしてきました。これは、換言すれば、‘翻訳’を通して当時の西欧の先進文化、文明を移入してきたと言えます。俗に、‘翻訳立国―日本’と言われる所以です。
 
 六世紀から七世紀にかけて中国文化を移入したときには大和言葉と漢語を組み合わせて翻訳語を創り、明治維新以降は西欧の人文科学、社会科学等のそれまで日本にはなかった抽象概念を翻訳語として生み出してきました。Societyが社会、  justiceが正義、truthが心理、reasonが理性、その他、良心、主観、体制、構造、弁証法、疎外、実存、危機、等々、これらの翻訳語は現在のわたしたちには何の違和感もなくなじんできているのは承知の通りです。
 
 翻って、この‘翻訳’の現代に占める社会的位置は、と考えてみると、不思議なくらい、その存在感が読み取れません。
 
 もちろん、巷では、翻訳書を読み、政府、また企業でも多くの予算を翻訳に割いています。また、ドフトエスキー、トーマスマンをはじめ、世界中の古典文学を何の不自由もなく親しめる環境があるのも事実です。また、将来を展望しても、ITテクノロジーによる更なるボーダレス化を考えても翻訳は計り知れないビジネスボリュームを抱えています。
 
 一説には、一般企業が年間に外注する翻訳量は金額に換算して、2000億円市場とも言われます。これに、政府関係、出版関係(デジタルを含む)、更にアニメ、マンガといったコンテンツ産業関連を加算すれば、優に、一兆円を越える市場規模になると言われます。
 
 とすると、過去は言うに及ばず、今後、日本のビジネス取引、文化形成における‘翻訳’の役割は、想像以上に大きいと言わざるを得ません。そうした認識をふまえ、現状の日本の‘翻訳’の在るべきかたちを以下の5つの視点から、ある意味の危機感をもって、先進の海外と比較、考察していきたいと思います。
 
 1.翻訳業のプロフェッショナリズムは確立しているか。
 2.翻訳の品質を保証する翻訳者、翻訳会社の生産能力の標準化はできているか。
 3.翻訳者の資格は社会に定着しているか。翻訳会社の適格認証制度は構築可能か。
 4.翻訳専門職養成の大学、大学院は存在し、定着しているか。
 5.高等教育においての翻訳教師養成の必要性を認識しているか。
 
将来の日本が‘翻訳’を支えに、世界で果たすべき役割を考えると、これらを
その基本インフラとして整備すべきであることが、以下の海外の状況と比較することにより、より鮮明に見えてきます。

 
1.英連邦圏のオーストラリアでは翻訳者の国家資格を1977年に創設、 言語は60カ国語をカバー、大学、大学院でもこの資格を視野に入れたコースを多数設定している。これらのコースを一定レベル以上の成績を修めた場合、翻訳者としての一定のレベルの国家認定を与える制度となっている。

2.英国では、産業界、教育界、翻訳団体が一体となって、翻訳者の能力基準を以下の5つ設定し、この翻訳者のスキルの標準化、資格化を目標に、翻訳サービスの品質の安定を図っている。
 
  • Personal Development(自己啓発)
    倫理規範、時間管理、ストレス対処、自己表現、交渉力、等

     
  • Subject Knowledge(専門知識)
    リサーチ、情報源の確保と維持、インターネットの活用、個人データベースの構築、等

     
  • Language Skills(語学スキル)
    自国語のスキル、対象言語の知識、推敲、編集、校正、要約、辞書と文献活用、文体、テクニカルライティング、字幕翻訳、等

     
  • IT and the Internet(IT・インターネット活用)
    最新OA機器とソフトウエアー活用、セキュアリティー確保、翻訳メモリの活用、ターミノロジー管理、翻訳支援ツール、スタジオ実務

     
  • Business Practice(ビジネス実務)
    起業、財務処理、プロジェクト管理、マーケティング、プレゼンテーション、顧客開拓と管理、法律知識、危機管理

     
3.米国では、翻訳者は未だ対象にしていないが、弁護士、医者、聖職者に始まり、工学、ビジネス(MBA)、看護、教育、社会福祉、図書館学等多くの分野で、所謂プロフェッショナルスクール教育が確立し、これらのプロフェッショナルに修士号を認定、授与している。  
 
 また、特筆すべきは、上記の各国はもちろん、カナダ、ドイツ等の同様の試みは、政府、産業界、教育界、翻訳団体が4者一体となって進めていることです。
 
これらの状況を、危機感をもちつつ、比較検討をし、日本が国際社会でより際立った、独自の役割をはたすためにも必要な‘新翻訳立国’への提言をしていきたいと思います。
 
  提言 1. 翻訳プロフェッショナリズムの確立
  提言 2. ①翻訳者の能力の標準化の構築
          ②翻訳会社の品質保証システム構築
  提言 3. ①翻訳者の国家資格の構築
          ②翻訳会社の適格認証制度の構築
  提言 4. 翻訳専門職高等教育機関のプロフェッショナル
          アクレディテーションの実施
  提言 5. 翻訳教師養成高等教育の定着 
 
*****************************************
 
以上、私が現在従事している仕事の方向性は未だに変わりません。
翻訳業界の進化のためにも、皆様の力添えもいただき、初志貫徹していきたいと考えています。

ALUMNI編集室から 第95号

WEB TPT 2014年1月25日号 ― 通巻95号  

ALUMNI編集室から

「My market を知る」


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
『My marketを知る』 
・出版翻訳マーケット
・金融・IR翻訳マーケット
・特許・技術翻訳マーケット
・医薬・バイオ翻訳マーケット
・法律翻訳マーケット
 
みなさんは、これらの翻訳マーケットのうちどのマーケットでビジネスをお考えですか。
 
どこをマーケットにするにせよ、そのマーケットの仕組みが分からなければ、積極的に
営業もかけられないし、また、そのマーケットにおいて十全の活躍もできません。
 
従って、今回は本誌で今月から始まった出版翻訳市場調査チームの活動を横目に見ながら、他のビジネス翻訳マーケットの調査を開始したいと思います。
 
はじめに、これらの個別のマーケット調査に入いるまえに、そもそも、なぜそのような翻訳が発生するのか。そのしくみを、企業活動のグローバル化への進化の過程という視点で今一度点検してみましょう。
 
企業のグローバル化の4つのステージ
1.Domestic Stage
2.International Stage
3.Multinational Stage
4.Globally Integrated Stage
 
一般的に企業は、国内で作り、国内で売る、国内マーケットからスタートし、第2ステージでは、「海外で作る・海外で売る」、すなわち、本社にすべての機能が集約され、海外子会社が製造、販売等の一部の機能を担当するステージへと移ります。
そして、第3ステージでは「海外への権限委譲」が進み、本社には共通機能のみが集約され、自律的子会社が設立されることになります。
 
そして、第4、最終ステージでは、「地球でひとつの会社」、世界中で一番ふさわしい
場所にそれぞれの機能を分散させ、最適地で経営資源を調達する段階となります。
 
こうして、企業の進化過程を見ますと、皆さんがお仕事を受注している、もしくはしようとしている企業が現在、どのステージにあるかをまず見極めてみましょう。
 
もちろん、クライアントの中には、まだ、第2ステージの企業、また、なかには第4ステージにある企業もあるでしょう。
 
皆さんが企業直ではなく、翻訳会社から間接的お仕事を受けているとすれば、その業界に強い翻訳会社がどんな人材を求めているかを観ていると、各分野のトレンドの一端も見えてくるかもしれません。
 
そして皆さんが次に考えるべきは、こうした企業の進化の過程でどんな文書が発生するかということです。
 
そのためには、まず、
購買・仕入⇒製造⇒出荷・物流⇒販売・マーケティング⇒回収という、
企業の基本ビジネスサイクルでどんな文書が発生するかを考えてみましょう。
 
次に、ビジネスサイクルを側面からささえる機能
   法務
   会計・税務
   インフラ管理
   人事・労務
   研究開発・知財
の分野で、どんな翻訳が発生するかをみる必要があります。
 
これより先は、政治、経済、社会トレンドにも影響を受けつつ、クライアント別に事情も変わってくると思いますので、仕事を通して各クライアントの翻訳の需要動向、翻訳が発生
するしくみを探ってみましょう。
 
皆様の翻訳キャリアを主体的に進める意味でも、以下の翻訳マーケット調査チームにご参加ください。これは戦いではありませんが、対戦相手を知らなければ勝負になりません。
 
それぞれの市場調査チームはバベルの翻訳大学院の教授、もしくはプロ翻訳者の指導のもと、大学院特別奨学生(ワーキング生)、大学院院生、修了生等が調査を行い、これを原稿にまとめ逐次、本誌面で発表していきます。
 
  
【ビジネス翻訳マーケット調査チーム】
 
1.金融・IR翻訳マーケット調査チーム
2.特許・技術翻訳マーケット調査チーム
3.医薬・バイオ翻訳マーケット調査チーム
4.法律翻訳マーケット調査チーム
 
 
各専攻のワーキング生でマーケット調査に興味のあるかたは、関心のあるマーケット調査チームにご登録ください。
 
以下の簡単なアンケートにお応えいただきますと、登録ポイント5,000を差し上げます。一般読者、ワーキングスカラーシップ生以外の院生、修了生も大歓迎です。
 
毎月、こちらから提示する課題調査を行い、原稿にまとめていただきます。
原稿1本に付き、ワーキングポイントが別に設定されます。登録しても毎回執筆の義務が
発生するわけではありませんので、お気軽に登録ください。 
 
日々移り変わりゆく翻訳市場を、調査し、レポートにまとめるのはみなさんのキャリア設計を考える格好の材料となります。奮って、ご応募ください。
 
 
【翻訳マーケット調査チーム登録アンケート】
 
1.お名前
2.専攻(バベル翻訳大学院の院生、修了生の場合)
3.メールアドレス
4.居住地(例:日本 神奈川県)
5.登録希望マーケット調査チーム名
6.登録希望マーケットにおける翻訳経験
7.このチームで特に調べたい内容
8.関連情報の希望の有無 
 *ご希望の方に関連情報を差し上げます。
 
以上の内容を以下の編集部宛メールフォームのメッセージ欄に記入してお送りください。
 
 

それでは、登録を済まされた方は、以下の登録されたマーケット別の原稿をお読みいただき、みなさんなりの観点で結構ですので、翻訳マーケットをどう捉えているのか、原稿を
お寄せください。
 
寄稿申し込み締切:1月31日
原稿執筆の締切 :2月18日
*原稿は2,000~2、500字、ワードファイルで、2,3行のプロフィールと併せて以下にお送りください。
         TPT編集長 堀田都茂樹 
hotta_t@nifty.com
 
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
「リーガル翻訳マーケット概観」                                                             
 
                                 石田 佳治:バベル翻訳大学院(USA) ディーン
 
 リーガル翻訳は契約書 ・ 規則 ・ 議事録 (株主総会 ・ 取締役会) ・ 法令 ・ 訴訟文書など法律分野の各種書面の翻訳ですが、翻訳需要が多い反面、法律専門の翻訳者が需要に対して少ないところから活況を呈しています。日本の企業の多くが (大企業のみならず中小企業に到るまで) 国境を越えて海外に進出しあるいは海外と取引 (商品の輸出入のみならず技術やブランドのライセンスに到るまで) していますが、その背景には何十万何百万という数の国際間契約書が存在します。
 
 海外に進出した企業や海外から日本に進出して来た企業は何十万という数ですが、その運営のためには数多くの社内規則、手続規則、議事録を必要とします。 これらの文書はみな法律文書ですが、国際化した企業においては日本語と英語の複数の言語で作成しなければなりません。
 
  日本語の他に英語でこれらの文書を作成しなければなりません。 国際取引は英語でなければ通用しないのですから。 グローバリゼーションの進行で ヒト ・ モノ ・ カネ ・ サービスの流通が国境を越えて自由に行われるようになったのですが、それに伴って翻訳需要は大きく増えているのです。 その他に法令や訴訟文書の翻訳もあります。
 
需要の推移
 法律文書の翻訳は、経済が活況の時は M & A や海外進出など前向きな案件の法律文書があり、経済が不況の時は倒産処理や解雇や契約解除など後向きの案件の法律文書があります。 法律文書の翻訳には好況不況はあまり関係がないのです。 法律事務所は景気の動向に関係なく伸びており、弁護士、司法書士など法律家の数も増加しておりますが、法律翻訳の需要も並行して堅調です。 日本ばかりでなく、アメリカ、ヨーロッパ、中国、どの圈でも法律翻訳の需要は伸びていると聞きます。
 
特徴 (品質、料金、納品形態、発注元、言語)
 法律翻訳の特徴は、法律的な用語の使用が難しく、また法律文書は正確に穴のないように書かれなければなりませんので長文になることです。 このため法律翻訳は難しく通常の翻訳者には敬遠され、従って法律翻訳の供給の方は常に需要に見合わず不足しています。
 
 これを反映して法律翻訳の料金は一般の翻訳料金よりも高く、通常の翻訳料金の 1.2倍から 1.5 倍くらいになっています。 この傾向は日本に限らずアメリカやヨーロッパでもそうです。 アメリカの翻訳業界では、なかでも日本語への法律翻訳の料金は高く、2倍くらいになっているようです。
 
法律翻訳の納品期限は他の翻訳よりも短く、翻訳のスピードが要求されます。 これは、契約にしても裁判にしても期日を指定されてそれに合わせて文書が作成されますので、翻訳も期限が短く設定されるのです。 納品形態は現在では電子デー夕に紙プリントアウトを併用しての納品が主流です。
 
 法律翻訳の発注元は、法律事務所や企業の法務部門など、法律専門職の機関が主体です。 発注元が法律の専門家ですから翻訳文の法的な正確性が厳しくチェックされます。 この点も一般の翻訳者が入りにくい点の一つとなっています。
 
 言語は圧倒的に英語です。 英日翻訳の方が少し多いですが、昔に比べれば日英翻訳が増えてきました。 中国語も最近は契約書翻訳を中心に増えてきました。今後多くなると予想されます。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「金融・IRマーケット概観」
 
藤江 徳子:金融・IR翻訳者、翻訳専門職修士(MST)
 
 米国発の金融危機に伴うグローバルな景気後退による翻訳発注件数の減少傾向は、落ち着いてきました。昨年ぐらいからは翻訳の引き合いも増えてきたような気がします。自分の作業量を考えて、残念ながらお断りする案件がいくつかありました。
 
 今日は  「金融・IRマーケット事情」  についてということなので、本来なら全体像を書くほうがよいのですが、1人の翻訳者として最近受けた仕事の中から可能な範囲でまとめることにします。
 金融分野では株式調査レポートやファンドの運用報告書といった定期刊行物の翻訳ニーズは安定しています。株式や債券、為替に関する用語の知識はもちろんのこと、欧米諸国をはじめ中国や韓国、インドなど世界各国の最新経済事情にもアンテナを張り巡らせて、来るべき翻訳案件に備えておく必要があります。
 
 そして、前回レポートとの継続性にも配慮しながら訳出できれば、継続的な受注につながります。
 さらに、この分野では日本時間の深夜時間帯の翻訳作業に対応できれば、クライアントへのアピールポイントになります。海外で発表された英文記事を翌日の東京市場の取引開始前に日本語で用意するケースがあるからです。
 
 次に、IR分野について。アニュアルレポートのような定期的に作成される文章、株主総会招集通知など定型的な表現の多い文章では、翻訳ソフトを用いたローカライズ化がだいぶ進んでいるように思われます。過去のデータを蓄積したデータベースの活用により、翻訳料金をおさえたいというソースクライアントの意向が感じられました。
 
 翻訳者は指定された箇所だけを訳すことが求められますが、全文を読まないことには翻訳できません。そして、ローカライズとはいっても、最終的なチェックは人間が行うわけで、翻訳物のチェックの仕事も増えています。
 
 企業会計に関連して、国際会計基準やIFRSについての知識が求められます。専門書だけでなく、トピックごとにまとめられたレポートをインターネット上で読むことができるので、大いに活用しています。
 
 ここ数年、継続的に受けている仕事に企業の信用調査の翻訳があります。過去3年分ぐらいの財務諸表、財務分析と格付、事業内容、事業環境(経済白書からの抜粋など)、与信判断、その会社についての報道記事などがセットになっているものです。対象となっている企業は外国企業から日本法人が出資している海外法人まで多岐にわたり、各国の制度や会社法の知識が求められます。外国の会社法は日本語訳がないものが多く、その都度調べながら訳出しています。
 
 両分野に共通して言えることですが、ワードやテキストファイルでの翻訳作業だけでなく、パワーポイントやPDFファイルにテキストボックスを使って訳語を張り付けるような作業が増えたように思います。さらに、レイアウトを整えたりすることも求められます。翻訳者の業務範囲はどこまでなのかと、自問自答しながら作業しています。翻訳作業の時間より、レイアウトを整えるのに時間がかかることもありました。
 
 翻訳会社から提示される翻訳料金そのものに変化はありませんが、短期間での納品を求められることが非常に多いです。最終的に時給換算するとわりに合わないと思うような案件もありました。私のほうでの翻訳作業時間を短縮するには限界があるので、分納することにより少しでもはやくチェックにまわせるようにするなど、翻訳会社と相談しながら作業をすすめています。
 
 私が翻訳作業の効率化のために使っているツールは、Omega-T、KWIC Finderとワードのマクロです。以前は対訳君を使っていましたが、パソコンを買い替えたことによりOSのバージョンとあわなくなってしまいました。Omega-TとKWIC Finderはまだスイスイと使いこなせているというレベルではないのですが、金融・IR分野はOmega-T、企業調査レポートはKWIC Finderと使い分けてみようかなと思っています。ワードのマクロは何種類もあるのですが、自分がマクロを使ってやりたい作業というのはそれほど多くなくて、使いながら取捨選択しています。
 
 最後に、英語から日本語への翻訳(英日翻訳)と日本語から英語への翻訳(日英翻訳)について書いておきます。現在は英日翻訳をメインにしていますが、日英翻訳の引き合いもいただいています。むしろ、最近は日英翻訳のほうが多いような気がしています。複数の翻訳会社から同じ文章、納期もほぼ同時の日英翻訳案件の打診がたびたびあり、無償で試訳の作成依頼もありました。どこかのクライアントが検討中の入札案件だったようですが、無償で翻訳するのも限度があるので途中からお断りしました。
 
 今後も、英日翻訳のための情報収集とスキルアップを継続的に行うと同時に、日英翻訳でもスムーズに対応できるように研鑽を積んでいきたいと思います。また、過去の翻訳物を有効活用できるようにパソコン内のファイルの整理もこまめに行いたいと思いますが、なかなかまとまった時間がとれなくて難しい状況です。
 
--------------------------------------------------------------------------------
<プロフィール>
 
藤江 徳子(ふじえ のりこ)
証券会社や銀行などでの勤務を経て、2010年にバベル翻訳大学院金融・IR翻訳専攻を修了(MST)。現在は派遣社員として翻訳コーディネート業務をするかたわら、在宅では主に金融やIR分野の翻訳を行っている。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「医薬・バイオ翻訳マーケット概観」
 
小幡 美恵子:バベル翻訳大学院 プロフェッサー
 
 円安、株価乱高下, アベノリスク、etc.・・・ 経済の動向は先が見えない状況のようですが、メディカル分野の翻訳マーケットは景気の波に左右されることが少なく、コンスタントな需要があるマーケットです。堅実で安定した、ズバリ、「できあがっているマーケット」と言ってもよいと思います。なかでも圧倒的にボリュームが大きく、確実に発生するのは製薬会社の新薬開発に関わる文書の翻訳。プロトコール、非臨床研究、臨床研究、そして承認申請へ、という流れの中で各段階のエキスパートが作成した専門性の高い文書です。
 
英訳が主流に!
  さて、最近は医薬品開発のグローバリゼーションの進展に伴って、日英翻訳が主流になりつつあるのが大きな特徴と言えるでしょう。それは、日米EU3極の新医薬品の承認審査資料に関連する規則のハーモナイゼーションを図るための国際会議(ICH)*が20年ほど前に発足し,おかげで今やデータの国際的な相互受け入れが急速に実現化してきたからです。 * ICH - International Conference on Harmonization of Technical Requirement for Registration of Pharmaceuticals for Human Use
 
 ひとつの医薬品を共同開発する際、日本で実施した非臨床及び臨床研究の結果を海外へ報告するための日英翻訳、また、日本で開発した医薬品を海外で販売する目的で作成する承認申請のための日英翻訳,等々。 日本発信型の情報、ひと昔前とは、まさに「大逆転」です。
 
とはいえ、日本語のこだわりを!
 また、規制当局から許可が下りたからこれで終わりというわけではなく、まだまだ続きます。市販後調査(Post-marketing surveillance)、すなわち副作用報告です。医師による症例報告が殆どで、ここでは日本語の表現能力が問われます。これも場合によっては膨大な量になることもあり、また副作用は予定外の発生ですので緊急性が高いため、かなりのスピードが要求されることもあります。
 
 ほかには、製薬会社の販促部や出版社からの依頼による文献、出版物なども多々あり、また科学ジャーナル誌の記事などを手がけることも時にはあります。
これらは当然、英日翻訳であり、対象となる読者も前述の場合と比べるとかなり多く、また読者層も広くなります。従って、日本語表現へのこだわりが重要となってくるでしょう。
 
ヒトが主役の ! 
 いずれにしても、その内容は医学、薬学、生物(遺伝子)、環境系や医療機器など多岐に渡りますが、実際にははっきり分けられるものではなく、互いに密接に関連しあっています。共通しているのは言うまでもなく、人間の身体に直接触れる内容であり、そのため全ての人にとって常に身近なテーマであるということがこの分野に「入りやすい」「はまりやすい」所以かもしれません。
 
 医学の進歩には人間の生命維持、健康維持という明確な目的があり、あくまで対象はモノではなくヒトであるという点で、特許やITなど他の分野とは大きく異なっているのではないでしょうか。このことがこの分野の最大の魅力と言えるでしょう。
--------------------------------------------------------------------------------
<プロフィール>
小幡 美恵子
実務(医薬)翻訳家。東京理科大学薬学部卒。外資系企業医薬品研究開発部勤務を経て独立。翻訳会社‘Trials’代表。新薬治験資料、科学ジャーナル記事などの翻訳を手がける。
バベルユニバーシテイにて、「メディカル翻訳講座」担当講師を務める。

―――――――――――――――――――――――――――――――――― 
「特許・技術翻訳マーケット概観」
 
奥田 百子:翻訳家、弁理士、バベル翻訳大学院プロフェッサー
 
 翻訳市場は今後、どうなっていくのだろうか? 翻訳の現場にいる者として予想してみたい。私自身と知りあいの翻訳者、翻訳会社の話を聞いたところ、今年に入って特に3月以降、仕事が減っているという話をよく聞く。私自身もそうである。これは主に技術翻訳、そして特に特許翻訳の話である。それはなぜか? 
 
アベノミクスが発足して以来、仕事は右肩上がりと期待してはいたものの、残念ながら技術翻訳の業界にはこれは当てはまらないようである。翻訳業界は経済や政治の影響をすぐには受けない。経済が良くなったからといって、すぐに翻訳業界が潤う訳ではない。経済効果が翻訳業界に浸透するにはいつも時間が少しかかる。
 
 しかし株価も乱降下を続けている昨今であるから、この翻訳需要の落ち込みも一時的なものであると考える。技術翻訳(特に特許翻訳)の和訳の需要が減少しているとしたら、以下の要因が考えられる。
 
①企業の翻訳内製化
②円高
③ワード単価の現状維持
 
①企業の翻訳内製化
 これは以前から生じていた傾向である。特にワード単価の高い直請け翻訳者(翻訳会社に登録している翻訳者ではなく、企業から直接翻訳を請け負う翻訳者)は受注が抑えられている傾向もある。
 
②円高
 円高になると、日本への出願を控えるのは当然である。しかし為替レートも毎日変動し、円高、円安が入れ替わる毎日であるから、この減少が長く続くともいえない。しかも拒絶理由通知や意見書、補正書は為替レートとは関係なく、否応なしに発生する書類であるから、中間書類の翻訳の仕事は相変わらず多い。
 
③ワード単価の現状維持
ワード単価は8~25円であるが、低きに流れているのが現状である。しかしこれ以上ワード単価を下げることは、翻訳作業の大変さから考えて難しいし、短納期と低ワード単価では質の低下につながるおそれがある。
 
次に、私自身は4月に入ってから、英訳より和訳の仕事が増えている(それ以前は英訳の方が多かった)。
 逆に英訳の需要減少には以下の要因が考えられる。
①企業の翻訳内製化
②円安
③ワード単価の現状維持
 しかし翻訳需要の一時的落ち込みは長くは続かないと予測する。2006年以降、米国特許庁のウエブサイトでEFS-Webを利用して誰でも米国外からも米国特許庁に出願できるようになった。つまり米国代理人を通さなくても米国出願ができてしまうのである。これは翻訳会社のみならず、翻訳者にとってビジネスチャンスである。今後は翻訳会社で外国出願を請け負うところが益々増えるであろう。外国出願の依頼が翻訳会社に増えれば、翻訳会社が抱える翻訳者の数も多くなる。そして外国出願のノウハウを持った翻訳者であれば、ますます翻訳会社に好まれるようになる。
 
 翻訳者は翻訳するだけでなく、外国出願、特に米国出願の知識を持つことが好ましいとされるであろう。なぜなら翻訳会社も日本の特許事務所を通さずに、企業から直接外国出願の受注をして、さらに米国弁護士を通さずに直接米国出願するところが増えるからである。もっと言えば、翻訳者が直接外国出願を受注して、米国出願することもできる。
 その点で翻訳ができる人はさらに外国特許制度や手続に精通していれば、出願を請け負うこともできるし、その後のオフィスアクションに対する対応など中間手続を行うこともできる。
 
 これまでの私の10年間の翻訳生活を思い返すと、翻訳需要は変動が著しかった。まずリーマンショックである。リーマンショック直後は翻訳需要は激減した。次は東日本大震災、そしてそれに次ぐ原発問題であった。東京も混乱に陥ったため、翻訳発注どころではなくなった。大阪や名古屋からみると、東京も東北と同程度に混乱しているように映ったため、関西・東海地方からの需要も減った。
 
 この2つの出来事からようやく立ち直りつつある日本の翻訳業界は、これからというところである。今後は翻訳スキルだけでなく、付加価値のある翻訳者が求められるであろう。
 
たとえば翻訳の過程で依頼人と意見交換をしながら翻訳するというシステムも創設されるべきである。  特許の仕事は顧客とface to faceで特許明細書を作成  していく。疑問点は多く挙がり、これを解明しながら特許文書を作成する。これと同様のプロセスも翻訳者に求められるであろう。翻訳の過程では質問せずに、納品時に翻訳コメントや用語リストのみを添付するというスタイルがこれまで行われてきたが、翻訳途中で疑問点を解明しながら仕上げていくシステムが構築されるべきである。
 
 これは翻訳者のみの働きかけでは難しいが、翻訳会社、そしてクライアントもそのような姿勢と意識を持つことが必要である。そうすれば翻訳業界も変わって行くであろう。
 
 またクレームの補正の翻訳ができる翻訳者が求められるであろう。クレームを作成するのは弁理士であるが、その補正の翻訳ができる弁理士、これはクレームの構造を理解していないと難しい。したがって英語や技術のみならず、内外の特許制度に精通しておく翻訳者が求められるであろう。
 
 特許庁発行の特許行政年次報告書(2013年版)第11頁「1-1-23図 五大特許庁間の
特許出願状況(2011年)」
(http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/shiryou/toushin/nenji/nenpou2013_index.htm)によると、2011年に日本特許庁を通して米国特許庁に出願された出願件数は85,184件、米国特許庁を通して日本特許庁に出願された件数は23,414件であった。つまり2011年には単純計算して、日本語→英語、英語→日本語の翻訳で合わせて10万件以上の翻訳需要があったことになる。
 
 更に中間書類やレターの需要、裁判資料、プレゼン資料、制度紹介などの翻訳需要も含めると、15万件程度の翻訳件数があったことが予想される。
 さらに欧州特許庁(EPO)にも日本特許庁を通して、2011年には20,568件の出願がされている。EPOには英、独、仏語で出願できるから、すべてが英訳されているわけではないが、半分以上が英訳で出願していると考えると、ここでも1万件以上の需要がある。
 
 また日本特許庁を通した中国特許庁への出願件数も多い。同年では39,231件である。
 したがって中国語に職域を広げるのも一法であろう。
 
--------------------------------------------------------------------------------
 
<プロフィール>
奥田 百子(おくだ ももこ)
翻訳家、執筆家、弁理士、バベル翻訳大学院(USA)特許翻訳プロフェッサー。
近著に「国際特許出願マニュアル2版」(中央経済社) 

ALUMNI編集室から 第94号

WEB TPT 2014年1月10日号 ― 通巻94号  

ALUMNI編集室から

「世界が一つの言葉を取り戻す」


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
「世界が一つの言葉を取り戻す」
 
バベルと長いお付き合いの方はバベルの塔の神話をご存知のかたは多いことでしょう。
しかし、バベルの塔の神話の真のメッセージは必ずしも人間の傲慢を諌めることだけではないというところから出発したいと思います。
 
それは、20年以上前にオーストラリアの書店で見かけた子供向けの聖書に書かれた解釈でした。
 
神は、人が、ひとところに止まらず、その智恵と力を世界に広げ繁栄するようにと願い、世界中に人々を散らしたという解釈でした。すると、散らされた民はその土地、風土で独自の言葉と文化を育み、世界中に多様な言語と文化を織りなす、一つの地球文化を生み出したのです。
 
しかし、もともとは一つだったことば(文化)ゆえに翻訳も可能であるし、弁証法的に発展した文化は、常に一定のサイクルで原点回帰をしているので、ただ視点を変えるだけで、結局、同じことを言っていることが分かるのではないでしょうか。
 
しかし、人間のエゴの働きと言えるでしょうか、バベルの塔のころからの傲慢さゆえに、自文化が一番と考えることから抜けきれないでいると、もともと一つであるものでさえ見えず、理解できず、伝える(翻訳)ことさえできなくなってしまうのかもしれません。
 
翻訳の精神とは、自らの文化を相対化し、相手文化を尊重し、翻訳するときは自立した二つの文化を等距離に置き等価変換する試みであるとすると、その過程こそ、もともと一つであったことを思い返す試みなのかもしれません。
 
「世界が一つの言葉を取り戻す」、それは決してバベルの塔以前のように、同じ言語を話すことではないでしょう。それは、別々の言語を持ち、文化を背負ったとしても、相手の文化の自立性を尊重し、その底辺にある自文化を相対化し理解しようとする‘翻訳者意識’を取り戻すことなのではないでしょうか。
 
バベルの塔の神話はそんなことまでも示唆しているように思えます。
 
また、ここに翻訳の本質が見えてきます。
 
昨日、あるテレビ番組で、日本料理の達人がルソン島に行き、現地の子供の1歳のお祝いの膳を用意するという番組を観ました。おそらく番組主催者の意図は世界遺産となった日本料理が、ガスも、電気コンロもない孤島で通用するかを面白く見せようとしていたのでしょう。
 
この日本料理の達人は自らの得意技で様々な料理を、現地の限られた食材を使い、事前に
現地の人々に味見をしてもらいながら試行錯誤で料理を完成させいくというストーリーでした。そして、最後は大絶賛を得られたという番組でした。
 
しかし、かれはその間、自ら良しとする自信作で味見をしてもらうわけですが、一様にまずいと言われてしまいます。しかし、何度も現地のひとの味覚を確認しながら、日本料理を翻訳していくのでした。そこには自文化の押し付けもなければ、ひとりよがりの自信も見られません。ただ、現地のひとの味覚に合うよう、これが日本料理という既成概念を捨て、日本料理を相対化し、自らのものさしを変えていくのです
 
世界には7,000を越える言語、更にそれをはるかに越える文化が有る中、翻訳者が
翻訳ができるとはどういうことなのでしょうか。
 
翻訳ができるということはもともと一つだからであり、
翻訳ができるということは具象と抽象の梯子を上がり下がりできるということであり、
翻訳ができるということは、自己を相対化できるということでしょう。
 
例えば、世の中には様々な宗教があり、お互いを翻訳しえないと考えている方が多いのではないのではないでしょうか。
 
しかし、一端、誰しも翻訳者であると考えてみましょう。翻訳者という役割が与えられた時点で、自らの言語、文化を相対化する必要があります。翻訳する相手の文化を尊重し、自国の文化を相対化し、相手の国の人々がわかるよう再表現をする。
 
「翻訳とは、お互いの違いは表層的なものであり、もともとは一つであることに気づき、お互いを認め、尊重し合う行為である」と考えれば、「優れた翻訳者を世界に送り出すことで世界を一つにする」ということは、あながち、夢物語だとは言えないのではないか、と思い至ったのです。

ALUMNI編集室から 第93号

WEB TPT 2013年12月25日号 ― 通巻93号  

ALUMNI編集室から

「翻訳マーケット2014 その1. 翻訳出版市場をどう読む」


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
2014年 翻訳出版市場をどう読む
 
 2014年より、本誌 The Professional Translator誌で、一般社団日本翻訳協会の協力を得て、『 翻訳市場調査2014 』を開始し, 2014年4月には、Translation Market Research Institute(TMRI)を発足、翻訳マーケットの定点観測を継続します。
 
リサーチは、以下の5つの市場調査チームで実施します。
1.翻訳出版 市場調査チーム
2.金融・IR翻訳 市場調査チーム
3.特許・技術翻訳 市場調査チーム
4.医薬・バイオ翻訳 市場調査チーム
5.法律翻訳 市場調査チーム
 
 5つの専門分野においても、翻訳のニーズは多様化、複合化しています。翻訳の仕事はひとつの分野で完結することは逆にすくなく、それぞれ隣接する分野と複合した発生の仕方をしています。そんな視点も踏まえながら各分野の調査を進めていきたいと考えます。
 
 本誌では、2014年の1月から2ヶ月間は、出版翻訳分野を扱います。その後、順次他の分野の調査を開始、全ての分野が並行して調査を重ねていきます。
 
 ここで言う出版翻訳とは文芸分野(小説、ミステリ、SF、YA、絵本、児童書等)に限らず、サイエンス分野の一般教養書、ビジネス分野の一般啓蒙書も含みます。
 
 また、それぞれの市場調査チームはバベルの翻訳大学院の教授、もしくはプロ翻訳者の指導のもと、大学院特別奨学生(ワーキング生)、大学院院生、修了生等が調査を行い、これを原稿にまとめ逐次、本誌面で発表していきます。
 
 それでは、各専攻のワーキング生で出版翻訳に興味のあるかたは、翻訳出版市場調査チームにご登録ください。以下の簡単なアンケートにお応えいただきますと、登録ポイント5,000を差し上げます。一般読者、ワーキングスカラーシップ生以外の院生、修了生も大歓迎です。
 
 毎月、こちらから提示する課題調査を行い、原稿にまとめていただきます。
 原稿1本に付き、ワーキングポイントが別に設定されます。登録しても毎回執筆の義務が発生するわけではありませんので、お気軽に登録ください。 
 
 日々移り変わりゆく翻訳市場を、調査し、レポートにまとめるのはみなさんのキャリア設計を考える格好の材料となります。奮って、ご応募ください。
 
 また、大学院生が纏まった市場調査レポートに仕上げた場合は、担当指導講師の評価により、単位を認めることもあります。
 
【翻訳出版市場調査チーム登録時アンケート】


1.お名前
2.専攻(バベル翻訳大学院の院生、修了生の場合)
3.メールアドレス
4.居住地(例:日本 神奈川県)
5.出版翻訳で特に関心がある分野
6.英語圏で特に関心がある作家、執筆者
7.このチームで特に調べたい内容 

以上の内容を以下の編集部宛メールフォームのメッセージ欄に記入してお送りください。
 
堀田都茂樹

ALUMNI編集室から 第92号

WEB TPT 2013年12月10日号 ― 通巻92号  

ALUMNI編集室から

「2014年は日本人が自身を取り戻し、
       世界へ‘日本’を発信するとき!!」


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
『2014年は、世界へ‘日本’を発信するとき!!』
 
 最近の風潮を見ると、自信を失ったかに見える日本の行く末が不安になります。
 
 国を愛しているか、との若者への質問にYESと答える割合が先進国中の最低、PISAの国際学力では、トップクラスに帰り咲きながら、そのやる気の無さは先進国のトップ、また、留学して世界に雄飛しようとする若者の数は、韓国、中国本土、台湾にどんどん追い抜かれている日本。
 
 そんな、やる気のない、覇気のない日本を挽回しようと考えているのは私だけではないでしょう。
 
 また、一方では、中国、韓国の中傷、プロパガンダに右往左往する日本。それぞれの国のお国事情で格好な外敵、悪者とされて反撃できない、自虐的歴史観に犯された日本人。
 

http://relit.biz/kn2711/1521
 
http://relit.biz/kn2711/2521
 
 そんな時代に、正しい歴史認識の下で、日本の自信を取り戻す必要があるように思います。
 
 故 村山 節(みさお)さんの「 文明800年周期説」や、トインビーの歴史観をとり上げるまでもなく、今、歴史は西欧合理主義から東洋の智へと大きな変換期を迎えています。
 
 東洋の中でも日本は、儒教、仏教、道教、禅、神道という思想哲学の集積地、たまり文化といわれる地域。全てに神を感じ取り、清く明るい志を持ち、見えないものを見、全ては自分のなかにあると内省する日本人。
 

 まずは、この素晴らしい日本をただしく認識するところから、日本を世界に発信することができるのでしょう。
 
 では、翻訳者として我々は何ができるのでしょうか。
 
 まずは、日本の正しい姿を伝える様々な書籍、情報を英語にして、日本の真の姿を世界に伝える、そんなところから始まるのかもしれません。
 
 日本の姿を世界に伝える国家予算が他の先進国に比べて微々たるものであることに、驚かれる方も多いと思います。
 
 バベルではこれまで、こうした関連書籍として、田口佳史さんの『東洋からの経営発想』、浅井隆さんの『Human Destiny』, 田坂広志さんの『目に見えない資本主義』等の書籍を英訳出版してきてはいますが、未だ、微々たる量です。

http://www.babel.edu/alum/je.html
 
 BABEL UNIVERSITYでは、こうした英語で発信するための翻訳講座、日英翻訳出版講座、Plain English講座、また現在は、日英翻訳出版入門講座を準備中です。
 
 
2014年は、BABEL UNIVERSITYとしても、日本のほんとうの姿を世界に伝える書籍を英訳し、世界に発信していきたいと考えています。
 
 結びに、多摩大学大学院教授、元内閣官房参与の田坂広志さんのことばをお読みください。
 
 『21世紀、この日本という国が世界に対して為すべき貢献は、何か。それは、決して「経済的貢献」や「政治的貢献」だけではありません。何よりも求められているのは「文化的貢献」であることを、我々は知るべきでしょう。
 
 なぜなら、歴史的視野で見るならば、いま、世界全体の「知の潮流」は、西洋的な知のパラダイムから東洋的な知のパラダイムへと、螺旋的発展による弁証法的回帰を遂げつつあるからです。特に、東洋の知のパラダイムの中でも、日本的精神は、高度に洗練された禅の思想を始め、自然(じねん)の思想、縁(えにし)の思想など、世界が学ぶべき深みを持ち、その成熟した日本文化は、これから世界に対して大きな影響を与えていくものとなっていきます。
 
 すなわち、21世紀は、日本が欧米の文化を輸入し、学ぶ時代から、欧米が日本の文化を輸入し、学ぶ時代になっていきます。そうした時代に、日英・英日翻訳のプロフェッショナルの道を歩まれる皆さんには、単なる「職業的責任」を超え、「歴史的使命」と呼ぶべき役割が与えられています。
 
 特に、日英翻訳の世界は、いまだ未踏の荒野であり、あらゆる困難を超え、誰かがこの荒野を切り拓いていかなければなりません。その困難は、単に「日本語を英語に訳す」という技術的な困難ではなく、「日本的な精神や文化の神髄を世界に伝えるための新たな言語のスタイルを生み出す」という困難に他なりません。一人の著者として、その格闘を続けながら願うのは、皆さんの中から、そうした荒野に道を切り拓く「多くの同志」が生まれてくることです。それは、困難に満ちた道でありながら、一人の人間が人生を賭するに値する、素晴らしい道であることを信じています。本日が、皆さんにとって、その「輝ける道」への第一歩となることを祈りつつ。』
 
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
次号への寄稿のお願い
 
次号も以下の特集テーマに原稿をお寄せください。
 
テーマ:翻訳者としてのOFFのすごし方― Mind & Bodyの癒し方
 
プロとして最高の人生を送る、今一つの視点は、健康管理です。身体と精神が健康でなければ、翻訳業は成り立ちません。様々なストレスをマネジメントしていく、あなたの知恵、心がけ、ライフスタイル、体験談を披露してください。身近なことでも構いません。寄稿ください。これから翻訳業を始める方は、これからの心がけでも結構です。
 

①タイトル除く本文の文字数は1500字以上2000字程度。
②はじめに、記事のタイトルをつけてください。
③最後に、簡単なプロフィール(氏名、読み仮名)を記入してください。
④お写真もお願いします。
⑤ワーキングスカラーシップ生の方は、原稿を寄稿いただきますと10000ポイントです。締切は12月17日、火曜日(日本時間)必着です。よろしく!!
 

―――――以下、新規のプロジェクト発足のお知らせです。
 
2014年より、本誌 The Professional Translator誌で、翻訳大学院の専攻分野に沿って市場調査を開始します。
 
今回のリサーチチームは、以下の6つとなります。
1.文芸翻訳市場調査チーム
2.金融・IR翻訳市場調査チーム
3.特許翻訳市場調査チーム
4.技術翻訳市場調査チーム
5.医薬翻訳市場調査チーム
6.法律翻訳市場調査チーム
 
 6つの専門分野においても、翻訳のニーズは多様化、複合化しています。翻訳の仕事はひとつの分野で完結することは逆にすくなく、それぞれ隣接する分野と複合した発生の仕方をしています。そんな視点も踏まえながら調査を進めていきたいと考えます。
 
 それぞれの専攻のワーキング奨学生が調査を担当いただき、定期的なレポーティングをお願いしたいと考えております。
 
 日々移り変わりゆく翻訳市場を、調査しレポートにまとめるのはみなさんのキャリア設計を考える格好の材料となります。
 
 詳細は、改めてお伝えします。ご協力、よろしく!!
 
堀田都茂樹

ALUMNI編集室から 第91号

WEB TPT 2013年11月25日号 ― 通巻91号  

ALUMNI編集室から

「プロとして最高の人生を送るひとつの方法
                 -新たな出発の門出にー」


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
先日、11月16日にハワイで行われた、バベル翻訳大学院の2013年 秋期 学位授与式にて、私から祝辞を述べました。ところが、時間の都合もあり、内容を短くしてお話ししましたので、ここに、全文を記載したいと思います。当日出席の皆さんばかりでなく、当期修了生15名の方々を含め、翻訳のプロフェッショナルとして本格的にスタートされる方々へのメッセージとして、ここに掲載してお送りします。
 
これまでのこのコーナーでの内容と一部、重なることをご了解ください。

 
『プロとして最高の人生を送るひとつの方法』
 
今日は、私が昨年人生の折返しの60歳を迎えて、気づいたこと、腑に落ちたことをみなさんとシェアーしたいと思います。
本日、2013年11月16日は、皆さんにとってはどんな日でしょう。
Today is the first day of the rest of my life.
これは、今日がスタート、物事を始めるのに遅いということはない、という意味ですが、わたしはこれをこう読み替えたいのです。
Today is the special day of the rest of my life.
 
すなわち、今日という日、修了される皆さんにとっては、プロの人生のスタートにとどまらず、この日こそ、プロとしての人生航路の特別な日であると決めてほしいのです。
 
これを、
Positive definition、つまり、積極的な意味付け、と言わせていただきます。
 
この積極的な意味付けは、本日のような日をどう意味付けするかに限らず、出会った人、起こった出来事をどう意味付けするかも含みます。
 
イベント日、起こる出来事、会う人々、それらを無為に流すのではなく、
ポジティブな意味付けをしようという提案です。
そうすると、その意味付けにならって、その後のものごとが大きくその方向へ動くという確信をもっています。
 
この積極的な意味付け、Positive definitionに関して、3つの例を挙げましょう。
 
Find your own uniqueness, define your own success.
 
これはご承知のように米国の教育理念に根底にある考え方で、個性を尊重し、個性を生かし人生を造り上げよう、という意味です。個性を矯めて迎合しがちな我々は自らを戒めたいところです。
 
翻訳のプロとして仕事をしていくにあたっても、自身の
uniquenessを如何に専門分野にしていくかが、問われるところです。
 
いつも申し上げているのは、この専門という縦軸をしっかり確立すること、それがたとえ ニッチであっても徹底してこだわりましょう。その上で、その周辺を開拓する。
 
また、この縦軸をしっかりとしたうえで、横軸を通す。ひと昔前は翻訳者は翻訳だけすると考えている人が多かったのですが、これからは、その専門を軸に、執筆をする、講義をする、通訳をする等、トランスレータ兼インタープリター兼ライター兼レクチャラー、そしてその分野の研究者となりましょう。
 
一冊の本を翻訳できる力があれば、類書を翻訳しながらこうした多能プロフェッショナルになるのも決して難しくありません。
 
実際、私は数え切れない数の翻訳者に、今の仕事について35年の間にお会いしましたが、その中には、私が言う、多能プロは決して珍しくありません。
 
2つ目は、

Thought becomes things.
Mind shapes things.

 
すなわち、積極的な意味付けPositive definitionで、その思いは物質化する、ということです。これは物理学の先端分野、量子力学ではあたりまえのことですね。
 
わたしは、WEB雑誌、The Professional Translatorでキャリアサクセス診断を連載してきました。
 
【キャリアサクセス実現シート】
 
STEP 1. 自己発見シートの作成 
       Find your own uniqueness

https://www.babel.co.jp/bcc/mailform/bcc1.html
 
STEP2. キャリアビジョン作成
       Define your own success

https://www.babel.co.jp/bcc/mailform/bcc2.html
 
STEP3. スキル棚卸しシート作成
       Do your own inventory

https://www.babel.co.jp/bcc/mailform/bcc3.html
 
STEP4. 5年後の未来履歴書作成
       Write your future resume

https://www.babel.co.jp/bcc/mailform/bcc4.html
 
STEP5. 5年間のアクションプラニング作成
       Make your action plan

https://www.babel.co.jp/bcc/mailform/bcc5.html
 
全部で5つのステップからなる、自分の成功イメージをあぶり出す診断ですが、そのSTEP4が、5年後の未来履歴書をつくること、STEP5が、その未来履歴書に、そこに至るマイルストーン、アクションプランを付けていくことで完成させるというものです。
 
よく言われるのがゴールを鮮明に描けば、自ずと引き寄せの法則でゴールが達成できると言いますが、もちろん、ゴールが鮮明に描けていることにより、これまで気づかなかった事象があたかも引き寄せられるかのように、目の前に登場する、というのは真実でしょう。
しかし、当然ですが、課題はここからです。
 
目の前に出現したチャンスを、ゴールへの階段と受け止めて、この階段を着実に登って行かなければ、いつまでたってもゴールには届きません。
当たり前のことですが。
 
ふり返りますと、この『キャリアサクセス実現シート』のコンセプトを考え、企画したのが10年以上前のことでした。私は、東洋思想、老荘思想の第一人者、田口佳史先生の講義を20年以上に亘って聴講しています。その最初のころの講義の時に、人生設計手法の話を聴きました。それは、いまでも鮮明に記憶に残っています。
 
当時、50代の先生が見せてくださったのは、部屋の四方の壁を一周するような長さの掛け軸のような紙に書かれた、田口先生が30代に書かれた人生設計書でした。そこには、30歳から、碓か、80歳を越えるまでの人生設計記録でした。33歳にこう言う仕事をはじめ、36歳でどこどこに事務所を構え、38歳に3人目の子供を授かり,等々、
‘あたかも自分史を書いているかのような’、未来の人生記録でした。
 
なんと、何歳かに持ち家を手にいれる場所、町名さえ記入されているのです。
なんと、なんと、その住所たるや、実際の住所と目と鼻の先でした。

 
その時に、私は確信しました。
 
ゴールを如何に鮮明に描けるか、そのマイルストーンを如何に詳細化できるか、それが、人生のシナリオを決めると。
 
すなわち、未来履歴書を、あたかもそうなったかのように、ポジティブに定義、決めて
行くことです。
 
3つ目は、
Destined Encounter, これは一般的には日本語の‘縁’をこう英語で表現しています。すなわち、出会いに積極的な意味付けをすることにより、その出会いの発展型が出現するということです。
 
現在、私は米国BABEL CORPORATION社のCEOとして、バベル翻訳大学院では副学長を務めていますが、この米国大学院の設立が私の人生(キャリア)設計書の大項目でした。
 
私は、昭和27年の12月12日生まれ、昨年、還暦を迎えました。
こどものころから師範学校の校長をしていた祖母に、誕生日(旧暦)が同じ福澤諭吉を引き合いにだされ、お前は福澤諭吉の生まれ変わりかもしれないと、諭吉の自伝を何冊も
読まされて(読んで)きました。
 
ご承知のように、福澤諭吉は西洋文化をいち早く日本に導入し、慶応義塾大学を創設され、日本の近代化に大きく貢献されました。そんな、福澤諭吉を分身のようになんとなく考えていた私に与えられたチャンスが、バベルで米国進出、米国での翻訳大学院の設立という、今では夢のような仕事でした。
 
前職のJTB外人旅行部から転職し、まもなく40年を迎える日本のバベル社に入社して、翻訳教育、雑誌の編集長、企業英語研修、出版、と翻訳関連の仕事についてすでに35年目、湯浅学長より、米国に翻訳大学院を創ろう、日本のような規制の多い国ではなく、
自由の地、米国で大学院を創り、教育品質認証(Accreditation)を取得せよ、と命が下り、サンフランシスコに単身で赴任することになりました。
 
最初のうちは、どこから手を付けて良いやら全く検討もつきませんでした。
 
しかし、福澤諭吉=慶応義塾となんとなく自分をダブらせていくに連れて、見えない何かに導かれるように、カリフォルニア州の元教育品質認証担当局長をはじめ、ハワイ州の高等教育を管轄する局長、など、力を貸していただける方が、降って湧いたように私をサポートしてくださいました。
 
どうせなら、自分が大好きなハワイ州で大学院をスタートしよう考えたのが2000年。
JTBの外人旅行部で30余カ国を廻っていた中で、やはり一番心が落ち着き、気とエネルギーをもらえる地がハワイでした。地球のおへそ( Peko)と言われる所以かもしれません。
 
1996年、米国で会社設立。7月26日(マヤ暦の元旦!!に米国登記が完了)、準備から約5年を掛けて、米国教育省の認可( Recognized ) の教育認証団体DETCから認証を受けることができました。
 
わたしの自慢話ではなく、このように目の前に起こる出来事、イベントの日、会った人々をただ漫然と眺めて、無為にやり過ごすのではなく、それぞれに
深い意味付け、Positive definitionをして行くことの一例です。
 
しかし、この意味付けも、確固たるゴール、未来履歴書があるからこそできるのです。
 
これは引き寄せの法則の真実を理解できれば容易にわかります。
 
我々は常に過去の経験から導かれためがねで目の前の光景を見ています。
 
従って、あなたが見ている光景と、私が見ている光景は僅かに違っているはずです。
この光景が、明確なゴールを設定することにより、ゴールに必要なのに今まで気づかずにいたものが観えてきます。
 
これが、あたかもそのことを引き寄せたかのように見えますが、実は、これまで見ていなかっただけのことに過ぎません。

 
すなわち、全てがすでに目の前にあるという真実です。
 
こと程左様に、POSITIVE DEFINITIONの基本は、明確なゴール設定ということになります。
 
以上、自戒を込めて、皆さんにお伝えしました。
今後のキャリアを考えるきっかけにしていただければと思います。
 
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
 
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
次号への寄稿のお願い
 
次号も以下の特集テーマに原稿をお寄せください。
 
テーマ:翻訳者としてのOFFのすごし方― Mind & Bodyの癒し方
 
プロとして最高の人生を送る、今一つの視点は、
 
『翻訳者としてのOFFのすごし方― Mind & Bodyの癒し方』です。
ちっぽけなことでも構いません。寄稿ください。
これから翻訳業を始める方は、これからの心がけでも結構です。読者と情報と知恵を共有させてください。
 
文字数は1500字から2000字(タイトル、簡単なプロフィールは別)、お写真もお願いします。
 
ワーキングスカラーシップ生の方は、原稿を寄稿いただきますと10000ポイントとなります。
 
締切は12月5日、木曜日(日本時間)です。よろしく!!
堀田都茂樹

ALUMNI編集室から 第90号

WEB TPT 2013年11月10日号 ― 通巻90号  

ALUMNI編集室から

「『キャリアサクセス実現シート』の寄稿を読み終えて」


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
 

 さて、今回のSTEP5. 5年間のアクションプラニング作成 【Make your action plan.】 をされてお気づきになられたでしょう。
 
 大半の方が、ゴールまでの階段をきちんと掛けていないことを。別に、そのことを責めているわけではありません。自戒の意味でも申し上げています。
 
 なかには、ゴールがvividに描ければ、
‘引き寄せの法則’で自ずとゴールに到達できる、と信じている方もいらっしゃるでしょう。もちろん、ゴールが鮮明に描けていることにより、これまで気づかなかった事象があたかも引き寄せられるかのように、目の前に登場する、というのは真実でしょう。しかし、当然ですが、課題はここからです。
 
 目の前に出現したチャンスを、ゴールへの階段と受け止めて、この階段を着実に登って行かなければ、いつまでたってもゴールには届きません。
当たり前のことですが。
 
 STEP4「5年後の未来履歴書作成」で満足して、まだ、このSTEP5を終えていない方は、今一度、ゴールへのはしご掛けをしてみましょう。
 

「5年間のアクションプラニング作成」
https://www.babel.co.jp/bcc/mailform/bcc5.html
 
 
 さて、当初は、この特集を終えたところで、みなさんの投稿を読んでの総括をしようと不遜にも考えていました。しかし、みなさんが、個人情報の開示も顧みず、寄せられた回答、また、その原稿を読むにつれ、その内容の深さ、素晴らしさに圧倒されるばかりで、却って多くのことを教えられました。
 
 振り返りますと、この『キャリアサクセス実現シート』のコンセプトを考え、企画したのが10年以上前のことでした。私は、東洋思想、老荘思想の第一人者、田口佳史先生の講義を20年以上に亘って聴講しています。その最初のころの講義の時に、人生設計手法の話を聴きました。それは、いまでも鮮明に記憶に残っています。
 
 当時、50代の先生が見せてくださったのは、部屋の四方の壁を一周するような長さの掛け軸のような紙に書かれた、田口先生が30代に書かれた人生設計書でした。そこには、30歳から、碓か、80歳を越えるまでの人生設計記録でした。33歳にこう言う仕事をはじめ、36歳にどこどこに事務所を構え、38歳に3人目の子供を授かり,等々、
 ‘あたかも’自分史を書いている かのような、未来の人生記録でた。
 
 なんと、何歳かに持ち家を手にいれる場所、町名さえ記入されているのです。
 なんと、なんと、その住所たるや、実際の住所と目と鼻の先でした。
 
 その時に、私は確信しました。
 

ゴールを如何に鮮明に描けるか、そのマイルストーンを如何に具体化できるか、それが、人生のシナリオを決めると。
 
 このメルマガの読者は、バベルの翻訳大学院の院生、修了生の方々だけではないので、これからお話することは関係ないよ、と言われそうですが、聴いてください。
 
 現在、私は米国BABEL CORPORATION社のCEOとして、バベル翻訳大学院では副学長を務めていますが、この米国大学院の設立が私の人生(キャリア)設計書の大項目でした。
 
 私は、昭和27年の12月12日生まれ、昨年、還暦を迎えました。
 こどものころから師範学校の校長をしていた祖母に、誕生日(旧暦)が同じ福澤諭吉を引き合いにだされ、お前は福澤諭吉の生まれ変わりかもしれないと、諭吉の自伝を何冊も読まされて(読んで)きました。
 
 ご承知のように、福澤諭吉は西洋文化をいち早く日本に導入し、慶応義塾大学を創設され、日本の近代化に大きく貢献されました。そんな、福澤諭吉を分身のようになんとなく考えていた私に与えられたチャンスが、バベルで米国進出、米国での翻訳大学院の設立という、今では夢のような仕事でした。
 
 まもなく40年を迎える日本のバベル社に入社して、翻訳教育、雑誌の編集長、企業研修、出版と翻訳関連の仕事についてすでに35年目、現湯浅学長より、米国に翻訳大学院を創ろう、日本のような規制の多い国ではなく、自由の地、米国で大学院を創り、品質認証(Accreditation)を取得せよ、と命が下り、サンフランシスコに単身で赴任することになりました。
 
 最初のうちは、どこから手を付けて良いやら全く検討もつきませんでした。
 
 しかし、福澤諭吉と自分をダブらせていくに連れて、見えない何かに導かれるように、カリフォルニア州の元教育品質認証担当局長をはじめ、ハワイ州の高等教育を管轄する局長、など、力を貸していただける方が、降って湧いたように私をサポートしてくださいました。
 
 どうせなら、自分が好きなハワイ州で大学院をスタートしよう考えたのが2000年。
 バベルに勤める前は、JTBの外人旅行部で30余カ国を廻っていた中で、やはり一番心が落ち着き、気とエネルギーをもらえる地がハワイでした。地球のおへそ( Peko)と言われる所以かもしれません。
 
 1996年、米国で会社設立。7月26日(マヤ暦の元旦!に米国登記が完了)、準備から約5年を掛けて、米国教育省の認可( Recognized ) の教育認証団体DETCから認証を受けることができました。
 
 今では、世界で唯一の遠隔教育の翻訳大学院として認知されるようになり、なにより、優秀な院生、修了生に心より誇りを持っています。
 
 こんな、話を長々としましたのは、今回の
『キャリアサクセス実現シート』でみなさんに寄せていただいた想いに触発され、目標をクリアに描くことの大切さを改めて、深く認識したからです。
 
 話は、本題からそれた観がありますが、この素晴らしい翻訳大学院を選んでいただき入学、修了された皆様に感謝の気持ちで書かせていただきました。
 
 総括にならない総括ですいませんでした。
 しかし、
自分を信じて、未来をクリアに描く、その大切さがすこしでも伝われば幸いです。
 自戒を込めて。

 

次号の ‘予告と寄稿のお願い’
 
次号の以下の特集テーマに原稿をお寄せください。
 
テーマ:翻訳者としてのOFFのすごし方― Mind & Bodyの癒し方
2000字前後で寄稿ください。これから翻訳業を始める方は、これからの心がけでも結構です。読者と情報と知恵を共有させてください。
 
文字数は1500字から2000字(タイトル、簡単なプロフィールは別)、お写真もお願いします。
 
ワーキングスカラーシップ生の方は、原稿を寄稿いただきますと10000ポイントとなります。
 
締切は11月18日、火曜日(日本時間)です。
よろしく!!
 
堀田

 

ALUMNI編集室から 第89号

WEB TPT 2013年10月25日号 ― 通巻89号  

ALUMNI編集室から

「自分の売りをつくる5年分の計画を描く」


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
 

さて、あたかも、そうなっているかのように5年後の履歴書を書こう!!
 
STEP4では、Write your future resume、5年後の未来履歴書作成しました。
 
1.5年後の自分の‘ 売り ’を明確にする。
2.5年後に履歴書に書くあなたの獲得スキル、資格を明確にする。
3.5年後に履歴書に書くあなたの職歴を描く。
 
そして、STEP5では、この未来履歴書を現実にするための5年間のアクションプラニング作成します。
Make your action plan.
 
ここで、今一度、STEP1とSTEP”を振り返ってみましょう。なぜなら、このSTEP1と2が全ての基本だからです。
 
STEP 1. 自己発見シートの作成
       Find your own uniqueness
STEP2. キャリアビジョン作成
       Define your own success
 
このステップで考えた‘売り’、Uniquenessと、ステップ4で考えた‘売り’、Uniquenessは変化していますか。進化が見られたら書き直しましょう。
 
ここでSTEP1とSTEP2を復習してみましょう。
 
Find your own uniqueness, define your own success..
 
自分の個性、長所を見つけ、これを活かすことから、その人生の成功は始まります。
長所伸展法、短所を治すことに時間を費やすより、みずから得意とするところを伸ばす。
その方が成功への確率が高い、と考えてください。
 
日本では得てして、右へ習えの横並び精神が優っていて、人と違うことを嫌う傾向にあるのは今も変わりがないかもしれません。UNIQUNESS、ユニークであることをマイナス評価とするそんな傾向には流されないようにしましょう。
 
もっている固有の特性を生かし生ききることが人間としての醍醐味でしょう。
従って、STEP4で導き出した‘売り’を明確に意識しましょう。
 
それでは、いよいよ、STEP5  5年間のアクションプラニングを作成しましょう。
Make your action plan
 
ここで、大切なのは、当然ですが、自分の‘売り’を生かすために、どのコンピタンスに重点を置くかです。すなわち、長所進展法、どのコンピタンスに力点を置くか考えましょう。
 
ここで、それぞれのコンピタンスが何を意味するのか確認しましょう。
 
・Language Competence
  これは翻訳、通訳等を職業にする場合は、当然必要な言語関連のスキルです。
 これを裏付けする資格、学習歴を考えてみましょう。
 
・Cultural Competence
 異文化間の言語変換をするに必要な彼我の文化を熟知し、その価値を相対化できる力を持っているか考えましょう。
 
・Expert Competence
 専門分野は日々進化していきます。翻訳、通訳でも専門分野を極めて行くことは必須です。
 
・IT Competence
 自ら翻訳をする時だけではなく、プロジェクトを率いるような時でも、リサーチの技術、翻訳エディティングの技術、DTPの技術、そして翻訳支援ツールの活用技術、辞書化の技術、いずれも不可欠な技術です。
 
・Managerial Competence
 事業経営ノウハウ、プロジェクトを仕切る際のマネージメント技術、自立するには必要なスキルです。
*参考に日本翻訳協会が実施する「翻訳プロジェクトマネージャー資格試験」をご覧下さい。
  
http://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam_tpm.html
 
ここで、ご自身の売り、UniquenessをもとにSuccessをdefineするには、それぞれのコンピタンスに必要なウエイトを配分してみましょう。
 
その上で、それぞれのコンピタンスをどう伸長させるか、できれば1年ごとにマイルストーンを切って行きましょう。
 
どんなスキル、資格を取得するのか、どんな仕事に携わるのか、具体的にしていきましょう。
 
そしてこれも以前申し上げたことですが、
 
そのためには、その分野、スキル、資格を徹底して絞り込むことです。
すなわち、自分だけのユニークなスキル、資格を獲得することです。
これは、戦略的縦展開。
 
そのうえで周辺のスキル、資格も専門とする領域に取り込みます。
これは、言わば、戦略的横展開。
 
すなわち、翻訳を例にとれば、その特化した翻訳分野での業務だけではなく、ライティング(本、記事を書くこと)、レクチャー(講義をすること)、専門に関連した翻訳プロジェクトを率いること。
 
この縦横のクロス戦略の実現が重要です。
 
さて、それではSTEP5
Make your action planです。

https://www.babel.co.jp/bcc/mailform/bcc5.html
 
――――――――――――――――――――――――――――――――
【キャリアサクセス実現シート】  →  
こちらをクリックしてください。
STEP 1. 自己発見シートの作成  
       Find your own uniqueness
STEP2. キャリアビジョン作成
       Define your own success
STEP3. スキル棚卸しシート作成
       Do your own inventory
STEP4. 5年後の未来履歴書作成
       Write your future resume
STEP5. 5年間のアクションプラニング作成
       Make your action plan
――――――――――――――――――――――――――――――――
 
このキャリアサクセス実現シートによるキャリアビジョン創りは、STEP1,2,3,4,5と
順にこなしてください。
 
また、前回同様、院生、修了生の皆さんには、また、読者の皆様には、STEP5の診断結果と診断の感想、意見をお寄せください。
 
文字数は1500字から2000字(タイトル、簡単なプロフィールは別)、お写真もお願いします。ワーキングスカラーシップ生の方は、診断応募で5000ポイント、併せて原稿を寄稿いただきますと10000ポイントとなります。
 
今からでも遅くありません、5つのSTEPからなる「キャリアサクセス実現シート」を
作成してみませんか。
 
Find your own uniqueness, define your own success.
 
STEP5
「5年間のアクションプラニング作成」に奮ってご応募ください。

https://www.babel.co.jp/bcc/mailform/bcc5.html


ALUMNI編集室から 第88号

WEB TPT 2013年10月10日号 ― 通巻88号  

ALUMNI編集室から

「5年後の未来履歴書を書く」


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
 

あたかも、そうなっているかのように5年後の履歴書を書こう!!

さて、いよいよこれまでの総まとめSTEP4、5年後の未来履歴書作成
Write your future resumeです。これまで描いてきたキャリアビジョンを
あたかも現実であるかのように描いていきます。
 
1.5年後のあなたの‘ 売り ’は?
2.5年後の履歴書に書くあなたの獲得スキル、資格は?
3.5年後の履歴書に書くあなたの職歴は?
 
今、この時点でこんな注意を言う必要もないのですが、念のため。
日本的考え方である、目標、ゴールは今を起点に積み上げていくものという考えをまだお持ちであればこの時点でこれを払拭してください。重要なことは、Successをdefineする場であるキャリアビジョンはできるかぎり大きく、vividに描き、そのうえで、そのビジョンと今との乖離を埋めていく、これが基本スタンスです。

 

1.の 売り を描くまえに、ゴール、すなわち、キャリアビジョンが十分に 自分の売り を描くに足るほど大きく描けているかを確認しましょう。

 
そのポイントのひとつは、前々回で説明したように、目標を描く時に、抽象の階段を上り下りしながら、その抽象度を上げ、揺るぎないゴールにしていくこと。
その時の視点のひとつはtrans-personalな視点を獲得すること。これもすでにお話しているように、小さなエゴを離れ、利他的視点を獲得すること。
 
こうして描かれたゴールは揺るぎないものと信じます。
そうして考えましょう、あなたの 売り’は? あなたのアピールポイントは?
これが、あなたのefficacy(自信)を裏付けてくれます。
また、その社会的価値が確固としていれば、その対価としての報酬は必ずそれに見合うかたちでついてくると、決めましょう。

 

2.次に、その 売りを裏付けする、資格スキルをリストアップしましょう。
 
その時のポイントのひとつは、これも以前申し上げたことですが、
その分野、専門を徹底して絞り込むことです。すなわち、自分だけのユニークな専門分野を確立することです。これは、言わば、戦略的縦展開。そのうえで周辺の分野も専門とする
領域に取り込みます。これは、言わば、戦略的横展開。すなわち、翻訳を例にとれば、その特化した翻訳分野での業務だけではなく、ライティング(本、記事を書くこと)、レクチャー(講義をすること)、専門に関連した翻訳プロジェクトを率いること。この縦横のクロス戦略を実現できれば、安定収入は約束されるでしょう。
 
2つめのポイントは、以下のようなLimited Beliefを解き放つことです。
・私の才能は限られている。
・私には十分な時間がない
・私は一流の翻訳者にはなれない
・一流の翻訳者になるには血の滲む努力が必要だ
・私はお金に恵まれていない。
・私は運がない人間だ
  等々
自分を縛っている自分がいることに目を向けてみましょう。
自分に不都合に決めている自分を解放しましょう。

 

3.さて、ここまでくれば、次のキャリア履歴書は簡単かもしれません。
 
望む仕事歴を好きに書いてみましょう。
 
あたかも実現したかのように
 
さあ、こうして描いた5年後の未来履歴書を、5年後の自分が確認している姿を
想像してみましょう。
その時の現実と寸分違わない履歴書が出来上がっていることに気づくでしょう。
 
そう決めましょう。
 
――――――――――――――――――――――――――――――――
【キャリアサクセス実現シート】⇒ こちらをクリックしてください。
STEP 1. 自己発見シートの作成
       Find your own uniqueness
STEP2. キャリアビジョン作成
       Define your own success
STEP3. スキル棚卸しシート作成
       Do your own inventory

STEP4. 5年後の未来履歴書作成
       Write your future resume

STEP5. 5年間のアクションプラニング作成
       Make your action plan
――――――――――――――――――――――――――――――――
 
それでは、
STEP4の「5年後の未来履歴書作成」 は、以下からお願いします。
https://www.babel.co.jp/bcc/mailform/bcc4.html
 
このキャリアサクセス実現シートによるキャリアビジョン創りは、STEP1,2,3,4と
順にこなしてください。
 
また、前回同様、院生、修了生の皆さんには、また、読者の皆様には、STEP4の自己
診断結果と診断の感想、意見をお寄せください。文字数は1500字から2000字(タイトル、簡単なプロフィールは別)、お写真もお願いします。ワーキングスカラーシップ生の方は、
診断応募で5000ポイント、併せて原稿を寄稿いただきますと10000ポイントとなります。
 
今からでも遅くありません、5つのSTEPからなる「キャリアサクセス実現シート」
試してみませんか。この未来の履歴書をいかにVIVIDに描けるか、これがあなたの未来を
決める、そんな‘不思議’な体験をするでしょう。
 
STEP4の「5年後の未来履歴書作成」に奮ってご応募ください。
https://www.babel.co.jp/bcc/mailform/bcc4.html

ALUMNI編集室から 第87号

WEB TPT 2013年9月25日号 ― 通巻87号  

ALUMNI編集室から

「あなたのスキルの棚卸をしよう」


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
 

まず、My Success=キャリアビジョンを大きく描けたか、そこから確認しよう!

 
 前号では「Define your own success」として,あなた自身のUniquenessに基づき
My success(キャリアビジョン)を定義しました。みなさんはどんなキャリアビジョンを
描きましたか。
 
 そこでですが、次のステップとなるスキルの棚卸しに入る前に、あなたのキャリアビジョンが十分大きなものとして描けたか見直してみましょう。
 
 そのビジョンが今のキャリアの延長線上に容易に想像つくものであれば、今一度、描き直してみましょう。年商を入れても、社会的評価を入れても、抽象表現を加えてでも、どんな形式でもよいので思いっきり大きなビジョンを描いてください。
 
 思い出してください。以前、翻訳者として自立する時に、その分野を徹底的に絞り込む必要性を説明しました。と同時に申し上げたのは、その専門を軸に、翻訳スキルの横展開をすることです。すなわち、その専門分野で翻訳をするだけでなく、講演、レクチャーができるようになる、さらにはその分野のライターとなる。もちろん、その分野の大きな翻訳プロジェクトが発生したら、そのプロジェクトマネージャーとして仕事を仕切る。そんな、幅を持ったキャリアを創ることを提案いたしました。
 
 あなたがあなたの限界を決めて、小さく収まってしまったら、それを越えることは絶対できません。あなたのLimited belief(自分の限界を自分で決める)がそのビジョンを大きく描くことを妨げていないか、再度問いかけてみてください。
 
私の才能は限られている。
私はお金に恵まれていない。
私は一流の翻訳者にはなれない。
一流の翻訳者になるには血の滲む努力が必要だ。
私は運がない人間だ。
私には十分な時間がない。
等々
 
自分を縛っている自分がいることに目を向けてみましょう。
自分に不都合に決めている自分を解放してみましょう。
そして、大きな成功をイメージしてみましょう。
年齢なんて関係ありません。
Today is the first day of the rest of your life.
 
 そして、この大きなビジョンがあってこそ、次のステップ、自分の棚卸しをする意味があります。
 
 では、あなたのスキルの棚卸しをどのようにするか、説明して行きましょう。
 
 初めに、みなさんが翻訳周辺にキャリアビジョンをお持ちであるということを前提に、翻訳周辺のキャリアを創り出すに必要な能力を以下の5つ、更にそれを成功に導く態度能力の合計6つの分けて考えてみました。
 これら6つを、資格、教育歴、実務経験等の指標を使って棚卸しをしてみましょう。
 
・Language Competence
  これは翻訳、通訳等を職業にする場合は、当然必要な言語関連のスキルです。
 また、それを裏付けする資格、学習歴を考えてみましょう。
 
・Cultural Competence
 異文化間の変換をするに必要な彼我の文化を熟知し、その価値を相対化できる力を持っているでしょうか。日頃から、そんな視点で自文化と異文化を知る努力を怠っていませんか。
 
・Expert Competence
 翻訳、通訳でも専門分野を極めて行くことは必須です。専門分野は日々進化していきます。
 そうした変化を捉える情報収集を常に行っていますか。
 
・IT Competence
 自ら翻訳をする時だけではなく、プロジェクトを率いるような時でも、リサーチの技術、翻訳エディティングの技術、DTPの技術、そして翻訳支援ツールの活用技術、辞書化の技術、 いずれもキャリア開発に不可欠な技術です。
 
・Managerial Competence
 自立するための経営ノウハウ、プロジェクトを仕切る際のマネージメント技術。
 自立を目指すに欠かせません。
*参考に日本翻訳協会が実施する「翻訳プロジェクトマネージャー資格試験」をご覧下さい。
  
http://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam_tpm.html
 
・Humanic Competence
 仕事をするには、人間関係能力は不可欠、ある場合はリーダーシップとも言える関係構築能力を経験を積みながら磨きましょう。
 
――――――――――――――――――――――――――――――――
【キャリアサクセス実現シート】⇒ こちらをクリックしてください。
STEP 1. 自己発見シートの作成
       Find your own uniqueness
STEP2. キャリアビジョン作成
       Define your own success
STEP3. スキル棚卸しシート作成
       Do your own inventory
STEP4. 5年後の未来履歴書作成
       Write your future resume
STEP5. 5年間のアクションプラニング作成
       Make your action plan
――――――――――――――――――――――――――――――――
 
さて、以上を参考に、まずはみなさんで、STEP3のスキルの棚卸しをしていきましょう。
 
その上で、現在の自分の強み、弱みを明確に自覚して、その強みを更に強め、弱みを段階的に改善していくことが必要です。しかし、以前にも申し上げましたように、長所伸展、強みを徹底的に強くする、その方が実は成功に結びつくのに近道のようです。
 
それでは、STEP3のスキルの棚卸し診断は、以下からお願いします。

https://www.babel.co.jp/bcc/mailform/bcc3.html
 
このキャリアサクセス実現シートによるキャリアビジョン創りは、STEP1,2,3と順にこなしてください。
 
また、前回同様、院生、修了生の皆さんには、また、読者の皆様には、STEP3の自己診断結果と診断の感想、意見をお寄せください。文字数は1500字から2000字(タイトル、簡単なプロフィールは別)、お写真もお願いします。ワーキングスカラーシップの方は、診断応募で5000ポイント、併せて原稿を寄稿いただきますと10000ポイントとなります。
 
今からでも遅くありません、5つのSTEPからなる「キャリアサクセス実現シート」を試してみませんか。次の関門は STEP4.( 5年後の未来履歴書作成  Write your future resumeです。未来の履歴書をいかにVIVIDに描けるか、これがあなたの未来を決する、そんな‘不思議’な試みになるかもしれません。
楽しみにしてください!!
 
以上、
STEP3「スキル棚卸し」の自己診断を奮ってご応募ください。

https://www.babel.co.jp/bcc/mailform/bcc3.html


ALUMNI編集室から 第86号

WEB TPT 2013年9月10日号 ― 通巻86号  

ALUMNI編集室から

「Find your own uniqueness, define your own success
                  ーあなたの成功をどう定義する?」


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
 

あなたの成功をどう定義する?
 
前号では「MY OWN UNIQUENESSを探る」と題して、キャリアサクセス実現シート
のSTEP1を完成させました。今回、STEP2では、そのuniquenessに、仕事の満足度の視点を加味し、肉付けしていきます。ここでは、言わばIdentityを再度考えることになります。
 
そして、
Uniqueness +Satisfaction⇒ Identityを導き出し、更に、その仕事、その
キャリアのもつ意味、
Missionとその仕事を後押しする外部環境、すなわちTrendを考え、その3つの視点の交わる場となる【目標とするキャリア=キャリアビジョン】を求めていくことになります。
そこが、言わば、あなたが
your own successDefine, 定義する場となるでしょう。
 

【キャリアサクセス実現シート】⇒ こちらをクリッックしてください
 
STEP 1. 自己発見シートの作成
       Find your own uniqueness

STEP2. キャリアビジョン作成
       Define your own success

STEP3. スキル棚卸しシート作成
       Do your own inventory
STEP4. 5年後の未来履歴書作成
       Write your future resume
STEP5. 5年間のアクションプラニング作成
       Make your action plan
 
それでは、STEP1でUniqueness、
‘ 自分の売り ’ を絞り込んだあなたは
STEP2では、それに加え、仕事に対して何を求めるか、その満足度、
Satisfactionを考えてみましょう。
お金、名誉、地位、専門性、いや私は自己実現、そんな人もいるでしょう。
 
ところで、みなさんはマズローの欲求5段階説をご存知でしょうか。
基本的な生理的欲求から、安全(安定性)欲求、愛情(所属 / 社会的)欲求、尊敬(承認)
欲求、そして自己実現欲求に至る5段階の欲求をマズローは説いています。
ところで、こんなことをご存知ですか。
 
マズローは亡くなる間際に、欲求を5段階に分類したけれど、人間の欲求には6段階目があるのではと主張したのです。それはTrans-personal、すなわち個人の利益を越える欲求、利他の欲求が最も高度な欲求ではないかと考えたのです。
 
次に、Missionを考えて見ましょう。
Social Roleと言い換えても良いのでしょう。
その仕事が、社会にどんな影響をもたらしているのか。
それを考える手がかりになるのは、前号でお伝えした、「抽象の階段を登る」方法でしょう。
その仕事、キャリアが具体的にもたらす利だけではなく、より抽象度の高いところで、その
仕事の恩恵を考えてみましょう。
ご存知とように、Missionは日本語では 使命と翻訳されます。その言葉の通り、自分の命を使うに値することなのかを再考してみましょう。
 
次に、Trendを考えてみましょう。
もちろん、ここでいうトレンドはfadというような一過性にものを言いません。
事象が移り変わろうとも、変わらぬ大きな潮流とも言えましょうか。
これを考えるには、Mission同様に、前に申し上げた具象から抽象への階段を登っていく必要があるかもしれません。
細やかな流行の底流に流れる普遍的流れ。
例えば、意思疎通の必要性などが、それにあたるかもしれません。
 
さて、以上を参考に、まずはみなさんで、この3つの視点の交点となる
【目標とするキャリア=キャリアビジョン】を描いてみましょう。
STEP2の診断に進むには、以下のSTEP1の記入を終え、それを送信してください。するとページはSTEP2に移ります。

https://www.babel.co.jp/bcc/mailform/bcc1.html
 
STEP1の解答が未だの方は、今からでも始めてください。


STEP2から始める方は、以下からアクセスください。
https://www.babel.co.jp/bcc/mailform/bcc2.html
 
このキャリアサクセス実現シートによるキャリア形成は、ここまでのSTEP1とSTEP2
が基本となります。従って、このステップ1,2は、一旦仕事を中断してでも、真剣に取り組んでもらいたいステップです。
 
また、前回同様、院生、修了生の皆さんには、また、読者の皆様には、STEP1の「Find your own uniquenessを考える」に続いて、このSTEP2「Define your own success」の自己診断結果と診断の感想、意見をお寄せください。文字数は1500字から2000字(タイトル、簡単なプロフィールは別)、お写真もお願いします。ワーキングスカラーシップの方は、診断応募で5000ポイント、併せて原稿を寄稿いただきますと10000ポイントとなります。
 
なお、今回は30人を越える多くの方に、その自己診断結果をお送りいただきました。
また、その中で11名の方が、このSTEP1の自己診断を受けての感想、ご意見をお寄せいただきました。この号の特集に掲載させていただきました。
ありがとうございました。

 

ALUMNI編集室から 第85号

WEB TPT 2013年8月25日号 ― 通巻85号  

ALUMNI編集室から

「Find your own uniqueness―自己発見の試み」


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
 

MY OWN UNIQUENESSを探る
 
さてこれから、ご一緒にご自身のキャリアサクセス実現シートを作成して行きましょう。
そのプロセスはすでにご紹介しているように、以下の5つのステップより成ります。
今回はその第1ステップです。
 
STEP 1. 自己発見シートの作成
       Find your own uniqueness
STEP2. キャリアビジョン作成
       Define your own success

STEP3. スキル棚卸しシート作成
       Do your own inventory
STEP4. 5年後の未来履歴書作成
       Write your future resume
STEP5. 5年間のアクションプラニング作成
       Make your action plan

 キャリアサクセス実現シートはこちら

 皆さんはすでに、このフレーズをご存知でしょう。

Find your own uniqueness, define your own success .
米国の教育理念の基本的コンセプトを表す言葉です。
 
個々人の個性、長所を見つけ、これを活かすことから、その人生の成功は始まります。
長所伸展法、短所を治すことに時間を費やすより、みずから得意とするところを伸ばす,
その方が成功への確率が高い、と言われます。
 
日本では得てして、右に習えの横並び精神が優っていて、人と違うことを嫌う傾向に
あるのは今も変わりがないかもしれません。UNIQUNESS、ユニークであることをマイナス評価をするそんな傾向には流されないようにしましょう。
 
生まれながらに持った固有の特性を生かし生ききることが人間としての醍醐味でしょう。
 
どんな仕事を自分の天職と考え、選ぶのか、これも自分を徹底的に追求することが必要かもしれません。いや、逆に、偶然、たまたま天職に出会った、それが意外と真実かもしれませんが。
 
そこで、’翻訳者’というキーワードに遭遇するとします。
そうしたら、次には、選んだ翻訳の業界でどんなユニークネスを探し出すかです。
 
翻訳というキャリアひとつとってもその分野は多岐にわたります。そのなかでどんな分野の、どんな翻訳をしたいのか、これもご自身のユニークネスを徹底してさぐることから始まるでしょう。
 
もちろん、この診断では、みなさんはキャリアをいきなり翻訳と絞らなくても結構です。
 
さて、それでは、以下のSTEP1
自己発見シートで、この際、ゼロベースでご自身を振り返って見ましょう。
 
これを終えたら、STEP2. Define your own success ,
ご自身のキャリアビジョンを描くことになります。
 
この2つのステップがこのキャリアサクセス実現シートの核となるプロセスです。
 
まず、以下のSTEP1.のシートに沿ってご自身のユニークネスを考えていきましょう。
https://www.babel.co.jp/bcc/mailform/bcc1.html
 
なお、次のSTEP2以降は、次号で解説をいたしますので、解答はお待ちください。
全てステップを終えて全てをご提出いただいたところで、こちらからコメントをさせていただきます。
 
最後に、今さら、キャリアデザインなんて、と年齢を気にしている人がいたら、
こんなことばをお送りしましょう。

Today is the first day of the rest of my life.
はじめるのに早い、遅いはないはずです。
 
大切に生きましょう。
 


ALUMNI編集室から 第84号

WEB TPT 2013年8月10日号 ― 通巻84号  

ALUMNI編集室から
「翻訳者としてのエフィカシーをどう高めるか

                     - 目標の抽象化」


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
 

抽象のはしごを自在に上り下りする


先回は翻訳者としてのEfficacyを高める重要性を力説しました。そうは言っても、という方も多いかとは思いますが。ここは、過去を振り切って思い切って演じてみましょう。
Efficacy、それは自己の能力の自己評価、これを高く設定したうえで、次回以降の以下の
My Domain( My Success) 設定ワークをしたいと思います。


 
1. 自己発見シートの作成
  Find your own uniqueness
2. キャリアビジョン作成
  Define your own success
3. スキル棚卸しシート作成
  Do your own inventory
4. 5年後の未来履歴書作成
  Write your future resume
5. 5年間のアクションプラニング作成
  Make your action plan
 
では、そのEfficacyをどう高めるか、以下の視点で考えて見ましょう。
 
そして、次号までに皆様が、ご自身のEfficacyをどう捉えているか、まず、
お聞かせ頂けますか。この前作業が極めて重要と思います。
 
Efficacyを高める、自己の自己評価をどう高めるか、自己の目標を高いところで
どう合理化するか、いまの自分にどう自信をつけるか。
 
みなさんは「抽象のはしご」をご存知ですか。
 
抽象のはしごを上がるとは、例えば、動物の犬という概念を例にとるなら、パピオン→洋犬→犬→哺乳類→動物→生物→生命という具合に抽象度を上げていくことを言います。逆に、抽象のはしごを降りるにはその逆をたどればよいことになります。
 
としてみると、一般的には、文化、文明度が高い人ほど、抽象のはしごの上り下りが自由にできる、すなわち、抽象―具象思考ができると言えるでしょう。
 
これを、こうした概念操作から、行動に視点を当ててみましょう。
 
例えば、日常生活を振り返って見ましょう。お掃除をする、料理をする、食事をする、テレビを観る、すべて具体化されたことのエンドレスの連続です。
 
では仕事ではどうでしょう。計算を入れる、メールを書く、書類を作る、会議をする、これもそんな具体的行為の連続です。
 
しかし、我々はこうした具体的行為に忙殺され、それが生活すること、それが働くこと、と
考えてしまうと、つい、どう生きるか、なんのために働くのかを看過してしまいがちです。
 
そこで一度、とどまって、抽象のはしごを上がって見ましょう。なんのためにお掃除をし、料理をし、食事をし、テレビを観ているのでしょう。また、なんのためにメールを書き、書類を作り、計算を入れている、会議をしているのか、はしごを上がって俯瞰してみましょう。
すると、自分に主体性が取り戻せて、生きている実感、働くことの意味を実感できるように
なるかもしれません。
 
さらに、皆さんが翻訳の勉強をしている場を考えて見ましょう。原書を読む、訳文を作る、
それを提出する、指導を受ける、それを復習する、等々、これも一旦、中断しその抽象のはしごをのぼり、なんのために翻訳学習をしているのか、思いを巡らせて見ましょう。
 
それは、単に私は絵本の翻訳家になるため、ミステリーの翻訳家になるため、リーガル翻訳者になるため、という抽象化にとどまらず、その更に先の抽象化を考えてみてください。
なんのための翻訳、そもそも翻訳って何、そんな抽象思考をするとあらたな気づきに出会えるかもしれません。
 
もちろん、抽象世界にとどまっていては先に進みません。具体化と抽象化を行き来することで、事象が俯瞰でき、目標により深みが加わり、目標がしっくり自分のものになり、それが、ひいてはEfficacyが高まることになると言えるのではないでしょうか。
 
それでは、次号8月25日の刊行に間に合うように、短くても構いません、ご自身のEfficacy
をどう高めるか、思うところをお書きいただき以下の
編集部宛メールフォームからお送りください。締切は8月18日となります。字数は問いません。お名前と一行の自己紹介をお書きください。

ALUMNI編集室から 第83号

WEB TPT 2013年7月25日号 ― 通巻83号  

ALUMNI編集室から
「翻訳のプロとして ‘MY DOMAIN’ を創るーその①
ーはじめに、翻訳者としてのエフィカシーをどう高めるか


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
 

翻訳者としてのエフィカシーをどう高めるか


この夏はいかがお過ごしですか?普段は仕事で忙しくても、7,8月は、夏休みもとれるでしょうから、ここは仕込みの期間と考えて、自分を再発見、『マイ・ドメイン』をつくることを課題としてみませんか。

この詳細は、次号でご紹介しますが、簡単にご説明しておきます。以下の5つのワークシートを使って、あなた自身の固有の領域『マイ・ドメイン』を作っていきます。ワークシートは次の5枚です。


1. 自己発見シートの作成
  Find your own uniqueness
2. キャリアビジョン作成
  Define your own success
3. スキル棚卸しシート作成
  Do your own inventory
4. 5年後の未来履歴書作成
  Write your future resume
5. 5年間のアクションプラニング作成
  Make your action plan


今回は、その『マイ・ドメイン』づくりのワークに入る前の準備についてのお話しです。それは、まず、「なぜあなたは翻訳という仕事を選んだのか」という問いから始まります。『マイ・ドメイン』づくりの前提として、その辺の‘けじめ’をつけてから、8月のワークに入りたいと思います。ご自分の翻訳ビジネスへの動機を、今一度、考えてみましょう。そこでフォーカスしていただきたいのが‘翻訳者としてのエフィカシー’という課題です。


あなたはエフィカシー(efficacy)ということばを聞いたことがあるでしょうか。


コーチング理論等で使われる用語で、簡単に言えば、自己の能力の自己評価のこと。このエフィカシー(efficacy)が低いと常に自己嫌悪に陥り、目標も達成できず、悪循環となりがちです。


あなたは、翻訳者、翻訳業として、高いefficacyをもち続けているでしょうか。
翻訳者の社会的役割、いや、地球的、いや、宇宙的役割までも気づいているでしょうか。


単に、翻訳では大金は稼げない、と半ばあきらめ、達観していませんでしょうか。お金を稼ぐことだけが目的なら、職業を変えれば良い訳で、それは安易に翻訳という職業を選んだ結果だ、とも言えるのではないでしょうか。


ただし、この点に限って言えば、翻訳でも十分お金は稼げます。翻訳出版で何億円もの印税収入が得られた例もご存知ですね。でも、そんな上手い話は少ないと思う方には、もちろん、実務翻訳では、仕事のチャンスは多く、コンスタントに収入が得られるという事例だということも御承知でしょう。
お金でお金を稼ぐ投資家のような商売であっても、上手くいく人もいれば、失敗する人もいます。何が成功と、失敗を分けるのでしょうか?


では、翻訳ビジネスではどうすれば、望む収入を得られるようになるのでしょうか? それには、2つの方法があります。この詳細は、8月中のワークシートを使って説明しますが、ここでは簡単に説明しましょう。


そのひとつは、翻訳の分野、専門を徹底して絞り込むこと。自分だけの専門分野を確立することです。そのうえで周辺の翻訳分野も対応領域に取り込みます。これは、言わば、戦略的展開。


そして、2つめはその翻訳ジャンルを戦略的に展開すること。


すなわち、その特化した分野での翻訳業務だけではなく、ライティング(本、記事を書くこと)、レクチャー(講義をすること)等、翻訳の専門分野を横に広げていくことです。


翻訳という職業でお金を稼ぐことを考えるうえでは、この様な縦横のクロス戦略を実現できれば、世に言う、安定収入を稼げるようになるでしょう。


話をもとに戻しましょう。ここで改めて自らを省みる意味で、翻訳者としての、あるいは翻訳ビジネスに就くものとしてのエフィカシー(efficacy)を考えてみましょう。


翻訳者としてのエフィカシー(efficacy)、高い自己評価をあなたは持っていますか、自信はありますか?それができ無いから、こうして学んでいる・・・・。そんな声が聞こえてきそうですね。


翻訳者としてのエフィカシー(efficacy)をどう高めるか、それは、あなたのドメインを作る上で欠かせないもので、翻訳のもつ本質的な意味を考えることに等しいと思います。


あなたは翻訳者をめざし、翻訳業に携わり、翻訳をどうとらえて、翻訳にどんな生きがい、やりがいを感じていますか。


ふと出会った、ある国のある書籍の翻訳書から、人生を変えるヒントをもらい、そこから人生の景色は一変したという方もいらっしゃるでしょう。


また、ある国、ある地域の人々が行っていた習慣を字幕翻訳付きで放映したテレビ番組を見て、自分の国、自分の地域、社会を動かすひとつの仕組みに気づいて社会企業家として自立したという方も珍しくはないでしょう。


そのように、翻訳という行為は、世界の智の共有を実現し、新たな気づきを誘発するのに大きな役割を果たしています。


とすると、翻訳者の世界的、宇宙的役割に目を向ける時、翻訳に携わるものとして、そのefficacy(自己評価)が一変するように思います。


世の中には、お金を稼ぐだけなら、翻訳者より稼げる職業は山とあるでしょう。
しかし、皆さんが、そしてBABELが翻訳という仕事を選んだ理由、その意味を今一度、自らに深く問いかけてみたいと思います。


BABELが、バベル翻訳大学院、バベルプレス、バベルブックス&ライツマーケットプレイス等の事業を行い、今、『地球図書館(Babel Library)』創りを進めようとしているのは、まさにバベルの役割、使命として翻訳業のもつ地球的、宇宙的意義に誇りをもっているからです。それは、これまでの本誌の各号でも、多くの視点から語られてきています。


皆さんも、この機会に‘私は、今、なぜ翻訳なのか’を改めて自らに問いかけてみてはいかがでしょうか。そこから再出発するのも、回り道ではないのではないでしょうか。急がば回れです。


では、次号では、はじめにあげた5つのワークシートの作成方法を解説していきます。それまでに、あなたのドメイン(あなた固有の領域)について思いを巡らしつつ、あなた自身のエフィカシーを高めていきましょう。


Trans Publishing Workshop http://babel-edu.jp/tpw/
Babel Press   http://www.webbookfair.com/
         http://www.e-trans.co.jp/
Babel Library http://www.babelpress.co.jp/html/page69.html
Books&Rights Marketplace http://www.bookandright.com/
Babel University http://www.babel.edu/

ALUMNI編集室から 第82号

WEB TPT 2013年7月10日号 ― 通巻82号  

ALUMNI編集室から
「Think Globally, Compete Globally, Act Globally and Win Globally


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
 

バイリンガル・マネージメントの時代―
Think Globally, Compete Globally, Act Globally and Win Globally

 
 
7月10日号から始まる特集は、「翻訳マーケット観測―翻訳マーケットはどうなる」というテーマです。それを、専門分野ごとに活躍中の翻訳者の方々から記事を寄稿いただきます。世界の翻訳マーケットが現在どのようになっているのか、そしてこれから、どのように変化していくのか、そこで、翻訳者の方たちは何を感じているのか、そのような現場の生の実感をお届けします。御期待下さい。
 
 その特集に鑑みて、翻訳マーケットは、早くからグローバル市場に参入していたわけだが、翻訳ビジネスが、グローバル・マネジメントを実現してきたかというと実はそうでもない。翻訳者のビジネススタイルにおけるマネジメントも一部を除けば、ローカル・マネジメントである。
 
 そこで今回から、新特集にちなんで、グローバルに活躍中のハクセヴェルさんから、「グローバルマーケットでのリスクをどのように考え、対処していったらいいのか」というテーマの連載をお願いした。これもハクセヴェルさんの生の体験から、考えていこうという趣旨である。読者の参加を期待したい。
 
 ここでは、そのグローバルマーケットはどのようになっているのか、その背景を考えてみよう。さらにその中で、翻訳ビジネスをどのようにしていけばいいのかについても同じに考えていく。翻訳ビジネスの主要顧客は、グローバルにビジネスを展開する企業であるが、その特殊な日本村マーケットでさえ、大きな変化に直面している。誰もが感じていることだが、1990年ごろのバブル崩壊後、さらにインターネットがブロードバンド化して以来、日本の企業も日本人の生活も変わった。
 
 なかんづく変化の大きいのはコミュニケーションの分野だ。日本語と英語の両方を読み、書きするのは、インターネットとメールの利用とあいまって普通になった。日本に住む(あるいは日本を旅する)外国人も増えたが日本人同士の会話でも英語の単語やフレイズまじりの会話が多い。そうかなと思う方は次のことを自問して欲しい。
 
 会社では英語堪能な人だけを集めた国際部が無くなってどの部でも海外案件をその部の仕事として扱うようになった。 情報(技術情報や海外情報)は、日本語の翻訳でしか読まなかったのが、英文の情報がどんどん廻って来るようになった。
 知らないことはグーグルで検索し、商品はアマゾンで買い、本はキンドルで読む時代であるが、選択できるオプションは圧倒的に英語の方が多いので、少し気の利いた人なら両方の言語で読む。
 
 東欧諸国が西側自由圏に入ってから20 年、中国・インドの市場経済化から18 年、世界は自由経済の下にフラット化し、ヒト・モノ・カネ・情報の国境障壁は無くなった。つまり、世界が一つの大きな村になったわけだ。
 
 当然に会社の経営(マネージメント)も個人の身の処し方も変わる。世界の共通言語である英語と日常のコミュニケーション言語(日本人の場合は日本語)のバイリンガルで通さざるを得ないのだ。これは世界中の各国での状況である。
 
 アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなどの英語圏諸国と違う国はバイリンガル・マネージメントを採らざるを得ない。ヨーロッパ諸国は既にそうだし、日本もそうならざるを得ないのである。キーワードはThink Globally、Compete Globally、Action Globally そしてWin Globally である。
 
 

Think Globally
 今のグローバル時代を理解するには明治維新の時の幕藩体制から日本国への転換時の状況を現在の時代に置き換え、舞台を世界に変えて考えれば良いだろう。企業が立地するには、これまでの日本企業が日本のどこにでも立地できたと同じように、世界のどの国でも良いわけだし、日本人が住む場所を、日本中のどこにでも決められると同じように、世界のどの都市でも住み働くことができる。
 
 世界のどこへでもお金は送れる。銀行間ネットワークは発達し電子送金網で一瞬の間に必要な金を必要なところへ送金できる。物を調達するのに現在では日本国内のみで調達ソースを考える企業人はいないだろう。世界中から一番良い物を最も安く調達するのが購買部門の役目であるし、またそれができるのである。
 
 販売部門においても市場のマーケティングを考えるときは、日本国内のみで考えることはなくなった。その製品が世界のどこの市場でどのくらい売れるかを考えながら計画を立てるのである。これは「物づくり」産業の世界だけでなく、サービス産業の世界でも起こっている。音楽レーベルの企業であれば、そのミュージックが日本の他、韓国、台湾、香港、中国、東南アジアなどの市場でどの位が見込めるかを計算するし、アニメ・マンガの制作者も同じようにアジア、アメリカ、ヨーロッパでの反響を考えながら制作を考える。
 
 ハリウッドの映画が企画の段階から世界マーケットを考えて制作されるのと一緒である。 すべてをグローバルな視点でグローバル基準で考える(Think Globally)時代に我々は生きているのである。
 
 

Compete Globally
 国境障壁が無くなったのであるから、競争相手は日本国内の企業ではなく海外のそれである。家電企業の相手は韓国のサムソンであり、フィンランドのノキアであり、アメリカのアップルである。アニメ産業の競争相手はディズニーでありピクサーである。すべての産業がグローバルな競争の下にあるのだ。汎用品の製造は中国の企業が競争相手であるし、ソフトウェアの制作はインドの企業が競争相手となった。
 
 世界中の人々の生活がみな同じようになった。人々はみな洋服を着ているし、どの国にもマクドナルドがある。スターバックスもそうだ。自動車とスーパーマーケットの生活はどの国も同じだ。そのような世界では、何をやるにしても、世界の同業種と競争なのである。
 

 
Act Globally
 以上に述べたことを前提として考えれば、世界の中で生残り現在の生活水準を維持し向上させて行くにはAction Globally(世界的に動く)しかない。幸いに、インターネットとブロードバンドの発達により、世界中の情報を(文字でも、絵でも、音でも)殆ど無料で誰でもが集め利用できるようになった。ジャンボ機と空港ネットワークそして旅行エージェントの発達のおかげで、日本国内の旅行よりも安い値段で海外のどこへでも行けるようになった。
 
 外国為替管理の消滅と銀行の電子送金ネットワークのおかげで世界中のどこへでも商品を売りサービスを提供し、またはこれを買うことができるようになった。昔の貿易商社のような存在は不要になったのである。自ら世界中をネットで探し直接にコンタクトをして取引をし、専門家に会い、個人的なこともできる時代なのである。世界中を気軽に動ける時代なのである。
 

 
Win Globally
 このような世界的な大移動、世界がフラットな時代に我々は住んでいるのである。この中で勝ち残らなければいけない、とは言わない。世界の市場はWin Win の関係なのであるから、与えれば与えられる。Win Globallyである。そのためには世界の中でonly one
の存在となることだ。即ち、セグメントされた専門家の中で生き残り、売り出すことである。
 
 任天堂がそうであり、マンガ・アニメがそうであり、sushi (寿司)がそうである。そして、日本人は世界中から輸入した物で生活をエンジョイしている。これがWin Globally であり、そこに到るのが、Think Globally、Compete Globally、Action Globally のステップである。9.11、3.11を体験し、さらに今後はそのグローバル世界がもっと緊密化し、小さくなろうとしている時代でもある。
 
 いかがでしょうか、本誌をお読みの皆さんも、そんなグローバル環境、マーケットの中で如何に‘Only One’を見つけるか、それが継続課題ですね。

ALUMNI編集室から 第81号

WEB TPT 2013年6月25日号 ― 通巻81号  

ALUMNI編集室から
「翻訳マーケット観測 - 翻訳マーケットはどうなる


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
 

『翻訳マーケット観測―翻訳マーケットはどうなる』
 
今現在、様々な価値観や、システムが変わっています。産業界変化が激しいものがあります。そんな中で、翻訳の現場はどう変化しているのでしょうか?日頃翻訳ビジネスに従事されている皆様から、上記のテーマで、寄稿をいただきますようお願いします。
 
もちろん皆様に寄せていただく原稿は、それぞれの置かれた環境、目標に沿って各論的、部分的な情報でかまいません。むしろ、その方が他の読者の皆さんにはよりリアルに翻訳マーケットを実感できると思います。
 
従って、これから申し上げることは、皆様が自らの翻訳マーケットをどう捉え、どう絞り込み、どう創り上げていくか、その下敷きと考えてください。
 
はじめに、至極当然のところから確認させていただきます。
 
翻訳キャリアを創るためには、大きく3つの軸が必要です。
 
  ・Social Role (その翻訳分野の社会的役割)
    ・Identity(自分が翻訳したい分野の仕事か否か)
    ・Trend(政治、経済、社会のトレンドがどう動いているか)
 
この3つの交差するところに、皆さんの翻訳キャリアを創るのが、理想的ということになります。
 
その中で、この稿では、翻訳が発生する背景となるマーケットTrendを考えてみましょう。世の中の動きは‘普遍と先端’、大きく変わることのない普遍的
ニーズと、揺れ動く細かなニーズがあります。
 
我々は、つい、目の前の経済情勢、社会情勢に一喜一憂してしまいうがちですがここでは、大きな波を考えてみましょう。
 
それを考えるには、翻訳が発生する現場、企業活動における進化の過程をとらえることが必要でしょう。
 
企業の進化過程―4つのステージ

 

  • Domestic Stage
  • International Stage
  • Multinational Stage
  • Globally Integrated Stage

 
一般的に企業は、国内で作り、国内で売る、国内マーケットからスタートし、
「海外で作り、海外で売る」、すなわち、本社にすべての機能が集約(国際部)
し、海外子会社が製造、販売等の一部の機能を担当するステージと移ります。
そして、第3ステージでは「海外への権限委譲」が進み、本社には共通機能のみが集約され、自律的子会社が設立されることになります。
 
そして、最終ステージでは、「地球でひとつの会社」、世界中で一番ふさわしい
場所にそれぞれの機能を分散させ、最適地で経営資源を調達する段階となります。
 
こうして、企業の進化過程を見ますと、皆さんがお仕事を受注している企業が現在、どのステージにあるかをまず見極めてみましょう。
 
もちろん、ひとつの業界で、まだ、第2ステージの企業、また、先端を進んで第4ステージにある企業もあるでしょう。
 
しかし、まずは、ご自身がめざされている翻訳の分野で、どんな企業がどんな
事業を展開しているかを見極める必要があるでしょう。
 
皆さんが企業直ではなく、翻訳会社から間接的お仕事を受けているとすれば、その業界に強い翻訳会社がどんな人材を求めているかを観ていると、業界のトレンドの一端も見えてくるかもしれません。
 
そして皆さんが次に考えるべきは、こうした企業の進化の過程でどんな文書が
発生するかということです。
 
そのためには、まず、
購買・仕入⇒製造⇒出荷・物流⇒販売・マーケティング⇒回収という、
企業の基本ビジネスサイクルでどんな文書が発生するかを考えてみましょう。
 
次に、基本ビジネスサイクルを側面からささえる
   法務
   会計・税務
   インフラ管理
   人事・労務
   研究開発・知財
の分野で、どんな翻訳が発生するかをみる必要があります。
 
ことほど左様に、ただ来るものを拒まずから、みずからターゲットを設定することが必要でしょう。
 
是非、このような視点で翻訳マーケットを主体的に捉える必要もあることを
確認しておきましょう。
 
 
それでは、どんな視点でも構いません、皆様のお近くの翻訳マーケットに関する情報をお寄せください。
 
 
以下、前号の寄稿のご案内のポイントを再度、掲載いたします。
 
 
「翻訳マーケット観測―翻訳マーケットはどうなる!?」と題して、皆様からの情報提供をいただき、これからの翻訳マーケットについて一緒に考えてください。
 
そこで、イメージ作りのために、まずは、以下の  The Professional Translator第425号の特集  を読んでみてください。
読む(PDF)⇒The Professional Translator第425号
 
そのうえで、皆さんなりの翻訳マーケット情報を、提供していただきたいと考えています。
概括的な情報でなくても構いません、お気づきになった、以下の分野の関連した翻訳マーケット情報をお寄せください。
 
 ・出版翻訳マーケット
 ・金融・IR翻訳マーケット
 ・特許翻訳マーケット
 ・医薬翻訳マーケット
 ・リーガル翻訳マーケット
 
ワーキング・スカラシップ生には寄稿ポイントを還元いたします。その他の方は、恐縮ですが、無償の寄稿となります。
 
ありがとうございます。
 
申し込み締め切り7月5日(金)、原稿締切7月19日(金)。
hotta_t@nifty.com 堀田まで
文字数は2000~2500字(2,3行のプロフィール、お写真付き)。
では、お申込みをお待ちします!!

 

ALUMNI編集室から 第80号

WEB TPT 2013年6月10日号 ― 通巻80号  

ALUMNI編集室から
「翻訳したいビジネス書、ビジネスコンテンツを探そう!!
 - あなたは翻訳企画提案者 兼 翻訳者!!


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
 

バベルでは、翻訳業界にあって39年、英語、フランス語、ドイツ語、中国語、韓国語の作品を日本語へ、古典の新訳も50点強、また最近では日本語の作品を英語に翻訳して出版刊行しています。しかし、残念ながら、これまで文芸作品に偏りがちでした。
そこで、バベルは翻訳対象を更にビジネス書籍、ビジネスコンテンツに広げたく、皆様からの情報提供をお待ちします。
 
ここでいうビジネス書は、金融、経済、技術、特許、医薬、法律等の分野の一般啓蒙書、そして、書籍に限らず、論文、データ集、事典等々、皆様が翻訳として読みたいコンテンツを探してください。また、和訳対象の作品だけでなく、英訳対象作品も歓迎です。
これらの書籍、コンテンツはバベルの翻訳出版ワークショップの作品候補として、一般から翻訳者を公募して選抜、監訳者のもと翻訳をプロジェクトで進めていきます。

http://babel-edu.jp/tpw/
 
この場合、ご提案いただきました皆様は、翻訳力を審査の上、監訳者、もしくは翻訳企画コーディネータ兼翻訳者として、翻訳プロジェクトに参画いただきます。権利者との交渉はバベルのBooks&Rights Marketplace (BRM) のサポートのもと、ご自身で進めていただきます。(契約書等はBRMで用意いたします)
 
監訳者の場合は監訳報酬、翻訳企画コーディネータ兼翻訳者の場合は翻訳印税が報酬として支払われます。
また、ワーキング・スカラシップ生の場合は、リサーチ、企画提案、交渉業務に対して、規定のワーキング・ポイントを還元します。
未訳の良書、良コンテンツは世の中にまだまだ埋もれており、翻訳という形で世に出るのを待っています。
 
バベルグループは、『BABEL LIBRARY―地球図書館』創りを今後の使命のひとつとして位置づけ、人類の知的資産の共有に貢献できればと考えております。
そうして世に出る翻訳書、翻訳コンテンツがきっかけで、多くの方々に幸せへ繋がる気づきが提供できればバベルとしても望外の幸せです。
 
ご提案は以下まで。
申し込み締め切り6月15日。
企画提案締め切り6月末日
Books & Rights Marketplace
https://www.bookandright.com/questions.php
担当 ロドリゲス純子
 
 
さてここで、前号で寄稿を募りました企画の確認をさせていただきます。
現在、寄稿をお待ちしております。
 

「 翻訳マーケット観測―翻訳マーケットはどうなる!? 」と題して、皆様からの情報提供をいただき、これからの翻訳マーケットについて一緒に考えてください。
 
まずは、以下の
 The Professional Translator第425号の特集 を読んでください。
そのうえで、皆さんなりの翻訳マーケット情報を、提供していただきたいと考えています。
概括的な情報でなくても構いません、お気づきになった、以下の分野の関連した翻訳マーケット情報をお寄せください。
 
 
・出版翻訳マーケット
 ・金融・IR翻訳マーケット
 ・特許翻訳マーケット
 ・医薬翻訳マーケット
 ・リーガル翻訳マーケット
 

では、以下の特集をお読みいただき、皆さんの専門領域における身近な翻訳マーケット情報をお寄せください。
読む(PDF)⇒The Professional Translator第425号
 
ワーキング・スカラシップ生には寄稿ポイントを還元いたします。その他の方は、恐縮ですが、無償の寄稿となります。それぞれのジャンルでの情報をお待ちします。
 
申し込み締め切り6月15日、原稿締切7月5日。

hotta_t@nifty.com 堀田まで
文字数は2000字前後(プロフィール、お写真付き)。
では、お申込みをお待ちします!!

ALUMNI編集室から 第79号

WEB TPT 2013年5月25日号 ― 通巻79号  

ALUMNI編集室から
「翻訳マーケット観測 - 翻訳マーケットはどうなる!?


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
 

新しい連載の開始のお知らせです。
はじめに、今号より、(社)日本翻訳協会との協力で
『What's going on in World Translation Associations―世界の翻訳事情』
の連載を開始します。ここで扱う日本以外の主要な団体は以下の通りです。
 
オーストラリア

The National Accreditation Authority for Translators and Interpreters (NAATI)



イギリス
The Institute of Translation & Interpreting (ITI)

アメリカ
The American Translators Association (ATA)

カナダ
The Canadian Translators, Terminologists and Interpreters Council (CTTIC)

ベルギー
CONFERENCE INTERNATIONALE PERMANENTE D’INSTITUTS UNIVERSITAIRES DE TRADUCTEURS ET INTERPRETES(CIUTI)
 
今や、翻訳の仕事自体がボーダレスの時代、世界の翻訳資格事情を知ることも、大事な翻訳者のマーケティングの一環です。
そんな意味からも、これから毎号、世界の翻訳団体の近況をお知らせしていきます。

 この新連載の第1回は、オーストラリア編です。どうぞお楽しみに。そしてご活用ください。また、すでに登録メンバーになっていて、こんな情報があるので知らせたいとお考えの方は、是非、この文の末にある編集部宛に書き込み送信ください。 
 
そして、次号からは

「翻訳マーケット観測―翻訳マーケットはどうなる!? 」と題して、新しい連載をスタートさせます。これも皆様からの情報提供をいただき、これからの翻訳マーケットについて一緒に考えていきたいと思います。
 
まずは、
 The Professional Translator第425号の特集 を皆さんに読んでいただき、
皆さんなりの専門マーケット情報を、提供していただきたいと考えています。
 
 
・出版翻訳マーケット
 ・金融・IR翻訳マーケット
 ・特許翻訳マーケット
 ・医薬翻訳マーケット
 ・リーガル翻訳マーケット

 
では、以下の特集をお読みいただき、皆さんの専門領域における身近な翻訳マーケット
情報をお寄せください。

読む(PDF)⇒The Professional Translator第425号
 
ワーキングスカラシップ生にはポイントを還元いたします。その他の方は、恐縮ですが、無償の寄稿となります。それぞれのジャンルでの情報をお待ちします。
 
申し込み締め切り6月15日、原稿締切7月5日。
文字数は2000字前後。では、お申込みをお待ちします!!
 
なお、前号で募集しましたテーマも、併せて、原稿をお待ちします。
 
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
さて、今号の特集テーマ「みんなで考えよう― 翻訳する心構え」ですが、
みなさんに考えていただこうということで、テーマ「翻訳をする心構えとは」を考えるための、2つの題材を提供いたします。
 

 ひとつめは、本誌の特集コーナーに掲載しました佐々木さんの原稿『「Do」から「Be」への意識転換』 です。佐々木さんはバベル翻訳大学院の2004年春期に修了され、現在、米国の著名大学でリサーチコーディネータを務めておいでです。そして、リサーチコーディネータを務める傍ら、日本の文芸作家の出版物や、ライターの出版物の英訳をされています。その英訳力は、原著者から絶賛される出来栄えです。ではその秘訣は・・・? その原稿に秘訣の一端が読み取れます。また、そこには翻訳とは何か、そして翻訳出版とはなにか、を考える一つのヒントがあります。
 
次に、皆様にお見せするのは、先日4月28日に東京の私学会館で挙行されました2013年度春季バベル翻訳大学院の学位授与式で
「自由な愛に基づく個性芸術―次元の高い翻訳家になるためには」と題して講演された、セルフヒーリング実践研究会の宇場先生の講演内容です。宇場先生は『宇宙聖書』という500ページを越える大部のご著書を書かれましたが、これは、現在、バベルの翻訳プロジェクトで英訳作業が進行中です。
 
この講演では、翻訳するとは何か?についてさらに深く掘り下げた提案がありました。
以下のURLが宇場先生の講演です。50分くらいの収録です。じっくりとお聴きください。
題して
「自由な愛に基づく個性芸術―次元の高い翻訳家になるためには」です。
http://www.babel-edu.jp/video/MST20130428-3.wmv
 
今回はこの2つの題材をお読み、乃至、お聴きになられて、皆様のご意見をご寄稿いただき、特集を進めたいと考えています。今回は、皆で考えようということで、新しい特集の作り方を考えてみました。なるべく多くの方にご参加で、ご自分の体験やご意見をお寄せいただき、何とかまとめていきたいと考えています。
 
①ご寄稿いただけるときは、まず特集に寄稿する旨の、応募(お名前・メールアドレス)をお知らせください。御応募をいただき、原稿の送信は、下記宛、本日より、随時送信ください。編集済次第に掲載いたします。この特集の実施期間は、6月25日号迄です。6月25日号掲載の最終原稿の提出期限は、6月20日です。
 
原稿はワードまたはテキスト形式で、文字数は限定しませんが、できましたら、1000字程度以上、3000字まで。必ず、自己紹介を2‐3行、併せて、お写真もお願いします。また、原稿には見出し、必要に応じ、小見出しをお入れください。原稿は、編集をさせていただきます。その際、本文の内容に確認させていただくことがある時は、掲載が遅れることもありますので予めご了承ください。
 
②編集部宛のご意見の記入も歓迎します。ツイッタ―感覚で直接、随時ご記入いただいても結構です。編集部で確認後掲載いたします。
皆さまのご参加をお待ちいたします。
 
なお、この原稿につきましてはワーキングスカラーシップ生の皆様には、ワーキングポイントが付与されます。その他の方には、謝礼はございませんので、あらかじめご了承ください。
最終
応募締切は6月18日(日本時間)、原稿の提出締切は6月20日(日本時間)となります。
新しい特集の組み方にご参加いただき、皆様のお考えをお聞かせください。

ALUMNI編集室から 第78号

WEB TPT 2013年5月10日号 ― 通巻78号  

ALUMNI編集室から
「新しい特集にご参加ください

特集:みんなで考えよう - 翻訳する心構えとは?」


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
 

今回は『みんなで考えようー 翻訳をする心構えとは?』がそのテーマです。何故このテーマを設定したか、そしてどのようにこの特集を進めていくのかについて、まず初めにご説明いたします。
 
なぜわざわざ、そんな説明をするのか―そこに今回の特集のチャレンジングな試みが、あるのです。そして、どうか皆さんが積極的なご参加をしていただければと思います。
 
翻訳をする心構え―これをもう少しいいかえると、翻訳者が翻訳作業をしている時、その時の意識状態は、翻訳作業に何らかの影響を与えるのか?という疑問から発生したテーマです。私達は、意識的な存在ですし、意識が無くなったら、それこそ、死んでいる状態と言わざるをえません。勿論意識のあるなしと言うようなレヴェルで、翻訳を語っても意味が無いので、もっとそれを具体化し、どんな意識の在り方の時、翻訳はよりよい成果をうみ、逆にどんな意識状態によって、誤訳、または翻訳作業が上手くいかない、と言うことが起きるのだろうか?と言うことから始まって、さらにどのような意識で臨むことが、翻訳と言う行為を進化させていくことができるのか?ということまで考えてみようと思います。
 
初めから、あまり範囲を広げると収拾がつかなくなるかもしれませんから、まずは、特に、翻訳出版をする場合、その原著者とどう向き合うのか?
例えば、著書の内容について自分の理解が十分でないとき、どのように対処すればいいのか?
例えば、著書の主張に納得できないときの翻訳者の心構えとは、どうあればいいのか?
また、出版社(編集者)との対応や、その際の心構えなどもあろうかと思いますが、ここでは、翻訳出版の際に、原著者と著書の内容、そこにおける翻訳の心構え、として考えていきたいと思います。
 
次に、この特集を進めるにあたって、みなさんに考えていただこうということで、テーマ「翻訳をする心構えとは」を考えるための、2つの題材を提供いたします。
 
ひとつめは、本誌の特集コーナーに掲載しました佐々木さんの原稿『「Do」から「Be」への意識転換』です。佐々木さんはバベル翻訳大学院の2004年春期に修了され、現在、米国の著名大学でリサーチコーディネータを務めておいでです。そして、リサーチコーディネータを務める傍ら、日本の文芸作家の出版物や、ライターの出版物の英訳をされています。その英訳力は、原著者から絶賛される出来栄えです。ではその秘訣は・・・? その原稿に秘訣の一端が読み取れます。また、そこには翻訳とは何か、そして翻訳出版とはなにか、を考える一つのヒントがあります。
 
次に、皆様にお見せするのは、先日4月28日に東京の私学会館で挙行されました2013年度春季バベル翻訳大学院の学位授与式で「自由な愛に基づく個性芸術―次元の高い翻訳家になるためには」と題して講演された、セルフヒーリング実践研究会の宇場先生の講演内容です。宇場先生は『宇宙聖書』という500ページを越える大部のご著書を書かれましたが、これは、現在、バベルの翻訳プロジェクトで英訳作業が進行中です。
 
この講演では、翻訳するとは何か?についてさらに深く掘り下げた提案がありました。
以下のURLが宇場先生の講演です。50分くらいの収録です。じっくりとお聴きください。
題して「自由な愛に基づく個性芸術―次元の高い翻訳家になるためには」です。

http://www.babel-edu.jp/video/MST20130428-3.wmv
 
さて、今回はこの2つの題材をお読み、乃至、お聴きになられて、皆様のご意見をご寄稿いただき、特集を進めたいと考えています。今回は、皆で考えようということで、新しい特集の作り方を考えてみました。なるべく多くの方にご参加で、ご自分の体験やご意見をお寄せいただき、何とかまとめていきたいと考えています。
 
①ご寄稿いただけるときは、まず特集に寄稿する旨の、応募(お名前・メールアドレス)をお知らせください。御応募をいただき、原稿の送信は、下記宛、本日より、随時送信ください。編集済次第に掲載いたします。この特集の実施期間は、6月25日迄です。6月25日号掲載の最終原稿の提出期限は、6月20日です。
 
原稿はワードまたはテキスト形式で、文字数は限定しませんが、できましたら、1000字程度以上、3000字まで。必ず、自己紹介を2‐3行、併せて、お写真もお願いします。また、原稿には見出し、必要に応じ、小見出しをお入れください。原稿は、編集をさせていただきます。その際、本文の内容に確認させていただくことがある時は、掲載が遅れることもありますので予めご了承ください。
 
②編集部宛のご意見の記入も歓迎します。ツイッタ―感覚で直接、随時ご記入いただいても結構です。編集部で確認後掲載いたします。
皆さまのご参加をお待ちいたします。
 
なお、この原稿につきましてはワーキングスカラーシップ生の皆様には、ワーキングポイントが付与されます。その他の方には、謝礼はございませんので、あらかじめご了承ください。
最終応募締切は6月18日(日本時間)、原稿の提出締切は6月20日(日本時間)となります。
 
新しい特集の組み方にご参加いただき、皆様のお考えをお聞かせください。


ALUMNI編集室から 第77号

WEB TPT 2013年4月25日号 ― 通巻77号  

ALUMNI編集室から
「『翻訳プロジェクト・マネージャー資格試験』が始まります―
【(社)日本翻訳協会 6月実施予定】


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
 今回は、今年の6月に実施予定の(社)日本翻訳協会の『翻訳プロジェクト・マネージャー資格試験』を企画協力者としてご紹介しましょう。
 
 はじめに、これからの翻訳の仕事は、一人だけで単独に作業して完結するというより、
複数のメンバーが、複数の職能で関わって翻訳のプロジェクトを完成させる、そんな
形式のものが増えると思われます。それは、文書自体のボリュームが増えて一人では
こなせないということだけではなく、即時に翻訳を完成させる必要がある、アウトプット
で文書形式を多様化するなどの理由によります。
 
 いわゆる、ローカライズから翻訳出版まで、さまざまなプロジェクトが予想されます。
とすると、翻訳者もプロジェクトの一員として翻訳をすれば終わりというだけでなく、自ら翻訳プロジェクトを率いる、もしくはサブとして率いるということも珍しくはなくなるでしょう。そんな時のために、翻訳プロジェクト・マネージメントの基本を知っておくことは必要なことでしょう。
 
 さらに言えば、一翻訳者としてプロジェクトにかかわるときでも、プロジェクト・マネージメントの基本を知っておくことは、そのチームの生産性、チーム力を上げるには欠かせないことと思います。
 
 それでは、新たに始まる「
翻訳プロジェクト・マネージャー資格試験」に寄せて、翻訳プロジェクト・マネージメントの基本を確認していきましょう。
 これらは、すでに本誌を購読されている皆様は、
小坂貴志氏執筆の『翻訳プロジェクト管理の研究』という連載で読んでいらっしゃるかと思います。従って、詳細は連載をお読みください。(現在、連載は第4回、15回まで続く予定です)
 

翻訳プロジェクト・マネージャーに必要な6つのマネージメント能力

1.TIME MANAGEMENT
2.
PERSONNEL MANAGEMENT
3.
DATA&RESOURCES MANAGEMENT
4.
COST MANAGEMENT
5.
CLIENT MANAGEMENT
6.
COMPLIANCE MANAGEMENT 

詳細は、連載に譲るとしまして簡単にその求められる能力を確認してみましょう。
 

1.TIME MANAGEMENT
プロジェクトはスタートがあり、納期というゴールがあります。
途中は、マイルストーンを設定、作業項目ごとにガントチャートなどで逐次の進行管理が必要となります。
 
2.PERSONNEL MANAGEMENT
プロジェクトでは、複数の人間が、複数の役割のそれぞれを担うわけでその適材配置からはじまり、人心の掌握、人材の管理は時間管理に次ぐ重要な管理項目となります。
 
3.DATA&RESOURCES MANAGEMENT
翻訳プロジェクトの場合、用語データベースに始まり、さまざまなデータを時系列で管理していくことになります。
データファイル管理の良否で、プロジェクトが整然と進展するかが決まります。

 
4.COST MANAGEMENT
プロジェクトの成否のひとつの基準に、予算管理があります。無駄な経費を使わず、所期の目的を達成する。大事なポイントのひとつです。
 
5.CLIENT MANAGEMENT
プロジェクトは常に、お客さんの要望を汲んで行われます。
お客様も直接の担当者からその責任者まで多様な役割をもってプロジェクトに関わります。プロジェクト・マネージャーは、かれらの役割を明確に意識して、的確に報告、指示を仰ぐ必要があります。
 
6.COMPLIANCE MANAGEMENT
最後に、プロジェクトを安全に遂行していくためには、守秘契約にはじまり、知的所有権管理等、常に予防法務的なスタンスをもってプロジェクトを進める必要があります。


 
 以上、ここまで読み進めてお分かりのように、これらの要求スキルは、実は翻訳に限らず、あらゆる仕事に必要なものだとお分かりでしょう。
世の中の仕事の形式が、会社の中ですら、プロジェクト単位の形式になってきていることは、すでにご承知のことです。この機会に「
翻訳プロジェクト・マネージャー資格試験」にチャレンジされて、翻訳プロジェクトに限らず応用できるプロジェクト・マネージメントのスキルを学んでみてください。
あなたの仕事の機会が更に広がると確信します。

 

ALUMNI編集室から 第76号

WEB TPT 2013年4月10日号 ― 通巻76号  

ALUMNI編集室から
BABEL  LIBRARY  MEMBERS―新しい優待会員サービスが始まります


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
 4月は、新しいことが始まるタイミングです。そこで、WEB TPTもこの4月10日号から新しい連載が、3本スタートします。
 まず、1本目は、大阪大学の成田一先生の新連載です。テーマは『翻訳技術の言語的な基盤―どこまで翻訳できるか?』です。「翻訳」をめぐる多様な問題を、言語学的な面から工学技術的な面にまで、多角的な視点からの記事の連載をしていただきます。
 「言語と方言と外国語」、「言語差と教育方略と習熟度」、「英語教育における翻訳と訳読」、「機械翻訳の射程と精度」、「言語の対照研究と自然な翻訳」、「機械翻訳の歴史と未来」)など、多彩なテーマを扱っていただけます。御期待下さい。
 
 2本目は、これまで“WORLD FINANCIAL NEWS ”として連載してきた、前田先生の記事ですが、目まぐるしく変化する現代の状況を多角的に読み解くという意味で、新たに「英文メデイアで読む」として始まります。ジャーナリズム翻訳の学習にもお役立て下さい。
 
 3本目は、前号でお知らせした、新連載の開始です。前号では、本誌の前身である翻訳の専門誌『翻訳の世界』の500号余にわたる全記事をPDFで読めるようにして、 BABEL Digital Library(バベル・デジタルライブラリィ)として紹介したわけですが、これをBUPSTの院生の研究の材料に活用して頂き、「わたしは記事をこう読んだ」という各雑誌の読後レポートとして投稿頂こうという企画です。
 
 連載の第1回は、成田さん、北方さんのお二人です。レポートには、元の記事がPDFでリンクされていますので、お二人のレポートと、過去の元記事同時に読んでいただくことができます。バックナンバーとはいえ読み応えある記事ばかりです。さあ、あなたもご一緒に、過去の翻訳の世界の記事を読むと同時に、今、翻訳の世界はどうなっているのか、これからどうなっていくのかという想像の世界を体験して下さい。
 
 また、この記事のレポーターになりたいと希望される方は、どなたでも、編集部までご連絡ください。どの記事を読むか、記事の詳細は、前号の本稿をご覧ください。
 
 次に、新しく発足したBABEL  LIBRARY  MEMBERS(BLM)についてご紹介しましょう。バベルの40周年を記念してスタートするBABEL  LIBRARY  MEMBERS(BLM)はALUMNIと院生の皆さんは無料で入会できます。もちろん、一般の方も参加(有料)でき、バベルグループの蓄積したライブラリィの利用や、すべてのサービスを優待価格や、特典ポイントの利用などで受けられます。プロの翻訳者を目指す方、プロとしてのさらなるレベルアップを目指す方々に、バベルグループ全体でサポートをする翻訳プロフェショナルのための会員システムです。
 
BLMは、以下のサービスからなっています。
 
◇  BABEL  LIBRARY (地球翻訳図書館)
eGAIA書店で販売されているすべての商品が、BLMに加入すると、通常の購入ポイントにBLM会員の特別加算がされます。また、バベルの講師、修了生の方々の翻訳作品も購入できます。
 
◇   BABEL Digital Library
月刊雑誌の「翻訳の世界」、「eとらんす」、「eTrans Learning」,「Legal Com.」,そして「The Professional Translator」、500号を越える翻訳専門誌が無料で購読できます。
 
◇   BABEL Web Magazine
月2回発行の「The Professional Translator」は無料で購読できます。
 
◇  Online Workshop
翻訳出版ワークショップ(POD版)に優待価格で参加できます。
 
◇  Seminar
BABEL UNIVERSITYで実施される講座(一部を除く)、セミナーは優待価格で受講できます。
 
◇  Qualification
    「翻訳専門職認定試験」をはじめ、(社)日本翻訳協会で実施される翻訳関連資格は、BLM会員優待価格で受験できます。
    ・翻訳専門職資格認定試験
    ・翻訳専門職資格基礎試験
    ・翻訳プロジェクトマネージャー試験(6月スタート)
 
以上のサービス特典をはじめ、会員になりますと翻訳キャリアをどう創り上げていくか、ビジネスをどのようにすればいいかなど各種のアドヴァイス、コンサルティングが利用できます。
 
インターネット時代の翻訳者は、これからどう進化すればいいのか、ご一緒に、考えていきましょう。この新しいサービス、バベルグループの新たなチャレンジにご期待下さい。
あなたのご参加をお待ちしています。
      

ALUMNI編集室から 第75号

WEB TPT 2013年3月25日号 ― 通巻75号  

ALUMNI編集室から
4月から始まる新しい企画についてー“私はこの記事をこう読んだ!”


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
 前号からスタートした、連載「翻訳者の教養を深めるための読書ガイド―人類史と日本人論」前田尚作さんの記事は、多くの方に興味を持ってお読みいただいたようです。また、相変わらず、川村清夫さんの「翻訳の歴史研究」は人気があり、今という時代性を感じます。今や、様々な歴史がまとめられたり、隠された歴史が日の目を見るようになったりしている時代です。そういう意味で、バベルの40周年(39‐サンキュウプロジェクト)記念事業を色々企画しています。
 
 そこで、今回は、みなさにご参加いただく新企画、新連載として4月から始める企画をご紹介しましょう。
題して『From Babel Magazine Library ― 私はこの記事をこう読んだ! 』です。
 
 その企画は、バベル翻訳大学院の院生、修了生の皆さんに、日本のバベル社がこれまで、およそ40年にわたり刊行してきた500冊余りの翻訳専門誌の特集、連載記事の中から関心のある記事を読んでいただき、あらすじ、感想、意見を書いていただくというものです。
 
 1976年11月に刊行された月刊「翻訳の世界」から、現在のWEB雑誌「The Professional Translator」の3月25日号まで、バベルの翻訳専門誌は通巻503号を数えます。その間、雑誌のタイトルも5回にわたり変わり、その題号、サブタイトルからも直近日本の40年史、翻訳の世界の変遷が見て取れます。
 
 今でも、読み応えのあるさまざまな記事を読み返して私自身も感慨もひとしおです。
それはさておき、院生、修了生の皆様、また他の読者の方々にも、これらの中から記事を選び、その記事を自分流に、且つ、今的な読み方をしていただき、翻訳に関する独自の視点を提案していただいて、互いにシェアしていこうということを考えています。
 
 さらに、その記事に対し、読者からの意見や、情報の提供などを網羅することにより、現代にふさわしい翻訳の多面的な姿を浮き彫りにしたいと思いますし、ここに翻訳(理論と技術の)ウィキペディアとも言うべき、ライブラリーを構築することの端緒になることを意図しています。皆様のご参加によって、多様な記事のご提供を期待いたします。
 
 それでは、はじめに、503号にわたる雑誌の題号と特集の変遷を概観していただこうと思います。
 
1号     1976年11月 月刊「翻訳の世界」創刊
~       特集 英語の背景を探る
               マザーグースの向こうに
               抒情と論理のことば
               英語と日本語の文化コード
               この似て非なるもの

328号   2000年6月 月刊「翻訳の世界」最終号刊行
~       特集 「正しく」読むためのヒント
               誤訳はなぜ起こるのか?
               テクストの内容を正しく掴むために

329号   2000年7月 改題 月刊「eとらんす」刊行
 ~        <翻訳ビジネスのすべてがわかるハイパーリンクマガジン>
         特集 翻訳マーケットが変わる
              eTrans Creatorのすすめ

389号   2005年1月 月刊「eとらんす」最終号刊行
 ~       特集 BABEL自伝 13のキーワードで読み解く

1.翻訳者の役割
2.翻訳批評
3.翻訳技法
4.表現技法
5.翻訳理論
6.ジャパンプレゼンテーション
7.翻訳プロフェショナル
8.生産性
9.Machine Translation
10.翻訳マーケット
11.資格
12.翻訳大学院
13.翻訳賞
 
390号  2005年2月 改題 月刊「eトランス ラーニング」刊行
 ~       <プロの英語に強くなるインターネットスクールテキスト>
          特集 プロの英語 プロの日本語 

411号  2006年11月 月刊「eトランス ラーニング」最終号刊行
 ~        特集 脱英会話!Professional Englishの時代
 
412号  2007年1月 改題 月刊「ザ・リーガルコム」刊行
 ~       <リーガルキャリア&コミュニケーション マガジン>
          特集 成長するリーガルキャリアマーケット 

423号  2008年11月 月刊「ザ・リーガルコム」最終号刊行
 ~        特集 Professional Translatorの資格 

424号 2009年1月 改題 月刊「ザ・プロフェッショナルトランスレータ」刊行
 ~        <翻訳でダブルインカムをめざす!!>
          特集 翻訳で起業し成功するノウハウ 

428号 2010年1月 月刊「ザ・プロフェッショナルトランスレータ」最終号刊行
 ~        特集 最適地調達を実現するグローバル企業のためのバイリンガルマネージメント マニュアル 

429号 2010年 2月 現 WEB版 「The Professional Translator」刊行
~ 今に至る          <プロ翻訳者のためのデジタルマガジン> 

 
 どうでしょう、創刊号、新創刊号(改題後)、各誌の最終号、その節目、節目の特集(下線を引きました)を見ただけでもBABELが40年近くわたり、翻訳をどう捉えてきたか、お分かりになると思います。
 
 翻訳学的アプローチでスタートした創刊当時、翻訳の実務的、技法の研究・学習的アプローチにはじまり、翻訳マーケットを分析的に捉えるアプローチ、翻訳を機械翻訳、翻訳支援ツールからとらえるアプローチ、ソースランゲージとターゲットランゲージの品質を課題とするアプローチ、インターネットを活用し、WEBで翻訳学習をしようというアプローチ、翻訳起業へのアプローチ、翻訳の資格へのアプローチ、また、2005年のBABELの30周年(三十而立)を振り返って提示した13のキーワード、いずれも翻訳の業界の変遷を見るようです。
 
 歴史は繰り返す、常に基本に還れ、と言った教訓めいたことを持ち出すつもりはありませんが、バベル、約40年の足跡を、「翻訳の世界」からの雑誌の記事を通じて、皆様とともに振り返る機会を作り、新たな翻訳の世界を作っていきたいと考えています。
有志の方のご寄稿をお待ちします。
 
 なお、各原稿には、もとの記事(PDF)も読めるように構成致します。
バベルの院生、修了生以外の読者の方は、以下、BABEL LIBRARY MEMBERSに登録(有料)しますと、これらすべての雑誌記事を読むことができます。
http://www.babelpress.co.jp/
それでは、お楽しみに!!
 そして、皆様のご寄稿に感謝いたします。有難うございました。

ALMNI編集室から 第74号

WEB TPT 2013年3月10日号 ― 通巻74号  

ALUMNI編集室から
翻訳者の職域を拓く


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
 修了生の皆様、すでに連絡をさせていただいておりますように、バベル翻訳大学院のホームページの下段に、皆様の修了作品の売り込み情報を載せさせていただきましたのでご確認ください。http://www.babel.edu/
 
 今号では、アラムナイ担当として改めて皆様に期待することをお伝えします。
ここに発表されている皆様の作品は、目指す作品群の一例に過ぎないと思いますので、是非、今一度ご自身の翻訳者としてのキャリアプランを見直し、ブランディングを構築していくためにも、何を翻訳したいのかを突き詰めてください。
 
 といいますのは、前号で翻訳プロフェショナルとは翻訳をして終わりではなく、チェッカー(Reviewer, Reviser)、編集者、翻訳コーディネータ(プロジェクトマネージャー)、リサーチャー等もスキルとして取り込むことで、翻訳者としての広い就業機会を拓くことになる、と申し上げた通りですが、さらに今回は、これまでの、言わば垂直思考で翻訳キャリアを考えるだけではなく、次は、このような水平思考をもしていただきたいことを提案したいと思います。
 
 すなわち、翻訳者は翻訳して終わりではなく、原作者の紹介者であり、作品のコンセプトの紹介者でもあるという認識です。と考えると翻訳者のキャリアが、その作家、そのコンセプトの紹介者、そしてそのレクチャラー、さらにはその分野の専門ライター、その研究者という顔も創ることができます。
 
 その際に、提案したいことはEstablishedされた著者を探すというより、これからの著者、作家を探してほしいということです。すでにご承知のように、BABEL UNIVERSITYの LIBRARYでは『作家発掘の有益なウエブサイト』をご紹介しています。英語圏では、新進の作家はもちろん、多くの楽しい作品がWEBで多く発表されています。
 
 従って、いわばBeaten Trackを探すのではなく、皆様が自らPotentialのある新進ライター、作家、学者を探してほしいのです。また、これらのサイトはほんの一例にすぎません。インターネットの時代、皆様がそう思い、行動に移せば、その意図の波動に共振して私を紹介してほしいという著者が現れるはずです。
 
 米国を例にとっても、年間刊行点数、15万部のうち、日本に翻訳されているのが数千冊、なんと、多くのWISDOMが発掘されずに眠っているかです。もったいない話です。
英語圏全体を考えれば信じられないくらいの智を見逃しているかもしれません。
 
 ご承知のように、バベルではBABEL LIBRARY MEMBERSを発足して、こうして発掘、翻訳された書籍を(バベル刊行のものに限らず)「地球図書館」というかたちで多くの方に読んでいただこうと考えております。まだご確認されていない方は、WEBをご覧ください。
 
 志を同じくするMSTホルダーのためのメンバーシップBABEL LIBRARY MEMBERSに、まだ登録をされていない方は、以下からお申込みください。ALUMNIメンバー、院生の方は無料で登録ができます。登録されると、ALUMNIの活動や、その他のニュース、翻訳者としての活動のための情報を受け取ることができます。
http://www.babelpress.co.jp/
 
 以上のように、原作者の紹介者であり、作品のコンセプトの紹介者でもあるという認識を持つことで、インターネットの内に埋蔵されているたくさんの作品から、これは、という作品を探してBABEL Books&Rights Marketplaceに登録ご紹介ください。あなたという翻訳者のブランディングの始まりです。
http://www.bookandright.com/
翻訳出版の実績としての作品の出版化に向けて、さまざまな選択肢を提示して、サポート致します。
 
 今号から、新しい特集がスタートしました。その特集はズバリ『仕事の実績を翻訳キャリアに活かす』です。折角これまで蓄積した仕事の実績を、これからの翻訳ビジネスプランに活用するにはどうしたらいいのか、先輩や、只今実践中の皆さんにご寄稿いただきます。
 
 特集第1回目の今回は、ハワイでホテルを経営し、ホテル協会の会長や商工会議所などでも活躍されてきた木村さん、ニューヨーク在住で、移民法専門弁護士事務所で、パラリーガルとして活躍中の釈迦郡さんのお二人です。先の述べた、翻訳者としてのブランディングを学べる、ジェニファー森さんの連載も面白い情報です。
 
 前田先生の WORLD FINANCIAL NEWS は、今回で終了し、テーマのタイトルを「英文メディアで読む~」として、国際金融も含めて幅広く世界のニュース情報をお伝えしていきます。また、翻訳の歴史研究もますます面白くなっています。皆様ご期待下さい。
 
 ALUMNI編集室としては、翻訳に関係する人、翻訳システムやソフトウエアを開発提供する人、翻訳を活用する人など、翻訳の世界を構成する人々をつなぎ、大学院の学びの場と、社会の現場をつないで、翻訳の世界の人々が、ともに意見を交換し、成長できるマガジンとして取り組んでいきます。
読者の皆様のご意見、ご提案をお寄せ下さい。
 
 
 最後までお読み頂き有難うございました。
 

ALUMNI編集室から 第73号

WEB TPT 2013年2月25日号 ― 通巻73号  

ALUMNI編集室から
「翻訳プロフェッショナルに新分野の技能を考える」


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
 本日は、現在進行中の新しいプロジェクトについて、お伝えしたいと思います。皆さまは、翻訳修士のマスターを取得してご活躍中と思いますが、《バベル翻訳大学院ALUMNI》 としては、皆さまの活躍の機会を広げることが、グローバル世界の翻訳の品質向上、一層のコミュニケーションの円滑化に貢献できると考えています。

 そこで、これから毎回、現在進めておりますいくつかのプロジェクトについてお伝えして、同時に皆様のご意見を投稿して頂き、今後の 《バベル翻訳大学院ALUMNI》 の活動をさらに活発化できることを期待したいと思います。

 そこで今日は、まず、この翻訳専門職という範囲を、この2013年から、もっと広範囲をカヴァーするように考えを改めたいと思っています。
ご承知のように、バベル翻訳大学院は、世界で唯一のインターネットの翻訳専門職養成の大学院です。皆さんが益々活躍されるのに必要な、実際の翻訳ビジネスの現状、実態に密着して考え、従来の翻訳プロフェショナルを現代に合わせて進化させていこうということです。

 まず、翻訳プロフェッショナル(=翻訳専門職)とは、従来の翻訳者の体験してきた範囲だけでなく、次のようなケースの翻訳、製品製作なども視野に入れて考察していこうと思います。
①翻訳出版やマニュアル翻訳など作業能力が多岐にわたる時、
②大量の文書の翻訳、
③時間が限定されていて通常の翻訳生産能力を越える翻訳の時、
④深い専門知識を必要とする専門分野の翻訳などで同時に多様な調査、研究が必要とされる時などの時、
⑤同一文書を同時に多数の言語に翻訳し、同一品質、基準の情報を全言語の翻訳において達成が必要な時、
などが考えられますが、HPの翻訳などでは、翻訳者の技術だけでは済まないこともありますね。
そのケースでなくても、翻訳者の能力レヴェルが低いと、監訳者や、チェッカー、リライタ―、編集者などがチームを編成して作業に当るということもあります。
特に、出版翻訳のケースでは、編集者が仕上げる―これが常道となっています。

 また、翻訳出版のケースでなくとも、いわゆる翻訳コーディネーターは、編集者と同じ役割を果たすことが多いです。

 そこで、この翻訳プロフェッショナルの守備範囲を、従来の翻訳部分だけに置かずに、商品、製品としての翻訳文の完成を支援する役割である、編集者、翻訳コーディネーター、チェッカー、リライタ―、監訳者、監修者などの役割も含めて翻訳プロフェッショナルとして考えるということです。

 勿論役割分担がありますから、それぞれの果たす役割は、それぞれの機能となり、専門技能となっています。それをはっきりと技術評価・分析をし、技術水準を組み上げると、各専門技能の習得法、習得技術が明確になります。

 そして、これらの役割機能、技術を身につけることで、翻訳の水準が確実に高まるのです。
これまでのように、自分は翻訳者であるから、一応通じる翻訳ができたら、後は編集者がかなり読みやすくリライとしてくれるから、安心だ、と考えていたら、それで進歩ができるでしょうか?

 現代のように、翻訳の情報があふれており、翻訳者が多分野で活躍できるようになった時代、大量の翻訳文書を、かなり短期間で翻訳することを要求される現代においては、場合によっては、見直しの時間や、リライト、編集などの品質調整の時間が取れないこともあるかもしれません。そんな時、クライアントの要求水準に十分こたえられる水準の翻訳生産レベルを確保しているということは、ものすごいアドヴァンテージになるのではないでしょうか?

 バベル翻訳大学院は、翻訳のプロフェッショナルの養成の専門校として、この新たな研究にチャレンジしようと考えているのです。

 おそらく、世界の翻訳のビジネスの現場で働いておられる皆さんは、この様な望みをきっとお持ちだと思います。編集者や、チェッカーから赤入れのない、修正のない翻訳原稿を出してみたい!!そう思ったことはありませんか?

 それは高望みなのでしょうか?
 編集者や、監修者、チェッカー、リライタ―の感動を引き起こす、当然読者の感動を引き起こす翻訳文を一度でもいいから書いてみたい!!と思われることでしょう。

 実際に熟練した翻訳者の方々は、既にそれを実現しておられることだと思います。
しかし、編集者や、チェッカー、リライタ―、監訳者・・・などの方から修正が来るのは、必ずしも誤訳や分がまずいからだと言うばかりでなく、その人のテイストの基準であることが多いと思います。

 つまり、結構、テイストの違いで、修正やらリライトやらが行われていることも多いのではないでしょうか?

 さらに、編集者や、リライタ―、チェッカーなどの立場で考えると、何の赤入れもないと、ただ働きになってしまうのではないか、つまり、料金の請求ができないから、思いきり直してしまう、ことさえ考えられますね。これは冗談ですが・・・。

 まあ、今のようなことはあまり多くないかとも思いますが、翻訳の現場での体験からのご意見をいただけると有難いですね。つまり、どんな水準のリライト、チェック、編集・・・をなされた体験をおもちですか?ということです。是非気楽にご投稿をお願いします。

 さてこの翻訳のプロフェッショナルの範囲を拡大していく研究では、翻訳者は当然として、リライタ―、編集者、チェッカー、監訳者、監修者・・・は、どんな作業と作業水準を持ったらいいのか、そのガイドライン作りをしたいと思います。
また、翻訳コーディネーターの役割の中にも、以上の機能が求められる場合もあることから、同じように考えていきたいと思います。

 今回は以上について皆さんのご協力をお願いいたします。

 また、現在の特集、「翻訳の研究―専門分野から翻訳を探る」は第4回となりました。今回は、福井先生、五月女先生、河野先生のお三方に寄稿いただきました。指導の実践の中から、その分野の翻訳の心構えを通じて、翻訳とは何かを感じ取っていただけると有難いです。また、連載もますます佳境に入っておりますジェニファー森さん、中国語翻訳をとても楽しく体験できる望月さん、翻訳のリサーチと論文、調査レポートの書き方をまとめていただいている田中さん・・・読者の皆さんからの感想是非お寄せください。

 また、最近の読者数ランキングで毎号トップになる、川村さんの翻訳の歴史研究は人気です。そして、今時の翻訳者に必須のソフトウエアを活用した翻訳技術研究の小室さんの記事も役立つと思います。これらを活用して、皆さんが生産性を一層高められるよう期待いたします。

 ALUMNI編集室としては、翻訳に関係する人、翻訳システムやソフトウエアを開発提供する人、翻訳を活用する人など、翻訳の世界を構成する人々をつなぎ、大学院の学びの場と、社会の現場をつないで、翻訳の世界の人々が、ともに意見を交換し、成長できるマガジンとして取り組んでいきます。

 読者の皆様のご意見、ご提案をお寄せ下さい。

 最後までお読み頂き有難うございました。どうぞ、本号をお楽しみください。

ALUMNI編集室から 第72号

WEB TPT 2013年2月10日号 ― 通巻72号  

ALUMNI編集室から
「翻訳プロフェッショナルの交流の場をめざして」


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
 2013年1月10日号から、WEB TPTを刷新し、《バベル翻訳大学院ALUMNI編集室から》を設けました。バベル翻訳大学院はグローバルマーケットでの翻訳のプロフェッショナルの養成を目的にしています。2000年のハワイでの開校から、早いもので、12年が経ち、修了生が各地、各分野で活躍しています。このWEB TPTマガジンは、その修了生の方々や、現在翻訳プロフェッショナルを目指す方々、翻訳に興味をお持ちの方々が交流し、研鑚し合う場です。

 今年は、昨年スタートした、BUPST ALUMNI を、修了生の活動組織として、活動を充実させていきます。皆様は、もう、MST ALUMNI ASSOCIATION《プロフェッショナルバンク》に登録されましたでしょうか?まだの方は、是非登録をしてみてください。今後のALUMUNAIの活動の情報や、新しいサービスの情報など、タイムリーに活用できることになります。また、このWEB TPTに、ALUMNIメンバーと、現役生、教授他の指導スタッフとの交流の場としてのスペースとメニューを設け、充実させていきます。

 やはり時の流れが速いですね。早くも2月、2013年2月10日号は、特集の3回目となりました。今号は、法務分野の翻訳に長年携わってこられた清家先生から、米国の法制度のヒトコマについてのお話です。もうお人方は、特許翻訳の奥田百子さんです。今回は、法務分野、特許分野から、専門をきちんと中心に据えた翻訳のプロフェッショナルについてご一緒に考えて下さい。

 昨今、翻訳者という職業のあり方も、随分広がってきています。産業の変化や、科学技術の発展などによって、様々な専門分野ができています。その専門分野ごとに、翻訳の要求水準が違ったりしています。まして、グローバルな視野で、翻訳ビジネスを考える時、専門領域について十分な知識を持つことは、とても大事ですし、有利です。

 自分の専門を活かして、翻訳ビジネスという第2の職業へと転ずることもあるでしょうし、現在の自分の専門職務にさらに成長と発展を期していこうとお考えの方もいるでしょう。また、自分の趣味をもっと深めていき、その道の翻訳者として活躍したい!とお考えの方もあるでしょう。現代の翻訳ビジネスにおいては、やはり、何かの、自分ならではの専門分野、専門領域というものを持っていることが、必須ではないかと思います。

 そんなところから、新しい時代の翻訳の姿、形はどうなっているのか?又、どうなっていくのか?専門分野から、翻訳を見た時、これから翻訳者として活動する時の指針として、まさに翻訳を翻訳するということを,この特集で考えて行きたいと思います。今回の手掛かりとしては、法制度、特許という専門分野からの記事ですが、貴方は、今号を読んで、どうお考えになりますか?ご意見を編集部までお寄せください。

 第1回目の1月10日号は、医学の専門分野のお二人に原稿をいただきました。 医学分野における専門翻訳の実情や、課題も示され、医学の分野における翻訳の雰囲気が読み取れたのではないかと思います。今後の医学分野の専門的な翻訳の質を高めることについて研究されることが望まれます。院生の方々のチャレンジを期待したいと思います。

  第2回目は、文芸分野とIT分野で機械翻訳システムの草分けとも言うべき、小澤先生のご意見でした。IT分野の翻訳は、まさに多岐にわたります。今後の翻訳システムの精度を如何に上げていくのか、全く新しいアプローチが出てくるのでしょうか?グローバルマーケットで、翻訳のニーズがかなり増大する分野でもあるでしょう。

 そして今回が第3回で、法務分野と特許分野です。ところで、院生の皆さんには、4つの大きなくくりの分野の中で、ご自分のもっとも得意な分野、またはテーマについて研究を深め、その分野独特の現場の習慣や実情というものを掴むとともに、これを開拓、改善していくことが期待されています。それによって、ますます緊密になるグローバル社会において、今後の翻訳のあり方に方向を示し、よりスムーズなコミュニケーションの実現に、貢献できるでしょう。

 グローバルマーケットとしての翻訳ビジネスは、まだ、緒に就いたばかりです。そういう意味では、今年、グローバルマーケットで、どのように翻訳ビジネスを行えばいいのか?また、世界の翻訳の水準、品質の向上に、どのようにすれば貢献できるのか?そのような、大きなテーマを特集に取り上げ、皆さんとご一緒に、考えていきます。

 ALUMNI編集室としては、翻訳に関係する人、翻訳システムやソフトウエアを開発提供する人、翻訳を活用する人など、翻訳の世界を構成する人々をつなぎ、大学院の学びの場と、社会の現場をつないで、翻訳の世界の人々が、ともに意見を交換し、成長できるマガジンとして取り組んでいきます。

 読者の皆様のご意見、ご提案をお寄せ下さい。

 最後までお読み頂き有難うございました。どうぞ、本号をお楽しみください。

ALUMNI編集室から 第84号

WEB TPT 2013年8月10日号 ― 通巻84号  

ALUMNI編集室から
「翻訳者としてのエフィカシーをどう高めるか

                     - 目標の抽象化」


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
 

抽象のはしごを自在に上り下りする


先回は翻訳者としてのEfficacyを高める重要性を力説しました。そうは言っても、という方も多いかとは思いますが。ここは、過去を振り切って思い切って演じてみましょう。
Efficacy、それは自己の能力の自己評価、これを高く設定したうえで、次回以降の以下の
My Domain( My Success) 設定ワークをしたいと思います。


 
1. 自己発見シートの作成
  Find your own uniqueness
2. キャリアビジョン作成
  Define your own success
3. スキル棚卸しシート作成
  Do your own inventory
4. 5年後の未来履歴書作成
  Write your future resume
5. 5年間のアクションプラニング作成
  Make your action plan
 
では、そのEfficacyをどう高めるか、以下の視点で考えて見ましょう。
 
そして、次号までに皆様が、ご自身のEfficacyをどう捉えているか、まず、
お聞かせ頂けますか。この前作業が極めて重要と思います。
 
Efficacyを高める、自己の自己評価をどう高めるか、自己の目標を高いところで
どう合理化するか、いまの自分にどう自信をつけるか。
 
みなさんは「抽象のはしご」をご存知ですか。
 
抽象のはしごを上がるとは、例えば、動物の犬という概念を例にとるなら、パピオン→洋犬→犬→哺乳類→動物→生物→生命という具合に抽象度を上げていくことを言います。逆に、抽象のはしごを降りるにはその逆をたどればよいことになります。
 
としてみると、一般的には、文化、文明度が高い人ほど、抽象のはしごの上り下りが自由にできる、すなわち、抽象―具象思考ができると言えるでしょう。
 
これを、こうした概念操作から、行動に視点を当ててみましょう。
 
例えば、日常生活を振り返って見ましょう。お掃除をする、料理をする、食事をする、テレビを観る、すべて具体化されたことのエンドレスの連続です。
 
では仕事ではどうでしょう。計算を入れる、メールを書く、書類を作る、会議をする、これもそんな具体的行為の連続です。
 
しかし、我々はこうした具体的行為に忙殺され、それが生活すること、それが働くこと、と
考えてしまうと、つい、どう生きるか、なんのために働くのかを看過してしまいがちです。
 
そこで一度、とどまって、抽象のはしごを上がって見ましょう。なんのためにお掃除をし、料理をし、食事をし、テレビを観ているのでしょう。また、なんのためにメールを書き、書類を作り、計算を入れている、会議をしているのか、はしごを上がって俯瞰してみましょう。
すると、自分に主体性が取り戻せて、生きている実感、働くことの意味を実感できるように
なるかもしれません。
 
さらに、皆さんが翻訳の勉強をしている場を考えて見ましょう。原書を読む、訳文を作る、
それを提出する、指導を受ける、それを復習する、等々、これも一旦、中断しその抽象のはしごをのぼり、なんのために翻訳学習をしているのか、思いを巡らせて見ましょう。
 
それは、単に私は絵本の翻訳家になるため、ミステリーの翻訳家になるため、リーガル翻訳者になるため、という抽象化にとどまらず、その更に先の抽象化を考えてみてください。
なんのための翻訳、そもそも翻訳って何、そんな抽象思考をするとあらたな気づきに出会えるかもしれません。
 
もちろん、抽象世界にとどまっていては先に進みません。具体化と抽象化を行き来することで、事象が俯瞰でき、目標により深みが加わり、目標がしっくり自分のものになり、それが、ひいてはEfficacyが高まることになると言えるのではないでしょうか。
 
それでは、次号8月25日の刊行に間に合うように、短くても構いません、ご自身のEfficacy
をどう高めるか、思うところをお書きいただき以下の
編集部宛メールフォームからお送りください。締切は8月18日となります。字数は問いません。お名前と一行の自己紹介をお書きください。

ALUMNI編集室から 第70号

 

WEB TPT 2013年1月10日号 ― 通巻70号  

ALUMNI編集室から


発行:バベル翻訳大学院 ALUMNI


WEB The Professional Translator   編集長  堀田 都茂樹

  
新年明けまして おめでとうございます。
2013年 皆様のますますのご活躍を祈念いたします。
今年も、新しくなったWEBTPTのご愛読、ご寄稿をお願いします。

 
 2013年1月10日号から、WEBマガジンの構成を新しくし、《バベル翻訳大学院ALUMNI編集室から》を設けましたので、よろしくお願いします。バベル翻訳大学院は翻訳のプロフェッショナルの養成を目的にしています。既に修了生が各地、各分野で活躍しています。このWEB TPTマガジンは、その修了生の方々や、これから翻訳プロフェッショナルを目指す方々、翻訳に興味をお持ちの方々が交流し合う場です。
どうぞご活用ください。
 
 さて、2013年の1月10日号は、新しい特集となります。翻訳に対するとらえ方も随分変化してきたようにも思います。また、様々な専門分野ができており、専門分野ごとに、翻訳の成立事情があったり、翻訳の品質への要求もかなり違ったりしています。
又、一口に『翻訳』といってもいわゆる翻訳ビジネスの現場とはかなり異なるものもあります。
 
 新しい時代の翻訳の姿、形はどうなっているのか?又、どうなっていくのか?まさに翻訳を翻訳するということを,特集で考えて行きたいと思います。そこで、手掛かりとしては、専門分野ごとに、翻訳のありようを探り、多角的な視点で、翻訳とは何か?を浮き彫りにできればいいと思います。
 
 そこで1月10日号は、医学の専門分野のお二人に原稿をいただきました。医学の分野における翻訳とは、何がそこに読み取れるのでしょうか?考えてみてください。
 
 さて、前号で、人気の連載4本が最終回となり、連載終了しました。グローバル翻訳の視点では、ハクセヴェルさんの世界の翻訳会社、業界の実情などに読者の意見も多く寄せられました。又しばらく休んで、新しい連載を期待したいところです。
 
 葛西さんの翻訳コーデイネーター 血風録は完結しましたが、社団法人日本翻訳協会にて開発準備中の「仮称:翻訳プロジェクトマネージャー試験」へと伝達され、新たに小坂さんの検定試験対策にも役立つ、連載が始まりました。どうぞご期待下さい。
2月の改訂へとさらに準備中ですので、皆様のご要望などありましたら、お聞かせ下さい。
では、今号をお楽しみください。

掲示板:みんなで考えよう - 翻訳する心構えとは?

投稿記事表示制限

このコンテンツはログインしてご覧ください。>>ログイン

The Professional Translator

WEB版 The Professional Translator

>>定期購読はこちら

(定期購読されますと、以下のバックナンバーもPDFでご覧いただけますので大変お得です)


 


The Professional Translator 2010年1月号(PDF版)

>>ご購入はこちら

 

The Professional Translator 2009年10月号(PDF版)

>>ご購入はこちら 

 

The Professional Translator 2009年7月号

>>ご購入はこちら

 

The Professional Translator 2009年4月号

>>ご購入はこちら

 

The Professional Translator 2009年1月号

>>ご購入はこちら